東北

2023年6月 7日 (水)

札仙広福の人口密度比較 その3 北の200万都市!札幌編

 ヨドバシ仙台第1ビルオープン騒ぎの週末も終わったので、『札仙広福の人口密度比較 その2 サミット開催中!広島編に続き、北海道の富を独り占めする200万都市札幌編です。

 札幌へは、4年前に18年ぶりに訪問しました。その間北海道に行くことは3回ありながら行き先が函館のみだったり、新千歳空港からレンタカーで富良野などの目的地に直行したりして、札幌の優先順位が低くなってしまったのは、北海道の広さと観光名所の多さ故。

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 やはりその直近の訪問時でも、札幌への滞在は初日の夜から早朝までと最終日の午後のみで駆け足での滞在となったことから、札幌オンリーでまた行きたくなっています。エスコンフィールドもオープンしたし。

 まずは前回同様、比較用に仙台都心部の人口密度分布図を

今回も、にゃんこそば氏(@shinagawajp )の「人口密度 等高線マップ」から引用させて頂いています。

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まんべんなく高密度の都心部

  仙台と比べると、とても同じ縮尺とは思えないほど、地下鉄駅や市電環状線内を中心として真っ赤な高密度エリアが固まっており、その周辺に面的に8000人/㎢以上のオレンジのエリアが覆いつくしています。仙台で目立つ黄緑色は一部にとどまっているほど、平均的に高密度な市街地が広がっているのが分かります。また、仙台にはほぼない紫色の超高密度のエリアも、市電環状線内や地下鉄東西線の琴似駅、円山公園駅周辺に分布しています。

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 なお、都心部の市街地内に一部真っ白のエリアがありまあすが、札幌駅や桑園駅の北側は言わずと知れた北海道大学のキャンパスや札幌競馬場、札幌駅の南側は道庁をはじめとしたオフィス街と北大植物園で、街中であっても広大な緑豊かな空間が広がっています。また、大通公園も街のど真ん中に横たわっているほか、円山公園駅の西側は北海道神宮や円山公園などの憩いのエリアです。また市電エリアの南西には展望台で有名な藻岩山があり、都心部の程近くに緑あふれる空間が広がっています。

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信じられない人口激増

 札幌市の発展の象徴としては、昭和47年の札幌オリンピックを機に開発が進んだという印象ですが、それだけでなくその前後コンスタントに人口が激増してきました。

 昭和30年頃では当時の市域人口42万人と仙台市とほぼ同規模でしたが、そこから隣接した豊平町の合併の他北海道内から札幌への物凄い人口の一極集中が進み、昭和40年には10年間で何と2倍の80万人に、昭和45年には100万人の大台を突破し、オリンピック開催年の昭和47年に、福岡市や川崎市と同時に政令指定都市になっています。仙台では100万人へ到達するのに45年かかったのに、札幌はわずか15年と信じられないスピード。

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札幌市HPより引用】

 理由として、道内都市の跡継ぎでない次男三男が札幌を目指したこともありますが、産炭地の急速な衰退・閉山で夕張・空知などから流出した人口が札幌に向かい、人口ダム機能を果たした面があり。これは筑豊炭田の閉山での福岡市も似たような面があります。震災での人口流入はせいぜい数万人の仙台市と比較しても桁違いの人口流入が生じていました。

 また、東京に近く陸続きである東北は、仙台を経由せずに直接東京に移ることの抵抗は小さいのと比較し、北海道内で札幌に留める力は大きなものだったのでしょう。それは九州における福岡も同様。

 現在の市域人口だと、昭和35年の約60万人から昭和55年の140万人までの20年間で80万人増と信じられない激増ぶり。5年毎に平均20万人以上ペースで人口が増え続けています。

 さらに、そこから現在までの40年間で人口増のペースは落ちながらもそれでも更に50万人増加し、200万人に迫っています。

地下鉄の存在感の強さ

 札幌の地下鉄建設の際に、「熊でも乗せるのか?」という嫌味な大蔵省の役人が言い放ったという逸話がありますが、その時で100万人近い人口だった札幌に対して、何を言っていたのかという感想。確かに3大都市圏に続く地下鉄建設構想だったとはいえ、東京目線の見下す視点は気持ち良くない。

