海沿い小旅行 リターンズ(4)
女川から石巻線に乗り、石巻駅へ。
帰りは全線仙石線経由で帰りたかったが、その仙石線各駅停車あおば通駅行は、石巻線が到着する2分前に発車。嫌がらせとしか言いようがない。次のあおば通駅行は1時間後。
20分ちょっと後に発車する仙石東北ラインに乗り、高城町まで。石巻駅発車時点で席が半分程度埋まる位の混み具合。
高城町で下車し、やたらと狭いホーム上で仙石線あおば通行を15分待つ。ここで待つとしたら理想は5分以内だなと改めて実感。雨風雪だったら拷問としか言いようがない。その日も暑くてしんどかった。
ホームは屋根を設置する工事中で、待合室は撤去されていました。
というか、ここに待合室があったことが驚き。
駅自体も自動改札がなく、簡易スイカ対応。奇しくも分岐駅・乗り換え駅となりながらも、駅自体はホームが2つでしかなく、石巻方面列車の行き違い(単線なので)と仙石線高城町発着電車を処理しているというのは、ある意味すごい。
というか、この設備で無理して処理しようとしているため、ダイヤはお世辞にも便利とは言えない状況ですが、それでも仙台方面行の選択肢が広がったので、”高城町駅周辺住民”にとっては、うれしいことでしょうね。概ね毎時3本は確保されることに。
一方これまで毎時3本あった松島駅の利便性が格段に低下したという事実もあり。
駅前は閉店した個人商店が目立つなど、まさかこの駅が松島町の玄関口になるとは思っていなかっただろうに、松島町にとってもうれしい反面悩ましいでしょう。駅前広場もなく、ホテルの送迎バスも出せない。一の坊や壮観にとっては最寄駅の利便性が上がったので万々歳でしょうが。
仙石線(高城町→仙台)
ほぼガラガラで発車し、本塩釜までは空気輸送なのかなと思ったら。。。
松島海岸で、どどどっと乗ってきて、何と席が全部埋まりました。
若い人たちのグループが目立ちます。
松島水族館が閉館して、閑古鳥云々という報道が目立ちますが、以前は遠方からきて水族館目当ての人ってあんまりいなかったよね。そりゃ最近は閉館ブームで客が押し寄せたということもあり、当分は周辺の飲食店には影響はあるでしょうが。 水族館はあくまでも地元向けで、県外観光客への影響はそれほどないとは思っていました。
電車から見える駅前ロータリーに面した飲食店で、日曜なのにシャッターが閉まっていると思われる店もありました。松島町のテコ入れで10年くらい前にきれいになったこの一角。焼き立ての牡蠣などの水産物を提供するなど、頑張っていると思っていましたが、ちょっと元気がないかな。
このダイヤ改正で、松島海岸に停車する快速が廃止となり、概ね30分に1本というのは変わらないにせよ、仙台駅までの所要時間が約40分に統一されました。
まぁ、分かりやすい面もあります。ただ、40分はやっぱ長いかも。観光客のみなさん、仙台着くころには結構うとうとしていました。
意外な駅が便利に
なお、5月末の仙石東北ライン開通に伴う勝ち組の駅は、塩釜、高城町は明らかですが、地味に松島海岸と東塩釜の間の、利府町にある陸前浜田の利便性が格段にアップしています。
これまで通過していた快速の各停化で全部停まるようになり、震災前の毎時1本から、松島海岸と同じ30分毎に。でも周りは単なる漁村で、車で5分位の場所に伊藤忠が造成したシーアイタウン利府葉山の最寄駅ではありますが、クルマで利府駅に向かう住民が多いようで、一応直線距離で近いとはいえ、仙台まで本塩釜経由で遠回りとなるこの駅の利用促進につながっているのであれば良いのですが。一応ニュータウンからのバスの発着はありますが、早速減便されており、住民の流れはイオンがある利府駅周辺に向いているよう。
利府⇔仙台 は240円 朝夕毎時2本、日中夜間毎時1本 直通16分、乗換25分
