泉区

2024年6月 2日 (日)

新築移転 仙台厚生病院へ

 ゴールデンウイーク明けに、市内上杉エリアの旧東北大学農学部(雨宮キャンパス)跡地へ、仙台厚生病院が移転新築開院しました。

(注:6/2 写真を追加し、内容を追記の上、東北大学青葉山新キャンパスの記事を分離しました)

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仙台厚生病院移転開院

 病床数は、広瀬町の旧病院と同じ409床ながらも、病室の全てが個室となり、駐車場も従来の3層自走式立体駐車場(200台)から、平面で400台と、収容台数は倍増しました。平面駐車場は南と北に分かれており、北の方が広め。ただ、以前は立体駐車場で雨の日などは殆どぬれずに病院の建物に入れましたが、動線としてちょっと長くなりました。なお、診療を受けた際の駐車場料金は300円(以前は200円)。

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 公共交通のアクセスも、旧病院と変わらず至近の幹線道路(北六番丁通)にバス停(堤通雨宮町)が設置され、東仙台営業所や鶴ケ谷団地方面の市バスが利用可能で、従来の八幡町、愛子方面からの利用者も、北四番丁駅前のバス停でカバーしています。

 そもそも、地下鉄駅からのアクセスは格段に向上し、これまでの北四番丁駅徒歩20分程度から徒歩6分程度に劇的に短縮しました。

 仙台厚生病院は、約10年前の県内への医学部設置構想に乗って東北福祉大や東北学院大学と組んでの附属病院化を模索しながらも組み合わせに迷走し、宮城大学栗原キャンパス構想を経て、最終的には当時の東北薬科大学が採択された経緯があります。その後、病院の土地建物をリースバックの形で病院運営していましたが、仙台都心部の総合病院として生き残っていくために、イオンモールやマンションを中心とする9.3haの複合開発地の約半分の敷地を活用できるより良い立地条件の場所に移転することとなりました。

 雨宮キャンパスの再開発については、先陣を切って野村不動産の「プラウドシティ仙台上杉山通」、続いて住友不動産の「シティハウス堤通雨宮町」と合計400戸規模の中層マンションが分譲済で、マンションに続き仙台厚生病院が立地します。

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なお、土地を東北大学から購入したイオンモールのSCは来年秋の開業に向けて着工したばかり。

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イオンモール開業段階で、移転構想段階から20年近く経過することとなりますが、中心市街地に近接した最初で最後の以上のまとまった面的な再開発となりました。

厚生病院の内部へ 

 先日、病院に用があり、初めて中に入りました。

中に入ると、広々とした吹き抜けのロビーがありました

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ホワイトと木目調の落ち着いたデザインです。

主な診察のフロアは1~2階。3階は手術室、4階にレストラン、5階以上は入院病棟となります。

各診療科の受付書類を挟むクリアファイルの裏面がに、平面図がついており、移転後初めてながらも分かりやすかったです。

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1階には病院にはよく入っているローソンが。

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 なお、以前にあった七十七銀行のATMは廃止され、ローソン内のローソン銀行ATMを利用する形になります。

以前2階にあったレストランは4階へ。ラーメンやうどん、どんぶりもの、定食など、選択肢は豊富です。ガラス張りで明るい印象でした。Img_9612_20240601234501Img_9618

 そして、屋上庭園に面し、南側の県庁、ドコモビル方面の眺めも良かったです。なお、屋上庭園は訪問時はまだ閉鎖されており、屋内からの撮影です。

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 なお、再診の受付も、支払いも機械化され、スムーズに。診察券を入れると自動的に受付してくれます。

 また、診察待ちの状況や薬の準備具合も大型モニターに受付番号が表示され、分かりやすくなりました。

とにかく、以前は混雑しすぎて座る場所がなく、立って待つことも多かったことと比較し、診察待ちスペースが広々としてストレスをあまり感じることはありませんでした。

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総合病院移転新築の流れについて 雑感

 この10年、仙台市では総合病院の移転新築が続いています。

 10年前の2014年には、仙台市立病院(若林区清水小路⇒太白区あすと長町)、2019年に仙台医療センター(宮城野原内で移転)、2021年にJCHO仙台(青葉区台原⇒泉区紫山)、2022年に仙台徳洲会(泉中央駅西側⇒駅東側の高玉町)が移転しました。

 これだけ主要な病院が建て替えをしていると、残された病院としても設備の高度化を進めて行かないと、患者獲得に後れを取り、経営的にも経ちいかなくなる不安が出てくるのでしょう。もちろん病院の新築サイクルは30~40年なので、そのサイクルでやむを得ず移転した病院が大部分ですが、この厚生病院はまだ30年経たない中で、東北大雨宮キャンパスの移転に伴う再開発に参加する形で早めの移転にこぎつけたのは、そういうライバル病院との競争から、より街中に近い一等地への移転を決断したものと思います。民間ではないにせよ財団法人という経営形態から、そのような判断をしやすい面も。

 一方、現在県が進めている4病院移転は、公営もしくは公的な性格を持つ病院で、全て築30年を超え、日赤病院と労災病院は40年を超えており、いずれにせよ建物や設備の更新は必要な時期となっています。とはいえ、公的な病院としての重要性はあれども、公的であるだけに、昨今の緊縮財政もあり、そのままの建替えは難しい状況であることは認識しています。

 公的病院は政策的に必要な分野を優先し、民業圧迫しないようにという原則があり、その点県立がんセンターと日赤病院の統合移転は、名取以南の総合病院の少なさという、地域的な医療資源のバランスを整える意味から、進めても良いものではと考えています。


 そもそも、日赤病院は現在の福祉プラザの場所にありました。市立病院が現在のタワービルの場所から昭和55年に東北学院大学五橋キャンパスの場所に移る際に、道路向かいの目の前にあった日赤病院を仙台市が八木山の市有地に追い出す形で移転されられた経緯があるようです(病院HPから)。そして、現在の日赤病院は、あすと長町へ移転した新市立病院に患者を取られ経営難になったという因縁もあります。地下鉄東西線もモノレール計画の時には日赤病院付近駅が設けられるはずが、手前の動物公園駅までになってしまったことで、日本赤十字社としては仙台市に良い思いはしていないでしょう。


 なお、その日赤病院はかつては県立病院でもあった(仙台赤十字病院併設県立仙台病院)という背景もあり、県の求めに応じて県立がんセンターとくっつくのは先祖返りというか自然なことかもしれません。国道4号バイパス沿い、館腰駅からも遠くはなく、東部道路の名取中央スマートインターにも近接しているので、アクセス的には十分な場所にはなります。進め方は強引とは感じていましたが、協定も締結され、淡々と進められていくでしょうね。

 一方、労災病院の富谷移転は、労災病院と新厚生病院が直線で1㎞ない位近くになってしまったこと、老朽化が進んでいることから移転は必要になるでしょうが、名取からの県の精神医療センターの移転を合わせ技にしたこと、公共交通の便の悪い場所に無理やり移転させる形になり、医療スタッフも十分に移ることができない場所であること、そして、富谷市に総合病院はなくとも、近接する泉区に2つの総合病院(JCHO,徳洲会)が近年移転新築され、その点が無視されていることから、この計画については賛成はできません。

 いずれにせよ、高齢化による人口減が進み、急性期患者の減少とともに、医療スタッフの確保も難しくなることから、医療の世界だけを聖域として守っていくことはできないでしょう。

 それにしても、病院に限らず公共施設の再編の際に必ず出てくる県と仙台市の争い。本来は県と市で協議しながら進めて行く話であり、それができないのは残念ではあります。


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2024年2月25日 (日)

宮交バスも10月から適用!「せんだいバスFREE+」

せんだいバスFREE+10月誕生

 学都仙台フリーパスとして、市交通局の地下鉄とバスを対象に乗り放題のフリーパスが発行されていながら、泉区の住吉台・南光台以外の大部分や太白区の国道286号方面など、宮交バスオンリーのエリアも広く、不公平感は否めませんでした。特に泉パークタウン方面や、太白区でも八木山エリアの西の平経由など市バスから宮交へ移管されたエリアを利用する学生は釈然としないでしょう。泉パークタウン方面は運賃も高く感じ、負担感が大きかったところ、先日、仙台市から宮交バスも利用対象となる「せんだいバスFREE+」が発表されました。

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過去記事

 

価格は月8000円

 既報の通り宮交のみのフリーパスは設定されず、市バスと宮交バスの両方に乗車できて中学生以上は月8000円と思ったより抑え目の金額にしてきました。8千円〜1万円の間と予想していただけに、市バスのみだと5940円なので、プラス2000円で宮交バスにも乗れるというのは、十分に恩恵を感じることができる価格です。

販売価格
有効期間 大人(中学生以上) 小児(小学生以下) 福祉割引
1カ月 8,000円 4,000円 5,600円
3カ月 24,000円 12,000円 16,800円
6ヶ月 48,000円 24,000円 33,600円

 概ね250円区間で定期代が8000円を超えるので、宮交区間だけ乗車する場合でも安くなるだけでなく、市バスにも乗車できることで、実際定期代を負担する親にとってだけでなく、学生にとっても、バス沿線には行き放題で行動範囲が劇的に広がりますし、自転車だと可能性の高い事故も無くなるし、寒い時や暑い時も快適に移動できることから、万々歳でしょう。

新たな学生フリーパス制度の内容
項目 内容
券の名称 せんだいバスFREE+(フリープラス)
券の仕様

学生・生徒・児童が路線バスを乗り放題とする定期乗車券

(IC乗車券イクスカで発行)

対象事業者 宮城交通及び仙台市交通局
対象区間
  • 宮城交通の仙台市に関わる路線(乗車停留所又は下車停留所が仙台市内であれば、乗り放題対象)
  • 市バス全路線
 ※高速バス、観光シティループバス、楽天シャトルバスを除きます
対象者 対象学校等に通学する学生・生徒・児童(一部専門学校等も含む)
 ※仙台市外にお住まいの方も購入が可能です

 特に、宮交区間は300円以上の遠距離区間も多く、仙台駅から宮城学院でも390円、虹ヶ丘の生活文化学園高・大は350円、宮城大学の太白キャンパスは510円、大和キャンパスまでは700円を超えるなど、沿線の高校・大学への通学負担が軽減されるとともに、当然沿線から仙台駅などを経由して地下鉄沿線の学校への利用にも利用可能であり、宮交沿線学生及び親としては助かります。

仙台市外への利用も対象に!

