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2016年2月 7日 (日)

仙石東北ライン女川直通へ

昨日JRから発表されましたが、今年の夏に仙石東北ラインの一部列車が、石巻線の女川駅まで直通運転されるとのこと。

震災の前、さらに石巻駅が電車駅と汽車駅の2つに分かれていた時代から要望されてきた長年の懸案事項が、これも"震災復興"の名の下に実現します。

とはいっても、まずは1往復とのことで、利用実績次第で増発も検討とのこと。
石巻地域の方が使えない片道52分のアリバイづくり特別快速とは異なり、朝に女川→仙台、夜に仙台→女川 なので、地元の方にメリットはあり。

女川の須田町長も、通勤通学の利便性が高まり、定住促進にとのコメントを出してますし、石巻の亀山市長も同様に歓迎のコメント。

ただ、実際これだけで定住促進には繋がらないとは思うけど、通勤利用は厳しくても仙台駅近くの専門学校等への通学であれば、多少は地元から通う選択肢も出てくるかな。1日1往復だしね。

所用時間は、80〜90分とのことで、内訳は仙台⇔石巻 の約60分 + 石巻⇔女川 の約25分  で、石巻駅での停車時間3〜5分。

特別快速に接続する、現在の上り最終だと、女川→仙台で90分を切っているけど、それ以外は接続する場合で100〜120分。全く接続しない場合もあるから、1日1往復とはいえ、90分以内での直通は便利になります。それ以外の時間帯で、10分以内に乗り継げるようになればと。

まぁ、女川駅よりは、石巻の渡波駅からの利用者が多いだろうし、渡波からだと、70〜75分程度で仙台駅まで到着。

石巻駅を挟んで、蛇田側に人口重心が移っている中で、大きな被害を受けながらも集団移転地や災害公営住宅の整備が進んでいる渡波駅からの利便性が高まるのは、石巻市にとっても望ましいこと。

設定される時間は?(朝)

朝は、通勤通学に間に合う時間とすると、女川6時19分発石巻経由古川行のスジをそのまま振り替えて(古川行を石巻駅始発に短縮)が自然でしょうが、そうすると、石巻駅着が6時45分着で、仙石東北ライン始発は6時35分になので、繋げるには女川発を15分早めるか、仙石東北ラインの発車を遅くするかしかない。

現在の到着時間帯は、仙台駅7時35分で、ラッシュピークには早すぎる。利用者のことを考えると、あと15分位遅くして7時50分着にした方が良いのだけれど、仙石線の単線部分の行き違いや、東北本線ダイヤとの調整が困難。7時48分着は石越からの始発電車があり。

今夏の運行開始なので、あまり、他路線に影響しないやり方をとらざるを得ないため、予想は女川6時5分頃発→石巻6時35分→仙台7時35分着で90分を死守というところか。家を5時台にでないとキツイ。

設定される時間は?(夜)
これは、なかなか予想し辛い。
女川駅ではホームが1つしかないので、朝の始発にするため女川駅に停泊する前提だと、最終列車かなと思いながらも、現在の仙石東北ライン最終が仙台20時23分→石巻駅21時21分で、女川行最終は石巻駅21時46分発。

25分も空いており、これを繋げるとすれば、女川行最終を20分も早くする必要あり。この列車は小牛田発なので影響も大きく、受け入れられるか?

そもそも、通勤通学の利用者にとっては、直通はもっと使いやすい時間帯を望むでしょうが、仙台発が夕方18時や19時台だと、ただでさえ車両運用に余裕がない中で、車両を増やさない限りは無理。

そうなると、やっぱ仙台発20時台になるのかな。

夜に女川駅に到着した列車がそのまま朝の仙台行始発にするしかないし、いかんせん女川駅のホームが1つしかない(震災前は2つ)ので、自由度が狭まっています。

なので、今回は、通勤通学用の時間帯にとのことですが、仮に今後、休日の観光客向けに、午前 仙台→女川、夕方に女川→仙台 を設定するにしても、通常の石巻線の列車と融通が効かないし、効率的な設定ができないという課題もあり。