陸前浜田⇔仙台は320円 基本毎時2本 直通40分弱。
東塩釜の手前から景色が変わり、住宅地や造船所、塩釜湾を見下ろしながら本塩釜到着。この眺めも好き。
仙石東北ラインの開業もあり、ますます本線の塩釜駅に利用者が移りそうな流れではありながらも、古くからの塩釜市の中心はやっぱりこっち。
30年前からの高架駅でありながら、改装されて古さは感じないし、周辺の町並みと合わせて都会的な雰囲気を醸し出しています。
海側にはイオンタウンとマリンゲート。山側には塩釜神社や駅周辺の寿司哲・しらはたなどの有名寿司店やホルモンやなどの飲食店が集積し、魅力のある空間に。震災での被害から、一部は再開発ビルの整備が決まっていますが、個人的には塩釜は魅力のある街だと。マリンゲートのブレアマリーナもお気に入り。たまに行きたくなります。
また、多賀城も、先日記事にしていますが、駅高架化と駅周辺整備が進んでいます。TSUTAYAが入る再開発ビルも、鉄骨が組みあがり、大分進んでいました。先行事例の武雄市の図書館の影の面もいろいろ言われており、ちょっと心配ですが、武雄市の轍を踏まないようにしっかりチェックが必要。
塩釜、多賀城は、仙石線・本線が市域を縦断し、駅勢圏の広さもあり、稠密な街並みが広がっています。両市の市域も一体化し、約40k㎡で12万人の人口は若林区並みの人口で、さらに人口密度は高かったりします。古くからのコンパクトシティ。
両市とも津波で、(石巻や気仙沼に比べると)目立たないながらも場所によってはかなりの被害を受けました。でも、着実に復興に向けての取り組みが進んでいます。この両市は応援したくなります。
石巻までの往路は本線経由で、ある意味田んぼと住宅街の繰り返しで退屈だったけど、復路の仙石線経由は、バラエティに富んだ街並みが続き、駅ごとの乗り降りも活発で全然飽きませんでした。
陸前浜田付近の松島湾の眺め、本塩釜の塩釜湾と駅前に立ち並ぶビルのコントラスト、生まれ変わりつつある多賀城駅前、駅ごとに広がるマンション群(多賀城、陸前高砂、小鶴新田)、レトロな高架駅の苦竹駅、そして、最後の地下化区間でエセ地下鉄気分を味わえる。
仙石東北ラインの開業で、仙石線(高城町以南)は、ローカル輸送に徹することになり、沿線の利便性は確実に上がったながらも、石巻行の快速はこの部分をショートカットすることになり、ちょっともったいないとも感じながら、仙台に到着しました。
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コメント
今月の松島町広報の15ページに高城町駅周辺の整備計画が掲載されています。この整備に関してJRと松島町が話し合ったそうなので、駅の工事やダイヤ計画等も整備計画に連動しているのではないでしょうか?(松島町の広報は松島町ホームページから閲覧できます。)
投稿: 通りすがり | 2015年8月 9日 (日) 02時33分
>>通りすがり さん
コメントありがとうございます。
松島町の広報を拝見しました。線路沿いに避難道路拡幅し、駅前にクルマが入りやすくするとのことで、仙石東北ライン対策で震災関連として予算要求したのですね。
駅前の交通条件の緩和としては 必要な話でしょうが、駅施設自体としては根本的な改善は見込めないのは厳しいですねー。昔ながらの 地域に溶け込んだ風情がある駅なのですが、ホーム増設などの根本的な対策は取れそうにないところが悩ましいところかなと。いっそのこと松島駅に仙石線ホーム増設して乗換機能を移すという方が望ましいのでしょうが簡単に行く話ではないですし。
投稿: S-Watcher! | 2015年8月15日 (土) 06時44分