商業

2026年3月17日 (火)

アリオ仙台泉がイオンモールに!(その2)

前回記事の続きです。


前回記事


 泉中央がおかれてきた状況について、前回記事で整理しました。

 南の拠点長町と泉中央との大きな違いは、分散型の長町と一極集中の泉中央。地下鉄の終点故全員下車し、バスや送迎、自転車、徒歩などの別の交通モードに移行するにあたり、乗降客4.8万人が行き来することでのビジネスチャンスが大きいこと。一方、以遠に行く方にとっては、乗り換えが面倒である他、車で直接目的地に向かうという誘因が生じること。

 

 一方長町駅は、地下鉄も、JRも通過駅で素通りされることが多い。ただし、地下鉄・JR駅の合計乗降客数は3万5千人程度ながらも、相互の乗り換えがあること、通過客が途中下車することが可能であり、特にJR(アクセス線含む)は高架で街並みをアピールすることができることから、潜在的なビジネスチャンスにつながること。また、長町エリアにはJRでは他に太子堂駅、地下鉄では長町一丁目駅と長町南駅があり、最寄りの駅を使って都心部と直接行き来することができることから、薄く広く利便性の高い街が広がっていることも、メリットであります。

 それぞれ特徴を持っていますが、泉中央に関しては、現時点で裏目に出ているような状況です。

厳しい商業ポテンシャル

 2年間以上も棚ざらし状態だったアリオ跡地ですが、オーナーである住友商事(住商アーバン開発)もセルバ・セルバテラスと連携した形での商業施設としての再開を模索していたと考えるのが自然。

 他のヨーカドー跡地で、青森店や弘前店、五所川原店、花巻店、そして新潟中心部のIY丸大もロピア(ヨドバシビルに続いて近隣での出店を計画していた)が後釜に入っているのに、周辺人口だけであれば他の店舗跡と遜色ないどころか、地下鉄ターミナルのマンション林立エリアでありながら、すぐに白羽の矢が立たなかったというのは、大家が住友商事であり、セルバ・セルバテラスと一体での商業施設として再生することを目指していたと。

 それが結果的に再生できなかったというのは、セルバ・セルバテラスの売り場面積が約1.5万平米であるのに対し、空きビルとなっている旧アリオの売り場面積が約2万平米と、SCを実際2倍以上に増床するようなもので、現在のセルバ・セルバテラスを維持するのでも精一杯というところ。

 セルバも徐々に空きテナントが増えてきたところで、GUも地域一番の売り場面積で進出したり、八文字屋書店からダイソー3業態(スタンダードプロダクツ、スリーピー含む)に入れ替えたところなどなど、賃料はかなりディスカウントしたのだろうなと。

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 しかしダイソー3業態は近隣でもイオンタウン泉大沢の広大な空きフロアを活用して出店したばかりで、物珍しさは薄れているところ。セルバ1階の食彩館はスーパー機能の代替として好調ですが、住友商事としてアリオの6層のフロアは広すぎ、縦に長すぎる。

 そしてあのバブル感満載の吹き抜けがあるフロアの活用のし辛さなど、手詰まり感があったと。

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何より、セルバ・セルバテラスに出店している店舗は、周辺に林立しているイオンをはじめとした郊外型SCでも手に入るものばかり。

とどめを刺したのが、学院大の泉キャンパス撤退で、駅前を経由して路線バスを利用して通っていた学生が一気に消えてしまったこと。

イオングループ寡占化が進む仙台圏

 イオンモールが土地建物を取得したことで、ニュースでインタビューを受ける市民からは歓迎ムードを感じますが、「建物を活用するかどうかは不明ながら、将来性から取得した」という企業側のコメントからも、本気で力を入れる物件とは思えないのです。


「仙台の北のポテンシャルの高いエリアなので取得した。地元の人にヒアリングし、リサーチを重ねて何が必要かを検討したい」

今後について「魅力的な施設づくりを通して地域の皆様と共に、仙台市のまちづくりに貢献してまいります」


  というのも、このアリオ(ヨーカドー)を閉店に追い込んだのはイオングループであること。

 そもそも、将監トンネルの先の4号バイパスとの交差点脇にあった旧ジャスコ泉店(閉店後「いずみパワーモール」としてしばらく存続)を撤退に追い込んだのは当時のヨーカドー仙台泉店。その敵をとるかのように、イオンがヨーカドー包囲網を敷いたのは(その1)で述べたとおり。

 泉中央の活性化のために進出するのであれば、まだ30年余しか活用していない建物の再利用前提で、”なるはや”での計画を進めるはず。それが、上述のような期待はさせても具体的な中身がない発表では、「急いでやる気はありません」ということ。結局耐震補強を理由に休止した仙台フォーラスのように、期待だけさせておいて放置という戦術なのではと。

 更に建物を再活用しない可能性もあるとのことで、その場合土地面積は1.2haしかなく、イオンモールにふさわしい規模感は確保できることは期待薄。

 というのも、結局イオン寡占化が進んでいる仙台都市圏北部。(仮称)イオンモール泉中央 に力を入れるにしても、その売り上げはゼロサムゲームであり、他のイオンの店舗が減ってしまうだけであれば、力の入れ具合は限られてしまう。

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 そもそも、アリオの建物再活用のとどめを刺したのは、昨秋にオープンした都市型店舗「イオンモール仙台上杉」が青葉区北部(地下鉄南北線北側)の需要を抑えにかかったからであること。

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 更に、アリオの建物を活用したとしても、商業床面積が約2万平米と、イオンモール仙台上杉の2/3程度。規模感としては、東西線卸町駅前の「イオンスタイル仙台卸町」と同規模で、この規模ではGMS中心で専門店の導入は限定的。そもそもセルバ・セルバテラスが専門店街の役割を果たしていることから、イオンモールのリーシング力を活用して専門店を誘致しようとすると、完全にセルバ側とガチンコで競合してしまう。

 全国でもイオンモールとしての最小店舗と言われているのは、東京都日野市の「イオンモール多摩平の森」で商業床面積が2.4万平米であり、それより小さければ、イオンモールの魅力が発揮できない。そうなると、イオンモールとして再オープンさせるためには、セルバ・セルバテラス側も買収し、売り場面積3.5万平米規模で、駐車場も共通利用してという形にならないと厳しく、そうなると5年スパンで待たされる可能性も高いと思っています。

イオンタウンあすと長町の再来?

 なお、このブログでもしょっちゅう言及してますが、あすと長町の集客施設と期待され長町駅東口の保留地2.7haを2012年末に取得したイオンタウンは、駐車場状態のまま早13年以上放置されながらも、現時点でも具体的な発表が行われていません。

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 イオングループの中で 卸町→名取増床→新利府出店→上杉 と続き、ようやく長町の計画が動くのではとは言われていますが、そもそも南部エリアはイオンモール名取とザ・モール仙台長町(トライアルが買収)が競合している商圏で、(仮)「イオンタウンあすと長町」はその両モールに規模間で勝ち目がないことから、急ぐ理由はないんでしょうし、再開発地「あすと長町」のど真ん中の虎の子の土地を13年間放置し続けていることなど、街づくりへの協力という視点は薄いのは明らかです。忘れている方も多いでしょうが、住友不動産と共同で土地入札し、住友側は「シティタワー長町新都心」として9年前に分譲されているのに、共同事業の商業施設部分がここまで遅れるというのも信義則に反するとしか。


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泉中央の将来性を左右する半導体企業誘致の動向

 そうなると、土地・建物の取得理由として「仙台の北のポテンシャルの高いエリアなので取得した。地元の人にヒアリングし、リサーチを重ねて何が必要かを検討したい」というコメントが気になります。

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 泉区役所再整備は今年の10月に完成し、東北労金の本社機能の移転などで就業人口の増加が図られ、イベント広場の活用など、賑わいが生まれる見込みで、泉中央エリアの定住人口増の要素としては、徳洲会跡付近での泉中央西土地区画整理事業の造成工事が始まり、建物が建ち始めるのは2030年ころ。そのほかは (その1)でも言及し、過去記事を紹介したミヤギテレビ新社屋は2030年以降と言われており、まだだいぶ先。

 

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 よって、これだけでは「北のポテンシャル」というのには弱すぎる。泉中央駅を起点として整備する構想の富谷市ロープウェイ(ジッパー)も、仙台市の郡市長が否定的なコメントをしている状況など、実現性は不透明で、そもそも現在のバス輸送分の振替でしかない。

そうなると、例の大衡村への進出が撤回されたPSMCの後継となる企業誘致への期待ということに尽きるのでは。


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 先月に突然ニュースとなり、即座に企業側から撤回された、韓国半導体大手のSKハイニックスの日本へのメモリ工場建設の話が生きていることに期待するところですが、それ以外の企業になったとしても村井知事は粘り強く誘致活動を続けているようです。

 工業団地としての条件は、高速道路アクセス、工業用水、地盤の強さなど優位点がいくつもあります。

 ただ、母都市となる仙台から25㎞の距離というのがネックのところ、中継点としての泉中央駅エリアの拠点性が上がるとしたら、その状況を見据えて、土地を確保したということも。

 あくまでも可能性ですが、そうなるとイオンモールが泉中央の将来性を評価してくれたことは悪い話ではないにせよ、なおさら短期的な商業機能の復活というのは期待薄ではと、考えれば考えるほど厳しいように思えてなりません。

 いろいろと、現在の取り巻く状況から予想してみました。泉中央としてはプラスになる話ではあり、今後朗報が飛び込んでくることを期待したいと思います。

 

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アリオ仙台泉がイオンモールに!(その1)

今日の夕方飛び込んできた、驚きのニュース。

良いニュースといって良いのか。。。まさかのイオンモールが泉アリオの土地・建物を取得とは。

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 このブログにて、これまで何度かとりあげてきた、このアリオ仙台泉と泉中央エリア。


過去記事


 2024年1月末に閉店し、早2年以上も空き店舗状態で置かれていた旧アリオ仙台泉店の建物(写真中央奥)

右側はセルバ、左側はセルバテラス。3施設の中で最も床面積が大きい旧アリオの建物が活用されていない状態は、泉中央のおかれている状況を示しているようで、本当に悲しげな雰囲気を醸し出しています。

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 隣接して同じ住友商事が所有するセルバ、セルバテラスの専門店が入る商業施設に挟まれながらも、看板が外され寂しげな外観をさらしていました。南北線が延伸開業し泉中央駅開業とほぼ同時にオープンした1992年から30余年。飛ぶ鳥を落とすような勢いだった当初10年間には、駅開業と同時に「イトーヨーカドー仙台泉店」、「駅ビルSwing」、5年後の1997年には「ユアテックスタジアム仙台(当時は仙台スタジアム)」、1999年には「セルバ」がオープンし、仙台都市圏で都心部に次ぐ確固たる拠点として、憧れの街として成長を続けていました。

 

 多くの観客が詰めかけた、2001年のベガルタJ1昇格から2002年のJ1初年度、2003年の降格というこの時期は、泉中央=ベガルタという強い結びつきが生まれ、駅西側の飲み屋街が成長し、特に元気だった時期でした。

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 泉中央駅が路線バスのハブ機能を果たし、地下鉄に接続する深夜バスがパークタウン、富谷方面、向陽台方面など各方面を結び、泉周辺住民にとっては、仙台都心部より30分以上長く、24時過ぎまで飲めるというメリットを遺憾なく発揮していました。

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 2000年代後半は仙台市の人口の伸びが鈍化しながらも、富谷市方面のニュータウンへの流れは続いており、泉中央の勢いは続いていました。
しかし、2003年にオープンしたイオンモール富谷、その前の1997年にオープンしたイオン中山SC(当時の中山ジャスコ)、2000年にオープンした利府ジャスコ(現 イオンモール新利府北館)と、イオングループに東西そして北を包囲され、更に2007年にはイオンモール富谷の近隣にイオンタウン泉大沢と、自社競合極まれりという状態で、じりじりとイトーヨーカドーのGMSとしての商圏は削られ続け、震災の前後には閉店が既定路線になりながら、震災後の周辺の人口増により息を吹き返し、まさかのアリオ仙台泉としてリニューアルオープンとなりました。

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 その際には、同じ建物オーナーである住友商事が運営するセルバと上空通路が整備され、より一体的な商業施設として再生したのは2013年。アリオ1階にはフードコート、上層階にはIYグループのロフトや赤ちゃん本舗、タワーレコードなどの専門店、中層階にはIYグループの特性を生かした西武の小型店など、駅前型のSCとして魅力的な専門店を導入して生まれ変わったものでした。ただし、専門店部分はセルバとも競合し、アリオ末期にはアリオ4階にくまざわ書店、セルバ5階には八文字屋書店が連絡通路の両側で同業でのぶつかり合い。そしてアリオ閉店後に八文字屋はセルバから撤退と、書店が泉中央駅前から消えてしまったように、ちぐはぐな動きも気になっていました。(その前にTSUTAYAも泉中央駅西口から撤退)

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 そして、泉中央エリアの没落の要因としては、仙台圏の住宅地選択で北部一強状態のアンバランスな状態だったのが、仙台市の南部→東部が魅力的な住宅地として認識されてきたことに尽きます。なので、正常化の過程での一時的な苦しみという面もあるのではと思っています。

1 あすと長町および名取りんくうタウンの整備(2005~2014年)

