ベガルタ

2025年5月31日 (土)

イオン仙台店閉店(その2)読売仙台ビル再開発ほか

(注)この記事は3月初旬に書き始めながら、仕事の繁忙期などで中途半端になったままだったので、続きを加筆しUPしました

   イオン仙台店(旧 ダイエー仙台店)が、2月28日金曜日に惜しまれながら閉店しました。

 金曜日の夜なので行けないと思っていながらも、ふと気づいたら閉店に間に合う時間帯だったので、買い物をしながらアーケードをクリスロードに向かい、閉店の瞬間を味わいに行くことに。これまでこのような場に居合わせたことはなく、報道で見聞きすることが多かったのですが、何とも言えない雰囲気でした。10分ほど前に現地に到着しましたが、「立ち止まらないで」というアナウンスがかけられながらも、ただ事ではない雰囲気にたまたま通りかかった人たちもつい足を止めてしまっていました。イオン仙台店に対して名残惜しく感じている方と言うよりは、歴史的な瞬間にたまたま立ち会えそうという方と、あくまでもかつて全国一の売上を誇ったと言うダイエー仙台店が閉店してしまうことへの郷愁という感じでしょうね。ニュースで取り上げる方々は80歳を過ぎたような方ばかりで、震災時の感謝はあれども、市民が日常的に買い物する場としてはとうの昔に第一線を退いてしまっていただけに。

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 後ろの方に居たので、詳細は分からないながらも、19時の閉店時間を過ぎて、散発的に拍手が起こり、セレモニーは行わないと事前にありながらも、店長の挨拶とお決まりのシャッタが閉まりました。

読売仙台ビル再開発へ

 この、イオン仙台店が入っていた読売仙台ビルの再開発自体は既定路線で、アーケードに面し、青葉通と東二番丁通の角に鎮座する最高の立地条件であるこの敷地を活かせる方法で再開発されることは大歓迎。

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 ダイエー自体で、全国一の売り上げと言われた店は、仙台店以外にも、新潟店(現 ラブラ万代)、ショッパーズ福岡店(現 ミーナ天神)とありますが、GMSを中心とした構成で残っていたのは、イオンに引き継がれた仙台店のみ。ダイエー経営危機のタイミングで東北から撤退という話がありながらも、結果的に仙台泉店が閉店し西友に引き継がれながらもジリ貧でまもなく完全閉店となりながら、仙台店は東北唯一の店舗として残りました。

 その時期は、仙台駅前にパルコがオープンし、同じファッションビルであったイオン系のフォーラスがテナントと客を取られていたり、十字屋が閉店しヤマダラビに転換されたり、基本的に名取イオン(当時のダイヤモンドシティエアリ)がオープンし、都心部に逆風が吹き荒れていた時期で、ダイエーが撤退したとしても、上階の床を専門店などで完全に埋めることは難しかったでしょうし、ビルオーナーとの交渉の末残ったのかもしれませんが、せめて、震災後でイオンに転換した位の建設費が高騰する前のタイミングで再開発が計画されていればと。まぁ、震災復興優先でしょうがないですが、死に体でここまで延命を図られても気の毒でしかなかったし、寂しい末路ではありました。

 とはいえ、ビルを所有する読売グループも、斜陽の新聞本体、放送業界を尻目に、不動産活用からの収入が多くを占め、実質不動産で生きながらえている面もあり(これは、フジサンケイグループも同じ)、積極的にこの一等地の再開発を進めてもらえることは非常にありがたい。

東急不動産が協力

 協力事業者に東急不動産が選定されたとのことで、東急不動産はかつてさくら野から名掛丁アーケードまでの一体的な再開発を目論み、結構力を入れて参画していながらも、さくら野閉店後に有名になった権利関係の複雑さなどもあり、撤退した経緯があります。

 また、同じ東急系でいえば、前記事でも触れたように、仙台駅前のヤマダLABI仙台が入居している、TR(東急レクリエーション)ビルもグルプが管理していたり、2016年に民営化された仙台空港の運営も担っているなど、仙台にそこそこ縁がある会社です。

 ただ、再開発のイメージとして、低層3階程度に商業、上階にオフィスとホテルというような、定番の構成なので、さくら野跡地でPPIH(ドン・キホーテグループ)が検討しているものとほぼ被ってしまう。東二番丁通の斜向かいで計画されている電力ビル再開発は、オフィス中心で、真正面から競合するわけではないですが。


<4/23仙台市プレスリリース資料より>

 1 新築ビルの概要
(1)計画名称 (仮称)読売仙台ビル建替プロジェクト
(2)所在地 青葉区中央2丁目3-1 ほか
(3)事業者 株式会社読売新聞東京本社
(4)敷地面積 約5,200㎡
(5)建物規模 延床面積 約42,000㎡
(6)主用途 事務所、ホテル、店舗
(7)高機能オフィスにかかる整備内容
 ・1フロアのオフィス専用面積200坪以上整備
 ・まちのにぎわい創出に寄与するオープンスペースの整備
 ・非常用電源設備の設置スペースの整備
 ・個別空調方式または可変風量方式によるエネルギー効率の高い空調設備
 ・個別セキュリティシステムの整備
(8)竣工時期  令和11年度(予定)

2 活用する施策
仙台市都心部建替え促進助成金制度

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 期待されていた規模は、旧建物の8割程度の容積率となり、仙台のオフィス環境及びインバウンドの入りが遅いという状況を踏まえた、控えめなものになりました。仙台市の都心再構築プロジェクトのうち、容積率割り増しは活用せず、助成金のみのよう。
それでも、旧建物が5万平米超の延べ床面積があったというのは意外に感じましたが、地下の2フロアも含めてなのでしょう。新しい建物は地下部分がないということであれば、地上部の規模感はそれほど変わらないかも。

 高さは10~20階とのことで、これも流動的ですが、これまでの天井の低い8階建てでこれだけの規模感だったので、オフィス部分は階高も確保されることを考えると、それなりに存在感のある建物になりそうです。高さは東二番丁通向かいのファーストタワーよりは低くなるようですが、オフィス部分はワンフロア当たりの面積を取った方が良いと思うので、せめてホテル部分はスリムな形状にして高さを稼ぎ、客室からの眺めを確保できるような形にして欲しいな。

 それに、アーケード沿いということから、店舗の連続性を確保しながら、集客力のある商業施設として欲しい。アーケード沿いの大型店舗がアエルの次が藤崎になってしまっているのは流石にまずい。

周辺の再開発状況

 また、電力ビル周辺の再開発も、第1期となる広瀬通と東二番丁通角の明治安田生命ビルは退去が進み、電力ビルとの間の立体駐車場は解体されました。オリックス不動産所有地も、温泉併設のホテルなどが検討されているとのことで、どの再開発も工事費高騰での不透明感は続くところですが、相変わらず停滞しているのは、さくら野跡地のみで、これまで停滞感が強かった、仙台駅西口エリアの再開発に動きがでています。

Map1_20250531221901(仙台市HPより引用)

 改めて、都心部の地図と再開発が進んでいる案件の分布をみると、本来であれば南北線と東西線に囲まれたエリア(仙台駅・あおば通駅・青葉通一番町駅、広瀬通駅近辺)という利便性の高い範囲での再開発状況が物足りないと感じます。都心部の鉄道の利便性は地方中枢都市の中で恵まれている方なだけに。地元資本が極端に弱い、支店経済都市の弱みが出てしまっています。コロナでリモート会議などが当たり前になり、支店自体も東京の本社でカバーできるからと縮小傾向だったり、インバウンドも取り込めず厳しい状況。忘れましたが先日の新聞でも仙台のオフィス空室率が上がっても賃料が連動して上がっていないという記事を見ましたが、これは札幌や福岡などと異なり、これでは新たな再開発でオフィス床を生み出しても利益が出ない状況とは。

 そういえば、フォーラス仙台店はどうなったの?休業から早1年4か月。さすがに耐震性の調査は終わっただろうよ。イオンとしては、上杉の新イオンモール優先で、ここを再開させるというのは、やっぱりポーズだったのかもね。

勾当台公園エリアの状況

 さらに、勾当台公園エリアでは、「仙台第一生命ビルディング」の退去が進み、東側のハミングバードが運営していたルート227カフェもこの春に閉店となり、公衆トイレも閉鎖となるなど、新市役所庁舎と同時期の新ビル完成に向けた動きがあります。

 市民広場付近は、地下鉄駅から新市庁舎へ直結する地下通路工事と広場再整備に伴い、利用ができなくなっていますが、市民広場が使えないしばらくの期間、イベントなどは勾当台通り向かいの勾当台公園または、西公園を活用して開催されることとなります。

 その市民広場機能を代替するステージが、県庁や国合同庁舎側の勾当台公園花壇などを撤去して、本来は3月末までの工事期間が長引いてしまってましたが、 5月17日から青葉まつりにて利用が開始され、出店などもその周辺に配置されていました。

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 そういえば、1年前のこの週末は、ポケモンGOフェスが七北田公園と仙台市中心部で開催され、多くの来街者で賑わったし、その翌週は東北絆まつりが開催されるなど、地下鉄も増便される位、イベント目白押しだったことと比較すると、今年の初夏は毎週末天気も悪く、平日も肌寒い気候で短い仙台の快適な季節が味わえず、ちょっと物足りない、寂しい気分です。青葉まつりも雨にたたられましたね。

市内のイベントも再開へ

 地下鉄沿線のユアスタやゼビオアリーナもそれぞれ改修中で、市内でのイベントが減っているという状況でしたが、まもなく利用が再開されるので、中心部とともにイベントで盛り上がって行けばと。特にゼビオアリーナはアイスリンク化で大々的に羽生君他仙台ゆかりのスケーターを集めたイベントを開催するとのことで、ダメもとで申し込んでみようかな。常設席も増席されたとのことで、ライブの収容人員が多少でも増えたのであれば利府の某アリーナからライブを取り返して欲しいもの。また、ベガルタも昇格争い圏内の順位をキープし、ユアスタに戻れば更に盛り上がりが増すことが予想されます。

 仕事もようやく落ち着いたので、仙台の内外いろいろと出かけていければと思っています。

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2024年8月25日 (日)

九州旅行編(その2) 元気な九州の魅力

 九州旅行編の続きです。


前回記事


 九州には約20年ぶりの上陸。その前は学生時代に2週間くらい九州内を彷徨ったことがあり、ずっと再訪したいと思っていながら、東北から九州は敷居が高く、ようやく念願の再訪が叶いました。


 前回は2003年11月29日。ベガルタのJ 1残留をかけた最終戦のために、いてもたってもいられず大分に行って以来。 その時は、羽田からの飛行機が取れず、仕事終えた金曜日夜に新横から小倉まで東海道・山陽新幹線、そしてドリームにちりんという今は亡き宮崎行きの夜行特急に乗り換え、大分で2時頃に途中下車しネットカフェで朝まで過ごして、当時のビッグアイでの直接対決決戦に向かった覚えがあります(若かった。。。)。試合は、勝てば残留のところ 1点が遠く 1−1の引き分けとなり、翌年から6年間の長いJ2での苦境を彷徨ったベガルタでした。

