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商業

2019年10月10日 (木)

藤崎 来年に新店舗計画

ちょっと繁忙期で間が空きましたが,ちょっと落ち着いたので。積み残しだった記事を。

 

仙台市が10月からスタートした,「せんだい都心再構築プロジェクト」。

そのエリアには,仙台駅前や一番町エリアも当然入っています。

仙台駅前の開発イメージ

最も注目されていたのは,青葉通を挟み向かい合う,「駅前のさくら野跡地」及び「EDENとGSビル跡地」を所有するオリックス不動産の動向。

Aobadori

 このイメージパースでは,青葉通を広場として歩行者専用エリア化して,その両側の再開発のデザインを統一し,ツインタワー的な開発を行うという,意欲的な将来像を見せています。

 仙台市としては,このような活用もタブーではないという,デベロッパーの意欲を掻き立てるような,決意表明と感じました。

青葉通一番町のイメージ

 一方,拠点性の高まりで集中が進む仙台駅付近に対し,以前は勢いが弱かった一番町エリアですが,特に東西線の青葉通一番町駅の開業で,サンモール一番町エリアのポテンシャルは高まったところ。

 ただ,地元一番店の百貨店藤崎の老朽化した店舗は,一応B2フロア経由で地下鉄駅に直結した効果もあり,売り上げは好調のようですが,いかんせん,本館と向かいの大町館はアーケード上の連絡通路で結ばれているからまだ良いとはいえ,エノテカが入っている一番町館や,東二番丁通に面する「ファーストタワー館」は正直店舗面積稼ぎにしても,藤崎本館との相乗効果は小さいし,分散していることのデメリットを解消するには,本館の建替えしかないと,皆が思っていたでしょう。

 仙台市のこのエリアのイメージパースでは,

Fujisaki

というように,藤崎部分の建替えと高層ビル化という挑戦的な将来像を提示していましたが,これに呼応するように,

創業200周年を迎えた藤崎の社長インタビュー記事が飛び込んできてました。

「来年に新店舗計画」仙台の老舗百貨店、藤崎社長
変わる仙台商業地図 藤崎200年(下)

地場百貨店の藤崎(仙台市)の藤崎三郎助社長は創業200年にあたり日本経済新聞のインタビューに応じ、現行の店舗を解体して新店舗を建設する計画を「東京五輪・パラリンピックが開催される2020年に決めたい」と話した。仙台中心部で商業施設をはじめとした再構築プロジェクトが進んでおり、店舗改装は行政と連動して進めていく考えを示した。

――複数のビルに分散している現在の店舗を集約することになるのでしょうか。
「理想的にはそれが一番。本店の地下に市営地下鉄の駅も建設されている。こうしたプロジェクトは行政と結びつかないと絶対に無理。せっかくやるんだったら一緒にやらないと。それで中途半端な物を造ってもあまり意味がない」

――具体的な期限は。
「来年東京五輪・パラリンピックが経済的な節目となる。計画は来年までに何とか決めないと。東日本大震災の津波被災地の復興事業も一段落します。復興需要は、私の感覚だと4年前に終わっている」

――消費構造が大きく変わっています。
「これから20年先の商品の販売形態の予測がつかない。団塊の世代がまだ購買力を持つ今後10年は現行の状態が続くのかもしれない。実際の店舗に並べる商品と、ネット通販で販売する商品というように今後の店舗は消費構造を2つに分けて考える必要がある」

――店舗に並べる商品が限られるということでしょうか。
「店舗をいつどのように改装するかということよりも、百貨店から『50貨店』になった時、そこに何を置くのかを決定することが重要になる。昔扱っていて今はない物は相当ある。今でも百貨店って言えない状況になっている。でかい商品はすべてカタログ通販で構わない。持って帰れるものを置けと言っています」

――(9月4日に開かれた)創業200年祝賀式典で「みなさまに」という言葉をたくさん使っていた。周辺商店街との共存共栄ということでしょうか。
「200年続けてきたことに対する御礼という意味です。それは日常でいろんなお客様にご愛顧いただいてもらっているんだということにつきるなということ。それ以外に何もない」

――都心再構築では周辺商店街も暗中模索です。
「都心型の立地というのを考えた時に、今後どういう形を考えたらいいのかということを考える必要がある。仙台は現在、中心部回帰になってきている。郊外に住んでいた方が少子高齢化によって都心の利便性を見直し始めている。それを考えるとやはり中心部のコミュニティーをもう一度つくり上げていかなければならない」
「今後、百貨店の物を売るというのは確かなんだけど、それに付随する形でせっかく200年の歴史と伝統を周囲に認めてもらえるのであれば、それをうまく使わなければならない。ただ、物を売るだけなら、もはや通販サイトには勝てない」

ようやくの決意表明

 創業200周年の節目を迎え,仙台市の都心再構築プロジェクトの補助金を活用しながら, ようやく本館の建替えの検討に入るという決意表明です。

 本来であれば,地下鉄東西線駅が地下にできるタイミングでやるべきだったんでしょうが,震災後という不透明な時期でもあったので,仙台市がこのプロジェクトでようやく後押しをして,動き出すことになります。

 現在でこそ,市内,そして東北にて百貨店としては一番店の地位を保っていますが,仮に仙台駅前の再開発で大手の百貨店が進出したら,丸井今井を追い越した札幌駅直結の大丸,松坂屋を追い越した名古屋駅直結の高島屋のように,草刈り場となるという危機感も持っていたのでしょう。

規模はどの程度?

 同じ一番町の三越は2館体制で約3万平米強の売り場面積を持ってるので,藤崎も建替えで三越を上回る面積というのが命題。

 ただし,本館集約を図るには,プロジェクトの特典を利用しようとしても,商業機能のみでは容積率UPはないし,容積率UPを目当てにとしてもこの場所では高機能オフィスの需要は弱いし,そもそも敷地面積は4000平米強 とそれほど大きくはない。

 周辺ビルを買収・一体化してもせいぜい5,000平米がせいぜいと思われ,そうすると容積率600%でも床面が30,000平米。容積率不算入の地下を活用するにしても,商業床は20,000~25,000平米がせいぜいで,集約化はかなり厳しいなぁと。なので,現大町館の敷地も活用して,上空通路でなるべく一体化させることなどが考えられるけど,一般的にフルサイズの百貨店として必要とされる4万平米には届きそうにないです。

 まぁ,仙台駅前でも進む再開発と競合するし,百貨店冬の時代だから,現在の商業床面積を維持するので精一杯か。インタビューでも「ネット通販」を意識して,必ずしもフルサイズにこだわらないような発言もあるので,量より質というイメージの再開発を目指すのか。

 一方,「中途半端なものにならないように,仙台市と一緒に取り組む」との決意表明もあるので,市街地再開発事業の形態をとり,ブロック一体の再開発とすれば,敷地面積は7,000平米まで確保できますが,三原本店などの老舗のお店もあり,意見をまとめるまで5年間で済むかというと厳しい。