 それに、特筆すべきなのは、仙台市内の区間に限らず、始発着地が市内であれば、周辺市町のバス停まででも使えること。例えば名取市の尚絅学院大までの利用も対象になるし(仙台駅、南仙台駅西口や長町駅、長町南駅からも)、富谷市や大和町の学生が泉中央駅まで乗車する際も利用できるようです。何と大盤振る舞いなことか!最も恩恵を受けるのは、大和町の吉岡から泉中央駅まで利用する学生か。

 なお、気になるのは、市バスのフリーパスにはある地下鉄とのセット割引。

 現在の制度では、市バスのみで5940円で、地下鉄(南北線or東西線)を加えると8300円と2360円追加で乗れますが、今回のせんだいバスFREE+に地下鉄セットというのは発売されないようです。必要であれば、従来の地下鉄のみのパスと、今回のせんだいバスFREE+を両方購入ということになりそう。

項目 内容
イクスカ1枚で発券可能となるもの せんだいバスFREE+と、地下鉄通学定期や宮城交通高速バス通学定期等が1枚で発券可能
 ※仙台市交通局の学都仙台・地下鉄フリーパスやJR通学定期は、組み合わせできません
利用開始時期(予定) 令和6年10月1日

 実際、宮交のパス購入者は追加料金を要する地下鉄乗り継ぎを避けて仙台都心部までバスで行く傾向が強くなるでしょう。特に宮城大学の大和・太白の両キャンパスは。そうなると市交通局にとってもマイナスになるので、追加料金設定で地下鉄にも乗ってもらえる選択肢を設ける方が良いと感じます。

 都心直通便が比較的多く、泉中央駅行きも多く出ている大和キャンパスはともかく、都心直通が限られ長町駅行きが多くを占める太白キャンパスは特に、強制的に地下鉄乗り換えになってしまう。

行政としての宮交バス支援の側面

 色々書いていてふと思ったこととして、仙台市としてバス路線維持のための補助金代わりの施策という面もあるのではと。利用率が低いバス路線にじゃぶじゃぶ補助金を出しても、バス会社にとっては麻薬的なものとなり、乗車率を高めるインセンティブも働かず、行政にとっても補助金垂れ流しになってしまう。


 その点、この学都フリーバスへの宮交追加については、

  • 学生のバス利用促進という面で乗車率も上昇
  • 利用者が増えれば、パス売り上げの分配金で宮交にも収入が入る
  • 仙台市としても単なる赤字補填の補助金垂れ流しにもならず路線維持にも寄与
  • 市地下鉄や市バス沿線と比較し宮交バス沿線が冷遇されているという批判への対応
  • 学生やその親にとっても、通学範囲や交通費負担が小さくなる
  • (自転車やバイクからの代替であれば)交通事故のリスク減少

と、よく考えられた案なのではないでしょうか。

公共交通の利用促進効果

 もちろん、宮交にとって、遠距離利用者から得られていた定期代が上限月8000円のうちの分配金のみにはなるため、利用者が増えても宮交にとって減収にならないような補填金という形になり、劇的な増収にはならないにせよ、若いうちから公共交通を利用する習慣付けがなされ、特に最近は車を持たない or 持っていてもうまく使い分けをしている若手世代が増えているということを職場でも実感しています。車の維持費を嫌ってというか、ほとんど車庫に置きっぱなしにしているのに単純にコスパが悪い、使う時にレンタカーやカーシェアを借りた方が良いと。生活に余裕がないということもあるのでしょうが。

 車の保有自体がステータスという時代は過ぎ去り、目的に応じた用途を購入するか、単に通勤・買い物手段として割り切る(コンパクトカー、軽自動車)と、二極分化しているように感じます。

 我が家も車の購入費(10年乗る仮定)や維持費だけで、ガソリン代を除いても年間50万程度かかるのは必要経費と割り切るしかないと思いながら、改めて考えると高いなぁと思ってしまうし、世の中には複数台所有している家庭も多く、正直すごいなぁと思います。通勤での利用や、子育て世代では突発的な対応での送迎の必要性などで、手放せないケースが多いにせよ、少しでも公共交通が利用の選択肢に入る方が増えて行く方が、社会全体として健全と感じます。

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2024年1月20日 (土)

激変 泉区の商業環境(その2)間もなく閉店アリオ&泉中央の行方

新年初めての記事となります。

 新年早々、能登半島に大地震と津波という大災害が発生し、それに加えて羽田空港での航空機事故。直接被害を受けている訳でなくとも、色々と気持ちが掻き乱され気持ち的に滅入ってしまいそうになります。今回の能登の震災は、地形的に隔絶した半島という過疎地域で起こったことで、支援も入りづらいという厳しい状況かつ度重なる強い余震が続き、東日本大震災よりも被災範囲は狭いにせよ、ある意味では厳しい状況に置かれている地区も多いように感じます。

 冬の寒さが厳しい北国で発生した大災害。3月に発生した東日本大震災を思い出しますが、避難所の過酷な環境を耐えしのばなければならないうえ、被災した住宅の片付けなど、何重もの苦しみを感じることに。自分にできることは限られますが、募金を含め少しでも力になれればと思います。

 自分事でいろいろとあり中々筆が進まず、2週間越しの記事となります。

1月末で閉店 アリオ仙台泉

 先日泉の蔦屋書店とイオンタウン仙台泉大沢に行った帰りに、泉中央に寄りました。

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 昨年4月にも記事にしていますが、アリオ仙台泉は、1月末閉店に向けて店によってはセールが始まっていました。


過去記事


 入り口部分には、閉店および感謝を表す掲示がありましたが、間もなく閉店してしまうことに、実感が湧きません。

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 食品スーパーのヨーカドーについては、いつものように周近隣の住民、そして周辺の住宅団地の方にとってはバスに乗る前に,買い物ができる非常に使い勝手が良いスーパーとして30年ちょっと当たり前のように存在してきました。

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 仙台一号店として話題になったバーガーキングも閉店で、移転先は泉区とはいえ青葉区との境目のブランチ仙台とのこと。

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 隣のセルバ食彩館もデパ地下風の専門店の集まりで賑わっていますが、あくまでもスーパーのヨーカドーを補完する役割であり、ここだけで用が済むわけではない。なので、早めにグループのヨークベニマルが継承するなど、スーパー機能は再開して欲しいところ。まぁヨークベニマルは泉中央駅周辺だけでも、市名坂、将監、八乙女真美沢、野村、上谷刈とドミナント展開していることから、この立地を継承することに障害はないでしょう。まぁ、他の面白い展開としては、ロピアがヨドバシ第二ビルに続いて出店することがあれば話題性に富むし、集客マグネットとしては効果的だなぁとは思ったりもします。

 博多ヨドバシに出店したロピアも、続いて福岡市周辺に4店舗出店するとの話ですし、物流上飛地出店のデメリットを解消するために、仙台近郊への出店は考慮しているはずなので、根拠がある訳ではないですが、このくらいの話題性のあるテナントが出店すると良いなぁと。

一方上層階は。。。

 専門店が集まる4階。ロフトが閉店セールしていましたが,泉周辺への再出店はないとの話で、仙台は駅前の大型店仙台ロフトとララガーデンの小型店長町ロフトの2店舗体制になるようです。その他のテナントも、タワーレコードもこのCD不況のご時世で再出店するとは思えず、くまざわ書店も、連絡通路で繋がるセルバに八文字屋書店があることから、あえて再出店は考えづらい。

 そもそも、セルバ側も順調という訳ではなく、アリオほどではないにせよ多少空きスペースがあり、全てフロアが埋まっているわけではない。GUの大型店でフロアを埋めていたり。

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 仙台の郊外駅前で唯一と言って良い首都圏郊外のような複数の商業施設が集積するこの泉中央にしても,同じ北部エリアで北環状線沿い、パークタウンの寺岡(タピオ・プレミアムアウトレット),富谷(イオンモール)と泉大沢(イオンタウン・ムサシ・家電店),市名坂(ヨークタウン)や4号バイパス沿い、そして新利府のイオンモールと競争が激しい中で、泉中央のカバーする範囲が徐々に削られてきたこの30年間。

 かつては泉中央エリアに、敵なしと言われたダイエー泉店がありましたが、泉中央のヨーカドー・セルバ、富谷のイオンモールなどの出店で包囲され、2005年に閉店し、その後は西友が出店したもののジリ貧で建物ごと閉鎖となり、その跡地はカインズホームと三井不動産が運営するスポーツ施設のFANTEとなりました。ダイエー別棟時代からのスケートリンクである現アイスリンク仙台はなんとか残っていますが、泉区エリアの新規住宅地開発もパークタウン朝日地区以外は止まり、高齢化が進み購買力も衰えつつある状況のなか、車を使用しない住民の拠り所として、泉区の中心である泉中央の果たすべき役割は大きい。


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泉中央はオワコンなの?

 泉中央エリアは、開発が始まってから40年、区画整理エリアの建物概成から20年程度経過し、新たな施設等を呼び込む空き地が限られています。駅西側の飲み屋街にはコインパーキングとして使われている貴重な未建築地は点在していますが、分譲マンションも数年に一棟というペースで、新たな住民層を呼び込むことができず、賃貸住民による入れ替わりはあるにせよ、成長余力のある長町エリアと比較して、泉中央は終わった街という見方もされてます。でも、その見方は一面的で、現在は成長の踊り場ではあるにせよ完成度の高いコンパクトなエリアであり、その点で長町はまだまだ及ばないと思っています。

 


過去記事


 長町は駅4つ(長町、長町南、長町一丁目、太子堂)を擁している分、長町南駅には区役所とザ・モール、ララガーデン。長町駅エリアにはIKEA、やゼビオアリーナ、ヨークタウン。長町一丁目駅には市立病院。太子堂駅エリアにはヨークと生協、ヤマダデンキと核的な立地施設が分散し一箇所では用が済まず、歩きでの行き来には遠すぎ、バスもあすと長町側は利用し辛く、クルマや自転車での移動を強いられる点が欠点でもあり、一方密度が低く車社会に適した面的な展開となった点は、結果論としては今の社会にマッチしています。


 

 アリオ4階の空きフロアにて、これまでの泉中央そしてヨーカドー時代からアリオ転換、そして閉店までの写真展を開催していました。

展示物自体は写真撮影禁止とのことで、入り口の案内のみ。

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 田んぼの真ん中にポツンと位置していた旧泉市役所、区画整理が行われグリーンフェア仙台が開催された1989年、そして1992年の地下鉄泉中央駅延伸とヨーカドーオープン、1997年の仙台スタジアムオープン、99年のセルバオープン、2011年の東日本大震災の影響、2013年のアリオ転換によるリニューアル、2015年のセルバテラスオープン、そして今に至る40年以上の泉中央の変遷をじっくり味わうことができました。

