地下鉄東西線 開業日レポート(3)青葉山駅
八木山動物公園駅からは、時間の制約があったので、降りる駅を絞って。
まずは青葉山駅。
東北大青葉山キャンパスと宮教大をカバーする駅。
特に理系学部が集積している広大な青葉山キャンパス(A~I)。東北大の顔とも言える重要なエリア。
さらに、青葉山ゴルフ場跡地を青葉山新キャンパス(J~O)として、青葉山駅の南側に拡大中。ほぼ整地や道路整備は終わっていて、そこに来年度以降、雨宮の農学部が移転してきます。建物や農場の整備も半ばですが、形が見えてきました。また奥の方にはサイエンスパークとやらの産学連携拠点の整備も計画されているとか。
それらのキャンパス群の要の位置に設置された青葉山駅。
文系学部の川内キャンパスが、狭いながらも最寄駅が川内駅と国際センター駅の2駅あるのに対し、ただでさえ超広大で宮教大もあり、さらに青葉山新キャンパス拡大中のこのエリアでたった1駅でカバーするのはムリゲーじゃね?と思ってました。
特に工学系の学生は実験・研究で日が変わることもあるので、自由な交通手段として原チャがメインで、終電が遅いとはいえ仙台駅方面が23時50分だと、駅からも坂があったり、夜の寂しい中、特に冬場は厳しいなと。
でも、この青葉山駅の立地は、ここしかない!という絶妙な立地なんですね。
北:理学部・研究科(徒歩3分)、薬学部・研究科(徒歩7~8分)
東:工学部・研究科(徒歩3分~12分)
西:情報科学研究科(徒歩1分)、宮教大(徒歩7分)
南:新キャンパスの農学部・研究科予定地(徒歩5分)
意外ですが、徒歩圏に収まるし、キャンパス内はそれほどアップダウンは小さい。
川内との高低差は物凄いながらも、青葉山内では、理学部や薬学部のところは多少あるけど距離はそんなに離れておらず、東側はマテリアル・開発系まで、緩やかな上り坂の後は平坦な道。
新キャンパス部分も、旧ゴルフ場のフェアウェイ部分中心に自然破壊となる大規模な地形改編を避けており、工学部や宮教方面は自転車を青葉山駅に止めておけば何とかなる状況ではあります。
学内バス(青葉山連絡バス)の本格運行
旧来の市営バスが、青葉台(成田山)-青葉山駅-工学部‐八木山動物公園駅の1本/hのみなったので、その分を学内バスを拡充して、特に従来バスを使用していた学生の便が極端に落ちないようにしています。
朝夕の通勤・通学時間帯(7時半~9時半、概ね17時~19時)は、
工学部・研究科方面が7分半間隔(マイクロバス2台)
理学部・薬学部方面が15分間隔(マイクロバス1台)
と、地下鉄が5~8分間隔のところ、それほど待ち時間がない運行体制を敷いています。
実際理学部や工学部でも化学系など近いところは歩くだろうから、特に工学部でも機械・マテリアル系の徒歩10分以上かかるエリアを対象にしているのかと。30人しか乗れないマイクロだからなおさら。
日中や夜間~深夜帯は、工学部~薬学部系統を「青葉山循環」として一体運用し、概ね30分間隔。
凄いのは、研究室で夜遅い学生や教員に配慮してなのか、最終便が23時過ぎまであること。これであれば、従来の市バスと同等で、仮に女子学生でも駅までの安全な足が確保されているから安心です。
この学内バスについては、東北大としてもかなりの努力をしたのでしょう。留学生会館がある三条地区とのシャトルバスを、市営路線バス(川内駅~北仙台駅)の開設に合わせて廃止し、その分のバスを持ってきたのか。なかなか国立大でも法人化以降は特に学内交通システムのために自前の設備(バス・運転手)を増員・更新できる状況ではないので、現在の体制でやっていくしかない。
学内では、電気自動車・バスなどでの新キャンパスでの次世代移動体の研究をしている組織もあるようです。その成果は今回の地下鉄開業には間に合わなかったようですが、将来的に新しい技術を活用した、革新的なキャンパス内移動システムに移行して行ければと思います。
