市政

2026年3月17日 (火)

アリオ仙台泉がイオンモールに!(その2)

前回記事の続きです。


前回記事


 泉中央がおかれてきた状況について、前回記事で整理しました。

 南の拠点長町と泉中央との大きな違いは、分散型の長町と一極集中の泉中央。地下鉄の終点故全員下車し、バスや送迎、自転車、徒歩などの別の交通モードに移行するにあたり、乗降客4.8万人が行き来することでのビジネスチャンスが大きいこと。一方、以遠に行く方にとっては、乗り換えが面倒である他、車で直接目的地に向かうという誘因が生じること。

 

 一方長町駅は、地下鉄も、JRも通過駅で素通りされることが多い。ただし、地下鉄・JR駅の合計乗降客数は3万5千人程度ながらも、相互の乗り換えがあること、通過客が途中下車することが可能であり、特にJR(アクセス線含む)は高架で街並みをアピールすることができることから、潜在的なビジネスチャンスにつながること。また、長町エリアにはJRでは他に太子堂駅、地下鉄では長町一丁目駅と長町南駅があり、最寄りの駅を使って都心部と直接行き来することができることから、薄く広く利便性の高い街が広がっていることも、メリットであります。

 それぞれ特徴を持っていますが、泉中央に関しては、現時点で裏目に出ているような状況です。

厳しい商業ポテンシャル

 2年間以上も棚ざらし状態だったアリオ跡地ですが、オーナーである住友商事(住商アーバン開発)もセルバ・セルバテラスと連携した形での商業施設としての再開を模索していたと考えるのが自然。

 他のヨーカドー跡地で、青森店や弘前店、五所川原店、花巻店、そして新潟中心部のIY丸大もロピア(ヨドバシビルに続いて近隣での出店を計画していた)が後釜に入っているのに、周辺人口だけであれば他の店舗跡と遜色ないどころか、地下鉄ターミナルのマンション林立エリアでありながら、すぐに白羽の矢が立たなかったというのは、大家が住友商事であり、セルバ・セルバテラスと一体での商業施設として再生することを目指していたと。

 それが結果的に再生できなかったというのは、セルバ・セルバテラスの売り場面積が約1.5万平米であるのに対し、空きビルとなっている旧アリオの売り場面積が約2万平米と、SCを実際2倍以上に増床するようなもので、現在のセルバ・セルバテラスを維持するのでも精一杯というところ。

 セルバも徐々に空きテナントが増えてきたところで、GUも地域一番の売り場面積で進出したり、八文字屋書店からダイソー3業態(スタンダードプロダクツ、スリーピー含む)に入れ替えたところなどなど、賃料はかなりディスカウントしたのだろうなと。

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 しかしダイソー3業態は近隣でもイオンタウン泉大沢の広大な空きフロアを活用して出店したばかりで、物珍しさは薄れているところ。セルバ1階の食彩館はスーパー機能の代替として好調ですが、住友商事としてアリオの6層のフロアは広すぎ、縦に長すぎる。

 そしてあのバブル感満載の吹き抜けがあるフロアの活用のし辛さなど、手詰まり感があったと。

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何より、セルバ・セルバテラスに出店している店舗は、周辺に林立しているイオンをはじめとした郊外型SCでも手に入るものばかり。

とどめを刺したのが、学院大の泉キャンパス撤退で、駅前を経由して路線バスを利用して通っていた学生が一気に消えてしまったこと。

イオングループ寡占化が進む仙台圏

 イオンモールが土地建物を取得したことで、ニュースでインタビューを受ける市民からは歓迎ムードを感じますが、「建物を活用するかどうかは不明ながら、将来性から取得した」という企業側のコメントからも、本気で力を入れる物件とは思えないのです。


「仙台の北のポテンシャルの高いエリアなので取得した。地元の人にヒアリングし、リサーチを重ねて何が必要かを検討したい」

今後について「魅力的な施設づくりを通して地域の皆様と共に、仙台市のまちづくりに貢献してまいります」


  というのも、このアリオ(ヨーカドー)を閉店に追い込んだのはイオングループであること。

 そもそも、将監トンネルの先の4号バイパスとの交差点脇にあった旧ジャスコ泉店(閉店後「いずみパワーモール」としてしばらく存続)を撤退に追い込んだのは当時のヨーカドー仙台泉店。その敵をとるかのように、イオンがヨーカドー包囲網を敷いたのは(その1)で述べたとおり。

 泉中央の活性化のために進出するのであれば、まだ30年余しか活用していない建物の再利用前提で、”なるはや”での計画を進めるはず。それが、上述のような期待はさせても具体的な中身がない発表では、「急いでやる気はありません」ということ。結局耐震補強を理由に休止した仙台フォーラスのように、期待だけさせておいて放置という戦術なのではと。

 更に建物を再活用しない可能性もあるとのことで、その場合土地面積は1.2haしかなく、イオンモールにふさわしい規模感は確保できることは期待薄。

 というのも、結局イオン寡占化が進んでいる仙台都市圏北部。(仮称)イオンモール泉中央 に力を入れるにしても、その売り上げはゼロサムゲームであり、他のイオンの店舗が減ってしまうだけであれば、力の入れ具合は限られてしまう。

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 そもそも、アリオの建物再活用のとどめを刺したのは、昨秋にオープンした都市型店舗「イオンモール仙台上杉」が青葉区北部(地下鉄南北線北側)の需要を抑えにかかったからであること。

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 更に、アリオの建物を活用したとしても、商業床面積が約2万平米と、イオンモール仙台上杉の2/3程度。規模感としては、東西線卸町駅前の「イオンスタイル仙台卸町」と同規模で、この規模ではGMS中心で専門店の導入は限定的。そもそもセルバ・セルバテラスが専門店街の役割を果たしていることから、イオンモールのリーシング力を活用して専門店を誘致しようとすると、完全にセルバ側とガチンコで競合してしまう。

 全国でもイオンモールとしての最小店舗と言われているのは、東京都日野市の「イオンモール多摩平の森」で商業床面積が2.4万平米であり、それより小さければ、イオンモールの魅力が発揮できない。そうなると、イオンモールとして再オープンさせるためには、セルバ・セルバテラス側も買収し、売り場面積3.5万平米規模で、駐車場も共通利用してという形にならないと厳しく、そうなると5年スパンで待たされる可能性も高いと思っています。

イオンタウンあすと長町の再来?

 なお、このブログでもしょっちゅう言及してますが、あすと長町の集客施設と期待され長町駅東口の保留地2.7haを2012年末に取得したイオンタウンは、駐車場状態のまま早13年以上放置されながらも、現時点でも具体的な発表が行われていません。

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 イオングループの中で 卸町→名取増床→新利府出店→上杉 と続き、ようやく長町の計画が動くのではとは言われていますが、そもそも南部エリアはイオンモール名取とザ・モール仙台長町(トライアルが買収)が競合している商圏で、(仮)「イオンタウンあすと長町」はその両モールに規模間で勝ち目がないことから、急ぐ理由はないんでしょうし、再開発地「あすと長町」のど真ん中の虎の子の土地を13年間放置し続けていることなど、街づくりへの協力という視点は薄いのは明らかです。忘れている方も多いでしょうが、住友不動産と共同で土地入札し、住友側は「シティタワー長町新都心」として9年前に分譲されているのに、共同事業の商業施設部分がここまで遅れるというのも信義則に反するとしか。


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泉中央の将来性を左右する半導体企業誘致の動向

 そうなると、土地・建物の取得理由として「仙台の北のポテンシャルの高いエリアなので取得した。地元の人にヒアリングし、リサーチを重ねて何が必要かを検討したい」というコメントが気になります。

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 泉区役所再整備は今年の10月に完成し、東北労金の本社機能の移転などで就業人口の増加が図られ、イベント広場の活用など、賑わいが生まれる見込みで、泉中央エリアの定住人口増の要素としては、徳洲会跡付近での泉中央西土地区画整理事業の造成工事が始まり、建物が建ち始めるのは2030年ころ。そのほかは (その1)でも言及し、過去記事を紹介したミヤギテレビ新社屋は2030年以降と言われており、まだだいぶ先。

 

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 よって、これだけでは「北のポテンシャル」というのには弱すぎる。泉中央駅を起点として整備する構想の富谷市ロープウェイ(ジッパー)も、仙台市の郡市長が否定的なコメントをしている状況など、実現性は不透明で、そもそも現在のバス輸送分の振替でしかない。

そうなると、例の大衡村への進出が撤回されたPSMCの後継となる企業誘致への期待ということに尽きるのでは。


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 先月に突然ニュースとなり、即座に企業側から撤回された、韓国半導体大手のSKハイニックスの日本へのメモリ工場建設の話が生きていることに期待するところですが、それ以外の企業になったとしても村井知事は粘り強く誘致活動を続けているようです。

 工業団地としての条件は、高速道路アクセス、工業用水、地盤の強さなど優位点がいくつもあります。

 ただ、母都市となる仙台から25㎞の距離というのがネックのところ、中継点としての泉中央駅エリアの拠点性が上がるとしたら、その状況を見据えて、土地を確保したということも。

 あくまでも可能性ですが、そうなるとイオンモールが泉中央の将来性を評価してくれたことは悪い話ではないにせよ、なおさら短期的な商業機能の復活というのは期待薄ではと、考えれば考えるほど厳しいように思えてなりません。

 いろいろと、現在の取り巻く状況から予想してみました。泉中央としてはプラスになる話ではあり、今後朗報が飛び込んでくることを期待したいと思います。

 

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アリオ仙台泉がイオンモールに!(その1)

今日の夕方飛び込んできた、驚きのニュース。

良いニュースといって良いのか。。。まさかのイオンモールが泉アリオの土地・建物を取得とは。

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 このブログにて、これまで何度かとりあげてきた、このアリオ仙台泉と泉中央エリア。


過去記事


 2024年1月末に閉店し、早2年以上も空き店舗状態で置かれていた旧アリオ仙台泉店の建物(写真中央奥)

右側はセルバ、左側はセルバテラス。3施設の中で最も床面積が大きい旧アリオの建物が活用されていない状態は、泉中央のおかれている状況を示しているようで、本当に悲しげな雰囲気を醸し出しています。

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 隣接して同じ住友商事が所有するセルバ、セルバテラスの専門店が入る商業施設に挟まれながらも、看板が外され寂しげな外観をさらしていました。南北線が延伸開業し泉中央駅開業とほぼ同時にオープンした1992年から30余年。飛ぶ鳥を落とすような勢いだった当初10年間には、駅開業と同時に「イトーヨーカドー仙台泉店」、「駅ビルSwing」、5年後の1997年には「ユアテックスタジアム仙台(当時は仙台スタジアム)」、1999年には「セルバ」がオープンし、仙台都市圏で都心部に次ぐ確固たる拠点として、憧れの街として成長を続けていました。

 

 多くの観客が詰めかけた、2001年のベガルタJ1昇格から2002年のJ1初年度、2003年の降格というこの時期は、泉中央=ベガルタという強い結びつきが生まれ、駅西側の飲み屋街が成長し、特に元気だった時期でした。

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 泉中央駅が路線バスのハブ機能を果たし、地下鉄に接続する深夜バスがパークタウン、富谷方面、向陽台方面など各方面を結び、泉周辺住民にとっては、仙台都心部より30分以上長く、24時過ぎまで飲めるというメリットを遺憾なく発揮していました。

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 2000年代後半は仙台市の人口の伸びが鈍化しながらも、富谷市方面のニュータウンへの流れは続いており、泉中央の勢いは続いていました。
しかし、2003年にオープンしたイオンモール富谷、その前の1997年にオープンしたイオン中山SC(当時の中山ジャスコ)、2000年にオープンした利府ジャスコ(現 イオンモール新利府北館)と、イオングループに東西そして北を包囲され、更に2007年にはイオンモール富谷の近隣にイオンタウン泉大沢と、自社競合極まれりという状態で、じりじりとイトーヨーカドーのGMSとしての商圏は削られ続け、震災の前後には閉店が既定路線になりながら、震災後の周辺の人口増により息を吹き返し、まさかのアリオ仙台泉としてリニューアルオープンとなりました。

