2026年3月17日 (火)

アリオ仙台泉がイオンモールに!(その2)

前回記事の続きです。


前回記事


 泉中央がおかれてきた状況について、前回記事で整理しました。

 南の拠点長町と泉中央との大きな違いは、分散型の長町と一極集中の泉中央。地下鉄の終点故全員下車し、バスや送迎、自転車、徒歩などの別の交通モードに移行するにあたり、乗降客4.8万人が行き来することでのビジネスチャンスが大きいこと。一方、以遠に行く方にとっては、乗り換えが面倒である他、車で直接目的地に向かうという誘因が生じること。

 

 一方長町駅は、地下鉄も、JRも通過駅で素通りされることが多い。ただし、地下鉄・JR駅の合計乗降客数は3万5千人程度ながらも、相互の乗り換えがあること、通過客が途中下車することが可能であり、特にJR(アクセス線含む)は高架で街並みをアピールすることができることから、潜在的なビジネスチャンスにつながること。また、長町エリアにはJRでは他に太子堂駅、地下鉄では長町一丁目駅と長町南駅があり、最寄りの駅を使って都心部と直接行き来することができることから、薄く広く利便性の高い街が広がっていることも、メリットであります。

 それぞれ特徴を持っていますが、泉中央に関しては、現時点で裏目に出ているような状況です。

厳しい商業ポテンシャル

 2年間以上も棚ざらし状態だったアリオ跡地ですが、オーナーである住友商事(住商アーバン開発)もセルバ・セルバテラスと連携した形での商業施設としての再開を模索していたと考えるのが自然。

 他のヨーカドー跡地で、青森店や弘前店、五所川原店、花巻店、そして新潟中心部のIY丸大もロピア(ヨドバシビルに続いて近隣での出店を計画していた)が後釜に入っているのに、周辺人口だけであれば他の店舗跡と遜色ないどころか、地下鉄ターミナルのマンション林立エリアでありながら、すぐに白羽の矢が立たなかったというのは、大家が住友商事であり、セルバ・セルバテラスと一体での商業施設として再生することを目指していたと。

 それが結果的に再生できなかったというのは、セルバ・セルバテラスの売り場面積が約1.5万平米であるのに対し、空きビルとなっている旧アリオの売り場面積が約2万平米と、SCを実際2倍以上に増床するようなもので、現在のセルバ・セルバテラスを維持するのでも精一杯というところ。

 セルバも徐々に空きテナントが増えてきたところで、GUも地域一番の売り場面積で進出したり、八文字屋書店からダイソー3業態(スタンダードプロダクツ、スリーピー含む)に入れ替えたところなどなど、賃料はかなりディスカウントしたのだろうなと。

Img_8677

 しかしダイソー3業態は近隣でもイオンタウン泉大沢の広大な空きフロアを活用して出店したばかりで、物珍しさは薄れているところ。セルバ1階の食彩館はスーパー機能の代替として好調ですが、住友商事としてアリオの6層のフロアは広すぎ、縦に長すぎる。

 そしてあのバブル感満載の吹き抜けがあるフロアの活用のし辛さなど、手詰まり感があったと。

Img_6757

何より、セルバ・セルバテラスに出店している店舗は、周辺に林立しているイオンをはじめとした郊外型SCでも手に入るものばかり。

とどめを刺したのが、学院大の泉キャンパス撤退で、駅前を経由して路線バスを利用して通っていた学生が一気に消えてしまったこと。

イオングループ寡占化が進む仙台圏

 イオンモールが土地建物を取得したことで、ニュースでインタビューを受ける市民からは歓迎ムードを感じますが、「建物を活用するかどうかは不明ながら、将来性から取得した」という企業側のコメントからも、本気で力を入れる物件とは思えないのです。


「仙台の北のポテンシャルの高いエリアなので取得した。地元の人にヒアリングし、リサーチを重ねて何が必要かを検討したい」

今後について「魅力的な施設づくりを通して地域の皆様と共に、仙台市のまちづくりに貢献してまいります」


  というのも、このアリオ(ヨーカドー)を閉店に追い込んだのはイオングループであること。

 そもそも、将監トンネルの先の4号バイパスとの交差点脇にあった旧ジャスコ泉店(閉店後「いずみパワーモール」としてしばらく存続)を撤退に追い込んだのは当時のヨーカドー仙台泉店。その敵をとるかのように、イオンがヨーカドー包囲網を敷いたのは(その1)で述べたとおり。

