県内日帰り温泉めぐり その2
日帰り温泉シリーズの続きです。ちょっと前ですが、沿岸部を北上し、南三陸まで行ってきました。
震災後、ピンポイントでは仕事等で被災地に何度か言っていましたが、行っていない場所の方が多く、ドライブを兼ねて北上してみました。
(2)南三陸ホテル観洋
まず、温泉から。南三陸までは行こうと思っていながらも、さんさん商店街できらきら丼を食べようという目的しかなかったのですが、思いがけなく、観洋の横を通り、食事とついでに温泉でも!と、すべてここで済ませてしまいました。
以前から絶景で有名でありながらも、一度も行ったことがありませんでした。震災時は一部が浸水しながらも、避難所として貢献していたこの施設。現在は南三陸の観光において、右に出るものはないくらいの存在感を誇っており、被災地ツアーにおいても、語り部などのコース提供も積極的に行い、地元資本として志津川の復興への貢献度は言うまでもありません。
さて、温泉は、豪華なロビーを横切り、フロントにたどり着くと、820円とのこと。(タオルは持参)。エレベータに乗り、ご自慢の展望風呂に向かいましたが、広々とした内湯と露天風呂に分かれており、海の景色は、本当に絶景。快晴の天気で、見渡す限り270度の景色が広がり、こんな見事な温泉に1000円弱で入れるというのは申し訳ないくらい。
ただ、こんな穏やかな、見事な海が、3年前に猛威を振るったのかと思うと、信じられない気持ちでもありました。
のぼせそうなくらい、1時間近く入っていました。日帰り温泉としての休憩場所は特段なさそうでしたが、ロビーのソファ―がこれまた絶景。ここでも景色を堪能。
泊まりたくなりましたが、全館満室で当然あきらめました。
食事は、ホテルの別棟の「海フードBBQ」へ。ホテルのレストランでもきらきら丼は出していましたが、メニューがこっちの方が豊富そうだったので。ウニは当然季節外れなので、イクラベースながらも、そもそもこれが目当てでした。
海鮮丼で、確か1575円(消費税5%時点)。時間が15時過ぎということもあり、数組という入りでしたが、当然絶景を眺めながら、たまにという贅沢な食事&時間を満喫しました。
震災遺構他、震災復興雑感
志津川の「南三陸町防災対策庁舎」で、手を合わせてきました。
テレビや写真では当然何度も見ていたものですが、実際に見てみるとまわりに何もない状況であってもこじんまりしている印象を受けました。。被災前は市街地の中にあって、さらに、周りと比べても大きな建物ではなかったのでしょう。震災の半年前に志津川を通っていましたが、あまりにも変わりすぎて、その時の状況が思い出せない。
3階建ての”防災対策庁舎”。ここで生まれた悲惨な事実については語るまでもなく、手を合わせていて涙が出てきました。この遺構の保存の是非については、撤去前提だった流れが、一旦ペンディングとなり、幸いにも未だに残っています。
遺族の方にとっては見るのも辛い存在という方もいらっしゃるかとは思いながらも、あくまでも個人的な意見としては、早急に結論を出すべきではないと思います。保存前提でなくとも5年くらいは議論の期間を設けて、その後に解体or保存という結論を出した方がと。
広島の原爆ドームもそのような議論のもとに、保存が決定しました。あれが取り壊されていたら、悲惨な事実を伝える遺構は他にありませんでした。原爆投下は今後ありえないとは思いますが、津波はこの地において、宿命的にまたあり得るもの。後世に警鐘を鳴らすためには、こういった遺構の保存は全てではないにせよ、ある程度必要だと思うのです。
それは、石巻市北上町の大川小学校も同様。悲惨な事実があったからこそ、それを後世に伝える手段として、残すことは必要かと。
なんてことを思いながら、日帰りで戻ってきました。復興は遅いとかなんとか、無責任なマスコミが無理やり被災者に言わせている3年目ではありますが、これだけの広い範囲での大災害でやれることには限界があるし、いろいろと複雑な気持ちになりました。優先度の低い余計な”復興”事業が平行し、リソースを無駄にとられている中で、少なくとも重要な住居機能の確保の面で、災害公営住宅の建設は進んでいます。
女川の陸上競技場跡地では、URが協力して、先日立派な災害公営住宅が完成しました。
女川町では、石巻線女川駅も1年後の移設再開を目指しており、新駅周辺と高台の旧町立病院、総合運動公園周辺(体育館、仮役場、統合された新女川小)などを中心に、必要に迫られてコンパクトシティとしての再建を進めています。
一方、コンパクトシティといえば、町長選の決着が間もなくつく、山元町でも、常磐線の移設される新駅を中心として事業が進められています。反対派も多いようであり、元町長が対抗馬として出馬していますが、某万年野党的な反対のための反対という感じで、前向きなビジョンを持ってとは思えません。
この震災後の人口減少率県内ワースト1、2位の両町で進められている偶然にも共通の取り組み。
被災前の人口・産業規模を維持するのは、特に沿岸部は不可能であり、将来的な持続可能性を確保するために、このような考え方はやむを得ないというか、そのようなマネジメントの考え方は必要だとは思っています。
今回のドライブは、被災地ながらも、「復興バブル」に沸く仙台にいては忘れそうになる「事実」を再認識できる良い機会だったかと思います。
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