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 その際には、同じ建物オーナーである住友商事が運営するセルバと上空通路が整備され、より一体的な商業施設として再生したのは2013年。アリオ1階にはフードコート、上層階にはIYグループのロフトや赤ちゃん本舗、タワーレコードなどの専門店、中層階にはIYグループの特性を生かした西武の小型店など、駅前型のSCとして魅力的な専門店を導入して生まれ変わったものでした。ただし、専門店部分はセルバとも競合し、アリオ末期にはアリオ4階にくまざわ書店、セルバ5階には八文字屋書店が連絡通路の両側で同業でのぶつかり合い。そしてアリオ閉店後に八文字屋はセルバから撤退と、書店が泉中央駅前から消えてしまったように、ちぐはぐな動きも気になっていました。(その前にTSUTAYAも泉中央駅西口から撤退)

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 そして、泉中央エリアの没落の要因としては、仙台圏の住宅地選択で北部一強状態のアンバランスな状態だったのが、仙台市の南部→東部が魅力的な住宅地として認識されてきたことに尽きます。なので、正常化の過程での一時的な苦しみという面もあるのではと思っています。

1 あすと長町および名取りんくうタウンの整備(2005~2014年)

 正直南北線開業後も下町のあか抜けないイメージが抜けなかった長町エリア。97年のザ・モール開業のインパクトが大きいながらも、実際化けたのはJR長町駅付近の高架化とあすと長町の街びらきが行われた2006年頃以降で、長町駅西口とモール周辺に加え、新しい街であるあすと長町の相乗効果で長町のイメージが変わりました。アクセス線開業効果でのJRの本数が1.5倍に大幅増発され、新型車両が導入された時期も重なります。

 そして、空港アクセス線の開業およびイオンモール名取(当時のダイヤモンドシティ名取エアリ)オープン、そして2駅にまたがる駅周辺開発の進展で、南部方面に欠けていた商業施設とニュータウンの複合開発が行われ、「家を買うんだったら、青葉区か泉・富谷方面」という空気を変え始めた時期でした。


  過去記事

一方中華街構想は霧散しましたが、結果的には良かったかと)


 大震災により、被災地から沿線への人口流入が起き、空き地が目立っていたあすと長町とりんくうタウンも一気に活用され始め、南部方面が再評価された時期でもありました。

2 地下鉄東西線の開業(2015~2024年)

 南北線と一体で運行する地下鉄東西線の開業で、住宅地の選択範囲が仙台市東西(特に卸町・荒井エリア)に広がったことで、平地で駅近、仙台バイパスも東部道路も近いエリアの人気が高まり、若い世代の住宅取得も北方面から続々と荒井方面や八木山方面(そしてあすと長町の高層マンション群、名取方面も)にシフトした時期です。

 あと、泉中央にとって大きかったのは、地下鉄東西線開業と同時に実施された深夜バスの廃止による終バスの大幅前倒し。路線によっては地下鉄最終便に接続していた各方面の宮交バスが一気に30分~1時間程度も終バスが早くなり、その後も運転手不足などの理由によりじわじわと前倒しが続きました。

 一時期、深夜バス復活の動きがありましたが、コロナでダメージを受け実証実験はうまくいかず、現在は遅い路線でも10時半までには終バスが出てしまい、バス路線沿線の住民はゆっくり飲みに行くことがほぼできなくなりました(タクシー必須)。


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泉中央の復活に向けて

 人口流入の鈍化から、高齢化の進展が仙台市内5区の中で泉区が一人負け状態になっているのは事実ですが、それでも泉区や富谷エリア自体の活気が落ちているわけではなく、この20年は、トヨタや東京エレクトロンなどの企業誘致からの従業員の居住増加、震災による沿岸部からの移り住む動きなどプラス要素も大きいところです。ただし、車前提の街づくりとなっていることで、駅周辺以外の郊外部の利便性は高まる一方。バスの利便性の低下、そして駐車場のない泉中央駅エリアに向かう理由が少なくなっていることを感じる次第です。

 しかし、現在進んでいる泉区役所再整備、今後予定されているミヤギテレビの新社屋の整備など、泉中央エリアが再び注目される要素はあり、その動きの一環でのイオンモールの投資につながったのでしょうね。


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 アリオ閉店後の2年間の膠着状態を動かしてくれたことはよかったと思いますが。ただし、郊外型モールを主軸とするイオンモールは、この泉中央から車で20分圏内に3つのモール(グループ内で加えて2つのモール)を営業していることから、この泉中央の地で力の入れ具合には疑問を感じるところで、今後の動きについては続編に。


続編




 

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2025年12月16日 (火)

進化する仙石線 ~新型車両と昼間増発へ~

 
新型電車E131系投入
 仙台近郊のJR線絡みでは、今月から導入された仙石線の新型車両E131系への完全置き換えにともなうダイヤ変更が想定されていました。

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過去記事

ようやく仙石線新型車両投入! 2024.12.25



 というのも、置き換えで新造される編成数が16編成から14編成になり、2編成分減少することが確実であったことから、特に朝ラッシュ時の本数の減少は必至と見做されていたためです。


 仙石線への改造導入から20年以上経過した現行の205系。車齢としては40年ものであり、ひどい時には毎週のように発生する車両故障による運休から、沿線住民からの信頼低下が生じた上、新たな住居選択にあたっても仙石線沿いのイメージダウンに繋がっていた一面もありました。


前回の松島海岸輸送シフトダイヤの課題

 4年前の2022年のコロナ禍において、沿線の観光地である松島海岸駅の駅舎が新装され、観光地輸送の強化に伴い、昼間時間帯の松島海岸までの毎時3本化(20分毎)への増発が行われ、その後駅利用者が1.5倍程度に増えたという話もあるなど、観光地輸送と連動する東北新幹線の利用促進に繋がった面もあったのでしょう。

 観光地輸送にあたって、仙台駅で、新幹線からの乗り継ぎや食事をとってから松島に向かうにしても、30分間隔だと時間を合わせ辛い面がありましたが、20分毎だと、逃してもダメージが小さいことから、ある程度ゆったりと動くことができる印象です。


 それは、空港輸送の仙台空港アクセス線についても同様で、観光客や用務客にとって、安心して利用できる最低限度の運転間隔は20分毎と以前から感じており、開業14年目の2021年春のダイヤ改正でようやく不完全な時間帯がありながらも概ね昼間の20分間隔化が実現し、その後2022年春に9時台から16時台までの完全毎時3本化が実現、そして、2026年春改正において、最短17分アピール用に残されていた1往復の快速も各駅停車化され、その昼間時間帯において、途中駅においてもほぼ完全に20分間隔化されることになります。 

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 残された課題である2両編成の混雑解消も、経営状態の厳しさから空港鉄道会社としての車両の増備は困難ながらも、正直混雑するのは名取仙台間のJR区間であることから JRの協力も含めた解決に向けた調整が行われているとのこと。



 その一方、その改正以前は、多賀城まで毎時4本(15分毎)、東塩釜までが毎時3本だったのが、あおば通↔︎松島海岸 までが基本的に毎時3本(加えて多賀城以西の区間便が2時間に1本)と、ある意味分かりやすいながらも乱暴なダイヤ改正となってしまいました。


 観光地輸送として、松島海岸までの毎時3本は実現したかったのでしょうし、、本塩釜駅などへも毎時3本はまぁ適正レベル(以前は毎時4本のうち1本が多賀城止まりだったため、15分ー15分ー30分と間隔がまちまちで使い辛いところがあったのに対し、現在の20分間隔というのは塩竈市内利用者にとっても確実に改善)と思います。 距離的には仙台から同程度の、東北本線南側の岩沼駅や仙山線愛子駅までも昼間毎時3本であることも理由。


幻の地下鉄東西線相互直通計画


 一方、多賀城駅以西の区間。多賀城駅以外は全て仙台市内駅であり、特に終点のあおば通駅以外の仙石線仙台駅〜中野栄駅の9駅は全て宮城野区内にあり、仙台市地下鉄が区の端っこの宮城野通駅しか通っていない宮城野区を貫く基幹的な鉄道となっています。

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 都心部の3.5km(あおば通~陸前原ノ町)の5駅は連続立体交差事業により2000年に地下化され、見た目としては、1987年に開業した南北線に次ぐ2本目の地下鉄とその延長部分という位置付けもできるものです


 それもそのはず、元々の計画では、この仙石線はあおば通駅から西にさらに西公園駅までの2駅1.2㎞を西進し、延長部分が地下鉄東西線になり、一体的に相互直通運行される予定だったため。 その時は、現在の宮城野車両基地が地下鉄東西線の車両基地を兼ねるという想定もされていたとか。そうすると、少なくとも小鶴新田駅と西公園駅間(片道15分)を中心に、この区間はラッシュ時5分間隔、昼間10分間隔未満で運行されていたでしょうね。 

 まぁ、市営地下鉄部分が2駅のみとのことで、仮に現在の運賃(来春運賃値上げ予定のため)で考えると、小鶴新田からあおば通駅まで12分190円なのに、1分先の青葉通一番町まで乗ると210円が追加され400円になってしまうような運賃体系になってしまえば、通算運賃となる南北線からの乗り継ぎ利用者を含めても、十分な利用者が見込めたのかというと厳しかったでしょう。

 今の東西線でも、青葉通一番町駅と大町西公園駅の利用者(乗降客)を合わせても2万人行かない程度ですし、西公園の先に計画されたモノレール南西線計画と合わせて見直されたのも頷けます。


 実際は、リニア規格で八木山から荒井まで一貫した別路線として2015年に現東西線が開業し、先日10周年を迎えたばかりというのは周知の通り。

 そういう世界線もありながら、地下化前の仙石線でも、現在仙石東北ラインに移行した快速を含めて昼間でも毎時5〜6本運行されていた時代と比べると、2022年春改正での昼間毎時4本→毎時3+1本(2時間毎)化というのは、正直宝の持ち腐れというか、観光地輸送優先といっても、何でこうなったんだろうという思いが拭えませんでした。


  持論として、体感的に、許容できる待ち時間は、乗車時間にも比例すると。 例えば仙台市地下鉄で仙台ー勾当台公園の乗車3分のために、現在の昼間の最大10分待ちは正直厳しく、一方、泉中央など終点まで10分以上乗るのであれば、10分待ちは許容範囲。その感覚からすると、仙台駅やあおば通駅から宮城野原や陸前原ノ町まで5分程度乗るのに、20分待てるかというところから、気軽に時刻表を気にせずとも利用できるのは10分間隔未満が理想ながらも、運賃の高い地下鉄ではなく、運賃の安いJRであることを鑑みると、ここまでは期待はできないと。


仙石線多賀城以西のポテンシャル


 現在、仙台駅東口開発が進み、ヨドバシやJRの東口オフィス、現在改装中のBiviのほか、宮城野通駅付近を中心に飲食店が増加しており、ちょっとした飲み屋街が形成されています。

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 榴岡駅前には屋内ホールとしては県内最大規模の仙台サンプラザ、近隣にはメルパルク跡に仙台で最大規模のマンション「仙台ザ・スカイ」が建設中で、広瀬通の延長上の元寺小路福室線沿いの東口第二土地区画整理事業の換地にはコンスタントに賃貸を中心としたマンションが建設中で、仙台駅近接の居住地としても成長しています。

 宮城野原駅には、楽天の球場「楽天モバイル最強パーク」と旧国立病院の仙台医療センター、仙台育英学園があり、旧医療センター跡地には現在新県民会館が建設中です。 

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 楽天の試合だと、仙台駅まで宮城野通をまっすぐ歩いて20分という選択肢も取れますが、新県民会館からは仙台駅まで歩く気にはなれないこと、現県民会館のように、近くに余韻を楽しめる飲食店もないこと、宮城野原駅も隣接していることから、最大2000人余が見込まれる観客が一斉に帰ろうとすると、今のまだらな本数で捌けるのか、さらに楽天の試合とかぶってしまうと、狭隘な地下駅が大混乱ということが懸念される程でしたので、オープンはまだ4年後ですが、この対応が見込まれることもこの増発には想定されたのでしょう。

