仙台市地下鉄 昨年度の利用者が2割超の大幅減に
仙台市交通局から,令和2年度の地下鉄利用者数が発表されていました。
JR東日本は7月頃発表に対し,仙台市地下鉄分の発表はいつも遅く,この時期です。
平成30年度までは,仙台圏の鉄道利用者数の伸びは鈍化しながらも,増加基調でしたが,令和元年度末からコロナの影響は続き,令和2年度は通年でモロにコロナの影響を受け続けたため,南北線は令和元年度比77.1%の約15万人,東西線はさらに大学生のオンライン授業の影響か73.9%の6万人弱まで激減してしまいました。
南北線は,震災直後の平成23年度並み,東西線は開業直後並みと,これまで地道に増やしてきた利用者分が吹き飛んでしまった格好です。
それでも,テレワークが進んでいる首都圏が軒並み3割減であるのと比較すると,約2割減にとどまっているのは地域性もあるのか。
南北線の利用動向
何といっても,ターミナル駅の仙台駅の乗車数が前年度比71.1%と南北線ワーストとなっています。
東京や他都市からの玄関口である分,乗換の利用者が減少したというのと,飲み会やイベントなどの移動需要が軒並み消えてしまった影響は大きい。
イベント需要の激減という面では,ユアスタ最寄の泉中央駅も仙台駅並みの72.7%で影響は大きい。一方,ゼビオアリーナや仙台PIT最寄の長町駅も78.7%と影響はありながらも,マンション開発による定住人口の増が減少幅を和らげる役割を果たしたか。それでも2割以上の減というのはがっかりです。
また,仙台駅もですが,買い物需要が大きい長町南駅,広瀬通駅,勾当台公園駅,泉中央駅の各駅も比較的減少幅が大きい傾向があります。
また,仙台駅を挟んで南北に分けて,前年度比80%を基準として傾向を見ると,北部は80%超えが9駅中4駅に留まるのに対し,南部は7駅中5駅が8割超えと,近年の傾向のとおり北部駅の利用者数の頭打ちを感じます。
以下,仙台市交通局のHPから近年の乗車人員推移を引用します。
よりダメージが大きい東西線
せっかく元年度は当初の需要予測の8万人に届きそうなところまで増やしたのに,一気に開業当初の数字まで激減というのは悲しい。
特に,健闘している東側が6駅全てが前年度比80%超えなのに対し,通学需要それも一番の大口利用者の東北大がリモート講義になり激減だった西側は全7駅が前年度比8割どころかほぼ3/4以下。ワーストは文系学部が集まる川内駅の53.7%と,何と半減の実績。理系学部の青葉山駅も約6割,の国際センターでのイベント中止の影響か,国際センター駅も川内駅に近いほぼ半減の数字です。
東北大などは,今年の前半は昨年度よりは対面授業が増えていて多少は回復しているでしょうが,第5波が水を差す結果に。
そうはいっても,全体的にワクチン接種が進んでおり,この秋から社会生活の正常化(ウイズコロナ)に向けての動きが進むようです。冬の再流行の可能性もあり,楽観視はできませんが。2~3年かけて,普通に地下鉄で買い物,飲み会,スポーツ観戦などに出かけられるような従来の生活を取り戻すことができれば良いですね。
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