 ベガルタの3回目のJ2はすでに3年目ですが、まだ3年目と言えるほど簡単に抜け出せる世界ではない。新潟もJ2に落ちて戻るまで5年もかかっているので、ことしは森山監督(ゴリさん)のもとで秋に向けて期待が残っていますが、J1昇格プレーオフに残れば御の字というスタンスで、楽しみます。


 試合翌日にはせっかくなので、小倉のリバーシティ北九州、キャナルシティ博多という当時話題になっていたジョン・ジャーディが手がけた複合商業施設を梯子し、そして天神の渡辺通沿いの三越・岩田屋・ソラリアを中心とした商業施設群の迫力、11月なのに歳末か?と見間違うような人混みに圧倒され、降格の傷心の中新幹線で5時間弱の長い帰途についた記憶は鮮明に残っています。それ以来ということもあり、本当に楽しみでした。

 

SUNQパスフル活用
 九州内は主に高速バスで移動。SUNQパスというバス乗り放題の切符が役に立ちました。都市間の中距離バス移動だけで十分に元を取った上、長崎市、熊本市、福岡市での都市内の路線バス移動にも利用することができ、旅先での運賃の違いを気にしながら乗る必要がなく、ストレスが軽減されました。


 SUNQパスは、北部九州3日間券を9000円で購入。他に南九州版、全九州版(これのみ4日間あり)もあり、目的地や利用期間によって選ぶことができます。高速バスや路線バスも全て乗り放題、そして一部のフェリーなども乗れて、北部九州版は1日3000円と格安。下関など山口県の一部も範囲に含まれていること、観光施設の割引クーポンもあり、西鉄バスを中心に、都市間高速バスも、都市部の路線バスも信じられない本数が走っている九州なだけに、非常に使い勝手が良い切符でした。

Sunqmap 

関連ページ


 これ、東北でも真似してもいいんじゃない?とはいえ、九州の西鉄バスのような音頭を取れる事業者がいればですが、宮交バスはお察しの状況。また、都市間バスはそれなりにありますが、路線バスが壊滅的な都市もあること、面積が広い分、価格を高く設定する必要がありそうということなど、困難な要素は多いですが、インバウンド対策も含めて、検討の余地はあるのでは。東北運輸局あたりで音頭をとって欲しいな。 

 

九州が元気な要因

 本州から離れた島という、一見ハンディにも思える条件ですが、それを感じさせず、逆にメリットとしてしたたかに生き残っている印象です。

1.航空便の発達

 本州からは飛行機の移動が主流になり、東京や大阪からの航空便の本数が確保されているため、格安航空券やツアーが使え、観光客の誘致にはかえってメリットになっている点。

 そして、東京からの距離はあっても、古くからアジアやヨーロッパとの交易などでの交流が盛ん立ったこともあり、また、飛行機でのアジアとの時間距離は2時間圏にソウル、上海、台北と、東京への所要時間と変わらず、地の利をうまく活かしているのは、熊本のTSMC誘致成功も然り。

2.陸路でも本州とつながっている

 戦前から関門国道トンネルで本州とつながり、1973年の関門橋開通で高速道路でも本州と結ばれ、クルマでの本州との行き来も容易になりました。その後、1975年の博多までの山陽新幹線全通、2011年の九州新幹線全通により、博多駅の交通拠点性が高まった上、博多駅を挟み新大阪から鹿児島中央までの直通運転が開始され、航空路線がなかった広島や岡山などからも、熊本や鹿児島まで乗り換えなしで毎時1~2本の「みずほ」・「さくら」で移動することができるように。九州は、福岡空港や宮崎空港を除いて空港が中心都市から遠いこともあり、九州新幹線の全線開業で大阪以西との一体化が進んだことは大きかったと。以下の図は日経記事より引用。

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 特に、広島~熊本は九州新幹線直通の効果は絶大で、1時間35~50分で結ぶというのは破壊的。仙台~東京間に相当するこの間に福岡市・北九州市を含め4つの政令指定都市が存在するのはさすが太平洋ベルト国土軸の延長線というか。

3.”離島”としての一体感と各県の対抗意識のバランス

 面積は東北地方の6割にも関わらず、人口は1.5倍。人口密度だけでも2.5倍と。そもそも適度な集積があります。全国に対して占める割合から1割経済と言われており、大きすぎず、小さすぎずという絶妙の”カタマリ”。

 人口ブラックホールの首都東京に陸路で繋がり、心理的障壁が小さい東北地方と異なり、 首都圏から物理的に離れていることで九州内に留まろうとする意識が強いことも、福岡市が九州の首都として人口増を続け本州に対する人口ダム機能を果たしているという面があります。このような大都市の存在は、北海道に対する札幌が分かりやすい例。 


 自分は東京一極集中解消の観点から道州制が望ましいと長年思ってきましたが、一方実質道州制が実現しているような北海道は、東北地方と新潟県を合わせた面積に匹敵しますが、札幌に人も富も一極集中する一方、旭川、函館、釧路などの拠点都市の寂れ方と周辺部の過疎化、無住化の極端な進展ぶりと課題が山積です。一方、ここまで福岡市が発展しても他県も切磋琢磨し観光地や名産品をはじめ魅力を発信し続けていることが九州の魅力であり、また県庁所在地の活力が失われていないという点もバランスの良さを感じます。九州に関しては現在の各県がそのまま残り、連携するところは九州でまとまるという方法で十分やっていけそうな気がします。くまモンは道州制だったら生まれていたか?


 そんなことを感じながら、各地を周りました。もっと各都市をじっくり腰を落ち着けて回りたかったのですが、欲張り過ぎて本当に駆け足の旅に。

 

次回に続きます。

 

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2024年4月 8日 (月)

宇都宮にLRT ライトライン開業 その4(ゆったり観察 復路編)

 宇都宮にLRT ライトライン開業 その3(ようやく初乗車!往路編)の続きです。

芳賀・高根沢工業団地到着

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 終点の「芳賀・高根沢工業団地」は、本田技研の研究所やテストコースに隣接というか、それしかない場所。

 奥の歩道橋を右側に行くと業務棟などが点在しています(左側は広大な駐車場)。

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 だったら、停留所名を「本田技研前」にして、ネーミングライツ料をホンダからもらった方が分かりやすく収入もあるしで良いのではと思いましたが、公共交通の駅名なので、特定の民間施設名を避けたのでしょうね。同じように、清陵高校前でなくよりネームバリューのある「作新学院大学前」とか、宇大陽東キャンパスでなく「ベルモール前」の方が分かりやすいにせよ。移転や撤退したら駅名も変えなければとなるのを避ける意味合いもあるのか。私鉄ですが、都立大や学芸大という駅名を頑なに変えない(変えれない)東急電鉄の例もあり。その駅名になっている清陵高校も、2027年度に全日制課程の募集を終了するとか。校名変更は分かりませんが、施設名を付すると、分かりやすさの反面後で悩ましいケースも。

 仙台の東西線でも、副駅名はともかく、正式な駅名では国際センターという公共施設以外は名称に使用するのを避けています。川内や青葉山などは東北大の名前を冠した方が分かりやすいところもありますが。


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昼間の時刻表はほぼ12分間隔で毎時5本。4月のダイヤ改正でも変わっていないようです。

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復路は貸し切り状態

 なお、終点に到着後、「向かい側のホームに停まっている8時16分発に乗れれば、宇都宮駅9時19分発の東京行きやまびこに間に合う!ただ、もう少し観察したい」と思っていたら、電車が動く気配なし。そしたら、前の電車が車両故障で出発が遅れるとのこと。旅程崩壊がちらつく中、すぐに発車しないのであればと開き直り、駅ホームや車内の観察を。

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現金客向けの整理券発行機が先頭車両近くにありました。

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 帰りは、予想通りこのようなガラガラな状況なので、後ろの車両まで行ってみました。行きは混んでいて全く見通せなかったのですが、結構長さを感じますね。天井からぶら下がるビジョンが新鮮。分かりやすい案内でした。

 先頭部分以外のドアは互い違いになっています。3両編成で片側4か所の出入口というのは不思議な配置。停留所によってはホームが左右どちらにあるかまちまちで、ドアの近くと思っていたら開かず焦るということもありそう。

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 バスのような運賃支払い機。運転手がいない場合でもICカードへのチャージができるとか。

 天井からぶら下がっているLCDの他、ドア上にも案内が完備されています。

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 さて、幸いにも前の電車の車両故障が解決したのか、不安になりながらも4分程度の遅れで発車。始発時点で乗客は自分を含め3名。工場ではなく研究所なので、深夜勤務明けの方が乗ってくるということもなく、往路と打って変わってゆったり乗車することができ、観察し放題。

ロードサイドにLRT

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 ゆいの杜付近は、ロードサイド店舗が立ち並ぶ光景で幹線道路のど真ん中を路面電車が走るという光景は珍しそう。昔ながらの路面電車では商店街など小規模店舗が立ち並ぶ狭い道路沿いということはあっても、カインズやヤマダデンキ、ダイソー、そして富沢西にあるような新しい飲食店を中心とした郊外型店舗の集積が新鮮。良く取り上げられるスタバも、ドライブスルー店舗ながらライトラインでも行くことができる立地。

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 ゆいの杜を過ぎた野高谷交差点。ライトライン側も高架線で交差点を豪快にオーバーパスして左折していますが、幹線道路側も立体交差が進行中。この整備中の道路は常磐道の谷和原ICと東北道の矢板ICを結ぶ国道294号(408号?)と気づきましたが、若い時に帰省ルートとしてたまに通っていたころの面影はなく、ところどころ高規格化されており、栃木県の道路整備への力の入れようを感じたところ。この辺は工業団地なので、産業道路的な位置づけなのでしょうが。

遅ればせながら、スタジアム近接停留所誕生

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 J2栃木SCのホームスタジアムの一つである、グリーンスタジアム近くに新設された停留所。駅の案内にもスタジアム写真が。

 ライトライン開業後に昨季も数試合開催し、今季も秋に2試合が予定されているようですが、東武宇都宮線の西川田駅徒歩圏に国体用のカンセキスタジアムがオープンし、本拠地は屋根付き陸上競技場のカンセキに移っていることから、せっかくのサッカースタジアムのアクセスが改善しても使われないのはもったいない。

 まぁ、収容人員とか屋根の有無などで、総合的にはカンセキスタの方が観戦環境は良いかもしれませんが。なお、ベガルタの試合もカンセキで開催予定。この駅は、快速運転時の緩急接続にも使える2面4線の設備があります。

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課題となる学生の通学需要獲得(スクールバスとの共存)