 旧泉市が仙台市に合併された際にの合併建設計画に沿って、旧泉市時代からの役所とイズミティ21に加え、地下鉄延伸と駅ビル、図書館・子ども科学館(現在は閉館)、健康増進センター、警察署と公共施設を中心に駅周辺にコンパクトに集積し、そしてベガルタの本拠地となった仙台スタジアム(現ユアテックスタジアム)も整備されたことも泉中央の街にとって象徴的なものでした。

泉中央エリア再整備の芽

 今回のアリオ閉店は、ヨーカドーとしての開店から30年余ですが、30年は一世代に相当し生まれ変わる周期としては適切なタイミングではと。現在、建設から40年以上経過した泉区役所の建て替えと再整備が計画されています。

 計画では区役所の建物は西側に寄せ、泉中央駅とを結ぶ地下通路により直結させ、広場を挟んで東側には金融機関(東北労金)の本店オフィスや賃貸住宅を中心とした内容で三菱地所グループにより提案され、仙台市により採用されました。

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 泉中央の課題となっている分譲マンションの新規供給がなく高齢化が進んでいる点に対し、ここを分譲マンションにするのは一時的な対処療法であり、公共の敷地を活用することから、若い世代を対象とした住民の入れ替わりが行われる賃貸住宅の導入というのは着眼点が良いと感じます。

 また、東北労金の従業員(市の基本計画資料では数百人とあります)が新たに集まることにより、ラッシュとは反対方向の地下鉄南北線利用者にもプラスになりますし、周辺飲食店への昼食需要、そして夜の飲み需要の底上げにもつながります。

 なお、次点はセルバやアリオの大家である住友商事で、シネコンなどを含んだ計画提案だったようですが、落選となっています。


 泉中央といえば住友商事という存在ですが、特定の企業にあまりにも依存するのはリスクでもあり、街の多様性からも、泉パークタウンのデベロッパーである三菱地所の選定というのはバランスが良かったのではと感じます。長町南の市有地借地コンペでも、モールを運営する東特エステートのザ・モールPART3の提案が落選し、現在のララガーデン運営企業の三井不動産が選ばれたということに通じる仙台市のバランス感覚を感じるところ。

 住友商事としても、アリオの撤退から、泉中央駅前の3商業施設の再構築に注力せざるを得ない状況となったこともあり。そもそも区役所敷地に住商がシネコンを提案するのであれば、長年構想があったセルバテラスの場所に導入するべきだったし、ちょっとちぐはぐ感が否めないと感じました。結果的にアリオが撤退し空きビルとなることから商業床としてはセルバテラス分は過剰だったとも言え、結果論ですがちょっともったいない。アリオの上層階をシネコンに改造できればと思いましたが、まぁ構造上無理でしょうし。

過去記事


 また、セルバ南側の駐車場となっている土地を購入したミヤギテレビは、2030年以降に日ノ出町からの本社移転を予定しており、就業者数はKHBが150人程度だったことを考えるとそれほどは見込めませんが、東北労金と併せて数百人の新たな就業人口の増加となること、そして目の前のペデストリアンデッキを活用したイベントや中継も行われ、泉中央の情報発信がコンスタントに行われることを考えると、このエリアを底上げする有形無形の効果は大きいのではと。


過去記事


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 さらに、昨年10月末に明らかになった、大衡村第二中核工業団地内への台湾半導体ファウンドリーPSMCとSBIの合弁企業としてJSMCが2027年にも操業開始というスケジュールで進出することとなっています。国からの補助金もどうなるのか未確定で要望中という心配要素もありますが、県もこのチャンスを逃すまいと既定路線として進めている印象です。


過去記事


 これはトヨタ東日本や東京エレクトロン宮城という進出企業が黒川郡内に立地していることもあり、現在でも泉区役所周辺に集まる送迎バスが一日120便とのことで、この送迎バスを再整備後の区役所敷地内で乗降させようという三菱地所グループからの提案もありますが、JSMCの進出後はこの台数がアップする可能性が高く、台湾からをはじめ、高いスキルを持つ技術者の住居としては、教育水準の高さや仙台駅とのアクセスの良さもあり、まずは泉中央の賃貸住宅が拠点となり、ここからバスで送迎という形になるのではと。

 そうなると、現時点でこそ、学院大泉キャンパスの閉鎖やアリオ閉店、そして周辺住宅地のオールドタウン化(泉区の人口減拡大)というマイナス要素が大きく意識されている状況ですが、このようなプラス要素も数多く存在しています。

セルバ・セルバテラスを含めた一体化リニューアルを

 今回閉店するアリオについては、専門店ビルセルバとセルバテラスの2館に挟まれた建物であることから、セルバの延長としての専門店ビルとし、2階のペデストリアンデッキや1階の泉中央おへそ広場を介して3つの建物をより一体化したショッピングモールとして再生する方向で活用してもらえればと。ただ、今もですが、冬や夏の厳しい気候の時期、そして雨の日などは、相互の移動が厳しい。セルバと閉店するアリオ間は上層階の通路で結ばれているけれど、セルバテラスとの間はやはり行き来がしづらいのが難点であり、理想を言うとおへそ広場部分を3つの商業施設をつなぐリングとして屋内空間にできればと。ただしデッキ下のおへそ広場は公共空間ではあり、現時点では難しいでしょうが、泉区役所横に区民広場機能が設けられることから、このおへそ広場の機能を移すこともありかなと。

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 3施設合わせて商業床で3万5千㎡と、ザ・モール長町の本館に匹敵する規模の商業施設の集積であり、減少しているとはいえ一日2万人以上の乗降がある泉中央駅前の商業施設であることから、一体化して規模を確保した形での再生が望ましいところ。ただ アリオ(2万㎡)は、セルバとセルバテラスを合わせた床面積(1.5万㎡)よりも大きいことから、それを埋めなくてはならないため再生のハードルは高い。 また、駅前だからといえ地下鉄やバス利用者や周辺住民だけでは成り立つ規模ではなく、ある程度クルマで周辺住宅地からの集客も図る必要がある中で、駐車場の無料時間の設定に工夫が必要かと。現在は1時間無料で、2000円以上の買い物で最大3時間まで無料になります。長く滞在してもらうためには、長町モールのように3時間無料だと安心して買い物できますが、この駅前立地でここまではできない。それにベガルタの試合時に無料駐車場として使われてしまうのはまずい。よって基本的に無料時間を2時間に設定し(ベガルタ試合時は長町ゼビオアリーナ周辺のように特定日として無料時間を1時間に)一体の商業施設として今後周辺の競合商業施設(タピオ、イオンモール等)に対して戦っていくためには、クルマ客のハードルを下げることも必要になってくるのではと。ただでさえ常に渋滞が激しく混雑している泉中央エリアにクルマを集める施策はやりづらいところはあれども、ここまでしないと一体の商業施設としての再生は難しいという印象です。

 


関連リンク


 仙台市として、都市の顔である都心部の活性化は当然必要ではある一方、南北の拠点であり、区の中心である泉中央と長町は、地下鉄で都心と短時間で結ばれており、都市機能を役割分担する意味でバランス良い機能集積と拠点機能の維持が必要です。

 そのため、アリオは閉店となりますが泉中央はここが踏ん張りどころで、ここを乗り切れば仙台の中でまた注目される存在になると思っています。

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2023年12月31日 (日)

激変 泉区の商業環境(その1)蔦屋書店仙台泉店移転&復活なるかイオンタウン泉大沢

 泉区の商業環境としては、泉中央駅前のアリオ仙台泉が年明けの1月に閉店というニュースで、泉中央vs周辺(パークタウン寺岡・泉大沢・富谷) の商業戦争は泉中央劣勢とみられがちですが、そもそも泉区・富谷市エリアの高齢化と人口停滞が生じていることから、勝ち組はおらず、消耗戦に入っているように感じます。

 それを象徴するような商業施設を取り上げてみます。

1.蔦屋書店仙台泉店再訪

約10年前に富谷との境に位置する仙台市泉区大沢の区画整理地にオープンした、蔦屋書店仙台泉店。

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 この蔦屋書店は、当時東京の代官山にオープンした代官山蔦屋書店や、佐賀県の武雄市に続くTSUTAYA図書館導入に賛否が分かれていた多賀城市図書館が話題になっていた時期でもあり、新潟資本のトップカルチャーと経営主体は異なるとはいえ、同種の店舗が進出することとなり、それも県内最大の蔵書80万冊の衝撃とともに、レンタル・雑貨・カフェとの複合店舗を2フロアに展開し、本や雑貨好きにはたまらない空間が誕生したことに、興奮したものでした。


過去記事

 その後2017年に、太白区富沢西の区画整理地に開発された商業施設「アクロスプラザ富沢西」内の、ヨークベニマルと並ぶ核店舗として、仙台での2店舗目としてオープンしています。トップカルチャーとしては、仙台泉店オープン時点で仙台圏で5000㎡クラスの店舗をあと2店舗ほど出店したいとの意向を示していましたが、現時点では泉と富沢西で打ち止めとなっています。


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2.仙台泉店がイオンタウンへ移転

 その仙台1号店である仙台泉店が、1月末で閉店となると聞いて、現在の状況を見に行ってきました。

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 東北道を挟んですぐ南東側のイオンタウン泉大沢内に移転するとの案内がありましたが、中に入ってみると、噂には聞いていましたが、2階の雑貨やレンタル売場が閉鎖され、1階に集約されていました。

 フロア図によると、右上のおもちゃ関係と右下のタリーズコーヒーの位置は変わっていないものの、中央下部分にレンタルが移っており、その周辺に雑貨が展開という形になっていました。

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 雑貨売り場も、このオフシーズンの時期にアウトドア用品が漫然と並んでいるなど、移転前ということを差し引いても、現在の置かれている状況を感じることができました。

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書店部分については、オープン当初の80万冊の物量で殴られた衝撃は完全に薄れ、現時点の蔵書数は不明ながらも半分以下に減っているような感覚でした。なお、移転先のイオンタウン泉大沢店では、30万冊の蔵書とのこと。まぁ、縮小しても、この程度あれば泉エリアでは十分な競争力を他保つ蔵書数ではあります。