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 陸前原ノ町駅は、宮城野区役所と文化センター、図書館など公共施設が集まる区の拠点、小鶴新田駅は20数年前に駅が開設された時に分譲されたマンション街と、市民球場、郊外型営業拠点のそれなりの集積がありますね。学院高校の存在感も。福田町駅は今後の駅の移転整備に向けた期待感があり、陸前高砂駅は、東北医科薬科大学に駅周辺には多少古いながらもマンション街が形成されています。


中野栄駅は、仙台港背後地エリアの三井アウトレット、夢メッセ、うみの杜水族館などの玄関口としての存在感があります。

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そして、多賀城駅は、高架化と区画整理が行われ、市のシンボルとなった多賀城市図書館を中心に賑わいが生まれています。数年前の学院大工学部撤退により、駅の利用者も激減した一方、東北ミサワホームが手がけるキャンパス跡地再開発の期待感は大きい。

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 このような前向きな要素が多いながらも、これまではJRとしても力の入れ具合が中途半端で、仙台駅に近い小鶴新田駅までは、地下化や新駅で駅施設が新しくても、老朽化した電車と遅れ頻発で信頼性が低下し。電車の本数も徐々に減便が進んでいました。

 

 


 同じ東部エリアに整備された地下鉄東西線の、駅や車両など何もかもが新しいイメージ、沿線の賑わいや電車自体の利便性や遅れの少なさと比較すると、新たな住民はやはり地下鉄沿線を選んでしまいがちというところもありました。

 

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 しかし、JRとしても手をこまねいている訳ではなかったようです。 同じ仙台エリアでも、東北本線南側の仙台ー名取駅間の昼間10分間隔化、仙台ー岩沼駅間の夕ラッシュ10分間隔化での成功体験もあるでしょうし、車両の更新に合わせて、新たな仙石線のイメージを形成する好機と考えたのか。


過去記事



 全体的に人口減少と通勤通学利用の減が避けられない中、新たな利用者を呼び込むにあたっての東西線との競合対策も含め、仙石線にテコ入れするタイミングだったのかと。 導入する新型車両の編成数が減少するとしても、朝夕ラッシュで10分間隔以上の本数を現に運行していることから、昼間10分間隔での運行のため、ワンマン化で人手の確保ができたこと、バスの減便や終バス前倒しが進むなど、仙台都市圏での鉄道沿線の重要性の高まりもあり、勝算ありと考えたのか。よく決断してくれたと。

 また、狭隘な仙台駅地下ホームでの滞留を防ぐために、根本的な増発に迫られていたという見方も。

衝撃的な新たな昼間ダイヤ

 4年前の減便時の記事で願望していた以上の昼間増便となり、正直驚いています。


過去記事


 まず、松島海岸まで昼間毎時3本(20分毎)というのはせっかく定着したのに崩せないだろうと。


 その上で、多賀城区間便や小鶴新田区間便をその間に設定すれば10分毎になるにしても、一気に毎時3本(20分毎)を毎時6本(10分毎)にすることが望ましいにしても流石に期待はできず、間に多賀城発着を毎時1〜2本を追加し、毎時4〜5本(10・20分毎)になれば良いなぁと希望的観測をしていました。

 それが、


〇仙台駅起点で、全日の10時から14時半まで概ね10分間隔(12時台後半と13時台後半のみ15・20分間隔あり)
︎〇加えて、平日は7時頃から10時までも概ね10分間隔
  →ほぼ、いつホームに入っても10分待たずに電車に乗れることになります。
  (00 10 20 30 40 50 発と、概ねキリの良い時間で分かりやすく)
︎〇14時半から16時位までは、毎時4本の時間帯となりますが、それでも概ね15〜20分間隔。



 と、昼間でも毎時4〜6本と想像の斜め上を行くまさしくダイヤ改正となりました。
以下は、平日仙台発下りの時刻表で、これをもとに考察します。

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 途中区間で折り返しができる駅かつ需要の区切りということで、多賀城駅折り返しが最大毎時3本設定され、多賀城行は6本から15本へと一気に9本増えました(下りのみ)。

 多賀城まで乗車人員4〜6千人が続く比較的利用者が多い駅間が短い区間で、バス並みに気軽に利用できる本数が実現と、一気に反転攻勢をかけることに。

 というのも、朝ラッシュを終えて車両基地へ戻すために8~9時台に集中的に運行されていた5本の小鶴新田行が昼間の増発用として引き続き運用されたため。やはり、故障が頻発していた現行車両の延命策のため、昼間の運用を極力減らしていたけれど、新型車両になってそのような制約が取り払われたと推測します。 

 よって、あおば通・仙台駅発の本数は90本から93本に微増に見えますが、福田町~多賀城駅で考えると、下り85本から93本に8本も増加することになります。 また、下馬~東塩釜は、79本から78本と1本減。多賀城行が増えた分不便になったように見えますが、ほぼ変わりません。 これで、昼間の利便性は、皮肉にもコロナ明けに10分間隔に減便した仙台市地下鉄南北線と東西線と同程度になってしまいました。 


コロナ前は地下鉄が7分半間隔、仙石線が15分間隔だったのが、ともにまさか同程度の10分間隔になるとは。 地下鉄もコロナを理由にしていられず、せめて昼間は7分半間隔に戻して欲しいもの。



 なお、昼間のような多賀城発着がない夕方以降は、全列車が東塩釜以遠まで行く関係上、車両運用に余裕がない中、18時台は微妙に1本減っていますが、夕ラッシュも概ね10分間隔です。

 こうなったら、朝ラッシュ時と夜間帯以外は多賀城以西ほぼ終日10分間隔というのが目指す形になっていくのかな。流石に、21時台以降はコロナ後で乗客の戻りが遅いのか、増便はないようです。コロナ前は、一時的に20~21時台は12分間隔毎時5本ダイヤだったので、その復活を望むところ。 21時台が4本、22時台が3本、23時台が2本と、ここは地下鉄2路線と比較すると不便に感じるところです。

今後に残る期待

 一方、少子高齢化の進展から、朝晩のラッシュ時の本数は微減に留め、昼間の観光客や買い物客など、定期券利用の通勤通学客以外の利用を増やすことが目的の抜本的改正に思えました。

 朝夕ラッシュ時間帯のこれ以上の増便は、車両を増やさないことには無理で、可能性があるとしたら、高城町~石巻間は完全に仙石東北ラインに任せて、今回導入されたE131系は高城町以南に集中投入という方法もありますが、過渡期の技術かつ高コストのハイブリッド車両をこれ以上増やせるかが課題。

 大幅に便利になった昼間時間帯(9時~14時台)については、やはり多賀城以西の完全10分間隔化を望みたいところです。

 JRあるあるで、微妙に1~2分程度パターンダイヤからずれているところがもったいないし、あと4本増やせば実現可能で、仙台空港アクセス線も5年かけて不十分な20分間隔から、完全20分間隔ダイヤにたどり着いたことを考えると、もう一声を望むところ。

 あと、楽天の球場輸送に加え、県民会館輸送も加わることから、臨機応変に増発を図ることがあると良いなぁと感じます。

 改正後も、ナイター終了の時間帯の21時台は上下とも4本ずつで、ここはラッシュ終了後の車庫に入る運用を少し遅らせれば実現可能なので、楽天進出当初と同様に対応して欲しいと思います。


過去記事

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2025年10月 5日 (日)

久々に広島へ(その3)旧市民球場跡地「広島ゲートパーク」

都心部の憩いの空間

 広島に到着して、広島駅ビルを散策してから、紙屋町西停留所を降り、地下街のシャレオを経由して、まずは旧市民球場跡地の広島ゲートパークへ。

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 広場としては野球場の形状を残しており、外周に沿って、平屋の店舗が並んでいます。

 広々とした空間で、サンフレッチェの試合前後とか、イベントが行われていれば賑わっていたんでしょうが、真夏の平日の昼間ということで、人はまばら。

 そもそも真夏にここでイベントを行うのは結構辛そうだなぁと。というのも、野球場の名残を残すために、ほとんど日陰になるスペースがなく、夏にイベント行う際は、暑さ対策で大型テントなどが必須かなと。また広場としては広すぎで都心部のど真ん中で贅沢な土地の使い方だなぁとも。

 春や秋は様々なイベントの開催に適しているでしょう。


ひろしまゲートパークHP


 

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新サッカースタジアム候補地の変遷と複雑な背景

 旧市民球場跡は、当初球場の現位置建て替えを模索しながらも、狭隘な敷地から、東広島貨物駅ヤード跡地への移転となりましたが、その後街中への賑わい確保の観点から声が上がった、このサッカースタジアムの新設候補地の一つとして検討が行われ、移転後も一部残されていた市民球場のスタンドを活用してという案もありましたが、原爆ドームの目の前、かつ広島の復興の象徴だった旧市民球場の跡地にサッカースタジアムということについて、反対意見も多かった模様。

 そこで、この場所と比較され、県と市が推していた広島港エリアのみなと公園に決まりかけたところ、イベント時の大渋滞と軌道系公共交通機関が広電路面電車頼みということで、宇品地区の企業などから交通渋滞を懸念する反対の意見があったこと、それにとどめとなったのはサンフレッチェ自体が「宇品だったら使わない」と、とどめのカウンターパンチを浴びせ、そこでこれまでの経緯と隣接地の基町アパートへの配慮からタブー視されていた中央公園が一気に候補地として浮上し、行政側としても「渡りに船」「ここしかない」という感じで突っ走った形となったようです。

 中央公園と基町アパートは、仙台で言えば近年退去が終わり2023年の緑化フェアで供用開始した青葉山公園(旧追廻地区)が性格として近く、追廻地区は戦後の引揚者の住宅として国有地の借地権を認め個人の住宅が建設された後に、仙台市都市計画で公園用地として移転交渉が長年進められ、宮城野区新田の仙台政府倉庫敷地
(JR東仙台駅近く)を移転地としてようやく完了したという歴史がありますが、元町アパートは、その大規模版のようなもので、原爆スラムと言われていた焼け出された方々が何千人と住み着いた現中央公園エリアの環境整備のため、隣接地に数千戸規模の大規模アパートを県市で協力して短期間で建設したというようです。

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 50年以上前に、このような戦後の処理を短期間で終わらせたというのが凄いなぁと感じます。まぁ住民の移転のために、環境が変わらない隣接地に移転先の大規模公営住宅群を確保せざるを得なかったのでしょう。そのような経緯のある中央公園を活用できたのは僥倖ながらも、20年にわたる議論の末。広島は市民球場の建替えも長年の議論の末、現在地の貨物ヤード跡地という立地条件の良い場所に移転することができましたが、球場もサッカースタジアムも市民や地元企業からの多くの募金を集め、事業推進の機運を高めていったというのが、広島の風土故なんでしょうね。

 今度は、Bリーグの広島ドラゴンフライズも2023-24シーズンの優勝とBプレミアへの移行に向けて、暫定的なホームアリーナとしては広島グリーンアリーナを使用するとのことですが、県営体育館ながらも、どっかの県と違って都心部のど真ん中で1万人収容でき、ライブ会場としても大人気(故に利用制限がある)の施設のため、ドラゴンフライズとしては新アリーナ完成までの5年間しか使用を認められないため、新アリーナを広島駅新幹線口にという署名運動で10万人以上集めたとのこと。

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 野球・サッカーに続いて、バスケの本拠地施設も、都心エリアの交通が至便なところに、1万人規模の施設を想定しているようで、羨ましく思ってしまいます。 

 都心部の賑わいづくりとしては、行政・企業・市民が一体となって粘り強く進めていくところが、広島の強みだなぁと改めて。

都心部ど真ん中

 すぐ横には、そごうとリーガロイヤルホテル広島が立地しており、本当に都心ど真ん中でです。なお、写真の手前に見えるスロープは、そごう3階に位置している広島バスセンターへ進入するバスのためのもの。そごうのバスターミナルは、老朽化は進んでいながらも、広島駅から多少離れた都心部の拠点交通施設として、賑わいが感じられました。

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 振り返ると、原爆ドームからへの平和の軸線が。平和祈念館と原爆ドーム、ピースウイングスタジアムが一直線に結ばれているとのこと。

