交通

2021年1月26日 (火)

とうとう決定! ヨドバシ仙台第1ビル開発計画始動

 新年初の記事は,待ちに待ったヨドバシカメラ仙台第1ビルの開発計画始動のニュース。

Main

ヨドバシ.com - ヨドバシ仙台第1ビル開発計画 事業計画が決定いたしました (yodobashi.com)

これまで,10年近くの間待ち望み,垂れ流してきた記事達です(笑)。

ヨドバシ複合施設「リンクス仙台」3年以内にオープンへ(2019.11.15)

とうとうヨドバシ再開発着工&ZEPP仙台再出店か!(2019.8.24)

仙台ヨドバシ第一ビル開発に動き ZEPP仙台再出店も? (2018/2/10)

ヨドバシ第二ビルにアフラックのコールセンター進出(2018/1/27)

仙台ヨドバシ再開発 H30年10月オープンに(2016/4/17)

新ヨドバシビルに音楽ホール&高速バス停設置(2014/12/30)

仙台ヨドバシ新ビルも16年春オープン!(2014/6/19)

ヨドバシ仙台店仮移転オープン(2012/4/26)

ヨドバシカメラ再開発(2012/2/10)

計画の概要

 これまでの計画のうち,実質的にA棟と呼ばれていたメイン棟のみが先行し,8階程度⇒12階 と規模が拡大した形になりました。

Overview

一見,一時期数字として出ていたプロジェクトの延床面積12.8万平米から大分縮小したような印象を受けましたが,

  ・以前の計画で,付け足し的に記載されていた線路側のB棟は,今回の計画では見送られたこと

  ・既存の南側立体駐車場もこの面積に含まれていたこと

が理由で,A棟としてはオフィスを上に積み重ね規模拡大(8階⇒12階)となっています。「仙台都心再構築プロジェクト」に基づく高機能オフィス設置による容積率拡大を活用したと思われます。

 B棟は,オフィスになったり,ホテルになったり,ホールの入居がささやかれZEPP仙台復活か?との期待も持たせてくれた計画内容でした。

 高さも環境アセスでは60m(15~20階建て)部分がなくなりましたが,理由としては,

  ・着工にあたっては工事ヤードや現場事務所も必要で,敷地周辺で活用できる場所が限られること

  ・コロナの影響で,計画していたホテル(東急ホテルズ?)も急いで進める必要がなくなった
とのことかと。既存の南側立体駐車場とA棟を連結する役割として,B棟の重要性は高いので,経済状況を見据えながら,第二期計画として進めるものと思っています。せっかく勝ち取った容積率を余らせる訳はない。

Map

 入居する施設内容は,ヨドバシカメラ仙台店が第二ビルから移ってくることは当然として,専門店部分がどの程度確保されるか?

店舗部分は,1~5階程度(ヨドバシカメラ部分は3層,専門店・飲食店は2層),駐車場は6~8階,オフィス9~12階と予想しました。

用途が百貨店となっていますが,「Links仙台」と称するSC自体のことのようで,いわゆる本物の百貨店が入居することはなさそうです。

東西自由通路と第二ビルを結ぶペデストリアンデッキ

 この計画の肝である,仙台駅東西自由通路と第二ビルを同レベルで結ぶ歩行者通路が予定通り整備されます。

これまで第二ビルの現ヨドバシ店舗に行くには,

『東西自由通路(2F)⇒エスカレータを下る⇒エスカレータを上る⇒ヨドバシカメラ仙台(3階)』

と,本当にまどろっこしかったし,旧農協会館時代からあった地下通路も使いづらかった。

 この第二ビルまでのスムーズな歩行者動線が整備されることで,第一ビルと第二ビルがほぼ一体として活用され,特に第二ビルの現ヨドバシカメラ(1~3階)へのテナント誘致に寄与する計画です。

 東西自由通路は2階レベルですが,2階にしては階高が結構あるため,ヨドバシ第一・第二ビルでは3階に接続することになります。

目の前が既存の東口ペデストリアンデッキの広場部分なので,エスパル東館と合わせて東口を象徴する賑わいを生み出してくれそうです。

Stationside

高速バスターミナルも

 これも地域貢献として,これまでも話に出ていましたが,東七番丁通沿いに高速バス向けのバスベイが設置されます。

ただし,これまでも東口バスプールでは,JR系を中心とした高速バスが発着しており,何故?と思いましたが,

これまでも記事にしていた予想としては,この拡張部分に,仙台駅西口の宮交バスターミナルを発着する「宮交と共同運行先の高速バス」の始終着を延長するのではと。現在の宮交バスターミナルはバスの折り返しや滞留ができないので,周辺道路をぐるぐる回ったり,仙台駅前通りで路駐していたり,周辺の渋滞を招いている状況なので,正式には発表されていないながらも,そのような用途が想定されると思っています。

 そうすると,ほぼすべての高速バスが仙台駅東口始発着となり,分かりやすさが各段に向上するためです。

新ヨドバシビルに音楽ホール&高速バス停設置(2014/12/30)

東西自由通路その4(バスプールの再編) (2012.01.29)

完成が待ち遠しい!

 本当に待ちました。

 一応,2019年秋の大阪のLinks梅田開業時に取締役の方からのコメント「3年以内に仙台にオープン」という目標時期からは多少遅れながらも,2023年春の竣工とのことで,まぁ想定の範囲内。店舗としてのオープンは初夏位の時期でしょうしあと2年半後ですが,最近歳を重ね年月が過ぎるのが本当に早く,KHBのあすと長町移転もまだ先と思って居たらあと半年後だし,気長に待つこととします。

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2020年12月27日 (日)

JR仙台支社ダイヤ改正発表 その3~その他線区の状況~

コロナによる影響の中,あまり期待をしていなかった来春のJR東日本仙台支社のダイヤ改正は,仙台駅以南のパターンダイヤ化により,意外にも前向きな改正になりました。

JR仙台支社ダイヤ改正発表 その1~まさかのパターンダイヤ導入~

JR仙台支社ダイヤ改正発表 その2~空港アクセス線ダイヤも大変身!~

本数は極力維持する一方,快速の廃止,末端部分や土休日などの減便も組み合わせて,仙台近郊ではダメージが大きくない形に仕上げてきました。

とはいっても,影響を受ける方はおり,特に18キッパーからは旧シティラビット廃止や東北本線昼間の白石分断に非難囂々だったりします。

1.東北本線 昼間の白石分断と快速(仙台シティラビット)廃止

 以前試行的に実施しながらも,評判が悪かったのか本格導入には至っていなかった,仙台駅から福島駅以遠直行便の白石駅乗換でしたが,現在の2往復から下りは7往復,上りは6往復に大幅増になりました。

 完全に高速バスとの競争をあきらめたという感と,新幹線誘導を感じるところですが,このコロナ禍の状況であり,やむを得ないと感じます。

 以前だったら,特に新幹線誘導については怒りを感じる部分でしたが,実際のところ昼間の仙台への買い物等での流動はかなり落ちているし,高速バス自体も減便傾向で苦しいところ。

 それに,古川もですが,仙台との行き来は新幹線の利用が当たり前になりつつあり,在来線での行き来はハードルが高く,だったら高速バスの方が安くて便利という状況になっていました。

 この白石分断のメリットは,ひっ迫している仙台支社の車両運用に余裕を与える効果があり。白石以遠が福島方面がガラガラな状態で4両~6両編成で走らせるよりは,白石ー福島を2両,白石ー仙台を4~6両で運用した方が,車両増備に相当する効果が生じるという面も。

 ただ,乗り継ぎ時間は5分以内にして欲しいところ,特に下りは5分以上の乗り継ぎが多いですが,遅れの影響を最小化するという目的もあるのでしょうし,これは今後の課題。

 Shiroishi 

 また,衝撃として受け止められたのが,一日3往復運行されていた快速仙台シティラビットの各停化です。

以前は土日臨時を含めて5往復まで増えましたが,仙南は大河原,船岡,槻木と主要駅が多いうえ,岩沼以北では利用客の多い長町・南仙台にも停車するようになり,快速と普通列車の時間差が10分もないことから,いっそのこと各停化してくれた方が,太子堂・館腰の30分以上電車がこない時間帯を解消する意味でも,望んでいたことでした。

 これは,パターンダイヤ化を断行するためには必要な決断だったのでしょうが,コロナ禍での厳しい状況でようやく断行したという印象です。

 快速が廃止となっても9時頃の仙台行と夕方の1往復は各駅停車の直行便として残ったので,それほど影響はないのではと思います。

2.東北本線仙台以北の動き

 本来であれば,名前のとおり一大幹線のはずなのですが,仙石線との競合,泉区,大崎市古川,栗原市築館,登米市佐沼という県北の拠点性のある都市をことごとくスルーしている東北本線の仙台以遠。