 清陵高校前は、副駅名になっている作新学院大学・短大のPRも。

 ライトライン開業前は宇都宮駅から無料のスクールバス頼みの学生輸送でしたが、ライトライン開業により、どの程度転移したのか。新年度は朝夕のピーク時には毎時最大4本のスクールバス運行ですが、ピーク時以外は毎時0~1本の時間もあり、学校的にこの立地条件であれば完全にライトラインに移行させたいと思っていそう。企業と異なり自らの通学定期代の負担はないし。逆に、学生からするとライトラインはバスの時間に縛られることない反面、定期代負担が大きく、その兼ね合いでの様子見なのかな。

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 途中の飛山城跡か平石か忘れましたが、停留所横にパークアンドライド駐車場が大盛況でした。どの駅も駐車場不足で増設の動きとのことですが、無料にできる程度の地価としても、P&R駐車場は100台分でもかなりの面積確保が必要で、ライトライン誘導にしても駐車場有料化は図って需要と供給のバランスを取っていかないと、いざという時に停められないということがありそう。北陸新幹線の越前たけふ駅でもそのような事態が開業早々起こっているとか。まぁ、有料にすると、街中の駐車場に停めた方が安くなるというジレンマも出てくることと、料金徴収のコストを考えると、ライトライン利用促進のために割り切った対応か。

延伸区間の要 ベルモール

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 復路はしとしとと雨が降ってきて、良い写真が撮れていませんが、往路は反対側でよく見れなかったベルモールを。時間があれば寄ってみたかったのですが、いかんせん9時前だし先もあるので、車窓から規模感を把握。

 今、首都圏や関西などの3大都市圏以外から撤退戦真っ最中のイトーヨーカドーですが、栃木県は残す模様。ここは仮にヨーカドーが撤退したとしても、五所川原エルムのように競争力があるSCなので、後釜もすんなり決まるでしょうが。SCの運営デべ自体は地元企業で、市街地の工場跡地に開発されたというのも、東北特殊鋼の跡地に開発され西友が入っているSCである長町モールに似ています。

 ヨーカドーの他シネコンのTOHOシネマズ、ケースデンキ、スーパー銭湯等が出店しており、市街地近くでそこそこの規模感。5000台収容の駐車場と支持を集めているのが分かります。

 ライトライン開業により、宇都宮駅東口から10分150円でベルモールに行くことができるようになったことで、郊外の商業施設から、中心市街地を担う商業施設的な位置づけに多少シフトしたのかな。バスではなく鉄道でSCの目の前に行くことができるのは、分かりやすさから他のSCと比べて強みが。

 それに、平日はホンダ方面への通勤客で1.3万人程度を見込んでおり、ほぼ予定通りの利用状況ですが、週末はその需要がなくなるため当初は硬めに3000人台の利用者しか見込んでいなかったとしても、ベルモールやJリーグ、イベントなどの需要が加わればコンスタントに1万人を超えているのは凄いとしか。とはいえ、これがなかったら週末はほぼ空気輸送だったでしょうし、定期外客の利用促進の意味でも、大規模SC近くにルート設定し駅を設置した効果が大きいことを感じました。


 なお、長町モール最寄の南北線長町南駅でも、夕方は仙台駅方面に1電車概ね50人以上が程度がコンスタントに乗っていきますが、地下鉄でも南北線直結のワンストップ型のSCがこの「ザ・モール仙台長町+ララガーデン長町」しかないことから根強い需要を感じ、週末の利用促進に貢献しています。来秋に北四番丁駅徒歩圏にできるイオンモール雨宮の影響がどの程度になるかが気がかり。売り場面積は長町モール勢の半分とはいえ。


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 なお、宇都宮駅東口に到着するまで乗客は10人とおらず、ラッシュ時を過ぎたとはいえガラガラ状態でちょっと心配でしたが、理由としては車両故障で遅れていた前の電車がつっかえて、乗客を根こそぎ乗せて行ったためと思われます。よく団子状態のバスであるパターン。

 おかげで、当方の乗っていた電車は乗降がほとんどなかったため、後れを多少取り戻す勢いで9時過ぎに宇都宮駅東口へ到着する直前に前の電車が見えていたので気付いた次第。新幹線乗換に15分程度余裕が生まれ、宇都宮スクエアなど東口、そして西口付近を眺める時間が取れました。

西口延伸への期待

 2030年代前半と目される西口延伸の際には、この大通の真ん中にライトラインが通ることに。そのころまでに西口方面の繁華街が持ちこたえていれば。期待感で延伸に向けて再開発が浮上しているようなので、少なくとも居住者は増えそうで、中心部にとっては間違いなくプラス要素。

 まとまった需要が期待でき、鬼怒川以東への渋滞解消という長年の課題解消効果のあった東口部分の整備に続き、本来であれば路線バスが数珠つなぎとなるほどの需要が見込める西口への延伸はもう少し早くても。

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 高校が集まっている教育会館までの5㎞ほどの延伸ルートは決定し、その先東北道を越えて大谷石で有名な大家観光地までは延伸検討区間とのこと。また将来を見据えることのできないクルマ脳のかなり年配の方々が「バスの街にはLRT不要」と反対運動を続けているようですが、開業前は疑心暗鬼だった市民のコンセンサスは推進の方向に変わっており、あとは高騰する事業費や工期を踏まえ、どのように進めて行くかというところ。


 なお、この動きに乗っていくのは良いこととはいえ、隣接の鹿沼市議有志が、西口延伸区間の見通しがつかない段階で、「わが市へライトライン延伸を」と言い始めましたが、その前に、JR日光線という既に通っている宇都宮駅に直結するインフラ活用を考えた方がと思いました。距離がわずかだった芳賀町でも立地企業で財政が豊かだったから出せたという事情があり、鹿沼市域分の距離から言っても200億以上の負担は必要。日光線と共倒れの可能性も高いし。仮に実現しても20年後というのがどう判断されるか。


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次の目的地へ

 宇都宮での滞在時間はちょうど2時間ジャストでしたが、ライトライン初乗車という密度の濃い時間を過ごせました。

東京行きのやまびこながら、こまち型車両併結だったので、そちらを選んだところ、やはり2人掛けを1人で使える程度の混み具合でした。

 乗換の大宮駅までは25分程度で、あっと言う間。仙台駅と福島駅もしくはくりこま高原駅間の時間距離。ホンダの社員が大宮付近に多く住んでいるというのも分かる。両方遠いとはいえ、芳賀も寄居も両方通えるという意味で。

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次は、上越新幹線に乗り換えて先を目指しました。

 

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2024年1月20日 (土)

激変 泉区の商業環境(その2)間もなく閉店アリオ&泉中央の行方

新年初めての記事となります。

 新年早々、能登半島に大地震と津波という大災害が発生し、それに加えて羽田空港での航空機事故。直接被害を受けている訳でなくとも、色々と気持ちが掻き乱され気持ち的に滅入ってしまいそうになります。今回の能登の震災は、地形的に隔絶した半島という過疎地域で起こったことで、支援も入りづらいという厳しい状況かつ度重なる強い余震が続き、東日本大震災よりも被災範囲は狭いにせよ、ある意味では厳しい状況に置かれている地区も多いように感じます。

 冬の寒さが厳しい北国で発生した大災害。3月に発生した東日本大震災を思い出しますが、避難所の過酷な環境を耐えしのばなければならないうえ、被災した住宅の片付けなど、何重もの苦しみを感じることに。自分にできることは限られますが、募金を含め少しでも力になれればと思います。

 自分事でいろいろとあり中々筆が進まず、2週間越しの記事となります。

1月末で閉店 アリオ仙台泉

 先日泉の蔦屋書店とイオンタウン仙台泉大沢に行った帰りに、泉中央に寄りました。

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 昨年4月にも記事にしていますが、アリオ仙台泉は、1月末閉店に向けて店によってはセールが始まっていました。


過去記事


 入り口部分には、閉店および感謝を表す掲示がありましたが、間もなく閉店してしまうことに、実感が湧きません。

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 食品スーパーのヨーカドーについては、いつものように周近隣の住民、そして周辺の住宅団地の方にとってはバスに乗る前に,買い物ができる非常に使い勝手が良いスーパーとして30年ちょっと当たり前のように存在してきました。

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 仙台一号店として話題になったバーガーキングも閉店で、移転先は泉区とはいえ青葉区との境目のブランチ仙台とのこと。

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 隣のセルバ食彩館もデパ地下風の専門店の集まりで賑わっていますが、あくまでもスーパーのヨーカドーを補完する役割であり、ここだけで用が済むわけではない。なので、早めにグループのヨークベニマルが継承するなど、スーパー機能は再開して欲しいところ。まぁヨークベニマルは泉中央駅周辺だけでも、市名坂、将監、八乙女真美沢、野村、上谷刈とドミナント展開していることから、この立地を継承することに障害はないでしょう。まぁ、他の面白い展開としては、ロピアがヨドバシ第二ビルに続いて出店することがあれば話題性に富むし、集客マグネットとしては効果的だなぁとは思ったりもします。

 博多ヨドバシに出店したロピアも、続いて福岡市周辺に4店舗出店するとの話ですし、物流上飛地出店のデメリットを解消するために、仙台近郊への出店は考慮しているはずなので、根拠がある訳ではないですが、このくらいの話題性のあるテナントが出店すると良いなぁと。

一方上層階は。。。

 専門店が集まる4階。ロフトが閉店セールしていましたが,泉周辺への再出店はないとの話で、仙台は駅前の大型店仙台ロフトとララガーデンの小型店長町ロフトの2店舗体制になるようです。その他のテナントも、タワーレコードもこのCD不況のご時世で再出店するとは思えず、くまざわ書店も、連絡通路で繋がるセルバに八文字屋書店があることから、あえて再出店は考えづらい。

 そもそも、セルバ側も順調という訳ではなく、アリオほどではないにせよ多少空きスペースがあり、全てフロアが埋まっているわけではない。GUの大型店でフロアを埋めていたり。

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 仙台の郊外駅前で唯一と言って良い首都圏郊外のような複数の商業施設が集積するこの泉中央にしても,同じ北部エリアで北環状線沿い、パークタウンの寺岡(タピオ・プレミアムアウトレット),富谷(イオンモール)と泉大沢(イオンタウン・ムサシ・家電店),市名坂(ヨークタウン)や4号バイパス沿い、そして新利府のイオンモールと競争が激しい中で、泉中央のカバーする範囲が徐々に削られてきたこの30年間。

 かつては泉中央エリアに、敵なしと言われたダイエー泉店がありましたが、泉中央のヨーカドー・セルバ、富谷のイオンモールなどの出店で包囲され、2005年に閉店し、その後は西友が出店したもののジリ貧で建物ごと閉鎖となり、その跡地はカインズホームと三井不動産が運営するスポーツ施設のFANTEとなりました。ダイエー別棟時代からのスケートリンクである現アイスリンク仙台はなんとか残っていますが、泉区エリアの新規住宅地開発もパークタウン朝日地区以外は止まり、高齢化が進み購買力も衰えつつある状況のなか、車を使用しない住民の拠り所として、泉区の中心である泉中央の果たすべき役割は大きい。


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泉中央はオワコンなの?

