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2015年1月 9日 (金)

仙台空港国内線 H26年の利用好調(2)

前回の続きです。

民営化はLCC頼み

国内線は堅調に増加しながらも、関西方面との需要の伸びに左右される状況で、打開策はLCCの多方面への就航しかない状況。

さて、2016年に国内で第1号となる空港運営の民営化が予定されていますが、これを強く主張した村井知事。やはりわかっているというか流石です。

  • 既存キャリアの便がいくら増えても、東京の影響力が強い仙台で、航空機利用者増には限りがあること。
  • 旅客数を増やすためには、航空移動に対するハードルを下げるしかなく、その点、料金が訴求ポイントであり、LCCの誘致が必要。
  • そのためには、着陸料の値下げなど、LCCを含めた新規路線が就航しやすいような環境を作るために、空港ビルを含めた運営の一体化で魅力UP・収益増を図る。

便数の増加→空港利用者の増加→空港ビルの収益増→着陸料の値下げや空港施設への投資→(繰り返し)

という明確な目標を掲げて、邁進しています。

東北は、東京へ新幹線での移動が至便であるため、青森・秋田を除いて飛行機が身近でない点が、西日本と比べて空港利用が低調である理由。その悪循環を打破する意味でも、運賃が安くなれば、東京以外の他地域へも行ってみようかという機運が生まれる。

また、LCCだと、現在も動きがありますが、近県の利用者も仙台空港利用の方が、移動の新幹線代を出しても、地元空港から目的地に飛ぶよりも安いという流れ(関西・福岡方面)という流れが強まり、利用者増に寄与することになります。この点は、アクセス鉄道という定時交通機関の整備がようやく効果を発揮し始めたということになります。

東北地方の移動のハンデ

 仙台に住んでいて感じるのは、新幹線で東京や東北各県には行きやすいけど、それ以外の地域への移動で、ツアー料金の高さで、旅行に躊躇してしまうこと。

昨年西の方に旅行に行った際、羽田発と仙台発でツアー料金が倍も違う!たまたま東京での用事もあったので、新幹線で移動して羽田から飛びました。

関西方面はまだましでレガシーを利用しても1泊往復で3~4万からありますが、福岡は1泊でも5万コースだったところ、最近スカイマークの就航で多少ましになってきた位。LCCの就航で移動コストが安くなればと思っています。

首都圏と比べて、給料も安いのに、移動コストが高いというのは悔しい!

また、直行でなくとも、LCCが集まる関空への便が増えれば、目的地は関西だけでなく、関空を経由して乗り継ぎで九州・沖縄方面、東南アジアなど、安く行ける場所が広がります。

乗り継ぎにLCCを使うのはリスクが高いと言われますが、そこは余裕を持たせての移動であればそれほど問題なし。

ピーチはせいぜい4,5往復が限度でしょうから、その他のLCCキャリア(エアアジアが理想ですが)の就航でダブルトラック化を図り、1日10往復程度まで増えてくれば選択肢もかなり広がります。現在の2~3往復だとチケットがとりにくいし、うまく時間が合わないケースが多い。

厳しい海外路線

また、よくHISの海外ツアー新聞広告が出ていますが、「安いっ!」と思うと、たいてい成田発。路線数も需要も違うので、やむを得ないにしても、悔しい。

関空や成田まで片道1万円以下であれば、乗り継ぎが前提でも安くなりますし。仙台空港発での海外路線はこれ以上期待できないので、関空・成田乗り継ぎで安く行けるのであればいいかなとあきらめムードです。

その点、前回の記事でも書いた通り成田便の増便(海外路線とのコードシェア)があれば、関空と合わせて、仙台からの海外旅行の際の選択肢が大分広がるかなと思います。

もちろん、理想は仙台空港就航の海外便が増えることです。民営化で600万人まで空港利用者数を伸ばそうとしている内訳として、おそらく国際線は100万人程度は見込んでいるでしょうが、現在は20万人以下で、約6~7倍に増やさなければならない。母数が小さいから可能性はあるというしかないが、国内線が300万→500万に比べるとハードルは高い。これまでの最高利用年でも40万人弱なので。

10年くらい前では、国際線路線数・利用者数に限ると、

仙台空港>新千歳空港

だったというのが信じられない位、現在の新千歳空港の国際線の隆盛振り。

オーストラリアでのニセコブームから始まって、北海道ブームが続く台湾や中国からの路線就航が相次ぎ、現在では国際線だけで100万人以上の利用者まで増加し、数年前に増設した国際線ターミナルが手狭な状況といううれしい悲鳴。

当然北海道民の海外渡航率が高まったわけではなく、海外からのインバウンドの急激な増加が背景にありますが、それと同じことが仙台(東北)で期待できるかというと、原発事故の影響が色濃く残り、現時点でピーク時の半分以下の仙台空港でそれが期待できるかというと、簡単にはいかない。

そうすると、東京や北海道との連携で周遊してもらい、インかアウトのどちらかを仙台空港でということが、現実的。

直行便としては、相変わらず中韓便には期待できず(まぁこのご時世で行く気にもなれませんが)、期待できるのは台湾便の増便とバンコク便の復活位でしょうか。バンコク便は仙台市が頑張っているので、どうでしょうか。

海外LCCも、中国の春秋航空が高松はともかく、佐賀、茨城という後発の”不要”とバッシングされた空港のラブコールに応じて就航しています。村井知事も当然LCCは国内だけでなく海外向けも期待しての民営化なので、狙っているエアアジアの拠点化も実現すれば(先日の事故の影響も気になりますが)多少は期待したい。

まずは以前のピーク時の30万人台を目標にし、将来的には50万人規模というところかな。国際線はなかなか厳しいですな。

長くなったのでアクセス鉄道については、また次回です。

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