仙台ヨドバシ再開発 H30年10月オープンに
仙台駅東口再開発が概成し、賑わいを見せている仙台駅周辺での開発や店舗オープン情報が立て続けに報道されています。
本来であれば、2014年度オープン予定だった、ヨドバシカメラ仙台店の再開発。環境アセスの対象になる延床5万平米をはるかに超える延床10万平米規模での出店で、満を持してという出店計画でした。
仙台ヨドバシ新ビルも16年春オープン!(H26/6/19)
ヨドバシ仙台店仮移転オープン (H24/4/16)
ヨドバシカメラ再開発(H24/2/10)
その計画が遅れていたのは、
〇震災後の工事リソースの逼迫化
〇隣接する仙台駅東口再整備(東西自由通路、エスパル東館)の施工スペースの確保
〇地域貢献施設としてのホール設置による容積率緩和について、仙台市との協議
がありましたが、JRの再開発が概ね概成し、残るはホテル棟とオフィス棟といっても、施工スペースとしては離れた場所になることから、そろそろ方向性が見えるかなと思っていましたが、変更後の環境アセス計画が、仙台市HPに発表され、河北が記事にしました。
<ヨドバシ>仙台新ビル18年10月開業に延期
家電量販大手のヨドバシカメラ(東京)がJR仙台駅東口の旧店舗跡に建設する店舗兼商業ビル「ヨドバシ仙台第1ビル」の開業時期が、当初予定の2016年春から18年10月に延期されたことが12日、分かった。同社は7日、環境影響評価(アセスメント)を受けるため、仙台市に評価準備書を再提出した。環境アセスが順調に進めば、ことし10月にも着工する予定だ。計画によると、第1ビルは、12年4月まで「マルチメディア仙台」として営業した旧店舗があった自社敷地に整備する。建物2棟で構成され、店舗や駐車場が入るA棟は地上9階、地下2階の延べ床面積約8万1000平方メートル。当初計画の地上8階から1階分増やす。
音楽ホールや店舗、駐車場などが入るB棟は地上7階建てで、延べ床面積は約1万2500平方メートル。音楽ホールは一部5階建て部分の3~5階に設置する。B棟は当初の地上14階から大幅な減床となった。
駐車場台数は両棟分で計626台。旧店舗時代から使用する立体駐車場と、現在の「マルチメディア仙台」が入る東側のヨドバシ仙台第2ビル分を合わせ、計1490台分を確保する。
当初予定通り、仙台駅東口と第1ビル、第2ビルをペデストリアンデッキでつなぐほか、第1ビル、第2ビルは地下通路でも結ぶ(4/13河北)。
環境アセスの情報は、仙台市のHPにあります。
膨大な情報なので、要約書はこちら
完成時期が2年半後というのは、着工予定の今年10月から2年という現実的な工期。
以前の計画では1年で完成という、素人目線でも無茶じゃない?というスケジュールだったので。
今の仮店舗と言われている、ヨドバシ第二ビルの店舗でも、十分売り場面積としては充実しており、あえて急いで第一ビルの再開発を進めずとも良い状況だろうなと思っています。
もともと、「東西線沿線都市計画提案募集」により、音楽ホールと高速バス停という地域貢献施設の付加について報道されていましたが、
今回はっきりとした部分のポイントは
(1)音楽ホールはB棟の3~5階に
(2)A棟の店舗は1~6階
(3)屋上(10階相当)に屋上広場を設置
(1)の音楽ホールは、3層にわたって広さは延床で6,000平米以上とのことながらも、有効スペースは図面上20M×20M程度、かつ実際の活用部分は2層(4~5階)なので、せいぜい座席ベースで数百人規模のホールかなと認識しました。オールスタンディングにすればそれなりに収容できそうですが、1000人までは行かない。常設席は5階部分に設置されるっぽいな。
B棟の幅もそれほどないし、現存の立駐側の端っこの部分ですが、以前の14階建ての謎の活用方針と比べると、よっぽど有効活用できると思います。
この規模とすると、ZEPPの代替ライブホールまではいかないまでも、ライブハウスとしても活用できる箱になるかな。
(2)容積率が400・500・600%にまたがっていたのが、500・600%になるとのことで、店舗部分が確か5階までだったのが、6階までになりました。
各階で延床7千平米程度×6=4.2万平米。売り場面積は3万平米程度でしょうか。
ヨドバシ部分が1~3or4階とすると売場面積で1.5~2万平米。
残りの上層階がテナント。テナント部分だけでも売り場面積1万平米以上。さらに現在の第二ビルでヨドバシが入っている1~3階の1.2万平米もテナントに貸し出すとなると、ヨドバシ以外で2.2~2.7万平米のテナント売場面積が生み出され、一体どうやって埋める?