その他の課題

朝の石巻駅からの利用者にとっては、石巻駅始発でなくなることから、着席チャンスが減り、死活問題かもしれません。石巻駅到着時で席が埋まることはありえないにしても。

また、女川まで四両というのは明らかに過剰ですが、石巻駅でいちいち二両⇔四両に増解結しては、せっかくの時間短縮効果が失われてしまうので、まさか、昼間の1往復のように仙台から二両で運転なんてことはないと信じますが、昨年の仙石東北ライン開業時にも、東北本線 松島⇔仙台 の大減便という要らないオマケがついてきたので、フタを開けて見るまで、何が起こるか分からない怖さはありますね。



(2/8追記)
仙台-女川、JR直通運行 夏から1日1往復

 JR東日本仙台支社は5日、今夏をめどに仙台と石巻を結ぶ仙石東北ラインの一部が女川まで延長運行すると発表した。当面は朝夕1日1往復の予定だが、通勤通学で利用する乗客が一部でも乗り換えなしで仙台と女川を行き来できれば、復興の後押しや人口減の歯止めへの期待も高まる。

写真・図版

 石巻―女川間は石巻線が通っているが、女川から仙台に行くには石巻で乗り換える必要があった。直通運行は女川町石巻市などが長年要望しており、JRも復興支援のため、検討を進めていた。

 ただ、仙石東北ラインの車両乗り入れには改善工事も必要で、費用の一部は女川町など地元自治体が負担する。

 具体的には、現状の石巻線のホームは乗降時に車両との段差が大きいため、陸前稲井駅と渡波駅のホームを20センチかさ上げする。直通運行に必要な信号機も新たに設ける。

 ダイヤは未定だが、JRは朝の通勤時間帯に女川から仙台に向かう上り1本と、夕方に仙台から女川に戻る下り1本を想定しているという。

 今は女川を午前6時19分の始発に乗っても仙台に着くのは約2時間後の8時17分。直通になれば、乗り換えの煩わしさも解消し、時間短縮も見込める。JRは「利用状況をみて増便するかどうかを検討する」としている。

 直通運行の実現に、女川町の須田善明町長は「非常に喜ばしい。より活発な経済活動が期待でき、将来の定住人口確保につながる」とコメントした。

 1月発表の国勢調査の速報値で、5年前の前回と比べた町の人口減少率は被災3県の自治体で最も高い37・0%。仕事を求めて仙台などの都市部へ移住する人が後を絶たないという。仙台圏との行き来が便利になれば、人口流出に歯止めがかかると、町は期待する。

 昨年12月に開業した女川駅前の商店街シーパルピア女川の「cafe&bar OWL」の高橋一枝店長(33)は、観光客が増えることを心待ちにする。

 仙台から電車では石巻からの接続が悪く、車は復興工事による迂回(うかい)路の影響で道に迷う客が多いという。「直通に乗って女川を応援しに来てくれる人が増えてくれれば」と話した。(木村聡史、森田貴之)(2/5朝日)

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コメント

ダイヤは朝夜ともお書きのような形になるんでしょうね。
個人的には以下の様な形が理想ですが。

・朝;石巻線列車の石巻駅発への短縮ではなく、石巻駅での停車時間分だけ発車時刻を繰り下げることで仙石東北ラインと石巻線列車の両方を走らせる。
(通学への悪影響が大きいから無理…)
・夜;朝と同じく両方走らせるか、21時台仙台発の仙石東北ラインを設けてそれを女川直通させる。(副産物で出来る21時台石巻発の仙石東北ラインの利用客数が未知数…)

後、昼間時間帯の増発や女川延長を増加させるには車両増備が無いと厳しいですね。
この辺はどれだけ利用客が居るかに懸かってます。
ただ復旧ではなく復興の足音が聞こえてきたことは喜ばしいので、今後の改善を期待したいなと。
仙台支社が余計な事をしないかが不安ですが…。