 かつては,これらの都市からのバス・鉄道連絡での仙台方面への需要が見込めていましたが,下記のように,すっかりこれらの需要が消えてしまいました。

 古川からは陸羽東線経由小牛田乗換 ⇒新幹線・高速バスへ

 気仙沼線方面から石巻線経由小牛田乗換⇒高速バスへ(涌谷からは鹿島台へパークアンドライドも主流に)

 築館・佐沼からバスで瀬峰経由⇒新幹線・高速バス

 くりでんから石越乗換⇒新幹線・高速バスへ(金成・若柳)

 90年代までは,鉄道沿線への住宅取得需要もあり,小牛田以南はそれなりに乗客も多かったところですが,少子高齢化による通勤通学需要も激減し,同じ東北本線でも軸が1本に集約されている仙台以南とは異次元の世界で,毎時1~2本化された昼間に続いての減便は必至の状態でした。

 うちの職場でも,栗原市・登米市在住者は新幹線一択状態。定期代が出れば遅くて本数が少なく混んでいる本線を使う訳がないか。

 Kogota

 今回は,朝の石越始発が3本から1本に大幅減となり,昼間と同様に小牛田乗換を強いられることになる他,鹿島台・小牛田駅も地味に減便になっています。とはいえ,松島以南の朝ラッシュの混雑対策は必要で,7時20分発松島始発便は増車となりましたが,一方,利府からの8時台の1本が減便になり,岩切以南の本数が減る形になります。

Rifu

 利府線は,イオンモール新利府のオープンは全く考慮されていないようです。まぁ,期待はしていなかった,ですが,逆に昼間は毎時1本と減便となったようです。まぁ,新利府駅の活用による渋滞対策を本気で考えなかった利府町とイオンモールのせい。

 富谷市は鉄道がないので,あれだけ一生懸命に地下鉄延伸?やLRT,幹線バスなどを検討しているのに,利府町は中途半端に支線が存在すること,一方近隣に岩切駅という利便性の高い駅があり,利府町民はクルマで岩切でP&Rも多いので,行政の姿勢としては必死さを感じないのはしょうがないのか。

 一方,要望していた終電の延長が,このタイミングで実現するのはビックリしました。朝の減便とのバーターだからこそ実現したのでしょうが,流石に22時半仙台駅発は近郊のベッドタウンとしては早すぎる(原ノ町や石越行と同じ位)なので,良かったのでは。東仙台と岩切利用者にとっても朗報。

3.仙石線土休日朝減便

 これは,もっと前からやって良かったと思っています。土日朝は平日朝と同様に運行する意味はないのではと。

 Senseki

利用者にとってはガラガラで助かるけど,仙台市地下鉄でも休日ダイヤは当たり前のように導入されているので,JRも本数が多い仙石線や本線岩沼ー仙台間はかつて導入されいた休日ダイヤを再導入しても良いのではと思います。

 ただ,休日運休だと運転間隔が広がってしまう時間帯もあるので,その部分の調整は必要でしょうね。

4.ダイヤ改正以降の動き

 今回のダイヤ改正は,この程度で収まったという印象があり,ホッとしていますが,コロナのワクチンの接種が進んでも,元の世界には簡単には戻らず,そうなると,令和4年春改正までは安心できません。今回は1往復のみにとどめた東北新幹線の減便及びローカル線をドラスティックに減便するなどの可能性はあります。今回のダイヤ改正は思わず喜んだ要素もありましたが,今後の動向については冷静に見守っていきたいと思います。

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2020年12月20日 (日)

JR仙台支社ダイヤ改正発表 その2~空港アクセス線ダイヤも大変身!~

昨日は,JR仙台支社の令和3年春ダイヤ改正で,全く考えてもいなかったパターンダイヤ導入について,取り上げました。

その中で,あえてあまり言及しませんでしたが,今回のパターンダイヤ化の肝は,仙台空港アクセス線のパターンダイヤ化です。

 仙台空港鉄道 ダイヤ改正内容

空港アクセス鉄道という,通勤通学者以外のたまにしか使わない空港利用者の利便性を高めるために整備された性格から,より分かりやすくというダイヤや運行体系が望まれるところ,これまでのダイヤは

  • 昼間は毎時2~3本で,ランダムダイヤ。
  • 毎時3本でも30分以上運転間隔が開いたり,10分ちょっとで続行したりで無駄があり。
  • 一日3往復というたまたまあたったらラッキーの快速の中途半端な存在。

のため,正直言って,便利ながら一工夫あればと思って居ました。

 飛行機の離発着のピークに合わせた運行にならないのはやむを得ないにしても,せめて運行間隔が整っていて,「〇分おき」とか,毎時〇〇分発着」であれば,列車毎の乗車数をある程度平均化でき,に特に到着時間にずれが生じ,乗れる電車が確定しない空港駅発について,計算しやくすなります。

仙台駅⇒空港駅は

 仙台駅から空港行のダイヤですが,9時から16時までほぼパターン化され,原則毎時3本20分毎,そして,10分・30分・50分発を基本とした見事に分かりやすいダイヤに変身しました。

 以前の昼間は,基本毎時3本ながらも,発着時刻はバラバラ。快速も不規則にあり,途中駅利用者にとってはさらに使いづらい存在でした。

 それが,利用者が少ない?14時台以外は毎時3本に。その増発分は,19時台と22時台の2本を昼間に移した形です。

 これで,乗る飛行機の時間を踏まえて,20分刻みで乗る電車を決めることができるように,本来は空港アクセス鉄道という性格から当然求められる分かりやすさが,開業14年目にして実現します。

Access1

 夜間帯については空港利用者と沿線の通勤通学客が乗り合わせる時間帯ですが全て4両編成であることから毎時2本を基本としています。

 7時~19時台は,本線・常磐線電車(仙台ー岩沼間)のみで10分間隔(毎時6本)運転を邪魔しないよう,5分ずらして約15分・45分発にしていますが,20時以降は概ね20分・50分発で,本線・常磐線電車(毎時4本)と合わせて,仙台ー名取間が毎時6本(10分間隔)になるようにという工夫が見られます。

 なお,かつて19時台は36分発の次に48分発と,仙台ー名取間の混雑緩和のためか無駄に続行していたり,終電間際も過剰に本数が多いところがありましたが,この2本分は仙台―岩沼の本線区間便に置き換えられ,アクセス線としては,それほどダメージがない形でダイヤを整理することができたと思います。

 特に,深夜帯は乗車率が激減していることから,23時前後に2本は過剰と判断されたのでしょうし,23時10分の終電が維持された形なので,りんくうタウンの住民にとっても良かったのでは。

 また,他の改善点としては,発車ホームが3・4番線ホームに統一された点。これは当初に戻った形ですが,分かりやすさのためには大切です。

空港駅⇒仙台駅は

 空港発も,昼間は14時台以外は毎時3本化されました。

 単線というダイヤ作成の困難さもあり,仙台駅発ほどきれいにはならずとも,基本は08分・28分・48分前後という約20分おきの運行となり,前述のように,遅れや荷物のピックアップで到着ゲート通過時刻が読みづらい際に,待っても20分というのは精神衛生上安心に思えます。

 その点,12時16分のみ快速が残ったのは,”空港まで仙台駅から17分”というアピールポイントを残すためとはいえ,その前の電車から30分近く開く(快速なので所要時間差の8分を後ろ倒しして発車するのみ)というのは,分かりやすさの観点から正直存在意義に疑問を感じます。

 全て各駅停車化された仙台―福島快速のように,思い切って残りの1往復も各駅停車化すべきかと。

 なお,車両数は2両と4両が混在していますが,現在の乗客減の状況であれば2両編成でもそれほど問題にはならないでしょう。問題化していたアクセス線短編成による混雑が,コロナ禍による乗客減で解消してしまったのは複雑な気持ちですが。

Access2

 なお,夜間帯については,仙台駅発と同様に毎時2本が基本ながら,以前とそれほど変わらないランダムダイヤですが,19時台までは一応00分頃と30分頃発にはなっています。

 ただ,19時28分の次は20時11分と43分待ちの時間帯が生じており,現在の36分待ちから悪化していますが,飛行機の到着が18時55分の神戸便(SKY)の次は19時50分の新千歳便(ANA・JAL)なので,到着客への影響はなさそうです。

 それ以降も概ね30分間隔で,及第点。ここも昼間のように20分間隔になれば良いとは思いますが,アクセス線用の車両数不足や,何よりコロナ禍による乗客数の半減という状況から,空港側もアクセス線側も厳しい状況なので,減便がなかったというのは感謝しかない。

イオンモール名取への鉄道アクセスが改善

 なお,快速2往復の各駅停車化と,昼間の20分間隔化により,杜せきのした駅前のイオンモール名取へのアクセスが改善します。行きもですが,帰りの発車時間も分かりやすくなり,少ないながらも鉄道利用者には朗報かと。空港利用者が途中下車し買い物後再度乗車するにあたっても,利便性は高まります。