 正直南北線開業後も下町のあか抜けないイメージが抜けなかった長町エリア。97年のザ・モール開業のインパクトが大きいながらも、実際化けたのはJR長町駅付近の高架化とあすと長町の街びらきが行われた2006年頃以降で、長町駅西口とモール周辺に加え、新しい街であるあすと長町の相乗効果で長町のイメージが変わりました。アクセス線開業効果でのJRの本数が1.5倍に大幅増発され、新型車両が導入された時期も重なります。

 そして、空港アクセス線の開業およびイオンモール名取(当時のダイヤモンドシティ名取エアリ)オープン、そして2駅にまたがる駅周辺開発の進展で、南部方面に欠けていた商業施設とニュータウンの複合開発が行われ、「家を買うんだったら、青葉区か泉・富谷方面」という空気を変え始めた時期でした。


  過去記事

一方中華街構想は霧散しましたが、結果的には良かったかと)


 大震災により、被災地から沿線への人口流入が起き、空き地が目立っていたあすと長町とりんくうタウンも一気に活用され始め、南部方面が再評価された時期でもありました。

2 地下鉄東西線の開業(2015~2024年)

 南北線と一体で運行する地下鉄東西線の開業で、住宅地の選択範囲が仙台市東西(特に卸町・荒井エリア)に広がったことで、平地で駅近、仙台バイパスも東部道路も近いエリアの人気が高まり、若い世代の住宅取得も北方面から続々と荒井方面や八木山方面(そしてあすと長町の高層マンション群、名取方面も)にシフトした時期です。

 あと、泉中央にとって大きかったのは、地下鉄東西線開業と同時に実施された深夜バスの廃止による終バスの大幅前倒し。路線によっては地下鉄最終便に接続していた各方面の宮交バスが一気に30分~1時間程度も終バスが早くなり、その後も運転手不足などの理由によりじわじわと前倒しが続きました。

 一時期、深夜バス復活の動きがありましたが、コロナでダメージを受け実証実験はうまくいかず、現在は遅い路線でも10時半までには終バスが出てしまい、バス路線沿線の住民はゆっくり飲みに行くことがほぼできなくなりました(タクシー必須)。


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泉中央の復活に向けて

 人口流入の鈍化から、高齢化の進展が仙台市内5区の中で泉区が一人負け状態になっているのは事実ですが、それでも泉区や富谷エリア自体の活気が落ちているわけではなく、この20年は、トヨタや東京エレクトロンなどの企業誘致からの従業員の居住増加、震災による沿岸部からの移り住む動きなどプラス要素も大きいところです。ただし、車前提の街づくりとなっていることで、駅周辺以外の郊外部の利便性は高まる一方。バスの利便性の低下、そして駐車場のない泉中央駅エリアに向かう理由が少なくなっていることを感じる次第です。

 しかし、現在進んでいる泉区役所再整備、今後予定されているミヤギテレビの新社屋の整備など、泉中央エリアが再び注目される要素はあり、その動きの一環でのイオンモールの投資につながったのでしょうね。


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 アリオ閉店後の2年間の膠着状態を動かしてくれたことはよかったと思いますが。ただし、郊外型モールを主軸とするイオンモールは、この泉中央から車で20分圏内に3つのモール(グループ内で加えて2つのモール)を営業していることから、この泉中央の地で力の入れ具合には疑問を感じるところで、今後の動きについては続編に。


続編




 

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2025年10月 4日 (土)

イオンモール仙台上杉 10/8グランドオープンを前に

 東北大学雨宮キャンパス(農学部)跡地開発の核施設として、昨年5月に移転した仙台厚生病院に続いて10月8日にグランドオープンする、イオンモール仙台上杉。

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 雨宮キャンパス再開発の方向性が検討され始めてから20年近く、イオンモールが土地を取得してから11年半と長い歳月の末、ようやくオープンとなりました。なお、あすと長町のイオンタウンは雨宮よりも1年早く土地を取得しているんですがね。雨宮イオンの次と言われていたし、そろそろ動き始めるのか。


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10月8日のグランドオープンを前に、周辺住民向けのソフトオープンと称した営業が開始されています。

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グランドオープンを前に、周辺に新聞広告が織り込まれているようです。

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 グランドオープンと何が違うの?という感じですが、従業員の訓練も兼ねて、イオンモールではどこでもやっていますね。

内覧会的な、チケットを持っていないと入れない訳でもなく、本当に誰でも普通に入れます。以前はこっそり2~3日前からやっている印象だったけど、最近は悪びれない感じで、堂々とやってますね。1週間もソフトオープンとか。まぁ、悪いことをしている訳でもないけど。

店舗概要(プレスリリースより)


核店舗    :イオンスタイル仙台上杉

サブ核店舖:ユニクロ、無印良品、コジマ×ビックカメラ
専門店    :約140店舖
・敷地面積  : 約 33,000㎡
・延床面積  : 約 75,000㎡(立駐含む)
・総賃貸面積 : 約 29,000㎡
・建物構造  : 店舗棟 鉄骨造 地上4階建
 /立体駐車場棟 鉄骨造 地上6階建
・駐車台数 : 約 1,300台
・駐輪台数 : 約 800台
・営業時間
 : 専 門 店 10:00~21:00
            レストラン  10:00~22:00
            イオンスタイル 9:00~22:00
・休 業日 : 年中無休
・従業員数 : 施設全体 約2,000名(内、イオンスタイル仙台上杉 約300名)
・基本商圏 : 約5km圏内・約28万世帯・約58.4万人


1階は食品・インテリアのフロア 

 イオンスタイル(スーパー)は、ソフトオープンとは思えない位、普通に賑わっていました。

 レストラン街も、シックな感じで、周辺住民の所得に合わせた感じがあります。気仙沼発のマザーポートコーヒーが出店しているのはポイント高し。 他、奥側にはKEYUCA等インテリアショップが並ぶ空間が。

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2階はおなじみのテナント

 両端に、ユニクロと無印、そして3COINS+という鉄板のテナントを配置しています。

 近くの店舗は、ともに仙台駅前になるので、周辺住民にとっては、助かりますね。

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 3階は、コジマ×ビックカメラなど

 コジマ×ビックカメラがの存在感が大きい。その他ABCマートやゲーセンなどがあります。

 この辺りは家電店がやはり仙台駅東口のヨドバシが最寄になり、郊外店では泉中央のコジマや北環方面のヤマダ、ケーズまで行く必要があることから、それほど広くないにせよ、普段使いには十分です。コジマ×ビックカメラは、名取→利府→上杉 と、近年はイオンモール内出店に舵を切っていますね。

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グルメアリーナ(4階)

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 グルメアリーナという巨大フードコートでは、センターに4面ビジョンが設置され、今日はイーグルスのナイター中継をやっていました。

 飲食店は、丸亀製麺、マック、大阪王将などよく見かける店舗の他、唐揚げ、イタリアン、マグロ丼など、バラエティに富んだ店舗も並んでいます。酒も普通に飲め、スポーツバー的な使い方もできるようで。

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4階(KAMISUGI ONE PARK)

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 屋内と屋外にまたがる、子供連れ向けの休憩・遊びスペースです。報道での印象よりは広い訳ではなかったですが、未来屋書店に面し、フードコートもあることからゆるい雰囲気で、子連れにとっては人気の空間になるでしょうね。

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交通アクセス

 地下鉄北四番丁駅から徒歩7分という微妙な距離ですが、勾当台通に建ち並ぶ飲食店などを横目に見ながら、歩いてみるとそれほど遠くはありません。

 写真は、泉中央駅改札に掲示されているイオンモール上杉の広告ですが、泉中央駅から地下鉄11分+徒歩7分で18分と謳っています。

 このイオンモール上杉のオープンは、旧アリオ仙台泉がカバーしていた仙台市北部の地下鉄沿線も商圏にしていることから、アリオ跡の活用には逆風になりそう。アリオの建物の復活には、泉中央の足元商圏+旭ヶ丘・黒松エリアの地下鉄沿線からの集客がカギになるだけに。

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 ただ、泉中央セルバや長町モール・ララガーデンのように、駅前又は駅直結という訳ではないので、基本的に都心部にある店舗が並んでいることから、北方面の地下鉄利用者がわざわざ降りて行くのであれば、仙台駅に行ってしまった方が楽というケースも多く、基本的には、足元2~3km圏でしょう。駐輪場も800台分も確保しているのはそういうこと。

 また南部の住人にとってはモール+ララガーデン長町で足りるので、仙台駅から地下鉄やバスでこのイオンモール上杉に向かう流れは限定的。

 ただ、市バスの中江・幸町方面からは市バスが目の前の「上杉2丁目」バス停を通るため、仙台駅前や一番町へ行く需要をせき止めることになりそう。

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市バスのバス停は、北六番丁通沿いに「上杉2丁目」で、仙台駅まで約20分。

宮交が新路線開設

 今回のオープンに合わせて、宮城交通が敷地内にイオンモール上杉・仙台厚生病院バス停を開設し、仙台市南部からの3路線の起終点を県庁市役所前から延長しました。

このバス停始発のバスは、毎時2~3本で、仙台駅までは230円と、市バスの190円より高いですが、敷地内で始発のバスを待つことができるので、イオンモールよりは厚生病院利用者をあてにした新規開設なのかと思いました。

 病院利用のヘビーユーザーはほぼ敬老乗車証で、数十円の違いは気にしないでしょうし。

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 宮交も、運転手不足と利用者減で、コロナ以降縮小均衡に拍車がかかっていましたが、最近発表された街中(市内小田原車庫)への本社移転と中心部を重視した路線再編を図るとのことで、今回の路線延長はその流れの一環なのでしょう。また、県庁市役所前近辺でのバス路駐などの弊害を解消するための待機場所としての意味合いもあるのかなと。

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 駐車場は1300台分を立体駐車場で確保しています。また、厚生病院の平面駐車場も提携駐車場として位置づけられているようで、週末には活用されるのでしょうね。

基本的に90分無料+2000円以上の購入で60分延長となり、最大150分無料となっています。シネコンもなく、程よい規模のSCなので、この最大無料時間で十分かと。なお、精算に現金が使えないというパターンは初めて見ました。

11月以降であれば、無料時間に収まりあまり精算対象になる車はないでしょうが、これも時代の流れですね。


(注)2,000円購入で60分延長は11/1から。10月中は90分超過分は1時間600円の追加料金がかかりますのでご注意を。


 

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都心外縁部への大型商業施設の意義

 売場面積が3万平米弱と、旧アリオ仙台泉とセルバを合わせた規模で、長町モールの本館よりは小さい程度です。

 なので、足元の高所得の住人をターゲットのスーパーや飲食は多少高級寄りにしながらも、専門店は鉄板のテナントを集める堅実なテナント構成にしてきたなぁと感じました。都心部の売り上げを150~200憶園程度は奪う形になるでしょうが、そもそも近年閉店したグループのイオン仙台店とフォーラス仙台店分で100億強はあったでしょうから、その分を自社で取り返すイメージか。都心外縁部に立地する大規模SCはこれまでなく、地下鉄で10分の距離の長町モールは郊外であり、それも都心部が安閑としていた理由でもあったので、イオンモールとはいえ、もう少し早くこのような商業施設があっても良かったのではと思っています。

 他の地方大都市では、福岡(ゆめタウン福岡、ららぽーと福岡、マークイズ福岡ももち等)、広島(イオンモール広島府中、ゆめタウン広島、フジグラン広島)、札幌(サッポロファクトリー、アリオ札幌、イオン桑園)とも、都心部内や外縁部に郊外型のSCがバランス良く立地しており、それも都心部の人口密度の高さを生活面で支えています。都心部の競争力は保って欲しいですが、都心部の生活の利便性と人口密度を高めるためには、必要なものではないかと思います。都心部ではないですが、東仙台のJT跡地のアリオが実現していればという思いもありますが、当時の商工会議所と某市長がこの計画を潰した経緯があり。。。

 その前には、幸町イオンが進出する際にも商工会議所とすったもんだがありました。古くなった店のテコ入れが不得意なイオングループによくある話で、もはやすっかりさびれていますが、今回の上杉イオンの約半分の1.5万平米弱の売り場面積があり、そこそこの規模の中型店です。今回の上杉イオンの商圏に幸町エリアは確実に入ってくるので、自社競合も厭わない形でしょうが、目の前のバス停から伸びるのは幸町・東仙台営業所方面のバス路線であり、この幸町イオンのダメージも大きいような気がします。


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 南側の勝山ボーリング場跡地をかつて住友不動産が取得し、シティテラス上杉を分譲していますが、この都市型イオンモールのオープンに合わせて、 その第二期計画がこのタイミングで発表され、建築計画のお知らせも出ています。住宅の戸数は321戸と、第一期の336戸に匹敵する、タワーではないマンションにしてはかなりの規模。

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 億越えの部屋が普通にあるような分譲マンション計画なのでしょうが、この上杉エリアの底上げのために、残されていた虎の子の土地が動き出します。住友不動産はこのシティテラス上杉と第二期で657戸、イオンモール北側で約200戸、野村不動産のプラウドで約200戸とイオンモールの進出に向けて1000戸以上が新たに分譲され、2000人程度の人口増に繋がったのでしょうし、その効果が周辺にも波及していくことが期待されます。

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2025年6月14日 (土)