 その札幌の地下鉄が認められていなかったら、そのさらに後発で人口規模も小さい仙台市の地下鉄建設が認められる訳がなく、またはかなり遅れてしまっていたでしょうから、札幌には感謝しないと。

 札幌冬季オリンピックの前年に、第1期として整備された南北線の真駒内ー北24条を皮切りに、2000年までに南北線、東西線に続き、3本目の路線として東豊線までの48kmが30年弱で整備されながら、先行の南北・東西線は良い時期の建設だったのに対し、バブル期の高金利時期に建設した東豊線の債務や利子負担の大きさと、その後の南北・東西線の乗客が伸び悩んだことで、借入金を返済するのに精いっぱいとなり、構想にあった東豊線南進での清田区延長は現在まで着手に至っていません。最後の延伸が1999年の東西線琴似ー宮の沢間で、そこから24年間路線が変わっていません。少なくとも人口は15万人以上伸びているのに、既存の地下鉄やJR沿線で吸収しているために、沿線の人口密度が高まり続けた印象。また近年は都心部のタワーマンションが恐ろしいペースで建設され、裕福層を中心に都心回帰の様相も。

 地下鉄の利用者数も多く、コロナ前の乗車人員では計60万人超で、コロナ禍でのR3年度では計50万人を割っていますが、それでも仙台乗車人員の2倍を優に超える乗車人員で、その沿線は稠密な市街地が広がっています。

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Wikipedia 札幌市営地下鉄 より引用】

 特に人口密度が高いエリアとしては、大通から南東部の東西線と東豊線、南北線が密に3本平行している地区。

 札幌ですごいと思うのは、その高度成長期をはじめ近年を含めた激増した100万人以上の人口を、可能な限り旧市街地に近いところから順次進めた開発地で収容しようとしたところ。それは開拓地北海道ならではなのでしょうが、それらの住宅地は結果的に同時並行的に順次延伸整備された地下鉄沿線3路線6方面や、JR化前後に設置された10駅以上の新駅周辺を中心に開発しています。

 いわゆる駅から離れた住宅地群は、東豊線延伸が待ち望まれながら長年凍結されている清田区のエリアや、札幌駅から北東部の函館本線以北の鉄道空白地帯位で、そういった鉄道空白地帯や駅から多少離れたエリアもバスでカバーされ、最寄りの駅に接続している印象です。札幌市は、特に地下鉄ーバス乗り継ぎ割引が充実しているということも。

 地形が基本的に平坦で、開発可能地が広がっていたためとはいえ、それでも住宅地の地価水準が仙台よりも平均で安いというのは、交通の利便性や都市規模を考えると驚き。昔の話ですが、北大に行った知り合いから、札幌駅近くで家賃3万円が普通と聞いて驚いたことがありました。最近は上がっているにしても、冬季の暖房費を含めても住居費に関しては恵まれています。

 また、ホットなエリアとして、JR苗穂駅の駅舎移転にあわせた駅南北へのマンション林立も進んでいます。

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仙台のスプロール住宅地展開

 仙台市でも高度成長期の東北各地からの人口激増がありましたが、政令市化の時点で市域人口の約半分を占める40~50万人規模を鉄道駅から離れた丘陵部のニュータウン開発で収容せざるを得ず、地下鉄開業前では、市内の鉄道沿線の計画的な住宅地開発は限られました

 JR仙石線沿いは、昭和50年代新設の中野栄駅北側のエリア、JR東北本線は南仙台駅西側の西中田・柳生のエリア付近に留まり、その他鉄道駅付近での区画整理は行われませんでした。地下鉄開業を見据えてのものは、南端の長町南駅と富沢駅の間、そして北端の泉中央駅と八乙女駅付近で区画整理が実施された位で、このエリアは現在でも良好な都市基盤が残り、マンション適地の住宅地として人気を集めています。

 そしてJR仙山線の国見・北山駅付近は駅ができる前からの乱開発が進み、JR化を見据えた都市内交通重視の流れから新駅開設と増発が行われましたが、基本的にニュータウン型の住宅地は軒並み駅勢圏外で、特に仙台市北部は北環状線の内側がそういった開発で埋め尽くされました。