 泉中央の活性化のために進出するのであれば、まだ30年余しか活用していない建物の再利用前提で、”なるはや”での計画を進めるはず。それが、上述のような期待はさせても具体的な中身がない発表では、「急いでやる気はありません」ということ。結局耐震補強を理由に休止した仙台フォーラスのように、期待だけさせておいて放置という戦術なのではと。

 更に建物を再活用しない可能性もあるとのことで、その場合土地面積は1.2haしかなく、イオンモールにふさわしい規模感は確保できることは期待薄。

 というのも、結局イオン寡占化が進んでいる仙台都市圏北部。(仮称)イオンモール泉中央 に力を入れるにしても、その売り上げはゼロサムゲームであり、他のイオンの店舗が減ってしまうだけであれば、力の入れ具合は限られてしまう。

Img_5365_20251003220501

 そもそも、アリオの建物再活用のとどめを刺したのは、昨秋にオープンした都市型店舗「イオンモール仙台上杉」が青葉区北部(地下鉄南北線北側)の需要を抑えにかかったからであること。

Img_5281

 更に、アリオの建物を活用したとしても、商業床面積が約2万平米と、イオンモール仙台上杉の2/3程度。規模感としては、東西線卸町駅前の「イオンスタイル仙台卸町」と同規模で、この規模ではGMS中心で専門店の導入は限定的。そもそもセルバ・セルバテラスが専門店街の役割を果たしていることから、イオンモールのリーシング力を活用して専門店を誘致しようとすると、完全にセルバ側とガチンコで競合してしまう。

 全国でもイオンモールとしての最小店舗と言われているのは、東京都日野市の「イオンモール多摩平の森」で商業床面積が2.4万平米であり、それより小さければ、イオンモールの魅力が発揮できない。そうなると、イオンモールとして再オープンさせるためには、セルバ・セルバテラス側も買収し、売り場面積3.5万平米規模で、駐車場も共通利用してという形にならないと厳しく、そうなると5年スパンで待たされる可能性も高いと思っています。

イオンタウンあすと長町の再来?

 なお、このブログでもしょっちゅう言及してますが、あすと長町の集客施設と期待され長町駅東口の保留地2.7haを2012年末に取得したイオンタウンは、駐車場状態のまま早13年以上放置されながらも、現時点でも具体的な発表が行われていません。

Dxsxsavaaashmw 

Fk6abdhacaalnhl

 イオングループの中で 卸町→名取増床→新利府出店→上杉 と続き、ようやく長町の計画が動くのではとは言われていますが、そもそも南部エリアはイオンモール名取とザ・モール仙台長町(トライアルが買収)が競合している商圏で、(仮)「イオンタウンあすと長町」はその両モールに規模間で勝ち目がないことから、急ぐ理由はないんでしょうし、再開発地「あすと長町」のど真ん中の虎の子の土地を13年間放置し続けていることなど、街づくりへの協力という視点は薄いのは明らかです。忘れている方も多いでしょうが、住友不動産と共同で土地入札し、住友側は「シティタワー長町新都心」として9年前に分譲されているのに、共同事業の商業施設部分がここまで遅れるというのも信義則に反するとしか。


関連記事

泉中央の将来性を左右する半導体企業誘致の動向

 そうなると、土地・建物の取得理由として「仙台の北のポテンシャルの高いエリアなので取得した。地元の人にヒアリングし、リサーチを重ねて何が必要かを検討したい」というコメントが気になります。

Img_8658

 泉区役所再整備は今年の10月に完成し、東北労金の本社機能の移転などで就業人口の増加が図られ、イベント広場の活用など、賑わいが生まれる見込みで、泉中央エリアの定住人口増の要素としては、徳洲会跡付近での泉中央西土地区画整理事業の造成工事が始まり、建物が建ち始めるのは2030年ころ。そのほかは (その1)でも言及し、過去記事を紹介したミヤギテレビ新社屋は2030年以降と言われており、まだだいぶ先。