仮店舗が難問

 気になるのは,建替え期間中の仮店舗をどうするか。400億円を超える年商を建替え期間中フイにできないし,移転新築ではなくあくまでも現位置での建替えと言っているから,そこが気になるところ。

 藤崎自体はこれまで,創業から店舗を移転して現位置になっているとのことで,移転自体はタブーではないんでしょうが,三越と並んで一番町を引っ張る存在の藤崎が,仙台駅前に移転はできないか。それに,せっかく仙台市が地下鉄駅を地下に作ってくれたのに,その場所を捨てられないか。

 でも,丸の内再開発でも複数ビルの再開発を連鎖させて,テナントところてん式に移転させてうまく回すとの方法をとっているし,天神ビッグバンでも同様の手法。大々的な再開発を行う場合は現在の位置にこだわらずに進めることも必要なのかも。

 いろいろと難問は多いですが,これまで政令市の一番店にふさわしいハコへの建替えが望まれてきた藤崎の建替えが進むことは喜ばしいことです。

仙台市も,再構築プロジェクトの目玉として考えているのでしょうし,これからの5年間の動きに期待します。

 

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2019年9月27日 (金)

JR長町駅東口開発計画正式発表

 6月に記事にしていました,JR長町駅東口の実質的なtekuteながまちの拡張計画が,JRグループから正式発表になりました。

 過去記事

JRの長町駅東口開発計画が明らかに(6/15)

あすと長町の近況(R1.8)~コインパーキングに動きが~ (8/20)

プレスリリース

(仮称)長町駅東口開発計画に着手しま

 賃貸住宅部分は,1Kから3LDKまでバラエティに富んだ部屋のタイプが提供されます。

面積比は概ね予想通りながらも,住居が5000平米弱,商業が2000平米弱。商業はもう少し大きくとって欲しかった。

この面積は延べ床面積ベースであることから,商業床としてはもう少し小さくなりそう。そうすると,tekuteながまち(商業床は,発表ベースでは1600平米程度でした。 )よりも小さくなりそう。2階建ての割には商業床面積が小さいことに。 

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 イメージパースを見るかぎりでは,デッキなどが整備され,意匠的には面白そう。単に箱に囲い込む商業施設ではなかったのは嬉しい。

 商業施設単独の南棟と賃貸住宅併設の北棟に分かれ,相互にデッキで接続となりますが,賃貸住宅部分が線路と南北に平行で,西向きというのは,先月時点で情報は入っていながらも,あえて三井パークタワーの西向きの眺望を阻害することになるので残念。

 賃貸住宅部分を南側に寄せた方が,相互の眺望を阻害せずに済むのに。

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 JRにとって,線路に面したつくりの方が,新幹線や電車の眺望が期待できるので,そういった客層にアピールできるという考えか。

 あと,北棟と三井パークタワーとの間は一部駐車場とされていますが,これは居住者向け?

 商業施設利用者向けの駐車場は,ただでさえこの開発予定地にあったリパークが16日に閉鎖されたばかりで,tekuteながまちの駐車場が多少タイトになっている状況で,この新規開発計画の附置駐車場が敷地の残る部分に確保されないと,集客上も厳しくなるのではと。

 それに大店立地法上でも,駐車場の設置が求められるし。

テナント構成は?

 現tekuteながまちを補完する構成といっても,開業から4年近く経つ現tekute。昨年から店舗の閉店や入れ替わりが始まっており,北端の閉店したイタリアンレストラン&デリ部分への居抜き新規出店の気配が見られる状況ながらも,平日昼間の人通りの弱さは否めない。

 それを補強するためのtekute拡張でもあるので,単なるtekuteの拡張ではつまらない。というか,同業で増やすだけではパイが変わらず薄まるだけで,経営的にはおいしくない。

 スーパー機能は,tekuteで生鮮3品+ジュピターで概ねカバーされていますが,足りないのは飲食店機能。ただ,上述のとおり,イベント開催休日などはともかく,平日昼間の人通りの弱さがありながらも,賑わい創出のために,飲食店を増やすことが第一かなと。

 加えて,tekuteに弱い物販も付加していくのでしょうが,個人的に欲しい本屋はこの店舗面積では厳しいかな。

 スーパー機能の補完でドラッグストアとかが安易に導入されそうだけど,あすと内には過当競争な位ドラッグストアはあるし,駅近にはたいはっくるの地下にマツキヨもあるから,ドラッグストアで貴重な商業床を使わないで欲しい。でもココカラファインとかが出店しそう。

(10/10追記)

導入機能として,クリニックや学習塾というのも出ています。クリニックは市立病院近辺への集積やたいはっくるの2階の医療モール的な空間もあり,もうお腹いっぱいなんですが,駅前という立地条件から独立開業を希望する医師もいるでしょうから,デベロッパーとしては収益性が高い。学習塾は,現在長町南駅周辺,及び長町駅と長町南駅の間に集中していますが,あすと内の高層マンションの子供をターゲットにするのであれば,より通いやすいところとして,今回開発地は最適の立地になりますね。

そうすると,サービス機能が比較的多めのテナント構成になりそうです。あえてこのJR開発内ではなく,三井パークタワーの杜のテラスなど,他のビルなどに入ってくれれば良かったのにとも思ったり。

 それにしても,この土地の容積率を全て使わない,もったいない開発に留まるというのが,現時点でのあすと長町に対するJRグループの認識なんでしょう。 それでも,tekute開業からまだ4年の時点で,第2期の開発に着手するということには感謝です。駅前が魅力ないと,人を引き寄せる街にならないし,そういう責任を負っているということを,長町駅東口の土地を所有している某企業にも認識して欲しいものです。

 

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2019年9月 1日 (日)

仙台と札幌(その8)札幌駅前地下歩行空間 の活用から

 さて,ちょっと空きましたが,札幌シリーズも終盤です。

今回の記事は,前回の「せんだい都心再構築プロジェクト」の地下道・ペデストリアンデッキとの接続による優遇措置にも非常に参考になる内容。

仙台と札幌(その7)都心部は観光名所だらけ

せんだい都心再構築プロジェクト(第1期) 施策発表!(その4) 再開発補助金の拡充&駐車場附置義務緩和

仙台駅前 地下街の可能性 (6/22) 

 前回札幌を訪問した時になかったのは,札幌駅と大通駅を結ぶ地下道 とJRタワーを中心とする巨大駅ビル。そのうち,地下道から記事に。

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札幌も2極構造

もともと札幌は,JR・地下鉄を含む巨大ターミナル「札幌駅」付近と,地下鉄3路線全てが集まる「大通」の二極構造と言われながらも,

〇商業的には地元百貨店丸井今井が複数店展開

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〇三越・PARCOなどの大手百貨店・ファッションビルなどの大型店が多数立地

〇仙台のようにそこそこ長く賑わっている狸小路のアーケード街

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〇大通駅を起点にすすきの駅までを結ぶ南北の「ポールタウン」,ちょっと離れた東豊線大通駅を超えてさっぽろテレビ塔までを結ぶ東西の「オーロラタウン」という,雪国札幌には欠かせない,洗練された巨大地下街が設置されていること(写真は深夜の閉店後です)