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 エディオンピースウイングスタジアムの記事に続きます。

 

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2025年10月 4日 (土)

イオンモール仙台上杉 10/8グランドオープンを前に

 東北大学雨宮キャンパス(農学部)跡地開発の核施設として、昨年5月に移転した仙台厚生病院に続いて10月8日にグランドオープンする、イオンモール仙台上杉。

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 雨宮キャンパス再開発の方向性が検討され始めてから20年近く、イオンモールが土地を取得してから11年半と長い歳月の末、ようやくオープンとなりました。なお、あすと長町のイオンタウンは雨宮よりも1年早く土地を取得しているんですがね。雨宮イオンの次と言われていたし、そろそろ動き始めるのか。


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10月8日のグランドオープンを前に、周辺住民向けのソフトオープンと称した営業が開始されています。

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グランドオープンを前に、周辺に新聞広告が織り込まれているようです。

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 グランドオープンと何が違うの?という感じですが、従業員の訓練も兼ねて、イオンモールではどこでもやっていますね。

内覧会的な、チケットを持っていないと入れない訳でもなく、本当に誰でも普通に入れます。以前はこっそり2~3日前からやっている印象だったけど、最近は悪びれない感じで、堂々とやってますね。1週間もソフトオープンとか。まぁ、悪いことをしている訳でもないけど。

店舗概要(プレスリリースより)


核店舗    :イオンスタイル仙台上杉

サブ核店舖:ユニクロ、無印良品、コジマ×ビックカメラ
専門店    :約140店舖
・敷地面積  : 約 33,000㎡
・延床面積  : 約 75,000㎡(立駐含む)
・総賃貸面積 : 約 29,000㎡
・建物構造  : 店舗棟 鉄骨造 地上4階建
 /立体駐車場棟 鉄骨造 地上6階建
・駐車台数 : 約 1,300台
・駐輪台数 : 約 800台
・営業時間
 : 専 門 店 10:00~21:00
            レストラン  10:00~22:00
            イオンスタイル 9:00~22:00
・休 業日 : 年中無休
・従業員数 : 施設全体 約2,000名(内、イオンスタイル仙台上杉 約300名)
・基本商圏 : 約5km圏内・約28万世帯・約58.4万人


1階は食品・インテリアのフロア 

 イオンスタイル(スーパー)は、ソフトオープンとは思えない位、普通に賑わっていました。

 レストラン街も、シックな感じで、周辺住民の所得に合わせた感じがあります。気仙沼発のマザーポートコーヒーが出店しているのはポイント高し。 他、奥側にはKEYUCA等インテリアショップが並ぶ空間が。

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2階はおなじみのテナント

 両端に、ユニクロと無印、そして3COINS+という鉄板のテナントを配置しています。

 近くの店舗は、ともに仙台駅前になるので、周辺住民にとっては、助かりますね。

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 3階は、コジマ×ビックカメラなど

 コジマ×ビックカメラがの存在感が大きい。その他ABCマートやゲーセンなどがあります。

 この辺りは家電店がやはり仙台駅東口のヨドバシが最寄になり、郊外店では泉中央のコジマや北環方面のヤマダ、ケーズまで行く必要があることから、それほど広くないにせよ、普段使いには十分です。コジマ×ビックカメラは、名取→利府→上杉 と、近年はイオンモール内出店に舵を切っていますね。

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グルメアリーナ(4階)

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 グルメアリーナという巨大フードコートでは、センターに4面ビジョンが設置され、今日はイーグルスのナイター中継をやっていました。

 飲食店は、丸亀製麺、マック、大阪王将などよく見かける店舗の他、唐揚げ、イタリアン、マグロ丼など、バラエティに富んだ店舗も並んでいます。酒も普通に飲め、スポーツバー的な使い方もできるようで。

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4階(KAMISUGI ONE PARK)

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 屋内と屋外にまたがる、子供連れ向けの休憩・遊びスペースです。報道での印象よりは広い訳ではなかったですが、未来屋書店に面し、フードコートもあることからゆるい雰囲気で、子連れにとっては人気の空間になるでしょうね。

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交通アクセス

 地下鉄北四番丁駅から徒歩7分という微妙な距離ですが、勾当台通に建ち並ぶ飲食店などを横目に見ながら、歩いてみるとそれほど遠くはありません。

 写真は、泉中央駅改札に掲示されているイオンモール上杉の広告ですが、泉中央駅から地下鉄11分+徒歩7分で18分と謳っています。

 このイオンモール上杉のオープンは、旧アリオ仙台泉がカバーしていた仙台市北部の地下鉄沿線も商圏にしていることから、アリオ跡の活用には逆風になりそう。アリオの建物の復活には、泉中央の足元商圏+旭ヶ丘・黒松エリアの地下鉄沿線からの集客がカギになるだけに。

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 ただ、泉中央セルバや長町モール・ララガーデンのように、駅前又は駅直結という訳ではないので、基本的に都心部にある店舗が並んでいることから、北方面の地下鉄利用者がわざわざ降りて行くのであれば、仙台駅に行ってしまった方が楽というケースも多く、基本的には、足元2~3km圏でしょう。駐輪場も800台分も確保しているのはそういうこと。

 また南部の住人にとってはモール+ララガーデン長町で足りるので、仙台駅から地下鉄やバスでこのイオンモール上杉に向かう流れは限定的。

 ただ、市バスの中江・幸町方面からは市バスが目の前の「上杉2丁目」バス停を通るため、仙台駅前や一番町へ行く需要をせき止めることになりそう。

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市バスのバス停は、北六番丁通沿いに「上杉2丁目」で、仙台駅まで約20分。

宮交が新路線開設

 今回のオープンに合わせて、宮城交通が敷地内にイオンモール上杉・仙台厚生病院バス停を開設し、仙台市南部からの3路線の起終点を県庁市役所前から延長しました。

このバス停始発のバスは、毎時2~3本で、仙台駅までは230円と、市バスの190円より高いですが、敷地内で始発のバスを待つことができるので、イオンモールよりは厚生病院利用者をあてにした新規開設なのかと思いました。

 病院利用のヘビーユーザーはほぼ敬老乗車証で、数十円の違いは気にしないでしょうし。

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 宮交も、運転手不足と利用者減で、コロナ以降縮小均衡に拍車がかかっていましたが、最近発表された街中(市内小田原車庫)への本社移転と中心部を重視した路線再編を図るとのことで、今回の路線延長はその流れの一環なのでしょう。また、県庁市役所前近辺でのバス路駐などの弊害を解消するための待機場所としての意味合いもあるのかなと。

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 駐車場は1300台分を立体駐車場で確保しています。また、厚生病院の平面駐車場も提携駐車場として位置づけられているようで、週末には活用されるのでしょうね。

基本的に90分無料+2000円以上の購入で60分延長となり、最大150分無料となっています。シネコンもなく、程よい規模のSCなので、この最大無料時間で十分かと。なお、精算に現金が使えないというパターンは初めて見ました。

11月以降であれば、無料時間に収まりあまり精算対象になる車はないでしょうが、これも時代の流れですね。


(注)2,000円購入で60分延長は11/1から。10月中は90分超過分は1時間600円の追加料金がかかりますのでご注意を。


 

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都心外縁部への大型商業施設の意義

 売場面積が3万平米弱と、旧アリオ仙台泉とセルバを合わせた規模で、長町モールの本館よりは小さい程度です。

 なので、足元の高所得の住人をターゲットのスーパーや飲食は多少高級寄りにしながらも、専門店は鉄板のテナントを集める堅実なテナント構成にしてきたなぁと感じました。都心部の売り上げを150~200憶園程度は奪う形になるでしょうが、そもそも近年閉店したグループのイオン仙台店とフォーラス仙台店分で100億強はあったでしょうから、その分を自社で取り返すイメージか。都心外縁部に立地する大規模SCはこれまでなく、地下鉄で10分の距離の長町モールは郊外であり、それも都心部が安閑としていた理由でもあったので、イオンモールとはいえ、もう少し早くこのような商業施設があっても良かったのではと思っています。

 他の地方大都市では、福岡(ゆめタウン福岡、ららぽーと福岡、マークイズ福岡ももち等)、広島(イオンモール広島府中、ゆめタウン広島、フジグラン広島)、札幌(サッポロファクトリー、アリオ札幌、イオン桑園)とも、都心部内や外縁部に郊外型のSCがバランス良く立地しており、それも都心部の人口密度の高さを生活面で支えています。都心部の競争力は保って欲しいですが、都心部の生活の利便性と人口密度を高めるためには、必要なものではないかと思います。都心部ではないですが、東仙台のJT跡地のアリオが実現していればという思いもありますが、当時の商工会議所と某市長がこの計画を潰した経緯があり。。。

 その前には、幸町イオンが進出する際にも商工会議所とすったもんだがありました。古くなった店のテコ入れが不得意なイオングループによくある話で、もはやすっかりさびれていますが、今回の上杉イオンの約半分の1.5万平米弱の売り場面積があり、そこそこの規模の中型店です。今回の上杉イオンの商圏に幸町エリアは確実に入ってくるので、自社競合も厭わない形でしょうが、目の前のバス停から伸びるのは幸町・東仙台営業所方面のバス路線であり、この幸町イオンのダメージも大きいような気がします。


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 南側の勝山ボーリング場跡地をかつて住友不動産が取得し、シティテラス上杉を分譲していますが、この都市型イオンモールのオープンに合わせて、 その第二期計画がこのタイミングで発表され、建築計画のお知らせも出ています。住宅の戸数は321戸と、第一期の336戸に匹敵する、タワーではないマンションにしてはかなりの規模。

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 億越えの部屋が普通にあるような分譲マンション計画なのでしょうが、この上杉エリアの底上げのために、残されていた虎の子の土地が動き出します。住友不動産はこのシティテラス上杉と第二期で657戸、イオンモール北側で約200戸、野村不動産のプラウドで約200戸とイオンモールの進出に向けて1000戸以上が新たに分譲され、2000人程度の人口増に繋がったのでしょうし、その効果が周辺にも波及していくことが期待されます。

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2025年9月17日 (水)

久々に広島へ(その2) 路面電車の功罪


広島編(その1)の続きです。


 宇都宮ライトラインの成功から路面電車が再評価され、マスコミ等に取り上げられることが増えましたが、その流れを作ったのは間違いなく元祖路面電車王国の広島でしょう。そもそも、宇都宮のライトラインは計画段階から広島電鉄の路面電車の神様みたいな方が乗り込んで技術協力したという経緯もあります。1路線のみ(西側延伸予定あり)の宇都宮ライトラインに対し、市内のデルタ地帯に面的に6系統の路線を走らせている広島電鉄。そして、郊外の専用軌道のインターアーバン的な宮島線にも乗り入れ一体運用しているなど、かなり前から先進的な取り組みを採用してきました。

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課題満載の路面電車

 その広島では、前回訪問した20年前の時点で、3両編成の連接車グリーンムーバーが走っており、車両については単車のいかにも路面電車からLRTへ進化させようという意欲を感じていましたが、そこから20年が経過し、連接車両の増加を感じました。

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連接車両の導入で運転手の削減、輸送力アップを図り、100万都市のメイン公共交通機関として、できる限りの努力をしているんだろうなぁと感じた一方、流石に路面電車故の限界に直面しており、中々運用を含めてLRTには進化しきれていない印象です。


  1. 1編成あたりの輸送力不足(連接車でも仙台市東西線の1/3、アストラムラインの半分)
  2. 遅い(広島駅ー紙屋町2㎞が15分)
  3. 労働集約型産業(人件費率の高さ)

 1~3まで課題を挙げましたが、それぞれの課題は相互に関わっています。

 まず1の輸送力不足についてですが、3連接や5連接といっても、路面電車の車両長は法規で30m以内とされています。宇都宮ライトラインも同じ制約をクリアするように整備され、定員160名(うち座席50席)ですが、広島電鉄も同程度の定員となります。

 例示した仙台市地下鉄東西線の定員は4両編成で388名(座席100席程度)、アストラムラインは6両編成ならがも定員264~288名(座席100席程度)で、それぞれ 、東西線で500人、アストラムラインで400人程度は詰め込むことができ、朝ラッシュ時を中心に大量輸送に活躍しています。