 一方,3月にオープンが延期されたイオンモール利府新棟は,新利府駅近くながらも,駅構内及びアクセス改良をせずに利府駅が最寄り駅と,鉄道利用者を半ば無視する形をとっていますが,その新利府駅発着電車は昼間に関しては増便がないばかりか減便とか。まぁ昼間は岩切駅での1時間に1本の区間電車に乗り換えしてまで電車で行く需要は大きくはないでしょうが,仙台近辺から電車で行くのであればイオンモール名取,車で行くのであれば利府という感じである意味棲み分けする形になるのか。

 

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2020年12月19日 (土)

JR仙台支社ダイヤ改正発表 その1~まさかのパターンダイヤ導入~

いやー,本当に驚きました。何が起きたのかと。JR仙台支社での白紙ダイヤ改正で,まさかの仙台駅発上り方面のパターンダイヤ導入です。

 コロナ禍でのテレワークや大学生のオンライン授業継続,遊びを目的とした移動が激減しているため,首都圏などではJRだけでなく私鉄各社でも終電の前倒しや減便の話ばかりで,正直仙台でもテレワークは盛んではないにしても,買い物・スポーツ観戦・ライブ参加などの趣味の動きは鈍くなっており,令和3年春のダイヤ改正は期待できないどころか,気にするのも恐ろしいと思っていました。

 なので,まったく意表を突かれましたが,時刻表を見る限りでは,仙台都市圏の利用者増と以遠部の利用者減というコントラストを描いていることに起因するこれまでの課題を解決するため,コロナによる利用者減は考慮していないと言いながら,切るところは切って,重視するところに資源を集めた思い切った”ダイヤ改正”です。

 その他の路線でも,長年の要望に対してのプラス回答や,利用水準に沿った減便,思い切った快速の廃止による利用機会増などがありました。

Press

<JR東日本仙台支社プレスリリースから引用>

仙台駅上り方面パターンダイヤ導入!

 東北本線白石方面,常磐線原ノ町方面,そして仙台空港アクセス線と乗り入れる3路線の本数はまちまちで,均等に本数を確保できるわけではなく,行先もまちまちであることから,パターン化は簡単なことではありませんので,実現にこぎつけたことに感謝します。

1.パターンダイヤ導入の背景

 これまで,抜本的な見直しを阻害していたものとして,以下のものが想定されます。

それぞれについて

 ①一日数本の快速列車(東北本線・アクセス線とも)

 ⇒本線福島行の快速を各停化,アクセス線も記録用の1往復を除いて各停化。

 ②被災路線で利用者が激減した常磐線の減便

 ⇒昼間の山下発着の廃止と夜間帯の増便を組み合わせて,うまくバランスを取った。

 ③行き先がまちまち(本線・常磐線)

 ⇒昼間の福島行を白石行に短縮・乗継とし車両数を効率化

  常磐線は山下行を極力なくし,基本を原ノ町行に。

 ④ひたちの復活に向けてスジを空けておく必要がある

 ⇒復活し時間帯が確定,今後の増便も考慮不要になった。

 ⑤貨物をまとめて通すためののスジの確保

 ⇒なんとか調整したのかな?

特に,①の中途半端に残っていた旧シティラビットとアクセス線快速の各停化の決断が大きい。快速が単なる普通列車の一部駅通過しているだけで,その時間は通過駅の利便性を極端に奪っている現状だし,パターンダイヤ導入の障害にも。

 ②は,常磐線の昼間本数が,たまに入る山下行のために毎時2本になっている時間帯がありましたが,昔からで運転再開後も同じような時間帯に設定していながら,必ずしも利用客が多い時間帯という訳ではなかった。その山下も利用客は激減したので,毎時1本の原ノ町行に一本化しても支障はなくなったと。加えて,常磐線の減便分は事実上岩沼発着便への短縮にとどめました。

よって,基本的には,上りは総本数の変更はせず,うまくやりくりした印象です。

2.仙台駅発の時刻表のbefore&after

Timetable_20201219213801

 見違えるように分かりやすくなりました。

 特に昼間の11時台から14時台,そして20時台から21時台は,仙台支社のプレス資料でもアピールしていましたが,きれいに10分間隔で,時刻表いらずの時間帯になりました。

 それだけでなく,朝夕ラッシュ時については1分程度の前後はありながら極力パターンを守るように設定されており,毎時20分,30分,50分頃はほぼ全時間帯で発車する電車があるので,名取までの利用者は,特に安心して使うことができます。

3.時間帯や路線ごとのパターン

 ただし,時間帯によって,3つの路線の組み合わせが変わるので,名取以遠の利用者は気を付ける必要はありますが,それでも毎時の発車時刻は,概ね分かりやすいパターンが組まれています。


東北本線  (毎時2~3本)

福島行 00分頃(白石駅接続を含む)
白石行  20分(昼間),30分(18時以降),40分(17時台)

東北本線  (適宜補完)

岩沼行 50分頃(夕ラッシュ・22時以降)※他朝に多数
大河原行 20分(17時台)※他に7時台1本あり

常磐線(毎時1~2本)

10分頃(夕ラッシュ以降の時間帯)
35分頃or40分(9時以降の全時間帯)
アクセス線(毎時2~3本) 00分,30分,50分(14時台以外の昼間)
15分頃,45分(夕ラッシュ)
20分,50分(20時以降)

 9時以降の時間帯は,うまく3路線を組み合わせて,毎時6本(約10分間隔)のダイヤを基本としています。

 case1【3路線が使える名取駅まで】

   昼間及び20時以降は10分間隔の毎時6本

   夕ラッシュ時(17~19時台)には5or10分間隔で毎時8本

 case2【本線・常磐線が使える館腰駅・岩沼駅】

   昼間は20分間隔の毎時3本

   20時以降は,10or20分間隔の毎時4本

   夕ラッシュ時(17~19時台)にはほぼ10分間隔の毎時6本

 case3【本線槻木以南】

  昼間は,20分・40分間隔の毎時2本

  夕ラッシュ時以降は,30分間隔の毎時2本(17時台のみ大河原までは毎時3本)

 case4【常磐線逢隈以南】

  昼間は,約60分間隔の毎時1本

  夕ラッシュ時以降(16~21時)は,約30分間隔の毎時2本

 惜しいところとしては,やはりひたちの3本が発車するところは特急優先となり,若干パターンが崩れていますが,それでも基本的に間隔は大きく開かないように工夫の跡が見られます。

また,パターン化のしわ寄せとして,気づいたところとしては

〇単線の常磐線上りで,岩沼駅での交換待ち時間が拡大し,所要時間が拡大している便もある。

〇東北本線岩沼以南に昼間使う場合は,00分,20分発車なので,場合によっては40分待ちになる。

〇東北本線北方面との直通の大幅縮小。

ところ位でしょうか。利用する駅によっては,印象が違うでしょうし,下りの仙台方面についてはこれから検証してみますが,完全にパターン化はされていないにしても,確実に改善されてそう。

 あと期待するところは,発車ホームの集約です。アクセス線は3・4番線に再統一となりましたが,本線・常磐線は5・6番線が基本ながらも4番線も使用するでしょうが,2番線発車はやめて欲しいと。

4.これまでの歴史

 これまで,このブログでさんざん酷評してきたとおり,仙台支社は一度パターンダイヤを導入しても次のダイヤ改正できれいなパターンを崩しにかかり,数年後には跡形もなくなるのが定石だし,逆に10分や20分発などの区切りの良い時間の発車を嫌っているかと邪推したくなるダイヤが長年続いていました。

 かつては,アクセス線開業前ですが,仙台駅発上り方面の昼間時間帯のパターンダイヤ化を図り,岩沼まで15分間隔(東北本線:00分,30分,常磐線15分,45分※一部時間帯は東北本線)としたことがありました。昼間は東北本線が毎時2~3本,常磐線が毎時1~2本を組み合わせた岩沼までの毎時4本ダイヤでしたが,これもすぐに崩れてしまいました。今では館腰が毎時1本の時間帯もあったり(今回の改正で解消されますが)

 そして,2007年3月のアクセス線開業時にこそ,白紙改正により分かりやすいパターンダイヤ化を導入するのかと思ったら,まさかの既存の本線と常磐線の間にアクセス線の計40往復をねじ込んできたのみで,貨物列車のスジとかもあるのでしょうが,ある意味呆れました。

他の路線では,東北本線下り方面の仙台駅発は,長年昼間”ほぼ”20分間隔を保ちながら,仙石東北ライン開業時の減便でめちゃくちゃなランダムかつ疎らな使いづらいダイヤになってしまった反面,仙石線が快速の各停化と合わせて準パターンダイヤを導入し,かなり使いやすくなってきた状況で,仙台支社もパターンダイヤが嫌いな訳ではないんだろうとは思っていました。

 

