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仙台いろいろ

2020年1月15日 (水)

仙台で都市緑化フェア再び!?

 最近,矢継ぎ早に,都心部エリアを重視した施策を打ち出している仙台市。

 都心の再開発促進,車道縮小によるオープンスペース確保や緑化など,車社会から公共交通を重視する社会への転換を意図した施策が続いていましたが,今度は,都心部周縁エリアへのまさかの都市緑化フェアの誘致とは!

仙台市、23年度開催の緑化フェア誘致へ 34年ぶり

 仙台市は14日、国内最大級の花と緑の祭典「全国都市緑化フェア」の2023年度の開催を目指し、誘致に乗り出すと発表した。実現すれば、政令市移行などを記念し「グリーンフェアせんだい」の愛称で開催した1989年以来、34年ぶりとなる。
 緑化フェアは83年から毎年開かれ、公益財団法人都市緑化機構(東京)と開催自治体が主催。都市緑化宣言や記念植樹、シンポジウムなどがあり、100万人以上が来場する。
 市によると、2023年度フェアは4月下旬~6月上旬の開催を見込む。青葉山公園(青葉区)の追廻地区、西公園南側、広瀬川をメイン会場に都心部の公園の活用も想定する。(以下略:河北1/15より引用) 

 前回は,大成功に終わった「未来の東北博」から間もない時期に開催され,そこそこ成功したミニ博覧会という印象でした。 

 記事中にもあるように,前回の1989年開催 は,七北田公園開催でしたが,3年後に地下鉄延伸を控えた泉中央の街びらき記念イベントのような意味合いでした。自分も子供のころながらも,親に連れられ初めて泉中央を訪れた覚えがあります。当時は区役所とイズミティ21位しか目立った建物がなく,道路は出来ていながらも一面の空き地で,そのあたりの空き地を利用した駐車場に停めた記憶が。

 バブル期で,まだ筑波研究学園都市で開催された筑波EXPO,みなとみらいのPRも兼ねた横浜博など,全国で博覧会が盛況だった時期。その後の90年代は,お台場開催の都市博が中止になったり,仙台でもあの「ゆめ博」が大赤字をこさえて,その後処理に苦慮したり,その後博覧会形式は陳腐化した印象でしたが,まだ都市緑化フェア自体が存続していたというのが驚き。

 23年度の開催候補地は,広瀬川を挟んだ青葉山エリアと西公園エリアを中心にとのことで,特に追廻地区への公園化を目的とした再整備(青葉山公園整備 )と,一帯のPRを兼ねることができ,さらに輸送機関としては東西線があるから,開催にあたっての条件は満たしているのでは。

 

 仙台市として,青葉山公園基本計画に基づき検討を進めているエリアで,仙台の一大観光名所の仙台城跡の展望台も含まれているから,今は孤立している展望台と国際センター駅エリアをつなぐ役割を,旧追廻地区が果たすことになります。

Aobayamapark1

 仙台城跡の現在のアクセスは自家用車又は輸送力の低くひたすら時間がかかる,「るーぷる仙台」に限られており,観光客にとって正直ふらっと訪れやすい場所ではありません。特に夜間はアクセスが自家用車に限られます。

 うまく観光客向けのアクセス手段を整備すれば,札幌の藻岩山のような夜景の名所になるのではと思っていますが,史跡なのでロープウェイやリフトなども難しく,そうすると国際センター駅からのシャトルバスなどを運行することで,夜の集客を図ることができれば,エリア全体の賑わいを増すことにつながるのではと思っています。

Aobayamapark2

 そういった,観光地としての可能性を高める意味で,この地に注目を集める意味での開催でしょう。GWを挟んでの1か月半のイベントであること,もともと計画されている青葉山公園整備地が活用できることからすると,負担額それほど大きくはないと思慮しますが,ライバル都市がいない,引く手あまたのイベントではないということは,この「都市緑化フェア」の費用対効果の程度を表しているのかも。

 とはいえ,市民にとっての身近なウォーターフロントを持たない(仙台港は工業港だし,津波被災のイメージあり)仙台市にとって,都心近くのこの広瀬川を中心とする西公園エリアを含めたリバーサイドに市民・観光客を集めることは,方向性として望まれているものだと思うので,このイベントの誘致には基本的に賛成です。

 仙台市の目指す方向性が,市長が変わっても脈々を受け継がれているということは,安心を感じます。

過去記事から

都市の憩いの空間(2018/7/7) 

都心のオアシス(2005/1/30) 

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2019年12月30日 (月)

2019 閲覧数ランキングから今年を振り返る

 今年もあと1日を残すのみ。明日は帰省するのでこの記事が今年の最後になりそうです。

 2018年は,下半期ほとんど更新せずじまいで開店休業状態でしたが,今年(2019年)の1月に復活し,5月に中だるみがありましたが,比較的コンスタントに更新できたかなと思っています。

 初めての試みとして,今年の閲覧数ランキングを。

傾向として,上半期の記事が通年で閲覧数を稼いでいる傾向はありますが,

1位は7年前の記事

 何と7年前に取り上げた「ZEPP仙台の行方」です。コンスタントに閲覧があり,やはり関心を集めているんだなぁと。

ZEPP仙台の行方 

 同規模の大型ライブハウスは,あすと長町のPIT,荒井のGIGSと競うように2つ立地したとはいえ,やはりZEPPのネームバリューは大きい。

 ヨドバシ再開発ビル(第一ビル)に入るという報道もあり,実現に近づいている状況ですが,それだけ愛されたライブハウスというのを実感しました。

 ただ,このトピックに勝てるような記事がなかったというのは,取り上げ方がマンネリ化しているためかもしれないので複雑な気分。情報収集を怠らずに引き続き頑張っていきたいと思います。

 

2位は災害公営住宅ネタ

 今年初めに全国マスコミ(ワイドショーや朝日新聞)でも取り上げられた「あすと長町復興公営住宅をめぐる日照問題」。近所ネタでセンセーショナルに取り上げられた反面, 背景が正確に説明されておらず市が悪者にされるだけの偏った報道であることが歯がゆかったので,思わず記事にしてしまいました。

 被災者の住民の方は気の毒ですが,そもそも原因となった大規模高層マンションの建設を,モラルには反するとしても合法的に遂行した某大手デべと地元デべの責任は大きいものです。比較的多くの方々に読んでもらえたので良かったです。

あすと長町復興公営住宅をめぐる日照問題

 

3位は震災・鉄道ネタ

 最近再度アクセスが増え続けているこの記事。7月の「常磐線特急 仙台―東京直通復活へ 」。3月14日のダイヤ改正に合わせての常磐線全線再開通と東京直通特急の復活が見込まれていましたが,12月中旬のダイヤ改正プレスではまだ発表されませんでした。

 しかし,「3月上旬に 沿線の双葉,大熊,富岡の3町に出されていた避難指示が駅周辺の一部で解除」との報道が先日あったことで,期待感が高まっているのを感じます。7月時点で,仙台までは4往復での復活を予想しましたが,震災前の基本4両編成での運行と異なり,10両編成での運行となるので輸送力過剰になることは避けられません。

 また,震災前と異なり常磐道が片側1車線とはいえ全通しているので,いわき⇔仙台の需要は高速バスである程度代替されているので,どの程度の乗客が戻ってくるかは未知数。仙台発着としては,震災後,上野経由新幹線ルートが最短となっていた水戸や日立など茨城県北との直接アクセス需要を転移させていくことが必要かなと(JR的には減収要因ですが)。また一番流動が太い東京ー仙台間を新幹線のサブルートとして割引切符により需要喚起するなどが考えられますが,いかんせん10両編成を埋められる気はしません。

 過去の震災からの復旧路線のプレス実績からすると,仙石線が1か月前,常磐線北部が2か月前だったので1月中の発表は確実。特急が走る路線であり,指定席予約の関係もあるので,早めに1月上旬に発表されると嬉しい。

常磐線特急 仙台―東京直通復活へ

 

