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2005年7月24日 (日)

焼畑商業



 本屋では、探していた専門書が年刊かと思ってたら隔年刊で、発売から1年以上経っているものであることに気づき、5000円以上もするので、いったん購入は保留。


 結局、丸善で「大型店とまちづくり」という新書を購入。


 この本は、大店立地法が2000年から施行されてからの、日本の大型店出店の原則自由化により起こっている地域コミュニティの崩壊、大型店同士の仁義無き陣取り合戦、安易な撤退による治安の悪化、社会的コストを支払わないフリーライダーぶりに警鐘を鳴らしています。


筆者は、この大型店のやり方を”焼畑商業”と名づけています。
つまり、郊外の安い農地を使って、安普請の店舗を建設。ある程度の期間が経過して相対的な競争力がなくなったらリニューアルなんて面倒なことはせず、他の場所に安易に移転してしまう。残されたのは、広大な空き店舗と、疲弊し切った中心市街地。地元には何も残らない。その繰り返し。。。と

 その根拠として、あれだけ「大店法は経済障壁だ」と圧力をかけて、実質緩和に追い込んだアメリカでは、意外に大型店出店に対して規制する条例や、市民による反対運動が起こっていて、数多くの大型店の出店にストップをかけている事例が多いとのことです。

その事例が、事細かに紹介されていました。

 その大店法を骨抜きにしたアメリカから鳴り物入りで進出してきたウォルマートは西友を傘下におさめながらも、日本の商慣行の違いに苦しんでいるようです。その外資の進出におびえ、イオンはあのダイエーを彷彿させる終わりなき拡大路線を突き進んでいます。


 今、日本は先進国の中で、最も大型店出店が自由な国になっているとのことです。


ドイツなど、ヨーロッパの国々では、実質大型店の出店は凍結され、中心市街地で用が足せるようなコンパクトな街づくりが進んでいて、市民の支持も受けています。



  本当に、アメリカの傲慢さと日本の官僚のポリシーの無さで、日本の街がめちゃくちゃにされていることに憤慨。


 大店立地法施行とともに、「中心市街地活性化法」と「改正都市計画法」により、単なる規制緩和にはならないようにとの当初の説明でしたが、これらの法律が実効性がなく、


なんの歯止め策にもなっていません。


 ようやく最近、大店立地法の見直しが検討されているようですが、アメリカからのクレームを恐れて、見直しには及び腰とか。気づくのが遅すぎるし、もう今から見直しても、元には戻れないほどに商業環境が激変しています。



 誘致する行政側にとっても、
・税金で整備した道路が大型店の出店で渋滞し、さらなる道路の整備を求められる。
・中心市街地の社会的インフラが遊休化。
・固定資産税収入の減少。その大型店の一角の土地が多少上がったところで、本来相対的に高い中心市街地の地価が下落することで、トータルとしての税収の減少。

・社員を低賃金で長時間働かせる仕組みであり、いくら数千人の雇用を生み出すといったって、その社員に経済的な余裕はなく、地域への経済効果は薄い。税収も小さい。
・特にパートは、厚生年金の企業負担がない人が多いため、企業側にしては社会保険費用を免れることができる。その分、社会的なコスト負担が生じる。

・地域内の自治体間での出店調整が働かない仕組みであり、「自分の自治体だけおいしいところを」と思って大型店を誘致させても、隣の自治体が対抗してさらに大きな大型店が立地することが多々ある。その際に、片方が競争に負けて撤退したら、負の遺産しか残らない(中心市街地は壊滅しているだろうし)。

・自治体間の誘致合戦を見越して、複数自治体に税優遇措置をけしかけて、なるべく出店費用を安く上げようとする大型店側の策略が見抜けない。


 と、大型店出店でのデメリットの解説が詳しくありました。


この点で、最近決着が着いた、気になっていたニュースを


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