 

Wardofficeplan

 よって、これだけでは「北のポテンシャル」というのには弱すぎる。泉中央駅を起点として整備する構想の富谷市ロープウェイ(ジッパー)も、仙台市の郡市長が否定的なコメントをしている状況など、実現性は不透明で、そもそも現在のバス輸送分の振替でしかない。

そうなると、例の大衡村への進出が撤回されたPSMCの後継となる企業誘致への期待ということに尽きるのでは。


関連記事


 先月に突然ニュースとなり、即座に企業側から撤回された、韓国半導体大手のSKハイニックスの日本へのメモリ工場建設の話が生きていることに期待するところですが、それ以外の企業になったとしても村井知事は粘り強く誘致活動を続けているようです。

 工業団地としての条件は、高速道路アクセス、工業用水、地盤の強さなど優位点がいくつもあります。

 ただ、母都市となる仙台から25㎞の距離というのがネックのところ、中継点としての泉中央駅エリアの拠点性が上がるとしたら、その状況を見据えて、土地を確保したということも。

 あくまでも可能性ですが、そうなるとイオンモールが泉中央の将来性を評価してくれたことは悪い話ではないにせよ、なおさら短期的な商業機能の復活というのは期待薄ではと、考えれば考えるほど厳しいように思えてなりません。

 いろいろと、現在の取り巻く状況から予想してみました。泉中央としてはプラスになる話ではあり、今後朗報が飛び込んでくることを期待したいと思います。

 

スポンサーリンク

| | コメント (1)

アリオ仙台泉がイオンモールに!(その1)

今日の夕方飛び込んできた、驚きのニュース。

良いニュースといって良いのか。。。まさかのイオンモールが泉アリオの土地・建物を取得とは。

Pressrelease_20260316214701

 このブログにて、これまで何度かとりあげてきた、このアリオ仙台泉と泉中央エリア。


過去記事


 2024年1月末に閉店し、早2年以上も空き店舗状態で置かれていた旧アリオ仙台泉店の建物(写真中央奥)

右側はセルバ、左側はセルバテラス。3施設の中で最も床面積が大きい旧アリオの建物が活用されていない状態は、泉中央のおかれている状況を示しているようで、本当に悲しげな雰囲気を醸し出しています。

Img_5378

 隣接して同じ住友商事が所有するセルバ、セルバテラスの専門店が入る商業施設に挟まれながらも、看板が外され寂しげな外観をさらしていました。南北線が延伸開業し泉中央駅開業とほぼ同時にオープンした1992年から30余年。飛ぶ鳥を落とすような勢いだった当初10年間には、駅開業と同時に「イトーヨーカドー仙台泉店」、「駅ビルSwing」、5年後の1997年には「ユアテックスタジアム仙台(当時は仙台スタジアム)」、1999年には「セルバ」がオープンし、仙台都市圏で都心部に次ぐ確固たる拠点として、憧れの街として成長を続けていました。

 

 多くの観客が詰めかけた、2001年のベガルタJ1昇格から2002年のJ1初年度、2003年の降格というこの時期は、泉中央=ベガルタという強い結びつきが生まれ、駅西側の飲み屋街が成長し、特に元気だった時期でした。

Img_5381

 泉中央駅が路線バスのハブ機能を果たし、地下鉄に接続する深夜バスがパークタウン、富谷方面、向陽台方面など各方面を結び、泉周辺住民にとっては、仙台都心部より30分以上長く、24時過ぎまで飲めるというメリットを遺憾なく発揮していました。

Img_7798

 2000年代後半は仙台市の人口の伸びが鈍化しながらも、富谷市方面のニュータウンへの流れは続いており、泉中央の勢いは続いていました。
しかし、2003年にオープンしたイオンモール富谷、その前の1997年にオープンしたイオン中山SC(当時の中山ジャスコ)、2000年にオープンした利府ジャスコ(現 イオンモール新利府北館)と、イオングループに東西そして北を包囲され、更に2007年にはイオンモール富谷の近隣にイオンタウン泉大沢と、自社競合極まれりという状態で、じりじりとイトーヨーカドーのGMSとしての商圏は削られ続け、震災の前後には閉店が既定路線になりながら、震災後の周辺の人口増により息を吹き返し、まさかのアリオ仙台泉としてリニューアルオープンとなりました。

