球場は場所が重要
宮城野原ドーム球場の計画が、アイリス他経済界から出てきて、
面白く、かつ混沌としてきました。
そもそも、宮城球場の本拠地化が前提でしたが、
あそこは、仙台市内で最も条件が良いところでしょうね。
電車でも車でも、自転車でも行きやすい、バランスが取れている場所といえるでしょう。
スポーツ興行を行う場所としては、必然的な条件があります。
簡単に、
- 数万人もの観客の交通手段の確保(特に終了時)
- 平日開催時のため、都心からのアクセスの良さ
- 週末開催時のため、自動車アクセスの良さ及び駐車場の十分な確保
- 広域からの集客のため、ターミナル駅からのアクセスの簡略さ
- 市民に親しまれる場所であること
1.鉄道は必須!
東京とか、他の大都市をみても、鉄道駅と関係なく球場を整備した例はありません。
(年に数回しか開催されない地方都市ではなく、恒常的に開催される球場について)。
首都圏
:東京ドーム*:水道橋駅(総武線、都営三田線)、
後楽園駅(南北線、丸の内線)、春日駅(大江戸線)
:神宮*:外苑前(銀座線)、信濃町(総武線))、
国立競技場前(大江戸線):浜スタ
*:関内(根岸線、市営地下鉄)、
日本大通(MM線
:西武ドーム*:西武球場前(西武線)
:千葉マリン*:海浜幕張(京葉線)
千葉マリンが比較的駅から遠く、徒歩15分ですが、
幕張メッセの広大な駐車場も使え、電車・車でも
どっちでも行きやすいです。
そのほかの球場は、駅から徒歩5分程度で、
複数の鉄道が利用できる場所が多いです。
その他
:ナゴヤドーム*:ナゴヤドーム前矢田(名城線)、
大曽根(中央線、名城線、名鉄瀬戸線)、矢田(瀬戸線)
:大阪ドーム*:大阪ドーム前千代崎(鶴見緑地線)、
大正(大阪環状線、鶴見緑地線)
:甲子園*:甲子園(阪神本線)
:広島市民*:原爆ドーム前、紙屋町(広電)、県庁前(アストラム)
:福岡ドーム*:唐人町(市営地下鉄)
:札幌ドーム*:福住(東豊線)
スタンダードは、「駅が球場の目の前or複数の鉄道駅利用可」ってことです。
特に、駅から見えるのは、東京ドーム、浜スタ、西武、甲子園、広島で、
「電車を降りたらスタジアムが見える」っていうのは、仙スタと同じように、気分を高揚させてくれる効果があります。
徒歩10分の札幌、福岡が遠く感じるほど(福岡は都心の博多駅、天神から、西鉄が都市高速経由の直行バスをアホみたいに走らせてるから、そっちもメジャーらしいですが)
そう考えると、野球とサッカーの違いはあるが、宮スタのアホ。。。
試合開催時には、臨機応変に増発が行えますし、2万人の仙スタの試合では地下鉄は増発しなくともさばけてます(地下鉄利用者は3~4割程度らしいですが)。
宮城球場の場合は(⇒地図)*
:、
- 仙石線の駅から徒歩数分(宮城野原は公園敷地内で徒歩4分、榴ヶ岡も8分程度)
- 仙台駅東口から、平坦一直線の道を徒歩20分
- 10年後に整備される地下鉄東西線の薬師堂・連坊駅から徒歩10分余。
と、複数の鉄道駅が利用でき、これは仙台では極めて稀な立地条件であります。
(仙台では鉄道空白地帯が大部分を占めていますから)
また、試合終了時には大量の観客が一度に吐き出されますが(特に平日ナイター)
複数駅で役割分担すれば、混乱せずに客をさばくことができます。
例えば、将来的には
仙石線(宮城野原、榴ヶ岡):仙石線多賀城方面、仙台駅まで、JR他線乗換利用者
東西線(薬師堂、連坊):地下鉄東西線沿線、南北線乗換利用者
とし、特に仙石線は地下駅という構造上あまり多くの人をさばけないので、
残りは、宮城野通りを仙台駅までシャトルバスを運行するか、急がない人は徒歩で仙台駅までということで、
十分にさばくことができます。
仙石線も、小鶴新田-あおば通でシャトル形式で4~5分おきに電車を出せば、
4両編成で1本ごとに600人は運べます。小鶴新田駅の先に宮城野電車区があるので、
そこからラッシュを過ぎて寝ている電車を持ってくることは朝飯前のはず。
JRも、営業的にメリットがあり、増発などで協力するというコメントも出てるから、
これは問題ない(1万人が、仙台から往復利用すれば、単純計算で280万円の増収)
2.アフター5でナイター観戦(都心からのアクセス)
仙台駅周辺に勤める人だったら、
あおば通、仙台駅から電車の時間を合わせても余裕で15分あれば球場に到着できます。
仙スタに行くよりも精神的に楽ですね。運賃も格安140円(仙スタまでは290円)。
急ぎであれば、東口からタクシーでもワンメーター。
過剰参入で四苦八苦しているタクシー業界も大喜び!