 3大都市圏だけでなく,同じ拠点都市の札幌広島福岡でも,特に利用者数や都市圏の広がりが同程度の広島都市圏でも導入されており,札幌や福岡は特急も貨物もかなり走っているのに当たり前のように導入されていることから,できない理由は何だろうと思って居ましたが,やる気を急に見せたことで,本当に驚きました。

 なので,今回の改正でのパターン化が基本になり,より使いやすいものにブラッシュアップし続けて欲しいと思っています。

 コロナ禍での利用客減少は続くでしょうから,今後もその対応による減便の可能性はありますが,まずは,今回はJR東日本仙台支社に対し,感謝しています。

 ダイヤ改正の件については,まだ続きます。

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2020年9月26日 (土)

東西線開業からまもなく5年 荒井駅周辺レポリターンズ

 2015年12月6日に開業した仙台市地下鉄東西線。

 車両基地を持つ東の終点として開業した荒井駅ですが,開発が終盤だった荒井土地区画整理事業地からみると東に寄り過ぎ,駅の東側は車両基地と東部道路で駅勢圏が抑えられるなど,条件としてはあまり良くない条件で開設された駅でした。

 いろいろと心配された東西線の開業からあと2か月ちょっとで5周年を迎えますが,荒井駅周辺に先日久々に寄ってみました。

関連過去記事

東西線の終点 荒井駅前レポート(H29/9/17)

荒井にライブホール”仙台ギグス” 5月開業(H29/2/17)

東西線 荒井駅レポート(H26/2/14)

 今回は,運動を兼ねて自転車で向かいました。荒井駅に地下鉄で行ったのは,うみの杜水族館に荒井駅からのシャトルバスで行った時以来ないなぁ。南北線沿線の太白区民からすると,荒井に地下鉄で行くのは,一本で行ける泉中央に行くよりも遠かったりします。距離的には近いのですが。

微妙に変化した荒井駅前

 荒井駅前にダイワハウスが取得していた土地。

 ホテルとかいろいろと構想があったと記憶していますが,荒井自体が郊外型の街であり,また駅勢圏が狭いこともあってこの土地には動きはありません。曇天の日だったので,写真写りが良くなくて済みません。

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 同じダイワハウス系で,ちょっと南側にアクロスプラザ荒井東としてスーパー中心のこじんまりとした開発を行っているので,ごく近接した駅前で商業系の開発は難しい。そもそも,それよりも規模が大きいフレスポ六丁の目南町(ヨーク ヴィーフジサキ他)を行っているのでなおさら。

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 とはいえ,駅前で東側には,医療モールと賃貸住宅で構成されるビルが立地していました。なので,駅前広場自体は勢いのあると言われる南北線富沢駅と比べると,開業5年であることを考慮すると,よっぽど整備が進んでいる面もあります。

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富沢駅に似ている荒井駅

 改めて考えると,【富沢駅 ー 荒井駅】は本当に立地条件は似ていますね。

〇富沢駅の南側,荒井駅の東側は,車両基地と高速道路【南部道路 ー 東部道路】で駅勢圏の広がりを欠いている。

〇離れて並行してJR線【東北本線 ー 仙石線】が通り,地下鉄ターミナルながらも以遠からの需要が見込みづらい。

〇地下鉄開業時点で,先行して仙台駅寄りの地域で既存の区画整理【富沢長町 ー 荒井】が概成し,駅前は街はずれだった。

〇駅から1.5~2km程度離れた区画整理地で,集客力のある郊外型のNSC【アクロスプラザ富沢西 ー クロスモール荒井,フレスポ六丁の目南町】が立地。

〇郊外型飲食店が張り付く幹線道路【仙台館腰線 ー 産業道路】が多少離れた場所に通っている

〇よって,駅前の商業面での集客力がなく,近隣型のスーパー【生協,富沢イオン ー サンマルシェ】のみ

〇カフェなど【スタバ,コメダ,星乃,シベール他多数 ー フラットホワイト,THE BREDBAR,シベール他多数】が多く立地

 東西線の中でも荒井駅は大町西公園に次いでワースト2の利用者ですが,荒井東区画整理地の南側で行われる長喜城東地区の区画整理や未だ田園が広がる北口など,ポテンシャルは高いとは思っています。

イグーネ荒井

 オシャレ過ぎて入る勇気が出なかったし,駐車場が満杯な位繁盛していたので,外観だけでスルーしましたが,今度は是非入ってみたい施設です。

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 泉パークタウンで有名なカフェであるフラットホワイトコーヒーが出店しています。

それ以上に,この緑豊かというかイグネをイメージしたという独創的な建物は魅力的。

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ジャイアントストア・仙台GIGS

 ジャイアントストアは,コロナ対策で自由に入店できなかったので,入り口でUターンしましたが,駐車場には入店待ちの車が数台止まっていました。仙台では泉中央のTrekのストアも最近オープンするなど,自転車ブームの影響が続いているのかな。

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 仙台GIGSは,コロナの影響でイベントが軒並み中止となり,本当に厳しい状況が漏れ聞こえてきています。

 その状況でも,Withコロナで感染対策を講じながら,徐々にイベントを再開させようと動いており,同じく厳しい長町PITとともに,何とか持ちこたえて欲しいと思っています。

 併設テナントも利久が業態変更して「やみつきホルモン」になっているなど,イベント来場者に頼らず地元客向けとして乗り切ろうとしています。

若林警察署など

 仙台南署で管轄していた若林区で念願の警察署がH31年4月に設置され,その周りにも蒼会の病院やフットサル場など,施設立地は順調に進んでおり,空き地は目立たなくなってきています。駅前のダイワハウスの土地を除いては。 

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マンションも分譲中

 荒井駅南口から徒歩1分の目の前に,「クレアホームズ仙台荒井駅前」が分譲中でした。HPでは間もなく完売とのことですが,この場所でマンションを選ぶにしても買い物はクルマ必須の物件なんでしょうが,通勤で確実に座っていける始発駅の需要は根強いですね。

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 以前は寂しかった富沢駅も今では長町駅に近い利用者数を誇り,地下鉄南北線の朝ラッシュ時は次の長町南駅からは座れない程度の利用率となっているようです。この荒井駅周辺もコンスタントに分譲マンションや賃貸住宅の供給が続き,六丁の目駅では座れないくらいに駅利用者が増えて欲しいところ。

 コロナの影響で,学生利用の激減の影響を受けている東西線ですが,この荒井駅をはじめ地道に利用客を戻して行って欲しいところ。

何よりも駅前のダイワハウスの土地,そして北口の田園の開発が鍵を握っています。この街には引き続き期待していきます。

 

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2020年9月11日 (金)

宮城県内3病院統合構想 名取市も誘致に名乗り

 突如,富谷市が名乗りを挙げた,県立がんセンター,仙台赤十字病院,東北労災病院の統合新病院の誘致。

統合3病院の移転地に富谷市が名乗り?(9/9)

当初から病院残留への努力を表明していた名取市が,負けじと誘致を表明しました。

宮城3病院連携・統合 名取市も誘致表明

宮城県立がんセンター(宮城県名取市)と東北労災病院(仙台市青葉区)、仙台赤十字病院(太白区)の連携、統合に向けた協議に関し、名取市の山田司郎市長は10日、病院の統合移転を想定し、市内に誘致する意向を表明した。今後、県に要望書を提出する方針。
 山田市長は市議会9月定例会一般質問で「県立がんセンター機能を含む連携統合病院の市内への誘致に向け、速やかに要望活動を行いたい」と答弁。用地確保については「全面的に協力したい」との考えを示した。
 山田市長は「間もなく8万都市になろうとする名取市には総合病院、地域医療支援病院がない」と現状を説明。病院誘致は「市民の安心安全と仙南の地域医療に大きく貢献する」と強調した。
 3病院の連携、統合を巡っては、富谷市が既に誘致に名乗りを上げている。(9/11河北)

ライバル意識が強い両市

 仙台を挟んで南北でそれぞれ市制施行している名取市と富谷市。

 名取市が市制施行して65年が経つのに対し,まだ市制施行から4年弱の若い富谷市。

 人口は8万弱の名取市に対し,富谷市は5万2千人と名取市がリード。ただし,富谷市は泉区に続く大規模団地の造成の流れにより,名取市が市制施行した時期にはわずか人口5000人強だったのが,この65年で10倍という急激な人口増加を果たしました。

 この両市の現市長は,揃って2期目を迎えていますが,前々回の初めての選挙で仙台市地下鉄南北線の延伸を唱え当選した(のちに名取市の山田市長はこの構想を市議会の反対により撤回)という浅からぬ因縁もあります。

地下鉄南北線 延伸へのラブコール(2016/7/30)

富谷町長選に思う(2015/2/11) 

 今回の統合病院誘致についても,現在がんセンターが立地する名取市が誘致することを見越して,富谷市が先手を打って県庁訪問をしてアピールしたところ,名取市も当然ながら「うちが優先でしょ」とジャブを打った構図。