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〇企業のオフィスも大通中心

〇南側には北日本を代表する歓楽街「すすきの」

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 と,2極構造でも,仙台駅>一番町 の仙台とは異なり,札幌駅<大通で

 近年こそ,名古屋や福岡のように中心駅の吸引力が強くなり,札幌駅≦大通になりつつあるけど,札幌駅と大通駅相互の移動需要は大きいもの。

札幌駅と大通駅の移動需要の大きさ

 仙台では仙台駅(JR)と一番町との相互の移動は地下鉄やバスもあるけれど,大多数は屋根付きアーケードを経由して行き来しています。まぁ,アーケードの切れ目などずっと屋根があるわけではないので,特に雨の日は面倒になりますが。

一方,札幌では,大通までの相互の距離は徒歩10分程度でそんなに遠くはないにせよ,屋根付きのアーケード的なものはなく,特に厳冬期を中心に,さっぽろ駅と大通駅の1区間だけを地下鉄利用する人も多く,ドル箱区間だったとか。

 

 注)札幌では,JR駅を札幌駅,地下鉄駅をさっぽろ駅と表記を区別しています

 その間を(地下鉄の料金収入を失う覚悟で),広幅員のダイナミックな地下道で結んだプロジェクトがこの「札幌駅前地下道(チ・カ・ホ)」

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 6月の地下街の記事の時にも紹介し,実際行ってみたいと思っていたので良い機会でした。

 感想としては,とにかく広い!仙台駅前の東西自由通路の倍以上で,それなりの通行量を見込んでの設計です。地上道路はそれほど広いイメージではなかったので,ほぼ道路いっぱいに建設し,沿道建物への接続が容易なように考えられています。

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(これは,深夜11時以降の写真で,さすがに人はまばらですが,広さを実感しました)

当然ながら,沿道のホテルなど既存の建物への接続も積極的に行われていました。札幌グランドホテルへは階段経由の接続ながらも,企業としては接続するメリットを評価してのこと。

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それ以外にも,沿道では再開発が重点的に進められており,札幌駅寄りの日本生命札幌ビルは,計画段階からこのチ・カ・ホへの接続を想定し面するところに飲食店を集め,フードコートのようなな使い方をしていました。

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建物に入る部分も,このように自然に入りやすい構造に。

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地上部分は,このような以前には札幌にはなかったタイプの超高層ビルです。

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その向かい側(南側)にも,新しいビル(札幌三井JPビル:赤レンガテラス)があり,こちらも地下レベルではチ・カ・ホに接続しています。

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地下道内では,イベントスペースや休憩スペースも豊富に設置されており,もちろん昼間の通行量はかなりのものでした(写真は地下道の北側に接続するさっぽろ駅改札付近です)。

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 もちろん,札幌には立派な地下街は,

〇大通付近のポールタウン・オーロラタウン

〇JR札幌駅直下のパセオ,地下鉄さっぽろ駅直下のアピア

〇一体で接続するJR札幌駅ビル商業施設直下の大丸・ステラプレイス・エスタの地下部分

 

 と一体となりかなりの規模で展開されているので,この両駅を結ぶ形で建設されたチ・カ・ホは地下街形式ではなく,基本地下歩行者専用通路ながらも,沿道再開発へのメリット付与,通行する利用者への利便性などを考えて,自然体で情報提供・サービス機能の付与を行っており,この考えこそ,JR仙台駅と地下鉄仙台駅そしてJRあおば通駅を結ぶ東西自由通路の活用のヒントになるのでは。

 もちろん,この東西自由通路を南北に挟む,さくら野跡地,仙台ホテル・GSビル跡地のオリックス再開発との連動ということを視野に進めるべきだし,さらに,東西自由通路だけでなく,地下鉄南北線・東西線のコンコースにも積極的に地下レベルで接続して,地下レベルでの歩行者の動きを活発化していくことで,雨や雪の日の客足の減少を抑える効果(仙台駅前として疑似SCとして回遊しやすい構造に)などを視野に進めていければという考えを,札幌のこのチ・カ・ホの活用策を目の当たりにして強く持ちました。

 というのも,決して,新しい公共事業として,地下道を掘る訳ではないのだから,あるものを活用するのは当たり前でしょ。

 

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2019年8月27日 (火)

せんだい都心再構築プロジェクト(第1期) 施策発表!(その4) 再開発補助金の拡充&駐車場附置義務緩和

さて,続きです。

せんだい都心再構築プロジェクト(第1期) 施策発表!(その3)容積率が最大2倍に緩和

【C】仙台市市街地再開発事業補助金制度の拡充

 下の資料の赤線区域(都市再生緊急整備地域)内で実施される市街地再開発事業を対象に,仙台市からの補助金が拡充されるとの内容です。

これも,住宅が含まれる事業はその時点で対象外で,オフィス,商業,ホテルなどの業務系の再開発に限定されます。

まぁ,このエリアにタワマン建てるのに補助の積み増しをする必要なないしね。

ただ補助対象事業費が何にあたるのかがよく分かりません(理解不足)。

C

【D 駐車場附置義務条例等の改正

〇西口のハナシ

 容積率の緩和と並んで,この駐車場附置義務の緩和というのが特に商業施設には大きいのではと。

 都心部にクルマでわざわざ来る客は減っているし,高い駐車料金を払って都心部に行くくらいだったら,郊外のSCに行くでしょう。

 なのに杓子定規に駐車場の整備を求めて,事業者に負担を強いていた古い考え方から,駐車場台数を抑えて公共交通機関で来てもらうとの考え方へのシフトは好ましいもの。

 当然,車での来街者向けには,既存の駐車場が暫定的な平面駐車場を含めて,ナンボでもあるのだから,その無駄に駐車場の整備を強いていた床分を,業務的な床分にシフトできるというのは,事業者にとっても市民にとっても,行政にとってもメリットがあると。

緩和メニューについて

 その駐車場義務図家台数緩和のメニューはレベルⅠからⅢに分かれていますが,


Ⅰ 公共交通の時刻表の掲示・マイカー通勤(通学)の抑制策の実施・・・5%

Ⅱ 公共交通機関利用者への割引サービスや特典の付与・・・10%

Ⅲ バスの待合環境の整備・・・20%

  地下通路等による鉄道駅との接続・・・40%

 で,異なるレベルを組み合わせて最大55%の緩和とのことですが,そのうち大きいのはⅢの地下通路等(ペデストリアンデッキ含む)による鉄道駅との接続の40%。

 ただ,ちょっと下手だなぁと思うのは,ペデストリアンデッキとの接続は,頼まれなくても事業者側でやるでしょ。接していなくても広瀬通の東京建物ビルやソララビルで延長した位だし,さくら野跡地やエデン付近,E-Beans付近も既にペデストリアンデッキが通っているので,余計な投資がないから,これ単独で40%というのはやり過ぎ。

 ペデストリアンデッキ接続での緩和措置は20%にして,地下通路への接続で20%とし,両方達成して40%にしないと,パルコⅡや駅前ドンキのように,近年コスト的に避けられている地下鉄コンコースや地下通路との接続が促進されないのでは。

 だって,地上のペデストリアンデッキとの接続だけで40%の緩和がされるのだったら,だれがコストをかけて地下レベルで接続する?