P1230039

 その際には、同じ建物オーナーである住友商事が運営するセルバと上空通路が整備され、より一体的な商業施設として再生したのは2013年。アリオ1階にはフードコート、上層階にはIYグループのロフトや赤ちゃん本舗、タワーレコードなどの専門店、中層階にはIYグループの特性を生かした西武の小型店など、駅前型のSCとして魅力的な専門店を導入して生まれ変わったものでした。ただし、専門店部分はセルバとも競合し、アリオ末期にはアリオ4階にくまざわ書店、セルバ5階には八文字屋書店が連絡通路の両側で同業でのぶつかり合い。そしてアリオ閉店後に八文字屋はセルバから撤退と、書店が泉中央駅前から消えてしまったように、ちぐはぐな動きも気になっていました。(その前にTSUTAYAも泉中央駅西口から撤退)

P1230041 

 そして、泉中央エリアの没落の要因としては、仙台圏の住宅地選択で北部一強状態のアンバランスな状態だったのが、仙台市の南部→東部が魅力的な住宅地として認識されてきたことに尽きます。なので、正常化の過程での一時的な苦しみという面もあるのではと思っています。

1 あすと長町および名取りんくうタウンの整備(2005~2014年)

 正直南北線開業後も下町のあか抜けないイメージが抜けなかった長町エリア。97年のザ・モール開業のインパクトが大きいながらも、実際化けたのはJR長町駅付近の高架化とあすと長町の街びらきが行われた2006年頃以降で、長町駅西口とモール周辺に加え、新しい街であるあすと長町の相乗効果で長町のイメージが変わりました。アクセス線開業効果でのJRの本数が1.5倍に大幅増発され、新型車両が導入された時期も重なります。

 そして、空港アクセス線の開業およびイオンモール名取(当時のダイヤモンドシティ名取エアリ)オープン、そして2駅にまたがる駅周辺開発の進展で、南部方面に欠けていた商業施設とニュータウンの複合開発が行われ、「家を買うんだったら、青葉区か泉・富谷方面」という空気を変え始めた時期でした。


  過去記事

一方中華街構想は霧散しましたが、結果的には良かったかと)


 大震災により、被災地から沿線への人口流入が起き、空き地が目立っていたあすと長町とりんくうタウンも一気に活用され始め、南部方面が再評価された時期でもありました。

2 地下鉄東西線の開業(2015~2024年)

 南北線と一体で運行する地下鉄東西線の開業で、住宅地の選択範囲が仙台市東西(特に卸町・荒井エリア)に広がったことで、平地で駅近、仙台バイパスも東部道路も近いエリアの人気が高まり、若い世代の住宅取得も北方面から続々と荒井方面や八木山方面(そしてあすと長町の高層マンション群、名取方面も)にシフトした時期です。

 あと、泉中央にとって大きかったのは、地下鉄東西線開業と同時に実施された深夜バスの廃止による終バスの大幅前倒し。路線によっては地下鉄最終便に接続していた各方面の宮交バスが一気に30分~1時間程度も終バスが早くなり、その後も運転手不足などの理由によりじわじわと前倒しが続きました。

 一時期、深夜バス復活の動きがありましたが、コロナでダメージを受け実証実験はうまくいかず、現在は遅い路線でも10時半までには終バスが出てしまい、バス路線沿線の住民はゆっくり飲みに行くことがほぼできなくなりました(タクシー必須)。


関連記事



泉中央の復活に向けて

 人口流入の鈍化から、高齢化の進展が仙台市内5区の中で泉区が一人負け状態になっているのは事実ですが、それでも泉区や富谷エリア自体の活気が落ちているわけではなく、この20年は、トヨタや東京エレクトロンなどの企業誘致からの従業員の居住増加、震災による沿岸部からの移り住む動きなどプラス要素も大きいところです。ただし、車前提の街づくりとなっていることで、駅周辺以外の郊外部の利便性は高まる一方。バスの利便性の低下、そして駐車場のない泉中央駅エリアに向かう理由が少なくなっていることを感じる次第です。

