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2023年12月13日 (水)

続々と再開発のニュースが(その2)仙台第一生命ビル建て替え決定

 仙台三越や一番町買い物公園方面から市役所や市民広場方面に鎮座する、建て替えが決まった仙台第一生命ビル。


定禅寺通の“黒ビル”建て替えへ 仙台市が連携協定締結(NHK仙台12/4)

 半世紀あまりにわたり、「黒ビル」の愛称で親しまれている仙台市中心部の「仙台第一生命ビル」が老朽化によって建て替えられることになり、市は、周辺の再整備にあわせてまちづくりを進めるため、ビルを所有する会社と協定を結びました。

 「黒ビル」の愛称で親しまれている「仙台第一生命ビル」は仙台市青葉区の定禅寺通に面した地上10階、地下1階のビルで、黒い外壁が特徴です。
 1970年に建てられて老朽化が進んだため、建て替えられることになりました。
隣接する市役所の建て替えや勾当台公園の再整備などがすでに計画されていることから、仙台市は、周辺で一体的にまちづくりをすることでにぎわいを生み出そうと、ビルを所有する第一生命と連携協定を結びました。
第一生命によりますと、新しいビルは地上13階、地下1階建てで、外壁は、今とは一変して白が基調となり、高さは5メートルほど高くなっておよそ60メートルになります。
 1階と2階には飲食店などが入るほか、2階にはテラスも設けて地域の人たちが交流できるスペースを作り、3階以上はオフィスになるということで、完成は市役所の新しい本庁舎と同じ2028年度を目指しています。
郡市長は「このエリアは50年から100年に1度の大きな変化の時期にある。『仙台第一生命ビル』建て替えが加わり、周辺一体のにぎわいは一層大きくなる」と話していました。
 また、第一生命の隅野俊亮社長は「完成後のまちの姿を想像して、わくわくしている。しっかりと役割を果たして地域活性化に取り組みたい」と話していました。


 現建物は黒色で10階建ての存在感があり、建物の色から通称“黒ビル“と呼ばれていると報道では伝えられていますが、そんなにメジャーな呼び方だったかなぁと。

 当然街に溶け込むような存在で昔から認識していましたが、自分は4年位前に河北新報が『市議会議員や市民から“邪魔だ“と言われている』という論調で一面に取り上げた際に初めて“黒ビル“と呼ばれていることを知りました。

 その時は、確かに移転すればスッキリするかもしれないけれど、昔から位置している街に貢献しているビルに、邪魔とか移転しろという論調もどうかなと思っており、仙台市当局も第一生命ビル側も困ったようなコメントをしていた覚えがあります。

 自分は子供の頃だったのであまり覚えていませんが、そもそも東二番丁通と勾当台通はクランク状になっており、それを地下鉄南北線工事に合わせて現在のように直線化されました。よって、以前はこの仙台第一生命ビルは定禅寺通りと旧勾当台通の交差点角に存在しており、道路と公園の付け替えで市民広場に囲まれたような今の状態となった経緯からすると、第一生命側としたら、「何を好き勝手に」と怒っても良いところ、仙台市の粘り強い働きかけで、定禅寺通の賑わいづくりに協力的な第一生命が協力し、市道部分の付け替えを伴うビル建替えと、1〜2階部分が市民利用可能な施設配置になるようです。

 生命保険会社は不動産を含めた資産運用が生命線であり、自社オフィス分もあるものの、このテナントビルの建て替えが、今後にわたり収益を生むという判断がなされなければ、あえて再投資はされないはず。車線減少と歩行空間の拡充などヒト中心の空間づくりが予定されている定禅寺通沿い、そして建て替えられる市役所と再整備される勾当台公園という周辺環境の魅力UPが評価されたということだし、また、市のせんだい都心再構築プロジェクトでの固定資産税減免や建て替え期間中の賃料補助などの支援策も功を奏したのでしょう。

