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2014年12月30日 (火)

新ヨドバシビルに音楽ホール&高速バス停設置

以前、読売新聞の記事で市と交渉中との内容は出ていましたが、話がまとまったとのこと。

当初計画に出ていた、第二ビル側の高速バス乗降場に加え、音楽ホールを整備することで、都市計画上の容積率の緩和が認められ、当初計画通りの立駐を含め8階建ての建物が整備されることになります。

ヨドバシ新ビル、より広く にぎわい創出

 家電量販大手のヨドバシカメラ(東京)が、JR仙台駅東口に2016年ごろの開業を目指し建設する商業ビル「ヨドバシ仙台第1ビル」に関し、仙台市は「駅前のにぎわい創出につながる」として、容積率緩和を認める方針を決め、26日までに同社に通知した。市が地下鉄東西線の沿線開発を促すために8月に始めた都市計画提案募集制度に基づく措置で、初のケース。緩和により、同社が提案した音楽ホールの整備が可能になる。

 計画では、旧店舗の敷地1万5000平方メートルに地上8階のビルを整備する。敷地内はエリアによって建設が認められる容積率が異なり、面積案分による容積率は492%にとどまるため、計画通りの建設が困難だった。
 ヨドバシカメラは10月、ビル内に音楽ホールや、東口に不足している都市間バスの乗降場を設け、周辺施設を結ぶペデストリアンデッキも「社会貢献施設」として新設する構想を市に提案。容積率の緩和を求めた。
 市は「歩行者の回遊性や都市間交通の活性化につながる」などと構想を評価し、19日に緩和を認める考えを同社に示した。音楽ホールを災害時の帰宅困難者対策に活用できるよう協力も求めた。同社とは今後、都市計画の変更に向けた協議を進める。
 ヨドバシカメラの広報担当者は取材に「計画が固まった段階で説明したい」と話している(12/27河北)。

WARASCOと多少類似性はありますが、既定の都市計画規制によると当初の計画が実現できず市に交渉したケース。WARASCOは区画整理による用途地域の変更が認められず、ヨドバシは提案制度に基づき認められたという形に。

市の方針(中心部+軌道系沿線の重視)が現れています。特に、ヨドバシ再開発地は、JR仙台駅東口と東西線宮城野通駅に近接したまちづくり上の重要地域なので、この提案をあえて拒否する理由はない。

どんな音楽ホールに?

音楽ホールがどのようなものかまだ見えていませんので、何とも言えないですが、通常のコンサートホール形式の常設椅子が設置されるものではない(それだと3階分程度の階高が必要だし、割増される容積率のメリット以上に整備費用がかさむ、既存のホールとの競合は市としても望まない)だろうし、フラットフロアで500平米程度確保しライブやセミナーに活用できるような形態というのが追加整備費を考えても現実的か。ただ、ライブホールでも2階分程度の階高は必要だし、どのように建築計画に入れ込んでいくのかが興味深い。

(追記修正)読売新聞の本日付の記事では、3~6階に音楽ホールを設置とありました。4層分にまたがるということは、ライブハウス的なものではなく、通常の階段状のホール形式ということが予想されます。。小規模なホールでも結構整備費負担は大きいはずだし、一部とはいえ4層分のフロアがつぶれてしまうことについても、ずいぶん気合いが入っているなぁと思いました。

また、そもそも店舗は5階までの計画なので、駐車場部分に食い込む形なのか、これまた形態が謎です。

ただ、本設の施設の内部に設けられるホールなので、PITのような暫定施設を前提とした使用料と比べると、高めになるのではと。それもあり、うまくイベントが誘致できるかという面も含め、音楽ファンが思い描くようなものになるかは?