 しかし、現在進んでいる泉区役所再整備、今後予定されているミヤギテレビの新社屋の整備など、泉中央エリアが再び注目される要素はあり、その動きの一環でのイオンモールの投資につながったのでしょうね。


関連記事

 アリオ閉店後の2年間の膠着状態を動かしてくれたことはよかったと思いますが。ただし、郊外型モールを主軸とするイオンモールは、この泉中央から車で20分圏内に3つのモール(グループ内で加えて2つのモール)を営業していることから、この泉中央の地で力の入れ具合には疑問を感じるところで、今後の動きについては続編に。


続編




 

スポンサーリンク


| | コメント (0)

2025年12月16日 (火)

進化する仙石線 ~新型車両と昼間増発へ~

 
新型電車E131系投入
 仙台近郊のJR線絡みでは、今月から導入された仙石線の新型車両E131系への完全置き換えにともなうダイヤ変更が想定されていました。

Pressrelease

 


過去記事

ようやく仙石線新型車両投入! 2024.12.25



 というのも、置き換えで新造される編成数が16編成から14編成になり、2編成分減少することが確実であったことから、特に朝ラッシュ時の本数の減少は必至と見做されていたためです。


 仙石線への改造導入から20年以上経過した現行の205系。車齢としては40年ものであり、ひどい時には毎週のように発生する車両故障による運休から、沿線住民からの信頼低下が生じた上、新たな住居選択にあたっても仙石線沿いのイメージダウンに繋がっていた一面もありました。


前回の松島海岸輸送シフトダイヤの課題

 4年前の2022年のコロナ禍において、沿線の観光地である松島海岸駅の駅舎が新装され、観光地輸送の強化に伴い、昼間時間帯の松島海岸までの毎時3本化(20分毎)への増発が行われ、その後駅利用者が1.5倍程度に増えたという話もあるなど、観光地輸送と連動する東北新幹線の利用促進に繋がった面もあったのでしょう。

 観光地輸送にあたって、仙台駅で、新幹線からの乗り継ぎや食事をとってから松島に向かうにしても、30分間隔だと時間を合わせ辛い面がありましたが、20分毎だと、逃してもダメージが小さいことから、ある程度ゆったりと動くことができる印象です。


 それは、空港輸送の仙台空港アクセス線についても同様で、観光客や用務客にとって、安心して利用できる最低限度の運転間隔は20分毎と以前から感じており、開業14年目の2021年春のダイヤ改正でようやく不完全な時間帯がありながらも概ね昼間の20分間隔化が実現し、その後2022年春に9時台から16時台までの完全毎時3本化が実現、そして、2026年春改正において、最短17分アピール用に残されていた1往復の快速も各駅停車化され、その昼間時間帯において、途中駅においてもほぼ完全に20分間隔化されることになります。 

Accessline

 残された課題である2両編成の混雑解消も、経営状態の厳しさから空港鉄道会社としての車両の増備は困難ながらも、正直混雑するのは名取仙台間のJR区間であることから JRの協力も含めた解決に向けた調整が行われているとのこと。



 その一方、その改正以前は、多賀城まで毎時4本(15分毎)、東塩釜までが毎時3本だったのが、あおば通↔︎松島海岸 までが基本的に毎時3本(加えて多賀城以西の区間便が2時間に1本)と、ある意味分かりやすいながらも乱暴なダイヤ改正となってしまいました。


 観光地輸送として、松島海岸までの毎時3本は実現したかったのでしょうし、、本塩釜駅などへも毎時3本はまぁ適正レベル(以前は毎時4本のうち1本が多賀城止まりだったため、15分ー15分ー30分と間隔がまちまちで使い辛いところがあったのに対し、現在の20分間隔というのは塩竈市内利用者にとっても確実に改善)と思います。 距離的には仙台から同程度の、東北本線南側の岩沼駅や仙山線愛子駅までも昼間毎時3本であることも理由。


