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2013年12月23日 (月)

仙台東道路構想の検討開始

 北部道路に続いて高速道路絡みネタですが、宮城野原の防災拠点絡みで、突如構想から事業化検討段階へステージが上がってきたこの仙台東道路。

 東部道路と紛らわしいですが、現在整備が進められている広瀬通の延長(X橋架け替え)での都市計画道路「元寺小路福室線」上を高架で通し、東部道路の鶴巻・福室付近(現在のコロナワールド付近)で合流するイメージの計画です。

 もしできれば、石巻方面への自動車アクセスが格段に向上します。高速バスも都心と東ICまでの渋滞に悩まされてきたのが定時性が確保でき、2015年に全線復旧し、東北線と乗り入れる仙石線にとっても、改めて強敵となります。

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 仙台自動車専用道路網の配置からすると、いわゆる環状高速(ぐるっ都せんだい)は完成し、都心部を迂回する目的には十分対応できる路線網となっています。

 一方、都心部へ乗り付ける高速バスも含めた車両の行き来については、西側は言わずと知れた国道48号バイパスの扱いの「仙台西道路」があり、青葉山東北大の下をトンネルで仙台宮城ICまで突っ切る高規格道路ながらも、無料で通行でき、愛子方面の宅地化の進行にも大きく寄与している道路でもあります。

 一方、その他の方向は、東・北・南方面でそれぞれ構想はありながらも、これまでは導入路の問題もあり、また環状高速優先で整備されてきたので、具体化はなかったところでしたが、既存の西道路に対応する形だと東側の自動車専用道路ができるとバランスが良い。よって「東道路」の検討が始まったのは、ようやくながらも納得。

 もちろん、導入路としての元寺小路福室線の全線整備の目途が立ってきたということもあります。

仙台東部地区の幹線道路

 片側2車線以上の幹線道路としては、北から利府街道、国道45号線、産業道路は完成しており、加えて、45号と産業道路との間を通る、上記の元寺小路福室線(広瀬通の延長)と都心からつながる幹線道路としては4本になります。

 これは、北方面は県道仙台泉線、仙台大衡線の2本となりましたが、南方面が国道4号しかなく、西方面も仙台西道路のみ。

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<仙台市HPより引用>

 そうすると、東部方面が最も幹線道路の整備が進んでいることになり、それに加えて仙台東道路の整備というのは過剰な気もします。

 西道路は、無料だからこその高利用率なので、東道路も無料を求める声が大きいのでしょうが、西道路は、既存の八幡を通る48号が狭隘道路で拡幅も不可能であることから、バイパスとして整備された側面があり、無料にせざるを得なかったのでしょうが、渋滞も多く、自動車専用道路と言っても、トンネル出口(広瀬通側)の渋滞も多く、定時性は確保されません。

 東道路は事業形態及び料金徴収の有無もこれからの検討とのことですが、整備するのであれば、有料道路として整備して、”本当に急ぐ車が使う道”として、受益者負担で整備してほしいもの。高速バスや業務車両などにとっては、有料でも定時性が確保された方が好ましいでしょう。

 東部地区は上述の通り4本、東道路の近くだと3本もの幹線道路が通っており、一般道の環境としては整っています。その東道路を無料にしてしまうと、下を通る元寺小路福室線との差別化という問題もあるし、ラッシュ時とか急ぎたい場合でも無料だと通勤車が集中してしまい、自動車専用道路としての意味をなさないことが想定されます。

 震災後の高速道路無料化の際の三陸道他の大混雑が記憶に新しいので、適正な対価(3~400円程度)を支払うことでのメリットを享受できる方が好ましいと考えます。

 何でもかんでも大衆迎合でばらまきを続けてるこの日本。多少の消費税UPによる負担増では追いつかないのは明らかながらも、自民党政権に戻り従来のばらまき路線に回帰しています。民主党がひどすぎたために自民党の路線が支持されていますが、政権を失った反省もなく、やりたい放題という状況をみると、危惧を覚えたり。

広瀬通の混雑悪化

 なお、仮に東道路が10~20年後に整備されたとして、広瀬通の東側に接続する形になります。一方西側には「西道路」からの接続もあり、広瀬通の混雑・渋滞に拍車がかかることについては心配です。

 理想はその両方の道路を都心部の地下で接続し、広瀬通への負担を軽減することなのでしょうが、広瀬通の地下には、すでに地下鉄南北線や地下駐輪場などがあり、その下に地下道路を建設すること、および地上へのランプを設置することは絶望的。

 都心部への車の流入を回避するために環状高速を整備したのに、都心部への流入を促進する東道路の建設という全く正反対の施策を進めることになるのは、あっぺとっぺな感もあります。今回の構想は県主導ですが、仙台市としてのスタンスはどんな感じなんでしょうか。せっかく地下鉄東西線を整備し、都心部への車の流入を減らす環境に配慮した都市をめざしながらも、この道路整備が吉とでるか凶とでるかは分かりません。

 検討開始といいながも、建設の方向に舵をきることが前提の会議に思えますが、しっかり議論して方向性を決めていただければ。

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コメント

ご無沙汰しています。
東道路、楽しみですね!

東部道路と東道路との交点部にはJCTが新設されるはずで(ソースは無し。笑)、仙台市東部の動脈となる元寺小路福室線とは異なり、東道路は中心部と東部道路・三陸道・常磐道とのポンプ役になると思っていました。
私は、仙台市東部地域の大動脈となる元寺小路福室線とは完全に性格が異なる道路になると思っていたのですが…。違うのかな…?

投稿: 元仙台人 | 2013年12月23日 (月) 23時29分

>>元仙台人さん

いつもコメントありがとうございます。
東部道路と東道路は、JCT接続で、ご指摘のとおり、東部道路•三陸道へのアクセス向上が目的です。

ただ、宮城野原近傍を含め、途中ICが他にも設置される可能性が高く、そうすると、無料では一般道と同じ使われ方をされ、定時性に難が出てくるのではという意図でした。

投稿: S-Watcher! | 2013年12月25日 (水) 12時27分

仙台東道路に関する報道が出て、もうすぐ2年くらいになりますが、その後の報道がまったくない所を見ると、この構想はお流れになってしまった…と考えるべきでなのでしょうかね。
個人的には楽しみな構想だったのですが…

投稿: とみやま | 2015年10月 2日 (金) 20時55分

>>とみやま さん
 この構想は、消えてはいないと思います。
宮城野原の防災拠点もこの道路が前提ですし。

ただ、有料道路方式でやる場合、運営主体をどこにするか?
NEXCOになるのか、宮城県道路公社になるのか。
無料だと、急ぎの時に使えないし、整備財源の調達が大変。
東西軸の下道は産業道路、45号、元寺小路福室線を含めて
かなり整備されているから、有料前提かと思っています。

投稿: S-Watcher! | 2015年10月 5日 (月) 00時22分

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