 訪問したのは、土曜日の10時過ぎから13時半頃まで。タリーズコーヒーでモーニングセットを頼み、2冊ほど読みました。

 午前中ということ、移転前という状況もあるかもしれませんが、普段使っている富沢西店と比較しても正直店内が閑散としており、この状況ではテコ入れが必要というのも頷ける状況でした。オープン後あれほどイモ洗い状態だった絵本・おもちゃ売り場が無人の空間で、絵本もプレイコーナーも荒れているというか正直厳しい。。。

 そもそも、この巨大複合書店は、現在大衡村への半導体工場に関わっておりホットな SBIグループが、震災前に開発した商業施設で、テナントが入らなかったために、2フロアを活用した実験的な展開ができたのでしょうが、場所は悪くないにしても規模を持て余し、店舗縮小して魅力ダウンという負のスパイラルから抜け出せなかったのか。そのオープンからちょうど約10年で、テナント契約の期限が切れるタイミングでの移転閉店となったのでしょう。

 上階は、クリニックモールとなっていましたが、今回退店する1階の後釜はどうなるのかな。正直人口頭打ちでオーバーストアのエリアであり、まだ建設後十数年の建物ですが、単なる商業用途での活用は厳しのではと。

 やはりこのエリアに来て感じるのは、イオンタウン然り、ホームセンタームサシ、家電店(ケーズ、ヤマダ)、スパメッツァ仙台(旧龍泉寺の湯)など、巨大な店舗が立ち並んでいる反面、回遊性に難があり、疲れる空間であること。今回はバスで行ったのですが、蔦屋書店とイオンタウンを回ってお腹いっぱい。徒歩で回遊するエリアではないことは当然承知の上、クルマだってハシゴする気にはなれないスケール感ということ。

3.移転先のイオンタウン泉大沢へ

 ※一部写真を追加しました

 高速道路を挟んで目と鼻の先で、徒歩3~4分のイオンタウン泉大沢へ。

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(1)自社競合極まれり

 北に1.6kmにイオングループの「イオンモール富谷」が位置している中、グループでの寡占化を図るためなのか、信じられない位置関係での出店を図りました。イオンモールの近隣にイオンタウン出店という事例は、イオンモール名取に南西1kmに位置する「イオンタウン名取」という事例もありますが、イオンタウン名取は旧ジャスコ名取店の建替えで、規模も2階建てながら明らかにスーパー+サービス機能という近隣向けの位置付けであるのに対し、イオンタウン泉大沢は、売り場面積2.5万㎡超と、来春着工のイオンモール雨宮(売り場面積2万㎡弱予定)よりも一回り大きい規模で、イオンモール並み。その近隣のイオンモール富谷の売り場面積約4万㎡規模と比較すると、”イオンタウン”故グレードは多少落としているにしても、箱としてはかなり立派なもの。しかし、大規模なSCが複数あるのは嬉しいかもしれませんが、両方のSCの商圏内の住民にとっては、同じイオングループの大規模SCが中途半端に分散しているイメージ。一か所に集まっていればどちらに行けば良いのか迷わなくてもいいのにという関係に思えます。

 この事例から感じるのは、それなりに大きなSCを中途半端な近隣に出店すると逆に双方マイナスになってしまう反省から、イオンモール新利府は、メインの新棟(南館) に地域住民向けの旧棟(北館)とを接続させ、一体の巨大SCとして見せるようにしたことが、現時点で成功とされている一因ではと。

 まぁ、この巨大なSC群を今後維持できるかは分かりませんが。そもそも仙台圏北部の商業施設のバランスが崩れる引き金を引いたのは、イオンモール新利府の無謀な出店。


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(2)核テナントはザ・ビッグとトイザらス

 手前の北側1階に、ザ・ビッグが入っており、それなりに賑わっていました。オープン当時はマックスバリューでしたが、イオンタウンなどの中規模なSCは価格志向で軒並みザ・ビッグに転換している印象。塩釜、鹿島台、多賀城鶴ケ谷、名取、柴田など。周辺のイオンモールやイオン本体の店舗との差別化なのでしょうが、ザ・ビッグが入っているSCは老朽化が進み、軒並みテナント構成が荒れている印象が。

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 ザ・ビッグ真上の北側2階端には一方の核店舗のトイザらスが。以前は山の寺にあった旧ジャスコ泉店跡のパワーモールに入っていたのが移転してきたもので、仙台圏北部では唯一の店舗となり、それなりに集客はあった印象です。

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 駐車場も1200台収容と巨大でありながらそれなりに埋まっている印象だったので、SC内の状況とのギャップを感じました。

(3)2階に蔦屋書店とダイソー複合店出店

この2つの核店舗に続く集客の核として期待される蔦屋書店が移転するのは、2階のフードコートの脇。Img_8634_20231230064101

そのフードコートも昼過ぎにも関わらず空席が目立ち、撤退済の飲食店スペースも。

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まぁ、幸楽苑にはなまるうどん、モス、サーティーワンと、本当にフードコートに必要最低限の飲食店が並んでいる印象が。

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そのフードコートのすぐ脇に蔦屋書店移転予定スペースがありました。

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■「蔦屋書店 イオンタウン仙台泉大沢店」店舗概要

所 在 地 :宮城県仙台市泉区大沢1-5-1(イオンタウン仙台泉大沢 内)

電話番号 :022-772-2011

営業時間 :9:00~22:00 (土日祝 8:00~22:00)

店舗面積 :2,864㎡(866坪)


 地域最大級の30万冊規模(450坪)で、ブックカフェとしてのタリーズコーヒーも100坪確保とのこと。売場自体は10年前にオープンした仙台泉店の1/3、現店舗と比較すると半分強程度でしょうか。おそらくおもちゃ・絵本売場部分はかなりの縮小になりながらも、書籍売り場は極力維持する印象。タリーズコーヒー部分は現在でもかなり広く、同程度を確保でしょうか。

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 なお、この蔦屋書店が出店する2階南側は、吹き抜けを挟んで両側が現時点で全て空きテナントというものすごい状況です。

 建物が築15年程度と新しいだけに不思議な印象ですが、仙台にも明るい廃墟モールが誕生したかという印象です。しかしこの状況は束の間で、3月にはこの吹き抜けを挟んで左側が蔦屋書店、そして右側にはダイソーグループの大型店が出店準備とのことで、この状況を逆手に取って、集客力のある大型店を集めて、起死回生を狙うのでしょう。

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 なお、ダイソーの既存店は南側端の1階にありますが、その既存店を2階に移転させるとともに、最近積極的に店舗展開しているSTANDARD PRODUCTSと、最近ヨドバシ第二ビルにも出店したTHREEPYの複合店舗となります。

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  この3店舗が集まるのは少なくとも県内では初めてでは。無印良品を研究したような商品を並べて力を入れているSTANDARD PRODUCTSは、仙台駅前でパルコ2、イオンモール名取および新利府と、競争力のあるSCを選んで出店してきましたが、今回のイオンタウン泉大沢への出店はちょっと異質。3業態の集積で話題性はあると思うので、この商業施設復活のきっかけとなるか?

(4)厳しい南側1階

 なお、現時点のフロアマップです。3層吹き抜けが標準のイオンモールに準じた2層吹き抜けモールで、曲線を描き先の店舗が見渡せるようにしているところは、本当に力を入れていたショッピングモールと感じます。

 ここにきたのは2回目(2015年頃?) でしたが、その当時はこの規模感でそれなりに賑わっており、成功しているモールという印象を持っていたので、今回の状況に驚きを感じました(2階の左半分が現時点で空き店舗であり、蔦屋書店とダイソーグループ複合店出店予定地です)。

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 2階の半分は埋めたとしても、1階南側などまだまだ空きスペースは残っています。現時点でマッサージスペースに使っていたり、がらんどうの空間があったり、正直これだけでは厳しいとは思います。現在のダイソーが2階に移転する跡も空きスペースになってしまいます。

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参考リンク

4・人口減少・縮小社会に向けて

 そうはいっても、このイオンタウン泉大沢SCは大きすぎてまだ潰せない。蔦屋書店を経営するトップカルチャーとしても、テナント契約切れのタイミングで、面積を効率化してSCのテナントに入った方が固定費を削減でき、”ついで来店”を見込めるし、イオンタウンにとっても広大な空きテナントを埋めることだできる。

 困った者同士で協力してという印象ですが、このようなことが今後も起こっていくのでしょうね。決して明るい話題ではないですが、何とかしていくしかない。このような郊外型SCだけでなく、泉中央、そして仙台都心部でもあり得る話。人口減少・縮小社会の負の側面を考えさせられました。

 なお、おそらく、今年最後の更新となります。今年のトップニュースは、何といっても6月のヨドバシ仙台オープンでしたね。また、閉店となるアリオ仙台泉をはじめとした大規模SC記事に多くのアクセスを頂きました。

 仙台市の人口も110万人を前に頭打ちとなりながらも、先を見据えた投資を進めて欲しいところで、停滞している都心部の再開発のうち、電力ビルや第一生命ビルについて動きが出始めるなど、今後に期待が持てる状況となったことは喜ばしいことです。

 新年の2024年も引き続きどうぞよろしくお願いします。

 

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2023年6月30日 (金)

ヨドバシ第2ビル 複合スポーツ用品店で再始動

 6月2日にオープンし、間もなく1か月を迎えるヨドバシ第1ビル。

 平日とはいえ、週末かつ月末、そして官公庁を中心としたボーナス支給日というのもあるのか、ヨドバシカメラマルチメディア仙台の新店舗はそれなりに賑わいを見せていました。

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 やはり、ヨドバシとエスパル東館や東西自由通路の並ぶこのアングルは迫力を感じます。

 確実に、人の流れが東口方面に変わってきていますね。

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 その中で、先月末までヨドバシカメラマルチメディア仙台旧店舗が1~3階に入居していたいわゆる第2ビル。

 ワンフロアが広く、3フロアで1。2万㎡以上が空き店舗になってしまい、行く末を心配していましたが、この第2ビル4階の一部に入居していたヨドバシ系列の石井スポーツとアートスポーツが約5倍の売り場面積として、第2ビル1階に6月30日に移転拡大オープンしました。

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 売り場面積は2700㎡とかなりの広さに、約1000㎡を活用する新規出店のヨドバシゴルフと合わせて、4000㎡近くで1階のワンフロアを埋めています。スーパーのロピアがスーパーとしてはノーマルな1階ではなく3階への出店となりましたが、1階はゴルフ店も含めスポーツ用品で統一するということだったのかと一応納得。まぁ最も外部テナントを入れ辛い2階をグループのスポーツ用品フロアで埋めた方が良かったのではとは思いますが。