 当時は市北部方面とを結ぶ幹線道路が現在の仙台泉線で双方向で3車線しかなく、数珠繋ぎのバスで交通麻痺がおこっていたことから、都市規模に比して贅沢と思われた地下鉄南北線が国から認められましたが、それでも面的に広がったニュータウンや乱開発住宅地を1本の地下鉄でカバーできる訳がなく、南北線の北部は、泉中央と都心部を結ぶ郊外電車となり、さらに富谷などの遠方の開発を促進する皮肉な側面もありました。

 仮に昭和40年頃に進められ破談となった仙塩大合併による政令市化がもしも失敗していなければ、当時の重要都市であった塩釜市との間で開発余地があった、東北本線と仙石線の間などの開発が進んでいたのかもしれませんが、東部の田園地帯は耕地整理も進んでいた故に農地法の転用制約があったため、当時はより開発に関する制約が小さい仙台北西部や北部の丘陵地が地権者自ら進んで、もしくはデベロッパーで取り合いとなり、その『ニュータウン内』としては整った住宅地であっても、『ニュータウン同士』及び『都心部との交通』が何も考えられていない全体としての乱開発を止められず、そのツケが現在に続いているという状況です。せめて仙台駅からバスで30分圏の北環状線まではやむを得ないにしても、東北自動車道(以下地図の左上の黄緑線)に及ぶ開発は止めて欲しかった。また、真っ白なエリアの未開発の田園や山の先に開発された泉パークタウンや利府のニュータウン群などの非効率さも残念です。

 下に並べたのは、より広域の両都市の人口分布図ですが、鉄道沿線であってもオレンジ色の分布が限られ、郊外部の赤色は長町駅や河原町駅、卸町駅付近に限られている仙台。

 改めて驚いたのは、人口が集積していると勝手に思っていた北の副都心の泉中央がオレンジ色にとどまっていること。長町のようなタワマンはないにせよ、現在進められている泉区役所再開発で賃貸住宅が併設されるとのことですが、 もう少し人気の泉中央に居住人口を集めるべきではと。

【仙台市広域図】

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 一方札幌は、地下鉄を中心とする鉄道沿線の駅付近は軒並みオレンジ色に塗られ、さらにより高密度な赤色が南北線と東西線を中心に広く分布していることから、人口規模が2倍近い都市であるとはいえ、雪国であることからの地下鉄沿線に集約するコンパクトシティの考え方が50年前から自然に実現してきたと言えるでしょう。

 あと、札幌で素晴らしと思えるところは、地下鉄が整備された時期が大店法時代ということもあるのでしょうが、各駅毎に当時のダイエーを中心としてそこそこの規模の商業施設やバスターミナルが併設されているところが多いこと。現在でさえ、ダイエーの破綻でイオンに引き継がれたり、さらに郊外の商業施設との競争で厳しくなっているところがあるとはいえ、地下鉄駅前にしっかりした商業施設が残っているのは、駅周辺人口の多さもあるのではと思います。

【札幌市広域図】

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再開発が進む札幌 

 1972年の冬季オリンピックとそれに合わせた都市開発ラッシュで成長した札幌は、前回の建設ラッシュから50年が経過し、建て替え時期に入っていることもありますが、東京五輪の汚職事件で誘致の機運が下火にはなっていながらも、都市開発の面では起爆剤として期待されている2034年の冬季オリンピック及び北海道新幹線延伸を目標とした札幌駅や大通駅周辺の再開発ラッシュに沸いています。

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 写真は現在北海道一の高さのJRタワーですが、これを超える関東以北最高高さとなる250m級のJR再開発ビルや、仙台に続くヨドバシカメラの複合商業施設が入る再開発ビルが札幌駅前に計画されており、大通地区でも至るところで高層ビルによる再開発が進行しているのは驚愕もの。

再開発の出足が遅い仙台

 まぁ、仙台の建築ラッシュは東北新幹線開業の1982年から地下鉄開業の87年、政令市化の89年に至る約10年間なので、札幌と比較して10年間はピークが遅いことから、まだ建物が新しく再開発が切実な問題になっていない面があります。