 泉中央エリアは、開発が始まってから40年、区画整理エリアの建物概成から20年程度経過し、新たな施設等を呼び込む空き地が限られています。駅西側の飲み屋街にはコインパーキングとして使われている貴重な未建築地は点在していますが、分譲マンションも数年に一棟というペースで、新たな住民層を呼び込むことができず、賃貸住民による入れ替わりはあるにせよ、成長余力のある長町エリアと比較して、泉中央は終わった街という見方もされてます。でも、その見方は一面的で、現在は成長の踊り場ではあるにせよ完成度の高いコンパクトなエリアであり、その点で長町はまだまだ及ばないと思っています。

 


過去記事


 長町は駅4つ(長町、長町南、長町一丁目、太子堂)を擁している分、長町南駅には区役所とザ・モール、ララガーデン。長町駅エリアにはIKEA、やゼビオアリーナ、ヨークタウン。長町一丁目駅には市立病院。太子堂駅エリアにはヨークと生協、ヤマダデンキと核的な立地施設が分散し一箇所では用が済まず、歩きでの行き来には遠すぎ、バスもあすと長町側は利用し辛く、クルマや自転車での移動を強いられる点が欠点でもあり、一方密度が低く車社会に適した面的な展開となった点は、結果論としては今の社会にマッチしています。


 

 アリオ4階の空きフロアにて、これまでの泉中央そしてヨーカドー時代からアリオ転換、そして閉店までの写真展を開催していました。

展示物自体は写真撮影禁止とのことで、入り口の案内のみ。

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 田んぼの真ん中にポツンと位置していた旧泉市役所、区画整理が行われグリーンフェア仙台が開催された1989年、そして1992年の地下鉄泉中央駅延伸とヨーカドーオープン、1997年の仙台スタジアムオープン、99年のセルバオープン、2011年の東日本大震災の影響、2013年のアリオ転換によるリニューアル、2015年のセルバテラスオープン、そして今に至る40年以上の泉中央の変遷をじっくり味わうことができました。

 旧泉市が仙台市に合併された際にの合併建設計画に沿って、旧泉市時代からの役所とイズミティ21に加え、地下鉄延伸と駅ビル、図書館・子ども科学館(現在は閉館)、健康増進センター、警察署と公共施設を中心に駅周辺にコンパクトに集積し、そしてベガルタの本拠地となった仙台スタジアム(現ユアテックスタジアム)も整備されたことも泉中央の街にとって象徴的なものでした。

泉中央エリア再整備の芽

 今回のアリオ閉店は、ヨーカドーとしての開店から30年余ですが、30年は一世代に相当し生まれ変わる周期としては適切なタイミングではと。現在、建設から40年以上経過した泉区役所の建て替えと再整備が計画されています。

 計画では区役所の建物は西側に寄せ、泉中央駅とを結ぶ地下通路により直結させ、広場を挟んで東側には金融機関(東北労金)の本店オフィスや賃貸住宅を中心とした内容で三菱地所グループにより提案され、仙台市により採用されました。

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 泉中央の課題となっている分譲マンションの新規供給がなく高齢化が進んでいる点に対し、ここを分譲マンションにするのは一時的な対処療法であり、公共の敷地を活用することから、若い世代を対象とした住民の入れ替わりが行われる賃貸住宅の導入というのは着眼点が良いと感じます。

 また、東北労金の従業員(市の基本計画資料では数百人とあります)が新たに集まることにより、ラッシュとは反対方向の地下鉄南北線利用者にもプラスになりますし、周辺飲食店への昼食需要、そして夜の飲み需要の底上げにもつながります。

 なお、次点はセルバやアリオの大家である住友商事で、シネコンなどを含んだ計画提案だったようですが、落選となっています。


 泉中央といえば住友商事という存在ですが、特定の企業にあまりにも依存するのはリスクでもあり、街の多様性からも、泉パークタウンのデベロッパーである三菱地所の選定というのはバランスが良かったのではと感じます。長町南の市有地借地コンペでも、モールを運営する東特エステートのザ・モールPART3の提案が落選し、現在のララガーデン運営企業の三井不動産が選ばれたということに通じる仙台市のバランス感覚を感じるところ。

 住友商事としても、アリオの撤退から、泉中央駅前の3商業施設の再構築に注力せざるを得ない状況となったこともあり。そもそも区役所敷地に住商がシネコンを提案するのであれば、長年構想があったセルバテラスの場所に導入するべきだったし、ちょっとちぐはぐ感が否めないと感じました。結果的にアリオが撤退し空きビルとなることから商業床としてはセルバテラス分は過剰だったとも言え、結果論ですがちょっともったいない。アリオの上層階をシネコンに改造できればと思いましたが、まぁ構造上無理でしょうし。

過去記事


 また、セルバ南側の駐車場となっている土地を購入したミヤギテレビは、2030年以降に日ノ出町からの本社移転を予定しており、就業者数はKHBが150人程度だったことを考えるとそれほどは見込めませんが、東北労金と併せて数百人の新たな就業人口の増加となること、そして目の前のペデストリアンデッキを活用したイベントや中継も行われ、泉中央の情報発信がコンスタントに行われることを考えると、このエリアを底上げする有形無形の効果は大きいのではと。


過去記事


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 さらに、昨年10月末に明らかになった、大衡村第二中核工業団地内への台湾半導体ファウンドリーPSMCとSBIの合弁企業としてJSMCが2027年にも操業開始というスケジュールで進出することとなっています。国からの補助金もどうなるのか未確定で要望中という心配要素もありますが、県もこのチャンスを逃すまいと既定路線として進めている印象です。


過去記事


 これはトヨタ東日本や東京エレクトロン宮城という進出企業が黒川郡内に立地していることもあり、現在でも泉区役所周辺に集まる送迎バスが一日120便とのことで、この送迎バスを再整備後の区役所敷地内で乗降させようという三菱地所グループからの提案もありますが、JSMCの進出後はこの台数がアップする可能性が高く、台湾からをはじめ、高いスキルを持つ技術者の住居としては、教育水準の高さや仙台駅とのアクセスの良さもあり、まずは泉中央の賃貸住宅が拠点となり、ここからバスで送迎という形になるのではと。

 そうなると、現時点でこそ、学院大泉キャンパスの閉鎖やアリオ閉店、そして周辺住宅地のオールドタウン化(泉区の人口減拡大)というマイナス要素が大きく意識されている状況ですが、このようなプラス要素も数多く存在しています。

セルバ・セルバテラスを含めた一体化リニューアルを

 今回閉店するアリオについては、専門店ビルセルバとセルバテラスの2館に挟まれた建物であることから、セルバの延長としての専門店ビルとし、2階のペデストリアンデッキや1階の泉中央おへそ広場を介して3つの建物をより一体化したショッピングモールとして再生する方向で活用してもらえればと。ただ、今もですが、冬や夏の厳しい気候の時期、そして雨の日などは、相互の移動が厳しい。セルバと閉店するアリオ間は上層階の通路で結ばれているけれど、セルバテラスとの間はやはり行き来がしづらいのが難点であり、理想を言うとおへそ広場部分を3つの商業施設をつなぐリングとして屋内空間にできればと。ただしデッキ下のおへそ広場は公共空間ではあり、現時点では難しいでしょうが、泉区役所横に区民広場機能が設けられることから、このおへそ広場の機能を移すこともありかなと。

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 3施設合わせて商業床で3万5千㎡と、ザ・モール長町の本館に匹敵する規模の商業施設の集積であり、減少しているとはいえ一日2万人以上の乗降がある泉中央駅前の商業施設であることから、一体化して規模を確保した形での再生が望ましいところ。ただ アリオ(2万㎡)は、セルバとセルバテラスを合わせた床面積(1.5万㎡)よりも大きいことから、それを埋めなくてはならないため再生のハードルは高い。 また、駅前だからといえ地下鉄やバス利用者や周辺住民だけでは成り立つ規模ではなく、ある程度クルマで周辺住宅地からの集客も図る必要がある中で、駐車場の無料時間の設定に工夫が必要かと。現在は1時間無料で、2000円以上の買い物で最大3時間まで無料になります。長く滞在してもらうためには、長町モールのように3時間無料だと安心して買い物できますが、この駅前立地でここまではできない。それにベガルタの試合時に無料駐車場として使われてしまうのはまずい。よって基本的に無料時間を2時間に設定し(ベガルタ試合時は長町ゼビオアリーナ周辺のように特定日として無料時間を1時間に)一体の商業施設として今後周辺の競合商業施設(タピオ、イオンモール等)に対して戦っていくためには、クルマ客のハードルを下げることも必要になってくるのではと。ただでさえ常に渋滞が激しく混雑している泉中央エリアにクルマを集める施策はやりづらいところはあれども、ここまでしないと一体の商業施設としての再生は難しいという印象です。

 


関連リンク


 仙台市として、都市の顔である都心部の活性化は当然必要ではある一方、南北の拠点であり、区の中心である泉中央と長町は、地下鉄で都心と短時間で結ばれており、都市機能を役割分担する意味でバランス良い機能集積と拠点機能の維持が必要です。

 そのため、アリオは閉店となりますが泉中央はここが踏ん張りどころで、ここを乗り切れば仙台の中でまた注目される存在になると思っています。

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2023年5月29日 (月)

仙台市地下鉄 7月からの減便正式発表

昨秋に地元紙に取り上げられていたこのニュース。

過去記事

仙台市地下鉄 来夏に減便へ(2022/9/15)

本日配付の市政だよりと合わせて、交通局ホームページで、7月からの時刻が公表されました。

概ねの考えは、上記リンク先の過去記事で触れていますが、やはり東西線はともかく南北線の減便は正直残念です。

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脱コロナの時期の減便の是非

 5月8日に5類へ移行した後で、今月は青葉まつりが20・21日に従来の規模で開催され、先週末は街中で、勾当台公園市民広場の「横丁フェス」、錦町公園での「肉フェス」をはじめ、同時多発的かつ狂い咲いたように?飲食系のイベントが開催され、特に横丁フェスはキャパオーバーなほど賑わっていました。

 また、6月18日までは、青葉山公園と西公園を主会場として、「未来の杜せんだい2023」が開催され、東西線も休日の午前中は6分半間隔に増便しているのに、閉幕後は7分半間隔に戻るのもつかの間、半月も経たずに10分間隔になってしまうとは。