仙台と福岡(その3)福岡市地下鉄各路線について


仙台と福岡(その2)地下鉄直結!福岡空港からの続編です。


 福岡市地下鉄3路線目として、2005年2月に天神南ー橋本間の12㎞が開業した七隈線。

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  事業化のためには、コスト削減で断面積の小さいリニア地下鉄が採用され、既存路線との直通を当初から断念することとなった上、開業前には、幾度となく需要予測が下方修正され、ようやく開業にこぎつけた感があった路線。この紆余曲折ぶりは、「仙石線相互直通+モノレール南西線」計画撤回により生み出された、仙台市東西線とも共通するところ。同じリニア地下鉄というところも。

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 将来の延伸を見据えて、天神の駅位置が天神地下街を挟んで南側に置かざるを得ず、既存の地下鉄空港線乗換のためには、その天神地下街経由で10分弱の改札外乗換を強いられ、地下鉄で博多駅や空港方面へ行くには、非常に遠回り感が生じていました。

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 博多駅へは途中の薬院駅で博多駅行のバスに乗り換えるか、それであれば、最寄りのバス停から直接博多駅行に乗った方が楽という、中途半端さがあだとなり、開業後も西鉄バスが真っ向勝負で博多駅直行バスをバンバン出し続けたため、当初は、七隈線の一日の利用者数が4万人台(需要予測11万人)と惨憺たる利用状況となっていたとか。

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 もともとの構想は天神南・中洲川端駅経由ウォータフロント方面と、途中の薬院駅で分岐して博多駅延伸という路線が考えられていましたが、ウォータフロント方面構想は中洲川端駅で既存2路線に乗り換えできるというメリットの反面、採算性に難があり、天神南行と博多駅行を分岐させる運行体系は無駄が多いということで、延伸計画は決まるまで時間がかかりました。

 せっかく整備した七隈線の利用促進のために、
2011年に実際開業した現ルートの整備が決定し、天神南駅からキャナルシティ博多経由で博多駅乗り入れ工事を開始したものの、記憶に新しい平成28年の工事中道路陥没事故で開業が2年程遅れ、令和5年3月26日にようやく博多延伸開業にこぎつけたとのこと。

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 七隈線雑感については、過去記事と重複するので、こちらを。

 開業前の低利用率から一転、博多駅延伸開業後の混雑状況が話題になっていた七隈線に初めて乗車しました。あえて朝ラッシュ時をめがけて、宿泊していた天神の宿を朝早く出て、終点の橋本駅まで向かって、平日の8時頃に博多駅に到着する電車に乗ってみました。

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 仙台の東西線で乗り慣れているリニア地下鉄の車両サイズですが、やはり窮屈感は否めません。向かい側の席が目の前に感じます。

 下りは6時台だったため、当然ガラガラで25分の道のりを橋本まで。この駅は、日本最西端の地下鉄駅とか。

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 一旦改札の外に出て、駅周辺を観察しましたが、幹線道路沿いで上空には都市高速環状線が走っており、向かい側には「木の葉モール橋本」というそこそこのサイズの郊外型SCが。かなりの郊外を感じるエリアで、この光景見覚えあると思ったら、仙台の三井アウトレット仙台港と産業道路・上空に東部道路という組み合わせに似ている。

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 橋本駅周辺は住宅密集地という訳ではなく、発展途上な印象で比較的低密な土地利用が広がる中、周辺の丘の上に見えるニュータウンからの乗り継ぎバスターミナルがありました。地下鉄で博多から30分の終点なので、郊外なのは当たり前にしても。

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広々とした橋本駅構内です。

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 7時29分発博多駅方面の朝ラッシュ時の電車に着席乗車でしたが、発車後3~4駅でようやく空席が埋まり、福大前駅あたりからは多少混雑してきました。

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 六本松と薬院の間の数駅はドア付近はかなりの混雑で積み残しも多少あるようでしたが、座席に挟まれた通路の部分は2列でつり革をゆったりとつかめるような混み具合で、足元もかなり余裕あり。ピークはもう少し後だったのかもしれませんが、最高140%の乗車率という前評判?に対し、多少拍子抜け。一応夏休み前の学生も多い時期でした。確かに、リニア地下鉄の小型車両では2列ではゆったりつり革をつかめるけど、3列になってまで中に詰めるのは困難という中途半端な車幅ではある。

 予想通り、西鉄乗換の薬院駅で混雑が緩和され、天神南駅で過半数が降り、あとは立ち客がパラパラ状態で博多駅方面へ。仙台もですが、実際混雑が激しい区間は数駅だけという感覚は同じでした。

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 一般的な地下鉄は都心部を貫通して双方向の利用がありますが(空港線はこのパターン。仙台の南北・東西線も。)、七隈線は博多・天神南・薬院という繁華街や乗換駅が終点寄りに固まっており、片道28分の片輸送気味で、福大輸送はあれども路線としては効率は良くないと感じました。延々と住宅地から小型車両4両編成で20分以上も乗客を集めていけば、さすがに車内が混雑するのは当然で、仙台の東西線でさえ、東の終点荒井から片道10分を超える仙台駅直前はかなりの混雑になる。

 ミニ地下鉄では大江戸線は8両編成で乗客を詰め込んでいるなど、1両当たりの輸送力が小さい分を編成を長くして対応するしかない。


 そもそも西鉄バスが地下鉄へのシフトに協力的であれば、七隈線は博多延伸時に6両編成への増結が可能になる程度の利用者数と経営状態にもなり得たと考えます。郊外からの片輸送を少しでも軽減させ、利用者数を確保するために、沿線のマンモス大である福岡大学を経由させ、車両基地設置の都合で引っ張った橋本方面へはかなりの遠回りの線形となるなど、苦労がしのばれる計画でもありました。

 西鉄バスとしても、当時真っ向から勝負に出たのは、元々経営していた路面電車が廃止を強いられ、市営地下鉄空港線・箱崎線への移行に協力したという背景から、これ以上ドル箱の沿線の乗客が根こそぎ奪われるのを避けるためというのは、民間企業の判断として分からなくもないですが、結局博多駅延伸されれば勝ち目がないと、乗務員不足もあり白旗を上げるタイミングは結果論ではあるとしても、悪すぎるとしか。


流石の空港線ラッシュ

 一旦ホテルに戻ろうかと思いながらも、せっかく博多駅まで行ったので、空港線に乗り換え、姪浜方面へ乗車。大濠公園を散歩しようと思ったら、大雨が降ってきたので、とんぼ返りで大濠公園駅で8時半頃のラッシュ状況を観察しました。

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 3分間隔で、6両編成の車両が双方向に行き交い、どの電車もかなりの混雑。入口付近はもちろんのこと、七隈線と異なりドアとドアの間もそれなりの混雑であることが感じられました。また、当然ながら、空港線なので福岡空港に向かう大きなスーツケースを持った乗客も目立ち、ラッシュ時に乗り込もうとすると結構辛そうでした。

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 特にJR筑肥線直通のJR車両の混雑が激しいことは、一見して分かりました。

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 糸島市や西区からの郊外電車の役割を担いながら、学生街でもある副都心西新、赤坂から天神までのビジネス街、繁華街中州、新幹線では西日本随一の大ターミナル博多駅、便利過ぎる福岡空港を貫通する効率の良い路線ということを実感。さらに、箱崎線にも昼間に15分毎に分岐する直通が走るなど、空港線については、50年前にこのような路線網と輸送体系を計画した福岡市は流石としか。ただ、西鉄との関係や、貝塚線との直通が実現せずに、結果的に箱崎線を持て余している反面、七隈線の低輸送力など、苦労しているところもありますね。


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 これは、訪問時の福岡空港駅の時刻表ですが、朝の8時台だけはJRからの博多駅乗換客対応かやたらと多く16本/h と仙台の南北線と同じ本数ですが、その他の時間帯は概ね7~9分間隔。夕方もそれほど多い訳ではない。空港発ということを考えると6両編成なので十分な本数と輸送量ですが、当然2駅先の博多駅ベースで考えると同じ本数でもやや少なく感じました。2年前の七隈線博多駅延伸で、天神方面へは七隈線利用という選択肢も出来たとはいえ実質別の駅であり、JRからの乗り換えを考えると空港線乗換よりプラス2~3分多くかかるので、空港線ホームで次の電車を待った方が早いという状況。

 空港線は、博多駅から2駅先(天神の1駅手前)の中洲川端で箱崎線から天神方面へ乗り入れる電車が昼間で15分おきにあるため、パターンがバラバラになっているという理由もあります。


 注)訪問時に抱いた感想に対し、今年の3月から地下鉄空港線で一気に19往復の増便が行われ、朝の7~9時台や夕方の17~19時台も毎時数往復ずつ増発されました。

地下鉄空港・箱崎線のダイヤ改正を実施します!

仙台市地下鉄は、平日昼間及び土日終日の減便で該当時間帯は10分間隔と、正直悲しくなります。

過去記事


 相互乗入がない仙台の地下鉄と比較すると、JR筑肥線及び箱崎線2路線からの乗り入れがあり複雑に感じます。

 筑肥線は地下鉄開業時に単線非電化で地上を走り踏切だらけの並行部分(姪浜~博多)を廃止したということで、実質地下鉄空港線が旧筑肥線の連続立体交差化のような複雑な経緯を持つとはいえ。

 仙台で例えると、仙山線の北仙台~仙台を廃止し、南北線に乗り入れているようなイメージか。その筑肥線を過去に廃止したエリアに地下鉄七隈線を整備したとか、都市の発展に合わせて苦労したところがあるように感じました。


存在感が薄い箱崎線

 大動脈の空港線から中洲川端駅で分岐する4.7㎞の枝線的な箱崎線。終点の貝塚駅で西鉄貝塚線に乗り換えができます。

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 福岡市地下鉄の最初の開通区間は、室見ー天神という中途半端な区間で、博多駅乗入れも仮駅を設置して段階的に実施したというように、いろいろ苦労してきたようです。意外だったのは、博多駅までの開通より前に、天神から分岐駅の中州川端駅を経由して箱崎線の呉服町駅までが第二期延伸区間だったこと。現在は大動脈である空港線に対し存在感が薄い箱崎線ですが、中洲川端駅で2層でホームが設置され、建設時から2路線が一体的に整備されていたんですね。

 地図をみると、中洲川端駅から東にまっすぐ進む箱崎線がメインで空港線が南に分岐するようにも見えます。というのも、西鉄が運営していた路面電車では、姪浜から九大箱崎キャンパス付近までがメイン路線だったようで、その代替として箱崎線計画されたこともあるのかと納得。

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 沿線には、箱崎に県庁や九大のキャンパスなどの目的地となる施設も点在していましたが、平行してJR鹿児島本線も走っており、県庁と九大病院はJR吉塚駅、箱崎キャンパスはJR箱崎駅からも徒歩圏。さらに、地下鉄・西鉄の貝塚駅近くに、JR新駅の設置が決定しており、更に競合が激しくなります。

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 それに、九大は、医学部のキャンパスと大学病院は残っているものの、箱崎キャンパスは六本松キャンパスと合わせて伊都キャンパスへ移転したため跡地となってしまい、利用者である学生・教職員はごそっといなくなってしまいました。


ただ、跡地の約28haについては、住友商事を中心とするグループが落札し、再開発が始まります。

 規模とすると、東北大学農学部(雨宮キャンパス)跡地が9.3haなので、約3倍の面積に、居住、商業、医療機能が整備されるということなので、内容も雨宮キャンパスの拡大版というイメージですね。9.3haの雨宮キャンパスでも15年以上かけて今秋のイオンモールオープンでようやく完成となることを考えると、10年以上かけて徐々に整備していくことになりそうですね。住居も2000戸とあすと長町の高層マンション群に匹敵する戸数が徐々に整備されるとなると、利用者も徐々に増えていくことが見込まれます。

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 天神方面へはこの箱崎線各駅から一部直通(毎時3~4本)で行けますが、博多駅方面は中洲川端駅で乗り換えが必要。

 よって、博多駅などJR鹿児島本線沿線は、JR箱崎駅から2駅5分で博多駅と、利用者はJRと地下鉄に分散しています。利用者目線では地下鉄もJRも(そして西鉄バスも)使えて便利ですが、 福岡市交通局としては、地下鉄開業後に国鉄からJRになり本数が激増し、また駅高架化により駅が使いやすくなるなど競合路線の利便性が高まったため、利用者が伸び悩んだことは誤算でしょう。朝ラッシュ時も昼間も変わらず毎時7~8本の運行というのは、空港線優先ダイヤとなっていることと、JRと並行していることで、この本数でも十分に運べるということか。

 とはいえ、上述のJR貝塚新駅は、キャンパス跡地の利便性を高めることになるでしょうし、箱崎線にとっても、最大60円の乗継割引はあるとはいえ、これまで、乗換駅の千早と貝塚で「JR⇔西鉄⇔地下鉄」と乗り換えるのは3社を経由して割高なため利用を敬遠していた天神方面との利用客が、JRから直接この貝塚新駅で地下鉄に乗り換えることも想定され(混雑する博多駅乗換からのシフト)、多少は箱崎線の活性化にも多少寄与することに。