 とはいえ、その建築ラッシュの前に建てられた電力ビルや市役所は築60年で現在建替え・再開発が始まっていますし、駅前のイービーンズもそれに電力ビルに近い築年数であったり、リニューアルで延命するもの限界に近づいています。

 結局このような再開発は、何やら言いながら先に着手したもの勝ちのところがあり、特に商業テナントやホテルなどの誘致に関しては先に手を挙げたほうが先行者利益を得ることとなり、また昨今建築費の増大が進行中であり、チキンレースとなりながらも、徐々に電力ビル再開発に触発され、藤崎周辺やさくらの、読売仙台ビルなどに波及していくと思っています。

札幌にも迫る人口減

 このように北海道中から人口を集めて200万人に迫るまで成長してきた札幌ですが、200万人に届くか微妙な状況で、特に深刻なのは高齢化率の高さからの自然減の増加ぶり。札幌は高齢化率の高さとボリュームの厚みから、近い将来始まる急激な人口減少時代をどう切り抜けていくかがテーマとなります。札幌市の予測では37年後の2060年度に143万人と現在よりも50万人以上も減少することに!

 令和3年末現在の高齢化率は仙台の24.8%(政令市のうち下から4番目)に対し、札幌が28%(同 上から8番目)と高いのは、旧産炭地からの人口流入の後遺症や札幌に出た子供達が親を呼び寄せ、また高い医療サービスを求めての自主的な流入などによるようです。

 利便性の高い鉄道沿線の住宅地には穴埋めで流入する動きもあり、基本的に人口減は周辺の不便な住宅地から始まるものと考えられますが、人口減時代にどのように住宅地をたたんでいくかという観点は、仙台よりも一足早くダイナミックに人口が減少する札幌をお手本として、注視していきたいと考えます。

過去記事

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2022年12月25日 (日)

久々の新潟 その(7)新潟の強みとクルマ社会の功罪

さて,このシリーズもどのように締めようかと思いながら,年末になってしまいました。

〈前回記事〉

 久々の新潟 その(6)高架化されたJR新潟駅 

 仙台市と新潟市,同じ東北電力管内の二大政令市で,ともに東京からの新幹線で最短約90分というところは共通ながらも,他の要素はあまり似たところがないのが面白いと思い,その点を中心に記事にしてきました。

両都市の比較表

  仙台市 新潟市
人口 109万人(旧市域約80万) 78万人(旧市域約50万)
地形 丘陵地と平野の境目 ほぼ平野
主要駅 在来線は地上のまま。新幹線ホームはメイン口側。駅ビルを含め,商業機能が集積。 在来線は今年高架化完成。新幹線ホームは裏口側。駅ビルなど商業機能は弱い。
鉄道(JR) JR4方向+東北新幹線 JR3方向+上越新幹線
鉄道(その他) 地下鉄南北線・東西線 ―(新潟交通軌道線廃止)
バス 市営バス中心,宮交等が補完 新潟交通(BRT含む)

道路(一般道)

都心部は戦災復興で片側3~4車線と街路水準が高いが,郊外方面は西道路以外ほぼ平面交差。都市計画道路も細切れ多し。 都心部は片側2車線が多いが,郊外は全長30km以上の新新バイパスを軸に,主要国道は立体交差処理。一方,それ以外の都市計画道路整備率は低い。

道路(高速道)

