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2015年3月 7日 (土)

あすと長町 大型マンション計画が次々と!

あすと長町の中央部。ヨークタウンから大通りを挟んで東側となる2つの街区(17街区・26街区)に、次々と大規模マンション計画や構想が出てきています。



野村不動産仙台支店・ワールドアイシティ
   大型分譲マンション・あすと長町中央公園計画
     免震24F約4万㎡、345戸 創建設計で実施案

 野村不動産仙台支店(仙台市青葉区中央1の2の3 井本登啓支店長)とワールドアイシティ(仙台市青葉区一番町2の4の1 米川淳社長)は、共同事業で仙台市太白区に大型分譲マンション開発事業となる「あすと長町中央公園計画」(仮称)の建設を計画しており、創建設計で実施案の作成を進めている。
 建設場所は、あすと長町大通線沿いに位置し、南側はあすと長町中央公園に面する太白区あすと長町4の3の9地内で、敷地面積は5634.52㎡。
 建設する施設は、免震構造を採用したRC24F延べ3万9473.56㎡、総戸数345戸規模の大型分譲マンションとなる。
 着工は9月初め、完成は2017年12月中旬をそれぞれ予定している(建設新聞3/4)。

シティタワー長町新都心



マックと同じ街区の17街区では、モデルルームも1月に始まり、あすと長町の唯一の分譲予定マンションである、シティタワー長町新都心が。
24階414戸と、仙台圏での過去最大級の規模で、間もなく申込み開始です。



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住友が南側にも!(シティタワー第二弾?)



その道路を挟んで南側の26街区では、昨年11月に同じく住友不動産と、ワールドアイシティがJVで、シティタワーとほぼ同規模の保留地を単独入札で格安で取得しています。



ここは、シティタワーの完売後と予想されていますが、住友不動産主導で計画を策定しているとのことで、シティタワーと同規模のマンションが計画されています。



シティタワーも400戸規模で、価格も最低4000万程度と言われています。完売には4,5年かかってもおかしくないと思っていたところ、一気に状況が変わってきました。



南側の次期計画とのからみで、日当たりや眺望が悪くなることからなのか、また、モデルルーム来場者のアンケート結果からなのか、分譲価格の設定が若干弱気になってきたとのこと。
より早く完売して次に行くために、見直しをかけてきたと思っていました。



野村不動産が殴り込み!?



その26街区で住友とJVで保留地を激安で購入したワールドアイシティは、数年前から隣接地で復興公営住宅を建設中。かつ分譲マンションや商業施設を想定した広めの範囲で土地を購入していました。



もともと計画している分譲マンションは14階建て70戸と、会社の営業力からすると堅実な規模での計画でしたが、建築看板はしばらく前に立てていながらも、動いてなかったので、今春の復興公営住宅の完成待ちかと思っていました。



すると、そのワールド単独の土地が野村不動産との共同開発に大変身!。大通りを車で通った時に看板で気づきましたが、それも「24階建て免震345戸」と、住友の現在事業中のシティタワーに匹敵する規模。



敷地面積も拡大なので、もともと店舗用地で確保していた部分を含めてきたものと思われます。



土地面積は2.5倍ながらも、従来計画と比べて戸数は5倍。どんなマジックを使ったのか?



さすが商業地域で容積率が500とか600%だとしても。従来計画は余裕を持たせていたということでしょうが。



南側のあすと長町中央公園がこの春完成します。このあすと最大の公園は、永久に眺望や日照は保障されるでしょうから、いいところに、野村が食い込んできたというべきか。



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ちょっと前の写真ですが、左側が復興公営住宅、右側がナイスで、中央公園側から撮った写真です。



おそらくワールド単独では、この建築費高騰のご時世で、販売力も弱く厳しいところに、野村が何か持ちかけたて規模極大化を図ってきた。かつ、住友不動産に対する嫌がらせ的なけん制というところかと。



強気だったシティタワー側での分譲姿勢の変化の根っこがこれだったかと納得。



おかげで、購入希望者にとっては大分買いやすくなるのではと。眺望や日照に影響がでる反面、仕様は変わらないから、悪いことばかりではない。



最低価格が3000万円程度であれば、検討しようという気になってくる。それでも高いことは事実ですが。



復興住宅の日当たりが極端に悪くなるでしょうが、これは利便性を重視して場所を選んだのだから利便性と環境の両者を天秤にかけると文句は言えまい。とはいえ、ちょっと露骨なやり方。



また、野村&ワールドの方は、日照の確保できる公園目の前というメリットを生かして高く売ろうとするだろうけど、南西側目の前が夜中まで煌々とネオンを付けている某巨大パチンコ屋。分譲期がシティタワーとかぶる(完成時期は1年違い)なので、シティタワーと合わせて合計759戸というのはさすがに太白区のこれまでのマーケット(年間150~200戸)からしてもボリュームが大きすぎる。



集中しすぎ



今現在、仙台市内の分譲マンションが都心部、仙台駅東口、あすと長町(&長町南)にほぼ集約化されているので、南部方面の需要を吸収することはできるにしても、無事売り切れるかは、何とも読めない。



さらに、住友シティタワー(&ワールド)の第二期開発もあるし、駅前のヤマザワ跡地に三井不動産のマンションという噂もあります。

急激に人口が増えると、様々な店舗やサービス需要が増して商業機能の底上げにつながるので、順調に売れれば非常に良い話ではある。



2つの街区に、マンションと公営住宅の合計で1000戸(人口3000人程度)。さらに仮定とはいえ、シティタワーの2期ができると1400戸?(4200人?)と、計3~4ha程度の面積の場所に、あすと長町82haの計画人口12500人の約1/3が集まってしまうというのもものすごい話。