 また、西鉄貝塚線と地下鉄箱崎線の乗換駅である他、物流系の事業所や公営住宅が点在するエリアとしての位置付けで、駅前には空き地と自転車置き場が目立つような貝塚駅周辺ですが、箱崎キャンパス跡地開発のエリアにも含まれ、JR新駅との間も整備され、新駅開業後は大きく印象が変わることになりそうです。

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 写真は西鉄貝塚線と乗換できる箱崎線貝塚駅改札です。

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 地下鉄ですが地上駅で、振り返ると西鉄の改札が。平面で1分程度で乗り換えが可能です。

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(おまけ)地下鉄直通構想頓挫&輸送力不足 貝塚線

 朝夕でも概ね10分間隔、昼間や休日は約15分間隔です。概ね地下鉄が昼間7.5分間隔なので、接続する地下鉄は2本に1本の空港線直通に合わせているようです。

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 2両編成のレトロな電車で、最近置き換えのニュースがでたようですが、昼間では6両編成の地下鉄からの乗換者でさらっと埋まる程度。

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 朝夕は、千早駅近辺の再開発地に林立するマンションからの利用者でかなりの混雑になっているようですが、そもそも2両編成かつ朝夕でも単線約10分間隔という輸送力不足が理由。せっかく20年以上前に香椎副都心土地区画整理事業のJR線と合わせて西鉄香椎以西が高架化された際に、地下鉄直通にも対応できるような設備にはなっているようですが、2007年の末端区間の一部廃止(西鉄新宮ー津屋崎駅)、交換設備の撤去などで朝晩の本数が減っています。

 以前は、博多駅近くの千鳥橋まで乗り入れしていた西鉄宮地岳線の貝塚以西が西鉄市内電車に組み込まれ、結果的に廃止→箱崎線代替となってしまったことで、中途半端な位置づけとなってしまった現西鉄貝塚線。地下鉄箱崎線が開通した1980年代から、アイランドシティへの鉄道乗り入れ構想に組み入れられるなど長年検討が進められていた、地下鉄箱崎線との直通計画についても、基本的に西鉄側が消極的だったこと、貝塚駅を挟んで輸送力に差があることから、直通方法や乗り入れ区間、両数など市を中心に様々な検討が行われてきましたが、B/Cの低さから事業化に踏み切れず、結局霧散してしまったようです。

 西鉄としても、貝塚駅まで200円程度しか収入が得られないのであれば、都市高速経由で天神まで送り込んで4~500円程度の客単価の路線バスを走らせた方が得策というのも分からないではないですが、ここも七隈線と共通するような、連携の悪さを感じさせるエピソードだったりします。

競争による高い利便性の確保

 まぁ、このように地下鉄と西鉄、そしてJRが緩い協調状態を保ちながらも、競争で乗客を獲得してきた結果、都市への人口集中と相まって、高いレベルでの複数の交通サービスが提供されているので、福岡という都市にとっては結果オーライではありますが、今後さらにバス運転手不足が進んだ時に、西鉄バスの高い利便性がどれだけ維持されるかというところは気になります。JR九州も値上げが進み、初乗り200円と地下鉄に近い水準となっている他、福岡近郊でも減便が行われており、限られた交通サービスの資源を協調して効率的に維持して良く必要があるでしょうね。

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2025年6月 9日 (月)

仙台と福岡(その1)究極のコンパクトシティ福岡

 昨年の九州旅行編も、途中で更新が止まっていましたが、福岡についてはほぼ丸1日しか滞在しなかったのに、余りにも印象が強すぎて、どのように取り上げれば良いか考えていたら、そのままになっていました。

 今年は何度か遠出することになりそうなので、その前に記録としてできる限り更新しておこうかなと。九州編から独立させて福岡編としてまとめます。

コンパクトシティ福岡

 一昨年に、地方中枢都市3都市と仙台の比較シリーズ記事を書きました。

 福岡を訪問したのは、以前の記事のとおり20年以上前以来でしたが、その時点でさえ、11月末なのに天神のお祭りのような賑わいに愕然とした覚えがありました。

 その時点からのインフラ面の大きな変化は、  


地下鉄七隈線開業(2004年)・博多駅延伸(2023年)

JR博多駅再開発&九州新幹線全線開業(2011年)

都市高速環状線開通(2012年)天アイランドシティ線開通(2021年)


 ですが、その他商業面でも旧岩田屋本店がパルコになったり、天神地下街の拡大、そして、天神ビッグバンのために商業施設の新陳代謝が進んでいるなど、細かいところの変化が多数ありました。人口もこの20年で30万人増加していると、地方都市では別格の成長ぶり。

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 都心部の人口密度と七隈線延伸開業を中心とした軌道系交通機関についての多少の考察は、上記記事で触れていますが、特にもともとドーナツ化が進んでおらず、都心部周辺に高密な住宅地が広がっているところが特筆すべきところ。天神と博多駅の都心部商業の核に加え、キャナルシティ博多、ゆめタウン博多、マークイズ福岡ももち、そして近年オープンしたららぽーと福岡というように、2大都心部から数キロ圏にこれだけの郊外型も含めた大規模商業施設が集積しているのに、どの施設も共存しているというのは、後背地の広さだけでなく、都心部の足元人口の多さ故なのでしょう。

Centralfukuoka

福岡については、いろいろと他都市と比較すると、独特な要素が盛沢山です。

  •  都心至近の国際空港(地下鉄で博多駅から5分、天神から11分)
  •  西鉄バス王国(都市高速経由で鉄道に真正面から対抗)
  •  博多と天神の2眼レフ構造(地下鉄2路線で接続)
  •  アジアの都市への近さ(ソウル・上海等が東京より近い)

 20年以上前のブログ始めた直後に記事にしていましたが、今見ても都市の勢いという点では加速しているところが凄いですね。

 人口も20年間で25万人以上の伸びで、同時期で仙台は8万人ほど。これでも震災後の流入でピークが後ろ倒しになりプラスの影響もあったのに。


関連記事

 改めて、シリーズで記事にしてみようと思います。



 

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2025年5月31日 (土)

イオン仙台店閉店(その2)読売仙台ビル再開発ほか

(注)この記事は3月初旬に書き始めながら、仕事の繁忙期などで中途半端になったままだったので、続きを加筆しUPしました

   イオン仙台店(旧 ダイエー仙台店)が、2月28日金曜日に惜しまれながら閉店しました。

 金曜日の夜なので行けないと思っていながらも、ふと気づいたら閉店に間に合う時間帯だったので、買い物をしながらアーケードをクリスロードに向かい、閉店の瞬間を味わいに行くことに。これまでこのような場に居合わせたことはなく、報道で見聞きすることが多かったのですが、何とも言えない雰囲気でした。10分ほど前に現地に到着しましたが、「立ち止まらないで」というアナウンスがかけられながらも、ただ事ではない雰囲気にたまたま通りかかった人たちもつい足を止めてしまっていました。イオン仙台店に対して名残惜しく感じている方と言うよりは、歴史的な瞬間にたまたま立ち会えそうという方と、あくまでもかつて全国一の売上を誇ったと言うダイエー仙台店が閉店してしまうことへの郷愁という感じでしょうね。ニュースで取り上げる方々は80歳を過ぎたような方ばかりで、震災時の感謝はあれども、市民が日常的に買い物する場としてはとうの昔に第一線を退いてしまっていただけに。

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 後ろの方に居たので、詳細は分からないながらも、19時の閉店時間を過ぎて、散発的に拍手が起こり、セレモニーは行わないと事前にありながらも、店長の挨拶とお決まりのシャッタが閉まりました。

読売仙台ビル再開発へ

 この、イオン仙台店が入っていた読売仙台ビルの再開発自体は既定路線で、アーケードに面し、青葉通と東二番丁通の角に鎮座する最高の立地条件であるこの敷地を活かせる方法で再開発されることは大歓迎。

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 ダイエー自体で、全国一の売り上げと言われた店は、仙台店以外にも、新潟店(現 ラブラ万代)、ショッパーズ福岡店(現 ミーナ天神)とありますが、GMSを中心とした構成で残っていたのは、イオンに引き継がれた仙台店のみ。ダイエー経営危機のタイミングで東北から撤退という話がありながらも、結果的に仙台泉店が閉店し西友に引き継がれながらもジリ貧でまもなく完全閉店となりながら、仙台店は東北唯一の店舗として残りました。

 その時期は、仙台駅前にパルコがオープンし、同じファッションビルであったイオン系のフォーラスがテナントと客を取られていたり、十字屋が閉店しヤマダラビに転換されたり、基本的に名取イオン(当時のダイヤモンドシティエアリ)がオープンし、都心部に逆風が吹き荒れていた時期で、ダイエーが撤退したとしても、上階の床を専門店などで完全に埋めることは難しかったでしょうし、ビルオーナーとの交渉の末残ったのかもしれませんが、せめて、震災後でイオンに転換した位の建設費が高騰する前のタイミングで再開発が計画されていればと。まぁ、震災復興優先でしょうがないですが、死に体でここまで延命を図られても気の毒でしかなかったし、寂しい末路ではありました。

 とはいえ、ビルを所有する読売グループも、斜陽の新聞本体、放送業界を尻目に、不動産活用からの収入が多くを占め、実質不動産で生きながらえている面もあり(これは、フジサンケイグループも同じ)、積極的にこの一等地の再開発を進めてもらえることは非常にありがたい。

東急不動産が協力

 協力事業者に東急不動産が選定されたとのことで、東急不動産はかつてさくら野から名掛丁アーケードまでの一体的な再開発を目論み、結構力を入れて参画していながらも、さくら野閉店後に有名になった権利関係の複雑さなどもあり、撤退した経緯があります。

 また、同じ東急系でいえば、前記事でも触れたように、仙台駅前のヤマダLABI仙台が入居している、TR(東急レクリエーション)ビルもグルプが管理していたり、2016年に民営化された仙台空港の運営も担っているなど、仙台にそこそこ縁がある会社です。

 ただ、再開発のイメージとして、低層3階程度に商業、上階にオフィスとホテルというような、定番の構成なので、さくら野跡地でPPIH(ドン・キホーテグループ)が検討しているものとほぼ被ってしまう。東二番丁通の斜向かいで計画されている電力ビル再開発は、オフィス中心で、真正面から競合するわけではないですが。


<4/23仙台市プレスリリース資料より>

 1 新築ビルの概要
(1)計画名称 (仮称)読売仙台ビル建替プロジェクト
(2)所在地 青葉区中央2丁目3-1 ほか
(3)事業者 株式会社読売新聞東京本社
(4)敷地面積 約5,200㎡
(5)建物規模 延床面積 約42,000㎡
(6)主用途 事務所、ホテル、店舗
(7)高機能オフィスにかかる整備内容
 ・1フロアのオフィス専用面積200坪以上整備
 ・まちのにぎわい創出に寄与するオープンスペースの整備
 ・非常用電源設備の設置スペースの整備
 ・個別空調方式または可変風量方式によるエネルギー効率の高い空調設備
 ・個別セキュリティシステムの整備
(8)竣工時期  令和11年度(予定)

2 活用する施策
仙台市都心部建替え促進助成金制度

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 期待されていた規模は、旧建物の8割程度の容積率となり、仙台のオフィス環境及びインバウンドの入りが遅いという状況を踏まえた、控えめなものになりました。仙台市の都心再構築プロジェクトのうち、容積率割り増しは活用せず、助成金のみのよう。
それでも、旧建物が5万平米超の延べ床面積があったというのは意外に感じましたが、地下の2フロアも含めてなのでしょう。新しい建物は地下部分がないということであれば、地上部の規模感はそれほど変わらないかも。

 高さは10~20階とのことで、これも流動的ですが、これまでの天井の低い8階建てでこれだけの規模感だったので、オフィス部分は階高も確保されることを考えると、それなりに存在感のある建物になりそうです。高さは東二番丁通向かいのファーストタワーよりは低くなるようですが、オフィス部分はワンフロア当たりの面積を取った方が良いと思うので、せめてホテル部分はスリムな形状にして高さを稼ぎ、客室からの眺めを確保できるような形にして欲しいな。

 それに、アーケード沿いということから、店舗の連続性を確保しながら、集客力のある商業施設として欲しい。アーケード沿いの大型店舗がアエルの次が藤崎になってしまっているのは流石にまずい。

周辺の再開発状況

 また、電力ビル周辺の再開発も、第1期となる広瀬通と東二番丁通角の明治安田生命ビルは退去が進み、電力ビルとの間の立体駐車場は解体されました。オリックス不動産所有地も、温泉併設のホテルなどが検討されているとのことで、どの再開発も工事費高騰での不透明感は続くところですが、相変わらず停滞しているのは、さくら野跡地のみで、これまで停滞感が強かった、仙台駅西口エリアの再開発に動きがでています。

Map1_20250531221901(仙台市HPより引用)

 改めて、都心部の地図と再開発が進んでいる案件の分布をみると、本来であれば南北線と東西線に囲まれたエリア(仙台駅・あおば通駅・青葉通一番町駅、広瀬通駅近辺)という利便性の高い範囲での再開発状況が物足りないと感じます。都心部の鉄道の利便性は地方中枢都市の中で恵まれている方なだけに。地元資本が極端に弱い、支店経済都市の弱みが出てしまっています。コロナでリモート会議などが当たり前になり、支店自体も東京の本社でカバーできるからと縮小傾向だったり、インバウンドも取り込めず厳しい状況。忘れましたが先日の新聞でも仙台のオフィス空室率が上がっても賃料が連動して上がっていないという記事を見ましたが、これは札幌や福岡などと異なり、これでは新たな再開発でオフィス床を生み出しても利益が出ない状況とは。