 スポーツ系のイベントも楽天は2万人、ベガルタもコンスタントに1万人以上の観客を集め、観客の移動手段としてもキャパが大きな地下鉄が威力を発揮するし、ライブなどのイベントもゼビオアリーナや大型ライブハウスのPIT、GIGSなどでコンスタントに開催され、他都市からの来客の輸送に力を発揮します。

 コロナで激減していた乗客数の時に減便せずに、乗客が戻ってきた今減便するというのはタイミングが悪すぎる。

 東京の銀座線など、一旦コロナで減便した路線が早速増便されるという事例も出始めており、その点減便の判断が遅すぎたという印象もあります(早めに判断していれば、傷も浅く、脱コロナの乗客増の局面で増便に転じることもできたと)

 このような状況で、平日昼間の一部時間帯及び休日のほぼ終日が南北線と東西線の両方とも10分間隔の運行となってしまします。

 まぁ、東西線については、開業時から昼間は10分間隔でもおかしくないほどの利用状況が言われており減便はやむを得ないとの立場ですが、仙台駅と泉中央、勾当台公園、長町という拠点を結び、他都市からのビジターも多く使う都市の基幹路線の南北線も巻き添えを喰らうのは悪平等というか弊害も多い。南北線は東西線の2.5倍の乗客数なのに閑散時間帯の本数はほぼ同じって。

イベント輸送での懸念点

 ベガルタの観客動員も今シーズンはほぼ1万人を超えていますが、現在のダイヤであれば休日の夕方は7分半間隔、ナイトゲームの時期であれば8分間隔での運行で、毎時8本とすると、定員輸送で概ね毎時5千人を運ぶことができます。

 それが、7月からは昼間もナイトゲーム後も10分間隔で毎時6本になると、毎時4千人程度に輸送力が▲1000人ダウン。昼間はある程度分散しますが、ナイトゲーム後は早く帰りたいので、乗客が集中する傾向にある中、運び切れるのかという懸念があります。

 幸いなことに、最近4試合負けなしかつホームでも約2か月間負けなしで、順位も一桁に上がり、昇格圏内の2位ベルディとも勝ち点差6に迫ってきました。春先で終戦ということはなくなりそうで安堵していますが、

 日曜はベガルタ観戦で泉中央帰り、ほぼ満員近い地下鉄に勾当台公園から街中でのイベント帰りの酔い客がどっと乗ってきてかなりの圧迫感がありビックリしました。これも7分半間隔の現在から10分間隔になることで、体感的な待ち時間が長くなることもありますが、最近増便を行っていない仙台七夕開催時、そしてジャズフェスやページェントなどのお祭り開催時など、せめて混雑すると思われる時間帯には臨機応変に増発を行って欲しいとは思います。

変更後の時刻表雑感

交通局のプレスはこちら

仙台市交通局 7月1日から地下鉄南北線・東西線のダイヤが変わります (city.sendai.jp)

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 以下は、仙台駅発南北線の両方向の時刻表です。

四角囲みの部分は、8~10分間隔へ減便の時間帯。

下線部は、夕ラッシュで意外な変更があった発車時刻です。

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  1. 夕方ラッシュ時は増便!?

   平日昼間と休日のほぼ終日以外は運転間隔に変更はないとの記述ですが、実は18時台の1時間にわたり運転間隔が縮まり、増便されています。5分半間隔から5分間隔となり、コロナで混みあうようになった夕ラッシュの早い時間帯の混雑を緩和する目的のようです。

 泉中央行は17時54分から18時49分までの1時間が、1の位が4 or 9分発の5分間隔

 富沢行は、18時22分から19時17分までの1時間が、1の位の2 or 7分発の5分間隔で、ともに覚えやすくなりました。

 混雑緩和の目的で、夕ラッシュ時間帯の増便を実施するのであれば、プレスリリースでアピールしても良いように感じますが、「夕方増便する分を昼間の減便穴埋めに回せ」という批判が出ることを恐れたか?

 2.平日昼間の減便は最小限に

  昨年9月の記事である程度予想していたとおりで、10分間隔への減便時間帯は11~14時に留まりました。

  その前後の時間外は、ほぼ変わらない8分間隔なので、きれいなパターンダイヤは崩れてしまいましたが、まぁやむを得ないかなと。

 3.休日は覚えやすく

  平日は通勤通学で大いに使われている反面、休日はクルマ中心で郊外に買い物に行く割合が高く、各種イベント輸送以外は混雑はあまりな  いのが実態ではありますが、さすがに発表された時刻表を見ると「少ないなぁ」という感想です。特に、仙台から勾当台公園というような5分以内の移動には正直待ち時間が長くなってしまい、その不便なイメージから「だったら歩こうか」となったり、「120円バスでも変わらない」とならないことを祈っています。

 メリットとしては、毎時の発車時刻の1の位が泉中央行はきれいに0分発、富沢行は9分発に揃えられ、覚えやすくなるということは言えますね。また、降車客によるホーム上混雑緩和のために発車を1分ずらしているのかな。

 あとは、上述のとおり、混雑が見込まれるイベント時には臨機応変に増発してもらいたいもの。

 4.その他の時間帯

 その他の時間帯も朝ラッシュに微妙な時刻変更があるので、利用者は念のため確認した方が良いかもしれません。

仙台駅での相互の乗換は

 少なくとも10分間隔になる時間帯について、南北線は上述のとおりで、東西線は八木山方面が4分発に、荒井方面は5分発に揃えられ、

南北線と東西線の相互の乗換については各方面4~6分の乗換時間が確保されており、ゆっくり歩いても余裕で乗り換えられるようになっています

(例)八木山行き⇒富沢行は乗換5分、

        ⇒泉中央行は乗換6分。

 この乗換パターンを合わせるために、南北線も合わせて減便されたという印象です。

経営の状況

 そうはいっても、東西線開業後に南北線と合計の利用者数が掘り起こされ、累積赤字も減少傾向にあったところが、一気にコロナ禍で累積赤字が増える方向に行ってしまい、財務の悪化を少しでも食い止めるため、4月に実施されたイクスカ基本ポイント(最低でも5%)の廃止で毎年3億円の収支改善、加えてこの減便により年間約7千万円の電気代の節減とのことでした。

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(市交通局HPより)

 運賃値上げは避けて欲しいので、イクスカポイントの廃止で3億円分の収支改善については、これを機に自分のように定期を購入する人が増えると売り上げ増につながる他、せっかくだからと週末にも地下鉄を使うきっかけになったりするので、納得していましたが、正直減便で生み出される電気代が年間7千万円というのが、正直デメリットと比較して生み出される額が小さいと思ってしまっています。

 とはいえ、コロナでの乗客減で悪化した財務状況に目途が立たなければ安定運行はできない訳で、乗客数が再度増え、少なくとも南北線だけでも増便が図られるような状況になれば良いと思います。

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2023年5月 6日 (土)

GWで楽天モバイルパークへ

 今シーズンは、打線が低調で投打がかみ合わず、下位に低迷する楽天イーグルス。

 昨シーズンはGWまでの快進撃11連勝などで、優勝を狙えるか?という期待を抱かせながらも、GW以降の急ブレーキで、最終的にはGW前に得た貯金をほぼ吐き出してしまい、CS進出も叶わずというストレスのたまるシーズンでした。

 一方、今年は低空飛行のスタートから、ようやくGW前位から西武とロッテにそれぞれ2勝1敗で勝ち越し、徐々に借金を返済しつつあり、右肩上がりになれば楽しめるかなと思いながら、GWの平日に楽天モバイルパークで観戦してきました。

 観戦したのは外野のバックスクリーン付近で人工芝敷きのピクニックエリア。10人まで入れるとはいえ、ゆったり見れるのはせいぜい5~6人位までか。試合自体は見やすい席でした。

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岸150勝達成

 好投しながらも援護がなく、偉業達成が持ち越しになっていましたが、この試合は珍しく打線の援護が効果的。

 球場周辺で子どものファンクラブ特典を交換したり、スタグルを物色していたら、結局球場に入ったのは18時半ころで、既に2点の援護が!

 途中で売店に行った際にロッテファンの歓声が聞こえ、嫌な予感がしたところ、ポランコにソロホームランを浴びてましたが、8回にフランコの2点タイムリーで何とか息をついて、岸も8回97球で完投を狙えるかという出来。

 その時点で5-1と4点差だったので、松井裕樹は温存して宮森で締めようとするものの、ヒット2本とフォアボールでアップアップで結果的に松井裕樹セーブのシチュエーションとなり、1発で同点のいやな展開ながらも、さすがに無失点で締めてくれました。

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本当に電光掲示板の真下。

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 楽天の試合にまともに子どもを連れてきたのは今シーズンが初めて。ベガルタの試合には何度も連れて行ったけれど、結局興味を持たせられずに来なくなっていましたが、楽天モバイルパークは試合に飽きてもスマイルグリコパーク に遊びに行けるという緩いところが気に入ったようで、最後まで試合を見ることができました。そして、ビクトリーセレモニーも初体験。これで試合後の帰宅混雑を分散させる効果もありますね。

 ベガルタもスタジアムパーク構想として、七北田公園との連携を目指して動き始めているので、子供連れでも楽しめるスタジアムとして楽天を参考にできるところは真似して欲しいもの。佐々木社長を退任させて仙台市役所OBの板橋社長が就任したということは、このミッションのためと思っているので。

【楽天イーグルスの勝利を光で祝う】VICTORY CEREMONYを開催!(イベント情報追加!) | 東北楽天ゴールデンイーグルス (rakuteneagles.jp)

久々の観覧車

 以前グリコパークを目的に来た時は、観覧車やメリーゴーランドなどのアトラクションは有料で、正直高いなぁと思っていたところ、今はそのアトラクションはほぼ無料になっており、行列はありながらも気軽に乗れるようになっています。

スマイルグリコパーク&観覧車 (2017.5.5)

 試合終了後で待ち時間がそれほどなかったので、久々に乗ってみました。

 試合終了後、セレモニーを見た後で30分以上過ぎていたので、内野方面ほぼ人がはけた後。

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 新球団の誕生から早くも19年目のシーズンで、球場も老朽化が否めない部分も多いながらも、毎年の改修や運営の変更などで、飽きさせない部分があり、コロナ明けで生観戦様子見の方も多いのでしょうが、その日も21500人とGW中の平日にしてはまずまずの入り。仙台の気候はGWから観戦にちょうど良くなり、観客動員も伸びてくる傾向にあります。

 今シーズンは成績が不調ながらも、徐々に打線が繋がりつつあるので、2万人をコンスタントに超えることができればと。
 しかし、石井監督の表情を見ていると、昨年に続き大丈夫かな?とは思ってしまいます。ベテランに頼り若手をうまく使えない状況が続き、チームの底上げがなされない状況から、ファンとしても見ていて辛い状況に。日ハムも復調気味で最下位脱出争い中、4位の西武の背中が見えてきたので、少しずつ順位を上げて行って、シーズン終盤まで楽しませてくれればいいなぁと、緩い気持ちで応援しています。

【おまけ】帰りの仙石線アクセス(15分待ち)

 帰りはいつものように仙石線宮城野原駅から仙台駅経由で長町駅までスムーズに行けば乗換込みで15分の道のりですが、子ども連れということもあり宮城野原駅での狙っていた電車21時23分発に間に合わず、結局21時38分発まで10分以上の待ちぼうけを喰らい、結果的に長町駅到着は21時55分と30分もかかり疲れが。。

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 いつもであれば混みあう時間帯ながらも、さすがに20時半に試合自体は終了してから1時間後なので、ホーム上はこのようなまったりした状況。相変わらず臨時列車はなく毎時4本で15~20分毎の運行は何とかならないのかとは思ってしまいます。

 シャトルバスも乗ってしまえば仙台駅まで片道5分だし、行列から乗車をあきらめても仙台駅までゆっくり歩いても25分ということからうまく分散している面はあるので、改善は見込めないのでしょうね。

楽天生命パークへの仙石線アクセスについて(2019.8.13)

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2022年9月 7日 (水)

ベガルタ原崎監督解任。そして伊藤新監督就任

 お盆中のホーム大宮戦から先日の水戸戦まで,なすすべなく4連続完敗で,2位以上のJ1自動昇格戦線から完全に出遅れてしまっていたベガルタ仙台。

今日の昼休みに激震が入りました。電撃的な原崎監督退任。予想していた責任を取っての辞任と思ったら,解任と聞いて二度ビックリ!

