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2024年7月21日 (日)

新潟駅に誕生 新商業施設とバスターミナル

 だいぶ空きましたが、先日九州の方に旅行に行ってきました。

 感想としては街中に活気が残っている個性的な都市が多く、郊外SCに蹂躙された東日本の各都市とは違った面白みを感じ、全く飽きることがありませんでした。

 九州シリーズをぼちぼち始めるにあたり、3月に行った新潟の記事が積み残しだったことに気づき、まずはこの記事からと。

新幹線は偉大 


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 長岡駅を12時10分に出て、途中の燕三条駅に停車し、20分少々で12時半過ぎに新潟駅に到着しました。

 在来線だと75分のところを1/3の時間に短縮できるというのは本当に大きい。

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 古川駅から仙台駅も乗り継ぎが良くても在来線で60分が、新幹線だと13分だし、本当に新幹線偉大!本数がせめて30分に1本であれば!

新幹線からいなほへスムーズ乗換

 一昨年に新潟訪問した際にも、在来線ホーム上から確認していましたが、新幹線ホームから在来線5番線に発着する特急に対面乗換ができます。

 新幹線が両側のドアが開いて、通り抜けられるようにしており、乗換改札経由でものの30秒から1分程度で乗り換えることができる、画期的な設備です。

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 そうはいっても、乗換先のいなほは1日7往復のみで、宝の持ち腐れのような。

 目的地は、普通列車も使える村上の他、鶴岡と酒田という、せいぜい10万人規模の都市であれば、この本数がせいぜいなのでしょうし、羽越新幹線構想を未だに謳っていることも信じられない状況であったり。

 JR東日本ではミニ新幹線が秋田と山形で導入されているためそもそも盛岡駅又は福島駅での乗換は不要ではありますが、乗換の手間を減らすこの仕組みは、在来線と新幹線が共に高架の駅でないと導入できず、JR九州のかつては九州新幹線の八代駅、今は西九州新幹線の武雄温泉駅での対面乗換がありますが、中心駅の高架化が進んでいないJR東日本エリアでは珍しい。


 JR九州では、博多駅、熊本駅、大分駅、長崎駅、宮崎駅、佐賀駅と、県都の代表駅では鹿児島中央駅以外は全て高架化が完了し、地上駅のままの鹿児島中央駅も含めて駅周辺の再開発が行われているのに対し、東北に限らず、JR東日本の県の中心駅(1都3県を除く)では、新潟駅が初めての高架化ということに気づきました。


   新幹線沿いは仙台駅、盛岡駅、福島駅、宇都宮駅、高崎駅など、新幹線のみ高架で在来線は全て地上、長野はともに地上、青森駅や山形駅、水戸駅も全て地上と、中心駅で規模も大きく、貨物駅が併設される場合があったり、高架化が難しかったためかもしれませんが、駅周辺の再開発が進まず、これが現在の駅周辺の拠点性の違いに現れているのかとも。


 なお、北陸に目を移すと、JR西日本管轄ですが富山駅、金沢駅、福井駅と全て高架化済というのも、JR東日本の消極性を感じるところ。


 新潟市内を散策してから、1本後のいなほに乗車しました。

新潟駅の新商業施設「CoCoLo」の拡大

 上述のように、JR九州では高架化や新幹線開通のタイミングで、佐賀駅を除く県都の代表駅(+小倉駅)の駅再整備に併せてアミュプラザという駅ビル兼大規模専門店街を併設させ、駅や中心市街地の求心力を高める効果を挙げています。

 新潟駅では、新幹線こそ40年前に上越新幹線が開通しており、その際に駅南側にプラーカ1~3という商業施設やホテルが整備されていますが、駅ビルとしてはCoCoLo という小規模な駅ビルのみでした。一時期ヨドバシカメラが駅内に出店したりしていましたが、新潟駅自体の商業集積は弱く、結果的に万代や古町とうまくバランスをとっている印象でした。

 それが、在来線高架化事業自体が5年以上遅れながらも2022年に完成し、その後生み出された1~2階のスペースと従来のCoCoLo の商業床を再整備し、新「CoCoLo新潟」が今春に誕生しました。


COCOLO新潟公式HP


  • 延床面積 : 約49,000㎡(新設30,000㎡、既存19,000㎡)
  • 店舗面積:約26,500㎡(新設13,000㎡、既存13,500㎡)
  • 階      数:地上2階、一部3階
  • 開      業:2024年4月25日(グランドオープン)
  • 運営会社:JR東日本新潟シティクリエイト株式会社

