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2013年6月 4日 (火)

宮城野原防災拠点構想とドーム球場

仙台空港民営化と並んで、村井知事肝いりのプロジェクトが動き出しそうです。6月の議会に調査費を計上するとのこと。

広域防災拠点構想が始動 宮城県、調査費計上へ

Miyaginohara

宮城県などが宮城野原公園総合運動場(仙台市宮城野区)一帯を広域防災拠点として整備する構想が動きだす。運動場に隣接する国立病院機構仙台医療センター、JR貨物仙台貨物ターミナル駅の移転を想定した調査作業に着手する。14日に開会する県議会6月定例会に提出する2013年度一般会計補正予算案に関連事業費数千万円を盛り込む。
 県が構想の第1弾と位置付けるのは2事業ある。一つは、仙台医療センターが運動場内に移転することを想定し、移転用地を確保するため自転車競技場を廃止し解体する。補正では事業実施に向けた調査費を計上する。
 解体までの事業費は14年度までの債務負担行為を設定する方針。
 構想は、仙台医療センターが、災害拠点病院としての機能強化を目的に移転建て替えを行うことが前提。県は、自転車競技場を利用する競技団体との話し合いを踏まえ、解体に理解を得られると判断し、移転用地の確保に動く。
 もう一つの事業では、仙台貨物ターミナル駅について土地の広さや地価などの基本情報を調査する。駅移転を想定する県は、JR貨物との協議を円滑に進める準備段階として取り組む。
 構想の対象となる宮城野原一帯43ヘクタールのうち貨物駅は4割を占める。大規模災害時に対策本部を置いたり、市中心部の帰宅困難者らに対応する機能を持たせたりするためには広い土地が必要で、県は同駅の移転が構想実現の鍵を握るとみる。
 広域防災拠点構想は、県震災復興計画(11~20年度)と連動した大型プロジェクト。村井嘉浩知事が重点施策の一つに位置付け、県が主導して1月、仙台市、医療センター、JR貨物との協議を本格化させた。
 構想が実現すれば、県が国に提言している東北全体の広域防災拠点の補完的な役割を担うことになる。(6/1河北)

 

 公共事業大盤振る舞いへの抵抗が弱まっているご時世、震災復興プロジェクトにも乗っかって、村井知事はこの長年の懸案である宮城野原総合運動公園及びJR貨物ターミナルの再整備を進める方向に舵を切るようです。

 

 宮城野原といえば、Kスタのドーム化or貨物駅跡地への新ドーム建設とか、東口方面の経済団体のぶち上げた構想が一応生きていながらも、「じゃ、いったい誰が金出すの?」というところで、トーンダウン状態。そもそも建設候補地の貨物駅の移転に莫大な費用が掛かるし、JR貨物側も「手狭、手狭」と言いながらも自分から移転を言い出す気はないという状態が続いていましたが、意外なところがきっかけとなりました。

 

 総合運動公園に隣接する、国立仙台医療センター(旧国立病院)の移転新築という構想が動くのに合わせ、移転候補地を運動公園内の自転車競技場跡地とし、病院の移転から玉突き的に再整備を進める構想。さらに、ようやく知事が導入を決めたドクターヘリ拠点との兼ね合いもあり、ここが震災がらみでの防災拠点する大義名分も生まれたような感じ。

 

 確かに、先の震災では、JRが仙台駅を封鎖したというのもあり、仙台駅周辺で足止めくらった数万人もの方が、周辺の避難所へ流れ込んで、どこも足の踏み場がなかった状態でした。また同じような震災が起きるとは思いたくないながらも、仙台駅から徒歩圏である総合運動場が防災拠点にということ自体は、アリかなとは思います。自衛隊も近いし、ここに勝る場所はなさそう。

 ただ、病院を移転するだけでは、そもそも避難してくる方々をどこに収容すればいいの?特に、2年前の大震災のように冬とかであればなおさら。。。ということになると、最終目標としては、大量の方々を収容できる屋内施設ということを名目に、Kスタの老朽化もあるし、ドーム球場を考えているのかもしれない。 ただ、県だけで作れるはずはないし、国から復興名目で引き出してくるのにもちょっと無理がありそう。楽天もそんなに投資する気はなさそうだし、

