久々の新潟 その(6)高架化されたJR新潟駅
新潟シリーズも終盤です。
今年の6月に高架化工事が完成したJR新潟駅。1階部分はまだ剥き出しで,地上には旧駅舎を解体した広い空き地が広がっています。
2018年に現2~5番線部分が暫定的に一部供用されており,今回は1番線供用により,完全に地上ホームが廃止され,高架ホームへ移行したとのこと。
懐かしのバスターミナル
以前の万代口は,THE昭和!というような,国鉄時代からの古びた駅舎で,バスがバックを強いられるバスターミナルも含め,懐かしい雰囲気だった記憶がありますが,その駅舎があった部分は更地で駅前広場用地となり,新高架駅舎は南側の新幹線高架に沿って整備されました。
その懐かしいバスターミナルは,新ターミナルが整備されるまでは現役です。
これまで,南北の通り抜けが阻害されていたところ,高架駅舎の1階部分に南北のバスターミナルが集約され,また,駅の南北をスルーするバスも運行される予定とのことで,現在新潟駅まで運行されているBRTと称するバス輸送機関が駅南側のデンカビッグスワンスタジアム付近まで延長されるのかな。
在来線ホーム
在来線ホームを覆う大屋根です。シンプルながら快適な空間です。入ってくる電車が特急を除くとE129系のみで非常に統一感がありました。
新幹線⇔在来線 乗換がスムーズ
また,在来線の駅自体の規模はホームの集約化により,7番線までから5番線までに縮小されましたが,在来線と新幹線のホーム高さを合わせたことから,その新幹線ホームに接する5番線は,乗換改札を経由して,向かい側の新幹線にすぐに乗り継ぐことができ,特に酒田・鶴岡方面からの特急いなほとの乗り継ぎ抵抗を減らす効果を発揮していました。JRとしては,すぐに乗り換えられてしまうと,お土産や食事などを買ってもらえなくなり痛し痒しの面もあるのかなとは思いながらも,単純に乗り換える乗客としたら,本当に便利です。ホーム上に東西2か所の乗換改札があり,それほど移動せずに新幹線⇔在来線を乗換えできます。
2階在来線改札
東西に2か所設置されています。在来線高架化自体は6月に終了したけれど,まだ2階レベルは工事中で,至るところに白壁があり,まだ完成形までは当分かかりそう。
新潟駅を通る3路線(信越本線・白新線・越後線)毎に,見やすい発車時刻表示モニターが設置されています。
在来線東改札付近の商業施設は,コンビニNewDaysとベーカリーのみで整備途上。
新潟駅の平面図
西改札付近には,駅ビルCoCoLoの西+があります。他に駅ビルはCoCoLo
の本館,中央,西館,東館,南館とかなり分散していてちょっと分かりにくい印象です。9月25日には,再整備のために本館,中央,東館が一旦閉鎖されるとのこと。
現在のCoCoLoについては,駅ビルとはいえ新たに整備したビックカメラが入る南館以外は駅の余剰スペースの活用が大部分で,細切れの駅利用者向けの雑多な専門店(飲食店・お土産屋等)の寄せ集めで,現状では市民がわざわざ買い物に来るような施設ではないという印象を持ちましたが,間もなく閉店するフロアの再整備も含め,段階的に2024年まで順次オープンするようで,特に高架下の大部分を活用した新たな商業施設が目玉になるよう。
CoCoLoとしての総店舗面積が1.3万平米で,仙台駅東の再開発で生まれたエスパル東館の店舗面積に匹敵します(エスパル全体としては3万平米超)。
これまでほぼ存在感がなかった新潟駅の商業機能の拡充は拠点性の高まりにプラスになりそうです。
(JR東日本プレスリリースより引用)
広々とした南口
駅裏にあった操車場跡を再開発した新幹線口という性格を持つ南口。昨年訪れた水戸駅南口と似た雰囲気を感じます。
広々とした広場が広がる先に,上越新幹線開業後の1985年に再開発事業にて整備された,複合商業施設プラーカ1~3がありますが,駅からの回遊性に難があり集客が減り一度破綻したという理由が分かるほど,間に挟む広場が広すぎて,回遊しようとは思えない距離。現在はホテル,商業・業務機能が入っているとのこと。あまりに暑く,駅から見るだけで入りませんでした。
COCOLO南館には,ビックカメラが出店。新潟はヨドバシカメラが万代口に,ビックが南口とバランス良く出店しています。立体駐車場が大部分で,ビックカメラはワンフロアで,多層階のヨドバシの方が売り場面積は広い。カメラ系で競争があるのは良いなぁと。右側のビルはプラーカ1(ホテル)。