 そういえば、フォーラス仙台店はどうなったの?休業から早1年4か月。さすがに耐震性の調査は終わっただろうよ。イオンとしては、上杉の新イオンモール優先で、ここを再開させるというのは、やっぱりポーズだったのかもね。

勾当台公園エリアの状況

 さらに、勾当台公園エリアでは、「仙台第一生命ビルディング」の退去が進み、東側のハミングバードが運営していたルート227カフェもこの春に閉店となり、公衆トイレも閉鎖となるなど、新市役所庁舎と同時期の新ビル完成に向けた動きがあります。

 市民広場付近は、地下鉄駅から新市庁舎へ直結する地下通路工事と広場再整備に伴い、利用ができなくなっていますが、市民広場が使えないしばらくの期間、イベントなどは勾当台通り向かいの勾当台公園または、西公園を活用して開催されることとなります。

 その市民広場機能を代替するステージが、県庁や国合同庁舎側の勾当台公園花壇などを撤去して、本来は3月末までの工事期間が長引いてしまってましたが、 5月17日から青葉まつりにて利用が開始され、出店などもその周辺に配置されていました。

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 そういえば、1年前のこの週末は、ポケモンGOフェスが七北田公園と仙台市中心部で開催され、多くの来街者で賑わったし、その翌週は東北絆まつりが開催されるなど、地下鉄も増便される位、イベント目白押しだったことと比較すると、今年の初夏は毎週末天気も悪く、平日も肌寒い気候で短い仙台の快適な季節が味わえず、ちょっと物足りない、寂しい気分です。青葉まつりも雨にたたられましたね。

市内のイベントも再開へ

 地下鉄沿線のユアスタやゼビオアリーナもそれぞれ改修中で、市内でのイベントが減っているという状況でしたが、まもなく利用が再開されるので、中心部とともにイベントで盛り上がって行けばと。特にゼビオアリーナはアイスリンク化で大々的に羽生君他仙台ゆかりのスケーターを集めたイベントを開催するとのことで、ダメもとで申し込んでみようかな。常設席も増席されたとのことで、ライブの収容人員が多少でも増えたのであれば利府の某アリーナからライブを取り返して欲しいもの。また、ベガルタも昇格争い圏内の順位をキープし、ユアスタに戻れば更に盛り上がりが増すことが予想されます。

 仕事もようやく落ち着いたので、仙台の内外いろいろと出かけていければと思っています。

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2024年12月26日 (木)

九州旅行編(その4)課題満載の公共交通  政令市熊本

夏の旅行記事で積み残していた、政令市熊本編の続きです。


前回記事

前編では、街中の商業集積と賑わいの凄さについて記事にしたところですが、都心部に集まる人達の足となる都市圏内の公共交通網について。

 

賑わう都心部への集客手段

 都心部が賑わっている都市の特徴として、やはり軌道系交通機関が発達し、大量の都心部への来訪者を短時間で運ぶことができること。

 東京大阪名古屋そして福岡のような、JR・大手私鉄のみならず地下鉄が発達しているような都市は、都心部の中心駅は数十万人規模以上の乗降客数を数えており、就業者、買い物客など多くの輸送需要をまかなっています。

 札幌や仙台は、大手私鉄は存在しませんが、JRと地下鉄で都心部にダイレクトに短時間でアクセスできる路線網で、複数路線が乗り入れる札幌駅(8方面)、仙台駅+あおば通駅(10方面)は地下鉄とJRを合わせた乗降客数がコロナ前で30万人以上、大通駅(地下鉄6方面+市電)などは、乗降客20万人弱と、都心部の賑わいを生み出す人の流れも納得できるところです。

 一方、熊本市は、都心部の軌道系交通機関は市電と街外れにターミナルを持つ熊本電鉄のみ。広島市と同様、JRの中心駅と都心部が離れており、15分程度で路面電車で結ばれているのは共通ですが、新幹線の通るJR中心駅の利用者数として、熊本駅は新幹線を含めても乗降客数で約3万人、広島駅の約15万人と比較しても1/5。

 その熊本市電は全線で利用者数3万人/日、熊本電鉄はターミナルの藤崎宮前駅の利用者数は2,000人台/日とローカル線並と、鉄道は存在していても輸送力が貧弱な故に、路面電車で運びきれないor路面電車沿線外との需要が多いのか、5社がひしめく路線バスは広島と共通する面があるかもしれませんが、利用者数もそれほど多くない。

 なので、公共交通機関を利用せずに済む近隣の住民が一定数いるとはいえ、都心部に公共交通機関で流入する人数が1桁少ないのにも関わらず、この都心部の賑わいを維持していることが不思議でたまりません。クルマでの流入が多いとしたら、郊外の大規模SCとの競争の中で街中も選ばれているということに。

 

サクラマチクマモトバスターミナル

 前回記事でも取り上げた複合施設サクラマチクマモト内の巨大バスターミナル。路線バスは熊本駅からこのターミナルを経由し、各方面に向かっている便が多い印象。

 高速バスで存在感が大きいのは、やはり福岡とを約2時間で結ぶ高速バス「ひのくに号」。大きなライバルとなった九州新幹線の開業後に高速バスの利用者が増えたというのは驚き。

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 博多駅・天神までの約2時間強の直行便は概ね平日毎時2~4本、休日は毎時3~6本。

 それとは別に、途中インター経由便と、福岡空港行きがほぼ毎時各1本と、両都市の都心部直行というメリット。

 片道2700円、そしてスマホ4枚回数券だと最安片道2000円と、新幹線料金の半分で気軽に行ける運賃です。

 高速バスは、九州道のインターまで多くのバス停を経由する反面、乗り換えなしのメリットが。

 新幹線は博多駅ー熊本間最短35分とはいえ、熊本駅までのアクセス、そして天神までの移動を考えると、発着地によってはバスもそれほど変わらないことで、新幹線開業前と比較すると全体のパイが拡大しているとか。そうはいっても、コロナや御多分に漏れず乗務員不足でピーク時と比較するとこれでもバス本数は減少傾向。 


 東北地方では仙台ー山形線が約 1時間強で80往復程度運行しており、本数の多い路線の代名詞となっていますが、在来線が不便で本数が少ない故。

 福岡ー熊本線は、2時間超の所要時間で新幹線も毎時3〜4本運行しているのに、その仙台ー山形線を超える本数というのは正直すごい。新幹線が平行する同じような関係だと、仙台ー福島は、新幹線が毎時2〜3本でもバスは毎時1本程度まで少なくなっており、仙台ー盛岡線も同程度。


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 人口規模は倍以上違うとはいえ、両政令市間の旺盛な移動需要を垣間見ることができました。これだけ福岡の吸引力が強くても、賑わいを見せる熊本市。本当に良い意味で理解し難い。

 それ以外で本数が多いのは、熊本空港リムジンバスで、都心部から空港行は15~20分間隔で運行しています。その他は本数が少ないながらも由布院方面への九州横断バス、天草方面への特急バス、長崎、鹿児島方面へのバスが発着しています。

輸送力不足に苦しむ熊本市電

 熊本市中心部の賑わいを産んでいるのは、この市電という分かり易い軌道系交通機関が残っていることも大きいでしょう。

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 熊本駅方面から、中心部を通り豊肥本線新水前寺駅を経由し、健軍町までの1号線と、中心部手前で分岐しJR上熊本駅を結ぶ2号線が残っており、比較的高頻度で運行されています。一乗車で180円均一と、長崎よりは高いにせよ十分使いやすい運賃。バスは距離制で健軍方面の遠距離で市電が競争力を持つなど、常に混雑しています。

 ただし、昔ながらの単車が中心で輸送力の高い連接車の導入はごく一部と、JRからの乗換需要があり(熊本駅、新水前寺駅、上熊本駅)積み残しも生じているのに、運転手不足で減便を強いられるなど、この残った路面電車を活用しきっているとはいえない状況。それにいかんせんバスよりも遅く、遅れも多いというデメリット。

 訪問の際はほぼ半日しか時間がなく、バスのフリー切符があったこと、翌朝市電に乗ろうと思ったら大雨でおっくうになり結果的に市電の乗車は断念しましたが、熊本駅と都心部の間はバスの方が本数が多く地元民は使い分けている印象がありました。

 市の運行ということで、採算性にある程度目をつぶって連節車両のさらなる導入や電停の改修などを政策的に進め、利用者を増やす取組を図れないものかと思いましたが、公営企業ということで、多額の赤字を出せないことから縮小均衡に陥っているといのは、仙台市バスも同じ。

 特に、熊本は市電もバスも運転手不足に陥っているようですが、原因としてTSMC進出での都市圏全体での賃金アップ圧力の影響もあるのでは。特にバスは工場と駅とのシャトルバス運転手需要も高そうだし、そもそも新規採用で集めるにしても他業種と比較して賃金が見劣りしてしまう。

 都市圏としての発展が続いている反面、全国有数の渋滞都市という汚名返上のために、切羽詰まって公共交通機関の利用促進に県と熊本市が協力して取り組んでいる方向性を示していながらも、課題が大き過ぎて、どの方面も中途半端な取組となっている印象を持ちました。

 そして、道路整備は続き、交通量の増加といたちごっことなるので、せっかくの軌道系既存インフラを活用する方向が望ましいのでしょうが。

個性的な熊本電鉄

 都心部の上通商店街の先には、いろいろ複雑な経緯があったようですが、かつて市電に譲渡した路線が廃止されたことで接続が切られ孤立した、熊本電鉄藤崎線(本線)都心側ターミナルの藤崎宮前駅。この都心部の手前にターミナルが残されているという中途半端さは、金沢市の北陸鉄道石川線野町駅ともイメージが被る。

 非常に中途半端な場所にありながらも、上通と並木通りで繁華街に徒歩10分程度で繋がっていることもあり、ギリギリ及第点の立地条件。ただし、建設から30年もたっていない駅ビルの奥に駅が位置していながら、11階建てのビル自体が廃墟化しており、外来者にとっては非常に場所が分かり辛い。

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 ターミナル駅で1日の乗降客が2000人台というのは正直厳しいながらも、朝夕は15分間隔、基本的に30分間隔で23時台まで運行されるなど、地方都市の鉄道としては十分頑張っています。

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 人口が増加傾向で渋滞が激しい合志市方面との足でもあり、有効活用が期待されながら、御代志駅から藤崎線と分岐する北熊本駅を経由し上熊本駅を結ぶ菊池線と一体での運用となると、都心部側の行き先が2つに分かれるのは本数上も不利。検討されたバス転換も棚上げ状態で、利便性向上のため事業者側から都心部延伸LRT化や市電への再接続なども提案しながらも、熊本市側が乗り気ではなく実現は困難に。

 なお、熊本駅方面には上熊本駅経由でJRで行けるというのも、上述の北陸鉄道と被る不思議な共通点(西金沢駅でIRいしかわ鉄道乗換で金沢駅に行ける)。経営が厳しいながらもバス転換も厳しい規模というのも。
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 改札もホームもローカル感満載ながら、LCDでの案内が設置されています。

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熊本の副都心?JR熊本駅前

 熊本市の都心部の強さは、かつてはJR熊本駅周辺の集積の弱さ故というところがありましたが、2011年3月の九州新幹線全通により、博多駅を越えて山陽新幹線方面(小倉、広島、岡山、新大阪)までの直通が実現し、都市間の交通拠点としての位置付けが一気に高まりました。新幹線の開業に遅れながらも熊本駅の前後では在来線も高架化が実現し、その在来線の高架化で生み出された広大な駅前広場の再整備、そして博多駅に次ぐ巨大な駅ビルアミュプラザの開業と、都心部に対抗する副都心的な位置付けとして、生まれ変わったようです。

 横長で黒基調、存在感が半端ない新熊本駅舎。駅前広場とバスターミナルも広々しています。 

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 駅前広場の北側には、ビックカメラが低層階に入居するJRのオフィスビルが。

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そして、駅前広場の南側には、巨大駅ビルのアミュプラザくまもとが。駅前広場には2階レベルで歩行者デッキが整備されています。

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 このデッキは、市電乗り場や、駅真正面に整備された「くまもと森都心ビル」に接続しています。

 この高層ビルは、行政中心で建設されたよくある再開発ビルですが、駅直結ではないので、マンションやサービス機能が中心と控えめな機能。でも存在感は大きいです。

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 JR九州肝入りの「アミュプラザくまもと」。入り口付近の開放的な吹き抜けに滝が流れているのには度肝を抜かれました。

 イオンモールのようなファミリー向けに振った意匠ではなく、百貨店にあってもおかしくない高級感のある雰囲気づくり、そしてテナント群に驚愕。少なくとも、仙台の駅ビルエスパルの1.5倍を超える規模、入居テナントの質共に陵駕されています。熊本駅前はこのアミュプラザしかないとはいえ、

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 熊本駅前からは市電が街中方面に運行されていますが、徐々に連節車両が導入され初めているとはいえ、基本単行で輸送能力は大きくはないのがもったいないところ。それを十二分にカバーしているのが、ひっきりなしに発着する路線バス。充実した情報量のデジタルサイネージで直近の行き先と時刻、系統のほか、従来型の時刻表と、経由地マップを一目で確認することができ、デジタルとアナログ的な情報の両方から確認することができ、利用するに当たり安心することができました。