 もしかして,これも地下レベルでの疑似地下街整備のきっかけにならないように,配慮したのでしょうか。

 なお,札幌駅前地下道での沿道建物からの接続促進の取り組みは↓の記事で紹介しています。

仙台駅前 地下街の可能性2019.6.22) 

 これさえ達成すれば,他のレベルメニューは本当にオマケです。

 Ⅰなんて,今ドキであればデジタルサイネージで直近の時刻表の表示案内までするのが普通で,アナログ的に時刻表掲示するのでも達成可能だしハードルは低い。それに,西口に立地するのであれば,マイカー通勤なんてありえないでしょう。

 Ⅱも,鉄道駅と近接しているイオンが名取や卸町でやっている,スイカやイクスカへのポイント付与を行うことで達成可能だし,駐車場利用者への駐車料金無料券発行と比較すれば,コスト的にタダみたいなもの。

〇東口のハナシ

 また,大店立地法との連動で,仙台駅東口に立地する商業施設駐車場の附置義務が大幅に緩和されるというのは,まさしくヨドバシ対策かと。

 ヨドバシ第一ビルの再開発に着手するにあたり,想像するにネックになっていたのは,第一ビル予定地に広がっている暫定の平面駐車場分が再開発期間中に使えなくなる問題。線路側の立体駐車場は継続利用できるにせよ,平面駐車場分の代替駐車場を確保するのは結構難題。

 それが,駐車場の確保基準となる,自動車分担率が一律30%から,実情に応じて最低1/4の7.5%まで緩和されるとなると,代替駐車場確保のコストが低減される他,当然第一ビル自体に整備する駐車場台数も減少させることが可能で,メリットが大きいと思われます。

とうとうヨドバシ再開発着工&ZEPP仙台再出店か! (8/24)

D

感想

 全体として,いろいろ頑張って盛り込んだ感はありますが,あまりに幅広過ぎてあまり伝わっていない感があるような。

 福岡であれば,「時限的な航空法による高さ制限と容積率の緩和」なんでしょうが,仙台の場合の目玉はやはり「容積率最大2倍」かな。

 それも,使われてナンボなので,その受け皿となる土地の所有者には期待をしたいと思います。というか,築50年の建物をそのままあと何年使うつもりなの?再開発する良いきっかけになるのでは?という,仙台市からの強いメッセージに応えて欲しいところです。

 

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2019年8月25日 (日)

せんだい都心再構築プロジェクト(第1期) 施策発表!(その3)容積率が最大2倍に緩和

さて,続きです。

せんだい都心再構築プロジェクト(第1期) 施策発表!(その2)対象となるビルは? (8/23)

2つ目の柱として,

B【高機能オフィスの整備に着目した容積率の緩和について】

制度が2つ並立しており,分かりにくいですが,

①目玉の容積率最大2倍までの緩和が適用

 〇対象エリア:赤枠内の都市再生緊急整備地域内(エリア拡大検討中)の0.5ha以上の土地

 〇条件:一定以上の広さなどの「高機能オフィス」整備,道路や広場の提供など

②もう一つは,

 〇対象エリア:都心商業地区(北仙台~愛宕橋,西公園通~榴岡公園付近)

 〇条件:総合設計制度を活用する場合,従来の「公開空地の導入」に加え高機能オフィスを整備すると,最大200%の容積率上乗せ

①は分かるのですが,②が①に加えてなのか,別個なのかがいまいち分かりづらい。

 緩和の程度が①>②なので,②は①の都市再生緊急整備地域の外側エリアのみを対象にしたものなのかもしれない。

B

気になること「範囲の広さ」

ちょっと感じるのは,「範囲が広すぎない?」ということ。

というのも,福岡市の「天神ビッグバン」「博多コネクティッド」も,それぞれ中心駅付近から半径500m程度の範囲(各約80ha)に限定し,そのエリア限定の時限的緩和というのを打ち出し,地権者にとっての「今やらなければ」という気持ちをくすぐるものになっている。

 一方,この仙台市の案でのエリアは

  南北:北仙台から(一部勾当台通沿のみとはいえ),愛宕橋駅までの南北線駅7駅分

  東西:西公園通りから榴岡駅付近までの東西線・仙石線駅4つ分

とちょっと広すぎませんか?

 せいぜい,①の都市再生緊急整備地域に限定であればまだ特別感はあるけど,それも東口にも拡大しようとしている点。

 地元対策で,②が幅広の範囲になってしまったのは分からなくもないけれどちょっと総花的な印象。

「アセス」や「杜の都景観計画」との関係

 また,結局あの悪法のアセスや「杜の都景観計画」との絡みがこれだけでは分からないので,ケースタディをしてみました。

 地元の中小事業者の所有するビルの建て替え程度であれば,せいぜい高さ10階(30~40m)程度で,それほど問題にはならないだろうけど,前の記事で例示した,駅前の商業施設を核とした再開発だと,仮に0.5haの土地で都心商業地域D4のエリア(※) だと,必ずアセスに引っかかってくる。※ 80m高さ制限はあるが,緩和の場合無制限 

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 まぁ,駅前での開発で,仮に最大の容積率1600%への緩和が見込めるのであれば,

 ①の条件最低限のさくら野の0.5haを想定し,緩和容積率をフルに活用する場合,

  可能な総床面積:80000平米

  必要な空地率:35%(うち15%は緑化)

  建築面積:3250平米

  高さ:全て同じフロア面積にした場合,25階以上(100M超)。

     現実的には下層階のワンフロア床面積を確保して上層階を細めにするので30階以上にはなりそう。

 となり,総床面積も,高さもアセスの要件にばっちり入ってしまいます。

 自分は,他の拠点都市のようにアセス対象を 

  総床面積50000平米or高さ100m以上 ⇒ 総床面積50000平米and高さ100m以上

 に緩和すべきと思っていますが, 結局緩和したとしても①の開発要件である0.5ha以上の開発を行う限りは,いずれにせよ総床面積と高さの両方を超えてしまうので,今回の市が打ち出した大幅な容積率緩和を勝ち取るためには,アセスが前提となりそうです。

供給過剰の心配

 仮にさくら野跡地を商業・オフィス複合開発として,半分を商業・半分をオフィスとした場合,オフィス部分の総床面積の半分程度が賃貸用として供給されるとして,20000平米の供給となりますが,実質アエルのオフィスフロア程度の規模と想定されます。

 なお,トラストタワーのオフィス面積は約40000平米でアエルの倍規模で,再開発が1~2個立ち上がるだけで,仙台市内の空室率が一気に跳ね上がる規模なのではとも危惧します。

 もちろん,オフィスは現在のように空室率が史上空前の低さになったとしても,供給されるまで5年とかのスパンになること,あれだけ賃料が仙台にしては高いと言われたヨドバシ第二ビルのオフィスも概ね埋まりつつあることから,都市のストックとしては企業誘致分として当然余裕分を含めて確保しておきたいところでしょうが,事業者側として,それをどう判断するかですね。なので,早い者勝ちで最初に着手したところは先行者利益を上げそうですが,その後は市況とのにらめっこになるか。

 

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2019年8月24日 (土)

とうとうヨドバシ再開発着工&ZEPP仙台再出店か!