幻の地下鉄東西線相互直通計画


 一方、多賀城駅以西の区間。多賀城駅以外は全て仙台市内駅であり、特に終点のあおば通駅以外の仙石線仙台駅〜中野栄駅の9駅は全て宮城野区内にあり、仙台市地下鉄が区の端っこの宮城野通駅しか通っていない宮城野区を貫く基幹的な鉄道となっています。

Photo_20251216214201


 都心部の3.5km(あおば通~陸前原ノ町)の5駅は連続立体交差事業により2000年に地下化され、見た目としては、1987年に開業した南北線に次ぐ2本目の地下鉄とその延長部分という位置付けもできるものです


 それもそのはず、元々の計画では、この仙石線はあおば通駅から西にさらに西公園駅までの2駅1.2㎞を西進し、延長部分が地下鉄東西線になり、一体的に相互直通運行される予定だったため。 その時は、現在の宮城野車両基地が地下鉄東西線の車両基地を兼ねるという想定もされていたとか。そうすると、少なくとも小鶴新田駅と西公園駅間(片道15分)を中心に、この区間はラッシュ時5分間隔、昼間10分間隔未満で運行されていたでしょうね。 

 まぁ、市営地下鉄部分が2駅のみとのことで、仮に現在の運賃(来春運賃値上げ予定のため)で考えると、小鶴新田からあおば通駅まで12分190円なのに、1分先の青葉通一番町まで乗ると210円が追加され400円になってしまうような運賃体系になってしまえば、通算運賃となる南北線からの乗り継ぎ利用者を含めても、十分な利用者が見込めたのかというと厳しかったでしょう。

 今の東西線でも、青葉通一番町駅と大町西公園駅の利用者(乗降客)を合わせても2万人行かない程度ですし、西公園の先に計画されたモノレール南西線計画と合わせて見直されたのも頷けます。


 実際は、リニア規格で八木山から荒井まで一貫した別路線として2015年に現東西線が開業し、先日10周年を迎えたばかりというのは周知の通り。

 そういう世界線もありながら、地下化前の仙石線でも、現在仙石東北ラインに移行した快速を含めて昼間でも毎時5〜6本運行されていた時代と比べると、2022年春改正での昼間毎時4本→毎時3+1本(2時間毎)化というのは、正直宝の持ち腐れというか、観光地輸送優先といっても、何でこうなったんだろうという思いが拭えませんでした。


  持論として、体感的に、許容できる待ち時間は、乗車時間にも比例すると。 例えば仙台市地下鉄で仙台ー勾当台公園の乗車3分のために、現在の昼間の最大10分待ちは正直厳しく、一方、泉中央など終点まで10分以上乗るのであれば、10分待ちは許容範囲。その感覚からすると、仙台駅やあおば通駅から宮城野原や陸前原ノ町まで5分程度乗るのに、20分待てるかというところから、気軽に時刻表を気にせずとも利用できるのは10分間隔未満が理想ながらも、運賃の高い地下鉄ではなく、運賃の安いJRであることを鑑みると、ここまでは期待はできないと。


仙石線多賀城以西のポテンシャル


 現在、仙台駅東口開発が進み、ヨドバシやJRの東口オフィス、現在改装中のBiviのほか、宮城野通駅付近を中心に飲食店が増加しており、ちょっとした飲み屋街が形成されています。

Img_7614

 榴岡駅前には屋内ホールとしては県内最大規模の仙台サンプラザ、近隣にはメルパルク跡に仙台で最大規模のマンション「仙台ザ・スカイ」が建設中で、広瀬通の延長上の元寺小路福室線沿いの東口第二土地区画整理事業の換地にはコンスタントに賃貸を中心としたマンションが建設中で、仙台駅近接の居住地としても成長しています。