原崎政人監督 解任のお知らせ(ベガルタHPより抜粋)


このたび、原崎政人監督との契約を9月6日付けで解除いたしましたのでお知らせします。

原崎 政人監督 コメント

いつもベガルタ仙台への応援ならびにサポートありがとうございます。このたび、監督を退くことになりました。一緒に最後まで諦めずJ1復帰のために戦ってくれた選手、スタッフ、そしてどんな時でも応援・サポートしてくださったファン・サポーターのみなさま、スポンサーのみなさまに深く感謝申し上げます。
昨年J2降格が決まっても残ってくれた選手たち、J1復帰を共に実現するために新しく来てくれた選手たちは、私のトレーニングに真剣に取り組んでくれていました。まだまだ諦めず、前を向いて這い上がろうとしているところでしたが、この数試合悔しい結果となり、優位な状態でJ1に復帰するという道を難しくしてしまい、大変申し訳なく思っています。
私はベガルタ仙台を去りますが、ベガルタ仙台の更なる活躍・発展を願っています。本当にありがとうございました。

株式会社ベガルタ仙台 代表取締役社長 佐々木 知廣 コメント

昨シーズン終盤2試合からトップチームの指揮をとっていただいた原崎政人監督との契約を解除することになりました。
J1復帰を果たすために、今シーズン当初より攻撃的なサッカーを展開し、リーグトップの得点力を武器に前半を2位で折り返す等、チームの成長を促していただいた功績に感謝しております。
ベガルタ仙台は一年でJ1復帰を果たすことを目標に、一丸となって取り組んできました。その目標を完遂するため、停滞する現状を打開し、いま一度心を新たにしてリーグ戦に臨むため、苦渋の決断ではありますが指揮官交代を選択しました。
選手・スタッフには私から直接この決断を伝え、クラブとしてはぶれることなく、自分たちの信じた道を突き進み、その先に目標達成を果たしたいと話しました。
ベガルタ仙台を応援いただくすべてのみなさまには、ご理解をいただき、引き続きご支援と応援をいただきますようお願い申し上げます。

 

お盆から急降下

 ちょと前まで,J2リーグトップの攻撃力を誇っていたチームとは思えない急降下ぶりでした。

「むざむざと先制され,追いつけない」酷い試合を4試合も見せつけられ,これまで期待の期待が一気に萎みました。

 それも,全て下位チームに対して先制を許しての惨敗。うち,ホームの試合が3試合。そりゃ解任されてもおかしくないって。


 ① 8/6     仙台4-1金沢(アウェイ)

 ② 8/13  大宮3ー2仙台(ホーム)

 ③ 8/20  群馬1-0仙台(アウェイ)

 ④ 8/27    千葉2-0仙台(ホーム)

 ⑤ 9/3  水戸2-1仙台(ホーム) 

 J2残留をかけた背水の陣の大宮と群馬に,1点差で2連敗した時点で,黄色信号が灯っていたけど,その後の千葉戦では6月のフクアリでのアウェイ戦をなぞるような,完全に攻略された敗戦。水戸戦は選手も完全に縮こまっているような試合で,観戦しながらも勝つ気が全くせず。

 しかし,関東勢に本当に相性が悪いですねぇ。直近の4連敗すべて関東のチーム。横浜FCには2敗,春には町田とベルディに負けるなど,ことごとくやられて,トータルで4勝1分け9敗っていう現実。

①金沢戦

 2年半ぶりの声出し応援復活試合で,5月のホーム試合に続きザル守備の金沢に大勝し,「俺たちの攻撃力最強!」「声出し応援が復活すれば怖いものなし」と勘違いしたんでしょうか。その試合も,最後の最後に皆川が苦手なPKを外して試合終了という,何とも後味の悪い思いが。昇格争いには得失点差が1点でもあった方が良いところなので嫌な予感がしたのが的中した感が。

②大宮戦

 確かに,大宮はその前の試合で首位の横浜FCに勝利し,勢いを以って仙台に乗り込んで来たけれど,「前節の大勝の勢いそのままに,イケイケの試合運びのスキを突いてカウンター」やらミスやらで,あっという間の3失点。帳尻合わせで2点を返してもジ・エンド。

 おそらくコロナで中山が離脱したという不利な要素はあったけれど,試合の入りは悪くなかっただけに,代役のカルドーゾの相手ゴール前でハイボールをヘディングでクリアしきれなかった軽いプレイが怒涛の失点のきっかけになったのがなんとも。歯車がおかしくなるのはちょっとしたきっかけなんだと。

③群馬戦

 3月にも守備的な相手に得点を奪えず,負けてもおかしくないながらもスコアレスドロー。相手は元浦和で仙台出身の大槻監督。テグが就任しなければ,大槻監督になっていた可能性が高かったなど,因縁の深い相手でもありますが,そうはいっても下位に沈む群馬に2試合ともノーゴールというのは,完全にスカウティングに長けた大槻監督に負けていたんじゃない?これまでのJ2時代から続けた群馬戦無敗が途切れる歴史的な試合。

④千葉戦

 こちらも,6月のアウェイの試合をなぞるような,完全にはめられた0-2での敗戦。ただ,中山が復活したので相性の悪さはあれども,ちょっとは期待したところはありましたが,無為に失点を重ね試合中に心が折れました。千葉戦初勝利はならず。相性の悪い相手にはとことん悪いのがベガルタ。アウェイの浦和戦無勝利とか。

⑤水戸戦

 最近上向きの水戸。勝って涙を流すなど,秋葉監督のキャラクターが注目されていますが,こういうチームには選手をうまく乗せることができる監督が合うんでしょうね。3月のアウェイ試合こそ,遠藤のロスタイムゴールで辛うじて3-2で勝ったけれど,終始押されて負けてもおかしくなかった試合。春先はこういう感じで勝ち点を拾えていたけれど,メッキがはがれ,まだサンドバック状態の試合で,2年9か月ぶりのホームでの声出し応援の効果もなく,通算23勝7分1敗と,30試合以上戦って圧倒的な対戦成績だった水戸に負けたというのは,やっぱり衝撃。

監督交代やむなしの状況

 もう自動昇格はあきらめざるを得ない状況ながらも,このような状況が続けばカンフル剤として監督交代しかないとは思ってました。

 ただ,まさか佐々木社長が原崎監督を切ることはないだろうから,試合後のインタビューも目もうつろで限界の状態であり,本人からの退任はあるかと思っていたところ。

 昨年もこの時期からどうしようもない試合を繰り返し,占いでスタメンを決めるなどで選手と溝ができた手倉森監督をひたすら擁護し,降格決定後に勇退という形を取らせただけに,火中の栗を拾ってくれた原崎監督を切る決断を下したということは,本当に驚きでした。

 観客動員も戻りつつあり,スポンサー集めも順調で,前任のMMT出身社長との行動力とベガルタ愛の違いを感じていただけに,経営者として,チームを勝たせることのできない監督と2年連続の心中はできなかったのでしょう。いろいろイベントやって観客を増やしても,ホームで勝てない監督は致命的。

 ◉ホーム成績は直近4連敗

 ◉ホームの大入り試合で勝てず(6月の横浜FCとの直接対決やダービーの山形戦)

 ◉(現時点での)上位3チームには2敗2分けで無勝利
 ◉勝利や得失点差は関東以外の下位チーム相手に稼いだのが大部分。

 ◉相性が良かった群馬と水戸にむざむざと敗戦。

そして,とどめになったのは,

 ◉木山前監督率いる岡山に順位で抜かれ,4位転落したこと

ではないかな。佐々木社長として,木山監督を止めさせてテグを連れてきたという経緯があるだけに,その監督に順位で抜かれるのは許せないと。

遅すぎたけれど,良い決断だと思います。

原崎監督の功罪

 昨年までの1点が取れるかどうかという,得点力欠乏のチームを見せつけられただけに,ここまで3点以上の得点を取る勝ち試合を11試合も見せてもらえたのは,胸のすく思いでした。

 ただし,3点取っても無失点試合は少なく,11試合中2試合のみ。

 あれ?っていう,クロスからあっという間にゴールに流し込まれる光景を何度見たことか。4,5点取っても必ずお約束の失点とか,シビアなJ1昇格争いにあたっては致命的なところ。

 3人のキーパーの交代起用も不可解でした。守備の構築を最後までできず,自慢の得点力も削られてしまえば,もう引出しはない。

 ただ,3月下旬もですが,好調時にコロナでの選手離脱やケガ人続出で,その時点で下位低迷してもおかしくなかったところ,何とか立て直したところは評価できると。そうでなければ,前回のJ2降格後と同様,昇格争いにほとんど絡めずに低迷というシーズンを送ることになったかもしれないので,一応昇格争いにお盆まで絡めたというのは良かったと思うしかない。

 ただ,8月の2回目のコロナ選手離脱も気の毒とはいえ,対戦相手の千葉もベガルタ以上に影響を受けとっかえひっかえ状態だっただけに,どのチームも状況は同じ。そもそも2位の新潟は開幕前に選手に蔓延して開幕どころではないところから,何とか戦ってきたチームだったりする。

 なので,昨年あの降格後のどん底の状況で監督を引き受けてくれたことには感謝しかないですが,そもそも佐々木社長は長期的に監督を任せるつもりがあるとは思っておらず,ナベさんみたいに自分の色を付けながら監督として実績を積んでくれれば儲けもの見たいな感じだったのでは。