 明日,投開票が行われる仙台市議選。現議長の方からツイッターで情報発信がありました。

ヨドバシの藤沢社長に,ZEPP再出店の直談判を行ったところ,「15階建ての再開発ビルが今秋着工し,その中にZEPPも仙台駅側に入る方向で調整中」とのこと。

 まぁ,この情報は1年半前とそれほど変わらないので,この方の動き云々は関係なく進んでいた話の近況が判明した程度の話ではあります。

 ただ,ヨドバシは非上場企業で,出てくる情報はアセスのような正式な申請情報は別としても,怪しい関係者のリークで地元紙や経済誌にのる真偽不明の情報が多かったので,現市議会議長が社長に直談判しての回答であれば,それだけでも信ぴょう性の面からありがたい。

 しかし,こんな選挙日前日にというのは,ちょっと意図的なものを感じたり。なので,その投稿や動画へのリンクは張りません。Twitterの方にありますのでご参照を。

仙台ヨドバシ第一ビル開発に動き ZEPP仙台再出店も? (2018/2/10)

 主な内容は上記リンクと大筋は変わらないので,こちらをたどって下さい。過去のすったもんだの経緯も分かります。

新たな情報としては

 (旧)地上20階,早ければ2019年春着工    ⇒ (新)地上15階,2019年秋着工

 という位。ホールと目されていた位置は,仙台駅側の細長いB棟の中に図面上落とし込まれていたのですが,それほど変わらない模様。

 地上15階のようですが,当初のアセス時点で高さ60m程度で想定されていたB棟のことであれば,建物の用途によりワンフロアあたりの階高は変わってくるので,ホテルとしてのグレードを上げる話であれば,特段高さに変更はなかったのかも(以前の情報の信ぴょう性の問題)。

規制緩和の効果か?

 この秋着工ということは,例の先月発表された,

せんだい都心再構築プロジェクト(第1期) 施策発表!(7/16)

せんだい都心再構築プロジェクト(第1期) 施策発表!(その2)対象となるビルは? (8/23)

 の好影響もあるんでしょうね。もともと,この規制緩和を織り込んでの仙台市との計画調整を行っていたんでしょうし。

 ただし,現建物の再開発ではなく既に更地化していたこと,都市機能緊急整備区域エリアは西口のみ(今後拡大予定),高機能オフィスの整備は旧計画に入っていないことから

  ペデストリアンデッキとの接続・バスターミナルの設置・公共交通利用促進施策等によりで駐車場義務付け台数の大幅な軽減(55%)が可能

 との関係で,実質的な駐車場以外の床面積を増やすことができるメリットはありそうですが,家電店中心という業態や,競合との戦略上駐車場をどこまで減らすかは不明です。

 今回の規制緩和では,結局高機能オフィスを整備しないと容積率の大幅緩和は勝ち取れないが,ヨドバシとしては2012年に完成済の第二ビルにオフィスを整備しており,長年テナント獲得に苦しんだ過去があるので,今回の第一ビルの計画に盛り込むとは考えられない。

 よって,今回の規制緩和による容積率緩和というアメの享受は受けることができなさそうですが,仙台市との調整により材料は出し尽くされての着工に向けた段階に入ったとみています。

大型ライブハウス間の競合

 これも,前回書いていますので簡単に。

 復活するZEPPの規模は分かりませんが,震災後相次いで設置された荒井駅前の仙台GIGS(1500人スタンディング),あすと長町の仙台PIT(1451人スタンディング)の規模を意識しながら,少なくとも全国最小規模だった旧ZEPP仙台(1575人スタンディング)の規模は超える方向でしょう。

 この仙台駅東口という交通至便な場所に復活する上,旧ゼップ時代にはなかった東口改札や新東西自由通路も完成し,仙台駅利用者のアクセスは当時よりも向上します。出演者がライブ後に泊まらずに21時半の新幹線で東京に戻れるほどの立地が復活することに。

 また,これまで及び競合の大型ライブハウスと異なり,恒久施設への入居となるので,今後数十年にわたる存続が可能となることも,大きいでしょう。

 その競合についてですが,当初苦戦していた仙台GIGSは,それなりにコンスタントに仙台PITと同程度の公演を誘致できているようですが,その両施設にとって,2年以上先の話とはいえ,仙台駅東口直結のZEPP仙台復活は脅威でしょうが,この3つの大型ライブハウスが切磋琢磨して,仙台へのライブ誘致や誘客に頑張ってもらえれば。もちろん,共倒れにならないように。

 

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2019年8月23日 (金)

せんだい都心再構築プロジェクト(第1期) 施策発表!(その2)対象となるビルは?

先月に仙台市より大々的に発表された”せんだい都心再構築プロジェクト(第1期)”

せんだい都心再構築プロジェクト(第1期) 施策発表! (7/16)

震災復興の優先により,他の拠点都市に比べて立ち遅れた都心部のリニューアルを戦略的に進めるための規制緩和措置で,仙台市にしては,他都市に負けじと思い切った施策を出してきました。 

柱の施策としてはAからDまでの4本あります。発表から1か月寝かせてしまいましたが,ぼちぼち読み解いていきます。

老朽化が進む仙台都心部の商業ビル

 もちろん中小の雑居ビルやオフィスビルも建て替え誘導の対象でしょうが,比較的大規模な敷地かつ,土地の所有権者も限られている大規模商業ビルが,再開発の種地として想定されるかと思います。

 すぐに思い浮かぶ建物として,現在も再開発対象になっているエリアも含みますが,優先して進めて欲しい順番に,

①築50年以上の旧さくら野百貨店(約0.5ha)

②築50年のイービーンズ(東北電力・プレイビルを含めての一角:0.75ha)

③築37年の仙台ロフトビル(ヒューモスファイブ,EDEN,旧GSビルを含む街区全部:約1ha)

④築47年の仙台TRビル(LABI仙台を中心として,周辺の飲食店ビルを含めての一角:約0.4ha)

参考までに,

⓪ヨドバシ第一ビル予定地(約1.7ha)   ※面積は,地図上から測定した概数値

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 と仙台駅前の主要な商業施設が軒並み老朽化しているので,大本命のさくら野跡地を含めて全ての再開発が進むとオーバーストアが大変なことになるにしても,ところてん式にテナントが移転できるように,順次進められればと。