 宮城野原駅には、楽天の球場「楽天モバイル最強パーク」と旧国立病院の仙台医療センター、仙台育英学園があり、旧医療センター跡地には現在新県民会館が建設中です。 

Prefhall

 楽天の試合だと、仙台駅まで宮城野通をまっすぐ歩いて20分という選択肢も取れますが、新県民会館からは仙台駅まで歩く気にはなれないこと、現県民会館のように、近くに余韻を楽しめる飲食店もないこと、宮城野原駅も隣接していることから、最大2000人余が見込まれる観客が一斉に帰ろうとすると、今のまだらな本数で捌けるのか、さらに楽天の試合とかぶってしまうと、狭隘な地下駅が大混乱ということが懸念される程でしたので、オープンはまだ4年後ですが、この対応が見込まれることもこの増発には想定されたのでしょう。

Img_7758


 陸前原ノ町駅は、宮城野区役所と文化センター、図書館など公共施設が集まる区の拠点、小鶴新田駅は20数年前に駅が開設された時に分譲されたマンション街と、市民球場、郊外型営業拠点のそれなりの集積がありますね。学院高校の存在感も。福田町駅は今後の駅の移転整備に向けた期待感があり、陸前高砂駅は、東北医科薬科大学に駅周辺には多少古いながらもマンション街が形成されています。


中野栄駅は、仙台港背後地エリアの三井アウトレット、夢メッセ、うみの杜水族館などの玄関口としての存在感があります。

Img_1104_2 
そして、多賀城駅は、高架化と区画整理が行われ、市のシンボルとなった多賀城市図書館を中心に賑わいが生まれています。数年前の学院大工学部撤退により、駅の利用者も激減した一方、東北ミサワホームが手がけるキャンパス跡地再開発の期待感は大きい。

Img_1110

 このような前向きな要素が多いながらも、これまではJRとしても力の入れ具合が中途半端で、仙台駅に近い小鶴新田駅までは、地下化や新駅で駅施設が新しくても、老朽化した電車と遅れ頻発で信頼性が低下し。電車の本数も徐々に減便が進んでいました。

 

 


 同じ東部エリアに整備された地下鉄東西線の、駅や車両など何もかもが新しいイメージ、沿線の賑わいや電車自体の利便性や遅れの少なさと比較すると、新たな住民はやはり地下鉄沿線を選んでしまいがちというところもありました。

 

Pc061608

Pb231422

 
 
 しかし、JRとしても手をこまねいている訳ではなかったようです。 同じ仙台エリアでも、東北本線南側の仙台ー名取駅間の昼間10分間隔化、仙台ー岩沼駅間の夕ラッシュ10分間隔化での成功体験もあるでしょうし、車両の更新に合わせて、新たな仙石線のイメージを形成する好機と考えたのか。


過去記事



 全体的に人口減少と通勤通学利用の減が避けられない中、新たな利用者を呼び込むにあたっての東西線との競合対策も含め、仙石線にテコ入れするタイミングだったのかと。 導入する新型車両の編成数が減少するとしても、朝夕ラッシュで10分間隔以上の本数を現に運行していることから、昼間10分間隔での運行のため、ワンマン化で人手の確保ができたこと、バスの減便や終バス前倒しが進むなど、仙台都市圏での鉄道沿線の重要性の高まりもあり、勝算ありと考えたのか。よく決断してくれたと。

 また、狭隘な仙台駅地下ホームでの滞留を防ぐために、根本的な増発に迫られていたという見方も。

衝撃的な新たな昼間ダイヤ

 4年前の減便時の記事で願望していた以上の昼間増便となり、正直驚いています。


過去記事


 まず、松島海岸まで昼間毎時3本(20分毎)というのはせっかく定着したのに崩せないだろうと。


 その上で、多賀城区間便や小鶴新田区間便をその間に設定すれば10分毎になるにしても、一気に毎時3本(20分毎)を毎時6本(10分毎)にすることが望ましいにしても流石に期待はできず、間に多賀城発着を毎時1〜2本を追加し、毎時4〜5本(10・20分毎)になれば良いなぁと希望的観測をしていました。

 それが、


〇仙台駅起点で、全日の10時から14時半まで概ね10分間隔(12時台後半と13時台後半のみ15・20分間隔あり)
︎〇加えて、平日は7時頃から10時までも概ね10分間隔
  →ほぼ、いつホームに入っても10分待たずに電車に乗れることになります。
  (00 10 20 30 40 50 発と、概ねキリの良い時間で分かりやすく)
︎〇14時半から16時位までは、毎時4本の時間帯となりますが、それでも概ね15〜20分間隔。