http://jyoho.kahoku.co.jp/member/backnum/news/2004/10/20041016t13014.htm
県庁~北四番丁あたりからでも、地下鉄⇒あおば通から仙石線で、20分程度あれば十分。
この辺は仙スタと同じ位の感覚かな。運賃は200円+140円=340円。
6時頃は、仙石線も通常のラッシュ時だから、増発なしでも5~10分毎に電車はあるし、
感覚的にも行きやすいはずです。
問題は帰りですが、仙台駅から市内直通バス便のところは平日22:30頃終バスのところが多いので、
その方は延長になるとつらいかも。その他の電車組は各方面遅くとも23時までに仙台駅に着けば、
たいていのところには帰れるでしょう。急ぎであれば仙台駅までタクシーですぐですし。
3.週末に周辺都市から宮城球場へ
●マイカーで観戦の場合
昼と夜とで変わってきますが、週末はマイカー客が格段に多いでしょうね。
そのための駐車場整備は必須かもしれません。
この点、都心過ぎても郊外過ぎても問題が起こります。
将来的には、貨物駅跡地との一体再整備により、ショッピングモールができるなど、
駐車場も近接地で確保できることになるでしょうが、
当分の間は、球場に全員分の駐車場を確保することはできないでしょうし、
仮に立体で確保したとしても、仙スタ前の市営立駐のように、出るのに一苦労。。。という可能性もあります。
ですので、仙台駅東口が近接しており、あのへんの民間駐車場を積極的に活用すべきかな。
そうすれば、東口経済界期待の経済効果もあるし、野球がないときにも、一般客向けで利用できる。
駐車場が分散しているから、終了時に一斉に車が出てくるという問題も緩和されるでしょうし。
(宮スタ状態は勘弁。)
これは、泉中央方式で、民間の事業者にも恩恵が及ぶ方法で、駐車場がさらに整備され、まちに人が集まってくる効果があります。
仙台駅東口周辺だったら、今でも1時間200円程度の安価な駐車料金ですし。1試合見ても千円未満でおさまるでしょう。
これが、都心から離れてしまうと、駐車場までも一から作らなければならないというデメリットがあります。
さらに、イベント時しか駐車場が稼動しないとなると、イベント時に極端に高額の料金を取らなければペイしないという事態が起こります。
(札幌ドームは確か1試合2000円!。ド田舎の鹿島スタ周辺でも試合数が少ないから畑をつぶした駐車場で1台千円ぼったくってます)
宮城野原であれば、東口の既存の駐車場などの集積も利用できるから、非常に効率的であると思います。
とはいえ、仙台駅西口の既存都心内(例えば東北大片平キャンパス跡地)にドームを整備するとしたら
公共交通機関はOKですが、駐車場は1時間3~400円が相場で、1試合で2000円近くなり、
さらに多くの車が都心に流入してくることから、かなりの交通混雑を引き起こすことが確実です。
また、道路条件ですが、宮城野原周辺は渋滞スポットが多少あるけど、4号バイパスや東部道路からのアクセスは比較的いいので、
純粋な都心に作るよりは、条件がいいです。
東北道で北からの観客は泉ICに誘導し、南からの観客は、長町ICか東ICに誘導すれば、
休日は慢性的な渋滞が発生している宮城IC-西道路-広瀬通を避ける意味で、望ましいかな。
●公共交通機関で観戦の場合
新幹線でも、高速バスでも、在来線でも、仙台駅までこれば分かりやすいから、問題ないですね。
問題は、夏は休日でもナイターになることが予想されるけど、
現時点で、各方面とも終電or終バスが早っ!