4位~10位は開発ネタで独占

 震災後,都心部の再開発プロジェクトは2016年完成の仙台駅東口自由通路&パルコ2で止まってしまい,待望論が多かった開発プロジェクトで4位から10位までを占めました。うち,あすと長町関係で実質2件,都心再開発関係で実質3件です。

 都心部再開発関係は,2月に方向性が打ち出された「都心再構築プロジェクト始動?その1」の記事がランクインしましたが,7月に発表された具体的な方針の記事についても,比較的読まれています。その具体的な対象案件である待ち望まれた「ヨドバシ」「藤崎」の方向性について,経営者側から方向性が示されたという点で,閲覧数が多かった理由かなと思っています。「さくら野跡地」「EDEN再開発」についてはあまり明るいニュースはありませんでしたので,翌年度は動きが見えてくれば良いなぁ。

4位:とうとうヨドバシ再開発着工&ZEPP仙台再出店か!(8月)

5位:JRの長町駅東口開発計画が明らかに (6月)

6位:藤崎 来年に新店舗計画 (10月)

7位:ヤマダ電機 あすと長町進出へ(7月)

8位:JR長町駅東口開発計画正式発表(9月)

9位:ヨドバシ複合施設「リンクス仙台」3年以内にオープンへ (11月)

10都心再構築プロジェクト始動? その1 (2月

 なお,4位の8月のヨドバシネタについては,記事中に「特に新しい情報はない。選挙日前日で意図的なものを感じる」と一応断ってはいながらも,元議長の市議会議員選挙前のツイートに反応し,結果的に「今秋着工」というのは希望的観測のガセネタだったので,取り上げたことについて反省しています。より正確な情報としては11月に記事にした9位の「リンクス仙台」記事を参照して下さい。

来年に向けて

 通年ではランキング入りはしませんでしたが,今年後半に飛び込んできたニュースの行方が気になります。

それは,「宮城県美術館移転問題」です。縮小均衡の未来に向けて財政的なメリットを求めての動きというのは理解できなくもないですが,結論ありきの進められ方というのはやはり腑に落ちません。

 これだけ反対運動が広がっており,1月末に県知事と仙台市長の会議があるとのことで,年度内には方向性が見えてくるでしょうから,引き続き追っていきます。

宮城県美術館 宮城野原に移転?

宮城県美術館 宮城野原移転の続報

県の公共施設の立地 仙台市を無視して良いの?

 他にも,阿武隈急行復旧の行方,渡辺監督退任後のベガルタの動向なども含め,動きがあれば記事にしたいと思います。

 それでは,今年も訪問頂きありがとうございました。来年もよろしくお願いします。

 

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2019年12月13日 (金)

県の公共施設の立地 仙台市を無視して良いの?

 県民会館の移転新築地に続いて,県美術館も急遽移転する前提で話が進められている,宮城野原の国立医療センター跡地。

 県議会では,単なるハコものとして美術館移転の必要性を説明するだけで,「具体的にはまだ何も決まっていない。これから」と村井知事がはぐらかす一方,仙台市からの申し入れにはにべもない態度。

 今日の有識者会議最終回でも,御用委員の方々から異論は出ず,着々と既成事実化が進められています。

 非常に違和感を感じるのは,「県の施設を県有地に作る(移す)からって,基礎自治体の仙台市を無視して良いの?」ということ。

 基礎自治体の意見って大事じゃない?そもそも宮城県民の半分近くは仙台市民。その県民である仙台市民の意見を無視して進んで誰のためになるのでしょうか。

宮城県の方針案、仙台市のまちづくり翻弄 県民会館と県美術館集約で都心再生構想に狂い

仙台市青葉区の東京エレクトロンホール宮城(県民会館)と県美術館を宮城野区に移転、集約する県の方針案を巡り、市の都心まちづくりが揺れている。JR仙台駅西側に重点を置き、定禅寺通や青葉通を軸に再整備を誘導するが、県の方針案が現実になれば駅東側に一大文化ゾーンができ、都心再生の青写真にも狂いが生じる。県主導で突如浮上した新たなまちづくりに、市は翻弄(ほんろう)されている。

 「にぎわいを形成する地域と歴史的、文化的に重要な区域から文化施設がなくなる。まちづくりにすごく影響がある」。郡和子市長は11月26日の定例記者会見で、唐突に示された集約案に動揺を隠さなかった。
 県民会館はシンボルロードの定禅寺通にあり、県美術館は青葉山の文教ゾーンに立つ。二つの施設を仙台医療センター跡地に集約する県の方針案は、立地場所の姿を一変させるだけでなく、駅西側の集客力の一部を3、4キロ離れた駅東側に移し替える意味も持つ。
 「西と東でバランスよく人が流れる。市にとってもマイナスではない」。村井嘉浩知事は前日の定例記者会見で、まちづくりへの貢献を強調したが、郡市長は「それも一つの考え方」と理解を示しつつ、歓迎とは言い難い表情を浮かべた。

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 市の都心まちづくりは長年、旧城下町の駅西側を中心に展開する。2017年には定禅寺通活性化室を設置。市役所本庁舎の建て替えを機に一番町、勾当台エリアの集客力を高めるべく、通りに憩いの空間をつくる社会実験に取り組む。
 今年10月に始動した「都心再構築プロジェクト」も主な舞台は駅西側。青葉通を軸とする都市再生緊急整備地域(約79万平方メートル)を対象に、老朽ビルの建て替えや高機能オフィスの整備を誘導する。市の音楽ホール構想も延長線上にある。
 県の集約案は、こうしたまちづくりの「西高東低」に一石を投じる。東西の均衡ある発展に期待する声が上がる半面、保守系市議は「コンパクトシティーの範囲が広がる」と懸念する。
 市は県民会館が移転した場合の跡地利用にも関心を寄せる。郡市長は11月22日、県庁で村井知事と会談。跡地はまちづくりを左右するとして「活用に関わらせてほしい」と申し入れたが、知事に「タイミングが来たら」とはぐらかされた。
 次回のトップ会談は来年1月に公開で行われる。市のまちづくりが転換点に立つかどうかは、もはや知事の決断次第。市幹部は「従来通り、県民会館と県美術館は市にとって重要な場所と伝える以外にない」と手詰まり感を打ち明ける。

 市の街づくりに勝手に手を突っ込んで,上から目線で「移転が仙台市にとってマイナスではない」と言い切って良いのでしょうか。

 これは政令市の仙台市が相手だからなのでしょうか。その他の県有施設の立地について,あのグランディ21(宮スタ,総合体育館,プール)を利府町に,宮城県図書館と宮城大学も仙台市と大和町の境目に建設した時の意思決定や地元との調整過程は30年前の話なので分かりませんが,最近だと,石巻や気仙沼の県合同庁舎がともに内陸に移転しました。

気仙沼では

 気仙沼合同庁舎は海っぷちにあり,震災でまともに津波被害に遭ったので移転させるしかありませんでした。市内にはまとまった土地がないために,気高と統合された内陸の旧鼎が浦高校跡地に気仙沼警察署とともに移転され,これは防災対策上やむを得なかったんでしょう。

 その気仙沼市は,市役所の立地場所について,現在の八日町と田中の旧市立病院跡地の2択という選択肢から,「市立病院跡地」が有識者会議で選定されました。

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 まちづくり上では,当然現在観光施設の復旧を進めている内湾地区が復興途上ということから,気仙沼の中心地に隣接する八日町に新築するのが,分庁舎として使用している再開発ビル”ワンテン”も活用できるなど好ましかったとは個人的に思いますが,気仙沼自体の実質的な商業的な中心部は田中前付近に移っており,小規模の郊外型店や飲食店がこの近辺に集中し,「ここに行けば困らない」エリアになっている関係上, 現状に追随することになりながらも,これは気仙沼市の判断として尊重せざるを得ない。現位置だと駐車場確保も建替え時の仮庁舎の確保も難しい面もあり。

