電力ビル再開発 広瀬通駅地下通路と直結!
4月の初めに飛び込んできた,待ちに待った電力ビル周辺の「一番町三丁目七番地区市街地再開発事業」のニュース。
以前から,事業主体の確実さと電力ビル自体の老朽化,敷地条件の良さなどから,都心再構築プロジェクトを活用した仙台都心部再開発の本命と言われていながらも,なかなか表に出てこなかったので,やきもきしていましたが,エープリルフールの新聞報道だったので,目を疑いました。
抜群の立地条件
広瀬通側からは,東二番丁通という,仙台都心部を代表する2大幹線道路の交差点ということもあり,非常に存在感を発揮するツインタワーになりそうです。広瀬通は,仙台西道路と仙台駅を結ぶ高速バスルートでもあり,来訪者へのアピールも十分にできる立地。
交通アクセスも,電力ビルバス停目の前であり,地下鉄南北線広瀬通至近の場所。仙台駅からも徒歩10分程度,仙石線のあおば通駅や東西線青葉通一番町駅からも徒歩5分程度と,複数の鉄道駅に囲まれたどこから来てもアクセスの良い最高の立地条件です。
先行する北棟は地上24階建て高さ135mを2029年度に完成させ,その後現在の電力ビルを解体してトラストタワーに匹敵する35階建て高さ180mの2035年度に完成させ,最終的にツインタワーとしてシンボル性の高い建築物になります。
オフィスメインの本格再開発
機能としては,オフィスメインで,ホテル機能は意外にも小さいというのは,既存の利用用途が業務中心ということもあるんでしょうが, アーケードから一歩外れた立地条件から商業施設のフロアは最小限にしてきました。東北電力という公益的な性格の企業の再開発ということもあり,オーバーストアに繋がるような無謀な構成にはしてこなかったという感想。
隣のフォーラスの再開発も控えていますし,この場所に商業施設を誘致する場合は核店舗のめどが立たないと専門店ビルという訳にはいかないし,トラストタワーのように基本的にはビル利用者向けのサービス機能の提供ということが原則となりそう。
せっかくだったら,フォーラス付近も取り込んで,商業棟との位置づけで一体の再開発にできればよかったのですが,現時点でフォーラス再開発は商業機能を縮小し,ビジネスホテル機能を入れ込むという現実的な路線の再開発が模索されているとの方向性が以前聞こえてきてから続報がないですが,ちょっと目指す方向性が異なるのかなと。
ただ,この辺りの再開発で入れ込んで欲しいのは,広瀬通一番町の高速バス停を引き込んで,待合機能を持たせること。
さすがに,電力ビル再開発は角地で交差点至近であることから,交通処理上その機能を求めるのは難しく,やるとしたらフォーラス再開発で盛り込んでもらうしかない。
また,電力ビルと言ったら電力ホールと親しまれている存在でもあり,ホール機能を残すことを希望する声も大きく,縮小しても残す方法で検討されているとか。都心部からは県民会館と市民会館がともに消える見込みで,市民会館の後継音楽ホールは国際センター駅前と,都心部からは心理的に離れてしまうことから,残って欲しいとは思います。ただし,規模縮小で現在の一千席を割ってしまうと,ライブなどでの集客効率が悪くなり,使いづらいホールになってしまうので,現在の規模を維持して欲しいもの。
準備組合の説明会開催
このニュースが出てからほぼ1か月が経過したので,速報性はないながらも,一応まとめておかないとと思っていたところで,この説明会のニュースが流れてきたので,これを機に記事にしてみました。
仙台・電力ビルは30年度に閉館へ 地権者準備組合が説明会
仙台市青葉区一番町の複合ビル「電力ビル」の解体と周辺エリアの再開発を巡り、地権者でつくる「一番町三丁目七番地区市街地再開発準備組合」は28、29の両日、青葉区で周辺住民らを対象とした説明会を開いた。
35年完成のツインタワー「多様な都市機能を集積」
理事長で東日本興業会長の長谷川登氏は「仙台市の都心を代表する場所として東北を支える多様な都市機能の集積を図ることが求められる」とあいさつした。
計画によると、2035年度ごろまでに高層ビル2棟を整備する。地上24階の広瀬通側の北棟は敷地面積3500平方メートル、高さ135メートル。35階の南棟は敷地面積7740平方メートル、高さ180メートル。市地下鉄南北線広瀬通駅の連絡通路と地下を直結させ、多目的ホールなどを整備する。
準備組合は環境影響評価(アセスメント)の適用外とする環境配慮型の大型建築物「グリーンビルディング」の整備を目指し、6月に仙台市に都市計画を提案、12月までの認定を目指す。明治安田生命仙台一番町ビルと電力ビル別館は25年度ごろ、電力ビル本館と新館は30年度の閉館を見込む。
説明会では「仙台のランドマークになるようなホールを造ってほしい」、「工事中に道路の機能を維持してほしい」といった意見が出た。(4/30 河北新報朝刊)
広瀬通地下通路移設&再開発ビルへ直結!