【仙台市地下鉄東西線 】

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アストラムライン

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【広島電鉄】

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 一方、広島電鉄の路面電車は、新型の超低床型連接車でも概ね定員150人で座席数は不明ながらも立ち客前提のように感じ、2~3本でようやく東西線やアストラムラインの1本分の輸送力に届く形となっています。昼間は10分に単車も含め2~3本なので、東西線もアストラムラインも10分に1本であることから、広島駅⇔紙屋町付近の輸送力としては大量輸送の軌道系機関の両者とほぼ同じ程度をなんとか複数系統を束ねて確保している形です。

 いかんせん、その分運転手(連接車両は車掌も)必要で、3の人件費率の高さに繋がってきます。2の遅さとの関連で所要時間がかかるということは拘束時間も長いということ。

強すぎる広電の影響力

 様々な課題がありながら、広電という民間企業に都市内の主要公共交通機関の運営を任せていることから、市側の意向がそのまま通るわけではなく、松山市と伊予鉄、新潟市と新潟交通、福岡市と西鉄の関係にも似ている。ただ、福岡市は市営地下鉄3路線を運営(かつての西鉄路面電車から移行)しており、自前で施策を実行できる手段があるのに対し、広島市は第三セクターのアストラムライン(広島高速鉄道)1路線のみ。

 アストラムラインを延伸するにしても、広電路面電車との絡みや、地盤が軟弱な故の高コストな工事費などもあり、事業化が難しい状況で、現在の都心部側の終点である本通からの延伸ではなく、広電路面電車と競合しない末端の終点である広域公園ー西広島間を単線で整備することになりましたが、570億から760億に見直された工事費、しかも単線での整備と、都心部西部のターミナルである西広島駅につなげることでのJRを含めたネットワーク化の効果があるにしても、次善の策という苦しさが伝わってきます。

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相次ぐ運賃値上げ

 それに、路面電車自慢の低運賃も、長らくは150円均一(路面電車部分)だったのが、2014年の消費税8%時に160円、2017年に180円、2019年に190円、2022年に220円と小刻みに値上げが続き、 この時にコロナ禍の苦境を逆手に、エリア内の路面電車やバスの共通運賃制度を導入しましたが、さらに今年の2月からは240円と、どんどん上がっているのは、3の人件費負担の大きさもあるでしょう。

 とはいえ、路面電車の市内線は値上げが続きながらも、均一区間に郊外区間の宮島線が含まれ、広島駅から宮島駅までは270円から240円(独自カードのMOBIRY DAYS利用で220円)と、値下げで並行するJR山陽線に対する価格競争力確保と、全線均一区間にすることでの精算の簡略化を図っています。そもそも広島駅から宮島口まで、JRで30分420円のところ、広電では70分240円と、所要時間倍以上、料金半分程度ということで、目的地に応じて使い分けがなされているのではと。急ぐ時はJRで急行料金のようなもの。

 1乗車あたりの運賃を値上げする反面、1日券700円で3回乗車すれば元が取れる設定とし、そして、普段使いの通勤通学客には電車全線定期券を発売し、広島駅から宮島口、広島港までの全区間を半年で5万3千円(1か月9800円)で乗り放題になるようにし、気軽に足代わりに乗ってもらおうという考えに思えます。

 普段の通勤通学以外の区間でも乗り放題になるとのことで、公共交通機関の利用促進の効果は絶大では。

 値上げと大盤振る舞いが混在して、よくわからなくなりますが、総利用者を増やすために考え付いた取り組みなのでしょうね。

MOBIRY DAYSへの移行と、交通系ICの利便性低下

 この施策については、以前の地域で利用できた交通系ICのPASPYのシステム更新費用の多額負担が理由とし、ICカードではない独自規格のMOBIRY DAYSへ移行することとし、SUICA・ICOCAなどの交通系ICは利用できなくなるとの報道でした。熊本に続く交通系ICカードのシステム更新負担の重さからの離脱の動きとなりましたが、結果的には広電でも簡易端末でSUICA・ICOCAを利用できるようになりました(ただし、距離制運賃の場合は、整理券で読み取った金額を運転手が入力して決済というような、混乱を招くような仕組みに)。

 広電の路面電車でも、MOBIRY DAYSは乗車時と降車時の両方の読み取りが必要全てのドアでの乗降が可に対し、  SUICA等交通系は
降車時のみタッチでOK(市内の路面電車・バスは240円均一のため)ながら、車掌等がもつ端末でのみ降車処理可といったように、正直最初は???でした。

 広島駅から紙屋町西まで乗車しましたが、昼間で観光客が多かったこと、連接車両で車内がかなり混雑していたことから、乗車時・降車時ともかなり混乱していました。ICOCA(SUICA)をMOBIRY DAYS端末にかざそうとする方がかなり多く、車掌も降車客が持つカード・スマホに応じて、あっちの据え置き式リーダー、手元のハンディカードリーダーと指示しながら使い分け、現金精算者向けの両替対応など、こんなに忙しい対応を強いるのは本当に酷に感じました。

 なお、最初は乗降で時間がかかり遅れが慢性化した宇都宮ライトラインは 、慣れた利用者が大部分となった朝の通勤通学時はほぼICカード利用でスムーズに乗降できているので、広電も通勤通学時はそれほど混乱していないのかもしれません。

遅さという宿命

 広島駅発車時からこのような感じで、数分発車が遅れ、次の稲荷町電停発車時には右折待ちで数分停車、その後の胡町、八丁堀、立町などの停留所に頻繁に停車する際に、降車客の精算処理で1~2分は発車できずの繰り返しで、降車した紙屋町東までの1.9㎞を15分以上要したため(時刻表では13分) 、乗車してからのべ20分程度かかりました。揺れる路面電車で立ちっぱなしだったので、結構しんどかった。

 触れ込みでは、駅前大通線をショートカットすることで4分短縮とありましたが、「信号待ち」「降車時の精算処理」「停留所間隔の短さ」で、この時間短縮効果が消えてしまっているのは本当に惜しい!

 この距離は、仙台の南北線でいえば、仙台駅から北四番丁(1.9㎞)で3駅5分の所要時間で、路面電車遅すぎ!と感じますが、  


JRから地下鉄への乗換移動で5分 ⇒ ホームでの平均待ち時間5分 ⇒ 乗車時間5分 ⇒ 地上に出るのに3分


 と考えると3km未満の近距離でのトータル所要時間は地下鉄でも路面電車でもそれほど変わらないのかもしれません。

 さらに、仙台市地下鉄は平日昼間(休日はほぼ終日)の10分間隔トラップがあることから、最大乗るまでに9分程度待つことを強いられるので、それを考えると、この辺の精算処理の改善と、電停の統合などを含めた、スピードアップの取り組みにより、広島駅から紙屋町まで10分程度の所要時間に短縮し、名実ともにLRT化されれば、路面電車でも十分生き残れるかと感じました。

 また、広電はJR広島駅・横川駅・西広島駅で定時性の高いJRからの乗換客があり、組み合わせで利用している方も多く、トータル(所要時間・運賃)で絶妙なバランスを保っているのかもしれません。

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 とはいえ、夕方に、八丁堀から西広島まで(約4km)まで25分、夜に横川駅から皆実町6丁目まで(約5km)を30分以上かけて移動し、このくらいの距離となると、正直遅いなぁと感じましたが、だんだんとこの情緒にやられて、遅さに慣れてきました。

沿道の厚み

 それも、やっぱり沿道が元気なんですよね。古い町並みかもしれないが、チェーン店以外の商店や飲み屋も電停前だけでなく、駅間でも結構残っているし、マンションなどの集合住宅の密度も高く、乗っていて飽きませんでした。乗客も入れ代わり立ち代わり 乗ってきて、乗り降りのない停留所がなく、本当にげた替わりに利用されているというのが分かりました。

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 仙台では、地下鉄沿線でも沿道の賑わいを維持するのに四苦八苦しています。特に約50年前に廃止された仙台市電沿線、かつ副都心エリアでありながらも、長町商店街の長町一丁目駅と長町駅の間は500mしかないのに、商店街としてはかなり歯抜けでまずい状態にあります(スーパーはモリヤ閉店の後ウジエ出店のようで、一息つく形なのが幸い)。両駅(JRを含む)で乗降客合わせて4万人以上いるのに、商店が閉店した後は駐車場になったり、徐々にマンションに建て替わっており、これが地下鉄と路面電車やバスとの明確な街への影響の差と感じました。

 路面電車やバスであれば、停留所間でも車窓を通じてのアピール効果があり、今度行ってみようと思わせるものがありますが、地下鉄は速さと駅間の長さと引き換えに、街をワープしているようなもので、駅周辺の”点”の集客効果はあれども、広がりは限定的。

 これは、路面電車と地下鉄の差というだけではなく、そもそも仙台の市街地の人口密度の低さ故なのかもしれません。


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2025年6月22日 (日)

課題満載 仙台東道路の4ルート案公表

 ルートが具体化しつつある仙台東道路。過去記事として10年以上前に記事にしていたので、雑感などはそちら参照。


過去記事


 東北道の仙台宮城ICから都心部を結ぶ仙台西道路は昭和58年度に全通し、東北道からに限らず愛子地区からのアクセスを革命的に短縮した無料の高規格道路として欠かせない幹線道路となっていますが、その西道路に対する東部道路方面の仙台東道路、そして泉方面の仙台北道路、長町方面への仙台南道路は構想路線として30年以上前から存在しながら、事業化に至っていない仙台都心部に向かう高規格道路群。その中で、西道路に対して整備されればバランスの良い仙台東道路の4つのルート案が国土交通省から出されました。

仙台東道路計画段階評価第3回説明資料

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 そもそもルート沿いに整備された東部道路のコロナワールド付近から広瀬通へ繋がる元寺小路福室線は、基本的に片側3車線で都市計画決定され、中央分離帯への高架橋建設も十分可能は幅員であり、近年は架け替えられた宮城野橋から仙台駅東口第二土地区画整理事業部分が立派に整備されました。仙台医療センター東側のJR貨物線をくぐる部分のみ片側1車線になっていますが、一応全線通れるようになっています。

Wwwthrmlitgojp

 なので、ルートはこの元寺小路福室線沿い一択かと思っていたところ、今更4つのルート案が公表され、正直ずっこけました。

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 都心部は、3通り、仙台駅以東は、4通り ですが、基本的なルートは都心部の3通りに対応しています。

都心部(仙台駅西)

  仙台駅東~東部道路

①定禅寺通経由

45号線経由

②広瀬通経由

元寺小路福室線経由

元寺小路福室線+原町岡田線経由

③青葉通経由

産業道路経由

 そもそも仙台東道路は、東部道路から元寺小路福室線の仙台駅東(アンパンマンミュージアム付近)が終点であれば、整備の困難度はそれほど高くないですが、そのような形にしてしまうと、西道路から吐き出され、東道路に向かう大量のクルマとトラックが広瀬通を経由し、今以上に都心部の幹線道路が麻痺してしまうことが容易に予想されることから、東道路は西道路と直結させて、一般道への影響を極力小さくするして整備することが前提とされ、一気に整備のハードルが高くなってしまいました。

地下前提の都心部エリアも困難だらけ

 そうすると、仙台駅東方面は整備費から高架道路一択ですが、仙台駅西口エリアは正直首都高のような高架道路はちょっとあり得ない。 


 例えば、定禅寺通や青葉通を高架道路が走る形になるのは、仙台市のシンボルケヤキ並木への影響が大きく、仙台市や市民が許すわけがない。この2つの通りとの比較で、広瀬通はまだイチョウ並木なので、まだ伐採して中央分離帯に高架道路を整備するのは不可能ではないでしょうが、それでも沿道にビルが立ち並び4~5階の高さに高架道路がというのはほぼ商業・業務系のビルとはいえ、杜の都のイメージを棄損することになり、簡単ではない。

 広瀬通では、アエル近辺の車線増のために中央分離帯のイチョウを10本伐採した際に、結構問題になった覚えもあります。広瀬通でさえなので、定禅寺通と青葉通は不可能でしょうね。


 そうなると、地下トンネルしかないにせよ、広瀬通は地下鉄南北線広瀬通駅と駐輪場が一部地下に位置していること、さらに青葉通は地下鉄東西線と、青葉通地下道、駐輪場、そして仙石線あおば通駅と、ほぼ全線にわたり地下に構築物があることから、広瀬通より条件は厳しく、大深度でなければ無理じゃない?