 現在は仙台パークビルが市民広場を望むような良好な立地条件ですが、それに加えてこの仙台第一生命ビルと新市役所が市民広場を取り囲み、一体の雰囲気はガラッと変化します。

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2階テラスの魅力

 これがこの再開発の目玉的な魅力と感じます。

 緑豊かな定禅寺通、勾当台公園を一望することができるとともに、春から秋にかけて日常的にさまざまなイベントがひっきりなしに実施されている市民広場を見下ろすことができる、この2階デッキ。

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 これまでは、単なるオフィスビルなので当然ですが市民が入れないビルであり、市民広場と定禅寺通を遮断するような存在にもなっていたことに対し、2階のテラス部分に加え、1階も通り抜けできる自由通路を設けるとのことですし、ともに飲食店を配置するということであれば、市民広場や定禅寺通と一体化して親しみやすいビルになりますね。現在は市民広場にハミングバードが経営している「route227」がオープンカフェも併設し広場に溶け込んだ魅力的なレストランとして存在感を発揮していますが、このような飲食店が複数入居するようなイメージになるのでしょう。

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 恥ずかしながら、つなぎ横丁という名称は今年の11月に実施されていたイベントに絡み、初めて聴きましたが、ここは勾当台公園地下駐車場につながっている市道ながらも、ほぼ市民広場で行き止まりのような性格なので、歩行者専用空間になるといいなぁと思っていました。

 この市道も拡幅され、通年歩行者専用にはならないにせよ、ビル側の歩道部分が5m拡幅されるとのことで、市民広場側と定禅寺通を繋ぐ存在感が高まりそうです。

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 階高が5m増えるのに対し、これまでの10階建てから13階建てと3フロアも増えるのは、ワンフロアの高さが低くなり、延べ床面積を確保する形に。特に1〜2階の市民利用部分の飲食店の階高を抑えることになるのかと。そうするとオフィス部分はそれほど増やさないようですが、新規需要を誘発しやすい交通の要衝の仙台駅前とは異なり、勾当台公園駅周辺は地元向けの企業が中心であることから、容積率UPされるにしてもあまり冒険はしないようで、敷地面積が元々広くないので、これが最大限ということなのかもしれませんが、現実的な計画と感じます。

 そして、この建て替えで、一時的に他のテナントビルに仮移転需要が発生することも、プラスの話ではと。ところてん式に他のビルの建て替えにつながっていけばと。

 なお、ビルには地下1階も設置されるとのことですが、勾当台公園駅コンコースの深さ(地下3階相当)ということもあり、レベル差が大きく新市役所のように地下鉄直結とはならないようです。まぁ、公園2口がビル目の前に設置されており、5m程度ビル位置が東側に移動するとのことなので、1階レベルでこれまでよりも地下鉄出入口が近くなり、ほぼ直結と言って良いような立地条件にはなります。

 

2028年度には勾当台エリアが大変身!

 完成は2028年度と新市役所と同時期となり、勾当台公園の再整備や定禅寺通の歩行空間拡大と併せて、このエリアのイメージが大変化することとなり、楽しみです。

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コメント

この近辺で気になるのは宗教法人が取得している三越反対側の角地の青空駐車場
横浜駅前の天理ビルの様な宗教法人主導のオフィスビル再開発の例もありますがここはどうなるんでしょうね?

投稿: | 2023年12月14日 (木) 21時06分

コメントありがとうございます。
旧三井アーバンホテル跡の活用情報は全く入っていません。宗教法人故に有効活用する動機はないでしょうからね。
あきらめムードです。
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>さん
>
>この近辺で気になるのは宗教法人が取得している三越反対側の角地の青空駐車場
>横浜駅前の天理ビルの様な宗教法人主導のオフィスビル再開発の例もありますがここはどうなるんでしょうね?

投稿: SENDAI Watcher! | 2023年12月20日 (水) 23時18分

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