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2006年11月21日 (火)

JT跡地ヨーカドー進出撤回



 今日の河北ではけっこう詳しく載せてましたが、ウメが強行に反対しており既に流れは決まっていたようなもの。


とうとう発表されたかと思いました。


 ウメの反対により進出を断念させられた集客施設は、長町中華街、新寺ラウンドワン、宮城野区某所の田んぼを潰す予定だったDCに続いて大きなものとしては4件目。4件全て市有地は関係なく、そのうち3件は半公的主体が地権者であるもの。純粋民間が保有している物件でのプロジェクトであれば、イオンみたいに強行することもありえるだろうが、一応公共性を求められる面もあるので、それでおとなしく断念したのだろうな。


一方、長町モールの横や、港の方の市有地は商業用途が前提の募集が行われていたり、なんかちぐはぐ。JT関係者のコメントで、「3年前に工場閉鎖を決めた時に、県も市に土地の取得を打診したり、活用策を相談したけど何も話をもらえなかったのに、こうなるとは。。。」的な話があったけど、確かにそういう面はある。大統領制の地方自治体の首長交代のリスクで、気の毒だが。



 個人的には、あそこは都心部でも郊外でもない場所。都心近郊の好立地。あまり活用されていない東仙台駅徒歩圏であり、その付近の活性化も含めて、商業施設もありだとは思ったが、いかんせん大きすぎる。周辺道路が慢性的に渋滞しており、さらに近づきたくないエリアになってしまうところだった。鶴ヶ谷の入り口でもあり、ちょっとね。


活用策のイメージ


 その11haもの土地をJTはどのように活用するのだろうか?住宅といってもマンションであれば、4~5000平米の敷地があれば駐車場を確保した上で100戸程度の建物が建つ。そうすると100戸のマンションが20棟以上は楽に建ち、人口は5,000人以上も収容できる。とはいえ、仙台のマンション需要は年間2~3000戸程度であることや、今後長町や富沢で区画整理の土地が供給されること、都心部の再開発の進展を考えると、JR沿いでも仙石線ほど便利ではない東仙台でそこまでのボリュームの供給をするのは非常にリスクが高い。そうすると、ヨークタウン程度の近隣型SCを配置して2~3ha、戸建て100戸程度で3ha、広場や公園で1ha、残りの4~5haを集合住宅10棟で計画的に5年以上かけて1,000戸程度でしょうか。周辺には生協やイオンなどスーパーは多くあるが、これだけの大規模開発であれば敷地内に小型スーパー程度はあってもいい。これで計画人口は3500人程度になり、鉄道沿線に人を集めるというコンパクトシティの目的からしたら理想かもしれない。鶴ヶ谷の空洞化をさらに進展させるかもしれないが。


 それでも、やはり住居系としたら東仙台という場所を考えるとちょっと規模が大きすぎて成功するかは微妙。小鶴新田みたいに駅前という訳でもなく、ちょっと歩くし。ここで今後の活用策について市のフォローが必要な訳で。反対だけでなく前向きなイメージが提示できないと。新寺のJR社宅跡地もその後利活用策は聞こえてこない。


 コンパクトシティや郊外型大規模商業施設の抑制という理念は必要なものの、そもそも東仙台も鉄道沿線だし、だったら一体どこだったらいいのか?今回の反対理由として、工業地域から商業系用途への土地利用転換が認められなかったというのが最大の理由ではあるが、その他に「都心部商店街を守れ」とか、商工会議所やK産党系市民団体からの反対なども大きかった。もしやあすと長町などでの大規模SC計画が持ち上がったら、都心部への影響云々で同じように反対しかねない。


 今回案が公表されている都市ビジョンにおいては東西線沿線や、あすと長町が整備すべき地域とされているから、今回のJT跡地との違いを明快に分かりやすく説明してくれればいいんだが、ウメには無理か。


 


 


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