 そうなると、地下の構築物が勾当台公園付近で地下鉄南北線をくぐる部分のみとなる定禅寺通の条件が良さそうですが、それも地下鉄東西線青葉通一番町駅建設の際に多くのケヤキ並木が伐採され、いつぞやの市長がケヤキの精発言をしたり、地下鉄反対派が乗ってきてケヤキ伐採反対運動を繰り広げるなどした記憶が思い起こされ、地下を通すにしても結構大変そうです。

 定禅寺通自体は、車道減少で歩行空間拡大に向けた再整備を実施しているところで、その計画にも大きな影響が出てしまう。このシンボルロードの地下に時代遅れの地下道路を通すということが許されるのか。

 どのルートであってもそれに地下を通す場合、それなりの大深度が前提となることから、西口側(特に仙台駅付近)で地上への出入口が設置可能な場所も限られ、換気口の設置場所を含め、どのような手法になるのか想像がつきません。

東側は高架一択にしても。。。

 そもそも国道45号線ルートが出てきたのがよく分からない。幅員も狭く、仙台港北IC付近で三陸道に接続するにしても、現道の幅員が狭く曲がりくねった区間もあり、このルート沿いで整備できるイメージが湧かない。もっとも整備距離が長く、三陸道松島・石巻方面に向かうのであれば距離が短縮されるにせよ、空港や常磐道方面との行き来を考えると、非常に遠回りになり、需要が見込めない。地下が最も通しやすい定禅寺通りとセットで検討した結果なのかもしれませんが。。。

 また、地下整備が最も困難な青葉通に対応して、産業道路(新寺通)へつなぐルートを見る限りは、地下鉄南北線が通る愛宕上杉通と上に在来線と新幹線が通る新寺ガードが含まれ、正直あり得ないルートとしか思えない。

 なので、結局整備するとしたら②の広瀬通⇔元寺小路福室線(or原町岡田線)しかないのでは。

 元寺小路福室線がネックになるとしたら、防衛上、自衛隊苦竹駐屯地を見下ろす形となる高架道路を整備することの妥当性や、新県民会館への振動の影響などが考えられますが、他のルートよりは解決が容易。先日交差点立体化工事が終了し開通した4号線バイパスの箱堤交差点との接続の困難さを考えると、平面交差の卸町交差点へ接続するために1本南側の原町岡田線にルートを振るという可能性もあるのか。

 インターは、西道路終点付近、仙台駅西口付近に1か所、広域防災拠点付近に1か所、国道4号バイパス交差点に1か所、あとは東部道路へJCT形式で直接接続が前提でしょう。

事業化へのハードル

 正直、構想が出てからの検討時期が長過ぎ、建設工事費の高騰が進んでいる今、整備の時期を逸してしまったという感想になってしまいます。

 約20年前工事が行われた秋田中央道路(片側各1車線、秋田駅の東西を地下トンネル構造、2.55㎞で事業費約700億円)を考えると、仙台都心部の地下トンネル工事のみで1,000億円は下らない。20年以上前に整備された仙台東部道路の高架区間(仙台東IC⇔仙台港北IC:5.2km)が520億の整備費とのことなので、仙台駅東側を高架で5㎞以上をこれから整備する場合はゆうに1000憶は超えるだろうし、そうなると全線で地下鉄東西線を超える2500憶~3000憶程度のビッグプロジェクトになってしまう。

 そうなると当然ながら無料通行を前提にはできず、都市高速的な有料道路としての整備が前提となるでしょうが、普通車通行料を仮に5~600円としてどの程度の利用が生まれるか。西道路との直結を前提とするのであれば、西道路を組み込み有料化し、料金収入を上積みすることも必要になるかもしれない。また、仮に2030年頃に事業化されても全通まで15年程度はかかるだろうから、そのころには交通需要も低下し、事業として成り立つかどうか、見通しは暗いのでは。

 そもそも、幹線道路が各2本以下と限られる北・南・西方面と異なり、東方面は利府街道、国道45号、元寺小路福室線、産業道路と、都心部からの幹線道路が4本整備され、整備水準は高い状況。

 今回のルート案公表で正直事業が前に進むのかと思ったら、まだこの段階の検討だったのかと拍子抜けとなってしまい、事業化されれば嬉しいにしても、ここまでのルート条件、事業採算性の厳しさから、トーンダウンしてしまいました。

 そもそも、仙台市は、地下鉄東西線を整備することで、都心部を含めた自動車交通量の減少を見込んでいたはず。定禅寺通りの車線減少もその一環。その前段で都心部を取り囲む自動車専用道路を整備し、通過交通の排除を進めていながら、環状道路は有料道路であることから、結局、仙台宮城IC⇔西道路⇔広瀬通 という無料ルートに大型車が流入してしまっています。この東道路を進めることで、都心部へのクルマの流入を促進することとなり、これまでの流れに逆行することとなるのでは。

 福岡や広島のように、都市高速が整備され都心部への自動車アクセスが向上することで、高速バスの定時性も高まるなど、良い効果は見込めるにしても、正直これから改めて事業化を進めるのは厳しいなぁと改めて感じた次第。

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2025年5月31日 (土)

イオン仙台店閉店(その2)読売仙台ビル再開発ほか

(注)この記事は3月初旬に書き始めながら、仕事の繁忙期などで中途半端になったままだったので、続きを加筆しUPしました

   イオン仙台店(旧 ダイエー仙台店)が、2月28日金曜日に惜しまれながら閉店しました。

 金曜日の夜なので行けないと思っていながらも、ふと気づいたら閉店に間に合う時間帯だったので、買い物をしながらアーケードをクリスロードに向かい、閉店の瞬間を味わいに行くことに。これまでこのような場に居合わせたことはなく、報道で見聞きすることが多かったのですが、何とも言えない雰囲気でした。10分ほど前に現地に到着しましたが、「立ち止まらないで」というアナウンスがかけられながらも、ただ事ではない雰囲気にたまたま通りかかった人たちもつい足を止めてしまっていました。イオン仙台店に対して名残惜しく感じている方と言うよりは、歴史的な瞬間にたまたま立ち会えそうという方と、あくまでもかつて全国一の売上を誇ったと言うダイエー仙台店が閉店してしまうことへの郷愁という感じでしょうね。ニュースで取り上げる方々は80歳を過ぎたような方ばかりで、震災時の感謝はあれども、市民が日常的に買い物する場としてはとうの昔に第一線を退いてしまっていただけに。

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 後ろの方に居たので、詳細は分からないながらも、19時の閉店時間を過ぎて、散発的に拍手が起こり、セレモニーは行わないと事前にありながらも、店長の挨拶とお決まりのシャッタが閉まりました。

読売仙台ビル再開発へ

 この、イオン仙台店が入っていた読売仙台ビルの再開発自体は既定路線で、アーケードに面し、青葉通と東二番丁通の角に鎮座する最高の立地条件であるこの敷地を活かせる方法で再開発されることは大歓迎。

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 ダイエー自体で、全国一の売り上げと言われた店は、仙台店以外にも、新潟店(現 ラブラ万代)、ショッパーズ福岡店(現 ミーナ天神)とありますが、GMSを中心とした構成で残っていたのは、イオンに引き継がれた仙台店のみ。ダイエー経営危機のタイミングで東北から撤退という話がありながらも、結果的に仙台泉店が閉店し西友に引き継がれながらもジリ貧でまもなく完全閉店となりながら、仙台店は東北唯一の店舗として残りました。

 その時期は、仙台駅前にパルコがオープンし、同じファッションビルであったイオン系のフォーラスがテナントと客を取られていたり、十字屋が閉店しヤマダラビに転換されたり、基本的に名取イオン(当時のダイヤモンドシティエアリ)がオープンし、都心部に逆風が吹き荒れていた時期で、ダイエーが撤退したとしても、上階の床を専門店などで完全に埋めることは難しかったでしょうし、ビルオーナーとの交渉の末残ったのかもしれませんが、せめて、震災後でイオンに転換した位の建設費が高騰する前のタイミングで再開発が計画されていればと。まぁ、震災復興優先でしょうがないですが、死に体でここまで延命を図られても気の毒でしかなかったし、寂しい末路ではありました。

 とはいえ、ビルを所有する読売グループも、斜陽の新聞本体、放送業界を尻目に、不動産活用からの収入が多くを占め、実質不動産で生きながらえている面もあり(これは、フジサンケイグループも同じ)、積極的にこの一等地の再開発を進めてもらえることは非常にありがたい。

東急不動産が協力

 協力事業者に東急不動産が選定されたとのことで、東急不動産はかつてさくら野から名掛丁アーケードまでの一体的な再開発を目論み、結構力を入れて参画していながらも、さくら野閉店後に有名になった権利関係の複雑さなどもあり、撤退した経緯があります。

 また、同じ東急系でいえば、前記事でも触れたように、仙台駅前のヤマダLABI仙台が入居している、TR(東急レクリエーション)ビルもグルプが管理していたり、2016年に民営化された仙台空港の運営も担っているなど、仙台にそこそこ縁がある会社です。

 ただ、再開発のイメージとして、低層3階程度に商業、上階にオフィスとホテルというような、定番の構成なので、さくら野跡地でPPIH(ドン・キホーテグループ)が検討しているものとほぼ被ってしまう。東二番丁通の斜向かいで計画されている電力ビル再開発は、オフィス中心で、真正面から競合するわけではないですが。


<4/23仙台市プレスリリース資料より>

 1 新築ビルの概要
(1)計画名称 (仮称)読売仙台ビル建替プロジェクト
(2)所在地 青葉区中央2丁目3-1 ほか
(3)事業者 株式会社読売新聞東京本社
(4)敷地面積 約5,200㎡
(5)建物規模 延床面積 約42,000㎡
(6)主用途 事務所、ホテル、店舗
(7)高機能オフィスにかかる整備内容
 ・1フロアのオフィス専用面積200坪以上整備
 ・まちのにぎわい創出に寄与するオープンスペースの整備
 ・非常用電源設備の設置スペースの整備
 ・個別空調方式または可変風量方式によるエネルギー効率の高い空調設備
 ・個別セキュリティシステムの整備
(8)竣工時期  令和11年度(予定)

2 活用する施策
仙台市都心部建替え促進助成金制度

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 期待されていた規模は、旧建物の8割程度の容積率となり、仙台のオフィス環境及びインバウンドの入りが遅いという状況を踏まえた、控えめなものになりました。仙台市の都心再構築プロジェクトのうち、容積率割り増しは活用せず、助成金のみのよう。
それでも、旧建物が5万平米超の延べ床面積があったというのは意外に感じましたが、地下の2フロアも含めてなのでしょう。新しい建物は地下部分がないということであれば、地上部の規模感はそれほど変わらないかも。

 高さは10~20階とのことで、これも流動的ですが、これまでの天井の低い8階建てでこれだけの規模感だったので、オフィス部分は階高も確保されることを考えると、それなりに存在感のある建物になりそうです。高さは東二番丁通向かいのファーストタワーよりは低くなるようですが、オフィス部分はワンフロア当たりの面積を取った方が良いと思うので、せめてホテル部分はスリムな形状にして高さを稼ぎ、客室からの眺めを確保できるような形にして欲しいな。

 それに、アーケード沿いということから、店舗の連続性を確保しながら、集客力のある商業施設として欲しい。アーケード沿いの大型店舗がアエルの次が藤崎になってしまっているのは流石にまずい。

周辺の再開発状況

 また、電力ビル周辺の再開発も、第1期となる広瀬通と東二番丁通角の明治安田生命ビルは退去が進み、電力ビルとの間の立体駐車場は解体されました。オリックス不動産所有地も、温泉併設のホテルなどが検討されているとのことで、どの再開発も工事費高騰での不透明感は続くところですが、相変わらず停滞しているのは、さくら野跡地のみで、これまで停滞感が強かった、仙台駅西口エリアの再開発に動きがでています。