 これに続く動きはあるでしょう。ただ前回記事で言及した多賀城市の東北学院工学部が五橋に移転した跡地活用については,当然ながら学院大学の意向もあるし多賀城市と跡地活用計画がまとまらないと,立候補できないので,両市に遅れをとることにはなります。

 また,普通に考えれば,合併前の旧仙台市内の方が強みがあるので,医師会の意向を考えると,みすみす市外には渡さないという動きもある。

 まぁ,これまで全国的にあった県立病院と市立病院の一本化(釜石・酒田・高知等)とは異なり,独立行政法人や日赤という公的性格を持ちながらも,別個の経営母体である病院との統合の事例は,あまり聞きません。なので,決定までも4~5年位はかかるのではと思います。

名取市内の候補地

 当然,ファーストチョイスは現在のがんセンター敷地と隣接する山林を造成しての拡張でしょうが,今回の統合話はがんセンターの立地条件が必ずしも良くないことも一因でもあり,名取市としてもこの案は積極的に推しづらい。

 そうなると,駅徒歩圏に統合病院の敷地を確保ということになりながら,JRとアクセス線が通り,地下鉄に匹敵する髄一の便利さを持つ名取駅徒歩圏というと,土地がないのがネック。徒歩15分圏に広げれば,現在進められている増田西土地区画整理事業地に確保する選択肢もあり,そうすれば高台のがんセンターと異なり駅から平地なので,スタッフは良いけれど,患者さんが歩いて通うのは厳しい。コミバスのなとりん号を頻繁に設定してカバーするしかない。理想は徒歩10分圏で,例えば駅隣接のサッポロビールに遊休地があれば良いけれど。。。という感じ。

 

 それ以外だと,アクセス線の杜せきのした・美田園駅近くの田園をつぶして移転地を確保することも,次善の策としてありえます。

 ただ,空港利用と同様で,仙台方面からは直通ながらも毎時2~3本で利便性は劣る。岩沼方面からは乗換が必須。それでも県としてはアクセス鉄道の利用促進で悪い顔はしないかも。これも,県医師会がどう考えるか。

 これでも,富谷市よりはアクセスは悪くないので,名取市が出てこれば,富谷市として勝ち目はないかな。

 ふと思ったのが,仙台赤十字病院の南側の電磁研の跡地が100戸規模の戸建て住宅地として分譲されていますが,もうすこしタイミングがよければ,この土地が病院拡張用地になりえたのかなと。もともと赤十字単独で想定していた病院建て替え用地は川内旗立線の向かいなので,道路を挟んで別の病棟を作るのは効率が悪い。

 その建替え用地の周りにはまだ緑が広がっているので,拡張も可能かと思いましたが,八木山はこれ以上の開発は制限がかかっていて厳しい印象があり,どうなるか。

 まぁ,名取市の立候補で面白くなりそうです。

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2020年9月 9日 (水)

統合3病院の移転地に富谷市が名乗り?

 先日,突然明らかになった,県立(地方独立行政法人)のがんセンター(名取市),仙台赤十字病院(太白区八木山南),仙台労災病院(青葉区台原)という,宮城県の医療界で存在感を発揮する3つの病院の統合の動き。

宮城県立がんセンターなど3病院が連携、統合協議へ 高度な医療提供を目指す

宮城県立がんセンター(名取市、383床)と東北労災病院(仙台市青葉区、548床)、仙台赤十字病院(太白区、389床)について、県と各設置者が連携、統合に向けた協議の開始に合意したことが3日、分かった。増加傾向にある合併症への対応など、より高度な医療が提供できる体制の構築を目指す。近く協議を開始し、年内に具体的な方向性を判断する考え(以下略)。(8/4河北より引用)

 何故?と驚きましたが,理由として

 〇仙台労災病院を筆頭に,病院の建替えサイクルと言われる30年を過ぎている,又は過ぎつつあること

 〇がんは複合的な病気であることから病状により総合病院との連携が必須となり,がん専門病院での治療に限界があること

が挙げられるようです。

 とはいえ,3病院の経営母体は全く異なり,もともとの県立病院から経営が切り離され独法化されたがんセンター,東北労災病院は独立行政法人労働者健康安全機構,仙台赤十字病院は日本赤十字社と,いずれも公的な性格を持つ組織でありながらも,うまく統合できるのかと疑問はあります。「完全統合」と「各病院を残した上での連携」との選択肢があるようですが,病院の建替えが必至という状況であれば,統合ありきの構想に思えます。

 仮に,3病院の病床数を合わせると,1220床と東北大学病院に匹敵する数。効率化を考えると全ての病床枠を活用はしないだろうけれど,多少縮小しても1000床規模にはなるのではと。

 そうすると,多くの患者・家族だけでなく,医療スタッフの通勤を考えると,なるべく便利な場所,少なくとも鉄道駅から徒歩圏の場所が望ましいのではと思います。

 いずれにせよ,これだけの規模の大病院の統合には,10年スパンの検討・整備期間が必要でしょうね。

立地条件の良い3病院

 がんセンターこそ名取駅から多少距離はありますがそれでも名取市のコミュニティバス「なとりん号」で10分150円。最低限の本数はあり,決して不便ではありません。クルマでも仙台市中心部から30分程度。長町モールにつながる県道仙台館腰線からほど近く,特に仙南方面からは非常に行きやすい,名取市を代表する病院です。

 

 残りの2つの病院は,地下鉄駅から徒歩圏。

 仙台労災病院は街中からほど近く,北仙台と台原駅のちょうど間で両駅から徒歩圏だし,県道仙台泉線近くで車でも行きやすい。この幹線道路を経由する多くのバスも利用可能。

 仙台赤十字病院は5年前に開通した東西線の八木山動物公園駅のおかげで,急坂ながらも何とか駅徒歩圏に。また,バスでも動物公園駅から5分かからず到着可能(100円均一区間)だし,長町方面からも直通バスが毎時2本程度あります。

 車でも,郡山折立線と長町八木山線という2本の都市計画道路の整備により国道286号からのアクセスが劇的に良くなりました。

 統合という話になっても,いずれの病院も不便な場所ではないというところ。

 名取のがんセンターこそ駅からバス・タクシー必須ですが,県内一円からのアクセスとしては別に悪くはない。

 なので,基本的に敷地に余裕のあるがんセンター,もともと道路向かいへの建替えが想定されていた仙台赤十字病院を核に進めるのが良いのではと。仙台労災病院は市街地過ぎて拡張余地がないし,土地を売却することで,移転原資を生み出せそう。

 新たな場所に統合病院を作るにしても,既存の大病院とある程度離れたところが,医療機関の立地バランスからも望ましいとなると,結構限られると思っていました。

富谷市が移転先に名乗り!?

 その統合の話から約1か月,このタイミングで富谷市が統合新病院の移転先として名乗りを上げました。

 今朝の河北朝刊1面でデカデカと。Web版にはUPされていなかったので,紙面を引用させてもらいます。

Img_2162  

感想としては,

〇黒川郡には大病院がなく,バランスとしては悪くはない。土地のあてもあるとは,若生市長の嗅覚は鋭い。

〇県内一円を考えても,車でのアクセスは悪くはない。

〇とはいっても,これだけの大病院を”鉄道駅がない”富谷市内に立地させるのは,医療人材の地域バランスを崩し,スタッフの通勤,患者・家族の通院を考えると問題が多い。

医療人材のバランスを崩すことに

 以前,県が栗原市への医学部誘致を図った際にも,人口6万人の栗原市に600床の大病院を作ると,地域の医療人材のバランスを崩すことになると危惧したものでしたが,人口5万人の富谷市に1000床規模の大病院というのは,医療スタッフの確保の面でも厳しい。

 なによりも,現在の3病院から,看護師・薬剤師をはじめとした医療スタッフがスムーズに移ってこれるのか?

 10年後であれば,当然スタッフは大きく入れ替わるだろうけれど,富谷市移転であれば,一定数の方が見切りをつけて,他の病院に移ってしまうのでは。

 結局統合病院ということであれば,これまでの個別の医療機関とは何から何まで変わってしまうし,実質的に全く新たな病院に勤務するようなもので,どの病院のやり方を残すのかを考えるだけでも,気が遠くなる話。混乱必至なので,医療スタッフとしても残るメリットは小さい。

 仮に,泉区・青葉区・宮城野区北部から労災病院に通勤していた医療スタッフは何とか富谷に通うことができるかもしれないが,赤十字やましてがんセンターに通っていたスタッフの通勤は厳しいと思われます。一人暮らしだったら引っ越しすれば良いけれど,家族持ちでは引っ越しは難しい。当然スタッフは女性が多いので,子育てと両立させようとすると,これまでより遠距離通勤になるのは厳しい。

 看護師や薬剤師ももちろん大変ですが,この規模の病院は医師だけでも200人を超えることとなり,スムーズに旧病院から移ってくれないと,医師確保も大変。そうなると,アルバイト的な応援医師でしのぐのも難しい立地となるのでは。

仙台圏北部の大病院は

 現在としては,泉中央駅西側に徳洲会病院があり,現在西友泉店跡地への移転が進められています。

その他に,富谷市と接する泉パークタウンには,台原からJCHO仙台病院が移転のため病院建設中である他,泉中央に仙台循環器病センターがあるなど,富谷市域には病院はなくとも,隣接する泉区にはそれなりに揃っています。

戦略的な病院誘致?