石巻では

 一方,石巻合同庁舎は,もともと石巻駅北側の南中里にありながら震災前から老朽化が進んでおり,中里バイパス北側の消防署隣接地に移転地を確保していながら,震災で旧合庁の1階部分が津波浸水被害に遭った結果,一大郊外商業地となった”蛇田”に隣接かつ震災の集団移転地及び災害公営住宅建設地となった「あゆみ野」地区に急遽移転されました。

 この県石巻合同庁舎が市街地から離れた反面,先日1階へのイオン出店が発表された石巻市役所は石巻駅前で中心市街地のど真ん中。その隣接地に石巻市立病院を移転させたり,中心商店街への災害公営住宅の整備誘導など,中心市街地活性化に苦心している市の方向性と逆のことを県がやってしまったような感想ですが,これも市の意見をどの程度反映させた判断だったのでしょうか。

(2015/2/8JR仙石線「石巻あゆみ野駅」来春開設 より引用)

 県の合同庁舎も、思わぬ大きな津波被害を受け孤立した経験を踏まえてなのでしょうが、予定していた消防署横の移転計画を撤回し、結果的には旧市街地を見捨て蛇田新市街地へ移転との形に。

 石巻市は石巻駅周辺に市役所、市立病院を集約させ、商店街を含めての再興・居住者の増加を模索していながらも、(市と協議をしたとはいえ)県が蛇田に合同庁舎を移転してしまえば、夜の飲み屋への影響も含め、結構痛いのではないかと。

 万が一の津波被害のことを考えるのは必要とはいえ、高床式にするとか、やりようはあるし、市町村の取り組みと整合性が図られていない感があります。

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 そこに,今回の県民会館と美術館移転。県は地元自治体のためにあるべきと思うのですが,市のまちづくりを上から目線で否定し,邪魔するのが県の役目なのでしょうか。

 過去にグランディ,図書館,宮城大学など郊外化を率先し,仙台市の街づくりに悪影響を及ぼした反省がなく,今回も仙台市が「西口を重視した街づくりを進めている」「文教地区は守りたい」と言っているのをはぐらかして,県有地であることを理由にして,公共施設の効率化を”錦の御旗”に,一方的に宮城野原に県有施設を集めることが”是”とされるものなのか。

 自分の問題意識のスタートは,「環境の良い県美術館,及びあの建物を守りたい」だったのですが,まちづくりの観点から,そもそもの移転検討プロセス自体に大きな疑問を感じるようになってきました。

宮城県美術館 宮城野原に移転? (11/16)

宮城県美術館 宮城野原移転の続報 (11/19)

 仙台市としても,東口(榴岡)の開発は,仙台駅の両側に都市機能を集める点から悪いものではないけれど,その東口から2KMも離れた場所に拠点施設を集めても,その間の連続性が保たれるわけがなく,それを求める必要もない。

 仙台市として,西口の都心以外に,都市計画上で「泉中央,長町,青葉山,仙台港背後地」など,拠点整備地区を定めているのに,それに含まれないエリアに勝手に拠点施設を集められるのは無力感以上の何物でもない。でも,下手に文句を言うと,需要面でありえないけど「仙台市外に作るよ」と言われかねない仙台市の立場は絶対的に弱い。国が県にやっていることを,県が市町村に対してやっているように感じるのは気のせい?

 過去のバブル期とは知事が違っても,やっていることの根っこは変わらないというのが,ものすごく不思議です。

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2019年11月29日 (金)

仙台市 都心部での駐車場附置義務基準を緩和

7月に発表されていた「せんだい都心再構築プロジェクト(第1期)」の一環として,施策AからDまでを打ち出していましたが,10月から施行されていた施策A~Cに続いて,施策D「駐車場附置義務条例の改正、大店立地法における駐車台数の見直し 」が来年4月からの施行を目指し,仙台市の12月定例会に条例改正案提出されるとのことで,市長記者会見にて発表されました。

 ただ,中身は7月に発表されていた,下記リンク先の過去記事のとおりで,特に目新しいものはなさそうです。

せんだい都心再構築プロジェクト(第1期) 施策発表!(その4)

 再開発補助金の拡充&駐車場附置義務緩和(8/27) 

 エリアは,仙台駅の東西のかなり広い範囲です。

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以下は,27日の河北朝刊より。

 仙台市、駐車場の台数基準を緩和 市中心部の土地有効活用へ

仙台市は26日、一定規模の建物を対象とした駐車場の設置義務を見直し、市中心部で確保すべき台数を大幅に緩和すると発表した。10月に始動した都心再構築プロジェクトの一環で、駐車スペースの土地や建物の有効活用を促し、再開発を誘導する。市は関連する条例改正案を市議会12月定例会に提出し、議決を経て、来年4月の施行を目指す。
 市によると、駐車場の台数基準を緩和するエリアは地図の通り。条例改正後は(1)延べ床面積2000平方メートルを超えるホテルや店舗、事務所(2)同3000平方メートルを超えるマンションや学校-などが対象となる。
 現行条例は、店舗や事務所は床面積250平方メートルごと、ホテルなどは312.5平方メートルごと、マンションなどは562.5平方メートルごとに1台を基準としているが、改正案は店舗や事務所が350平方メートル、ホテルなどが550平方メートル、マンションなどが900平方メートルに1台と3割程度緩和する。
 新基準で算定された台数をさらに削減できる特例制度も創設する。公共交通の時刻表掲示で5%、公共交通利用者への割引サービスで10%、バスの待合環境の整備で20%、駅に接続する地下通路の整備で40%それぞれ軽減。組み合わせで最大55%少なくできる。
 延べ床面積1万平方メートルのホテルの場合、現行条例では32台分の駐車場を確保する必要があるが、改正案の新基準と特例制度を最大限組み合わせれば、9台分を確保するだけで良くなる。余った23台分の空間は別の用途に使うことができる。
 駐車台数の緩和は全国で7政令市が取り組む。仙台市の最大55%の緩和率は、非公表の川崎、京都両市を除くと最も大きいという。
 現行条例は1965年に制定され、半世紀以上が経過する。近年、市中心部の交通量は減少傾向で、駐車場の利用は午後1時前後のピーク時で平均5割程度の空きがある状態。条例の義務付けと実態との隔たりが大きくなっていた。

地下通路での駅接続に期待するも。。。

 下記記事中で,微妙に気になる表現があり,案段階から改善された部分があるのかと思ったけれど,記者の表現があいまいだっただけで,肩透かしでした。 その一瞬期待した部分は,上記太下線の「駅に接続する地下通路の整備で40%」のところ。

 地下通路に限定したのであれば,仙台市GJだなぁと思ったのですが。

 7月の発表資料では,「地下通路”等”による鉄道駅との接続 」とされながらも,例示では「ペデストリアンデッキ」も”等”に含まれるとされていたので,こういった部分は正確に表現して欲しい。

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 結局は,接続が容易なペデストリアンデッキ”だけ”で40%の緩和がなされるのであれば,わざわざ工事や調整が難しい新たな地下通路接続は行われないでしょう。

 想定される大規模開発としては,

  〇ヨドバシ第一ビル(リンクス仙台):敷地がペデストリアンデッキに隣接。

  〇オリックス再開発地(エデン・GSビル等):敷地がペデストリアンデッキに接続,隣接のロフトが地下鉄と接続済。

  〇さくら野仙台店跡地:旧建物が既にペデストリアンデッキと地下鉄コンコースに接続

  〇E-Beans・プレイビル付近:現建物が既にペデストリアンデッキと地下鉄コンコースに接続

  〇藤崎本館建替え:既に地下鉄東西線駅に地下通路で接続。

 と,大きくぶち上げながらも,既に駅との接続が実現している敷地であれば,全く新規での誘発効果がないように思えます。

 近年再開発が行われた,仙台駅前の「パルコ2」と「ドンキホーテ」は,ともに地下鉄コンコースに隣接しながらも,地下部分での接続を見送りましたが,このような立地条件の建物があれば,地下鉄との地下通路での接続を誘導する意義があるのでしょうけど。