投稿: デリン | 2016年2月14日 (日) 00時58分

>>デリンさん

いつも、TWITTERを含め、参考にさせてもらってます。
基本的に、JR東日本のやり方だと、特に厳しい地方線区は、
減便があたりまえで減便で御の字。増便は期待するだけ無駄なので、
朝は記事に書いたような感じになるのではと思ってます。

ただ、女川始発を使いやすい時間にするのであれば、
今の松島始発8時前仙台駅着と、仙石東北ラインの7時35分着を
入れ替えてという可能性は残るかなと。
(6時半頃女川発7時頃石巻発仙台8時頃着)
これだと、石巻の利用者にとっても、使いやすい時間になります。

夜については、他方面への影響を小さくすることを考えると、
20時台仙台発の仙石東北ライン終電の延長なのでしょうが、
各紙の記載内容に微妙にずれがあり、夜間だったり、夕方だったり。

まぁ、記者の受け止め方で細部は脳内変換され得る世界だし、それに夕方と書いているのは朝日だし、正確性はよくわかりませんが。仮に夕方であれば当然いいですね。
通勤通学に利用できて、1日1往復であれば、18時台の仙台発が女川行きに変身する可能性も残るのかなと。通勤通学利用かつ夕方であれば、遅くとも17時後半~18時台だろうな。今は亡き直通快速も17時58分発でした。

その場合は、様々な問題があり、
○石巻着を受ける石巻線の列車がない
 →小牛田発の時刻も含め、涌谷や前谷地利用者を巻き込み大きな時刻変更が。
○20時頃着だと、女川駅に朝まで停泊できない。
 →いったん石巻まで回送し、21時発の最終仙台行き仙東ラインに。
   加えて、21時21分石巻着の最終仙東ラインを、そのまま30分後に(あくまでも別運用として)女川行き最終とする。
○運用編成が不足
 →これだと、19時56分石巻発仙東ラインの車両が足りないので、ここは車両増備だけでは辻褄が合わない。まさか1本減なんてね。

このように、限られた設備で増便がないという前提だと、どこかにしわ寄せが生じます。
仙台支社の余計なことは避けられないのではないでしょうね。

このような様々な犠牲を払うのであれば、朝は直通の意味がありますが、夜は単純に石巻での石巻線乗り継ぎ時間を5分にすればいいのではと思ったりします。

昼間も、正直休日観光用の9時頃仙台発、16時頃女川発という臨時列車で事足りるように思えます。
昼間を含めて多くの列車を行き来させるのであれば、利用の区切りである渡波折り返しだとそれほどロスもないし。折り返し設備は貧弱ですが。

投稿: S-Watcher! | 2016年2月14日 (日) 16時09分

返信ありがとうございます。
夜はどうなるか不明ですが、朝については仙石線内の制約を考えてもお書きの形で快速列車の繰り下げは可能ですね。

石巻駅6時台上り
現状;8分普通、35分快速、48分普通
改良;8分普通、34分普通、51分快速

時刻を繰り下げる条件としては、下り列車の一部の時変や高城町駅7時台上りの16分・33分発で石巻直通列車の入れ替えが必要になりますね。

所要時間
現状;6時35分石巻発→7時35分仙台着
改良;6時51分石巻発→7時55分仙台着

但し、上り快速は現状より数分遅くなる為に前を走る普通と平行ダイヤになるのと、仙石線電車の折り返しがかなり短くなります。

投稿: デリン | 2016年2月14日 (日) 22時17分

>>デリンさん

コメント遅くなりすみません。
さすがの洞察ですね。自分のは、仙石線側の交換までは考慮してませんでした。

ただ、報道からちょっと時間をおいて考えると、
本当にやる意味があるのか?と思えてきました。
もちろん、大きな被害を受け、復興が進んでいる女川、渡波、
内陸移転の一環で人口が増えた稲井からの仙台への足が便利になるにしても、
純粋な増便でない限りは、既存のSTLや仙石線、石巻線にしわ寄せが大きいので。

それよりは、STLのスピードアップで、新駅「石巻あゆみ野」に停車しても1時間を切れるように、
うまくダイヤを組むことが優先かと思いました。

投稿: S-Watcher! | 2016年2月28日 (日) 21時51分

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