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2023年12月 5日 (火)

イオンモール仙台雨宮 ようやく始動

 東北大学農学部跡地に進出が予定されていたイオンモール仙台雨宮(仮称)。2013年に東北大から跡地を220億円で購入することが決定し、2019年に引き渡しを受けながらも、コロナなどを理由にして野晒しの状況でした。その間にイオンモールの進出を売りに分譲された敷地北側マンション部分の野村不動産、住友不動産の2棟が先行し、すでに約400世帯が生活を始めており、さらに西側の仙台厚生病院も来年5月には広瀬町から移転することとなります。この件にについては、過去にも記事にしているので、そちらも参照下さい。


過去記事


急がないイオングループ

 このように、イオンが絡む土地取得については、住友不動産とイオンタウンが組んだあすと長町も同様に、マンション部分入居開始後5年以上経つのに野晒し(月極駐車場)ですが、イオングループはすでに仙台圏の主要な立地を抑えており、新たなライバルも三井不動産のららぽーと位であることから、新規出店については決して急ぐことがなく、グループ内で優先順位をつけながら進めている印象です。よって、土地取得後に10年も放置というのも珍しくなく、新利府の案件も県の都市計画審議会で扱われてからオープンまで5年以上。卸町だけは例外的にスピーディーなオープンでしたが、その後は名取増床→新利府南館→雨宮→あすと長町 の順番なのでしょう。

 雨宮もようやく着工という状況で、あすと長町は当分先になるのか。

 イオングループの中でも会社は異なるとはいえ、入るテナントのことを考えると近年は無茶はしない。一時期はイオンモール富谷とイオンタウン泉大沢のように、直線1kmでバッティングするような大型SCの出店をして、ともに勢いを失っている状況。これに懲りて、近距離でバッティングするよりは、隣接させてスケールメリットを発揮させた方がと、新利府のアイディアに繋がったのか。

 

“ミニ“イオンモール 

 先日、大店立地法の説明会に参加しましたが、着工時期も早くて来春、オープン時期は決まっていないとのことで、正直肩透かしでした。立地法の説明会って、もう少し、専門店の構成や建物平面図、イメージパースなどが示されると思っていたので。

 説明会に参加された方の中で、周辺町内会などの方が当然ながら多く、発言もされていました。大規模SCへの期待感というよりは、幹線道路の渋滞だけでなく、下記丁などの生活道路への車の流入を心配する声など、農学部の良好な自然環境が失われたことに対する不満と心配が大きく感じられました。

 仮に2万平米程度の、この売場面積であれば、都心部と共存でき、かつ都心部を補完するワンストップショッピングができる丁度良い規模で、周辺の近年分譲された約750戸のマンション群の住人の期待に応えることができる規模ではと。ここに競争力のある大型モールが出店してしまえば、北方面からの都心部に入る需要を手前で根こそぎ奪ってしまい、中心市街地の息の根を止めてしまいかねず、これから計画されている都心部の再開発にも致命的な悪影響を与えてしまう。

 せめて、札幌や福岡並の都心部の商業集積が既にあれば、都心周辺部の巨大なSC(福岡はららぽーと、札幌はアリオやサッポロファクトリー)があっても共存できていますが、それぞれ百貨店や専門店街・シネコンを含む中心駅ビルが巨大SCとして競争力を保っているから故。仙台の場合はエスパルはあくまでも専門店街で単独での競争力はそれほど強くない。より競争力の強い大規模SCが都心部にできるに越したことはないけれど、期待できるのは藤崎を中心とする大町再開発まで待たなければという状況。実現性は半々でしょうが。

 

大規模病院とマンション群

 都心隣接の大規模再開発ということで、目玉となるのはイオンモールと並んで仙台厚生病院となりました。循環器、呼吸器、消化器の3分野に特化した上ガン治療に強みを持つ、宮城県だけでない存在感を持つ病院です。

今の立地はバス停も目の前で本数も多く、大学病院も近接し、悪い立地条件ではないにしても、10年ほど前の地元大学と組んだ医学部新設の競争に敗れ、方向性が迷走した印象。建物はまだ使えそうながらも、移転を前提にオリックスに土地・建物を売却していました。最近その土地建物をニトリホールディングスが取得したと話題になっています。

 新たな立地は地下鉄南北線北四番丁駅から徒歩5分圏で、北六番丁通を経由するバスも目の前に停まり、勾当台通と愛宕上杉通に挟まれる立地条件が従来と比べて格段にアップします。

 農学部キャンパスの自然環境が失われたのは残念ではありますが、全体のイメージが見えてきた今、それほど悪くはない開発に思えてきました。

 先んじて、勝山館跡地のヨークベニマルがオープンしていますが、来年の5月に仙台厚生病院が移転開院し、同時期に工事が始まるイオンモールがR7年中にオープンすることで、この近辺の魅力がアップし、仙台にとってプラスになる開発になると思います。

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コメント

https://www.city.sendai.jp/shogyoshinko/jigyosha/kezai/bijinesu/secho/renke/documents/sendaiamamiya.pdf
雨宮イオンは4階になるんですね。仙台では珍しい構成になりそうです。

投稿: | 2024年8月 2日 (金) 11時48分

コメントありがとうございます。
郊外のイオンモールは通常3階層ですが、都心部ですし、地区計画上の制約や敷地にも余裕がないですからね。どんな作りにしてくるか興味深いです。

投稿: SENDAI Watcher! | 2024年8月 9日 (金) 06時38分

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