 一応,今回のエリア内には,地下鉄及び地下線として南北線,東西線,仙石線の3路線あり,

  南北線:北四番丁駅,勾当台公園駅,広瀬通駅,仙台駅,五橋駅,愛宕橋駅(6駅)

  東西線:大町西公園駅,青葉通一番町駅,仙台駅,宮城野通駅(4駅)

  仙石線:あおば通駅,仙台駅,榴岡駅(3駅)

 と,重複を含め地下駅が13駅あるので,あっというところで地下レベルでの接続が実現することがあるかもしれません。

大規模な再開発でわずかながら可能性があるのはフォーラス仙台店ですが,広瀬通駅から延びる地下通路からワンブロック80m程度離れているので,イオンがそんな投資をする訳がないしなぁと。

バス待合スペースの整備

 ただ,このフォーラス再開発が行われるとしたら,簡易的なもので良いから高速バス待合設備の整備に期待したい。

 本当に,仙台の高速バスターミナルは分散しているだけでなく,貧弱かつ中途半端。せっかく東京建物が整備した西口ターミナルも立地条件が,中途半端でもったいないしところ。東口のJRバスターミナルに加え,東口のヨドバシ再開発での簡易バスターミナルや,国土交通省がぶち上げている「バスタ仙台」の整備で,かえってターミナルが乱立し余計分かりにくくなるような嫌な予感もしますが,そこは仙台市がうまく調整しないと。

  このような規制緩和は,他都市の後追い的なところはあるけれど,やらないと都市間競争に後れを取ってしまうので,やるからにはしっかりと候補地の土地所有者やデベロッパーと調整をして,うまく誘導してもらえれば。

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2019年11月24日 (日)

2045年 100万人を切る仙台市

 震災後に思わぬ形で被災地からの人口増が起こり,106万人程度で頭打ちするはずが,109万人まで到達した仙台市の人口。ただ,本当にこれでピークを迎え,110万人の大台の達成は厳しそうです。

 その増え続けていた人口の中身としては,

  〇 被災地から高齢者が子供夫婦を頼って引っ越してきたことで,高齢化率の更なる上昇

  〇 東京圏への人口流出数が自治体単位では全国一

  〇 元から進んでいた泉区・太白区・青葉区の地下鉄沿線外ニュータウンの急激な高齢化

 というように,必ずしも左うちわで「仙台は元気だ」と言える状況では決してありません。

逆に,課題が覆い隠されてきた面があり,これからの10年間で

  〇 後背地である東北各県の急激な若年層の減少による,流入数の減少。

  〇 仙台市自身も適齢期女性の減による出生数の減少と,高齢者数の増加(特に泉区)。

    その後に来る高齢者死亡数の増加での自然減幅の拡大が止まらない

ということが起こってきます。

 

未来の人口帳 人口減少日本で各地に起こること(河合雅司)

Img_9733-1_20191124133001  
 本屋にて,ふとこの本を買い求め,読了しました。この方の本は,以前にも「未来の年表」を読んだことがあり,人口減少・少子高齢化が進む近未来の日本に起こるである諸問題を,年次を区切って警告する本でした。

 今回の近著は,都道府県や市町村単位にクローズアップし,人口(全体・若者・適齢期・高齢者)毎の増減を具体例を用いてリアルに示し,解決策のヒントを提示するものでした。

 このような切り口としては,10年位前に藻谷浩介氏が若年層・生産年齢人口・高齢者の人口の推移から,総人口の増減だけでなくその内訳(質)に着目することを提唱したのがきっかけで,その後,元岩手県知事で総務相を経験した増田寛也氏の著書「地方消滅 」で,適齢期女性数と  自然増減数に着目しすることで,消滅自治体の概念を提唱し,未婚率が高くかつ子育てがし辛い東京圏への一極集中が日本全体の人口減少を促進すること,地方の拠点都市へのある程度の人口集積を図ることが解決策の一つとの提言を行っていました。

 この2人の論調を踏まえた上での河合氏の著書になりますが,著者としては,もう根本的な解決策を図るには遅すぎるとのスタンスで,冷酷に今後起こるであろうことを示しているので,知りたくない現実を突きつけられるような印象でした。自分も上記2人の論調は十分に理解しているつもりでしたが,例えば20の政令市の中での優勢劣敗,同じ政令市内でも中心部を構成する区と郊外区の分断など,リアルな予測があります。このデータは国の国立社会保障・人口問題研究所の2018年度「地域別将来推計人口」からです。

仙台市の将来

 仙台市の人口は,今後減少に転じ,将来2045年には何と92万人にまでに減少するとされています。減少幅は16万人で,宮城野区に匹敵する人口が仙台市から消える予測となっています。

 2015年からの30年間での減少率では▲14.7%で,全国の20政令市の中では6番目。新潟市に匹敵する減少率というのは正直ショックでした。これまで持っていた意識では,「人口が減るにしても,全国の中枢都市の中ではまだましだろう」と思っていましたが,人口面では完全に負け組に入ってしまうことに。

〇人口減少数は札幌市より多い(減少率は札幌市:▲7.5% の2倍近く)

〇人口減少率は,新潟市:▲15% と同程度。

〇人口減少数は 北九州市:▲19万人,京都市:▲17.8万人に近い。

〇適齢期の女性人口の減少率は政令市ダントツ ▲32.1%で(2位の北九州は▲24.8%)

〇100万人から陥落する政令市は仙台のみ。広島市は▲6%で,110万人をキープ。

〇一方,福岡市は,10万人以上の増加(他に増加は川崎市,さいたま市のみ)

 このような見通しについて,行政側も無策ではなく,少なくとも仙台市は問題意識を持っていながら,傷みを強いる政策の実施に困難を極め,まずはできる手を打ってきている印象です。

 ただ, 仙台市では,この推計に異論があるからか,今年3月に策定された「仙台市まち・ひと・しごと創生総合戦略」での将来人口推計で,独自の仮定により,2045年時点でも人口100万人をキープするとの予測を立てており,自分も従来認識していたのはこの予測値でした。

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 ただ,この独自推計では,現在事業中の区画整理地区に人口が張り付く(市外からの吸引前提?)好影響を見込むなど期待値に過ぎないのではと思います。基本的に公平に,冷静に判断するためには,全国一律の前提条件で推計したものを元にすべきではと感じますが,社人研の推計値に異論を唱え,こんなに減らないという対外的なアピールも必要だという面も理解します。あくまでも推計なので,100%の正解はない。

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今後の対策は

 仙台市は,市の人口減少ペースを上回って東北の人口が減るので「東北の中での仙台市の占める割合は高まる」と言っており,これは嘘ではないのですが,これまで東北のダム的な役割を自任してきた仙台市としては,ダムに流れ込む後背地の人口(水)が激減することを考えると,かなりの危機感を感じなければならない。宮城県の人口も180万人と▲50万人で,県人口の半分が仙台市に集中することになる見込み。上述の適齢期女性人口の減少(全国政令市ワースト)も,仙台へ転入する後背地の人口が減るからこそ。

 まぁ危機感を感じても東北の人口は30年で3割減となるのは止められないとすると,少なくとも仙台経由,もしくは仙台を通り越して東京圏に向かう転出を減らす方向で,都市機能の向上を図ることは必要。東京から呼び込むことも含めて。

 それが,7月に発表された「せんだい都心再構築プロジェクト」なのでしょうし,まだ人口が辛うじて増加しているこの段階だからこそ,ラストチャンスとも言えます。人口減少の悪循環のサイクルに入ってしまうと,新たな投資は中々呼び込めない。

 それに,人口が減るにしても,高齢社会がさらに進み,高齢者の移動の制約から,買い物や医療機関,介護施設の充実したエリアの需要が高まることから,自然と都心部及び副都心,地下鉄を中心とする鉄道沿線に人口が集約される流れになってくるので,そのハブとなる仙台駅前を中心とする都心部の果たす役割は大きくなります。

都心再構築プロジェクト始動? その1 (2/2)

都心再構築プロジェクト始動? その2 (2/10)

