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2016年4月24日 (日)

仙台空港の動き(タイガーエア就航他)

仙台空港の平成27年度の乗降客数が、震災後初めて減少に転じたというニュースがありました。

300万人台は守り、311万人との数字が出ましたが、前年度と比べて4%減となりました。

<仙台空港>乗降客4%減 復興需要に陰り
仙台空港の国内線と国際線を合わせた2015年度の乗降客が、前年度比4%減の311万3841人だったことが19日、分かった。乗降客数の前年割れは東日本大震災で急減した11年度以来、4年ぶり=グラフ=。復興需要の陰りが浮き彫りになった。
 県の速報値によると、15年度の乗降客は前年度比12万5729人の減。国内線は295万4442人で11万8099人減少し、国際線は15万9399人で7630人減った。
 国内線は、スカイマークが福岡線と札幌線を15年3月下旬、神戸線を10月下旬に撤退した影響が出た。国際線は、ハワイアン航空が9月末でホノルル線の運航を中止。海外渡航客は成田などに流れたとみられる。
 7月1日に完全民営化される仙台空港の運営会社仙台国際空港(名取市)は、20年度の乗降客目標数を410万人としている。現状より100万人上乗せする必要があり、格安航空会社(LCC)の誘致などに力を入れる。
 仙台空港アクセス線は、2万2219人増の337万553人で過去最多を更新した。震災後の沿線開発に伴って通勤通学客の利用が増加し、空港利用者の減少分を補った((4/20河北)。
復興需要に陰りとありますが、そもそも復興需要って何なんでしょうね。

国内線に関しては、広域避難者の家族の行き来、被災地自治体への派遣者の帰省を含む行き来、膨大に発生しているインフラ復旧などの工事・業務を受注しようと、首都圏以外の企業の参入・拠点開設にともなう行き来の増加というのは思いつきますが、そういうのはごく一部。それにピークはとっくに過ぎており、もはや通常の状態に近づいている。

一方原発事故の影響は大きく、観光はまだ完全には戻っていないけど、ある程度持ち直している、国際線利用客は半分以下でまだ下げ止まらず。

そんな状況で、様々な条件が絡み合っている状況。復興需要って便利な言葉だけど、思考停止して安易に使いすぎなのでは。住宅再建がらみは復興需要というのは間違いないけど。
仙台空港の置かれている状況
そもそも
〇新幹線で結ばれる首都圏の影響力が強い。
〇名古屋までも新幹線が強い。
〇飛行機利用は関西以西及び北海道に限られる。そもそも経済的な結びつきが薄い。

というなか、定価でも乗ってくれるビジネス需要が限定的という致命的な弱みがある。

そうすると観光での行き来を増やさなければという中、所得の低い東北地方から北海道や関西に行くのも1泊往復パックで3~5万。九州に至っては5万以上(羽田からは2万からある)という逆格差。心理的な遠さに加えてこれでは気軽に行けない。

その状況を打破するため、LCCの就航拡大を目的とした、仙台空港の民営化を村井知事が震災後推し進め、7月から東急グループを中心とする「仙台国際空港」が本格的に業務開始し、民営化がスタートします。

既に関西便を3~4往復/日 就航しているピーチが2017年度に仙台空港の拠点化を表明していますが、そのほかにもエアアジアが7月頃に中部便を2往復/日 就航予定(ずるずる遅れていますが)。