 市電と路線バスの輸送力を総動員して需要に対応していることを感じました。ただ、運賃が市電が均一なのに対し、バスが距離制で市電と同一の区間でも異なることの分かりにくさもあるようです。まぁ、市電は観光客など、外部からの利用者には分かりやすいため、混雑を招きやすい一方、バスが比較的余裕がある利用状況だったり、広島で進められているような路面電車とバスの共通運賃制度も導入の余地はありそう。

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半導体特需に沸く豊肥本線沿線

 熊本周辺のJRは、複線電化の幹線である鹿児島本線が福岡方面からから八代までを結ぶほか、熊本と大分を結ぶ横軸である豊肥本線、そして盲腸線の三角線と、それほど充実している訳ではなく、中心駅の熊本駅が都心部から南東方向に寄っており、これまでは街外れというような見方をされていたこともあり、上述のとおり乗降客数は3万人前後と、同じ新興政令市の新潟、岡山、静岡と比較しても少ない状況。

 そのうち、南北に走る幹線の鹿児島本線は、特急が新幹線に移行し線路容量に余裕ができたとはいえ、朝晩は毎時4本程度ながらも昼間になると毎時2本程度、それに短編成の2両編成などと、正直設備を持て余しているのは、仙台近郊の東北本線下り(松島・小牛田方面)とも共通するような状況。

 一方、同じ熊本駅から内陸に伸びる豊肥本線沿いは、熊本市に隣接する菊陽町に台湾半導体大手のTSMCが第二工場までの進出を決め、全国的にも有名な半導体バブルに沸いているエリアで、不動産価格の高騰や通勤ラッシュの激化、人手不足など、住民の生活にとっては痛し痒しの面もあります。

 全国の政令市の中でも交通渋滞が激しく自動車交通の分担率の高い熊本都市圏で、自動車専用道路をはじめとした道路新設を図っており、熊本空港まで都心部から20分というキャッチフレーズで建設を進めようとしていたり、工業団地周辺道路の拡充を図っていますが、そうはいっても交通需要の増加に対して焼石に水。近くを走る豊肥本線の増発などの強化を図ろうとしていますが、そういう路線に限って「単線で設備が貧弱」で抜本的な改善が難しいという点は、仙台でも仙山線が思い浮かびます。

 仮に鹿児島本線筋であれば、特急が新幹線へ移行し持て余している複線設備を活かした増発も容易なところ、そのような本線筋はある程度開発が進んでいて、企業誘致に適したような土地が少なかったりという面もあったりします。なかなかうまくいかないもので。

 また、JR九州にとっても、福岡都市圏でも減便や短編成化などコストカットを進めているのに、都市圏規模の小さい熊本に自前では積極的な投資をするつもりはなく、行政の補助金次第で協力するかという状況なのか。大雨被害で寸断された肥薩線も行政の補助金で復活を決めたところだし。まぁ、活用できる路線があるだけ良かった。


 9月末に突然の破談が報じられた、宮城大衡のPSMC計画。正直あんな危なっかしい計画がそのまま進まなくて良かったと今では感じています。工場の用地や工業用水など従来型の工場を誘致できる基盤はあれども、熊本のTSMCのように既存の核となる街は20km離れた泉中央しかなく、工業団地近辺には鉄道も走っていない。

 仮にその計画がうまく行ったとしても、トヨタの時のように、大和町、富谷市エリアのニュータウンに人口が広く薄く張り付き、数十年後には高齢化が進んだお荷物住宅地化の可能性が高いとしか。

 熊本のように、空港から近いわけでもなく、母都市の仙台との交通アクセスも車と、一日10往復の大衡村役場行きの高速バスのみ。以前から提案している大衡ICにバス停を設置し県北方面への高速バスを停車させるなどでの仙台や古川・栗原・登米方面との公共交通の足交通確保など、既存の資源を有効活用した改善策もなし。通常の2次産業の従業員とは異なり、専門的な知識を持つ技術者集めにも苦しむでしょうし、ここが永続的に上手くいくイメージがどうしても沸いてこなかった。

 進出発表時の記事に書いた通り、仮に候補地が名取の館腰駅・杜せきのした駅近辺であれば、既存の鉄道沿いで4号線や東部道路も南北に走り、仙台空港も近くという事なし。土地も広大な農地が広がっています。杜せきのした駅近辺のイオンモール南側かつ名取中央SIC周辺で広大な区画整理事業を前提に市街化区域編入が行われますが、この50ヘクタール規模の開発地を半導体工場用地として活用するようなイメージであれば、まちづくりにも好影響で大賛成。(ただ、半導体工場に求められる水や地盤の強固さなどがクリアできるかという問題も)



 

大丈夫?熊本空港アクセス鉄道

 この豊肥本線絡みのプロジェクトでは、県が進めている熊本空港アクセス鉄道計画があります。


リンク

 熊本空港は、大部分を羽田との利用者が占めながら年間300万人台の利用者と、仙台空港に匹敵する利用者があります。

 熊本空港は、このTSMCが立地する菊陽町に隣接する益城町に位置し、熊本市からは約20kmと、仙台駅と仙台空港との位置関係とはそれほど変わらないながらも、都心部からはリムジンバスで45〜60分という所要時間というのは、アクセス鉄道が開業する前の仙台空港よりも時間がかかっている状態。

 熊本空港アクセス鉄道は、JR九州が協力可能とした肥後大津駅ルートでも熊本駅から44分と、多少は短縮されますが、そもそも乗り入れる豊肥本線のルートが熊本駅からS字を描くような遠回りルートなので、時間短縮効果は限定的。また、全線乗り入れ先の豊肥本線と新たに建設するアクセス鉄道は全て単線であり、少しの遅れが交換待ちを招き、雪だるま式に遅れが積み重なることが想定され、定時性や信頼性にも疑問。 


 末端部分のアクセス鉄道を三セクで建設し、JR路線に乗り入れさせて乗り入れ先路線も利便性UPを目論むのは仙台と一緒ですが、そもそも乗り入れ先の豊肥本線が線路容量が限られ、現在の設備ではこれ以上の増発が難しいところは、複線電化の東北本線に乗り入れることで空港行が純粋に44往復の増発となったた仙台との違い。そのように条件は良くないですが、「アクセス鉄道の整備のためには、乗り入れ先の豊肥本線の改善を図ることが必要」という論理で両者をセットで進めているのでしょうね。

 仙台空港は、東部道路経由のリムジンバスで仙台駅から40分だったのが、鉄道開通で各駅停車25分(記録用の快速で17分)に改善され、時間短縮と渋滞での遅れがないという安心感は大きいもので、今となれば、仙台空港にはなくてはならない公共交通機関としてみなされていますが、現在でも課題満載です。

 市営リムジンバス時代の仙台駅発15分間隔、空港発は到着便に合わせた運行から、鉄道では双方向20〜30分間隔と、昼間は改善されましたが運行頻度では必ずしも便利になったとは言えず、空港に早めに行かざるを得ないことや、到着後は空港での電車待ちを強いられるなど、特に30分間隔となる朝晩は不便さを感じます。

 1日の利用者は開業時の目標である1万人を超えましたが、仙台空港駅の利用者は半数強で、なとりりんくうタウン内の2駅の利用者増が寄与しているところ。それでも震災の被害やコロナ禍でのダメージと紆余曲折が続き、設備の公有化により運営との上限分離を図ったり、累積赤字の増大により運営会社の大幅減資を決定した上で、2030年頃の運賃値上げが最近アナウンスされるなど、持続的な運営のために、四苦八苦しています。


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 それに、熊本では、熊本駅よりも都心部への需要の方が大きい状況から、仙台のように基本的にリムジンバスを廃止して、鉄道に需要を一本化する形ことは困難と思われます。


  • 目的地の利用者が分散(熊本駅と都心部)
  • 既存バス経路上の利用者への利便性確保。
  • 将来的にはライバルとなる高速道路の整備構想あり(都心部まで20分)

 というのもアクセス鉄道から途中駅のJR新水前寺駅から輸送力の低く遅い市電乗り換えは、時間短縮効果が打ち消され、3社(アクセス鉄道、JR、市電)の初乗り運賃の支払いと割高感を感じること、荷物の多い旅行者ということを考えると、乗り換え前提は到底無理。それに、現在のリムジンバス沿線の県庁前などからの需要も残る。

 しかし、利用者を一本化できないと、鉄道利用者も確保できない。並行して構想されている空港までの自動車専用道路が開通したら、都心部まで20分と、時間的な優位性もなく根こそぎ利用者を奪われる可能性が高い。

 さらに、仙台のように沿線開発での利用者確保が見込まれず、空港利用者のみということであれば、空港自体の利用者数が仙台と変わらないことから、無謀としか思えない計画に思えます。

 そもそも熊本駅からであれば、九州新幹線経由で博多まで最短で35分。博多駅で地下鉄に乗り換えて同程度の時間帯で便数も段違いに多くLCCも多数就航している福岡空港利用も可能と、四面楚歌のような悪条件ながら、これを事業化しようとしている熊本県の執念は凄い。もちろん、根元路線であるJR豊肥本線の輸送力増強と一体で進めるための手段としての役割も期待されているのでしょうが、それであればアクセス鉄道に投資する500億規模のうち豊肥本線の強化に回すだけでも、かなりの効果が見込めるのでは。アクセス線への膨大な投資を行なった他に豊肥本線の輸送力強化まで金が足りるのか?

 この成功が困難に思われる新規事業に数百億を投資するのであれば、補助制度など予算の出所の違いがあるのは承知ながらも、需要があるのに応えきれない市電と、潜在需要はあるのに活用しきれていない熊本電鉄の有効活用に少しでも回せないのかなとも思いました。 

 

バブル状態

 イケイケドンドンバブル状態に見える熊本都市圏で進む様々な構想で、このような地方都市は中々ないので、仙台から見ると羨ましいところもあります。せっかくの機会を生かして、交通環境の改善を進めることは賛成ですが、市営の路面電車の強化という市内交通の地道なところがおろそかになり、県が採算性が厳しい空港アクセス鉄道に注力しているところは噛み合わなさと危なっかしさを感じますが、このご時世で景気の良い話が飛び交う地方都市圏は少ないので、宇都宮と並んで引き続き興味深く追っていきたいところです。

 


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2024年9月18日 (水)

身の丈再開発『みなてらす河原町』

 先日の新聞記事にて知った、地下鉄南北線河原町駅近くで行われていた小規模な再開発事業(優良建築物等整備事業 )のうち、第一期部分が竣工したというニュース。

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 地下鉄河原町駅は駅上をかなり交通量が多い昭和市電通り(旧4号)が通っていますが、一歩入ると細い道が多く、そのコントラストに驚きます。

 仙台駅から3駅5分と至便な距離で、街中と自転車でも余裕で行き来できること、学院大五橋キャンパスも近いこと、古い物件も多く家賃の手ごろさから、学生をはじめとした若者の一人暮らしも多いエリア。以前はコンスタントにあった小規模分譲マンションの供給が近年止まっているので、ファミリー世帯というよりは、夫婦のみのディンクス世帯の住居としても選ばれている印象。

 小規模ながら河原町商店街が組織されイベントも行われているし、10年近く前に商店街入口に竣工した小規模再開発がありましたが、今回の再開発はその並びで程近い場所になります。似たような再開発だなぁと思ったら、地権者兼事業者は同じようです。

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関連記事

 以下は、地元紙の記事です。


仙台・若林の河原町商店街に、複合施設「みなてらす」が8月4日誕生 地域輝く、にぎわい拠点に

 仙台市若林区の河原町商店街通りに8月4日、新たなにぎわい拠点がオープンする。スーパーや病院、多目的スペースなどで構成される複合施設「みなてらす河原町」。整備に携わった商店街関係者は「住民が集う地域の顔となり、交流人口の増加を促す役割も果たしてほしい」と期待する。

「みなてらす河原町」(中央右)とマンションの完成イメージ

 みなてらす河原町は市地下鉄河原町駅から徒歩2分、商店街通りの中心に立地する(地図)。鉄骨3階建てで、延べ床面積は計2091平方メートル。内外装は白を基調とし、明るく開放感のある空間を演出した。

 隣のビルで営業する地元スーパー「ワコー」が1階に移転する。2、3階にはクリニックや調剤薬局が入る予定。3階のレンタルの多目的室では、地域の会議やサークル活動での利用を想定する。

 2階の一部には屋外テラス(192平方メートル)を設けた。いすやテーブルを置き、買い物や通勤通学で気軽に立ち寄れるゾーンにする。キッチンスタジオも併設し、料理教室や飲食イベントを開催できる。備蓄倉庫もあり、災害時に一時避難所となる機能を持たせた。

 事業主体は商店街の店主らで組織する南仙台振興ビル(若林区)。総工費は約16億円で、国土交通省の「優良建築物等整備事業」の助成を受けた。

 南仙台振興ビルはみなてらす河原町に隣接する自社ビルを今冬までに解体し、1階にテナントが入る鉄骨6階建てマンションの建設に着手する。敷地内にはマルシェやフリーマーケットができるイベント広場や駐車場を配置し、一体開発は2026年春にも完了する見通し。