せんだい都心再構築プロジェクト(第1期) 施策発表! (7/16)

せんだい都心再構築プロジェクト(第1期) 施策発表!(その2)対象となるビルは? (8/23)

せんだい都心再構築プロジェクト(第1期) 施策発表!(その3)容積率が最大2倍に緩和 (8/25)

せんだい都心再構築プロジェクト(第1期) 施策発表!(その4) 再開発補助金の拡充&駐車場附置義務緩和 (8/27) 

 他都市でも東京,大阪,横浜,名古屋を中心に,中心部を抱える伸びる区と,衰退一途の郊外区に二極分化することが予測されており,仙台では区割りが都心部と郊外に明確に分けていないことを考慮しても,郊外型ニュータウンの先行きが厳しいのは自明の理。スカスカの住宅地をどのように維持・再整備していくか。スーパーの閉店,バスの減便など,その兆しが出ていますが,宮城県内でも仙台以外の自治体では既に起こっていることであり,参考になる部分は多い。

 ニーズは増えても,これまでのように至れり尽くせりを求める社会は,今後成り立たなくなっていきます。宅急便などの物流クライシス,セブンイレブンの24時間営業強制が問題となったことが風穴になって,流れは変わってきていますが,遅かれ早かれ破綻することが早めに気づけて,対策を講じるきっかけとなったのは良かったと思いますが,とにかく働く人が地域からいなくなっていくことから,やらなければならないことに資源を金も人も集中させないと。

仙台の課題

 今後拡大一辺倒の街づくりはできるわけがなく,うまく縮みながら仙台という大都市の存在感を維持していけるかが問われています。このあたりを再認識しました。

 仙台に関しては当然都会と田舎の良いとこ取りという良い面があり,このメリットは仮に人口が減っても変わらないものとは思っています。

 なお,こういったウェブ・twitter等で他の拠点都市(特に,新潟,広島)に対し 仙台の優位性を盲目的にアピールしている人をたまに見かけて違和感を感じていましたが,その仙台の足元は脆いものかもしれません。比較というのは自らの立ち位置を理解するためのもので,相手を攻撃するためのものではないと思っています。今回の30年後の仙台の人口減少予測については個人的に衝撃的でしたが,改めて現状や今後の流れをしっかり把握した上で,正確かつ客観的な理解のもとにこのブログも続けて行ければと思っています。

 

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2019年11月19日 (火)

宮城県美術館 宮城野原移転の続報

あっ!とびっくりさせられた週末の河北のスクープでしたが,

宮城県美術館 宮城野原に移転? (11/16)

月曜日に開催された県の懇談会にて,美術館の”移転”及び県民会館との”複合施設化”が既成事実になっていました。

 

新たな県民会館と美術館集約 宮城県が施設配置3案提示

 宮城県は18日、老朽化する仙台市青葉区の東京エレクトロンホール宮城(県民会館)と県美術館を、いずれも宮城野区の仙台医療センター跡地に移転、新築する方針案を正式に発表した。両施設と屋外広場、駐車場、民間が活用するエリアを組み合わせた施設配置の3案を併せて公表した。
 県庁であった県有施設の再編に関する有識者懇話会で示した。配置案は図の通り。(1)県有施設のみで構成(2)西側に民間エリアを設定(3)東側に同エリアを設定-の三つで、一定の天井高を見込む新県民会館の位置は日照の観点から敷地南側か南東側とした。
 県は、県民会館、美術館とも芸術を扱う観点から親和性が高く、2000人規模のホールと美術館の集約は地域の文化振興につながると強調。委員からは相乗効果を期待する声が多く、集約に異論は出なかった。
 候補地周辺の人や交通の流れが変化することが想定されるため、駐車場の適正利用や公共交通機関との連携の在り方を検討すべきだとの指摘があった。今後の街づくりに向け、都市計画を所管する仙台市との協議を求める声も出た。
 座長を務めた東北大大学院工学研究科の堀切川一男教授(摩擦工学)は「夢のあるプランだ。将来の宮城の街づくりに寄与するよう議論を進める」と述べた(11/19河北)。

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 疑問点として,

①この有識者会懇話会の位置付け

②座長の専門は芸術とは程遠い分野

③配置図まで出るとは手回しが良すぎ

を感じました。

①については,この懇話会はあくまでも県の公共施設の統廃合や再整備の方向性を検討する場であって,美術館や県民会館のふさわしい立地や内容について検討する場ではないことから,単に県が使える未利用地に当てはめれば良いものではないという点です。

 そもそも,例の県政史上最大の負の遺産である利府のグランディ21も,県の住宅公社が保有する未利用地ありきで決定されたと言われています。ある面では良くても,観客輸送などを軽視して整備された施設の現時点での評価は周知の事実。

 直前までは,著名な建築家前川國男の代表作であるこの歴史的建築物を活かすため,大規模改修を前提に検討が進められてきたところ,突然の方向転換の理由として「大規模改修期間の美術品収蔵の問題,長期間の閉館を強いられること」が挙げられていますが,それだけの理由でこの建築物及び空間を放棄して良いのか?と感じました。

宮城県美術館リニューアル基本構想 (中間案)

宮城県美術館リニューアル基本方針(中間案)

 この宮城野原への移転及び県民会館との複合化が決定事項なのであれば,少なくとも,これまでの詳細な検討の結果,移転が必要になった経緯を事細かに説明すること,加えて美術館の建物を再利用する方向性でないと,自分は納得はできない。例えば,長年整備が検討されながら実現されていない東北大の総合博物館への転用など,東北大は川内萩ホールもうまくリノベーションして現在でも最前線のホールとして活用しているので,この建物に新たな息を吹き込んでもらうには,東北大の力が必要ではと思います。

②については,座長は有名な東北大の摩擦工学の教授で,地元企業との産学連携分野での輝かしい成果を上げている方です。ただし,今回の懇話会の検討にあたって,氏の専門分野がどうやって活かされているのでしょうか?

 美術館の方向性については,芸術分野の専門家を集めた懇話会や検討会で議論していくべきもので,単なる配置や効率性の視点からの検討会で決定して良いのでしょうか。「夢のあるプランだ」とコメントしていますが,ハコは立派でも中身がどうなるか分からないのに,無責任なコメントに思えます。

③については,配置図まで準備されていたというのは,用意周到ですね。もしかしたら,日曜日の河北のスクープは県が意図的に流した情報かもしれません。配置図云々という段階ではなくそもそものところで議論の余地がありすぎるのに,これで決まってしまうのでは,何か悲しいです。

前向きに考えると。。。

 ショックが大きいところですが,観光面からすると先日の記事に紹介した青森県美術館や金沢21世紀美術館の他にも,水戸芸術館など地方にありながらも,集客力がある美術館として評価されるようになれば,楽天の試合だけでなく,沿岸部の松島や仙台港の水族館,アウトレットなどとの周遊がしやすいような立地条件は評価できる面もあります。

 今後整備が予定されている仙台東道路の沿道でもありますし,おそらく防災拠点隣接地ということからインターも整備されることと思います。そうなると,仙台東部道路(常磐道・三陸道)から,直接高速道路で目の前まで行ける立地になると言えます。

目の前にJR宮城野原駅

 仙台駅から2駅4分,片道150円で目の前まで行けるという立地条件は,交通条件だけをみると優れている面もあります。とはいえ,連続立体交差事業で最低限の駅設備で20年近く前に移転開業したこの地下駅。拡張の余地が全くないという欠点があり,楽天の試合と県民会館の公演が重なってしまうと大変なことになりそう。

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 とはいえ,美術館の利用者は近年20万人前後であり,1日平均だと500人程度。特別展の開催時はその数倍なるでしょうが,鉄道輸送にとっては誤差の範囲内で,十分対応可能でしょう。野球も年間で65試合程度の開催なので,通常日は特に問題なく対応できそうではあります。

 検討されている民間施設として,飲食店などが入るでしょうし,帰りもある程度分散することが予想されますが,楽天の球場よりも多少仙台駅からは遠いことと,客層が中高年が多そうなこと,目の前が駅になるので,鉄道利用率は野球よりは当然高くなるでしょう。

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 なので理想としては,現在昼間15分おきの運行を12分おき程度にして欲しいところ。また夜間帯のナイター終了後と県民会館の公演がバッティングする可能性がある21時台の運行本数を多少増やしてもらえれば(楽天の試合後も増便しないので期待薄ですが)。

楽天生命パークへの仙石線アクセスについて (8/13)

 とにかく,正式決定とは思いたくなので,もう少し丁寧な説明が必要だと思います。この問題については,状況を追っていきます。

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2019年11月16日 (土)

宮城県美術館 宮城野原に移転?