 となると,まずは①のさくら野跡地に期待したいところですが,最も早いのは,既に平面駐車場となっている⓪のヨドバシ第一ビルでしょうね。仮にこのヨドバシビル上層部の2万平米以上の専門店が受け入れられる売り場がロフトの移転先になるとちょうどよいなぁと思ったり。

 なお,ロフトより古いのは築42年のエスパル本館ですが,こっちは幾度とリニューアルしているし,仙台駅と一体のしっかりした建物なので,当分再開発は不要でしょう。

 ①~④の再開発候補の商業ビルは,全て地下鉄南北線もしくは東西線の仙台駅コンコース及び2階のペデストリアンデッキに接続しており,さくら野跡も青葉通に面する部分にデッキを延長することでさらなる回遊性の向上が期待できます。

 

A 【仙台市都心部建替え促進助成金制度の創設について】

 さて,AからDまでの4つの施策を順番に見ていきます。

 最初の建て替え促進助成制度は,簡単にいうと,

建物解体期間中の土地にかかる固定資産税相当額の助成(店舗・オフィス・ホテル建設の場合)

                +

高機能オフィス整備(ワンフロア200坪以上)の場合,建設後の建物の固定資産の1年間減免

と,建て替え期間中は賃料収入も入らず,事業収支的に厳しくなる時期であり,建設後の建物固定資産税の1年減免も含めて,プロジェクトの採算性は確実に向上します。まぁ,これは特に小規模のビルオーナーの共同建て替えの後押し目的といっても,ワンフロア200坪以上のオフィスというのはちょとハードルが高いかな。解体期間中の固定資産税相当額助成の方が,店舗・ホテルを含め用途条件は緩いので幅広く使われそう。

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 建物固定資産税の減免がオフィスに限定というのは,複合用途の再開発ビルでも過剰供給が想定される商業よりも,仙台駅前に不足しているオフィス供給にできるだけ誘導したいとのことなんでしょうが,某所の意見を尊重したのでしょう。

 まぁ,令和6年までの5年間に判断が必要とのことで,東京オリンピック後の建設費の鎮静化を狙い,各地権者で競うように計画を立てていくのでしょう。時限的な措置にしないと効果が見込まれないので,仙台市にしては思い切った優遇措置だと思いました。

 さて,次回以降に続きます。

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2019年8月22日 (木)

仙台と札幌(その7)都心部は観光名所だらけ

苗穂駅を出て一駅,ようやく札幌駅に到着しました。 さて,札幌シリーズまだ続きます。

仙台と札幌(その6)サッポロビール園とアリオ札幌へ~幻の仙台JT跡地計画を想ふ~

 前回来た時には,東西の連絡通路の間にJRシアター(劇団四季)や空き地が広がっていた再開発予定地は,向かって右にJRタワー(ホテルニッコーなど),左に大丸,真ん中にステラプレイス(専門店街)という,全国の拠点都市で見られたJRの中心駅再開発により,装いを一新してました。

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 JRタワーは,高さこそ仙台のトラストタワーには及ばずとも,札幌のシンボル的な超高層ビルとなりました。

 駅ビル自体はこのように大変身しましたが,駅前の光景は以前とあまり変わっておらず,逆に閉鎖されヨドバシカメラが購入した旧五番館西武跡地が10年間塩漬けとなり平面駐車場として長らく活用されているなど,どっかで聞いたことのあるような話もあり,地上部分は既存のエスタと合わせてJRの駅ビル一極集中の感がありました。前回来訪時,駅前では高層ビルは16階建てのアスティ45位しかなかったですが,周辺にはJRタワー以外でも日本生命の新ビルなど多少は高層ビルが増えた感がありました。

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 しかし,この札幌駅を中心とする駅ビルを初日は回れなかったのですが,後日訪れて改めてそのすごさにため息がでました。詳しくは後ほど。

観光名所だらけの札幌都心部

 駅を出ると,5分も歩かずに,旧北海道庁があります。近くには北大植物園もあり,駅北口に広がる北大も含め,ゆとりある都心部はうらやましい。

①旧北海道庁

 札幌駅前とは思えない余裕のある敷地だったからこそ,旧道庁の歴史ある建物を残して,後ろに中層の現道庁を建てられたんでしょうが,わが宮城県は,歴史ある旧庁舎を惜しげもなく(?)取り壊し,重厚感はありますが今の県庁舎に建て替えてしまいました。確かに敷地に余裕はなかったのでしょうが,もったいなかったと感じます。自分も小学校の修学旅行で寄った思い出しかないですが。。。

 宮城の隣県では,山形県庁が旧庁舎を保存した一方新庁舎を山形蔵王IC近くの郊外に移したという,車社会ならではのケースがあるので,残せば良いというものではなく,原位置建て替えのためにはやむをえなかったとも言えますが,一般的に宮城県や仙台は,古いものを大切にする意識が薄く,新しいもの,東京的なものを無条件に有り難がるような意識が根底にあるのではと思います。

 

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 それにしても,圧倒されました。

 ②札幌時計台

 がっかり名所として有名なこの時計台ですが,だからこそ一応寄る価値のある知名度の高い観光名所です。

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 行ってみるとビルの谷間にひっそり建っているなんてことない建物ですが,ただこの建物が建てられた背景,北海道開拓というロマンを感じながら回るとまた違うのかもしれません。

 ③北海道大学

 翌朝,朝5時に目が覚めてしまったので,涼しいうちに散歩と思い,こちらも学生時代以来の北大訪問。その際,構内で野宿した覚えが。。。

札幌駅北口から5分ちょっと歩くと,唐突に正門が現れます。当然,24時間オープンです。

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 中に入ると,左側にエルムの森というインフォメーション施設があります。

 早朝なので当然空いてはいなかったですが, これは観光客が当たり前のように訪問する北大ならでは。

東北大でも,片平キャンパスにはあっても良いのにと。魯迅の階段教室なんて,ひっそりと建物に囲まれて存在するし,決して観光客welcomeではないところはもったいない。

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 北大構内には,歴史的な建物が保存されています。これは,古河記念講堂で,旧東北帝国大学農林大学林学教室との別名もあります。東北帝国大学というと??と思いますが,現”北大”が現”東北大”の傘下にあったわけではありません。札幌農学校の方がルーツとしては古く,一時期東北帝国大学と同じ組織であっただけとのこと。

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  構内に立派な小川が流れていたり,三浦綾子の氷点で繰り広げられた世界をイメージしてしまいます。

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 ポプラ並木は過去の台風被害で半分程度が倒壊してしまい,現在復元途上とのことで,立ち入りはできませんでした。確かに荒れていて,以前来た時の凛とした雰囲気はあまり感じられず,ちょっと残念でした。

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 涼しいかとおもったら,6時頃で既に汗だくになってしまい,まったく避暑感を感じられない札幌でした。

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2019年8月21日 (水)