ただ、川内キャンパス~青葉山キャンパス間の連絡は、旧来のキャンパス間連絡バス(青葉山-川内-片平or星陵・雨宮)しかなく、学都フリーパス(バス5000円/月 均一)により、路線バスが担っていた連絡機能は地下鉄に移行することに。
そうすると、地下鉄だと駅-駅の連絡となり、特に10分程度しかない休み時間での移動は結構厳しくなるのでは。両キャンパス間の路線バスが全廃されただけに。
地下鉄自体も7分半間隔だし、駅からのアクセスを考えると移動時間は20分位みないと厳しいかと。
両キャンパスを行き来するのは教養課程?の学部1-2年生がメインでしょうが。少ない旧来のキャンパスバス(1日10本程度)に集中して、乗り切れないという事態が生じているのでしょうか。
そうなると、男子学生では原チャの方が機動性が高く、なかなか地下鉄への移行が進まないということにもつながってきます。
青葉山駅
前書きが長すぎました。でも東北大の学生・教職員輸送をどれだけ地下鉄に移行させるかというのが、東西線西側の成否を占うことになるので、調べてみた次第。
で、開業レポート。
エスカレータの壁面に描かれている化石のモチーフ?
やっぱり一味違う!
デザインもどこか、未来的な印象?
しかし、この駅の特筆すべきところは、ホームが地下6階。川内からの標高差を頑張って登ってきても、この地下30メートルだかの深さに駅を設置しないとという事情があるにせよ、深すぎる。
10年以上前に住んでいたところで、地下5階にホームがある地下鉄駅が最寄だったけど、確かにうんざりしたもの。それより深いのか。
でも、運よくホーム階から改札階までのエレベータに乗れれば、1分もかからずあっという間にホーム階との間を移動できます。
学生は頭がいいから、エレベータに近い位置の車両が人気だったりして。
深さはともかく、仙台駅から9分というのは革命的な時間短縮。川内キャンパス最寄駅までは4~6分!!
これだったら、休講時間とかで、一番町に時間つぶしとか気軽にできるし、東北大生の生活が一変することになるのではと。
共同研究や様々なシンポジウムなどで来学する企業関係者にとっても、分かりやすく利便性が上がります。東北大としても、学内・学外者を含め、より一層の地下鉄利用促進を図ってもらえればと。
駅からみる理学研究科方面。建物の上部に学部・研究科名の案内があります。
ここは、青葉山新キャンパスになりますが、駅から直近のブロック。災害研や環境研他プロジェクト関係の新たな建物が整備されています。
また、キャンパスモールとして広い歩行者専用道路が途中まで整備されています。
なお、奥の方が移転整備中の農学研究科方面(東→西の写真)
何か良くわかりませんが、建築ラッシュ中です。
前述の学内バス停。バスの方向転換が必要なので、路上ではなく、スペースを確保しています。
情報科学研究科前から改称された青葉山駅バス停。しかし接続するのは八木山動物公園駅行き。それも1時間に1本。まぁ、八木山には東北大の寮がある他、家賃の安さで学生が多く(騙されて)住んでいるから、そっちからの足の確保も必要。工学部中央-八木山動物公園駅までは何と100円均一区間に入ります。学生には助かる。
ここが、駅入り口2か所に挟まれた交差点。当日は当然日曜日だったので、学生はあまりいなかったですが、開業日で物珍しさに降りて散歩している方が見受けられました。
今後も、学外者もターゲットとした、利便施設がこのあたりにできればいいですね。新キャンパスには農学部向けの学食などの施設が建設中とのことですが、片平キャンパスの学食のように部外者も使いやすいものになるといいなぁと。
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