 市のクラシックホール(音楽堂)の移転新築の話が,20年越しに候補地が転々しまだ決まっていないのに,同じく老朽化した県民会館の移転地が事実上宮城野原の国立医療センター跡地に電光石火で決定していましたが,その宮城野原の跡地利用として,宮城県美術館も合わせて総合芸術複合施設として整備する話が突然,今朝の河北新報朝刊1面に出てきました。

 県は決まるのが早いのですが,検討が拙速な面も。一方,市は石橋を叩き続けて渡らないような慎重さがもどかしい。今回も候補地選定の最終盤で「貴重な公園をつぶすな」という意見に右往左往している状況。もちろん,様々な意見を積み上げて,民主的な方が望ましい。

 その突然,宮城野原に県民会館との複合施設として整備する構想が出てきた宮城県美術館ですが,正直,「建替えは早いんじゃない?」と思いました。

狙いは何?

 狙いとしては芸術系の複合施設として,県民会館と併せて整備するというのは考えとしてはありだし,青森犬やシャガールの「アレコ」で有名な青森県美術館(以下写真),金沢の21世紀美術館のような全国的に有名な美術館として売り出すには,既存のハコにとらわれずに新しく整備すべきとの考えなのでしょうか。でも,当然美術館はハコよりは中身次第なのは当然で,現時点ではコンセプトが見えないので何とも。

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 仮に,宮城野原の旧医療センター跡地に整備となった場合,跡地全体が6.7haあるので,ホールで1~2ha使っても,駐車場を含めてまだ余裕はあります。楽天のスタジアムと併せて,観光の目的地となる施設がこの近辺に集まることになります。野球ファンと芸術ファンは余り相いれないにしても,面白い展開ではあるかも。

 現在の美術館ではるーぷる仙台のルート上にはあるにしても,他の観光施設との連携は弱いので。宮城野原の交通の便は鉄道駅の近辺という点では現位置と比較して劣らず(東西線で仙台駅から3駅で10分強⇒仙石線で仙台駅から2駅で10分),自動車交通の面では,都心と4号バイパスを結ぶ元寺小路福室線の沿道で,仙台東道路の候補ルートでもあるから,県としては現在整備に向けて動いている防災拠点との連携を含めて,力を入れているエリアでもあります。

でも違和感が。。。

 まだ建築から40年経っていないのと,東北大学川内キャンパス近くの文教地区に佇むシンボリックな建物であり,また,佐藤忠良記念館やアリスの庭など,空間としても,現在でも陳腐さを感じない施設であり,リニューアルしながら長く生かすべきものだと思っていました。

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 あの,カフェモーツアルトフィガロが面している中庭も非常に落ち着く空間です。

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 それに,震災復興の事業が落ち着きつつあり,通常モードに戻りつつある中,後回しになっている事業があるはずで,これまでリニューアル前提で進んでいた県美術館が突然移転新築の話が出るというのが,非常に不自然な感があります。

 移転新築としたら100億円は下らないでしょうし,県民会館と併せると数百億円のプロジェクトに。隣接する防災拠点の用地買収費にも数百億円を投じる中(国の補助事業とはいえ),このエリアをなぜこんなに重視するのか。

 もちろん,宮城スタジアム,宮城県図書館,宮城大学と,あえて仙台市を避けて車でしか行けない場所に県施設を作りまくった時代の反省として,仮に宮城野原に移転する場合の立地条件は文句ないとはいえ,現美術館の跡地も,環境が良すぎて文教目的にしか使いづらい場所であり,分譲マンション用地として売却して整備費を生み出すことはできない場所です。

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 せっかく仙台市が地下鉄東西線を作ってくれて,アクセスが改善したのに,そこから敢えて移転するというメリットは小さいと。駐車場も確保されているし,非常にバランスが取れた場所にある現美術館を活かしていく方向で再検討を願いたいところです。

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2019年10月21日 (月)

あすと長町の近況(R1.10)~KHBの建物イメージが明らかに~

 これまでの数年間,あすと長町の話題の中心だった,高層分譲マンションが,長町駅東口のパークタワーあすと長町の竣工と入居開始で,ようやくひと段落を迎えた今秋。引き続いての話題は,相次いで着工となるJR東日本グループの長町駅東口開発と,杜の広場隣接地のKHB東日本放送の新社屋。ともに,令和3年の初めに建物自体の完成を見込んでいます。

 JR東日本グループの開発地は,9月下旬に起工式を行い,既に着工していますが,KHB東日本放送の新社屋予定地は,コインパーキングとしての利用も終了し,現在フェンスでの仮囲いと,工事事務所の準備が終わり,この25日に起工式を迎えます。

KHB新社屋 11月着工へ (8/17)

KHB東日本放送 あすと長町移転の続報 (2018/8/3)

KHB東日本放送 H33年にあすと長町へ (2016/3/12)

 起工式と完成予想パースのプレスリリースがありましたが,洗練された期待できるデザインですね。

  

建設計画の概要

建設場所 仙台市太白区あすと長町一丁目3番4
構造・規模 鉄骨造 地上4階 塔屋1階
用途   テレビスタジオ
延床面積 8,510.61平米
建築面積 2,964.98平米

運用開始 2021年10月1日(予定)

竣工   2021年1月31日(予定)

コンストラクションマネジャー 株式会社山下PMC

設計施工者 株式会社竹中工務店

景観に配慮した計画

 建築計画看板では地上5階とありましたが,実際は5階部分が塔屋で,実質4階建ての屋上にアンテナ部分が乗っかる形になります。また,アンテナもむき出しではなく,景観に配慮したカバーをかけるようで,それほど違和感はありません。

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 放送局部分は,予想通り北側の高齢者住宅寄りですが,アンテナは南側に寄せて,北側の高齢者住宅になるべく影響を与えないように配慮しています。

 斜めに配置されているガラス張りのスロープ?がアクセントの効果を発揮しそうですが,基本的には白基調でゼビアリやゼビオスポーツの黒基調に対して対照的です。

 広場に面した1階部分は,ガラス張りで開かれたスペースになっています。その1階に整備される多目的ホールと杜の広場との一体的な活用が期待でき,また,カフェも併設とのことで,杜の広場方面に開かれた空間というのは,あすと長町まちづくり基本方針に定められた,広場を取り囲むように中層の建物を配置するという,この広場の狙いに沿った形での活用となり嬉しく思います。ゼビオアリーナも,最近になって1階の空きスペースにヤマハの教室や塾が入居し,広場に面した部分のにぎわいが多少増したところで,両側に賑わいを感じ,ぐりりスポーツパーク側の店舗との相乗効果を発揮して欲しいところです。

 ニュースや情報番組などでのリポートとしてこの広場が使われるんでしょうし,様々なイベントの開催もあるのでしょうから,あすと長町のにぎわいを増す効果が期待できます。そいえばNHKの新放送局は錦町公園と一体的に活用できるよう,階段状の観覧スペースが整備されましたが,その目的ではあまり活用されていないようなので,KHBにはせっかくの広場隣接の立地条件を活かして欲しいもの。

NHK仙台放送局移転オープン(2018/2/4)

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未活用で残る南側2000平米

 現在,南側の2000平米については工事用事務所が設置され,放送局が完成する2021年春以降でないと着工できないのではと。立地機能もそんなに焦って決める必要はないのでしょうし,気長に待った方が良さそうです。逆に放送局の稼働開始が迫った時期の方が様々な相乗効果を期待しての立地申し出がありそう。残り少ないあすと長町の好立地なので。2000平米というのは狭い土地ではないですが,基本的に広場側に建物を寄せて,半分近くを駐車場として使うとすると,容積率が300%なのでそれほど床面積が確保できるわけではありません。純粋な商業機能というのは,杜の広場の人通りからちょっと厳しいかな。

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杜の広場側からは,すっかりフェンスに囲まれてしまいました。

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一方,大通側からは,入り口部分が開いており,中を見ることができました。

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大通沿いに謎のベンチ工事中

 そのKHB予定地そばのあすと長町大通の緑地帯部分に,10月末までの工期で,なぜかベンチ設置工事中です。

道路向かいのライオンズマンション付近でも同じ工事をしているようですが,なぜこんな場所に?