 南仙台振興ビル取締役の高橋理武さん(42)は「『地域のみんなを照らす』という思いを込めた施設が地元を盛り上げる起爆剤になるとうれしい。ここを起点に人の交流が生まれていくことを願っている」と話す(7/18 河北より引用)。

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第一期の核店舗はスーパー「ワコー」

  河原町の商店街には、七十七銀行河原町支店、スーパーワコー、そして約10年前に完成したイガストゲートを中心に、八百屋、魚屋、和菓子屋と小規模な個店が点在しています。駅利用者もまぁまぁ多く周辺人口は少なくないのに、買い物機能はそれほど充実していなのも、それほど多くない若いファミリー世帯も、ヨークのあすと長町店や若林店、遠見塚店など周辺のクルマでまとめ買いできる郊外型スーパーに流出しているのでは。古城方面の大規模マンション住人も然り。


 4号バイパスへ向かうところの(若林区)若林地区は長町一丁目の駅勢圏で、さらに毎時4本通る沖野方面への市バスの利用者も多く、南側を広瀬川が遮っている河原町駅の駅勢圏はそれほど広くないことも。河原町駅は都心部210円均一区間内で、北四番丁駅や国際センター駅まで210円で利用できる恵まれたエリアに入っているのにもったいない。


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 よって、クルマを持っていない一人暮らしの若者、高齢者を中心に、地下鉄駅を降りてちょっと足りないものを補充という最低限の需要で成り立っている商店街のため、このような機能の維持を図り、さらに選択肢を増やして行ければという印象を受けました。

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 一昔前のコミュニティロードとして、歩きやすい街に整備され、クルマの一時駐車スペースも設置されていますが、いかんせん地下鉄の出入口が交差点向かいになり、足が向きづらい印象で、人通りはそれほど多くないながら、休日夕方でも駅への行き来や商店街目的でコンスタントに通行人はあり。

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 仙台市や地元の商店街組合が関わる事業主体も、この再開発を通じて、既存の老朽化したスーパーワコーの引き留めと支援を図ったような構図。ワコーはもはやこの河原町の1店舗しかなく、もともとは破綻したファルの後に入居して早20年。お互いの利害が一致した印象が。

 近隣にまとまった土地がない河原町だけに、このような地道な小規模再開発の効果が大きいと。

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 テナント入居は途上のようですが、核店舗のワコーは買い物にちょうど良いサイズのスーパー。価格帯も総菜は安め。そして魚の鮮度が良さそうでした。22時と遅くまで開いており、近隣住民にとっては助かりますね。店内の買い物客も、比較的若い女性の比率が高く、そして高齢者が少々。ターゲットが明確に分かります。

 2階は、テラスとコミュニティスペースも。

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イベントなどで活用が見込まれます。ビアガーデンとか良さそう。

このコミュニティスペースは昼間の時間帯自由に入れるようです。

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隣接地に元々入居していたスーパーワコーを先に移転させ。玉突き的に第二期の再開発として、既存ビルが解体されています。。

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賃貸マンションと広場が整備されるようで、再開発はこの2棟のセットで一区切りのようです。

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 このような小規模再開発は、なぜか河原町のみ。他の地下鉄駅前でも(例えば連坊や薬師堂など)応用できるような仕組みに感じますが、河原町は音頭を取る商店街組織(振興組合)の存在が大きいのかも。

地下鉄駅近くの商業環境

 東西線開業を経て、以前に比べると多少は改善はされてきました。駅近に郊外型のスーパーやドラッグストアが立地しているところもあり、都市型ではイオンエクスプレスのような小型店でカバーされているところも。そうはいっても、店舗の老朽化や駅から離れた郊外型店舗との競争は激しく、見た限りでも、スーパーなどがない地下鉄駅前はそれなりにある。東西線の西側は経緯やもともとの地域の性格から、やむを得ない面もあるけど。南北線でも愛宕橋、台原(やや南に行くと生協あり)などが駅前の買い物機能が弱い。愛宕橋はやや北に最近学院大の門前町として復活気味の荒町商店街がありますが。

 地下鉄が開業した時代から一気に郊外化が進み、駅周辺の地価高騰もあり、新たなスーパー立地が難しかった印象があります。

 これまでたまに記事にしていた時の状況とあまり変わっていないなぁと。


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順調に工事中の新宮沢橋

 宮沢橋の上流側に新たな橋がだいぶ姿を現してきました。この宮沢橋の架け替えで、国道286号の西多賀方面から昨年開通した旧国道(昭和市電通り)以北の区間を経て、仙台駅東口、そして国道45号の小田原付近まで一直線で結ばれることになります。

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 穀町周辺の旧奥州街道は昭和市電通り以北に開通済の宮沢根白石線に交通量が移行し一時的に車の交通量が減ってきていますが、この区間の全通によりこのエリア一帯の交通量の増加、生活環境の悪化が予想されます。店舗やサービス施設の立地に関しては、開通済の宮沢根白石線の用地買収に伴い、中途半端な空き地が沿道に見られるのでそのような土地の有効活用、沿道の老朽化建物の建替えによる新規立地は考えられるかもしれません。

 都市計画道路の開通が、古くからの商店街に好影響を与えるとはなかなか言い難いですが、河原町商店街付近では、駅前の古い建物の建替えも徐々に進んでおり、吉野家のあたりに美容室やバイク店など、どちらかというと若者向けの小規模な店が増えている印象です。

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この道路に3方を囲まれた区画にも動きがあります。

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交差点に面し、30年以上前からあった居酒屋ごん太が取り壊され、建て替えの動きが。再出店するのかどうか(Googleでは臨時休業扱い)。

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クルマを持たな住民が増えているのを逆手に取って、歩いて面白い街を目指して少しずつ機能更新が進み、面白い店が増えればよいなぁと思います。そういえば、この付近には有名な地ビールの「穀町エール」もありますね。

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2024年9月16日 (月)

九州旅行編(その3) 街中の驚異的な賑わい 政令市熊本

 九州旅行編の続きです。


前回記事


街中が元気な九州の都市

 福岡をはじめ、その他の都市も軒並み街中の賑わいを保っていることに改めて驚きました。

 東日本は、首都圏は別格として、東北地方だと仙台市以外は盛岡市位、北関東は東北並みのクルマ社会で駅前や繁華街の賑わいが正直厳しい状態で、しいて言えば高崎駅前位。ライトライン開業1周年で改めて注目されている宇都宮市も旧来の駅西は商業施設の撤退が相次いてきた歴史が。

 新潟市は前の記事で取り上げたとおりで、従来型の繁華街が衰退し相対的に新潟駅や万代の大型商業施設に賑わいが移っているという形ですが、九州の都市は従来型の繁華街に加えて中心駅に新たな賑わいが生まれ、また郊外に大型モールが出店しても街中が対抗出来ているという、東北人からすると信じられない光景が広がっていました。

 街中の賑わいを保てる人口規模を有している(県庁所在地は概ね40万人以上)ということもありながら、非県庁所在地の佐世保のように20万人規模で活力を維持しているところもあり、本当に面白い。

 この写真は福岡市の天神。

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 福岡市は別格として、熊本市や佐世保市も郊外に大型SCが生まれ、以前よりは賑わいが薄れている面もありますが、それでもアーケードをはじめとした中心街の賑わい、そして都心部の再開発が進み、都市のハレの場としての役割を担い続けていることに関しては、本当に羨ましいと感じました。

バケモノ都市熊本(誉め言葉)

 熊本市は人口73万人。県全体で174万人なので、県庁所在地を除いた人口は宮城県も熊本県と同程度と考えれば分かりやすい(宮城県は225万人のうち仙台市は110万人)。 熊本県には、天草の方に松島があったり、台湾の半導体工場の進出など、宮城県との不思議な共通点も?大地震があったという嫌な共通点もありますが、県自体の人口規模が倍以上で政令市を2つ持つ福岡県よりも参考になりそうな要素は多かったり。 

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 震災で被害を受けた熊本城も修復途上ながら、街中のすぐ隣にあり存在感の大きさに驚きました。

疑似的な2核1モール 

 下の案内図のオレンジ色がアーケード。線が市電で、下通アーケードの両端が「市電の駅」そして「大規模商業施設」という集客動線的には理想的な交通環境。市電沿いには多くの平行バス路線がひっきりなしに。

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 下通の南端付近には、辛島町電停と 巨大複合再開発『サクラマチくまもと』で、高速バスを含む巨大バスターミナルも。

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 下通と上通の結節点には通町筋電停があり、その近くには熊本県唯一の巨漢百貨店「鶴屋」が。

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 下通と上通の結節点付近に位置し、以前よりは減ったとはいえ500億弱を売り上げる地方百貨店屈指の鶴屋。2015年に現サクラマチくまもとの場所にあった県民百貨店が閉店し、熊本県で唯一の百貨店となっています。

 目の前の電車通りには市電とひっきりなしに通る路線バス、空港リムジンバスなどで、本当に賑やか。

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 本館、東館、Wing館とあり、建物は老朽化しているようですが、とにかく横に長い巨漢店で複数棟に及び売り場面積は7万平米強と藤崎の倍以上と存在感が凄い。まぁ藤崎は売り場面積半分以下でほぼ鶴屋に匹敵する売り上げなので、藤崎も売り場面積が小さい割には健闘しているともいえます。時間がなく外から眺めるのみでした。なお、電車通り向かいにも別館(New-S) あり。

驚異的な賑わい 下通アーケード

 仙台もアーケード商店街が賑わう代表的な都市と言われ、6つのT字型の商店街合計で全長1.5㎞で店が連なり、七夕の主会場であることをはじめ街の中心軸、ハレの場として市民・県民にも旅行者にも認知されているのは自慢できるものですが、上述の2核を繋ぐ歩行者モール(アーケード)である熊本市の下通~サンロード新店街もなかなかのものでした。

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 噂では聞いていましたが、まずはアーケードの幅の広さにびっくり!幅は15m以上と車道上下1車線ずつに幅の広い歩道が両側にある標準的な都市計画道路と同幅員。天井からも光が差し込む構造で、アーケードの高さも2~3階レベルでゆったりしており、ここに人が集まるのも納得。

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 それに、下通は幹線道路などで約600mのアーケードが分断されることがなく歩きやすいこと、アーケードに接続した路地にも飲食店などが連なり、更に平行して飲食店中心の別の片アーケード(駕町通り)もあり、面的にも楽しめる街ということを感じました。

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 テナント構成は、どちらかというと飲食店が多め。仙台でいうと名掛丁や一番町4丁目を合わせたような雰囲気。でも、何でもあり。

 旧ダイエー跡が再開発された「COCOSA」。1F~4Fがガラス張りで高級感のある新しい商業施設です。

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低層階がファッション、飲食店、上層階が無印、ニトリDECOホーム、セリアなどの雑貨店、ABCストアなどで構成され、身の丈に合ったテナント構成という感じ。


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 下通付近が現在も賑わっている秘訣として、核となる商業施設は、上述の鶴屋百貨店の存在感だけでなく、この『ダイエー⇒COCOSA』以外にも撤退商業施設の後が建替え、リニューアルで基本的に商業施設として残り、商業床があまり減少していないことも。『県民百貨店⇒サクラマチくまもと』で魅力アップしている施設もあるなど、都心部を取り囲む郊外に出店しているイオンモール熊本やゆめタウン光の森などの影響を感じさせない賑わい。

これは、『寿屋⇒カリーノ下通(蔦屋書店を中心とした専門店ビル)』 で建物をリニューアルしたタイプ。

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左側が下通の北端に2023年にオープンした『熊本パルコ⇒ HAB@熊本 』。

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 立地条件の良さからか2020年の閉店後すぐ建替えられ、、B1F~2Fの3フロアはSTANDARD PRODUCTSなどの専門店と飲食店街、3階以上は星野リゾートのOMO5が出店しています。商業施設としてはダウンサイジングですが、何というスピード感。引き続きパルコが運営とのこと。


HAB@熊本 HP


 

上通と並木坂

 下通と比べると幅も狭く地味な印象の上通とそれに続く並木坂。

 熊本電鉄の都心側のターミナルで市電の通町筋電停からは徒歩10分程度の「藤崎宮前駅」に向かう通り道でもあります。

 この写真は、アーケードとしての北端で並木通りに路地を挟んでそのままシームレスに繋がっています。

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 下通がバケモノ級なだけで、上通が地味と言っても仙台でいうとサンモールよりは賑わっています。雰囲気はマーブルロードおおまちに似てい落ち着いた印象。店舗については、地元の店が多く、飲食店も目立ちます。

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 鶴屋百貨店本館の道路向かいで、上通アーケード入口に面する別館(New-S)。上階はホテル日航や美術館も。

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 気付いたこととして、このように仙台ではアーケードから姿を消した地元書店が数軒まだアーケード内に残っていたこと。この向かいにも別の店がありました。仙台ではアーケードに面する書店は、先日金港堂本店が閉店となり大きな衝撃をもって受け止められたニュースとなり、残るは一番町四丁目のあゆみブックス(≠地元)のみ。

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 上通に繋がる並木坂には、センスの良い飲食店や衣服店などが並び、藤崎宮前駅に繋がる通りだけに、それなりに人通りはありました。