 基本的に生活機能を仙台市に依存している富谷市であり,医療に関しての仙台市依存度を下げるべく,企業誘致感覚で手を挙げたのかもしれません。

 〇これだけの大病院を誘致すれば,1000人以上の就業者が手に入り,来院者を含めても経済効果が大きい。

 〇将来的には病院近くに多くの方が住んでくれるはず。

 〇市民も大病院が来て安心。

 〇泉中央駅からのバス利用者が激増し,念願の地下鉄延伸やBRT運行に向けた需要の底上げにより,実現性を高める手段となる。

という,富谷市としては安くて広い土地を提供するだけで,これだけのメリットが生じるので,移転の過程で生じる上記のような問題は些細なことにはなるでしょう。若生市長は結構したたかだと感じています。先に手を挙げるメリットは大きい。

移転先はどこに?

 まぁ,当然移転先については,3病院の経営主体が結論を出すことで,その過程で職員の意向も反映されるでしょうが,問題は望ましいアクセスの良い,広い土地が確保でき,他の大病院とエリアが被らないところは限られていること。

 そもそも,現在病院が立地している名取市や八木山地区から大病院が消えてしまうのは,地域バランスを考えてもどうなのか?

 富谷に移転するのであれば,よっぽど名取市の現在のがんセンターや八木山の赤十字病院を核として集約した方が便利ではないでしょうか。

 記事中では,座長である東北大八重樫医学部長が,立地場所を「アクセスの良い場所に」と指摘しているようで,当然ながらこのような統合大病院を成功させるには,立地条件が第一であるでしょうね。

 この富谷市の動きを発端として,仙台市及び仙台市周辺自治体で誘致の動きが出てくればと思います。

 個人的には名取市を推したいのですが,穴場の土地としては,多賀城市の東北学院大学工学部が撤退する跡地などは,「駅から徒歩圏」「まとまった土地」,「多賀城市としても,大学撤退のダメージを補って余りある効果」と思います。時期も丁度良い。

 他,仙台市内では,荒井駅北口の農地も面白い。東部道路の仙台東ICも近く,県内全域からのアクセスも良い。

 あと,愛子地区は東北道での県内からのアクセス,仙山線が使えること,土地確保の容易さもありますが,ちょっと西に寄り過ぎの感が。

 まだ先の話とはいえ,東北医科薬科大学病院を病床数ではるかにしのぐ,東北大学病院に次ぐ規模の大病院が誕生するとなれば,失敗は許されない。統合が実現するかどうかも未知数ではありますが,この動きは注視していきます。

 

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2020年9月 6日 (日)

仙台市 バス・地下鉄「運賃値上げ」か?

 震災前は,南北線だけで1日16万人台をピークに利用客が頭打ちとなり微減傾向で14万人台まで落ち込んだ仙台市地下鉄。

 震災後は1か月以上の台原駅以北の運休もあり,さらに落ち込みながら,その後,被災沿岸部からの被災者が沿線のみなし仮設等へ転入するなど,仙台への人口集中が起こったこともあり,利用客数が反転し増加に転じました。

 2015年末の東西線開通後は,さらに東西南北を移動できる2路線目を得たことによる利便性向上により需要が喚起されました。東西線沿線への住民の張り付きが続き,昨年度までは南北線及び東西線とも順調に増え続けてきたのは嬉しい誤算でした。

仙台市地下鉄 踊り場に差し掛かる利用者数(R1.10.26)

 南北線は乗換客含みながらも1日20万人程度の利用客を確保することとなり,東西線も当初はガラガラと叩かれながらもハイペースで増加し,合わせて25万人超(乗換客の重複除く)の利用者確保するところまで伸びてきたところ,一転コロナによる大幅な利用客減に見舞われました。

 その利用客も概ね戻りつつある昨今ですが,こんなショッキングがニュースが流れました。

仙台市 バス・地下鉄「運賃改定」検討 赤字が続く 経営方針一本化

20200904-224928

仙台市交通局は赤字が続く市バスと地下鉄の経営方針を一本化します。それに伴い策定される「経営計画」について、運賃改定などを盛り込むことが確認されました。

これは仙台市交通局に設置された「中期経営計画検討委員会」が作成した計画の素案の中で示されたものです。

それによりますと、バス事業は年間30億円に上る一般会計補助金を繰り入れることで採算が合わない路線を維持し、運賃の値上げを回避してきたことなどから、喫緊の課題として運賃水準の検討を必要としています。

一方、地下鉄南北線については1987年の開業から30年以上が経過し車両更新などの大規模投資が控えていることから、経営の引き締めを図るとともに運賃改定の検討が必要だとしています。

検討委員会は、素案を基本に12月には中間案を作成し、来年2月に最終案を取りまとめる方針です(9/3仙台放送)。

 経営方針の一本化と値上げがいまいち結び付かないですが,いずれにせよ,昨年10月に消費税UPで10円アップが行われ,初乗り210円をはじめとして割高感をより感じるようになった昨今,さらなる値上げが検討されているというのはショックです。

日本一高い地下鉄?

 まぁ,開業時は初乗り大人160円だったことはうっすらと覚えていますが,定期的に値上げされ,気づいた時には全国の公営地下鉄(都営地下鉄を除く)標準の初乗り200円になりながら,それ以降は消費税のUPに伴う値上げ以外は行われずに踏みとどまっていたというのが現実でした。

 なので,頑張っていたという面が大きいですが,それでも,運賃の上がり幅は他都市の公営地下鉄と比べても大きく,「日本一高い地下鉄」という不名誉な称号を与えられて久しいこの仙台市地下鉄。

1区 2区 3区 4区 5区
~3㎞ 3~6㎞ 6~9km 9~12km 12km~
210円 250円 310円 340円 370円

 個人的には,

〇初乗り料金は消費税UPに先んじて京都市地下鉄が210円(現在は220円)と日本一高い

〇運賃の上がり幅も埼玉高速鉄道のように全線20分乗ったら480円を超える料金よりは安い(仙台では20分で340円)

と,心の中では反論を続けてきましたが,消費税10 %になった昨年10月の値上げで初乗り210円,最も利用客の多い仙台―泉中央間が310円と区切りの良い料金ではなくなってしまったことで,正直高いなぁと思うようになりました。基本ICカード利用なので,その都度料金を払う訳ではないことで,負担感は小さくなっていますが。

 初乗りについては,全国の地方大都市の地下鉄でほぼ横並び的に210円にはなっているので仕方ないと思うしかないですが,仙台市地下鉄の運賃の上がり幅の特徴として,3km毎にきれいに上がること。

 初乗りが6kmまでの東京メトロは別格としても,他都市は初乗りは3kmまでのところが多いが,次の上がり幅が4km刻みだったりして,比較的遠距離逓減となる運賃体系になっています。

 それでも,震災後及び東西線開業後の主に南北線の利用客激増で経営的に一息つき,そんなに古びていないように見える南北線の車両更新の話がでるなど,当分は大丈夫かと思っていましたが,その車両更新を原因とする「運賃値上げ」が今回謳われているのであれば,車両更新のペースをゆっくりにするなど,無理ないペースでやれば良いのではと。そもそも施設の老朽化を踏まえた減価償却費を計上していなかったのかという疑問も。

市バスの経営悪化

 一方,地下鉄よりも市バスの方が将来性は悲観的で,一般会計からの繰り入れ金の額も東西線開業後に激増し,年間30億とのこと。

 いつの間にかに減便改正を繰り返し,ターミナル駅発22時以降の便が消滅した宮城交通。利用者はあきらめムードにある他,スポンサーであるためか地元マスコミもほとんど取り上げない(5月に河北がちょっと取り上げた位)のに対し,市営バスのダイヤ改正には市民への事前の説明が必須なのを良いことに,市政与党を標ぼうするK党が目を光らせており,また沿線住民も東西線開業時のバス再編や減便に反対一色となり地元マスコミが格好の餌食として取り上げていました。

 それで減便率がわずかに留まり効率化が進まず,(わずか1割負担の高齢乗車証利用者を中心とした)向山など一部沿線住民が望むようにした結果,運賃の値上げを強いられるというのは腑に落ちない。