 コーチ時代から選手に良く慕われ,中山や名倉などハラさんに誘われた選手も多いようで,選手たちには,その無念さを晴らし解任ブーストでの発奮を期待したい。

伊藤新監督

 正直,甲府の監督をやっていたのは知ってたけれど,,ジュビロの監督をこの夏に解任されたことは知らず。
選手としての川崎フロンターレ時代に苦しめられたイメージが強い。

 でも甲府時代には昇格一歩手前まで持って行ったり,J2を良く知る監督。

 ガンバを解任された片野坂氏の方が,ベガルタOBということもあり,大分をJ3からJ1に上げた監督でもあり,次の10日の試合が大分戦というのも出来過ぎたシチュエーション最初は頭をよぎりましたが,さすがに市場価値が高く,ベガルタが就任を打診できる年俸ではなかったのかと。

 まぁ,残り8試合でプレーオフには残って欲しいですが,長崎や大分,徳島など実力のある元J1チームが下の順位に控えており,また,水戸も山形,千葉もプレーオフ進出をあきらめていないなど,血みどろの残り試合が続きます。新監督には軽々しく全勝なんて言って欲しくないし,期待もしないけれど,チームを立て直し,少しは夢を持たせてくれればと思います。

 B1昇格を決めた仙台89ersも再昇格まで5年かかったし,前回のベガルタもJ2に6年もいたことを考えると,あまり焦らず見守りたいと思って居ます。

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2022年9月 4日 (日)

久々の新潟 その(5)新潟日報メディアシップ展望台より

 新潟シリーズはまだ続きます。

 以前記事にした,新潟都心部随一の商業集積である万代シテイの交差点向かいに建つ,地元紙新潟日報の本社ビル兼複合施設である,「新潟日報メディアシップ」。開業した2013年から約10年を迎えます。

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 宮城(仙台)で例えると,地元紙河北新報の本社兼複合商業施設ということになります。

 実際は河北新報の本社は単独社屋で再開発の予定もありませんし,地元バス会社の宮城交通も虎の子の車庫の土地は赤字補填でマンション用地に売却したり(北仙台ターミナル・長町ターミナル)と,置かれている状況は異なるにしても,新潟は,地元バス会社の新潟交通が万代シテイを運営していたり,地元企業がまちづくりに積極的に関わっているように思えます。

 地上20階,高さ105mと,仙台駅前では,アエルの交差点向かいに建つアジュール仙台位の規模感です。

 「メディアシップ」という名前の通り,建物の曲線が帆を描いており,絵になるデザインのビルです。

フロア構成

 低層部に各種サービス施設,高層階にオフィスという構成。最上階は無料の展望スペースです。

新潟では,近隣の朱鷺メッセのホテル日航最上階にも無料展望スペースがありますが,ともに海を眺めることができて,解放感があります。


  • 1~2階   イベント広場,新潟日報ホール,飲食店
  • 3~4階   クリニック・健康・ライフスタイルショップ
  • 5階     記念館(新潟文化の記憶館 等)
  • 6階     貸セミナールーム
  • 7階     カルチャースクール
  • 8~13階  貸オフィス
  • 14~18階 新潟日報オフィス
  • 19階    飲食店(叙々苑 等)
  • 20階    展望フロア

展望フロアからの眺め

 展望フロアは,年配の方を含めた家族連れを中心に,そこそこにぎわっていました。

 写真は東側朱鷺メッセ方面です。当日は本当に暑い日で,気持ち良い青空でした。

 日航ホテルは本当に折れそうなほどスレンダーなビルですね。朱鷺メッセは新潟県と民間が協力して約20年前に再開発事業で完成した施設群で,完成したころに佐渡汽船に乗る時に通ったなぁと。15年前に訪問した時には展望台に登り,眺めに感動した記憶があります。

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 信濃川西側の古町地区方面です。川幅が広い信濃川が「古町」と「万代・新潟駅前」を二分していることは,街づくりを阻害する面もありながらも,都市のど真ん中に親水空間が存在することは,間違いなく都市としての誇るべき個性に感じます。

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 南側は,鳥屋野潟の先に,J2のライバルアルビレックス新潟のホームである「デンカビックスワンスタジアム」と隣の野球場「ハードオフエコスタ」が見えます。


訪問した7月の時期には首位を争っていた相手ですが,ベガルタは自滅の4連敗で順位を離され,J1自動昇格は絶望の位置になってしまいました。10月に残されたビックスワンでの直接対決が決戦とはなくなってしまい,本当に虚しい気持ちになります。

 しかしながら,都心部からも駅からも離れたこの位置に,高速道路や新潟バイパスからのアクセスを優先し巨大なスタジアム2つを並べて整備するという姿勢が新潟らしいというか。

 スタジアムは仙台の方がともに駅近で断然立地条件が良い(某宮スタは無視)反面,仙台のコンベンション施設は「夢メッセ(県)」と「国際センター(市)」「ウエスティンホテル(民間)」に中途半端に分かれており,上述のように新潟の方が立地条件も機能も優れているなど,両都市にそれぞれ違いが大きいところが面白味があります。


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ビルから見下ろす光景

 南東側の足元ですが,存在感のあるANAクラウンプラザ新潟をはじめとした中層ビルが立ち並ぶ一方,都心部にしては広大な平面駐車場も目立ちます。その先は,低層の街並みに変わります。

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 西側の足元は,万代シテイ方面で,左は伊勢丹,右はビルボードプレイスです。2階レベルのデッキを通じて相互に連絡されているのが分かります。

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 南側のJR新潟駅方面です。駅前に続く東大通が屈曲した部分に巨大なアパホテル&リゾート(新潟駅前大通)が立地しています。その付近にタワークレーンが見え,建設中のビルが集まっているようですね。

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 この後は,6月に駅の高架化がほぼ完成供用したばかりの新潟駅に向かいました。次回は新潟駅レポです。

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2021年11月 7日 (日)

ミヤテレ 泉中央へ移転か?

 近年,在仙のテレビ局の局舎移転・新築が相次いでいましたが,現在地である宮城野区日の出町からの移転が取りだたされていた最後の候補,ミヤテレこと「宮城テレビ放送」が,泉中央駅前に残る最後の虎の子の土地を取得したとのニュースが。



宮城テレビ放送/有効活用の検討へ/仙台市泉中央に用地取得/仙台市地下鉄泉中央駅東側の約6100㎡


宮城テレビ放送(仙台市宮城野区日の出町1の5の33 大沼裕之代表取締役社長)は、仙台市泉区泉中央1丁目の用地約6100平方㍍を取得した。今後、取得した用地の有効活用を検討する。

今回同社が取得した用地は、仙台市泉区泉中央1の3の1ほか地内で仙台市営地下鉄南北線泉中央駅の東側近隣地。宮城県警泉警察署の北側に位置し、泉中央通り線と泉ヶ岳通り線に隣接した、現在は有料駐車場として使用しているところ。以前は大手商社が所有していた。

同用地周辺は、1980年に仙台市に隣接する当時の泉市が副都心形成に向けた土地区画整理事業を施行したエリアで、区画整理内には仙台市泉区役所(当時の泉市役所)をはじめセルバやアリオ仙台泉などの商業施設があり、仙台市内北部の中心地区を形成。

宮城テレビ放送は、70年にTBS系列の東北放送、フジテレビ系列の仙台放送に続く宮城県内で3番目の民放局として開局。日本テレビ系の東北ブロックの基幹局で2020年10月には開局50周年を迎えた。既存の放送局は老朽化が著しく、施設のある宮城野区日の出町地内は近年のゲリラ豪雨による浸水で隣接する国道45号が冠水するなど、報道取材にも影響が出ていた。

宮城県内の放送局では、近年、老朽化した施設の整備が相次いで進められており、仙台放送が04年に仙台市青葉区上杉5丁目に新社屋を建設したほか、日本放送協会が18年に仙台市青葉区錦町1丁目から青葉区本町2丁目に移転、20年に東北放送が仙台市太白区八木山香澄町で社屋を建て替え、仙台市青葉区双葉ケ丘2丁目にあった東日本放送は今年、仙台市太白区あすと長町1丁目で業務を開始している。(2021-11-05みやぎ建設新聞より)


相次いでいた在仙放送局の移転・新築

 9月20日に,KHB東日本放送が,市北部の双葉ケ丘からあすと長町に移転したのは記憶に新しいですが,3年半前の2018年にはNHK仙台放送局が愛宕上杉通沿いから,錦町公園横の旧ホテル仙台プラザの跡地に移転しています。

 八木山の東北放送は,テレビ塔が敷地内にあるメリット,及び敷地に余裕があるためか,現敷地内での建替えを選定しましたが,これは地下鉄東西線の開業で八木山動物公園駅から徒歩圏になったことも現在地に残った理由としてあるのかと思います。

 20年近く前には,仙台放送が,大年寺山テレビ塔の至近にあった太白区茂ケ崎から現在の上杉へ移転するなど,札幌が大通付近の都心部に集中しているのに対し,在仙の5放送局は都心と郊外でバランスよく位置しています。

 その中で,唯一移転がまだで可能性が残っていたミヤテレですが,2004年にJR仙石線小鶴新田駅が開業し鉄道駅からの交通の便は改善されたにせよ,記事の通り近隣は冠水被害に度々遭うなど,災害時への対応を考えると適地ではなくなってきたという背景も。とはいえ,候補地は宮城野区から離れることなく東口近辺かなと思っていただけに,泉中央に土地を取得したのは意外な印象を持ちました。

南北の副都心にバランス良く

 仮に,今回の取得地が放送局の移転地としたら,双葉ケ丘にあったKHBのあすと長町移転で空白地になった仙台市北部をテリトリーにすることができるというメリットが生じます。

 また,KHBはあすと長町の杜の広場隣接地という,イベント開催や中継にあたり好条件の立地ですが,今回のミヤテレ取得地は泉中央駅のペデストリアンデッキに面する場所で,区民祭りなどのイベントも行われているところであり,さらに普段の人通りは駅前だけに杜の広場よりも格段に多いので,KHBに対抗した訳ではないにせよ,最高の場所を抑えた形です。

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 メディアの多様化で広告料収入の減少など,生き残りに必死な地元民間放送局として,地域密着の方針がカギになるのではと。もともと,東北放送はもともと八木山の放送局とのイメージが強かったですが,仙台放送もKHBもミヤテレも移転前では放送局が立地している場所に根付いているとは言い難い感がありました。都心部に移転した仙台放送はともかく,他の民放3局は,仙台市内の郊外部で地域色を出していく方向になりそうです。KHBは長町商店街や89ersとのコラボを進めており,ミヤテレは泉中央とベガルタ?ただしもうJ2降格は避けられず,もはやテレビ中継の増は難しい状況になってしまったので,送り込んだ前社長が残した負の遺産解消をしてもらわないと。

余裕のある敷地面積をどう活用する?