 アーケード周辺に関しては、空き店舗やシャッターだらけで厳しい一角というところもなく、空き店舗があっても新陳代謝があり、それが熊本市中心部の強さだなぁと感じた次第。

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巨大複合再開発 サクラマチクマモト

 2019年にオープンし、先日5周年を迎えたサクラマチクマモト。

 何で、地方中枢都市でもない新興政令市でこのような巨大な複合再開発が実現したのかと不思議に思っていいながら、ようやく訪問することができました。基本的に九州産交の巨大バスターミナルと県民百貨店跡の再整備であり、土地の権利関係が比較的シンプルだったこと、隣接地にあった熊本市のホール機能を拡充しMICE機能として熊本城ホールを整備するなど、熊本市も協力的だったのかと感じました。

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サクラマチクマモト HP


  中心駅と都心部が離れた都市が多く、都心部直行のバスと鉄道が鎬を削る九州ならではという、このような街中の巨大バスターミナルの存在があり、再開発の拠点施設として再整備することができたのではと。


 地元のバス会社が中心となったバスターミナル併設型都心部集客施設といえば、以前取り上げた新潟交通の新潟の万代シテイが50年前から存在し、今や都心部随一の集客力を誇る場所となっていることを連想しましたが、一方仙台ではと考えると悲しい限り。

 宮城交通は、一応広瀬通の高速バスターミナルの再整備として、土地売却先の東京建物の協力で、オフィスビルの1階部分に小規模なものは確保しています。これまで、北仙台ターミナルも長町ターミナル敷地も土地売却や再開発で高層マンションになっていますが、基本的に資産の切り売りをし続けてきたのに、今やその蓄えもなく、現在の減便一辺倒の状況に至っているのは悲しい限り。近年は仙台市営バスの営業所運営受託という安定収入を得てしまっただけに、自社路線を犠牲にしてでも運転手を市バス路線の運行に回していたり。そもそも泉区の路線は地下鉄開業に伴うバーター策などでパークタウン線など市バスからの移譲路線も多いながらも、うまく生かせなかった印象。一時期は泉中央駅を発着する路線で深夜帯のバスなど積極策に出ていたのは今や昔。


 約10年以上かけた再開発で、着工後に熊本地震が起こり完成が1年半遅れ、設計見直しなどで総工費も1.5倍以上の800億円弱に跳ね上がり、紆余曲折ありながらも完成にこぎつけましたが、その後もコロナに見舞われる時期もありながら、現在では賑わいを見せています。さらに整備が遅れていたら総工費は1000億円は下らなかったでしょう。

 時代は違うけれど、約800億の総工費はバブル崩壊後ながら豪華な作りと総事業費で批判を浴びた再開発ビル仙台駅前アエルとほぼ同じと考えると、サクラマチクマモトは同程度の総工費で済み時代が良かったと。それはリーマンショックの辺りに入札で事業者を決めた仙台市地下鉄東西線も同じことが言えますが。逆にどの都市でも、これからの再開発は資材高と職人の取り合いで大変。東北電力が中心の電力ビル再開発はなんとかなりそうですが、これからのさくら野跡やオリックス再開発、藤崎を中心とした大町再開発はなおさら。

 仙台市の今後整備される公共施設でも市庁舎が500億、音楽ホールが350億と総事業費が軒並み想定の1.5倍に。市庁舎は震災対応で計画が先送りとなり、音楽ホールはもともと20年以上前から計画がありながら、候補地が移ろい(長町モール横⇒あすと長町⇒都心部⇒国際センター北側)、そして県民会館との役割分担の議論などもありここまで遅れてしまった結果。それでも、市庁舎も音楽ホールも仙台市は様々な意見を聞きながら丁寧に施設内容を詰めてきており、先日の藤本壮介氏の設計に決まった音楽ホールのコンペも公開で実施され、斬新な設計が評価されました。遅れながらも素晴らしい施設となりそう。

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構成される機能として

  • 熊本桜町バスターミナル(29パース:高速バスと路線バス)
  • コンベンション施設(熊本城ホール)
  • 商業施設(B1~3階:約150の専門店)
  • シネコン(TOHOシネマズ)
  • ホテル(KOKO HOTEL Premier 熊本)
  • 分譲マンション(マリモ)
  • オフィス

と、てんこ盛りの再開発。総床面積が16万平米超えは、地方都市としてはバケモノ級です。

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2階以上のバルコニー部分は、緑豊かなテラスが。当日は天気が悪いながらも、それなりにくつろいでいる利用者が。

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 2階部分の広々とした通路は、1階バスターミナル相互を結ぶコンコースを兼ねています。

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 商業施設(シネコン含み)は、延床面積で4.5万平米。売り場面積で2.8万平米。結果的に県民百貨店の再出店ではなく、専門店の集積というのはこの施設の性格に合っていたのではと。百貨店斜陽の時代で、地域一番店の鶴屋百貨店との消耗戦を招かなかったことも。

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 このバスターミナルという性格からか、熊本への旅行者風の方が多く、レストランやフードコートの充実ぶりにうなずけます。

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 バスターミナルは、29パースと巨大。これでも事業者や路線再編により再開発前より縮小されたとか。

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 発車案内もLCDで経由地も含め非常に分かりやすく

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バス乗り場の通路はちょっと狭め。

高速バス等公共交通全般については、別記事で。

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街中のコンベンション施設 熊本城ホール

 3000人規模の大ホールや展示施設、会議施設などもこの再開発の肝であり、熊本市も多くの負担をして整備されました。単独施設ではなく、ホテルや交通ターミナルも含めた複合再開発の一部として整備した相乗効果は大きい。当然整備費用も節減されるし。使い勝手が良くなり稼働率にも好影響が。稼働率については7割程度とそれなりに健闘しているのではと。こういう件には必ず噛みつく某政党が文句言っているようですが。

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ちょうど、訪問時には医療系の大規模な学会が開催されていました。

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 天気が悪い中で、半日で駆け足で回ったので、鶴屋をはじめ都心部の商業施設、市電沿線の街の広がり、豊肥本線沿線のTSMCの好影響などまでは確認できませんでしたが都心部を見るだけでも熊本市の勢いは十二分に感じることができました。

 このような賑わう大都市で生活しながら、週末は福岡という大都会にもバスで往復5千円以内で気軽に出ることができるとは、恵まれた環境の都市に感じました。この規模で九州内で3番手の都市というのも、九州のポテンシャルの凄さかと。

 もう1日余計に滞在し、周辺も含めていろいろ回りたかったのですが、先の行程もあり泣く泣くこの地を離れました。

 なお、この勢いのある熊本市。順風満帆に見えながら、特に都市交通面では渋滞で悩まされているとか、バス・市電の乗務員不足による減便、JR熊本駅が郊外で利用者が少ないことなど、訪問して見えてきた面も。この件については次回に続きます。

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2024年8月25日 (日)

九州旅行編(その2) 元気な九州の魅力

 九州旅行編の続きです。


前回記事


 九州には約20年ぶりの上陸。その前は学生時代に2週間くらい九州内を彷徨ったことがあり、ずっと再訪したいと思っていながら、東北から九州は敷居が高く、ようやく念願の再訪が叶いました。


 前回は2003年11月29日。ベガルタのJ 1残留をかけた最終戦のために、いてもたってもいられず大分に行って以来。 その時は、羽田からの飛行機が取れず、仕事終えた金曜日夜に新横から小倉まで東海道・山陽新幹線、そしてドリームにちりんという今は亡き宮崎行きの夜行特急に乗り換え、大分で2時頃に途中下車しネットカフェで朝まで過ごして、当時のビッグアイでの直接対決決戦に向かった覚えがあります(若かった。。。)。試合は、勝てば残留のところ 1点が遠く 1−1の引き分けとなり、翌年から6年間の長いJ2での苦境を彷徨ったベガルタでした。

 ベガルタの3回目のJ2はすでに3年目ですが、まだ3年目と言えるほど簡単に抜け出せる世界ではない。新潟もJ2に落ちて戻るまで5年もかかっているので、ことしは森山監督(ゴリさん)のもとで秋に向けて期待が残っていますが、J1昇格プレーオフに残れば御の字というスタンスで、楽しみます。


 試合翌日にはせっかくなので、小倉のリバーシティ北九州、キャナルシティ博多という当時話題になっていたジョン・ジャーディが手がけた複合商業施設を梯子し、そして天神の渡辺通沿いの三越・岩田屋・ソラリアを中心とした商業施設群の迫力、11月なのに歳末か?と見間違うような人混みに圧倒され、降格の傷心の中新幹線で5時間弱の長い帰途についた記憶は鮮明に残っています。それ以来ということもあり、本当に楽しみでした。

 

SUNQパスフル活用
 九州内は主に高速バスで移動。SUNQパスというバス乗り放題の切符が役に立ちました。都市間の中距離バス移動だけで十分に元を取った上、長崎市、熊本市、福岡市での都市内の路線バス移動にも利用することができ、旅先での運賃の違いを気にしながら乗る必要がなく、ストレスが軽減されました。


 SUNQパスは、北部九州3日間券を9000円で購入。他に南九州版、全九州版(これのみ4日間あり)もあり、目的地や利用期間によって選ぶことができます。高速バスや路線バスも全て乗り放題、そして一部のフェリーなども乗れて、北部九州版は1日3000円と格安。下関など山口県の一部も範囲に含まれていること、観光施設の割引クーポンもあり、西鉄バスを中心に、都市間高速バスも、都市部の路線バスも信じられない本数が走っている九州なだけに、非常に使い勝手が良い切符でした。

Sunqmap 

関連ページ


 これ、東北でも真似してもいいんじゃない?とはいえ、九州の西鉄バスのような音頭を取れる事業者がいればですが、宮交バスはお察しの状況。また、都市間バスはそれなりにありますが、路線バスが壊滅的な都市もあること、面積が広い分、価格を高く設定する必要がありそうということなど、困難な要素は多いですが、インバウンド対策も含めて、検討の余地はあるのでは。東北運輸局あたりで音頭をとって欲しいな。 

 

九州が元気な要因

 本州から離れた島という、一見ハンディにも思える条件ですが、それを感じさせず、逆にメリットとしてしたたかに生き残っている印象です。

1.航空便の発達

 本州からは飛行機の移動が主流になり、東京や大阪からの航空便の本数が確保されているため、格安航空券やツアーが使え、観光客の誘致にはかえってメリットになっている点。

 そして、東京からの距離はあっても、古くからアジアやヨーロッパとの交易などでの交流が盛ん立ったこともあり、また、飛行機でのアジアとの時間距離は2時間圏にソウル、上海、台北と、東京への所要時間と変わらず、地の利をうまく活かしているのは、熊本のTSMC誘致成功も然り。

2.陸路でも本州とつながっている

 戦前から関門国道トンネルで本州とつながり、1973年の関門橋開通で高速道路でも本州と結ばれ、クルマでの本州との行き来も容易になりました。その後、1975年の博多までの山陽新幹線全通、2011年の九州新幹線全通により、博多駅の交通拠点性が高まった上、博多駅を挟み新大阪から鹿児島中央までの直通運転が開始され、航空路線がなかった広島や岡山などからも、熊本や鹿児島まで乗り換えなしで毎時1~2本の「みずほ」・「さくら」で移動することができるように。九州は、福岡空港や宮崎空港を除いて空港が中心都市から遠いこともあり、九州新幹線の全線開業で大阪以西との一体化が進んだことは大きかったと。以下の図は日経記事より引用。

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 特に、広島~熊本は九州新幹線直通の効果は絶大で、1時間35~50分で結ぶというのは破壊的。仙台~東京間に相当するこの間に福岡市・北九州市を含め4つの政令指定都市が存在するのはさすが太平洋ベルト国土軸の延長線というか。

3.”離島”としての一体感と各県の対抗意識のバランス

 面積は東北地方の6割にも関わらず、人口は1.5倍。人口密度だけでも2.5倍と。そもそも適度な集積があります。全国に対して占める割合から1割経済と言われており、大きすぎず、小さすぎずという絶妙の”カタマリ”。

 人口ブラックホールの首都東京に陸路で繋がり、心理的障壁が小さい東北地方と異なり、 首都圏から物理的に離れていることで九州内に留まろうとする意識が強いことも、福岡市が九州の首都として人口増を続け本州に対する人口ダム機能を果たしているという面があります。このような大都市の存在は、北海道に対する札幌が分かりやすい例。 


 自分は東京一極集中解消の観点から道州制が望ましいと長年思ってきましたが、一方実質道州制が実現しているような北海道は、東北地方と新潟県を合わせた面積に匹敵しますが、札幌に人も富も一極集中する一方、旭川、函館、釧路などの拠点都市の寂れ方と周辺部の過疎化、無住化の極端な進展ぶりと課題が山積です。一方、ここまで福岡市が発展しても他県も切磋琢磨し観光地や名産品をはじめ魅力を発信し続けていることが九州の魅力であり、また県庁所在地の活力が失われていないという点もバランスの良さを感じます。九州に関しては現在の各県がそのまま残り、連携するところは九州でまとまるという方法で十分やっていけそうな気がします。くまモンは道州制だったら生まれていたか?


 そんなことを感じながら、各地を周りました。もっと各都市をじっくり腰を落ち着けて回りたかったのですが、欲張り過ぎて本当に駆け足の旅に。

 

次回に続きます。

 

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