 ヨドバシ第1ビル側3階からのおなじみの連絡通路で第2ビルに入ると、このような案内が。

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 3階から1階にはエスカレーターで。途中の2階は白い壁で覆われ、入れない状態となっていました。

この写真は3階から2階。

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 2階から1階へ。

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 1階で振り返ったところ。

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豊富なキャンプ用品

 1階に降りたところには、広大なキャンプ用品売り場が。スノーピークもインストアで入っています。

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 テントなどの展示も豊富。

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 最近まで、テントで有名なOGAWAのストアがパルコ本館2階に入っており、入り口に近いスペースを贅沢にテントの展示に使っていましたが、7月17日に閉店し、21日に泉中央に移転するところ。

 逆に、泉区市名坂のヨークタウン内に4月9日まであった石井スポーツの仙台泉店がこのヨドバシ第2ビルの店舗に実質的に統合された形となりました。

 アウトドア用品といえば、長町モールのスーパースポーツゼビオ跡に、アルペンのアウトドアショップ「アルペンアウトドアーズ」が今秋に出店することもあり、仙台市内において、成長分野であるアウトドア大型店の出店状況が目まぐるしく変化しています。

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 東八番丁側の入り口には、芋煮会シーズンのコンビニのように、薪が積みあがっています。

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その他の品揃え

 季節外れながらも、スキー板が並んでいます。

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 テニス用品売り場には、試し打ち用のコートも。

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ヨドバシゴルフ出店

 これまで良く知らなかったですが、ヨドバシグループのゴルフ用品店があったんですね。

東七番丁通側の1,000㎡を使っています。

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 自分はゴルフはやりませんが、中々の品ぞろえです。

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 パターの試し打ちのスペースもゆったりと確保されています。また、写真は撮りませんでしたが、バーチャルでのゴルフ体験ができるブースが2つありました。

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 東七番丁通側の入り口です。

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残りのフロアの出店は

 既報のとおり、3階に今夏ロピアが出店するとのことで、おそらく第1ビル(仙台駅)側の半分弱程度のフロアを埋める形になるか。

 コストコのような安さと量が目玉のようで、周辺住民だけでなく、人気が出そうです。

 ただ大量に購入する場合クルマでないと持ち帰りが厳しい。駐車料金サービスの水準がヨドバシカメラの3000円で1時間無料に合わせてになるので、スーパーだけだと、ちょっと使いづらいかな。ヨドバシとテナントで買い物額の合算ができるのは良かった。また平日に普段使いする場合は、ヨドバシのクレジットカードを作ると1時間無料になるので、それを活用するのもありですね。

 残りの、3階の半分及び2階全フロアは現時点で新たな情報はありませんが、1階の全フロアと3階の半分に目途が立つと安心できます。

 あとは医療モールなど中途半端なテナント集めはして欲しくないので、気長に続報を待つこととします。

 また、7月にオープンする第1ビル1階と6階の飲食店及びレストラン街も楽しみです。


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2023年6月18日 (日)

未来の杜せんだい2023閉幕&仙臺緑彩館

4月26日から約50日間の会期で開催されていた、都市緑化フェア「未来の杜せんだい2023」。

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 開幕は雨のスタートでしたが、閉幕の週末2日間は30度を超える好天に恵まれ、大賑わいの中あっと言う間に本日閉幕となりました。


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追廻地区という戦後の負の遺産を清算し、青葉山公園として生まれ変わるにあたってのオープニングイベントとして開催されたこの緑化フェア。

 主会場として青葉山公園と西公園で対になっており、青葉山公園は都心部に新たに生まれた大規模公園として、国際センター、仙台市博物館、そして仙台城跡を結ぶ要のような位置に整備されました。

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 七北田公園や農業園芸センターなど、市内各地でサブ会場が設定されていましたが、それらには行けませんでした。

盛り上がった前回に対し。。。

 仙台では、34年ぶり2回目の開催で、前回の1989年に開催されたグリーンフェア仙台も、七北田公園や泉中央副都心のPRイベントのような性格もあり、当時は八乙女駅まで開通した南北線とシャトルバスでのアクセスでしたが、政令指定都市移行や3年後の南北線泉中央延伸に向けて子どもながらもワクワクした雰囲気を感じたものでした。

 前回は87年開催で大成功を収めた未来の東北博に続く通常の博覧会的な位置づけだったような覚えがありましたが、仙台緑彩館に展示されていた前回開催のポスターには大人1200円という記載が。それでも100万人集めたというのは、当時のバブル期で政令市になった上昇ムードという社会的な雰囲気故なのでしょう。

 今回は無料入場で、目標入場者である100万人を先週突破したとのこと。しかし、どうやってカウントしたのでしょうね。

 何となく始まって、何となく終わったような。

 まぁ、今回のフェアの目的としては、都心部側のアクセスの良い西公園と川向かいで遠いイメージのあった旧追廻地区である青葉山公園付近を心理的に近づける効果があったのではと思います。

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青葉山公園メイン会場

 川向いの大手町にはライオンズタワーやレーベンのマンションが目立っているとおり、市街地から大橋を渡ったすぐ先の会場です。

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 フォトスポットガーデン。入れ替わり立ち替わり来場者が写真を撮っていました。

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 広大かつ見事な大花壇群でした。ただ、会期末、そして猛暑ということもあり、花々はちょっと元気がないように思えました。

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 広瀬川を挟んで向い側の花壇自動車学校が見える位置です。

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 正直、青葉山公園の会場は、せっかくなので行きましたが、暑くてさらっと回っただけでした。

西公園会場

 大橋を挟んでメイン会場の青葉山公園から徒歩5分ほどの場所に位置しています。

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 今回のメインの目的はこっち。 子ども連れにはこっちの方が。

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 木陰が気持ちよく、またアスレチック体験などの催事が行われていました。

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 東西線に乗車する時、この地上区間でついつい外を眺めてしまいますが、地上から地下鉄の地上区間を眺めるのは不思議な気持ちに。

たまたま、マスコットキャラクターの「フォレッピ」が会場を一周していました。

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 10~11時台の仙台駅から八木山方面は、車内に立ち客がちらほらいる位で、乗車率でいうと40%位でした。

自分が仙台駅から乗ったのは午前中増発の6分半間隔の時間帯でしたが、概ね同じ位で半分以下の乗車率でした。閉幕前の最後の週末にしては寂しい乗車率に感じました。

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 国際センター駅の「青葉の風テラス」はすぐそこ。大町西公園駅との駅間は本当に短いことが分かります。

 動物とのふれあいの催しも開催中でした。

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仙臺緑彩館の今後の活用は

 このフェアに合わせて整備された恒久施設であるこの仙台緑彩館。

正直、行くまでは良くわからないハコものだと思っていましたが、このエリアのビジターセンター的な役割を果たす施設なんですね。

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 館内は、カフェ、お祭り広場的な情報ラウンジ、ライブラリー、展示ホール、そしてトイレなどで構成されています。

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 観光の目玉としては、青葉まつりの山鉾や七夕飾りの通年展示でしょうか。

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 ライブラリースペースは、真夏日の休憩スペースとして活用されていました。

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 このフェア開催中は良いですが、フェア終了後に本来の目的である青葉山公園及び仙台城址方面へのビジターセンターとしてうまく活用されるのか。

 フェア期間中のGWと土日は、メイン会場から、フェア会場の大花壇を一望できる仙台城址までの無料シャトルバスが運行されており、立ち寄り拠点ともなっていましたが、本日でシャトルバスの運行は終了し、仙台駅発着で観光シーズンは常に激混みの「るーぷる仙台」頼みのアクセスとなりますが、現在は下図の赤点線ルートが通れないので、東北大青葉山キャンパス経由で遠回りのアクセスとなっています。

 又は、国際センター駅から、今回のフェア会場を横目に登り坂の青線ルートを20分。これからの夏の時期にこの登り坂ルートは厳しい。

 史跡である仙台城址アクセスのために、リフトなどの人工物の設置はハードルが高いのでしょうが、青葉山公園を有効に活用するためには、ここが仙台城址への中継点となるような手段を検討する必要があるのではと。

 夜間帯も、夜景を楽しめるスポットとして有名になることも夢ではないように思えます。

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帰りの東西線は混雑!

 13時過ぎに、国際センター駅から帰途につきました。

 入ってきた車両は、座席が埋まるほどの乗り具合で、若い乗客が多かったので「東北大で何かあったのかな?」と思いながらも、八木山動物公園帰りの家族連れも多い。国際センター駅及び大町西公園駅からも、フェア帰りの乗車がそれなりにあり、大町西公園駅発車時点ではドア付近も座席前も肩が触れ合いそうな位で、1両でざっと100人は乗っており、7分半毎の時間帯でも乗車率100%程度と結構混みあっていました。

 行きが寂しい乗車率だったので、意外にも嬉しい混雑具合。

 その後青葉通一番町で乗車車両から2~30人程度が下車し、混雑区間は1駅で解消したにせよ、乗車率70~80%程度とそれなりの立ち客がいる状態で仙台駅へ到着しました。

 明日の平日からは、平日昼間と休日はほぼ7分半間隔に戻り、さらに7月1日からは平日昼間は8~10分間隔、休日は10分間隔に減便となってしまいますが、以前の記事でも触れているとおり、イベントなどで混雑が予想される際には臨機応変に増発を行って欲しいと思います。


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2023年6月 7日 (水)

札仙広福の人口密度比較 その3 北の200万都市!札幌編

 ヨドバシ仙台第1ビルオープン騒ぎの週末も終わったので、『札仙広福の人口密度比較 その2 サミット開催中!広島編に続き、北海道の富を独り占めする200万都市札幌編です。

 札幌へは、4年前に18年ぶりに訪問しました。その間北海道に行くことは3回ありながら行き先が函館のみだったり、新千歳空港からレンタカーで富良野などの目的地に直行したりして、札幌の優先順位が低くなってしまったのは、北海道の広さと観光名所の多さ故。

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 やはりその直近の訪問時でも、札幌への滞在は初日の夜から早朝までと最終日の午後のみで駆け足での滞在となったことから、札幌オンリーでまた行きたくなっています。エスコンフィールドもオープンしたし。