仙台と札幌(その6)サッポロビール園とアリオ札幌へ~幻の仙台JT跡地計画を想ふ~

 苗穂駅の北側には,2005年末にオープンしたアリオ札幌が立地しています。移転した苗穂駅北口から徒歩3分となり,大分近くなりましたが,駅からの出入り口はあくまでも裏口的な感じなのは,移転前の苗穂駅からのアクセスにあまり期待していなったからと思われます。

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 現在進行中の再開発ビル経由で,苗穂駅舎からアリオ付近まで歩行者デッキが整備される予定であり,5年後に来たらさらに驚きそう。

 アリオは,あの有名なサッポロビール園に隣接する立地で,当然ながら,サッポロビールの工場跡地への建設で,両施設は連携しています。

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 地上3階建てで,増床前の名取のイオンモールよりは一回り吹き抜けモール部分が短いにしても,3層吹き抜けモールの両端に核店舗のイトーヨーカドーと専門店という,一時期のイオンモールを参考にしたような,今でも賑わいを保っている商業施設です。

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なお,敷地面積は7.2haと意外にコンパクトながら,商業床面積4万平米以上を確保しています。

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 テナントのグレードとしては,イオンモール名取と比べると多少下ながらも,ファミリー向けに必要な大型専門店はそれなりに入っている印象でした。

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幻のアリオ仙台

 札幌のアリオを訪れて,すっかり忘れていた仙台のJT跡地のことを 思い出しました。

 都心近傍の工場跡地への出店フォーマットというと,仙台でも東仙台の12haものJT工場跡地にイトーヨーカドーが一時期進出決定したのに,当時のすべての開発プロジェクトにケチをつけまくった梅原市長の指示により,「あの場所に大規模商業施設はまかりならん。住宅中心の開発へ」と,撤回に追い込まれました。当時の市長のバックグラウンドだった商工会議所がこの進出に異を唱え,その意を汲んだという背景もありました。

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<フォレオ宮の杜HPから引用>

 あの東仙台の立地は,南側に渋滞の名所のガス局前交差点と東北本線をくぐる狭隘なガードがあり,西側にはイオン幸町店と仙山線の中江踏切があり,道路交通上の課題を抱えているエリアでしたので,あの市長が口出しする違和感は当然ありながらも,その当時はこの判断はやむを得ないとも思いました。最寄りの東仙台駅から10~15分と,近そうで近くはない場所であったので,道路への負担は大きすぎると。

JT工場跡地はヨーカドー (2005/11/.29)

JT跡地へのSC反対運動 (2006/07/02) 

JT跡地ヨーカドー進出撤回 (2006/11/21)

 その後には,仙台市の意を汲んで,住宅と商業の混合開発との名目でダイワハウス系が土地を取得し,その後仙台では金太郎飴のように林立した,NSCと呼ばれる平面平屋の郊外店が駐車場を取り囲む形式のモデルケース的なSCに。

 ヨークベニマル・ヤマト屋書店・K’sデンキ・カワチ・飲食店棟と,その後H22に制定されたまちづくり条例以前ではありますが,そのままでは大規模商業施設が認められない工業系から第1種住居地域用途変更の上,区画道路を新設するという,小手先の規制逃れの先鞭をつけた格好です。結局都心部への優遇策を講じないと,郊外への商業集積は止められないということに。

 その後,思い当たるだけでも,

 アクロスプラザ富沢西(ヨークと蔦屋書店・やまやとマツキヨ側の敷地を分割)

 クロスモール荒井(みやぎ生協・K’sデンキ・ケイヨーD2でそれぞれ3分割)

 BRANCH仙台(みやぎ生協と専門店街を分割)

のような,どこにでもあるような郊外型店の集積が続いています。

結局イオンを利するだけの結果に

 その結果,進出の際すったもんだがあった近隣のイオン幸町店が生き残り,また,同様に9haものの貴重な都心部の土地であった東北大農学部跡地はイオンモールが取得し現在店舗の計画中,南側の東西線沿線の卸町駅前にはイオンリテールがイオンスタイル仙台卸町を昨年9月にオープン。そして,北東側の利府町に立地するイオンモール利府は,来年末までの超巨大な新棟をオープンさせるなど,近隣の大規模SCはイオン一色となってしまいました。

農学部跡地はイオンモールに (2014/2/2) 

イオンスタイル仙台卸町 開業まで3か月? (2018/6/27) 

イオンモール利府 新棟計画について思うこと (2018/2/7) 

 仮にいまさらですが,あのJT跡地にアリオが進出していれば,このような構図にはならず,まだバランスが取れた大規模SC分布になっていたでしょうし,イオンモール利府新棟のようなバカげた計画の抑止力になったかもしれない。というのも,イオンモール利府新棟の商圏としては,確実にこの東仙台を中心とする宮城野区全域が入ってきます。

 個人的には,このような大規模SCは人口稠密地への立地であれば(例えば長町モール),地元の購買需要を満たす存在なので,バランスよく立地すべきと思っており,その点雨宮のイオンモールだけをみると別に反対ではない。

 しかし,利府のような人口3万人しかない土地の安い自治体に立地し,人口18万の宮城野区だけでなく,人口5~6万の塩釜市,多賀城市のような格上の自治体からストローしようとすると,必然的に無駄な交通の流れから渋滞が発生するし,周辺自治体にとって商業機能の衰退を誘発する点で反対する理由。要は都市計画の観点からは,良いとこどりは不自然な街づくりにつながるということ。

サッポロビール園

 約20年ぶりの訪問でしたが,周辺環境はアリオのオープンを含め大分変っていて思い出せない位。南側にあった広大な平面駐車場がなくなっていて,その後には日ハムの室内練習場が出来たっぽい。

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相変わらず賑わっており,札幌は都心近傍でも多くの観光スポットがあり羨ましい限り。特に中国人は増えたなぁと実感。

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博物館もさらっと見学し,ビアホールにも寄りましたが,ほんと雰囲気が良い空間でした。

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 札幌では近郊の千歳市や恵庭市を含めて,4大ビールメーカーのうちサントリー以外が離島である北海道の530万人を対象とした工場とビアホールやレストランを設置しています。ご当地でもあるサッポロビール北海道工場自体は恵庭市に移転済で,都心部にあった2か所の工場跡地は片やサッポロファクトリーというレトロを売りとした巨大商業施設に,もう一つはこのサッポロビール園というようにともに古い建物を保存活用し,観光客が立ち寄れるスポットとして残しています。

 まぁ,北海道=ビール,北海道=ジンギスカン というイメージが刷り込まれているからこそのビール園そろい踏みなんでしょう。

 その他,都心部では旧北海道庁,札幌時計台,北大など,観光名所が点在しているのが仙台との違いだなぁと。

 東北の900万人を対象に,(いろいろいわくがついてしまった)サントリーを除く3社は東北地方に工場を置いており,そのうち仙台近郊には名取駅前という帰りの足を心配しなくても良い交通至便な場所にサッポロビール仙台工場と仙台ビール園があるほか,大梶にあったキリンビール仙台工場は仙台港へ移転し,津波の大きな被害を受けながらも復活し,うみの杜水族館や三井アウトレットパークとともに,仙台港付近の観光地として存在しています。

