勾当台エリア活性化に向けて その2(定禅寺通の車道縮小へ)
仙台市が進めている,勾当台エリアの活性化。
勾当台公園の再整備と並び,2019年4月から仙台市の事業が始まった定禅寺通活性化の推進。
春から秋にかけては,歩道の一部にテーブルを置いて沿道のお店の疑似オープンカフェとしての活用を模索。
昨秋の10月には車線を1車線縮小して歩道空間を広げた社会実験を数日間にわたり実施しています。
そもそも,定禅寺通の西側は広瀬川によって遮られ,T字路になっているので,この沿道に用がある車が大部分であるため,基本的にそれほど交通量が多い訳ではありません。
さらに西側に向かおうとするクルマが,混雑する広瀬通や北四番丁通を避けて,迂回路としての用途がある位。
よって,片側3車線ある定禅寺通は,藤崎付近の青葉通のように,片側2車線まで狭めて,歩行空間拡大のために利用し,イベントを行いやすくして賑わいを高めようという構想。
既にWeb上では記事が消えていますが,正月の地元紙一面でも,完全一方通行化を含めた3案が検討されているとの構想が紹介されていました。さすがに青葉通の西口で打ち出されているように一部といえども完全広場化は難しいか。
定禅寺通りについての雑感
仙台を代表する通りで,光のページェントやジャズフェスなどの定禅寺通がメインのイベント会場としても有名です。沿道には仙台を代表する建築であるメディアテークや,現在宮城野原への移転検討が進められている老朽化しながらも仙台の芸術文化の殿堂である県民会館(東京エレクトロンホール宮城)が立地し,周辺には市役所や一番町四丁目商店街,国分町など周辺の主要スポットを繋ぐ重要な役割を果たしています。
中央分離帯には歩道スペースが確保されているのも特徴的で,仙台の3つの東西に走るメイン通の中では唯一。この分離帯スペースに生育しているケヤキ並木の厚み故に,青葉通を上回り仙台を代表する並木道として名をはせている印象です。
ただ,この分離帯スペース。光のページェントやジャズフェスなどのイベント時には賑わっていますが,それ以外は正直言って中途半端な存在に感じます。彫刻などが配置され,るるぶ・マップルなどに取り上げられる代表的な場所なので,観光客が歩いているのはよく見ますが,市民からするとちょっと歩くのが恥ずかしいスペース。同じ中央分離帯でも札幌の大通公園とは全く違う。
幅も中途半端で,その分離帯に何が目的地があるわけではない。ベンチはあるけれど隣をせわしなくクルマが通り,排ガスまみれでゆっくりできるような場所ではない。よって特に意識しなければ,南北両側の歩道を通ってしまいます。
国分町通交差点に続き,晩翠通交差点部分がスクランブル交差点かされ,西側の分離帯に直接渡ることができるようになりましたが,基本的に置かれている環境は変わらない。
よって,個人的な思いとすれば,定禅寺通の車道を削減し広場空間化に用いる場合は,中途半端に1車線分ずつ南北両側の歩道部分の拡幅ではなく,2車線分を中央分離帯部分の拡幅に使って欲しいと思います。そうすれば,ちょっとしたイベントも開きやすくなり,オープンカフェとしての活用にも。特にGW頃からの五月晴れの時期は,ケヤキ並木の新緑がより魅力的な場所になりそうです。
県民会館跡地
すったもんだしている美術館と異なり,すんなり移転場所も決まりつつある県民会館。
でも,こっちも劇団四季の定期公演のハコでもあるし,集客力のある演歌歌手の公演も頻繁に行われるこの県民会館がこの地から移転してしまえば,客層が重なる仙台三越や公演後の国分町飲食店を中心に影響が大きいのではと思います。
定禅寺通の奥に位置する市民会館も同時期に移転するし。まぁ,市民会館は西公園あたりにという可能性が高そう(同じ公園をつぶすのであれば錦町公園よりも影響が小さいという面で)で現位置とあまり変わらない可能性もありますが。
跡地活用については,県はまず仙台市に打診するとのことなので,中央署跡地活用の時のようにプチバブルで111億円の恵み!と市場原理に任せてということはなさそうなので,ちょっと安心。
大変な仙台市
でも,仙台市としてもこの土地を購入してもこの地に必要な公共施設は特にないし,市民会館と市役所という2大投資が控えている中,そんな余裕はない。市の意向に沿った活用ができるデベロッパーを見つけてくること位というのが歯がゆい。
「せんだい都心再構築プロジェクト」による仙台駅西口を中心とする再開発支援も重要で,やることは多くともマンパワーも予算も厳しい仙台市。この状況なので,あっちもこっちもと欲張り中途半端にならないように。まず優先順位は①西口②勾当台③東口かなと。東口は条件が恵まれていて,勝手に動いていくと思うので。
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コメント
車線減は愚作でしかない。
税金のムダ。
投稿: | 2020年2月16日 (日) 08時38分