本当にLCCのようなコスト的に気軽に使える交通機関が待ち望まれています。

現在こそLCCの就航が徐々に進んでいますが、ちょっと前はANAとJALの寡占状態で高止まりしていた仙台空港に、第3極の元祖格安系スカイマークが2013年に参入し、もともと流れが強かった新千歳に加え、一定の流れがありながらも運賃が高止まりしていた福岡便へ格安で参入した効果は大きく、近年の利用者増はピーチとスカイマークの就航のため。需要先行型ではなく、需要創出型であり、復興需要とは関係ない次元の話だったのになぁ。
一旦破たんし仙台から撤退したのも、余計なエアバス社製のA400を大量に購入しようとしたことが原因だしね。
タイガーエアの就航
そのような状況で、あと2か月で民営化が開始されますが、インバウンド・アウトバウンド双方の流れを強化し、国際線利用者数を取り急ぎ50万人まで増やすためには、北海道新幹線を活用した仙台IN函館or新千歳OUTといったルートの構築もあるし、海外便LCCの就航も重要。

ピーチの拠点化後には海外LCCも開設という話がありましたが、いち早く台北へのタイガーエアの就航が週4往復で発表されました。
<タイガーエア台湾>仙台-台北6月就航へ
仙台空港の運営会社、仙台国際空港(名取市)は13日、台湾の格安航空会社(LCC)「タイガーエア台湾」が6月29日から仙台と台北を結ぶ定期便を週4往復運航すると発表した。仙台空港にLCCの国際線が就航するのは初めてとなる。
 タイガーエア台湾は180人乗りのエアバス320を使用。火、水、金、土の各曜日に往復運航する。同社の日本総代理店は「台湾からの訪日客は増える傾向にある。東北では仙台の人気が高い」と話す。
 タイガーエア台湾は中華航空の子会社。北東、東南アジアで運航し、日本では成田や関西など6空港に就航している。仙台発着の台北便は現在、エバー航空(台湾)が週2往復運航しており、3月の搭乗率は86%と好調を維持している。
 仙台空港は7月に完全民営化される。着陸料の軽減策などの実現によって、新たな就航に弾みがつくことが予想される。仙台国際空港の岩井卓也社長は「東北のインバウンド(訪日外国人旅行者)、アウトバウンド(日本人の海外旅行者)双方の玄関口として役割をより大きく果たしたい」との談話を出した(4/14河北)。

既存のエバー航空の週2往復と併せると週6往復で、ダブルトラック化されます。
仙台空港から最も潜在的な需要創出可能性が高い台北との便が強化。なお、新千歳などはトリプルトラックで”毎日”5往復と格が違う!

なので、北海道とのつながりで東北にも誘客を図ることで、まだ潜在的には伸びる路線。
仮に搭乗率7割程度とした場合で年間5万人。

国際線だけで年間50万人までもっていくには、加えて同規模の就航が6件必要なので、香港、ソウル、上海、北京。。。ハードルは低くはないですが、こういったところで地道に積み重ねていくしかない。

民営化を前に、幸先の良いニュース。というか、新会社は路線誘致の努力を地道にしているんでしょうね。頭が下がります。

アクセス鉄道利用者過去最高に
河北の記事中にありましたが、空港利用者が微減の中、沿線開発が順調で鉄道利用者は増加しています。


毎時2~3本という本数は仙山線や本線の岩沼以南、岩切以北並みで及第点。終電が仙台駅23時ということで、多少早いけど、名取までの終電は24時2分発があるので、よっぽど富谷とか利府と比べると便利ですしね。乗り換えなしで20分もかからないし。

名取市の人口増も、このアクセス線沿いが受け皿。
当初目標の1万人/日 には及ばないものの、9千人/日 は達成しています。
ただ、臨空都市の開発はほぼ概成し、これ以上の転入はそれほど見込めない。子供が育ち高校生になれば通学需要で増えるけど、逆に親世代がリタイヤして通勤者が減ることも考えられるから、これ以上の増加を見込むためには、空港駅の利用者を増やさなければならない。

そうすると、空港自体の利用者増はもちろん、2両編成の解消と20分おきの運行を確保し、利便性を高めることが必要。民営化にあたり東急電鉄のノウハウを投入し、JRと利便性向上の協議をするとのことだったので、せっかく整備した鉄道インフラを、空港の利便性向上のために、さらに有効活用して欲しいものです。

 

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