  他に収容できる場所としては、隣接する育英高校や、聖和学園、東華中などもありますが、それでもつめこんで数千人。途中段階ではこれらも活用するしかないでしょうが。

 ただ、新規建設だと場所が貨物駅跡地しかないし、移転を考えると長期計画になるだろうから、ひとまず病院と貨物駅の移転から始めるという感じかな。仙台市としては、貨物駅跡地にドームができれば、仙台駅から遠くなり歩きづらくなり、東西線の薬師堂駅からの距離が近くなるし、その点では歓迎すべき話でしょうが。仮に新寺通りや陸橋に近い場所であれば地下鉄駅まで徒歩10分程度で、行けることになります。

 

 確かに、ドームはできるに越したことはないけど、仙台のマーケットや現Kスタの集客を考えると、無謀な感があるし、確実にチケット代は上がる。他ドーム球場をみる限りでは、現在のように外野自由1000円なんてことはありえなくなる。春先の肌寒さから観戦をためらってしまうような現状からは改善されるけど、屋外で見る気持ちよさは味わえなくなるし、まぁどうなるかわからない、あくまでも仮定の話なんで、できたらできたで喜ぶことになるでしょうが。

 

 

 

そもそも、宮城野原以外での防災拠点を考えてみたところ、先日記事にした東北大雨宮キャンパス跡地の開発でも、防災目的での避難場所としての機能も果たすようだし、国際センター+隣接して仙台市が建設するコンベンション施設でも、それなりに一万人程度は収容できるし、JRも、先の大震災で批判をあびまくったので、仙台駅舎や建設が始まった東西自由通路も一時避難場所として使えそうだし、けっこう大規模避難場所はあります。

 分散して確保された方が使い勝手は良さそうですが、仙台市、宮城県及びJR貨物(&楽天野球団も?)にとっても懸案事項である宮城野原の再整備が動き出すのはめでたいことですが、類似の貨物ヤード跡地であるあすと長町の事業は平成9年から15年以上もかかって現在の状態なので、ここも10年スパンの長期的な構想にはなりますが、期待して見守っていきます。

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コメント

いつも楽しく拝見しております。
仙台に交通の便が良い場所でドーム球場を建てるなら、もうここしかないでしょうね。
ドーム球場の利点は、暑さ寒さの点もありますが、一番は雨天中止がないことだと思います。チームにとってはピッチャーの予定も立てやすくなるでしょう。
そしてお客さんにとっても、観戦予定が立てやすくなると思います。もちろん東北の遠方からのツアー客も、いままで以上に期待できるのではないでしょうか?
それと、日本シリーズを開催するには、現在のKスタのキャパでは無理なのに、楽天球団はキャパを増やす気はない…。これは、水面下でドーム球場の話があるのでは?な~んて妄想もしちゃいます。
10年後どうなっているのか非常に楽しみです。

投稿: コータ | 2013年6月 6日 (木) 08時09分

>コータさん
いつものぞいて頂いてるとのことで、ありがとうございます。
宮城野原近辺の再整備は、関係者は少数なので、動き出すと決まれば、時間はかかりますが前に進んで行くと感じています。
今のKスタは好きなんですが、仙台の気候から観戦に適した時期が限られていて、またユアスタみたいに客席に屋根がないんで雨も怖いし、チケット買うのに躊躇するところがありますね。
その点、ドームだとその心配がないので、あと10年後だとKスタも20年になるし、この一連の再整備で「もしかしたら」とと期待してしまいます。ただし、地元経済界が、どれだけ身銭を切れるかが実現のカギになるかでしょう。

投稿: S-Watcher! | 2013年6月 6日 (木) 23時20分

なるほど、動き出せば前に進んでいく…、素晴らしいですね!防災機能拠点も完備したドーム球場も、再整備の案に含まれていることを願います。
実現すれば、プロ野球のホーム球場が緊急時には災害施設になるという、世界に誇れる施設になるでしょう!世界防災会議(名称あってますか?)の仙台での開催も決まりましたし、世界から注目されていることを意識した町づくりもしてほしいです。

実は自分の実家はKスタ近くにあります。プロ野球チームが地元に出来て、オンボロ宮城球場が立派なホーム球場になるなんて、夢にも思っていませんでした。
昔は地元の人々から、宮城の原駅が貨物だけでなく、人も乗れる駅にしてほしいという願望がありました(今は知りませんが)。しかし、地下鉄東西線も出来ますし、防災機能が備わった、ドーム球場ができれば、地元民も喜ぶ人が多いかもしれません。
過度の期待は持てませんが(費用の問題で)、是非実現してほしいですね。

投稿: コータ | 2013年6月 7日 (金) 22時05分

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