新潟都市圏のJR運行水準
以前に何度も言及していますが,もともとの50万都市で政令市になるために合併し80万都市になった都市にしては,在来線の運行水準が高い印象です。
過去記事
- 仙台と新潟(公共交通機関)(2006/12/16)
基本的に,新潟駅を発着する信越本線(新津方面),白新線(豊栄方面),越後線(内野方面)の昼間の普通列車は約20分間隔のダイヤを長年続けています。完全パターン化という訳ではないにせよ,近距離部分の新潟駅から15~20分圏は概ね都市近郊ダイヤとしては最低限の20分間隔なので,安心して使える印象です。ラッシュ時も本数多少増える程度にせよ,昼間に準じた不便を感じない本数を確保しています。
ただし,その20分間隔が保たれた区間を過ぎると毎時1本になるのは極端とはいえ,需要が見込める区間にきめ細かく対応しており,実態に合っている印象です。
仙台では,今でこそ,東北本線上り方面(仙台ー名取)は昼間で10分間隔の分かりやすいパターンダイヤとなりましたが,以前は総本数はほぼ変わらなくとも,5分間隔がある一方快速がある時間帯の通過駅は30分以上待つ時間帯もあったりで,本当にもったいない組み方をしていましたが,今は下り方面の12時台の27分待ち(南仙台~長町駅)以外はほぼ解消されました。ただし,パターンダイヤが導入されて崩されの歴史が続いており,今のダイヤがいつまで続くかが気がかりな面もある一方,新潟都市圏では長年大きく変わらない運用をしています。
仙山線 毎時2~3本(基本20分間隔ながらも不等間隔)
仙石線昼間 毎時3~4本(基本20分毎等間隔+2時間おきに多賀城発着区間便)
本線下り昼間 毎時2本程度(不等間隔)
ということを考えると,その新潟都市圏と比較すると,東北本線上り以外の昼間のサービス水準はあまり変わらないということに。
特に東北本線下り(東仙台と岩切駅)が不憫に感じます。
仙台近郊では,空港線の昼間2両編成で混雑が問題になった位で,さすがに2両編成では運びきれず基本4両編成のため輸送力自体は新潟よりは大きいですが,逆に2両編成を活用して頻発させるという選択肢が取りづらい。2両編成を運行させるとしたら,本線下りで昼間に運行されている岩切ー利府の2両編成区間便を仙台駅まで延長して,仙台ー岩切間を昼間毎時3本にする位かと。
改札内コンコース
落ち着いた,統一されたデザインです。ホームに向かう階段部分にもLCD出発時刻モニターが設置され,先発だけでなく,次発・次々発まで表示されています。
なお,新潟駅では3方面の発車に使用するホームは路線ごとに決まっておらずランダムなので,路線ごとの出発時刻モニターもあり分かりやすい。
越後線に乗車
越後線で青山駅に向かいました。
単線での運行ながらも,きめ細やかに交換駅が設置され,ほぼ20分間隔で運行しているのは凄い。内野方面は新潟大学がある他,駅間も短く住宅地が連担し,新潟交通のバスも頻発しているエリアです。
同じ単線路線の仙山線は交換駅が限られており,不等間隔が前提で昼間で30分以上空く時間帯もあるのが残念。
車内の光景ですが,E129系に初めて乗車して知ったのが,車両の後ろ半分はロングシート,前半分はクロスシートなんですね。これだとラッシュ時にも詰め込みが効きそうだし,利用者も選ぶことができるので,合理的な設計に感じました。
仙台だとクロスシート車とロングシート車を併結している場合が多いけれど,どっちにクロスシートが来るかというのがいまいち分かり辛く,選ぶのは難しいところがあるので。
越後線と白新線・信越本線それぞれ主に2~4両で稀に6両での運用があり。昼間の短距離区間便(内野・豊栄・新津まで)は2両編成が多い印象。
乗車した越後線吉田行の2両編成の車内は,程よい利用率。
青山駅で下車
新潟駅から3駅目の青山駅で,昼間の15時頃ですが約20人が下車しました。JRになってから開業した請願駅ながら,多少古びた駅舎です。ホームは1面1線で,南側に駅舎があります。
運行本数は終日ほぼ双方向毎時3本程度。周りは住宅地に囲まれ利用は旺盛です。
新潟近郊区間なので,当然ながらスイカ対応の自動改札機が設置されています。
この駅から,南に徒歩5分程度の場所に,BRTの乗り継ぎターミナルがあるイオン青山店があるなど,公共交通の利便性が高いエリアになっています。
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