東北大農学部跡地構想
青葉山キャンパスに移転が予定されている雨宮キャンパス跡地について、東北大だけでなく県市、商工会議所が参加して議論していたようですが、方向性が提示されたとか。
あそこは都心部では他にない10ha近い大規模な一団の土地。学院高校跡地が1.6haだから、その約6倍弱。ウメが大規模商業施設開発を潰したJT跡地に匹敵する面積です。なので、単一用途に使うのはあまりにも巨大過ぎる。必然的に複合的な利用になるはずですが、今回提示された案は、ハナから大規模SCを排除し、住宅メイン。業務がサブ的な2つのプラン。中層利用のA案と、20階建て程度の高層利用のB案とのことで、いずれの案でも集合住宅で2~3000人程度の計画人口を見込むものになるようです。人口のボリュームはかなりありますが、都心居住の推進からすると、もうちょっと計画人口を積み増ししてもいい気もする。しかし全部一気に開発したら仙台のマンション需要の数年分を食ってしまうようなボリュームでもあるし、長町、富沢、東口や東西線沿線などの開発地にも影響がモロに出てくることで、この程度に抑えたとのことなのでしょう。
商工会議所の陰謀
それであれば、商業用途で都市型のSCで1/3から半分程度の敷地を使えばいいと思う。JTと比較したら文句なしの都心エリアなのだし、地下鉄の北四番丁駅徒歩圏。仙台に無い都心エリアの大型SCって、都心部商業を補完する意味合いで是非必要だと思うのだが、この委員会に商工会議所が入っているというのがミソで最初からSCを排除する意味合いで入っているとしか思えない。都心居住の促進にも効果があると思うのだが。住宅販売促進のために、同じ敷地内に大型SCを配置するというやり方は、東京近郊では三井不動産が最近取り入れているやり方。最近開店したららぽーと豊洲も、TX沿線のららぽーと柏の葉、横浜のららぽーと横浜、川崎のラゾーナ川崎など交通の利便性の高いエリアの再開発で大型SCとマンションを組み合わせてエリアの底上げをするやり方が、先日の業界紙に載っていましたが、富谷で「ジャスコ+大清水の住宅団地」で宅地を売っているように、都心部でこそそのやり方は効果があるはず。モールの近辺のマンションが今や高嶺の花なのと同じ。本気でコンパクトシティを目指すのであれば、かなりインパクトがあるやり方。
もちろん中心商店街への影響を心配するのだろうが、そこの住人が全て敷地内のSCで買い物をするわけはなく、人口の増加で都心部の店舗にも好影響は出るのだから、相乗効果が発揮されるはず。
もちろん、理想は駅前を含むアーケード付近に魅力ある大型SCが出来ればいいが、目先のことしか考えず、競合相手を妨害することで生き延びてきた仙台商人がそんなことをすることはないでしょう。再開発でしか空間を生み出せない状況ですが、Eビーンズのところもまとまりそうになると度重なる延期の繰り返しで、いつになったら都心部にまともなハコの商業施設ができるのか?その再開発でパルコが出来るのは非常によいことだけど、若者向けだけでなく、あらゆる世代が楽しめるSCが都心部に必要だと思います。
商工会議所の言っていることは、良いこともあるけど、 都心部を守れ!と言いながら、結局行き着くところは競争相手の排除
であるところが問題。 ロードサイド型の郊外型SCの排除は自分も非常に賛成だが、 地下鉄沿線の拠点でのSCのみならず、都心部の魅力を高めるSCまで いろんな理屈をつけて排除しようとしています。今回も渋滞を理由にですか。 自分達の店も渋滞を生んでいるくせに。それを「他県からも集まってくるから」
と誇らしげに自慢しているのにねぇ。 結果的に、拠点政令市の中ではダントツの商業集積の低さで、 周辺都市と比べての優位性だけで人が集まってくるのにあぐらをかいている状況。 都心近接の商業施設についても、札幌は大通から徒歩圏にサッポロビール工場跡地 の札幌ファクトリー、やや北側のサッポロビール園隣接地にはヨーカドー系の
アリオ札幌と、都心部を補完する大型SCがあります。 福岡は、2大都心の中間点に有名なキャナルシティがある。 都心部の人口密度の低さ。都心回帰がそれほど進んでいないのには、 このように都心エリアの商業の貧弱さも一因であると思います。 モールがあれだけ人も車も集めているのは、そういうこと。 都心部の大型店の選択肢だけでみたら、来年政令市になる新潟にちょっと毛が 生えた程度という状況です。これは先日新潟に行って感じたこと。
万代シテイの存在は大きい。 このような空間が30年も前から存在するというのが、ある意味すごい。 もうかなり老朽化しつつもかなりの集客力を誇っていますし。 総合的にはもちろん仙台の方がだいぶ上ですが、合併しまくりで80万人に
なったばかりの新潟に肉薄されている面もあったりする。
新潟は新潟でまた深刻な問題も抱えていますが。
これについては、また後日時間があるときに。
今回のプランには、仙台のまちづくりの大御所的な先生も参加しているなど、
商工会議所の陰謀が反映された以外はいい案だと思います。元々住居地域であり大幅な用途地域の変更がなければ、それほど高度利用が出来ない場所。周辺には農学部の環境の良さを借景したようなマンション群が立ち並んでおり、環境の激変は確かにさけるべきでもある。
東北大にとってはなるべく高い価格で土地を売ったほうが、キャンパス移転経費にも充当できて好ましいのかもしれないが、公的機関だしね。仙台市が新キャンパスに地下鉄を伸ばしてくれるという恩もあるし、そう文句も言えまい。
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