今年も終わり&来年の動向
年末で、またバタバタとしてたら、あっという間に仕事も終わってしまいました。
今年の仙台近郊では、いつもにも増していろいろな変化やニュースがありました。まちづくり、商業、産業面での主要な出来事で主なものを。
2月 ダイヤモンドシティエアリ(現イオンモール名取エアリ)オープン
地下鉄東西線本格着工、十字屋跡にLABI仙台オープン
3月 仙台空港アクセス鉄道開業、東京エレクトロン進出決定
5月 あすと長町まちびらきと、大通線他幹線道路開通
7月 仙台ファーストタワー完成
10月 セントラル自動車進出決定
11月 アエル売却
という感じでしょうか。
全体的に2005年から続く、地価の下げ止まりと局地的なバブルから計画されていた開発案件が除々に完成しているものが出てきました。仙台ファーストタワーが先鞭を切りましたが、来年はさらに五橋のアパホテル、駅前のパルコ、オフィスを中心とする「仙台マークワン」、「エスパルⅡ」、ビジホやオフィスで構成される「東宝ビル」、これまたオフィスとなる中央署跡地の三菱地所ビルと、仙台の市場にしては大量供給が起こります。
オフィスの動向
オフィスも下がったとはいえ空室率は7%程度もあり、新たな需要を生み出すことがなければ、あっという間に空室率は10%を超えて元通りになってしまう。新幹線の高速化で2013年には320km/h運転も開始されるとのことで、はやては仙台-東京間を最速1時間半を切ることになる(JRお得意の1日1本の記録用での話でが、通常の大宮停車でも1時間35分程度までは短縮されるのは確実)ので、さらに東京から日帰りしやすくなる方向になっているから、既存の支店規模の拡大などは期待薄。そうすると道州制を見越して東北内から本社機能を誘致してという戦略や、コールセンターのように比較的新しい需要で埋めるとか、今年誘致が決まったセントラルや東エレの関連企業の出先機関の誘致(早速トヨタ関連のTTDCの進出が発表されたように)とかになってくる。研究機関は工場の近くとなるかもしれないが、人の採用のし易さ・本社や他工場との交通(新幹線・空港)の便を考えると、仙台駅付近へ拠点を求めるところもあるはず。
しわ寄せは地元資本へ
オフィスもビジネスホテルも過当競争が叫ばれる中、結局地元資本で設備が古いところに最もしわ寄せが来ることになるでしょうが。オフィスは新築への借り換えが進む流れで、佐々重ビルのように将来を悲観しビルを売却したところも早速発生してますし、ホテルではホテル仙台プラザのように、証券化で売却しながらもリースバックで営業を継続し、建替えの可能性を確保したところもあります。
商業面の影響
都心部では、商業面での新たな進出はパルコとエスパルⅡだけとはいいながら、純粋な新規の大規模商業施設はアエル以来10年ぶり。規模からすると141以来20年ぶりとかなり久しぶりになるので、大きな出来事。ヤマダLABIもロフトもイービーンズも全てテナント変更だし(一応クラックスとかステアとか小規模な専門店ビルは最近ありましたが)。
さらに、郊外では2大アウトレットモール事業者が都心10km圏で激突で9月頃オープン予定だし、パルコやエスパルⅡもほぼ同時期になります。さらに、141が専門店ビルとしての営業を終了し、三越に賃貸(ちなみに、伊勢丹の話は完全になくなったと某ショップの店員が言ってた)するので、141に入っている専門店の取り合い(パルコやエスパルⅡへの移動)もあるだろうし、三越としても年内には増床オープンをかけるだろうから、エアリがオープンした2007年以上の大戦争が起こります。
その台風の目の中心にいる仙台パルコですが、未だテナント構成などの情報がありません。他都市の既存店からみると単なるファッションビルとは呼べない流石の構成をしてきますので期待したいところ。新たな都心の商業ビルというと、進出して欲しいのがシネコン。最初はまったく考えておらず、エンタツ再開発くらいでしか可能性ないのかなと思っていたが、単に最近開店した浦和パルコ(ここも市がからむ再開発)で、ユナイテッドシネマをシネコンとして導入していることを知ったので、ちょっと期待できるかなと(ちょい前に進出した静岡パルコではシネコンはありませんでしたが、ここは旧西武百貨店の居抜きなので、事情が異なる)。
パルコの上層部のインタビューではひばりが丘や所沢のような郊外店MDではなく、渋谷のような都心型のMDで攻めるとのことですが、最新の浦和パルコの作り方もかなり参考にしてくるだろう。テナント構成見ると、上記のシネコンの他、紀伊国屋書店、ロフト、タワレコ、地下のデパ地下で大丸導入というように、上下階に準核テナントを配置し、中階にファッション店をという王道的な構成。延床が浦和店の2/3なのに、仙台では地下1階から9階までの10層にまたがるとのことで、なおさら準核テナントを上に持ってこなければ勝負できない。
アエルの動向
今年やっと市が保有していた保留床がほぼ一括処分でき、長年の重荷がとれたところですが、オフィス部分は競争力があるとはいえ、下階の商業施設部分はなんとも微妙な構成。1階の丸善の集客力は大きいですが、2階以上はユニクロやオフィスベンダーと、ちょっと高級感とは無縁のテナントがあるなど、駅前の好立地にもかかわらず規模が小さいこと、ファッション店の割合が低く中途半端な構成になっているのが残念。外資系に売却されたことで、さらに収益力の向上を図ってくることが予想されますが、展開として予想されるのが、隣接することになるパルコのパートⅡ化。パルコ自身も来秋オープンの新店舗だけで十分な面積を確保できたわけではなく(オフィス部分もあるなど、再開発の制約もあり)、以前からパートⅡとしての展開も検討したいという発言があった。もちろん十分新店が軌道に乗ってからだろうが、ありえるのではないでしょうか。当初から地下駐車場の共有化や2階部分でのデッキ接続で市の絡む再開発ビル同士での連携が図られていますし。三越と141との関係と非常にだぶります。
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