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 年2回の草刈り直後以外は,草ぼうぼうになっていたり荒れている期間も多いこの緑地帯に整備されるのは悪い話ではないですが,ここに整備される理由として考えられるのは,一応点字ブロックなど設置準備工事が行われながらそのままになっているバス停設置に伴う待合スペースとしてというもの(ただし,終点の市立病院が次なのでちょっと無理があるかも。道路向かいもバス停予定地の近くとはいえ多少場所がずれている。。。ということで謎です。ここでベンチに座って休憩というシチュエーションが思い浮かばない。散歩する高齢者の休憩用?)

 市立病院と長町南駅以遠を結ぶバスが走っていますが,この区間がほぼ空気輸送なので,仮に,この位置にバス停が設置されれば, 近隣住民が長町南のモールに行き帰りする需要を多少拾うことができそうではあります。ただ大通を歩行者が横断するには南北ともかなり遠回りをしなければならないので,仮にここにバス停が設置されたとしても上り下りが事実上別のバス停になってしまうという懸念もあります。バス停の名前も付けづらい。

アウトドアショップが11月にオープン

 あすと長町から線路を挟んで1歩出たところで,長町商店街の裏側にあたる新幹線高架に見下ろされた地味な場所に,キャンプ用品大手のスノーピーク商品を中心に扱うアウトドアショップ「ヒ・グラシ DIY&OUTDOOR CENTER 」がオープンします。地元の高野建設が関わり,既存の古い建物をリノベーションして出店とのことで,近隣のリノベ物件としては人気カフェのパブリック コーヒー&バーがありますが,長町商店街こそ仙台市が進めているリノベーション街づくりにの趣旨に合致するエリアと思っているので,古い廃業する商店等が多い割には,周辺人口が増えており,こういう専門店ショップは人気を集めると思われます。

プレスリリース

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 イメージパースはこんな感じですが,ピンとこなかったので,現地を探索してみました。

 新幹線高架と並行する細い道を長町一丁目方向から進むと,

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危なく通り過ぎるところでしたが,ここっぽい。マンションと古いアパートに挟まれた場所。

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ここかぁ。建物の全面にテントを展示するようなデッキスペースが整備されるようですが,これからのようでした。

駐車場はせいぜい5~6台程度でしょうか。

 

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目の前の道路が一方通行ではないものの,すれ違いに難儀する狭い道なので,車で行きやすい場所ではないのがネック。とはいえ,近年のアウトドアブームにのって,人気を集めそうなショップです。

 カフェは,フラットホワイトコーヒーから豆の提供を受けるとのことで,最近はイグーネ荒井に出店している人気店との相乗効果もありそう。

 オープンする11月9日には,コーヒー豆のプレゼントやトークショーなどがあるようです。

tekuteながまちにハチオープン

 twitterでも流していましたが,tekuteながまち内,最北端のヴィスキオーレ跡地に,ハンバーグレストランハチ長町店がオープンです。時期は11月初旬とのことで,昨年秋に空き店舗になってから1年でようやくこの場所が埋まります。

 ホームページ

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 今日前を通ったところ,改装工事は途中ながらも,従業員の訓練的なことをしていました。

 ハチは仙台駅にも出店しており,JRグループとの関係があることからの誘致と推測しましたが,地元での人気店の出店は嬉しいです。

 以前の店はテラス席もありましたが,オープンが11月なので,しばらく春までの活用は難しそう。また,令和3年1月までの1年以上は目の前が同JR系列の開発工事が行われる関係で,あまり外をアピールはできないのは残念なところ。

 とはいえ,周辺の奥さん方に人気の店になりそうで,さらに 目の前の三井のパークタワーあすと長町が完成・入居開始したため,足元人口も数百人単位で増えるところは好材料か。

 

イオンタウン予定地は,リパーク復活か?

 車で通った時に気づきましたが,白色に緑の縁取りの看板が設置されていました。これってやっぱりリパークだよなぁと。既定路線とは思っていましたが,上述の着工した2つのプロジェクトのため,地区内のコインパーキングが減っているので,そういう意味では良かったと思うしかない。

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2019年9月 1日 (日)

仙台と札幌(その8)札幌駅前地下歩行空間 の活用から

 さて,ちょっと空きましたが,札幌シリーズも終盤です。

今回の記事は,前回の「せんだい都心再構築プロジェクト」の地下道・ペデストリアンデッキとの接続による優遇措置にも非常に参考になる内容。

仙台と札幌(その7)都心部は観光名所だらけ

せんだい都心再構築プロジェクト(第1期) 施策発表!(その4) 再開発補助金の拡充&駐車場附置義務緩和

仙台駅前 地下街の可能性 (6/22) 

 前回札幌を訪問した時になかったのは,札幌駅と大通駅を結ぶ地下道 とJRタワーを中心とする巨大駅ビル。そのうち,地下道から記事に。

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札幌も2極構造

もともと札幌は,JR・地下鉄を含む巨大ターミナル「札幌駅」付近と,地下鉄3路線全てが集まる「大通」の二極構造と言われながらも,

〇商業的には地元百貨店丸井今井が複数店展開

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〇三越・PARCOなどの大手百貨店・ファッションビルなどの大型店が多数立地

〇仙台のようにそこそこ長く賑わっている狸小路のアーケード街

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〇大通駅を起点にすすきの駅までを結ぶ南北の「ポールタウン」,ちょっと離れた東豊線大通駅を超えてさっぽろテレビ塔までを結ぶ東西の「オーロラタウン」という,雪国札幌には欠かせない,洗練された巨大地下街が設置されていること(写真は深夜の閉店後です)

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〇企業のオフィスも大通中心

〇南側には北日本を代表する歓楽街「すすきの」

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 と,2極構造でも,仙台駅>一番町 の仙台とは異なり,札幌駅<大通で

 近年こそ,名古屋や福岡のように中心駅の吸引力が強くなり,札幌駅≦大通になりつつあるけど,札幌駅と大通駅相互の移動需要は大きいもの。

札幌駅と大通駅の移動需要の大きさ

 仙台では仙台駅(JR)と一番町との相互の移動は地下鉄やバスもあるけれど,大多数は屋根付きアーケードを経由して行き来しています。まぁ,アーケードの切れ目などずっと屋根があるわけではないので,特に雨の日は面倒になりますが。

一方,札幌では,大通までの相互の距離は徒歩10分程度でそんなに遠くはないにせよ,屋根付きのアーケード的なものはなく,特に厳冬期を中心に,さっぽろ駅と大通駅の1区間だけを地下鉄利用する人も多く,ドル箱区間だったとか。

 

 注)札幌では,JR駅を札幌駅,地下鉄駅をさっぽろ駅と表記を区別しています

 その間を(地下鉄の料金収入を失う覚悟で),広幅員のダイナミックな地下道で結んだプロジェクトがこの「札幌駅前地下道(チ・カ・ホ)」

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 6月の地下街の記事の時にも紹介し,実際行ってみたいと思っていたので良い機会でした。

 感想としては,とにかく広い!仙台駅前の東西自由通路の倍以上で,それなりの通行量を見込んでの設計です。地上道路はそれほど広いイメージではなかったので,ほぼ道路いっぱいに建設し,沿道建物への接続が容易なように考えられています。