 と、昼間でも毎時4〜6本と想像の斜め上を行くまさしくダイヤ改正となりました。
以下は、平日仙台発下りの時刻表で、これをもとに考察します。

Timetable1_20251214231701


 途中区間で折り返しができる駅かつ需要の区切りということで、多賀城駅折り返しが最大毎時3本設定され、多賀城行は6本から15本へと一気に9本増えました(下りのみ)。

 多賀城まで乗車人員4〜6千人が続く比較的利用者が多い駅間が短い区間で、バス並みに気軽に利用できる本数が実現と、一気に反転攻勢をかけることに。

 というのも、朝ラッシュを終えて車両基地へ戻すために8~9時台に集中的に運行されていた5本の小鶴新田行が昼間の増発用として引き続き運用されたため。やはり、故障が頻発していた現行車両の延命策のため、昼間の運用を極力減らしていたけれど、新型車両になってそのような制約が取り払われたと推測します。 

 よって、あおば通・仙台駅発の本数は90本から93本に微増に見えますが、福田町~多賀城駅で考えると、下り85本から93本に8本も増加することになります。 また、下馬~東塩釜は、79本から78本と1本減。多賀城行が増えた分不便になったように見えますが、ほぼ変わりません。 これで、昼間の利便性は、皮肉にもコロナ明けに10分間隔に減便した仙台市地下鉄南北線と東西線と同程度になってしまいました。 


コロナ前は地下鉄が7分半間隔、仙石線が15分間隔だったのが、ともにまさか同程度の10分間隔になるとは。 地下鉄もコロナを理由にしていられず、せめて昼間は7分半間隔に戻して欲しいもの。



 なお、昼間のような多賀城発着がない夕方以降は、全列車が東塩釜以遠まで行く関係上、車両運用に余裕がない中、18時台は微妙に1本減っていますが、夕ラッシュも概ね10分間隔です。

 こうなったら、朝ラッシュ時と夜間帯以外は多賀城以西ほぼ終日10分間隔というのが目指す形になっていくのかな。流石に、21時台以降はコロナ後で乗客の戻りが遅いのか、増便はないようです。コロナ前は、一時的に20~21時台は12分間隔毎時5本ダイヤだったので、その復活を望むところ。 21時台が4本、22時台が3本、23時台が2本と、ここは地下鉄2路線と比較すると不便に感じるところです。

今後に残る期待

 一方、少子高齢化の進展から、朝晩のラッシュ時の本数は微減に留め、昼間の観光客や買い物客など、定期券利用の通勤通学客以外の利用を増やすことが目的の抜本的改正に思えました。

 朝夕ラッシュ時間帯のこれ以上の増便は、車両を増やさないことには無理で、可能性があるとしたら、高城町~石巻間は完全に仙石東北ラインに任せて、今回導入されたE131系は高城町以南に集中投入という方法もありますが、過渡期の技術かつ高コストのハイブリッド車両をこれ以上増やせるかが課題。

 大幅に便利になった昼間時間帯(9時~14時台)については、やはり多賀城以西の完全10分間隔化を望みたいところです。

 JRあるあるで、微妙に1~2分程度パターンダイヤからずれているところがもったいないし、あと4本増やせば実現可能で、仙台空港アクセス線も5年かけて不十分な20分間隔から、完全20分間隔ダイヤにたどり着いたことを考えると、もう一声を望むところ。

 あと、楽天の球場輸送に加え、県民会館輸送も加わることから、臨機応変に増発を図ることがあると良いなぁと感じます。

 改正後も、ナイター終了の時間帯の21時台は上下とも4本ずつで、ここはラッシュ終了後の車庫に入る運用を少し遅らせれば実現可能なので、楽天進出当初と同様に対応して欲しいと思います。


過去記事

スポンサーリンク

| | コメント (6)

«久々に広島へ(その4)エディオンピースウイングスタジアム