 とはいえ,下記過去記事で述べたような非効率な運用も多かったりするので,見直しは避けられない状況です。

仙台市地下鉄&市バスの新しい動き(4)苦悩が続く市バスと経営改善に向けた取組(H29.11.19)

 値上げについては,まずは都心部120円パックを通常の初乗り150円にすることで,同じ事業体の地下鉄との無駄な競合を避けること(それでも地下鉄より60円安いので妥当な料金),東西線3駅の100円均一区間の見直し,荒井駅近辺などほとんど乗っていないバス路線の減便など,メスを入れるべきところに手を入れるのが先では。

 八ツ森のようなデマンド交通化なども含めて,やれるところから徐々に進めている印象ですが,終点近くまで乗ると500円を超えるような郊外長大路線の扱いなど,大手術は必要な状況。まあ,コロナの感染拡大防止で3密を避けるなどの要請があり,乗客増が見込めない状況であれば,値上げに走るのが手っ取り早い収支改善方法なのでしょうが,市バスに関してはちょっと安易では。まだやるべきことはある印象。

 従来であれば,宮交への一部路線移管も検討されたのでしょうが,このコロナでその宮交が大ダメージを受けているし,自前路線もボロボロの状況なので,市バスからの移管を受けられる状況ではない。そもそも,過去に宮交に移管したパークタウンなどの泉区内路線が軒並み今回の減便の影響を受けていることから,沿線住民は仮にそういう話があれば移管に大反対するでしょう。

公共交通の位置付け

 そもそも,日本の公共交通機関は,独立採算制を強いられ,コロナ以前から地方の路線を中心に減便や廃止,値上げを繰り返す形で縮小が続いています。

 今回のコロナ禍により,JR東日本や東海などのこれまで年間数千億円レベルの黒字を上げていた恵まれていた大手でさえも莫大な赤字に見舞われました。長距離需要が吹き飛んだことは全く予想つかないことですが,東京圏のJRなどの通期電車の乗客が2~3割減っただけで経営が成り立たないというのは,根本的にスキームがおかしいのではと思います。

 まぁJRは国鉄民営化の命題として,本州3社は消費税UP以外の値上げは極力タブー視されていました。従来本州3社については長距離旅客需要の増,合理化の進展もあり収益を上げ続けられたことから,値上げをせずに済んできたという経緯もあり,極端に安い概ね15㎞以内の近距離運賃や,高すぎる定期割引率(仙台長町間では,JR定期は市営地下鉄の半分未満の料金)が温存されていたことで,大都市圏では私鉄と比較しての競争優位が起こってきました。

 なので,JRに対してはある程度の収益改善を図るため,その歪んだダンピング的な近距離運賃と定期運賃の見直しを認めるべきかと思っていますが,それ以外の私鉄・公営地下鉄については,もともと運賃も安くはなく,定期も20日以上乗らないと元が取れず,週休2日制があたりまえの昨今では休日に乗らない人にはあまりお得感がないような設定のところが多いので,これ以上の運賃値上げによりカバーすることは非現実的。やむを得ず値上げを進めることになれば,「利用者減→自家用車への転移→経営状態の更なる悪化・道路混雑の悪化」と社会としても便益が悪化することが見えています。

 公共交通機関は,社会的インフラであり,自家用車との適切な役割分担を図る意味でも,公共交通機関を使いやすく維持するのは行政の責任でもあり,独立採算制に縛られ過ぎなのはどうなのかとは思います。人口減少に向かう世の中なのに,特定財源の存在から,新たな道路建設が聖域視されており,次から次へと改良された新しいバイパス道路が作られている一方,既存の道路インフラの維持管理費が厳しい状況になっているアンバランス。また道路部門と公共交通機関部門とのアンバランスも。

 仮に,道路予算の1%でも公共交通機関へ向けられることができれば,このコロナの状況での各経営体の存続危機状態を緩和させ,持続的な経営に向けて立て直すことができるのに。

 なお,仙台市バスの年間30億の一般会計繰り入れというのは額としては大きな金額であり,ある程度の効率化は必要ですが,道路予算とのバランスを考えると高すぎる訳ではない。市民の自由な移動を促進する意味では,必要経費ではあります。

経営計画の一本化?

 経営計画の一本化というのが,同じ企業体ながらも運営は別個である地下鉄部門とバス部門をより連携させるという方向であれば,内容はよくわかりませんが歓迎すべき話。現時点では地下鉄―バスでのicscaでの乗り継ぎポイント付与はありますが,予算も決算も運行計画も別個というのはどうなのかと思うので。

 地下鉄とバスの重複路線の解消とバスの乗り継ぎフィーダー化などは,バス側からすると運賃収入が激減しますが,地下鉄側としてはその分の運賃収入が見込めるという面はあります。会計の一本化は無理でしょうが,経営計画だけでもトータルで見れるようになれば良いと思います。
 

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2020年7月 8日 (水)

藤崎本館建替と大規模再開発始動!

今日飛び込んできたビッグニュース。

昨年,藤崎の創業200周年の式典に合わせて,「新店舗計画を2020年に決めたい」と表明していました。

藤崎 来年に新店舗計画(R1.10.10)

ただし,新型コロナ感染症の蔓延により,従来型の不動産開発は見直しを余儀なくされており,リアル商業からネット通販への更なる移行が必然とされるなど,この藤崎建替えにも大きな影響を及ぼすことが必至でしょうが,このタイミングでの建替えを含む再開発計画の始動は驚きでした。

Fujisaki


藤崎(仙台市青葉区)/本館建替に合わせ周辺地区一体再開発/事業協力者の公募開始

地場百貨店の藤崎(仙台市青葉区、藤崎三郎助社長)は仙台市中心部にある本館を建て替える。本館周辺の地権者と連携し、組合施行による第1種市街地再開発事業として新しい本館を整備。周辺にある複数の建物も一体的に建て替え、新たな商業・業務・複合交流拠点を形成する。8日から単体のゼネコンを対象に、事業計画作りや保留床処分の提案などを支援する事業協力者の選定を始める。
 既設の藤崎本館を含む再開発検討区域は仙台市青葉区一番町3の1~2。仙台駅西口から延びる道路「青葉通り」沿いにあり、地下鉄の青葉通一番町駅と直結している。
 区域面積は約1・7ヘクタール。用途地域は商業地域で、容積率800%、建ぺい率80%がそれぞれ上限に指定されている。同区域は国が指定を予定する特定都市再生緊急整備地域の候補区域にも入っている。
 藤崎本館の建て替えを巡っては、3月30日に地権者16人でつくる「一番町三丁目おおまち南地区再開発推進協議会」が発足。会長を藤崎社長が務める。将来的に再開発組合を設立し、第1種市街地再開発事業による藤崎本館や周辺建物の建て替えを目指す。
 協議会の活動を支援する都市デザイン(東京都千代田区)によると、現時点で建て替え後の棟数や延べ床面積などの全体的な施設規模は未定という。
 当面は藤崎を中心とする同協議会として事業協力者の選定手続きをプロポーザルで実施。8~15日に募集要項を配布し、29日に応募登録書の提出を締め切る。8月20日まで提案書の提出を受け付ける。9月に優先交渉権者を選定し、10月までに協定書を締結する。
 募集は単体のゼネコンに限定。事業協力者や特定業務代行者などの立場で過去10年以内に市街地再開発事業の参画実績があることや、中心市街地で延べ5万平方メートル以上の複合施設建築物の設計・施工受注実績があることなどを条件とする。
 都市デザインによると、将来的には再開発施設の施工を担う特定業務代行者を別途募集する予定。今回選定した事業協力者も特定業務代行者の選定手続きには応募できるようにする。
 藤崎本館の建て替えは仙台駅西口前にある旧さくら野百貨店の建て替えと並び、仙台市中心部では最も注目される大規模再開発の一つになる。(7/8日韓建設工業新聞より引用)

開発の概要

〇区域面積1.7ha

〇容積率 800%

〇建蔽率 80%

〇都市再生緊急整備地域(平成14年10月 指定)

※特定都市再生緊急整備地域の候補区域

と,大町アーケードとサンモールアーケード,青葉通,仙台ファーストタワーに囲まれた大規模な開発面積になり,現在瓦解した仙台駅南のいわゆるエンタツ再開発予定地,又はトラストタワーの再開発地の面積に匹敵します。

Redevelopmentplace

 

 昨年10月の予想記事では,藤崎を含んで同一ブロックで0.7haで地権者をまとめるのも厳しいのではと予想していましたが,東側の区画道路を含みファーストタワーまでの大規模再開発になるとは,全く予想していませんでした。1.7haもあるのかというのがこのニュースを聞いての感想でしたが,対象範囲を見る限りでは,区画道路を含む他,青葉通とアーケードの幅員の半分まで含まれているので,これらの道路面積を除く実面積は約1.2haなので,この面積だと納得できる。

 まぁ,ファーストタワーまでつながれば,藤崎の飛び地店舗になっているファーストタワー館にうまくつなげることができるか?