 6100平米となると,あすと長町に移転したKHB(6600平米)と同程度の面積です。

 KHBの放送局部分は,うち4600平米に地上5階建てで建設され,残る2000平米は活用を模索しながら現在はコインパーキングとなっていますので,ミヤテレの6100平米も仮に放送局の移転地としては十分。

 容積率は,KHB所有地と同様に商業地域で400%あるので,放送局以外との複合施設として,土地代の負担を和らげる活用を模索するはず。

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 可能性が高いのは,1階部分の一部はバスプールの拡張用地として市の負担で整備し,2階以上を放送局機能という形であれば,長年の狭隘な泉中央バスプールの課題が解消されることにもなります。残りは必要なミヤテレの職員や機材車用駐車場を確保するなど。

泉中央駅前の最後の好立地

 さらに,このミヤテレが取得した街区は,セルバ南側でかつては商業活用を模索しながらも,区画整理終了後約30年にわたって平面駐車場として寝かされていた街区です。写真では,セルバと奥の泉警察署の間の街区です。

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 もともと,泉新都心という第三セクターが中心となってまちづくりを進めていた泉中央地区。この第三セクターが解散し区画整理の中心的な役割を果たしていた住友商事が市の所有株を引き受けました。この街区の所有権を持っていた住友商事はアリオ・セルバの大家として,泉中央副都心のまちづくりに多大な協力をしていた企業なので,この残された虎の子の街区を単に高く買ってくれるところに売却するようなことはしませんでした。

 副都心整備の経緯から,長町駅前と比較しても厳しめの地区計画が策定され,該当する駅前B地区は業務・商業・公益施設を整備する街区とされ,少なくとも1階又は1~2階は共同住宅としての活用を禁止されています。

 とはいえ,長町駅前のヤマザワ所有地は三井不動産他に売却され,パークタワーあすと長町が建設されましたが,1~2階は住宅が禁止だったので,3階以上が分譲住宅となりました。駅前の通りに面する部分は住宅が不可であり,敢えて現在フィットネス等が入る商業棟部分を敷地分割したり抜け道はあり,地区計画にも限界があります。

 このようなことをしなかったというのが,泉中央駅前のまちづくりに責任を持つ企業が土地を保有していたということ。単なる民間企業であれば,とっくの昔にタワーマンションが建ってしまっていたでしょう。

 泉中央とあすと長町のまちづくりの比較については過去記事に。


過去記事


 よって,正式発表前なので,あえて”仮に”と表現しましたが,この土地にふさわしい活用をする企業に売却したということから,,放送局の移転地として確定とみています。

 このような,泉中央駅前のラストピースが埋まり,副都心にふさわしい施設が整備されることになれば,本当に喜ばしいです。

 KHBも発表から移転まで5年以上かかったので,2026~27年度移転完了位のスパンの計画になるでしょう。さくらの跡地の再開発完成前位でしょうか。具体の移転発表と,詳細計画を待ちたいと思います。

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2020年9月19日 (土)

ベガルタ仙台 債務超過を回避するために

 レディースチームのマイナビへの譲渡決定ニュースの際に,さりげなく8億の赤字見込みとの情報を流していたので,愕然とするとともにある程度の覚悟はしていましたが,このタイミングで,前期4億の赤字に続き,今期7億の赤字見込みとのニュースが流れました。


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 本当に,気持ちがザワザワします。正直悲しいし,腹立たしい思いです。


ベガルタ、3億5000万円債務超過 20年度見込み コロナで収入大幅減

サッカーJ1仙台などを運営するベガルタ仙台(仙台市)が、2020年度決算で約3億5000万円の債務超過に陥る見込みであることが17日、分かった。新型コロナウイルスの影響で入場料収入とスポンサー収入が大幅に減少し、営業収益が前年度比9億円減の約18億円まで落ち込むため。経営改善策の一環として、サポーターらに近く運営資金の募金を呼び掛ける。

 河北新報社の質問に菊池秀逸社長が書面で明らかにした。入場料収入は予算比5億4000万円減の1億5000万円、スポンサー収入は同3億円減の9億8000万円にとどまると試算。最終赤字は現チーム名となった1999年以降最大の約7億円を見込み、純資産3億5600万円を上回る。
 Jリーグの規定では、債務超過に陥るとリーグ参加資格となるクラブライセンスをはく奪されるが、今期は新型コロナによる特例措置で適用されない。菊池社長は「来期も特例措置を継続するかはリーグが今、検討中」と説明した。
 今後は経営改善を進める。19年度に約13億円を計上したチーム人件費は「リーグで最低の水準にあり、J1で戦い続けるには最低でも現在の金額が必要」と来期も維持する方針。経費削減に向け、1日にはマイナビベガルタ仙台レディースの経営権譲渡を発表したが、他の支出項目も「聖域を設けずに予算を削減する」とした。
 収入面では、感染予防による試合の入場制限が続き入場料収入の回復は見通せない。19年度並みの営業収入を達成するには「少なくとも15億円のスポンサー収入が必要」と強調。新規協賛の獲得や既存分の増額に力を注ぐという。
 募金活動は今月下旬から始める予定。クラウドファンディングや口座振り込み、ホームのユアテックスタジアム仙台(仙台市泉区)などで協力を求める。
 菊池社長は「債務超過の解消が最大の課題。自助努力で赤字額の圧縮に努めていく」とした(9/18河北より引用)。


なぜ社長自らの呼びかけがないの?

 チーム及び社長が自ら発表という形ではなく,「河北新報社の質問に,社長が書面で明らかにした」という形で,こんな深刻な事態が明るみに出るのが,非常に不本意。

 今期はコロナのせいなので,だれが社長をしていても当然大変さは変わらないにしても,昨年の4億の赤字は今年の大量選手補強のための先行投資だったはず。それが,けが人続出というアクシデントが生じているとはいえ,監督交代の判断も現体制でのこと

 渡邉監督をクビにして木山監督への交代,何が起こったのかという赤字覚悟での怒涛の補強にも関わらず,今シーズンの歯車が噛み合わず悪くなる一方の成績。何からなにまで,裏目に出ているのを何とかするのも,トップの大きな役割では。

 これまで,表にでず何も危機的な情報を自ら発信せず,「マスコミを通じての書面での回答」で,サポーターに対しての寄付の呼びかけというのは,ホンキとは思えない。まずは自分の口で状況を説明して,できることはやったけれど,これだけは協力して欲しいと呼びかけるのが筋ではないか。

入場制限3400人の継続に疑問

 本日9月19日から,イベントの観客数の制限が緩和され,会場のキャパシティに関わらず一律5000人という上限規制が撤廃され,スポーツに関しては収容人員の50%までは収容が可能となりました。プロ野球もJリーグも徐々に観客数を増やしていく方法で,本日の試合では1万人超に入場可能数を増やし,豊田スタジアムでのグランパスの試合では1.2万人弱の入場者がありました。

 比較的前のめりのプロ野球に対し,感染拡大防止ガイドラインに基づき慎重なJリーグという構図ではありますが,経営危機のベガルタ仙台が,早々に観客数の上限を3400人から増やさずに運用するという発表をしたことについては,びっくりしました。慎重すぎるというか,ことなかれ主義というか。まずは少しずつ増やして行くというメッセージを発するべきでは。

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ベガルタ仙台、観客数増やさず3400人上限に運用

 J1仙台は12日、新型コロナウイルス感染拡大防止策として、本拠地のユアスタ仙台(仙台市)の観客数を増やさず、当面は現在の約3400人を上限に運用すると発表した。観客同士の間隔を一定距離空ける措置を継続するため。
 ユアスタ仙台の場合、Jリーグの感染拡大防止ガイドラインに基づいて1メートル以上の間隔を確保するには、現在の上限を維持する必要があるとしている。
 Jリーグは11日、政府のイベント制限緩和の決定を受け、19日から観客数を緩和すると発表。上限を会場収容数の50%とし、収容数が1万7000人以上のスタジアムは30%程度から段階的に引き上げる。従来は上限5000人だった(9/13河北より引用)。


 基本的に,1.7万人以上のスタジアムの観客数上限を30%にでき,徐々に引き上げられることになったのであれば,そんな寄付なんてものではなく,入場料収入として堂々とサポーターからチケットを買ってもらえば良いのではないか。3割であれば約5,500人と最大2000人程度増やすことができ,それだけで単純計算で1試合500~800万円の収入増が見込める。

 それに,このチーム成績面での苦境を打破するためには,手拍子だけかもしれないが,入場可能なサポーターを増やすことで後押しにもなると考えないのだろうか。

 更に,徐々に収容人員の50%(約9000人超)を目標に増やして行けば,その収入増も更に期待できる。

 県から出ているイベントの対応方針でも,スポーツに関して慎重な対応は求められておらず,こんな危機的な状況で,お行儀良く観客数を自己規制しながら,スポンサーやサポーターに協力して下さいというのは,とても本気で考えているとは思えない。

 より経営的に厳しい状態が明らかなサガン鳥栖の本日主催試合では,5000人まで増やしていたし,様々な解決策を見極めていくにあたり,入場料収入の落ち込みをなるべく減らすことが最も容易な手段。

 近日仙台市以外での感染拡大が気になる状況ではありますが,プロ野球と異なり基本的に試合中はビールも売っていない(アルコール持ち込みも禁止)なので,マスクを外すことはプロ野球と比較しても少ないのではと思います。

このチームを守りたい

 ブランメル時代から通っているこのチームがなくなることは勿論嫌。これまで多くの感動をもらったし,ベガルタ仙台を応援することは日常そのもの。よって,当然寄付はするつもり。ただ,それ以外でも債務超過を回避するためにどのような手段が取れうるのか。その情報を待つことにしたいと思います。

 ただ,今回を乗り切ったとしても,このままの経営体制では早かれ遅かれ行き詰るのは確実。市民クラブを標ぼうし,このままの船頭多くして船山に上るような体制は,大企業の少ない宮城・仙台という地でチーム運営していくためにはやむを得なかったとしても,例えば,長年胸スポとしてスポンサーして頂いているアイリスオーヤマは近年更に業績を上げており,このようなときにこそ経営面を含めて関与を強めてもらっても良い。また,全く新しい企業に参画してもらうこともあり。少なくとも,株主企業の持ち回りで天下り的に社長を回しているのはもう無理なのでは。

 中々気持ちの整理はつきませんが,もう少し状況を見たいと思います。

 経営面も当然ですが,チームの成績も大事。明日のFC東京戦。まずは選手の奮起を信じています。

 

 今回は,運動を兼ねて自転車で向かいました。荒井駅に地下鉄で行ったのは,うみの杜水族館に荒井駅からのシャトルバスで行った時以来ないなぁ。南北線沿線の太白区民からすると,荒井に地下鉄で行くのは,一本で行ける泉中央に行くよりも遠かったりします。距離的には近いのですが。

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