そうすると、巨大書店と飲食店街は確実に入るかな。ハンズがエスパルに出店前であれば、受け皿としては最適だったけど。
(3)エスパルも東館屋上5階相当部分に、SKY GARDENという屋上庭園を設置しましたが、眺望は北側のみで、見えるのは汚い線路部分であまり魅力的なスペースではないですが、ヨドバシの屋上庭園は地上10階相当で、面積も確保されるので、眺望も含めちょっと期待。
ペデストリアンデッキネットワーク
現在のヨドバシ第二ビルと東口ペデデッキとは直接接続されていません(エスカレータで1Fに降りなければならない)。これが現在西口からヨドバシを遠く感じる理由。小物は面倒でラビで買ってしまう。
しかし、第二ビルから第一ビルを経由して、仙台駅東西自由通路・仙台駅・西口ペデまで一体で接続されるので、歩行者ネットワークが広がります。
宮城野通駅からヨドバシ第二ビル経由で、仙台駅方面への歩行者ネットワークが概成するので、宮城野通駅の利用促進にもつながる。
希望としては、仙石線仙台駅を通じて地下鉄仙台駅や仙石線あおば通駅までつながる地下東西自由通路との接続も欲しかったけど、それは仙台市の決断が必要だし、しゃーないか。
高速バスベイの設置
東口の現在の高速バスターミナルは、以前はJRバスと相互運行会社専用のターミナルの趣がありましたが、徐々に他社にも開放されています。それでもまだ余裕はありますが、この度ヨドバシ敷地内にバスベイを設置する理由は、宮城野橋が今年度完成し、広瀬通の宮交高速バスターミナルを発着する高速バスが、基本東口バスターミナルに延長されることでなければ、説明つかない。
仙台市としても、広瀬通の宮交バスターミナルは、東京建物との共同開発で生まれ変わった快適なバス待合スペースながらも、バスベイは3つで道路を切り欠いた従来型のバス停。発着バスの路駐で周辺の慢性的な渋滞を招いていることもあり、利便性が急激に高まった東口の有効活用を兼ねた、東口のバスターミナルの拡張と、広瀬通の混雑緩和を図るのであれば、話がつながってくる。
基本的に山形線以外の県外高速バスは
仙台駅東口⇔仙台駅西口(広瀬通宮交ターミナル)⇔広瀬通一番町(フォーラス前)
のルートを通ることとし、どこでも乗り降り可能とすることで、ビジターへの利便性確保にもつながるので、喜ばしい動きです。これも推定ですが。
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コメント
仙台市の環境アセスメント全ページみましたが、
ほんとんど意味ページがないですね。
大規模開発の度に提出されるなんてお役所仕事と言わざるおえないですね。
投稿: | 2016年4月24日 (日) 17時53分
コメントが漏れていました。
ごめんなさい。
環境アセス自体は、都市景観や都市機能に大きな負荷をかける開発を実施するにあたり、
実施主体に覚悟を求めるもので、当然無意味なものではないですが、
よほどひどい計画でなければ、認めることになるんでしょうし、
大店立地法と同様に、形式的なものになっている印象はあります。
お気持ちは分かります。
情報としては、平面図や完成予想パースなど、貴重な情報も入っていますけどね。
投稿: S-Watcher! | 2016年5月14日 (土) 21時45分
はじめまして。いつも貴ブログを拝見しております。仙台の動きを身近に感じると共に、とても勉強になっています。
ところで、ヨドバシの動きが全然ありませんね。
新ヨドバシ移転後の広い敷地は駐車場の暫定利用のまま、勿体無いと感じます。
予算の問題なのか、手続きの問題なのかは判りませんが、環境アセスもパスしているはずでしょうし、完成予想パースも見ましたので、手続き上の問題よりかは、予算的な問題で建設を引き伸ばしているのではと私は思います。
仙台経済界等の雑誌もたまに情報収集の為に読んでいますが、一時期の話題の後にピタッと、ヨドバシ仙台の建設について言及しなくなりましたので、ますます気になります。
何か情報があれば貴ブログで取り上げるはずですし、続報は全く無いのでしょうか。
自分なりに調べているつもりですが、それ以降の動きが全くありませんので…。
投稿: Kazboo | 2017年12月12日 (火) 14時52分
>>Kazbooさん
コメント遅くなりました。
ヨドバシの開発はピタッと止まってしまいましたね。
これまでの再開発に向けての執念と費用を考えると、ここでご破算にすることはありえないながらも、無理に急ぐ環境にはないということと察しています。しかしながら、仙台市のスタンスも積極的に支援する感がしないんですよね。さくら野に対してもですが。
投稿: S-Watcher! | 2017年12月31日 (日) 06時52分