 まずは前回同様、比較用に仙台都心部の人口密度分布図を

今回も、にゃんこそば氏(@shinagawajp )の「人口密度 等高線マップ」から引用させて頂いています。

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まんべんなく高密度の都心部

  仙台と比べると、とても同じ縮尺とは思えないほど、地下鉄駅や市電環状線内を中心として真っ赤な高密度エリアが固まっており、その周辺に面的に8000人/㎢以上のオレンジのエリアが覆いつくしています。仙台で目立つ黄緑色は一部にとどまっているほど、平均的に高密度な市街地が広がっているのが分かります。また、仙台にはほぼない紫色の超高密度のエリアも、市電環状線内や地下鉄東西線の琴似駅、円山公園駅周辺に分布しています。

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 なお、都心部の市街地内に一部真っ白のエリアがありまあすが、札幌駅や桑園駅の北側は言わずと知れた北海道大学のキャンパスや札幌競馬場、札幌駅の南側は道庁をはじめとしたオフィス街と北大植物園で、街中であっても広大な緑豊かな空間が広がっています。また、大通公園も街のど真ん中に横たわっているほか、円山公園駅の西側は北海道神宮や円山公園などの憩いのエリアです。また市電エリアの南西には展望台で有名な藻岩山があり、都心部の程近くに緑あふれる空間が広がっています。

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信じられない人口激増

 札幌市の発展の象徴としては、昭和47年の札幌オリンピックを機に開発が進んだという印象ですが、それだけでなくその前後コンスタントに人口が激増してきました。

 昭和30年頃では当時の市域人口42万人と仙台市とほぼ同規模でしたが、そこから隣接した豊平町の合併の他北海道内から札幌への物凄い人口の一極集中が進み、昭和40年には10年間で何と2倍の80万人に、昭和45年には100万人の大台を突破し、オリンピック開催年の昭和47年に、福岡市や川崎市と同時に政令指定都市になっています。仙台では100万人へ到達するのに45年かかったのに、札幌はわずか15年と信じられないスピード。


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札幌市HPより引用】


 理由として、道内都市の跡継ぎでない次男三男が札幌を目指したこともありますが、産炭地の急速な衰退・閉山で夕張・空知などから流出した人口が札幌に向かい、人口ダム機能を果たした面があり。これは筑豊炭田の閉山での福岡市も似たような面があります。震災での人口流入はせいぜい数万人の仙台市と比較しても桁違いの人口流入が生じていました。

 また、東京に近く陸続きである東北は、仙台を経由せずに直接東京に移ることの抵抗は小さいのと比較し、北海道内で札幌に留める力は大きなものだったのでしょう。それは九州における福岡も同様。

 現在の市域人口だと、昭和35年の約60万人から昭和55年の140万人までの20年間で80万人増と信じられない激増ぶり。5年毎に平均20万人以上ペースで人口が増え続けています。

 さらに、そこから現在までの40年間で人口増のペースは落ちながらもそれでも更に50万人増加し、200万人に迫っています。

地下鉄の存在感の強さ

 札幌の地下鉄建設の際に、「熊でも乗せるのか?」という嫌味な大蔵省の役人が言い放ったという逸話がありますが、その時で100万人近い人口だった札幌に対して、何を言っていたのかという感想。確かに3大都市圏に続く地下鉄建設構想だったとはいえ、東京目線の見下す視点は気持ち良くない。


 その札幌の地下鉄が認められていなかったら、そのさらに後発で人口規模も小さい仙台市の地下鉄建設が認められる訳がなく、またはかなり遅れてしまっていたでしょうから、札幌には感謝しないと。


 札幌冬季オリンピックの前年に、第1期として整備された南北線の真駒内ー北24条を皮切りに、2000年までに南北線、東西線に続き、3本目の路線として東豊線までの48kmが30年弱で整備されながら、先行の南北・東西線は良い時期の建設だったのに対し、バブル期の高金利時期に建設した東豊線の債務や利子負担の大きさと、その後の南北・東西線の乗客が伸び悩んだことで、借入金を返済するのに精いっぱいとなり、構想にあった東豊線南進での清田区延長は現在まで着手に至っていません。最後の延伸が1999年の東西線琴似ー宮の沢間で、そこから24年間路線が変わっていません。少なくとも人口は15万人以上伸びているのに、既存の地下鉄やJR沿線で吸収しているために、沿線の人口密度が高まり続けた印象。また近年は都心部のタワーマンションが恐ろしいペースで建設され、裕福層を中心に都心回帰の様相も。

 地下鉄の利用者数も多く、コロナ前の乗車人員では計60万人超で、コロナ禍でのR3年度では計50万人を割っていますが、それでも仙台乗車人員の2倍を優に超える乗車人員で、その沿線は稠密な市街地が広がっています。


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Wikipedia 札幌市営地下鉄 より引用】


 特に人口密度が高いエリアとしては、大通から南東部の東西線と東豊線、南北線が密に3本平行している地区。

 札幌ですごいと思うのは、その高度成長期をはじめ近年を含めた激増した100万人以上の人口を、可能な限り旧市街地に近いところから順次進めた開発地で収容しようとしたところ。それは開拓地北海道ならではなのでしょうが、それらの住宅地は結果的に同時並行的に順次延伸整備された地下鉄沿線3路線6方面や、JR化前後に設置された10駅以上の新駅周辺を中心に開発しています。

 いわゆる駅から離れた住宅地群は、東豊線延伸が待ち望まれながら長年凍結されている清田区のエリアや、札幌駅から北東部の函館本線以北の鉄道空白地帯位で、そういった鉄道空白地帯や駅から多少離れたエリアもバスでカバーされ、最寄りの駅に接続している印象です。札幌市は、特に地下鉄ーバス乗り継ぎ割引が充実しているということも。

 地形が基本的に平坦で、開発可能地が広がっていたためとはいえ、それでも住宅地の地価水準が仙台よりも平均で安いというのは、交通の利便性や都市規模を考えると驚き。昔の話ですが、北大に行った知り合いから、札幌駅近くで家賃3万円が普通と聞いて驚いたことがありました。最近は上がっているにしても、冬季の暖房費を含めても住居費に関しては恵まれています。

 また、ホットなエリアとして、JR苗穂駅の駅舎移転にあわせた駅南北へのマンション林立も進んでいます。

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仙台のスプロール住宅地展開

 仙台市でも高度成長期の東北各地からの人口激増がありましたが、政令市化の時点で市域人口の約半分を占める40~50万人規模を鉄道駅から離れた丘陵部のニュータウン開発で収容せざるを得ず、地下鉄開業前では、市内の鉄道沿線の計画的な住宅地開発は限られました

 JR仙石線沿いは、昭和50年代新設の中野栄駅北側のエリア、JR東北本線は南仙台駅西側の西中田・柳生のエリア付近に留まり、その他鉄道駅付近での区画整理は行われませんでした。地下鉄開業を見据えてのものは、南端の長町南駅と富沢駅の間、そして北端の泉中央駅と八乙女駅付近で区画整理が実施された位で、このエリアは現在でも良好な都市基盤が残り、マンション適地の住宅地として人気を集めています。

 そしてJR仙山線の国見・北山駅付近は駅ができる前からの乱開発が進み、JR化を見据えた都市内交通重視の流れから新駅開設と増発が行われましたが、基本的にニュータウン型の住宅地は軒並み駅勢圏外で、特に仙台市北部は北環状線の内側がそういった開発で埋め尽くされました。

 当時は市北部方面とを結ぶ幹線道路が現在の仙台泉線で双方向で3車線しかなく、数珠繋ぎのバスで交通麻痺がおこっていたことから、都市規模に比して贅沢と思われた地下鉄南北線が国から認められましたが、それでも面的に広がったニュータウンや乱開発住宅地を1本の地下鉄でカバーできる訳がなく、南北線の北部は、泉中央と都心部を結ぶ郊外電車となり、さらに富谷などの遠方の開発を促進する皮肉な側面もありました。

 仮に昭和40年頃に進められ破談となった仙塩大合併による政令市化がもしも失敗していなければ、当時の重要都市であった塩釜市との間で開発余地があった、東北本線と仙石線の間などの開発が進んでいたのかもしれませんが、東部の田園地帯は耕地整理も進んでいた故に農地法の転用制約があったため、当時はより開発に関する制約が小さい仙台北西部や北部の丘陵地が地権者自ら進んで、もしくはデベロッパーで取り合いとなり、その『ニュータウン内』としては整った住宅地であっても、『ニュータウン同士』及び『都心部との交通』が何も考えられていない全体としての乱開発を止められず、そのツケが現在に続いているという状況です。せめて仙台駅からバスで30分圏の北環状線まではやむを得ないにしても、東北自動車道(以下地図の左上の黄緑線)に及ぶ開発は止めて欲しかった。また、真っ白なエリアの未開発の田園や山の先に開発された泉パークタウンや利府のニュータウン群などの非効率さも残念です。

 下に並べたのは、より広域の両都市の人口分布図ですが、鉄道沿線であってもオレンジ色の分布が限られ、郊外部の赤色は長町駅や河原町駅、卸町駅付近に限られている仙台。

 改めて驚いたのは、人口が集積していると勝手に思っていた北の副都心の泉中央がオレンジ色にとどまっていること。長町のようなタワマンはないにせよ、現在進められている泉区役所再開発で賃貸住宅が併設されるとのことですが、 もう少し人気の泉中央に居住人口を集めるべきではと。


【仙台市広域図】

Sendaiwide


 一方札幌は、地下鉄を中心とする鉄道沿線の駅付近は軒並みオレンジ色に塗られ、さらにより高密度な赤色が南北線と東西線を中心に広く分布していることから、人口規模が2倍近い都市であるとはいえ、雪国であることからの地下鉄沿線に集約するコンパクトシティの考え方が50年前から自然に実現してきたと言えるでしょう。

 あと、札幌で素晴らしと思えるところは、地下鉄が整備された時期が大店法時代ということもあるのでしょうが、各駅毎に当時のダイエーを中心としてそこそこの規模の商業施設やバスターミナルが併設されているところが多いこと。現在でさえ、ダイエーの破綻でイオンに引き継がれたり、さらに郊外の商業施設との競争で厳しくなっているところがあるとはいえ、地下鉄駅前にしっかりした商業施設が残っているのは、駅周辺人口の多さもあるのではと思います。


【札幌市広域図】

Sapporowide


 

再開発が進む札幌 

 1972年の冬季オリンピックとそれに合わせた都市開発ラッシュで成長した札幌は、前回の建設ラッシュから50年が経過し、建て替え時期に入っていることもありますが、東京五輪の汚職事件で誘致の機運が下火にはなっていながらも、都市開発の面では起爆剤として期待されている2034年の冬季オリンピック及び北海道新幹線延伸を目標とした札幌駅や大通駅周辺の再開発ラッシュに沸いています。