周辺都市限定で。
新幹線の最終:下り盛岡方面 22:14
八戸・秋田方面 21:42
上り福島・郡山方面 21:39(平日は22:10)
高速バスの最終:福島、山形とも22:00頃
郡山、盛岡は20:00頃
その他は論外!
在来線の最終:石巻 22:45
福島 21:55
山形 22:05
一ノ関21:03
原ノ町22:35
新幹線が使えるところでも、ちょっと延長にでもなったら帰れません。
高速バスも、在来線も1時間圏で厳しいところが多い。
白石、小牛田、愛子、塩釜や地下鉄沿線など、通勤圏は問題ないんだけど、それでは範囲が狭すぎる。
高速バスであれば、試合終了にあわせて宮城球場発着予約制バスを山形、福島、郡山、盛岡、古川に向けて運行というのが現実的でしょうが、
これは周辺都市からの観客動員に響いてくる問題ですよ。
周辺都市からは車が主流かもしれないけど、車だったら「ビール飲みながらナイター観戦♪」という醍醐味が味わえない(少なくとも運転手は)。
キーナートが「春先は毛布かぶりながらブランディで暖まるような。。。」と言ってたけど、
車では、それもできないんだよ。
「飲むか飲まないか、一人か複数人か」で、車や電車などの交通機関を選択できるのが理想です。
JRなど各社は、対策を検討して欲しいですね。
ただ、野球のナイターはせいぜい年間40日程度(あとは休日デイゲーム、他都市開催)と予想されるから、野球だけでは終電延長は難しいところがある。
これは、野球だけでなく、演劇やライブなど、仙台に夜に行われる集客イベントが多くなって、積み重なって終電、終バス延長の需要が出てくるものだと思うので、
「赤字覚悟で」という無茶は言えませんが。地道な努力が必要です。
4.ターミナルからのアクセス
上記の通り、仙台駅東口から一直線!
文句なし!
歩道が広い宮城野通だから、ぞろぞろ集団で歩いてもそれほど邪魔にはならない。
5.市民になじみがある場所。
東京の神宮外苑、広島の紙屋町の繁華街付近、横浜の関内・横浜公園というように、
野球がなくともふらっと行ってみようと思わせるような場所への立地が多いです。
流石に、ドーム球場は広大な土地ありきの面があり、都心部への立地は少ないですが。
宮城野原は、その条件を十分に満たしていると思います。
仙台周辺では、諸条件を総合すると宮城野原を越える場所はありません。
その他だと、ドーム新設の場合、諸条件を満たす場所が1箇所あります。
それは、「あすと長町」(⇒地図)<
*:、
・・・長町ヤード跡地 です。
●鉄道
地下鉄とJRが利用可能。中心部からだったら、どこでも地下鉄1本で10分程度。
JRは、アクセス鉄道の開業もあり、空港からも乗換なしで1本でこれます。
また地下鉄は4両編成ですが、JRであれば最大9両編成になるので、大量輸送に向いています。
なにより、新幹線高架のすぐ横になるため、アピール度は抜群です。
●車
南部道路の長町ICから5分程度。4号バイパスも近くを通っており、
仙台の中心部から車で10分程度。
現在開発中の土地であり、平面駐車場はいくらでも確保できる。
将来的に泉中央的な南の副都心となり、民間が建設する立体駐車場の利用が見込める。
というのも、10年前にここの開発の目玉として仙台ドームの候補地となっていたから、
あたりまえの話です。
この話は、バブルの崩壊とともに、やはりプロ野球団がないということもあり、
採算性に難があり、市長石井亨の逮捕とともに消滅してしまいました。
そのときの前提は、3万人収容で、建設費300億円。自治体が建設。
地区の最北端の大規模集客施設街区に計画されました(だから、名前にドームの名残がある)。
長町1丁目の駅から徒歩3分程度の場所で、長町駅からも6~7分とアクセスもいい場所。
ドーム構想の後は、仙台市が3haの土地を取得し、音楽堂候補地とされていましたが、
音楽堂は財政難のため無期凍結となり、現在は市立病院移転候補地と目されています。
仮にこの土地をドームに利用する話が再燃してきた場合、市が購入したこの土地を流石にタダで提供するわけにはいかない。よって、60~100億程度の土地代が別途必要になってきます。
それか長期リースも考えられるでしょうが、50年程度は存続する建物だから、
リースでというのは市民(プロ市民も含む)から理解が得られないでしょう。
だから、話が戻ることはないとは思いますが。。。
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