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2016年7月 3日 (日)

あすと長町 三井タワーマンションの概要

昨日仙台国税局から発表された今年度の路線価で、県内では引き続き被災者の移転需要や復興がらみでの土地需要が旺盛なため、上昇率は収まりつつありながらも、全国2位の上昇率とのことです。
石巻や気仙沼などの沿岸部での上昇率は沈静化していますが、仙台では中心部も郊外も引き続き土地取引は活発で、路線価にも現れています。
その中で、上昇率で注目されたのが、仙台南税務署管内でのトップ地点が太白区役所前の通りから、あすと長町1丁目のあすと長町大通に移ったこと。
それも、上昇率が22.6%の19万円/平米 で一気に抜いた形です。
ヤナセと仙台河川国道事務所から歯科医院前の交差点までの区間の路線価ですが、両側ではイオンタウンの計画や三井不動産などががヤマザワから購入した土地の活用もあり、現在のあすと長町ではホットなエリアです。
ヤマザワ計画跡地では、ヤナセ東北が6月はじめに本社を移転し、ベンツのショールームを開設しました。新車はもちろん、中古車もずらっと並び、2百万台から買えるんだーと、ちょっと心が動いてしまったり。買いません(買えません)けど。
その駅側の5月末に東北サファリ―パークが移動動物園を開催した場所で、三井不動産グループが計画していたマンション計画概要が明らかになりました。
三井不動産部分はヤナセ側の2千平米は既に引き渡し済ながらも、駅側の6600平米は今年末の引き渡し予定。
                                                                                                     
    スポーツパーク ゼビオあすと長町店 あすと長町大通線 プレミスト
   
あすと長町環状線  
鉄道高架
    (tekute)
歩行者通路 JR所有地(リパーク) 三井不動産 ヤナセ 国土
    交通省
0.66ha
(マンション)
0.2ha 0.33ha
H28年末引渡予定 H27.2引渡済 イオンタウン
    予定地
(リパーク)
駅前広場      
リパーク、歯科医院  
 
 
JR
    長町駅
 
 
 
 
               
    IKEA   Mac
     
その年末引き渡し予定の場所に、建築計画の看板が立てられ、概要が明らかになりました。

Img_1082_3

土地面積:約6600平米
高さ:93M
階数:28階!
戸数:468戸!(仙台市内で、文句なし過去最大規模)
延べ面積:5.2万平米
着工:H29.6、完成予定H31.9末
用途:住居専用

何よりも468戸と、住友シティタワーの414戸、ワールド&野村のワンパーク345戸を優に超える規模になります。

高さも、現在分譲にしのぎを削っている両物件が揃って24階なのに対し、28階と上に積んできました。三井の街区13街区は高さ制限が緩和されている(とはいえ、アセス対象ですが)ので、100M弱の高さにしてきたのかと。


なお、線路向かいにH11年に完成しているたいはっくるのライオンズタワーは31階建てで114M、256戸。それを考えると、高さが低く、戸数は1.8倍ということは、通常のタワーにしてもワンフロアで16~17戸と、住友シティタワー並みのワンフロア戸数。そうすると、たいはっくるのようなタワーというよりは、住友やワンパークのような横長or寸胴型のタワーとなりそうです。


なお、その土地は正方形に近い形で、あまり南面の戸数を確保できそうにないかと。住友型の南面+東面で、残りの土地に立駐という形が、デベからすると効率的なのかな。


当然、駅前の景観を考えると、正方形の形状の本来のタワーマンションを望むところではあります。


それにしても、土地代を考えると、住友シティタワー及びシティタワー2、ワンパークと比べて、ハンデはかなりのもの。一戸あたりの土地代は単純計算してもシティタワーの3倍。それを販売価格に転嫁するためには、駅前という至便性と商業施設併設でのプレミア感を打ち出し売る戦略しか思い浮かばなかったのですが、結果としては。。。


マンションのみの計画に

 そして、住居のみとのことで、うーん。三井不動産はララガーデンを隣駅の長町南駅前で運営しているので、長町駅前でのかかわり方は難しいながらも、ヤマザワ購入時の3倍の土地代を投資しているので、中途半端なものは作らないだろうと信じてましたが。


当然、住居と商業の複合施設だと、動線も商業部分の駐車場の確保も難しくなるとはいえ、駅に近い6600平米が住居だけというのはもったいない。せめて、タワーマンションをヤナセ側に寄せて、駅側を商業利用という方が、JR所有地(リパーク駐車場)・tekuteとの連携可能性も含めて、活用の幅が広がっただけに。
残る引き渡し済の2千平米が商業としても、商業地域で容積率は600%とはいえ、そんなに上に積んで使うとは思えない。三井不動産側としては、東日本放送が取得した杜の広場側の土地(こちらも6600平米)のコンサルとしても絡んでいるとのことで、そっちの活用方法と天秤にかけるということも。
路線価の上昇という明るいニュースの陰に、開発が進んでも街としての将来イメージが見えてこない面を改めて感じました。マンション林立→購買力のある層の流入→商業機能の充実 という正のサイクルがうまく回らないのは、仙台駅前の巨大商業集積と、隣駅のモール+ララガーデン という市内最大商業施設に挟まれた立地条件故の話で、それは10年以上前から課題となっていた話。


そうなると、残り少ないあすと長町の未利用地の活用として、イオンタウン予定地と、2ha以上ある仮設住宅跡地利活用の動向が注目されています。
市立病院や老人ホーム、ゼビアリ・ゼビオ・スポーツパークが集まる地区北側が医療・健康+スポーツ(イベント)という分かりやすい方向性でまとめられているのに対し、長町駅以南は、ikeaを除いて単なる団地型高層マンションの林立+低層(郊外型)ロードサイド商業の集積という現在の方向性、これを打破するシンボル的な長町駅前の整備を望むところです。

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コメント

いつも楽しく長町情報拝見させて頂いております。私の方からも情報提供できればと思い投稿します。マンションはコの字形状です。南側の道路に面して平屋商業施設を配置するようですが、残念ながらコンビニ程度の大きさです。

投稿: おじ | 2016年7月 7日 (木) 22時55分

>>おじ さん

情報提供ありがとうございます。
コの字型ですか。
南面にごく小規模商業施設というのは、
スポーツパークのところのようなイメージであれば、
悪くはないですが、コンビニ程度だとちょっと残念です。


投稿: S-Watcher! | 2016年7月 9日 (土) 18時43分

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