  従来からあった、ビックカメラなどの南館はそのままで、従来の2階の南北自由通路脇にあった本館土産ものスペース、新幹線改札付近の飲食店街などは一旦閉店し、リニューアルした形です。

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 総店舗面積は26,500平米とのことで、仙台のエスパル(32,000平米)とテクテ(3,300平米)の合計店舗面積が35,000平米強ですが駅利用者数が倍以上違うことを考えると、仙台駅の商業集積に匹敵する充実度では。

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 3月に訪問した際は、グランドオープン間際で、先行オープンした2階在来線改札付近のNewDaysやベーカリー、3COINS+位しか確認できませんでしたが、従来の自由通路にくっつけたような店舗群の寄せ集めから、在来線高架化に併せて全面的に再構成された2階フロア、及び新たに生み出された1階にまとまった店舗群となり、利便性が劇的に高まることを感じました。

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どちらかというと、飲食店及び食料品中心で、ファッションや日用品系は抑えめのラインナップで、万代とのバランスを考慮してなのか、メリハリを付けています。以前からあるぽんしゅ館、そして今回はハッピーターンやばかうけなど、新潟独特の売りになるような店舗を集めたり、観光客にとっては嬉しい構成となっています。

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 JR九州のアミュプラザが、既存商業施設に全く遠慮せずに、ファッション、雑貨、シネコン、飲食店、お土産とフルライン的にテナントを集めていることと対照的。

 博多駅以外でも売場面積4~5万平米規模で各都市に出店しており、ある程度各店舗の出店テナントも統一されている印象を持った反面、新潟駅ではそこまで店舗面積を確保していないことから、これでも控えめに感じました。JR九州だったら、駅周辺の駐車場等の土地(↓)を確保して、10階建のアミュプラザを建てるだろうなと。

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 鉄道利用客だけでなく、駐車場もふんだんに確保し、車利用客も集める戦略はJR東日本管内の中心駅にも参考になるのではと。

 九州内では、60~70万都市の鹿児島や熊本だけでなく、40万都市の長崎や大分、宮崎駅にも出店していることから、この手法は80万都市の新潟にも十分適用できるのでは。

 郊外のショッピングモールにやられる位であれば、中心市街地に好影響を生む駅ビルへの支援という手法はある意味効果的でしょうね。これは長崎駅のアミュプラザ(左は本館、右は新館)

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右は熊本駅、左はアミュプラザくまもとです

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 行ったのがオープン前なので、新潟駅にはまた行ってみたいと思っていますが、この新潟駅高架化については、南北を貫通するバスターミナルの設置というのも大きいところ。

新バスターミナル

 従来の頭端式のバックする名物バスターミナルから新ターミナルへ移行することとなりました。

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 高架化した駅での南北を通り抜ける交通機関というと、富山駅の路面電車が象徴的ですが、新潟ではBRTも頓挫し、LRT構想も実現に至らず、バスターミナルがJR高架下の1階部分に南口の従来バス停を包含する形で設置されました。

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1番から18番までの乗車バス停と2か所の降車場が設けられています。

各乗車バス停毎に、電光掲示板で時刻表と経由ルートが表示されているようです。

 このような親切な案内ビジョンは、福岡や熊本では完備されていて、初めてのルートでも不安なく乗ることができました。 


仙台でもバスについては電光掲示板の案内があると、ビジターにとっても優しい街になるのでは。せっかくバスターミナル(旧バスプール)の再整備を行ったのに、案内は従来通りというのはもったいない。 


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なお、このバスターミナルの設置で、駅の東側からはこの階段経由で2階に上がらないと駅方面に行けなくなり、地上を横断できなくなったことから、不満が生じているようです。でも、バスターミナル内の横断は御法度でしょうし、せめて、エスカレーターが設置されると違ったのかなとも。

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その横断禁止の注意書き。

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貴重な連接バス(ツィンクル)は、バスターミナルの習熟運転中でした。

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さて、2年前に寄れなかった古町に、BRTという名のバスで向かいました。


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古町に行く際に乗ろうと思って時刻表で確認していた連接バスですが、通常のバスだったのでがっかり。

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なお、このBRTという名称さえ、既に消され”BUS”になってしまったようです。

本数はそこそこありますが、都市の中心軸としてのシンボル性や特別感がないと厳しいかなとは思います。

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古町までただのバスでの約5分強の乗車時間に対し、260円は高いなぁと思いながら下車しました。

古町編に続きます。

 

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