もともとは劇団四季の常設劇場をこのヨドバシビルにという動きが商工会議所にありましたが、これはヨドバシ側にメリットがなく、あえなくつぶれた計画でした。博多でさえ常設劇場はギリギリ運営している状況なので、仙台では厳しいのは当然とはいえ、このくらいのインパクトは欲しかった。

また、JR東口再開発でも多目的ホールの整備がうたわれていましたが、ヨドバシの整備するホールとの差別化がどうなるか。

そういえば、記事上は「8階建て(読売では9階建て)」とありますが、影の薄い第一ビルB棟(線路際)の14階建て部分の計画はどうなるのでしょうか?もともとビジネスホテルでしか使えないような細長狭小の計画だったので、容積率が足りないとなれば、真っ先にカットしても問題ない部分と思われる。そこも含め、環境アセスで公表されたプランからは大幅に変更されるとのことなのでしょうか。

(2/1追記)

仙台経済界の特集号によると、ホールはB棟にとのこと。当初は14階建だったB棟が8階建てとなり、既存の情報と照らし合わせると、その3~6階部分に整備される模様。

B棟部分ということであれば、それほど大きなホールにはならないかと。また、メインのヨドバシ本体や、大型テナントが可能なA棟の店舗配置にはそれほど影響しないとみられます。第一ビルのA棟、B棟、既存の第二ビル、すべて8階建てできれいに高さが揃う形に。

計画変更により、アセスにも影響するでしょうから、予想通りオープンは遅れることに。本来は今年の4月着工で1年後の2016年春オープンとのことでしたが、地下階もある延床10万平米級の建物が、1年でできるの?と思っていたので、計画変更の理由も含め、半年以上は遅れるのではないかと。

そうすると、来春から、東口エスパル3→パルコ2→ヨドバシ第一ビル→東口ホテルの順番でオープンすることになります。

ヨドバシは非上場企業であり、このような計画は積極的にプレスリリースしないため、基本的にマスコミのリークや、市の発表待ちになりますが、新しい計画が楽しみ。

高速バス停留所の設置

 高速バス停留所の拡充といっても、現時点では東口バスプールのバスパースは不足している訳ではない。

 ただ、現在進行中の東西駅前広場の再整備の一環で、宮城野橋の整備に合わせて遠距離高速バスを東口バスプールに集約するという流れからすると、現在の西口広瀬通の宮交バスターミナル(BT)からの路線延長があれば、ピーク時を考えると多少不足するかもしれない(バスプールの一部を送迎用駐車場に明け渡したため)。

逆に、宮交BTからの路線延長がなければ、東口バスプールを拡充する必要性はない。

この部分については、未だに市当局も明確に発表をしていませんが、東京建物のビル建設に合わせて設置した宮交ターミナルを継続利用することは表明しており、

〇遠距離向けを東口に集約し、わかりやすくするという目的

〇広瀬通宮交BT近辺でのバス待ちによる交通渋滞緩和

を考慮すると、

宮交BT発着分の遠距離便も東口に発着させ、

 東口⇔(新宮城野橋)⇔西口宮交BT⇔広瀬通一番町⇔(西道路)⇔(東北道)

と推測しています。これであれば、東口と西口のうちどちらか近いところで乗車が可能だし、どちらでも乗車可能となれば、不慣れな利用者が陥る混乱が解消されるので、歓迎すべき取組です。

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コメント

はじめまして、いつもblogが更新されるのを楽しみにしております。
今年一年も、無理しない程度に続けて頂けると嬉しいです。

さて読売で報道された通りの音楽ホールが整備されれば、第一ビル内に入る店舗は、予想ですがヨドバシだけになってしまうのでしょうかね…
もしそのようになってしまえば、前計画のような他のテナント入居も期待していた身としては、非常に残念でなりません。
今回の計変は法規制以外にも、何かしら『外圧』があったのでは…と邪推しております。

投稿: とみやま | 2015年1月 1日 (木) 14時39分

>>とみやまさん
コメントありがとうございます。
ホールだと結構な面積とりますので、危惧されていることも十分ありえるでしょうね。飲食店は入るでしょうが。

外圧云々は分かりませんが、中心駅直結とはいえ数は足りている音楽ホールの整備は?です。クラシックとか、演劇に特化したホールであればまだ分かりますが、電力、県民、市民、サンプラザと、街中にホールはそれなりにあるし、電車で5〜10分圏内の駅前にたいはっくる、宮城野区文化センター、日立システムズと過剰な位ありますので、規模も含めてどんなのができるのかが気になっています。

投稿: S-Watcher! | 2015年1月 5日 (月) 23時38分

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