Map1_20250531221901(仙台市HPより引用)

 改めて、都心部の地図と再開発が進んでいる案件の分布をみると、本来であれば南北線と東西線に囲まれたエリア(仙台駅・あおば通駅・青葉通一番町駅、広瀬通駅近辺)という利便性の高い範囲での再開発状況が物足りないと感じます。都心部の鉄道の利便性は地方中枢都市の中で恵まれている方なだけに。地元資本が極端に弱い、支店経済都市の弱みが出てしまっています。コロナでリモート会議などが当たり前になり、支店自体も東京の本社でカバーできるからと縮小傾向だったり、インバウンドも取り込めず厳しい状況。忘れましたが先日の新聞でも仙台のオフィス空室率が上がっても賃料が連動して上がっていないという記事を見ましたが、これは札幌や福岡などと異なり、これでは新たな再開発でオフィス床を生み出しても利益が出ない状況とは。

 そういえば、フォーラス仙台店はどうなったの?休業から早1年4か月。さすがに耐震性の調査は終わっただろうよ。イオンとしては、上杉の新イオンモール優先で、ここを再開させるというのは、やっぱりポーズだったのかもね。

勾当台公園エリアの状況

 さらに、勾当台公園エリアでは、「仙台第一生命ビルディング」の退去が進み、東側のハミングバードが運営していたルート227カフェもこの春に閉店となり、公衆トイレも閉鎖となるなど、新市役所庁舎と同時期の新ビル完成に向けた動きがあります。

 市民広場付近は、地下鉄駅から新市庁舎へ直結する地下通路工事と広場再整備に伴い、利用ができなくなっていますが、市民広場が使えないしばらくの期間、イベントなどは勾当台通り向かいの勾当台公園または、西公園を活用して開催されることとなります。

 その市民広場機能を代替するステージが、県庁や国合同庁舎側の勾当台公園花壇などを撤去して、本来は3月末までの工事期間が長引いてしまってましたが、 5月17日から青葉まつりにて利用が開始され、出店などもその周辺に配置されていました。

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 そういえば、1年前のこの週末は、ポケモンGOフェスが七北田公園と仙台市中心部で開催され、多くの来街者で賑わったし、その翌週は東北絆まつりが開催されるなど、地下鉄も増便される位、イベント目白押しだったことと比較すると、今年の初夏は毎週末天気も悪く、平日も肌寒い気候で短い仙台の快適な季節が味わえず、ちょっと物足りない、寂しい気分です。青葉まつりも雨にたたられましたね。

市内のイベントも再開へ

 地下鉄沿線のユアスタやゼビオアリーナもそれぞれ改修中で、市内でのイベントが減っているという状況でしたが、まもなく利用が再開されるので、中心部とともにイベントで盛り上がって行けばと。特にゼビオアリーナはアイスリンク化で大々的に羽生君他仙台ゆかりのスケーターを集めたイベントを開催するとのことで、ダメもとで申し込んでみようかな。常設席も増席されたとのことで、ライブの収容人員が多少でも増えたのであれば利府の某アリーナからライブを取り返して欲しいもの。また、ベガルタも昇格争い圏内の順位をキープし、ユアスタに戻れば更に盛り上がりが増すことが予想されます。

 仕事もようやく落ち着いたので、仙台の内外いろいろと出かけていければと思っています。

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2024年12月25日 (水)

ようやく仙石線新型車両投入!

 しばらく仙台関連のあまり良いニュースがなく、来春のJRダイヤ改正でも仙台エリアの在来線にほぼ動きがないなど、特にネタがなく更新が途絶えていましたが、久々に朗報です。

 故障続きで現在の205系の限界が囁かれるどころか声高に叫ばれている状況の中、車両置き換えについては首都圏からの車両改造転用説や都市郊外線区用のE131系の導入など様々な噂や情報が出ており、最終的に、E131系14編成の導入に落ち着き、ようやくJR東日本から昨日公式に発表されました。

  


プレスリリース

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 この車両は、4ドアで2〜4両単位が基本で、房総地区を皮切りに近年日光線、宇都宮線(宇都宮ー黒磯)、相模線、南武線支線などに様々なアレンジが行われながらも導入が続いてきました。

 仙石線導入にあたっては、

  • 従来どおりの4両固定 or 2両編成×2 (末端での2両編成運転を可能とするため)にするか
  • 従来の205系と比較しての拡幅車体が入線できるか
  • 4両×14編成と噂された編成数で運用が可能か

 など、待望の新車導入の方向性への期待の反面不確定要素があり、他線区でも導入時には短編成化や車両の削減からの減便、ワンマン化対応などのコストダウンの取り組みが含まれていることから不安もありました。結果的に現在と同じ4両固定ながらも編成数が減る形となります。

 ほぼ1年後の2025年冬からの置き換え開始とのことで、全編成置き換えの後はワンマン運用が行われるのは省力化の流れです。

 仙台市地下鉄南北線の車両置き換えは2024年度は1編成のみで、5年位のスパンで全編成置き換えとなることと比べると、JR東日本の資本力と自前の車両製造工場の製造能力の違いを感じます。

 

編成数の減少の影響

 上述の仙台市地下鉄南北線は同じく4両編成で21編成の置き換えを予定しているのに対し、仙石線は2/3の14編成。現在の編成数16→14と、既報通り2編成も減少となります。

 運行時間も、南北線の全線28分と対比すると、高頻度の複線区間(東塩釜ーあおば通)の所要時間が約30分で対応しますが、さらに東塩釜以北の石巻までの区間で少なくとも毎時1往復することを考えると、実質的に、南北線の半分程度の頻度で運行している現在の本数を確保するのが精一杯。一定の予備編成を確保することになるので、朝ラッシュ時の減便がセットになることは確実かと。

  南北線 仙石線(複線区間)
朝ラッシュ 3〜4分毎 6〜9分毎
昼間 8〜10分毎 10〜20分毎
夕ラッシュ 5〜6分毎 約10分毎
夜間 8〜12分毎 15〜20分毎

 正直、沿線人口および駅利用者数を考慮すると南北線の2/3程度の本数が適正なのでしょうが、沿線人口の高齢化が進み、新規の開発余地も小さくなっています。沿線の中では新しい街と思われている小鶴新田駅エリアで駅前に久々に大規模マンションが分譲されましたが、新駅開業から20年も経過している現実。ここ10年で、高齢化に加え、仙石東北ラインの開業による沿線通過人員の減少の影響もあるのでしょう。

 朝ラッシュの仙石線(多賀城以西)はかつて東北本線(仙台ー岩沼)と同様に5分間隔ダイヤを実施した時期がありましたが、現在は南部方面はアクセス線分で名取以北は更に最短4分間隔と増便になってる一方、仙石線は6〜9分間隔と徐々に減便傾向となっていることも、多少南側に並行して運行する東西線と比較して、運行の安定性、駅や車両の古さ、本数の少なさ故、比較して新たな転入者が仙石線を選ばなくなってきていることの影響が生じていますね。

 新型車両の導入で、少なくとも故障運休の多発を含む車両への不満は改善されるのに、編成数の減少から減便が確実視されるのは残念な限り。せめて、多賀城以西の本数は維持して欲しいもの。

 そして昼間の松島海岸まで20分毎のダイヤも、仙台近郊の利用者にとっては非常に使いづらい状態が続いていますが、増発は期待薄。


過去記事


 新型車両への置き換えとはいえ、仙石線は石巻側が仙石東北ラインのハイブリッド車両も乗り入れていること、利用者減から本数が整理される可能性もあることから、それを踏まえての新型車両の2編成減なのかも。仙石線全体で仙石東北ラインと合わせた適正な車両運用を模索していくことになるのでしょう。

JR東日本 運賃値上げについて

 先日、令和8年からのJR東日本の運賃値上げが発表されました。

 ドル箱区間、特に東京都心の電車特定区間の廃止による幹線料金への統合による大幅値上げがニュースになった反面、それ以外の地域の値上げ幅については、妥当な範囲に感じました。

 仙台近郊の主要区間は概ね切符購入で10〜20円アップ、ICカードで概ね10円未満のアップととなり、ICカードの方が必ず安くなるように改正されます。


  •  150円→160円[IC155円](あおば通↔︎宮城野原)
  •  190円→200円[IC199円](仙台↔︎長町・北仙台・小鶴新田・東仙台)
  •  200円→210円[IC209円](仙台→南仙台・国見・中野栄・岩切)
  •  240円→260円[IC253円](仙台↔︎名取・陸前落合・多賀城・塩釜)

 と、初乗り210円、次の区間250円の地下鉄と比較しても、十分安いレベルは保たれます。

 競合区間の仙台↔︎長町・北仙台では、運賃差が約60円→約50円に縮まるとはいえ、JR200円、地下鉄250円と大きく変化はありません。

 さらに通学定期は据え置きと、かなり影響が小さくなるよう配慮した運賃値上げだったように感じます。

 JRの運賃が安い水準に保たれているのは有難い限りですが、正直この運賃では首都圏はともかく、地方部では利益が出るはずはない水準です。

 JR東日本の職員の給与水準は基本的にエリア内でほぼ変わらないでしょうから、コストは相対的に地方部が高くなるのに対し、運賃が市地下鉄よりも安くては、残念ながらも運行水準が低くなるのは当然なのでしょう。


 JR九州における福岡、JR北海道における札幌は、各会社のお膝元であり、ここで儲けなければということになり、運行水準は快速の運行、新駅の積極的な設置と、本州会社のエリアの仙台や広島と比べ力を入れていながらも、それでも大幅な利益が出ていたわけでもなく、駅ビルなどの不動産業を積極的に展開しており、それでも厳しい分は2025年4月から民営化後実質2回目の大幅運賃値上げを強いられます。JR北海道は初乗り210円、JR九州は200円と、それ以上の距離帯も市営地下鉄と同水準まで値上げするとか。


 

 利益確保に必死な3島会社でこのような状況であり、JR東日本エリアの地方路線は、首都圏や新幹線の利益で成り立っているのは変わらず、コストを回収するために地方部で公営地下鉄レベルへの大幅な運賃値上げを図ってもその分利用者が減ってしまい、運行本数の増加、新駅の設置、設備改善などを図ってもらうほどの利益が出るわけではない。 なかなかうまく行かない未来になってしまう。

 そうすると、行政側の支援でサービス水準の底上げを行う手段もありますが、JRは県を超える広域エリアを運行しており、仮に仙台市だけで車両購入や運行費の支援するのも難しい。そうすると、新駅設置や高架化・橋上化など駅設備の更新などのインフラ整備位ですが、運行本数の増までには至らず、路線として劇的な利便性アップには至らない。仙台市も予算に限りがあり、以前は岩切駅の橋上化、現在は福田町駅の移転、南仙台駅の西側新改札開設に向けた調整で精一杯で、仙山線の高架化などは優先順位が後回しと、できることからやって行くしかなく、利用者の大幅増を図れるような切り札はそもそもない。

 仙台近郊での行政の投資が有効だった実例は、県を中心とした第三セクターを設立して建設した、仙台空港アクセス鉄道。名取↔︎仙台 が東北本線への乗り入れ前提だったため、アクセス線の40往復以上が純粋に増発され、東北本線部分の利便性は大幅に高まりました。運行本数増を図るにはこのような方法しかないかと。仙台市は、自前の交通局でJRと競合する路線を運行・維持するのに精一杯で、なかなかJRへの直接的な支援も行いづらい状況にあったりします。


 富山県では、北陸新幹線開業で三セク化されたあいの風とやま鉄道を核に、飛地で残るJR城端線、氷見線の運営を受け入れ、利便性アップを図ろうとしています。富山市では、旧JR富山港線の運営移管とLRT化(現在は富山地鉄市内電車と一体化)の実績があり、引き続き市域で完結するJR高山本線の運営移管の動きもあります。