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 写真は現在北海道一の高さのJRタワーですが、これを超える関東以北最高高さとなる250m級のJR再開発ビルや、仙台に続くヨドバシカメラの複合商業施設が入る再開発ビルが札幌駅前に計画されており、大通地区でも至るところで高層ビルによる再開発が進行しているのは驚愕もの。

再開発の出足が遅い仙台

 まぁ、仙台の建築ラッシュは東北新幹線開業の1982年から地下鉄開業の87年、政令市化の89年に至る約10年間なので、札幌と比較して10年間はピークが遅いことから、まだ建物が新しく再開発が切実な問題になっていない面があります。

 とはいえ、その建築ラッシュの前に建てられた電力ビルや市役所は築60年で現在建替え・再開発が始まっていますし、駅前のイービーンズもそれに電力ビルに近い築年数であったり、リニューアルで延命するもの限界に近づいています。

 結局このような再開発は、何やら言いながら先に着手したもの勝ちのところがあり、特に商業テナントやホテルなどの誘致に関しては先に手を挙げたほうが先行者利益を得ることとなり、また昨今建築費の増大が進行中であり、チキンレースとなりながらも、徐々に電力ビル再開発に触発され、藤崎周辺やさくらの、読売仙台ビルなどに波及していくと思っています。

札幌にも迫る人口減

 このように北海道中から人口を集めて200万人に迫るまで成長してきた札幌ですが、200万人に届くか微妙な状況で、特に深刻なのは高齢化率の高さからの自然減の増加ぶり。札幌は高齢化率の高さとボリュームの厚みから、近い将来始まる急激な人口減少時代をどう切り抜けていくかがテーマとなります。札幌市の予測では37年後の2060年度に143万人と現在よりも50万人以上も減少することに!

 令和3年末現在の高齢化率は仙台の24.8%(政令市のうち下から4番目)に対し、札幌が28%(同 上から8番目)と高いのは、旧産炭地からの人口流入の後遺症や札幌に出た子供達が親を呼び寄せ、また高い医療サービスを求めての自主的な流入などによるようです。

 利便性の高い鉄道沿線の住宅地には穴埋めで流入する動きもあり、基本的に人口減は周辺の不便な住宅地から始まるものと考えられますが、人口減時代にどのように住宅地をたたんでいくかという観点は、仙台よりも一足早くダイナミックに人口が減少する札幌をお手本として、注視していきたいと考えます。


過去記事


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2023年4月24日 (月)

泉中央のアリオ 存続なるか?

 令和5年3月に,(株)セブン&アイ・ホールディングスは傘下に置くイトーヨーカドーの店舗数を2026年2月末までに現状の126から93店舗に削減する計画を発表しました。

 傘下に入っている西武百貨店&そごうも,池袋西武や横浜そごうのような基幹店以外は厳しい状況で,そもそもコンビニとスーパーと百貨店の経営は別物なのに,スケールメリットを出そうとして無理やり買収した結果が現在のグループの状況を示しています。下手にセブンイレブンが強すぎるだけに,株主にとっても企業としても傘下の百貨店とGMSがお荷物にしか見えなくなっていると。

 あのイオンも,かつて持っていた百貨店も閉店し,現在イオンモール内に入っている小型百貨店も基本的にテナント。そのイオングループでさえ,コンビニのミニストップはセブンイレブンに遠く及ばす,イオン本業との相乗効果も薄いなど,モールに入居させ相乗効果が図れる専門店はともかくとして,基本的に商業業態ごとのノウハウが異なり,一つのグループ内でのハンドリングの難しさを表しています。

アリオ仙台泉の存続は

 アリオ仙台泉は,10年以上前に一旦閉鎖店舗に含まれながらも,震災後の泉中央周辺の人口増と売上増により,閉店が撤回され,アリオ化された経緯があります。10年前のアリオ転換時の記事は下記のとおり。小型アリオながらも,当時としては魅力的な店舗を集めていたということを改めて感じます。


過去記事


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 7&iホールディングスとしては上述のとおり,今後3年間で33店舗を閉鎖とのことですが,この数は主戦場の首都圏店舗93店舗を除く,関西や中部,東北・北海道などの店舗数に一致します。

 なので,イトーヨーカドーは首都圏以外は全て閉鎖という予測もあるようですが,4店舗ある青森県では自社物件は存続,そして集客力のある五所川原エルムでさえもテナントなので撤退という話があり,地方店舗が全てへ移転対象というわけではなさそう。

とはいえ,アリオ仙台泉は自社物件ではなくセルバと同様住友商事の所有であること,県内は石巻あけぼの店との2店舗のみで,周辺にはグループのヨークベニマルがドミナント体制を敷いていることから,イトーヨーカドーとしての存続は厳しいように思えます。


【2024/6/10追記】
 イトーヨーカドーは東北から全撤退となり、青森や岩手の店舗はロピアが継承することになりながら、アリオ仙台泉はロピアの継承対象店舗からは外れました。一方、予想していたヨークベニマル化は発表されず、石巻あけぼの店のみのヨーク転換という状況。建物全体のリニューアルを想定して、後でまとめて発表と信じたい。

 

現在のアリオの状況

 手前がセルバ,奥側がアリオ。

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 セルバとは,上層階で連絡通路で結ばれています(連絡通路からの写真)。

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 中央に吹き抜け空間があり,1992年というバブル期の残り香の時期に,南北線泉中央駅延伸という期待の中でオープンした立派なハコであることを改めて感じます。

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 ただし,現状では地下食品売り場と1階のフードコート,4階のロフトはまだしも,それ以外のフロアは正直厳しい。。。


アリオ仙台泉フロアガイド


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 かつてあった赤ちゃん本舗はセブン&iグループ内の専門店にもかかわらず撤退し,そもそも西武の小型店はかなり前に閉店,

 これらの跡地を含め,後継テナントでの穴埋めがうまくいっておらず,特に上層階フロアはこんな状況。

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 なお,個人的に最も苦しさが現れていると感じるのは,その上層階連絡通路を挟んで,もともとセルバに八文字屋書店があったのに,アリオ側の赤ちゃん本舗跡にくまざわ書店をオープンさせたこと。確かに書店は家賃を安くすれば広い面積を埋めることはできるけれど,既存の八文字屋側にも影響がでるし,決して相乗効果が発揮できるわけではない。やるんだったら,八文字屋の拡張で「蔵書数〇〇万冊をアピール」だったら分かるけれど。どう見ても八文字屋の方がにぎわっています。

(左:くまざわ書店,右:八文字屋)

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セルバの拡張が現実的?

 住友商事が運営するセルバは,テナントの入れ替わりがありながらも,南部副都心の長町モールとララガーデンに対応する形で,北部副都心としてのテナントの受け皿になっており,それなりに高感度な店舗を集めています。

 2016年にオープンしたセルバテラスは多少苦戦しており,3階のしまむらがオープン5年経過後の昨年に撤退しているなど,泉中央の商業集積については多少アリオや駅ビルswingを含め苦戦気味。

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 そもそも,同じ住友商事の所有する商業施設であり,結果的にセルバの別館的な扱いで,ヨーカドーの後に例えばヨークベニマルを入れて,上層部は専門店ビルとして,セルバテラスを含めた3館での一体感を深めて再構成するしかなさそう。しかし,5階建ての旧GMS型商業施設というのは本当に扱いづらくなっています。よほどの強力なテナントを集客マグネットとして置かないと4階以上に人が行かない。少なくとも連絡通路があるアリオ4階=セルバ5階までの回遊を図り,アリオの5階のテナント(飲食・ゲーセン)は空きフロアを埋めるために下に移動するなどの方法がとれないかな。

 泉中央地区は,地下鉄乗降客としては駅前商業施設が十分成り立つ乗降客5万人レベルを保っていますが,道路条件が悪いことと,駐車場が有料となると,郊外無料駐車場のイオンモール新利府や富谷の方に流れて行って商圏が狭くなっています。

 アリオとしての存続は厳しいかもしれませんが,どうなったとしても仙台の北の副都心を構成する商業施設として,引き続き存在感を発揮していって欲しいと思っています。

 

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2023年4月23日 (日)

泉パークタウン 新街区「朝日」に行ってみた

 仙台市を代表するニュータウンである三菱地所が手掛ける泉パークタウン。

 住居機能だけでなく,寺岡地区にはロイヤルパークホテルやショッピングモールのタピオ,プレミアムアウトレット,仙台白百合学園高校,そして総合病院のJCHO仙台を誘致し,隣接地区には県図書館と宮城大学。単なるニュータウンセンターにとどまらない都市機能の充実ぶりは異次元とも言えます。

 他のデベロッパーとは異なり,売りっぱなしにしないというポリシー。中古住宅の再流通や環境整備も,手掛けていることが,街自体のブランド価値の維持と安心感に繋がっています。その50年にわたるまちづくりは未だ終わらず,紫山に続く新街区朝日の一部造成により分譲が開始されていました。


過去記事

 仙台市最後の郊外NT開発?( 2015.02.12)


天空のニュータウン

 今日は,タピオに用がありベガルタ以外で珍しく泉方面に出かけたのですが,たまたまそのパークタウンの新街区朝日の入り口を通ったので,せっかくだからと寄ってみました。

 

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 しかし,噂通りというか,新街区は下からは全く見えません。本当に天空に位置しています。交差点から新街区朝日への屋根付き歩行者階段が見えます。これってエスカレータが付いている訳ではないでしょうから,まるで登山!当面地区内に整備されないため既存の寺岡小中学校に通うためにはここを降りるのか?泉パークバスもあるようですが,本数が少ないし。最寄の小中学校には徒歩20分以上とのこと。

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眺めはピカイチ

 フェンス越しで,朝日街区から寺岡方面を一望。南側も中山の観音様方面など,視界が開けており,眺めは素晴らしい。しかし隔絶された空間という印象も。今後分譲が西側の根白石方面に進んで行けば印象も変わっていくでしょうが。そもそも着手されるか?

