都市の憩いの空間
梅雨にも関わらず猛暑が続いたと思ったら,天気予報通りで一転仙台の梅雨らしい肌寒い天気に。西日本の大雨は本当に気がかりですが,今年は夏らしい夏になるんでしょうか。
今週末は,勾当台公園市民広場でアメリカフェス,楽天生命パークで試合と花火大会,広瀬川の八本松緑地で広瀬川アーバンアウトドアという,野外イベントが開催されましたが,何とか雨も止み肌寒い中開催されたようですね。暑いのも苦手だけど,寒いのも夏らしくない。うまくいかないもので。
なお,このアーバンアウトドアというイベントは,2005年から活動しているせんだいセントラルパークを推進する団体が主催したもので,仙台の街にとっての水辺として,「広瀬川」を市民により身近な開かれた存在にするために地道に活動しているようです。今回は河川敷での映画上映やテントの設営体験,全国一斉に7月7日午後7時7分に”水辺で乾杯”するというユニークなイベントが開催されました。
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さて,仙台は杜の都と呼ばれ,本来は武家屋敷の緑のことを言っていたようですが,それらが失われた今は定禅寺通りを中心とする並木道が杜の都の象徴となっています。
もちろん勾当台公園や錦町公園,西公園の他,借景としての青葉山の緑というのも含めての杜の都のイメージでしょうが,他都市と比べて憩いの場としてのイメージが弱いのは,ウォーターフロント的な水辺がうまく活用されていないこともあるのかなと。
他の大都市では,海沿いの横浜,福岡,神戸などとは条件が違うながらも,太田川のデルタに展開されている広島,鴨川が街中を通っている京都と,他都市では水辺がうまく活用されている。水辺のイメージが薄いのは札幌と名古屋だけど,その分ともに広大な100m道路の大通公園が広がっていたりします。
それに,春に上京した際に感じたのは,東京都心の緑の多さ。オープンしたばかりのミッドタウン日比谷にたまたま寄ってみたのですが,目の前が日比谷公園と皇居及びお濠で,緑が一面に広がっており,水辺もあり,こんな贅沢な空間が東京駅から至近の場所に広がっていたんだと改めてビックリしました。
東京は,この皇居付近以外にも,上野公園,明治神宮,神宮外苑,新宿御苑,浜離宮など,緑豊かな空間が都心に残されていることが,息苦しい大都会のオアシスとしてうまく機能しているなぁと思います。
仙台は,上述の都心部の公園や緑地以外では,周辺に目を向けると榴ケ岡公園や台原森林公園,大年寺山などはありますが,玄関口たる仙台駅近辺で緑や水を感じることができる場所がないのはちょっと残念であるのはしょうがないにしても,都心部の水辺を感じられる空間として,広瀬川の活用というのはやっぱり重要だなぁと改めて感じました。
せっかく,地下鉄東西線が開通し,西公園・国際センターエリアへのアクセスが容易になったこと,追廻エリアの公園としての再整備が進んでいることなどを含め,せっかくの資源をうまく活用していければと。
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コメント
たしかに仙台駅前は窮屈感を感じる気がしますね。自分的には整備された川(中州や広島みたいな)に憧れます。広瀬川は綺麗だと思うけど街の外れにあるせいか田舎の川ってイメージがあります。ユアスタ近くのムーミン公園はなかなか潤いがあって好きです。
投稿: 北仙台 | 2018年7月 9日 (月) 23時43分
中心部から西公園までの地下鉄で2駅という立地は札幌の中島公園や福岡の大濠公園と同じなんですよね。
それらと比べると西公園は南北で分かれていたり、現在は整備中というのもあって少々窮屈感も感じるところではありますが、市民プール跡地の整備が終われば親水空間の確保も含めてイメージも変わってくる事でしょう。
個人的に気になっているのが仲の瀬橋の上にかかる古びた歩道橋で、もっと幅の広い橋に架替えられないものかと思います。
投稿: | 2018年7月19日 (木) 20時35分
コメントありがとうございます。
>>北仙台さん
福岡の中州や,広島のデルタは川で街が分断されているデメリットの反面,街中でも水辺を感じることができますね。おしゃる通り広瀬川は都心の外延部を通っているので,水辺を市民が意識するのは,七夕前夜祭花火位でしょうか。泉中央と七北田公園・七北田川のような関係だと,身近に感じることができますね。長町と広瀬川の関係も悪くないですが。
≫匿名さん
西公園の再整備と合わせて,追廻住宅跡地の青葉山公園の整備が進むと,だいぶイメージは変わってくるかと思いますが,わざわざ地下鉄に乗ってきてもらうという距離なので,,国際センター駅北側の広場も含めたイベントの実施などで,人を呼び込んでいくという方向なのかなと思います。歩道橋はあまり意識したことがありませんでした。
投稿: S-Watcher! | 2018年7月26日 (木) 15時39分
東京に長く住むと、仙台駅前のペデストリアンデッキや、あおば通等、
植物を取り入れたゆったりとした作りは、大きな財産だなと思います。
快適に立ち止まる場所には困りませんので。
東京では東京駅などランドマークは徹底的に整備されますが、逆に、
大半の旧い駅では一休みする場所すら無い、ギチギチした空間しかありませんので…。
一方で、一休みなら良いのですが、ちょっとした長めの休憩、待ち合わせ、おしゃべりとなるとどうか。
仙台都心には、仕事の待ち合わせや、小さい子を連れたお母さんや学生たちが
場所に余裕を持って寛げるような混み合っていて居ない空間は実は少ないかも知れないですね。
公園に限らず、仙台駅前の喫茶店なども中規模のものはたくさんありますが、どれも椅子に詰め込まれるような感じです。
ワンフロアぶち抜きのような、荷物を置いて小一時間いられる、気持ち高めのチェーン喫茶店の広いものが、わかりやすい所にありません。
土産物屋さんや、東京の流行りの服屋やレストランなどは有り余るほどありますが、あれらは回転も上げなくてはならず、常用には適さないと思います。
この辺りだけ、新宿などの悪い部分に似てしまっているように思います。
公園もそうですが、もう少し都心に日常的に居る人に向けたサービスが、
わかり易い場所に増えると、東京の新しい街の様に便利になると思うのですが。
投稿: | 2018年12月17日 (月) 15時37分
コメントが遅くなりすみません。
かえって東京都心のほうが,まとまった緑地やオープンスペースは多いんですよね。
確かに分布は偏っていますが。トラストタワー級の再開発地がいたるところにあるので,
どこも人は多いながらも,その点は便利なところですね。
なお,仙台駅近辺でのゆっくりできるオープンスペースとしては,東口自由通路のあたり,アエルアトリウム,あと忘れられがちですが,E-Beans4階の杜のガーデンテラスもお勧めです。
投稿: S-Watcher! | 2019年1月31日 (木) 22時44分