人口密度高すぎ!新環境都市とかキャッチフレーズがありますが、商業エリアは低層の平屋建てとか2~3階建ての施設ばっかりなのに、住居系の余裕のなさは両極端でもったいない。



デベからすると、商業地域なので容積率をめい一杯使用して、マンションとして売れれば当然利益極大化になりますが、商業地域でのマンション開発は、仙台駅東口などの場所でも様々なトラブルを招いているので、デベからすると売れれば後は知りませんとなるかもしれませんが、せっかく区画整理されたあすと長町の、良好なストックの形成という観点からすると、このアンバランスさはちょっと心配です。









学校への影響は



なお、学区はシティタワーが八本松小で、道路を挟んだナイスと野村&ワールドは東長町小です。八本松小は全校生徒300人規模の小規模校なのでシティタワーと今春完成のプレミストで計535戸が加わり、小学生が増加したとしても影響は100~200人程度で、十分吸収可能(過去には1000人規模まで増えたことがあるので、校舎には多少余裕がありそう)。他にそれほどマンション開発可能な広い敷地はなさげ。



一方、東長町小は、全校生徒600人強の規模で、26街区はナイスと野村計画を合わせて450戸規模。それに復興住宅は高齢者が多いでしょうからそれほど気にしなくてはいいとはいえ、仮にシティタワー第二期が事業化されると追加分は800戸規模に。そうするとマンション以外での太子堂駅勢圏でのミニ戸建やアパート開発が活発なことからの人口増(名取川までが学区で意外に広い)も含めると、全校生徒が1000人を超えてくる可能性も高いかと。



そうすると、学校新設を避けるためには、両小学校の間での学区変更が生じる可能性があります。



なおさら、両小学校の卒業生が進学する郡山中の規模も比較的大きく、既に600名以上の大規模校なので、中学校の収容能力の方がちょっと心配になってくる可能性も。このエリアは学区としてこれまでいろいろと言われてきましたが、あすと長町の新住民が大きな割合を占めてくることで、徐々に雰囲気は変わってくることになるでしょう。

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あすと長町の教育環境(小学校編) (H26.1.26)

大ぶりな街に



ここの開発が始まって20年。ここまで大型の分譲マンションが集中的に計画されてきたということは、IKEAや市立病院の立地を節目に、ようやくこのあすと長町の開発が軌道に乗ってきたということなのでしょう。



数百戸規模のマンションを売り切れる目算があるからこその、大手デベの相次ぐ進出なので、このあすと長町の人気が高まっている証拠ともいえます。



ただ、当初の計画からすると、マンションだけでなく賑わい軸を中心としたヒューマンスケールの街を目指していたことを考えると、中身は全然違う点がちょっと残念。
大ぶりな街づくりになってしまっているのは、一つ当たりの街区の大きさからやむを得ないけれど、郊外型のお店だけでなく、歩いて楽しい街づくり、小さくてもきらりと光るようなお店(たとえば、雑貨屋、カフェ、ベーカリー、趣味の店)が点在し、散策したくなるような街の機能が付加されるといいなぁと思います。



もちろん、その機能は長町商店街が補完しても良い。震災後は閉める店も多く空地も広がってきている反面、魅力的な飲食店が増えてきたり、こっちも期待したいところ。



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それも人口が増えてくれば、店も増えてくるはずですし、この10年後にはどのような街になっているか、楽しみです。









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コメント

こんにちは
あすと長町は業務系中心のビジネス街として計画したものを商業・住宅系に
転換してもらったことで非常にうまくいきましたね。
 国交省のおかげですね。仙台市役所の人たちは業務系で計画し、どうしようも
なくなっていましたから。国交省の官僚を破格の待遇で受け入れた結果ですね。
(普通なら政令市の課長クラスで待遇で受け入れる方でしたから。)

あと、復興公営住宅は希望者にたいして全く足りないようです。(数百戸)
もう少し、作ってもいいと思います。

投稿: | 2015年3月20日 (金) 18時26分

コメントありがとうございます。
あすと長町の計画人口は見直しにより就業:居住人口=1:1になりましたが、変更には国交省が絡んでいるのですか?

もともとの副都心計画自体がバブル期からの流れを受け継いだ構想でしたから、現実的な見直しながらも、評価をするにはまだ早い気がします。

復興公営住宅は、被災元や仮設住宅の分布を基準に各地区毎に買取戸数を割り振った結果、たまたま南北線南部分の枠をあすとが独占してしまったことからの越境人気ですから、この戸数をこれ以上増やすことはありえないし、必要はないと思います。そもそも地価と建設費高騰でもう無理です。その分他地区で入居者が定員割れしてる住宅もありますし。

投稿: S-Watcher! | 2015年3月22日 (日) 21時23分

こんにちは

>あすと長町の計画人口は見直しにより就業:居住人口=1:1になりましたが、変更には国交省が絡んでいるのですか?
絡んでいますよ。そうでないとどうなっていたことやら。
お金が本当に楽になりましたから。仙台市はどうしようもなくなっていました。

復興公営住宅の件はあすとでなくてもよく、全体で数百個たりないということです。
鉄道沿線でどこか作ればいいと思います。

投稿: | 2015年3月25日 (水) 17時06分

返信が遅くなり済みません。
復興公営住宅を追加で作るとなると、やはり東西線沿線が利用者増や将来的な沿線開発との関係性から、望ましいとは思います。

ただ、仙台で増やしてしまうと、沿岸部の自治体の災害公営住宅に空きが出ている状況とのバランスから、故郷への帰還を妨げるような状況も考えられるので、難しいところです。
せっかくだから仙台に住みたいとなってしまう。

投稿: S-Watcher! | 2015年4月19日 (日) 00時34分

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