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建築ラッシュ中

 まだまだ空き地は広がっているなかで,大手住宅メーカーが競ってブロックごとに建売住宅を建設中でした。生活感のある居住中の住宅もちらほら。こういうニュータウンって,住宅が建ち始めたらあっという間に空き地がなくなっていくのが通例でしたが,この新街区「朝日」はどうなるのか。

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3980万円からの価格帯

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 Panasonic Homes分譲のブロックが好評分譲中でしたが,価格帯は3980万円から。ということは,大部分が4千万円台以上に。敷地面積も広く,住宅性能も上がっている分を考えると,4千万円は当たり前かもしれませんが,この金額を出せるか?というところ。スマートシティを売りにしていますが,この立地は決してスマートではない。

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 なお,Panasonic Homesの分譲ホームページですが,

アクセスの欄に苦笑。これ誇大広告でしょうが,だまされる人いる?

Access

公共交通機関はコミュニティバスと無料送迎バス依存

 宮交の既存の路線バスの乗り入れはなく,年額5千円会員対象の泉パークバスが基本ながらも,昼間のみの運行のため,朝夕は宮交の寺岡方面バス停とを結ぶ無料送迎バスの組み合わせということに。

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泉パークバスは,この新街区朝日地区まで路線が延伸されていますが,平日は1日9往復,土休日は8往復と,まさしくコミュニティバスレベル。運行もマイクロバスで,主にニュータウン内の商業施設及び泉中央を結ぶ役割で,宮交路線バスと棲み分けを図っています。

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 朝日から朝夕の泉中央や仙台都心方面への通勤通学については,無料送迎バス経由で寺岡付近での宮交バスへの乗り換えを強いられるというのは,マイナス点でしょうが,まぁ大人はクルマを使うから良いでしょうという感じか。
 

 宮交バスが街区開設当初から乗入れないというのは,運転手不足やコロナ禍の乗客減で体力を削られており,乗客が少ない時期からの先行投資を行う余裕がないためなんでしょう。それにしても,送迎バス⇔宮交バス⇔地下鉄 との乗り継ぎは時間的にも精神的にも厳しそうです。

 高校生など遠くに通う可能性がある世帯は,あえてここを選ばないでしょうね。それか,親の送迎必須になりそう。

今更の郊外ニュータウン

 実際,現地に行ってみて,これまで危惧していた思いが強まったという印象です。

 仙台市としても三菱地所を止められない。利府や富谷に流れるのであれば,このような場所でも住んでもらうしかないという感じなのかな。

 負の遺産になるのは必至とはいえ,学校を新設しなければ,市としても当面の支出は抑えられるし,朝日の第二期が凍結されるのを祈るのみか。ここに新たな希望を持ちながら引っ越した方もいらっしゃるとはいえ,もやもやした気分になりました。

 

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2022年12月 4日 (日)

東北学院大学 五橋キャンパス完成

 来年春に迫った,東北学院大学五橋キャンパスの設置とキャンパス統合。

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 秋にキャンパスの建物が概ね完成し,スタイリッシュな都市型キャンパスが仙台都心の南のランドマークとなっています。

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過去記事


学生街復活へ

 本部機能がある土樋キャンパスと合わせて,仙台市都心部にキャンパス機能が集約化され,学部生・大学院生含め1万1千人もの学生がこのエリアで学ぶことになるのは,都心部の賑わいにとって非常に大きなもので,特におひざ元の荒町商店街は,両キャンパス直近の荒町交差点から東に伸びており,学生の居住や飲食,買い物などの機能を受け止めるべく,注目のエリアとなっています。

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 両キャンパスは,その荒町交差点を経由して5分少々の距離。地下鉄駅長めの一駅分離れている東北大の川内・青葉山両キャンパスの行き来と比べたら隣みたいなもので,その行き来する学生が往来するためキャンパス内に学生を囲い込むことにならず,周辺の飲食店などにも好影響を与えることになります。

 新キャンパス周辺は,8年前に市立病院があすと長町に移転し,周辺の月極駐車場や飲食店,コンビニ需要が激減したり,負の影響が長く続いていましたが,一気に反転攻勢となります。その流れで,荒町交差点角の七十七銀行荒町支店(八木山支店もインストアで入っていたのは知らなかった)の建替えで,賃貸マンションや商業機能が入るという最近のニュースもありました。

 東西線開通でバスの本数が激減し30分毎になって厳しい状況と聞いていましたが,以前は片平キャンパスの存在や,学院大が土樋キャンパスのみだった時代に学生街的な役割を果たしていた荒町商店街が復活することになれば良いですね。

地下鉄利用者への影響は?

 なお,トータルとして仙台市地下鉄の利用者的にはプラスとマイナスどちらに働くかが分かりませんが,これまで(JR沿線の自宅生など)泉中央駅経由で泉キャンパスへ通っていた学生の利用者が完全に失われ,地下鉄仙台駅から五橋駅まで一駅の利用者は限られる反面,泉方面からの五橋駅への利用者が増える,宮城野区や若林区方面から原チャリなどで泉に通っていた学生分が東西線経由で使うようになるとのプラス要素もありますが,短期的にはマイナスでしょう。

 ただ,中期的には学都フリーパスを前提に沿線へ居住する学生の増加も見込め,そういう学生はバイトや趣味も地下鉄沿線で済ませる傾向になるので,やはり1万人以上の学生そして教職員がこのエリアに集まることの効果は長い目で見るとありそうです。

立派な新キャンパス

 西側入り口から左側が講義棟,右側が高層棟で,奥側(東側)にホール棟と研究棟が配置されます。また,2階レベルで各棟を繋ぐTGUリングというデッキも設置されています。

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 この時計がシンプルながら,いい雰囲気を醸し出していますね。大学のキャンパスらしいというか。

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 高層棟は16階建てで,南側から都心に向かう際に,かなり目立つ存在になっています。移転した旧市立病院は10階建程度だっただけに。

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地下鉄五橋駅に直結!

 旧市立病院時代もでしたが,地下鉄五橋駅に直結で利便性は高いです。

 東西線に直結する東北大の川内,青葉山キャンパスに続き,仙台で3番目の地下鉄直結キャンパスが誕生します(他,福祉大のステーションキャンパスはJR東北福祉大駅に直結)。また,東北大キャンパスは敷地内に駅があっても建物が平面的に広がっており,地下鉄駅からのキャンパス内の移動も生じるのに対し,この学院大学五橋キャンパスは敷地面積がコンパクトな1.8haで中高層ビルで構成されるため,各講義室や研究室への移動も楽々でしょうね。地下鉄を使えば仙台駅前から10分後にはキャンパス内に!ということも可能に?


 そのような短距離利用者の掘り起こしを考えると,わずかな運行経費の削減を目的とした来年7月からの地下鉄の昼間休日減便(10分間隔化)は愚策だと思うのです。10分間隔と分かっていたら歩く人も増えるのでは。


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 東西線はしょうがないけれど,特に基幹路線の南北線ではやってはいけない。

 仮に全線で10分間隔にしても折り返し可能な五橋と台原駅間だけは5分間隔にし,都心部の短距離利用者の利便性を下げないようにすることは必要なのに,残念です。


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 駅改札自体はやや北側にあるので,地下コンコースを無理やり南側に伸ばす形となっており多少距離はありますが,それでも改札出てから1~2分後にはキャンパスに入ることができます。

 市立病院時代はこのシャッター部分から病院建物にすぐ入ることができましたが,長年閉じられていました。久々に日の目を見ることになります。この出口を抜けると,短い屋根付き通路を挟んで,キャンパス内の高層棟に入ることができます。

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 以前,構想としては,地下レベルでキャンパスに入れるようにすると聞いた覚えがありましたが,あと半年を切った現時点での状況を見る限りではその準備工事もないので,上写真のシャッター部経由で地上一階レベルでの連絡になるのかな。パルコ2と仙台駅もですが,最近地下鉄駅と地下レベルでの建物接続が少なくなっていることは残念です。

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 地下レベルでキャンパス建物と接続するとしたら,この場所になります。

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 なお,従来からある,土樋キャンパスや福祉プラザ方面の南1出口方面通路です。途中狭くなり段差も多いですが,地下レベルで両キャンパスを移動する学生が増えそうなので,このルートをより活用するのであれば,五橋キャンパスから五橋駅への地下連絡通路を作ると良いのではと。またこの地下通路を延長して土樋キャンパス方面に伸ばすという構想も聞いたことがあるので。

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【12/25追記】

 大学の計画やアセス資料では,高層棟の地下2階レベルで,五橋駅改札階コンコースへ接続する計画となっています。

 連続する3本のエスカレーターで,地上2階⇔地上1階⇔地下1階⇔地下2階⇔五橋駅改札階コンコース へ誘導することができます。逆に,このエスカレーターと地下連絡通路ができないと,既存の南1出入り口のエスカレーターは上りしかなく,階段幅も決して広いとは言い難いので,結構混雑するのではという危惧が。

 また,五橋新キャンパスと土樋キャンパスとの行き来が地上レベルで増えると,横断歩道の横断者の増加などで渋滞の名所のY字路交差点のクルマの流れにも影響が出ることから,学院側としては上写真の五橋駅内通路南1方面への誘導を考えているようなので,なおさらこの地下接続計画の実現が望まれます。

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学院大の攻勢

 2023年度からの都心部へのキャンパス集約と同時に4つの新学部「地域総合学部」「国際学部」「人間科学部」「情報学部」も設置し,より幅広い受験生を集めることができるようになるほか,付属の学院高校も男女共学化したこともあいまって,東北学院という法人自体への期待度が上がっているように感じます。東北随一の総合私大の学院大であっても,首都圏の中堅大学との競争もあるし,少子化の時代で生き残っていくには立地も中身もアップデートしていくことが必要で,特に今回のキャンパス集約で,石巻などの県内の大部分はもちろん,一関,福島,山形などの隣県からの通学もより容易になります。

 よって,泉キャンパス分に限っては利便性の向上で仙台へ引っ越してくる学生の減少というマイナス面もあるかもしれませんが,工学部への県外からの学生分で相殺されるし,後背地も含めた広い地域として考えれば,学生を抱える世帯での費用が節約されること,学生自体も時間を効率的に使うことができるようになるなどメリットしか浮かばない。これも10年前に厚生病院と手を挙げかけた医学部構想を断念したからこそ,このキャンパス統合に資源を集中させることができたという面もあるのでは。


過去記事 


 仙台駅前などの都心部にとっても昼間うろうろする学生が増え,教職員もアフターファイブに飲みや買い物をすることになり,確実にプラスになるでしょう。逆に泉中央駅前はちょっと厳しい状況が続くでしょうが,多賀城は駅近の再開発地が生まれ,居住人口の呼び込みなどにうまく活用できる種地が生まれます。

 他の大学を含めた競争が激しくなってくるので,それぞれ切磋琢磨するきっかけになればと思います。

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