 しかし,ビール園やレストランで提供するのは同じ生ビールとジンギスカンなのに,なぜか観光客への訴求要素が弱く感じるのはもったいない。当然,サッポロビールの本拠地である札幌と比較するのは酷にしても。うまく観光スポットとしてもう少し売り出せないものか。

 と,北海道らしからぬ酷暑の中,考えてたり。まぁ,北海道で飲む「サッポロクラシック」はお世辞抜きにうまいんだよね。イメージが大事ということだろうけど。

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2019年8月20日 (火)

あすと長町の近況(R1.8)~コインパーキングに動きが~

仙台ネタとしては,あすと長町内の情報が続きますが ,KHB予定地を見に行くついでに,地区内を回ってみました。

イオンタウン予定地

 キュリオスも終わり,何度も言及している駅真正面12街区北側の,例のガレージがカチッとほぼ元通りになっていて,いつでも使える状況です。

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ただ,あすと長町大通側が以前より多少余裕があるような。もしかしたら,コインパーキングとして活用するスペースが広がったのかも。

 12街区南側の元リパークの部分も,ピシッと整地され,南側のゲート・精算機があったところも基礎はそのままで,入り口部分には三井のリパークのコーンが立ててあるので,リパークのとして復活するのは間違いなさそう。

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 時期は,個人的な予想ですが,そろそろ着工のため営業終了する,KHB予定地か JR開発予定地リパークのどちらかのゲート・精算機を持ってくるのではと。

 南側の17街区は,長町八木山線沿いのガレージはけっこう月極駐車場として埋まっていますが,南側のシティタワー長町新都心側は,「シティタワーあすとレジデンシャル」の工事が終わったためか,関係者用駐車場が閉鎖されています。

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イオングループ寡占の弊害

 イオンタウンが土地を契約したのが2012年末。もう6年半も経過し,土地を共同入札した住友不動産側のマンションは完成入居済なのに,通常このような共同入札事業であれば,相乗効果が発揮できるように,オープンの時期を調整したりするものですが,やはり仙台でのイオン寡占の弊害が出ていると感じます。

 仙台圏はイオングループでのシェアが高く,無理に新規出店をしなくとも良い状況なので,西友のザモール&ララガーデンに規模的に勝ち目がないあすと長町の出店優先順位は,イオングループのなかで,卸町⇒利府⇒雨宮⇒あすと長町 との順番で,急がない。急ぐ必要がない。

 URの保留地分譲の条件は5年以内の着工だったはずですが,それを小手先の「ガレージ」建設でお茶を濁し,あすと長町という新都心の発展を共に応援しようという姿勢は全くないところが,単に他のデべの進出を拒むために入札したようで,本当にこのグループに一等地を抑えられてしまったあすと長町は不幸としか言いようがない。

パークタワーあすと長町

 建物や立体駐車場が完成し,外構工事もほぼ終了しました。

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 現在は,建物内にモデルルームがオープンし,モデルルームとして活用されていた商業棟は,「あすと長町杜テラス」と名付けられ,エニタイムフィットネスとヤナセのカーシェアの事務所が入るとか。まだ全ては埋まっていませんが,あまり,幅広い対象のお店などが入るわけではなさそうです。

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JR東日本都市開発予定地

 一番気になる建物配置について,確度のある情報は入っていませんが,南側の1・2階が商業施設であることは確定し,3階以上がJR東日本都市開発として,初の東北地方での賃貸住宅事業となり,1Kから3LDKまでの幅広い90戸が整備されます。当然ながら,駅利用者のUPを目的としたいわゆる沿線開発ですが,JRグループとしては過去に分譲マンション事業を南仙台駅と宮城野原駅近辺で実施した実績はありますが,近年は消極的だっただけに,ここで賃貸住宅事業というは非常に意外でした。

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 住宅部分は,線路に面した西向きという話も聞こえてきていますが,そうすると,パークタワーの西向き部屋の眺めを阻害するし,日影規制のない商業地域での開発とはいえ,地区内でやらかしている某企業のようなことは避けて欲しいです。

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 9月着工予定で,上述のとおり,リパークとしての活用もそろそろ終了となりそう。そうすると,あすと長町の駐車場不足解消のため,イオンタウン予定地がリパークとして復活することが非常に重要になってきます。

JR長町駅東口駅前広場

 駅側から真正面奥側の一般車待機場が7月から閉鎖となっています。

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 もともと,ここのスペースはカオス状態で,長時間停車の車で埋まり,本来の送迎用車両が停められず,だからと言って,自転車置き場側のタクシー用や,駅正面の身障者用,バス停車スペースに停めるマナー違反の人も多く,バスの通行にも支障が出る状況だったので,しょうがないにしても,正式な送迎用スペースがないと,結局他にしわ寄せが出てしまう。

 解決策としては,現在ガラガラのタクシー駐車スペースにゲートを設置して,30分無料でそれを超えると有料の一時待機スペースにすれば良いのでは。駅前広場としての供用当初に一般車一時駐車場として使われていたところでもあるし。

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 JR仙台駅の東西駅前広場でもこの方式の送迎者駐車場が設置されているし(西口20分・東口30分無料),タクシーは西口に後で整備された乗車スペースに移っているので,この方法が最も効果的と思うところ。

仮設住宅跡地

 先日報道されたヤマダ電機取得地は,今年度末まで,文化財の発掘調査を行っているので,しばらくは動きはありませんが,改めてみると結構広いですね。300%の容積率をフルに活用すればかなりの床面積を確保できますし,ヤマダ電機としては,ヨドバシほどではないにせよ,高崎本店とか,複合型商業施設としての実績もあるので,一応期待したいです。

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 次に,線路側で建設が進められているダイワハウス取得地ですが,北側の分譲マンション予定地に先行して,南側では3階建ての賃貸アパートの建物が完成し,現在は外構工事中です。

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 それにしても,建物間の距離が半端なく近いよ。これ。昼間働いていて家にいない単身入居者であれば良いかもしれないが,アパートの形態から一応ファミリー層向けに見えます。

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 家族持ち対象で,例の大騒ぎの復興住宅よりもひどい日照となりそうな隣棟間隔で建てるのは,都市のストックとしてどうなんだろう。この立地条件であれば,新築2~3LDKで10万円近くの相場でしょうし,それでも入る人はいるだろうけど。

 仙台市の最低敷地面積規制の緩和の結末がこれかよと,ちょっと憤慨したい気分。せめて,ヤマダ側が一体活用されるのが救い。

仙台PIT横にタイムズパーキング

 ワンパークレジデンシャルのモデルルーム跡地が,コインパーキングとして活用されていました。

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 リパークが強いあすと長町では,ぐりりスポーツパーク内,TSUTAYA付近の2か所に続くタイムズ。

 全日で500円という良心的なお値段。ただ,今年の4~5月のように,イベントがあったりするとどうなるか分かりませんが,駐車場のない 仙台PITやあすと長町中央公園の利用者向けとして活用されそうです。

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