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2015年7月18日 (土)

仙台空港民営化 来年6月末に延期

村井知事肝いりのプロジェクトで、全国初の空港民営化のモデルケースとして、来月には4グループの応募者から委託先を絞り込む予定でしたが、国会の安保バカ騒ぎの影響を受けたのか、決定が9月に、完全民営化は3か月程度遅れ、H28.6末に引き継ぎが終了するとのスケジュールになりました。

<仙台空港>民営化 来年6月末に延期

国土交通省は17日、仙台空港の民営化スケジュールの変更を発表した。2016年3月を予定していた完全民営化の時期は同年6月末とした。
 運営委託先との業務引き継ぎ期間を、予定より2カ月ほど長く確保し、運航の安全性に万全を期す考え。完全民営化時期について、国交省は16年7月の方向で調整したが、延期の影響を最小限に抑えるため、やや前倒しした。
 委託先決定はことし8月の予定だったのを9月に、契約締結は11月から12月にそれぞれ1カ月遅らせる。委託先による仙台空港ビルなど周辺施設の運営は16年2月に始め、完全民営化に向け、滑走路の維持管理などを含む業務の引き継ぎを6月末までに終える。
 運営権者選定に応募した全4グループが、国交省との意見交換に当たる「競争的対話」の中で、十分な引き継ぎ期間の確保を要望。国交省はスケジュール変更が必要と判断した。(7/18河北)

空港ビルの株式譲渡金額などが格安に設定されるなど、応募事業者にとっては、お試し価格的な取り組みやすいプロジェクトで、結果的に4グループからの応募があり、選定が待ち遠しいところでしたが。そうはうまくいかない。

そういっている間に、順調だった仙台空港には逆風が吹き付け、スカイマークの撤退により、せっかく競争原理が持ち込まれた福岡便はほぼレガシー2社の寡占状態に逆戻り。

札幌便もAIRDOは実質ANAの代理運行だし、もともと閑散期と繁忙期の差が大きい路線で、競争は弱くなってしまいました。

泣きっ面に蜂で、満を持して復活したハワイアン航空のホノルル便ですが、仙台空港だけでは需要が弱いところを補完する意味で、面白い新千歳経由の三角運航が解消となり、週3往復のままホノルル⇔新千歳の運行に代わってしまいました。

仙台からの需要を切り捨てても、面倒な三角運航を解消し、需要が大きい札幌からの利用客を優先するという判断になったのでしょうが、仙台としては屈辱的な扱い。

まぁ、仙台は成田というガリバー空港の影響も大きいから、ツアー価格は新幹線代出しても成田発の方が安いという現実。

立て続けに復活・新規就航した、念願の「ホノルル便」「バンコク便」も、両方撤退に。

バンコク便も仙台市がタイとの交流促進に力を入れて、流れが太くなることを期待していたところ、反政府デモでの混乱で、出鼻をくじかれ、そのまま休止になってしまいました。

そのバンコク便も、仙台を切り捨てた一方、新千歳便は存続。

やはり、北海道への観光需要の大きさ、魅力には勝ち目はない。

それに札幌の人口規模(190万人)の大きさから、海外旅行に行く人口層の厚みの違い。

双方向の流れが強いというのは羨ましいところ。

まぁ札幌は新幹線がくるのは15年後で、やっと来春に函館まで延びるという状況。離島ということもあり航空機シェアが高いので、空港の存在感は圧倒的なのから、そもそもおかれている環境が違うというしかない。

一方、仙台は新幹線と飛行機が両方使えるから、その両方に利用者が分散してしまう面もあり。飛行機乗ったことがない人も多いしね。ハードルは高い。

今後の仙台空港

海外路線は相変わらずの低空飛行で、インバウンドは一人負けの東北地方。

原発事故のイメージは大きすぎる。

とはいえ、スカイマークのダメージはありながらも、それを上回る勢いで国内線は増強される予定です。

ピーチの第4拠点化がH29年度夏に予定されており、関西便の増強に加え、スカイマークが就航していた福岡や札幌は有力な就航候補。

その他、那覇便も期待したいところで、全く新規の就航先は見込めないけど、東北への旅行客だけでなく、東北から各地への旅行も非常に敷居が低くなり、国内線で年間400万人を超えることはそれほど難しくはないでしょう。

また、楽天が資本参加した新生エアアジアは、今秋就航の予定が、来年に延期になりました。ただ、エアアジアの本拠地となるセントレアとの便が就航する予定で、運賃の高さと東京と関西に挟まれ、東北からあまり行く需要がなかった中部地方にも、「価格の安さ」で行きやすくなります。

このような、LCCの就航は、空港民営化による運航コスト(着陸料)の低減が見込まれているからという先行投資的な面があり、その面でも空港民営化のメリットではあります。

ただ、400万人を達成したとしても、村井知事が掲げる600万人は、国際線で100万人(新千歳並み)を達成しなければならないので、非常にハードルは高いのですが、拠点化のピーチは国際線もと言っているので、そこは期待したい。

民営化が来年の6月末ということは、一応夏休みの観光シーズンには間に合うことに。ピーチの拠点化は先だし、すぐに効果がでるかは?ですが、いろんなところに近くの空港から行きやすくなることは大歓迎なので、これ以上のスケジュールの遅れは避けてほしいですね。

楽しみです。

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コメント

東北地方は飛行機や海外旅行が高嶺の花だった時代がいまだに続いている印象があります。東京から一番遠い青森県ですら空港アクセスの整備は関心が低かったと思います。

投稿: Piichan | 2015年7月19日 (日) 16時04分

>>Piichanさん
東北地方の飛行機アレルギーは確かに続いてますね。なお、空港アクセスの整備については、利用客数の問題ではと思います。300万人の仙台でもギリギリですから。

投稿: S-Watcher! | 2015年8月 8日 (土) 23時13分

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