記事にもありますが,この再開発ビルの目の前まで地下鉄広瀬通とを結ぶ地下歩道が通っており,その地下歩道から歩道に上がる階段部分を再開発ビル敷地内に移設し,地下レベルで接続するようです。そうすろと,広瀬通駅改札から2分位でビル地下へ直結し,雨にも雪にもぬれずに移動できるというメリットが生じます。地下鉄の利用促進にもつながるかと。
これは,現在の広瀬通地下道の地図。広瀬通駅からは地下道で一番町方面や電力ビル方面とを結んでいます。
地図右上の出入口2つ(電力ビル方面,フォーラス方面)が敷地内に移設されます。
この写真は,西2出入口付近からの広瀬通駅方面。突き当り部分で階段となっており,バリアフリーではないので,ビルへの利用者が増える段階で改修が必要になるのでは。
これは,再開発ビルにほど近い西3・西4出入口付近から。
この辺からは地下道に入ってから駅まで結構長い距離を歩きます。この通路は地下鉄開業前からあり,地下鉄開業に合わせて駅に接続したのでしょうが,さすがに40年?経過すると殺風景になっていることから,第1期が完成する2029年度のビルへの接続時期に合わせて,リニューアルして欲しいな。
敷地内への接続イメージ
上の断面図のうち,地下部分をアップで。広瀬通駅の地下連絡通路から北棟を通って南棟まで繋がります。
緑文字の地下道A’,地下道B’の場所に,それぞれ歩道上から移設されるようです。
特に現在のフォーラス方面の出入口は歩道も狭く,地下道階段も狭いので,再開発ビル敷地内にゆったりした幅での移設となることを期待。
近年の地下鉄駅隣接で建設されたビルについては,パルコ2然り,ドン・キホーテ,学院大五橋キャンパスと軒並み地下部分での接続がなされずというのは,費用面の節減という背景もあるのでしょうが,残念に思っていました。この大規模再開発ではさすがに地下での接続が取られるようで,本当に良かった。
完成まではあと12年。。。
全面完成が2035年度と気が遠くなる思いでしたが,北棟が6年後の2029年度に先行整備されるということで,ちょっとホッとしています。
さくら野跡地のPPIHツインタワーや藤崎付近の再開発がなかなか進展せず,EDEN跡地もあまり良い情報は聞こえてこない中,仙台都心再構築プロジェクトを推進する起爆剤的な役割を果たしてくれそうです。
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特にオフィスや商業施設を含む再開発では,移転するオフィスや店舗の受け皿がうまく供給されないと,有機的に再開発がつながらないので,オフィスはヨドバシ第一ビルが受け皿になり得ますが,コンスタントに再開発が進んで,老朽化が進む仙台都心部のアップデートに繋がって欲しいと思います。
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