 これは、JR西日本としてもエリアの端っこの運行効率の悪い赤字ローカル路線の運営移管というメリットがあり、WINーWINの関係になるでしょうが、仙台は新幹線を含めて東北エリアの路線網の中心でJR東日本が東北本部を置いているなど、関連事業運営を含め重要拠点であり、県内でJRが名指ししている陸羽東線や気仙沼線、石巻線の行く末が不明な中、阿武隈急行に対しても非常に冷淡な知事が大荷物を背負う選択を積極的に進めるわけもなく。


路線バスの値上げも

 仙台市営バスと宮城交通グループの運賃も平均15%程度の値上げを計画しているとのニュースが出ています。

 先にニュースになっていた市営バスが2026年10月からの値上げ計画であるのに対し、宮交バスは2025年3月からとすぐに値上げされることに。ついこの前値上げしたばかりのような気がしますが、値上げ後も減便と終バスの繰り上げが続き、泉区のパークタウン、富谷方面、南では山田方面以外の宮交バス沿線では、21時頃に終バスと大幅前倒しになっており、正直通勤で使うには厳しい状況になっています。知り合いで終バスの大幅前倒しで「まともに残業できない。毎晩駅からタクシー」と、宮交沿線からJR沿線へ引っ越した人を知っています。そのように住宅地の価値も落とし続けることになるでしょう。

 今回発表された情報からすると、初乗りが200円と大幅値上げとなり、ほぼ確実にJR線や地下鉄よりも高くなり、客離れが進む一方でしょうね。

 市営バスの値上げが行われる26年10月までの1年半は、並行路線でも著しい運賃差が生じることとなり、特に、市主導で運行間隔の調整を行い実施にこぎつけた「八木山ライン」は、極端に宮交を避ける動きが起こり、せっかくの取り組みが無駄になってしまうことが予想されます。


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 運転手不足を理由としていますが、前回値上げしてからもひどくなる一方。政令市の民営バス会社でこんなひどい状況のところはないのでは。地元紙もこれに関しては事実を淡々と報じるのみ。 市バスには、住民の感情的な意見をぶつけるのに。

 正直宮交バスは、公共交通機関としての役割を放棄しつつあるように感じます。値上げをしても、とても状況が改善するように思えない。県外名古屋系の名鉄資本に任せ続けるのではなく、栃木、福島や岩手のバス会社を買収しているみちのりHDの傘下になった方が、よっぽど永続的な運行につながるように思える。

 一方、市バスは、責任を持って夜間帯の運行本数を確保してきましたが、減便はやむを得ない状況にはなっています。それでも公営交通としての責任感からなるべく22時頃までは終バスを確保すべく努力しています。市バスについては、住民や市議会の反対から大規模な路線見直しが難しい状況であり、特に東西線のフィーダー路線など、ほとんど1〜2人しか乗っていないような路線を廃止するなど、悪平等となる平均的な減便は避け、鶴ヶ谷、桜ヶ丘などの主要路線への資源集中を図る方向性の方が望ましいと思っています。

 市バスの値上げは、おそらく地元紙が反対意見を煽って、予定通りにはならないでしょうが、消費税を除いた実質的な値上げは25年ぶりとなり、これはやむを得ないのではと考えます。

 公共交通全体として、特に乗合バスは厳しい状況が続きますが、仙石線の新型車両導入という、クリスマスプレゼントのようなニュースのほか、ちょっと前に東西線の利用者が順調に増え、R5年度はコロナ前を超えて過去最高を記録したというニュースもあり、人口が頭打ちになる中で基幹系交通機関としての鉄道の優位性が増していく流れになっているのは、悪い話ではないように思えます。

 

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2024年9月18日 (水)

身の丈再開発『みなてらす河原町』

 先日の新聞記事にて知った、地下鉄南北線河原町駅近くで行われていた小規模な再開発事業(優良建築物等整備事業 )のうち、第一期部分が竣工したというニュース。

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 地下鉄河原町駅は駅上をかなり交通量が多い昭和市電通り(旧4号)が通っていますが、一歩入ると細い道が多く、そのコントラストに驚きます。

 仙台駅から3駅5分と至便な距離で、街中と自転車でも余裕で行き来できること、学院大五橋キャンパスも近いこと、古い物件も多く家賃の手ごろさから、学生をはじめとした若者の一人暮らしも多いエリア。以前はコンスタントにあった小規模分譲マンションの供給が近年止まっているので、ファミリー世帯というよりは、夫婦のみのディンクス世帯の住居としても選ばれている印象。

 小規模ながら河原町商店街が組織されイベントも行われているし、10年近く前に商店街入口に竣工した小規模再開発がありましたが、今回の再開発はその並びで程近い場所になります。似たような再開発だなぁと思ったら、地権者兼事業者は同じようです。

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関連記事

 以下は、地元紙の記事です。


仙台・若林の河原町商店街に、複合施設「みなてらす」が8月4日誕生 地域輝く、にぎわい拠点に

 仙台市若林区の河原町商店街通りに8月4日、新たなにぎわい拠点がオープンする。スーパーや病院、多目的スペースなどで構成される複合施設「みなてらす河原町」。整備に携わった商店街関係者は「住民が集う地域の顔となり、交流人口の増加を促す役割も果たしてほしい」と期待する。

「みなてらす河原町」(中央右)とマンションの完成イメージ

 みなてらす河原町は市地下鉄河原町駅から徒歩2分、商店街通りの中心に立地する(地図)。鉄骨3階建てで、延べ床面積は計2091平方メートル。内外装は白を基調とし、明るく開放感のある空間を演出した。

 隣のビルで営業する地元スーパー「ワコー」が1階に移転する。2、3階にはクリニックや調剤薬局が入る予定。3階のレンタルの多目的室では、地域の会議やサークル活動での利用を想定する。

 2階の一部には屋外テラス(192平方メートル)を設けた。いすやテーブルを置き、買い物や通勤通学で気軽に立ち寄れるゾーンにする。キッチンスタジオも併設し、料理教室や飲食イベントを開催できる。備蓄倉庫もあり、災害時に一時避難所となる機能を持たせた。

 事業主体は商店街の店主らで組織する南仙台振興ビル(若林区)。総工費は約16億円で、国土交通省の「優良建築物等整備事業」の助成を受けた。

 南仙台振興ビルはみなてらす河原町に隣接する自社ビルを今冬までに解体し、1階にテナントが入る鉄骨6階建てマンションの建設に着手する。敷地内にはマルシェやフリーマーケットができるイベント広場や駐車場を配置し、一体開発は2026年春にも完了する見通し。

 南仙台振興ビル取締役の高橋理武さん(42)は「『地域のみんなを照らす』という思いを込めた施設が地元を盛り上げる起爆剤になるとうれしい。ここを起点に人の交流が生まれていくことを願っている」と話す(7/18 河北より引用)。

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第一期の核店舗はスーパー「ワコー」

  河原町の商店街には、七十七銀行河原町支店、スーパーワコー、そして約10年前に完成したイガストゲートを中心に、八百屋、魚屋、和菓子屋と小規模な個店が点在しています。駅利用者もまぁまぁ多く周辺人口は少なくないのに、買い物機能はそれほど充実していなのも、それほど多くない若いファミリー世帯も、ヨークのあすと長町店や若林店、遠見塚店など周辺のクルマでまとめ買いできる郊外型スーパーに流出しているのでは。古城方面の大規模マンション住人も然り。


 4号バイパスへ向かうところの(若林区)若林地区は長町一丁目の駅勢圏で、さらに毎時4本通る沖野方面への市バスの利用者も多く、南側を広瀬川が遮っている河原町駅の駅勢圏はそれほど広くないことも。河原町駅は都心部210円均一区間内で、北四番丁駅や国際センター駅まで210円で利用できる恵まれたエリアに入っているのにもったいない。


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 よって、クルマを持っていない一人暮らしの若者、高齢者を中心に、地下鉄駅を降りてちょっと足りないものを補充という最低限の需要で成り立っている商店街のため、このような機能の維持を図り、さらに選択肢を増やして行ければという印象を受けました。

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 一昔前のコミュニティロードとして、歩きやすい街に整備され、クルマの一時駐車スペースも設置されていますが、いかんせん地下鉄の出入口が交差点向かいになり、足が向きづらい印象で、人通りはそれほど多くないながら、休日夕方でも駅への行き来や商店街目的でコンスタントに通行人はあり。

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 仙台市や地元の商店街組合が関わる事業主体も、この再開発を通じて、既存の老朽化したスーパーワコーの引き留めと支援を図ったような構図。ワコーはもはやこの河原町の1店舗しかなく、もともとは破綻したファルの後に入居して早20年。お互いの利害が一致した印象が。

 近隣にまとまった土地がない河原町だけに、このような地道な小規模再開発の効果が大きいと。

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 テナント入居は途上のようですが、核店舗のワコーは買い物にちょうど良いサイズのスーパー。価格帯も総菜は安め。そして魚の鮮度が良さそうでした。22時と遅くまで開いており、近隣住民にとっては助かりますね。店内の買い物客も、比較的若い女性の比率が高く、そして高齢者が少々。ターゲットが明確に分かります。

 2階は、テラスとコミュニティスペースも。

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イベントなどで活用が見込まれます。ビアガーデンとか良さそう。

このコミュニティスペースは昼間の時間帯自由に入れるようです。

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隣接地に元々入居していたスーパーワコーを先に移転させ。玉突き的に第二期の再開発として、既存ビルが解体されています。。

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賃貸マンションと広場が整備されるようで、再開発はこの2棟のセットで一区切りのようです。

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 このような小規模再開発は、なぜか河原町のみ。他の地下鉄駅前でも(例えば連坊や薬師堂など)応用できるような仕組みに感じますが、河原町は音頭を取る商店街組織(振興組合)の存在が大きいのかも。

地下鉄駅近くの商業環境

 東西線開業を経て、以前に比べると多少は改善はされてきました。駅近に郊外型のスーパーやドラッグストアが立地しているところもあり、都市型ではイオンエクスプレスのような小型店でカバーされているところも。そうはいっても、店舗の老朽化や駅から離れた郊外型店舗との競争は激しく、見た限りでも、スーパーなどがない地下鉄駅前はそれなりにある。東西線の西側は経緯やもともとの地域の性格から、やむを得ない面もあるけど。南北線でも愛宕橋、台原(やや南に行くと生協あり)などが駅前の買い物機能が弱い。愛宕橋はやや北に最近学院大の門前町として復活気味の荒町商店街がありますが。

 地下鉄が開業した時代から一気に郊外化が進み、駅周辺の地価高騰もあり、新たなスーパー立地が難しかった印象があります。

 これまでたまに記事にしていた時の状況とあまり変わっていないなぁと。


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順調に工事中の新宮沢橋

 宮沢橋の上流側に新たな橋がだいぶ姿を現してきました。この宮沢橋の架け替えで、国道286号の西多賀方面から昨年開通した旧国道(昭和市電通り)以北の区間を経て、仙台駅東口、そして国道45号の小田原付近まで一直線で結ばれることになります。

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 穀町周辺の旧奥州街道は昭和市電通り以北に開通済の宮沢根白石線に交通量が移行し一時的に車の交通量が減ってきていますが、この区間の全通によりこのエリア一帯の交通量の増加、生活環境の悪化が予想されます。店舗やサービス施設の立地に関しては、開通済の宮沢根白石線の用地買収に伴い、中途半端な空き地が沿道に見られるのでそのような土地の有効活用、沿道の老朽化建物の建替えによる新規立地は考えられるかもしれません。

 都市計画道路の開通が、古くからの商店街に好影響を与えるとはなかなか言い難いですが、河原町商店街付近では、駅前の古い建物の建替えも徐々に進んでおり、吉野家のあたりに美容室やバイク店など、どちらかというと若者向けの小規模な店が増えている印象です。

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この道路に3方を囲まれた区画にも動きがあります。

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交差点に面し、30年以上前からあった居酒屋ごん太が取り壊され、建て替えの動きが。再出店するのかどうか(Googleでは臨時休業扱い)。

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クルマを持たな住民が増えているのを逆手に取って、歩いて面白い街を目指して少しずつ機能更新が進み、面白い店が増えればよいなぁと思います。そういえば、この付近には有名な地ビールの「穀町エール」もありますね。

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