「青葉通広場化」今秋にも歩道拡張実験
約2年前に記事にしていた,仙台駅前「青葉通」の広場化構想。
過去記事
- 仙台駅西口 青葉通の広場化なるか?(2020/1/19)
期待と課題について,詳しくは前回の記事参照ですが,「さくら野跡のドン・キホーテグループ再開発計画地」と,「オリックス不動産が保有するEDENや旧GSビル敷地」という,仙台駅前に位置する2大再開発候補地に挟まれる青葉通を広場化するという野心的な構想であります。
ただし,仙台駅西口広場に直結するメイン動線であり,特に仙台駅西口エスパル前に整備した路線バス降車場への動線をぶった切る形になるため,完全にクルマを排除する場合大きな障害となります。
よって,過去記事では,真ん中にバスなどに限り通すトランジットモールを解決策として取り上げていましたが,今秋実施される社会実験では,やはりこの方向で検討しているようです。
仙台駅前「青葉通広場化」構想 歩道拡張、秋にも実験
仙台市はJR仙台駅西口(青葉区)の青葉通を一部広場化する構想の実現に向け、秋にも実際に歩道を拡張する社会実験を実施する。広場化すれば「東北の玄関口」に広大な憩いの空間が誕生するが、仙台駅に直結する道路をふさぐことになり、交通への影響が懸念される。社会実験を通じて課題を洗い出し、将来の具体的な姿を描く
「南北両側の歩道拡張」か「南側3車線広場化」
広場化の対象は駅前通交差点-愛宕上杉通交差点間の約150メートル区間で、市が検討中の社会実験パターンはイラストの通り。
片側4車線のうち ①南北2車線ずつ歩道化する「両側歩道拡張パターン」 ②南側3車線と北側2車線(一部は1車線)を歩道化する「南側3車線広場化パターン」の2案が浮上する。いずれも車両の通行はバスやタクシーに限り、一般車は通れないようにする。
両側歩道拡張パターンは現在ある高速バス乗り場、タクシー乗り場を前方に移動させるだけで、利用者の混乱が少ないことがメリット。南側広場化パターンは南側の高速バス、タクシー乗り場を北側に集約するため、運行ルートの変更が必要になるものの、南側の歩道を広く利活用できる。
市の2017年調査によると、広場化の対象区間を平日午前7時~午後7時の12時間に通過する自動車は約1万3000台だった。
21年度の交通量シミュレーションによると、いずれの社会実験パターンの場合も、同区間が最も混雑する午前8時ごろに愛宕上杉通交差点以西の青葉通、アエル前の駅前通で100台以上が減少する一方、定禅寺通や広瀬通の一部、ロフト前の駅前通で50~200台程度増加するとみられる。
市は今後、対象区間の沿道地権者や交通事業者らとつくる「青葉通駅前エリアのあり方検討協議会」で、2パターンの一方を試行するか、両方を試行するか検討。拡張した歩道の利活用策も含めて社会実験の概要を固め、秋の実施を目指す。
市都心まちづくり課の馬場泰通(ひろみち)課長は「広場化の在り方や交通への影響を考えるきっかけにしたい。市民の理解と協力を得て、進められればいい」と話した。(河北新報1/6朝刊より引用)
検討協議会では秋の実施を目指し,試行方法は2つの案から今後検討するとのことですが,バスとタクシーをただし交通への影響を考慮し,合計4車線程度は車道として残すようです。
そうすると中央分離帯を除き,車道として約20m程度の幅で残り,社会実験なのでやむを得ないにしても,南北に分割される広場としての一体感は大分薄れます。
ペデストリアンデッキの拡張ではダメ?
地表レベルでの広場化構想では,バスやタクシーなどの交通に支障が出ることが必然です。
それを解決するためのトランジットモール化にしても,両側で4車線をふさいでしまっては,広場化といっても中途半端になりそう。
そもそも,仙台駅西口は,駅舎も周辺の商業施設も2階レベルでのペデストリアンデッキが張り巡らされており,この青葉通広場化構想地の駅側1/3~半分だけでも2階レベルのデッキで広場化し,両側の再開発ビルと一体化するというのはどうか。
また,かつトランジットモールを導入し一部広場化した地表部分と2階部分を幅の広い階段で結ぶという選択肢もあるのではと。
完全に2階部分を広場化するにはデッキの建設費も膨大になり,また1階部分が暗くなってしまうのは適切ではない。
再開発の続報が待ち遠しい
さくら野跡地はドン・キホーテを中心とするのPPIHグループが再開発を手掛けることとなっており,その向かい側もオリックス不動産が再開発を計画していながらも,コロナ禍ということもあるのか,最近新たな情報はありません。
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さくら野跡地の開発情報が出たのが令和2年の3月で,もう2年程度は経過しつつあります。
仙台市の都心再構築プロジェクトの話が出たのが令和元年夏ですが,このプロジェクトのもとに具体的な計画が策定され,着工にこぎつけたのは,NTT東日本の仙台中央ビルのみ。
建て替え促進は約5年間の時限的な政策であり,もうすでに約半分の期間が経過しつつありながら,この状況はまずいのでは。コロナを言い訳にするにしても,同種のプロジェクトで先行する福岡は競うようにプロジェクトが進んでいるのに。
まぁ,オフィスについてはテレワークの進展での需要減退,ホテルもインバウンド・旅行需要や出張需要が不透明になっている現在ですが,そろそろポストコロナに向けた計画が発表されるものと期待しています。
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