建替え期間の仮店舗は?

 本館の建替え期間は,この規模の再開発となれば5年以上の工期は下らない。その期間,本館を除いた大町館と一番町館そしてファーストタワー館のみの営業になる訳はなく,仮店舗はどうするのだろうと。

さくら野跡地 ツインタワー超高層再開発か!?(3/20)

 では,さくら野跡地のPPHD再開発で想定される2万平米程度の商業床を活用しての駅前店を出店し,建替え期間中の仮店舗的な役割を持たせる可能性も考えていましたが,藤崎敷地にとどまらず,ファーストタワーまで再開発地が広がるとなると,ファーストタワー隣接地を第1期として開発し,そこに藤崎を先に移転入居させ,その後現藤崎敷地を中心に専門店,オフィス,住居?が入る第二期開発とすれば,再開発中もこの大町・一番町エリアに核店舗の藤崎が留まることができる良い案とも言えます。

 ただし,東西線青葉通一番町駅と地下で接続する上,おおまちとサンモールの両アーケードの角に位置する現店舗の立地条件と比べると,アクセスは悪くなってしまう。せめて,東二番丁通にも面していれば存在感を含めて余りある店舗になるのですが。。。

事業者募集概要

 コンサルは,東京の都市デザインという会社。下記の概要のもとに,事業協力者が選定されます。応募要件は同規模の大規模再開発の経験を持つ事業者なので,首都圏での再開発に携わった事業者からの応募が予想されます。

【再開発推進協議会】
 名 称: ⼀番町三丁⽬おおまち南地区再開発推進協議会
 設 ⽴: 令和2年3⽉30⽇
 構 成 員: 計画区域の地権者 16名
 会 ⻑: 藤﨑三郎助 (株式会社 藤崎 代表取締役社⻑)
 ⽬ 的: 「おおまち地区まちづくり構想」に沿って再開発の事業化を図るため、「まちづくりの具体的な計画(再開発基本構想)」 の⽴案、適切な「事業⼿法の確⽴」、それらを元にさらにまちづくりを推進するための「再開発準備組織の設⽴」を⽬的とする。


【事業協⼒者の選定スケジュール】
 ・募集要項の配布 7⽉8⽇(⽔)〜7⽉15⽇(⽔)
 ・応募登録書受付締切 7⽉29⽇(⽔)
 ・提案書提出締切 8⽉20⽇(⽊)
 ・優先交渉権者決定 9⽉
 ・事業⽀援に関する協定書締結 9⽉〜10⽉


【事業協⼒提案の内容】
 1 事業推進⽀援・事務局⽀援についての提案
 2 計画作成についての意⾒・提案
 3 保留床処分に関する提案


【応募要件】
 1 総合建設業者。(単独企業での応募に限る。)
 2 過去 10 年以内に市街地再開発事業の参画実績(事業協⼒者、⼀般・特定業務代⾏者、特定建
  築者)を有する者。
 3 中⼼市街地において⼤規模な複合⽤途施設(延床⾯積5万㎡以上)の設計⼜は施⼯の受注実績
  を有する者。
 4 その他、募集要項に定める要件を満たす者。

 この再開発計画については,引き続き追っていきます。

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2020年5月30日 (土)

阿武隈急行 10月全線復旧へ&新型車両仙台駅乗入れ

 昨年10月の台風19号で大きな被害を受け,県境区間が未だ不通のまま,また車両基地がない宮城県側は朝晩の運行のみとなっている阿武隈急行。

 当初は村井知事の必ずしも鉄道での復旧に拘らないという発言にビクビクしていましたが,上下分離を前提とした復旧費のほぼ国費負担の制度ができ,ひとまず今夏までに不通区間の回送運転により,宮城側の昼間の運行が再開との話がありました。

 阿武隈急行 全線復旧なるか? (R1/11/28)

 この話が出たら,車両基地への回送運転だけに留まるわけはないとは思っていましたが,台風被害で不通になって約1年の10月をめどに全線復旧を目指すという話が出て,ホッとしました。

福島市と宮城県柴田町を結ぶ第3セクターの阿武隈急行は、去年の台風19号の影響で不通となっている区間について、ことし10月をめどに運転再開を目指すことになりました。

福島県と宮城県や沿線の自治体などが出資する、第3セクターの阿武隈急行の取締役会は26日、福島県伊達市で開かれました。
阿武隈急行は、台風19号の影響で、現在、伊達市の富野駅と宮城県の丸森駅の間の15.4キロで不通となっています。
26日の取締役会では、復旧作業が続くこの区間について、ことし10月をめどに運転再開を目指すことが報告されました。
また26日は、ことし3月までの1年間の決算が発表されました。
それによりますと、本業の鉄道事業営業収益は5億8800万円で、前の年度に比べて9000万円、率にして13%減りました。
台風の被害や新型コロナウイルスにより、乗客数が、前の年度に比べ12%減って、216万人あまりになったことが影響しています。
そして台風19号などによる被害の損失が9億1500万円にのぼり、最終的な損益は10億4000万円の赤字となりました。

この赤字額は過去最大です。

26日はこのほか、千葉宇京社長の後任に、仙台空港鉄道の菅原久吉社長が就任する人事案も発表されました。(NHK 5/26

コロナによる公共交通機関への影響

 コロナの影響で,主要客の高校生や大学生の利用が皆無になっていました。福島側には福島学院大駅もあるし,福島大学への通学も。

宮城県側でも仙台市内の大学へ通う需要も消えてしまい,ようやく高校が再開する6月から乗客数も回復に向かうでしょうが,この数か月の乗客減のダメージは大きく,運営資金も厳しい中運行を続けなければなりません。

 よって,夏に宮城側の昼間の運行が再開し,秋以降に全線復旧したとしても,運行本数が台風前を維持できるかというと厳しい状況です。

 特に,県境の閑散区間でも毎時1本近くは確保してきたのが,昼間は2時間に1本程度になってもおかしくはない。宮城側である程度丸森折り返しを残すなど。

 県境区間は観光需要と,角田・丸森両駅と福島駅(そして新幹線乗継東京方面)の需要に支えられてきたのに,観光も東京方面への流れも,秋までどの程度回復するかが鍵。

 仮に多少減便になっても,需要から考えると十分だし,県境区間が再開するだけでも十分かなと思っています。

仙台直通に新型車両

 宮城側での明るい話題といえば,5月18日から仙台駅直通列車の置き換え運行が開始され,阿武急の新型列車AB900系が仙台駅に毎日顔を出すことになりました。

 JRのE721系の亜種であり,従来の2ドアと異なり普通列車が3ドアに統一できたことで,特に朝夕の混みあう時間の仙台乗り入れ列車に新型車両の効果はテキメン。従来の2ドア車両だと,うっかり押されて車両真ん中あたりまでは行ってしまうと,途中駅で降りるのが苦悶だったり,4両編成というのもあり,朝の下り,夜の上りは前後の電車と比べても体感的に混んでおり,避けられる存在でもありました。

 何といってもステンレスベースでピカピカ。斬新なデザインです。順次置き換え中で,年1編成ペースでは,ようやく2編成(4両)が投入されたところなのに,その2両とも宮城側で運行というのは,福島側にとっては複雑な気分でしょうね。この車両が能力を発揮するのは仙台側のラッシュであるのは間違いないにせよ。

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車内はJRやアクセス線とほぼ同じデザインながら,座席のモケットの色は特徴的。

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車内広告は当然独特で,福島側の広告が多く新鮮です。

この写真は発車10分前の先頭車両なので,まだガラガラでしたが,発車間際には次々と乗り込んできて,立ち客もパラパラでる位でした。

緊急事態宣言明けの週でもあり,学生はともかく通勤客は大分戻ってきつつありました。

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 これは,長町駅で下車した時の発車直前の状況。長町駅でかなり下車した後でも,席は埋まり,立ち客もいます。線路が分断され車両のやりくりが大変な状況の中,阿武急には宮城側に貴重な新型車両を回してくれて感謝です。

阿武急の今後

 阿武隈急行は,現在では珍しい2県に跨り運行する第三セクター鉄道で,車両基地や変電所を福島側に頼っている状況からは,いまさらそれぞれに分断するのは困難な路線です。国費を使って復旧したからにはあと長期的な運行を担保しなければならず,少なくとも20~30年は運行を確保することになりますが,このような珍しい状況だからこそ,片方の県の意向のみで決められないメリットがあったのかも。

 福島県としては輸送密度が極端に低い只見線を力技で復旧させて,阿武急を復旧断念というのはありえないので,宮城県が仮に阿武急県境部の廃線を希望しても福島県と合意する訳がない。

 コロナ後の観光需要がどの程度戻るかによるけれど,せっかく復旧させるこの区間。観光需要の掘り起こしなど両県協力しての活用を図らなければ。

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