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(これは,深夜11時以降の写真で,さすがに人はまばらですが,広さを実感しました)

当然ながら,沿道のホテルなど既存の建物への接続も積極的に行われていました。札幌グランドホテルへは階段経由の接続ながらも,企業としては接続するメリットを評価してのこと。

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それ以外にも,沿道では再開発が重点的に進められており,札幌駅寄りの日本生命札幌ビルは,計画段階からこのチ・カ・ホへの接続を想定し面するところに飲食店を集め,フードコートのようなな使い方をしていました。

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建物に入る部分も,このように自然に入りやすい構造に。

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地上部分は,このような以前には札幌にはなかったタイプの超高層ビルです。

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その向かい側(南側)にも,新しいビル(札幌三井JPビル:赤レンガテラス)があり,こちらも地下レベルではチ・カ・ホに接続しています。

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地下道内では,イベントスペースや休憩スペースも豊富に設置されており,もちろん昼間の通行量はかなりのものでした(写真は地下道の北側に接続するさっぽろ駅改札付近です)。

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 もちろん,札幌には立派な地下街は,

〇大通付近のポールタウン・オーロラタウン

〇JR札幌駅直下のパセオ,地下鉄さっぽろ駅直下のアピア

〇一体で接続するJR札幌駅ビル商業施設直下の大丸・ステラプレイス・エスタの地下部分

 

 と一体となりかなりの規模で展開されているので,この両駅を結ぶ形で建設されたチ・カ・ホは地下街形式ではなく,基本地下歩行者専用通路ながらも,沿道再開発へのメリット付与,通行する利用者への利便性などを考えて,自然体で情報提供・サービス機能の付与を行っており,この考えこそ,JR仙台駅と地下鉄仙台駅そしてJRあおば通駅を結ぶ東西自由通路の活用のヒントになるのでは。

 もちろん,この東西自由通路を南北に挟む,さくら野跡地,仙台ホテル・GSビル跡地のオリックス再開発との連動ということを視野に進めるべきだし,さらに,東西自由通路だけでなく,地下鉄南北線・東西線のコンコースにも積極的に地下レベルで接続して,地下レベルでの歩行者の動きを活発化していくことで,雨や雪の日の客足の減少を抑える効果(仙台駅前として疑似SCとして回遊しやすい構造に)などを視野に進めていければという考えを,札幌のこのチ・カ・ホの活用策を目の当たりにして強く持ちました。

 というのも,決して,新しい公共事業として,地下道を掘る訳ではないのだから,あるものを活用するのは当たり前でしょ。

 

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2019年8月27日 (火)

せんだい都心再構築プロジェクト(第1期) 施策発表!(その4) 再開発補助金の拡充&駐車場附置義務緩和

さて,続きです。

せんだい都心再構築プロジェクト(第1期) 施策発表!(その3)容積率が最大2倍に緩和

【C】仙台市市街地再開発事業補助金制度の拡充

 下の資料の赤線区域(都市再生緊急整備地域)内で実施される市街地再開発事業を対象に,仙台市からの補助金が拡充されるとの内容です。

これも,住宅が含まれる事業はその時点で対象外で,オフィス,商業,ホテルなどの業務系の再開発に限定されます。

まぁ,このエリアにタワマン建てるのに補助の積み増しをする必要なないしね。

ただ補助対象事業費が何にあたるのかがよく分かりません(理解不足)。

C

【D 駐車場附置義務条例等の改正

〇西口のハナシ

 容積率の緩和と並んで,この駐車場附置義務の緩和というのが特に商業施設には大きいのではと。

 都心部にクルマでわざわざ来る客は減っているし,高い駐車料金を払って都心部に行くくらいだったら,郊外のSCに行くでしょう。

 なのに杓子定規に駐車場の整備を求めて,事業者に負担を強いていた古い考え方から,駐車場台数を抑えて公共交通機関で来てもらうとの考え方へのシフトは好ましいもの。

 当然,車での来街者向けには,既存の駐車場が暫定的な平面駐車場を含めて,ナンボでもあるのだから,その無駄に駐車場の整備を強いていた床分を,業務的な床分にシフトできるというのは,事業者にとっても市民にとっても,行政にとってもメリットがあると。

緩和メニューについて

 その駐車場義務図家台数緩和のメニューはレベルⅠからⅢに分かれていますが,


Ⅰ 公共交通の時刻表の掲示・マイカー通勤(通学)の抑制策の実施・・・5%

Ⅱ 公共交通機関利用者への割引サービスや特典の付与・・・10%

Ⅲ バスの待合環境の整備・・・20%

  地下通路等による鉄道駅との接続・・・40%

 で,異なるレベルを組み合わせて最大55%の緩和とのことですが,そのうち大きいのはⅢの地下通路等(ペデストリアンデッキ含む)による鉄道駅との接続の40%。

 ただ,ちょっと下手だなぁと思うのは,ペデストリアンデッキとの接続は,頼まれなくても事業者側でやるでしょ。接していなくても広瀬通の東京建物ビルやソララビルで延長した位だし,さくら野跡地やエデン付近,E-Beans付近も既にペデストリアンデッキが通っているので,余計な投資がないから,これ単独で40%というのはやり過ぎ。

 ペデストリアンデッキ接続での緩和措置は20%にして,地下通路への接続で20%とし,両方達成して40%にしないと,パルコⅡや駅前ドンキのように,近年コスト的に避けられている地下鉄コンコースや地下通路との接続が促進されないのでは。

 だって,地上のペデストリアンデッキとの接続だけで40%の緩和がされるのだったら,だれがコストをかけて地下レベルで接続する?

 もしかして,これも地下レベルでの疑似地下街整備のきっかけにならないように,配慮したのでしょうか。

 なお,札幌駅前地下道での沿道建物からの接続促進の取り組みは↓の記事で紹介しています。

仙台駅前 地下街の可能性2019.6.22) 

 これさえ達成すれば,他のレベルメニューは本当にオマケです。

 Ⅰなんて,今ドキであればデジタルサイネージで直近の時刻表の表示案内までするのが普通で,アナログ的に時刻表掲示するのでも達成可能だしハードルは低い。それに,西口に立地するのであれば,マイカー通勤なんてありえないでしょう。

 Ⅱも,鉄道駅と近接しているイオンが名取や卸町でやっている,スイカやイクスカへのポイント付与を行うことで達成可能だし,駐車場利用者への駐車料金無料券発行と比較すれば,コスト的にタダみたいなもの。

〇東口のハナシ

 また,大店立地法との連動で,仙台駅東口に立地する商業施設駐車場の附置義務が大幅に緩和されるというのは,まさしくヨドバシ対策かと。

 ヨドバシ第一ビルの再開発に着手するにあたり,想像するにネックになっていたのは,第一ビル予定地に広がっている暫定の平面駐車場分が再開発期間中に使えなくなる問題。線路側の立体駐車場は継続利用できるにせよ,平面駐車場分の代替駐車場を確保するのは結構難題。

 それが,駐車場の確保基準となる,自動車分担率が一律30%から,実情に応じて最低1/4の7.5%まで緩和されるとなると,代替駐車場確保のコストが低減される他,当然第一ビル自体に整備する駐車場台数も減少させることが可能で,メリットが大きいと思われます。

とうとうヨドバシ再開発着工&ZEPP仙台再出店か! (8/24)

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感想

 全体として,いろいろ頑張って盛り込んだ感はありますが,あまりに幅広過ぎてあまり伝わっていない感があるような。

 福岡であれば,「時限的な航空法による高さ制限と容積率の緩和」なんでしょうが,仙台の場合の目玉はやはり「容積率最大2倍」かな。

 それも,使われてナンボなので,その受け皿となる土地の所有者には期待をしたいと思います。というか,築50年の建物をそのままあと何年使うつもりなの?再開発する良いきっかけになるのでは?という,仙台市からの強いメッセージに応えて欲しいところです。

 

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