東京方面は東北道と常磐道。市の外縁部は環状化(東北道,仙台東部・南部・北部道,三陸道)。 東京方面には北陸道,福島方面には磐越道。市内でバイパスと並行する日本海東北道は存在感薄し。
空港 市外に立地。アクセス鉄道あり。 市内に立地。バスのみ。
スタジアム 野球もサッカー場も駅近 野球もサッカー場もIC近く
大規模SC 都心部のSCは駅ビル(エスパル)。(計画:イオンモール雨宮)。郊外は地下鉄駅前の長町のザ・モール,泉中央アリオ&セルバ。一方巨大イオンモールが市外2か所に立地 都心部に疑似巨大SCの万代シテイ。郊外の幹線道路沿いには数か所イオン・アピタなどのSCあるが,大規模なものはない。
百貨店 藤崎・三越(さくら野閉店) 伊勢丹(三越・大和閉店)
アーケード 仙台駅から一番町まで連続 古町に平行して複数
地下街 なし 古町に西堀ローサ
都市構造 仙台駅中心+一番町(アーケード) 万代シテイ中心+古町+新潟駅前
コンベンション施設 都心部に中規模(市:国際センター),郊外に大規模(県:夢メッセ)に分散。 都心部にホテル・会議場併設大規模展示場(朱鷺メッセ)
親水空間 仙台港は街中から10km。広瀬川も都心部外縁で,基本は内陸都市。 日本海が街中から近い。信濃川が都心部を二分し,水辺が身近
高等教育機関 学都。東北大,学院大の存在感強し。 全国屈指の専門学校進学率。
影響圏 東北一円 新潟県内のみ

新潟市の強み

 人口規模やブロックを統括する中枢機能,地下鉄などの都市機能全般については,当然ながら仙台に分がありますが,部分的には新潟市に強みがある分野も存在します。

①都心部の大規模商業施設

 都心部については,巨大疑似SCの万代シテイの存在が強みになっている点は記事にしましたが,旧来型のアーケードが衰退し,新潟駅前の商業機能が弱い一方,都心部にこれだけの商業機能が集積しているのは一点集中型の良さであり,バスターミナルを併設しているため,公共交通の利用促進の相乗効果も見込めます。

参考記事

久々の新潟 その(4)仙台の都心部の商業集積について考えさせられた

②都心部のコンベンション機能

 新幹線駅から徒歩圏に存在する朱鷺メッセは学会や大規模ライブで頻繁に活用され,来年はG7財務相会合の舞台になるなど,政令市移行前に新潟県が整備したコンベンション施設(展示ホール・会議棟・ホテル)が結果的に強みとなっています。

 また,大規模ライブの会場が都心部の朱鷺メッセ(最大キャパ約8千人)一択となっているのは,スタンド席がなくアリーナのみ平面で見にくいという欠点はあれども,立地は本当に羨ましい。

 仙台では最も大きいアリーナ施設である,県営体育館(セキスイハイムスーパーアリーナ)がよりによって隣町の駅から徒歩50分かつ仙台駅からシャトルバス1時間(最大キャパ7千人)というクソ立地であるため,キャパ重視の大物のライブには全く行く気になれず,東京方面からの遠征の方にとっては本当にお疲れ様というか申し訳ない。神会場のあすと長町のゼビオアリーナ(最大キャパ6千人)がもう少しキャパが大きければ良かったのですが。

 コンベンションでも,仙台は郊外に県運営の夢メッセ(展示場は朱鷺メッセに匹敵する7500平米だが,会議棟は小規模),都心部かつ東北大に隣接し地下鉄駅直結の市国際センター(1000人収容の大ホールを含め会議棟は充実しているが,展示棟が3000平米と小さい)と五十歩百歩で,ともにホテル併設ではなくワンストップではないところが,近年の会議誘致が伸び悩んでいる原因にもなっている印象です。

 放射光施設ナノテラス整備に絡めて誘致に成功した来年のG7科学技術相会合は秋保温泉の佐勘が選ばれたとか。警備の都合は分かるにしても,そのナノテラスに近い,せっかく展示棟を整備した国際センターが前回に続いて使われないという勿体なさ。まぁ,地下鉄東西線駅に隣接するため,警備に気を遣うということはあるのでしょうが。地下鉄を止める訳にもいかないし。

参考記事

国連防災会議開幕&国際会議誘致について

 (2015.03.14)

③圧倒的なバイパス網

 それに,新潟市といえば,何といってもバイパス道路整備水準の高さが特筆的。特に新発田市から新潟市西区まで約37kmを無信号の立体交差,片側2~3車線で結ぶ新新・新潟・新潟西バイパスの圧倒的な存在感。

 仙台近郊の4号バイパスで37㎞といったら,北部道路富谷IC入口交差点から,岩沼市の6号線との分岐交差点までの距離に匹敵します。その区間が無料の信号なし立体交差道路というのは頭がクラクラします。この区間が仮に無料バイパスだったら,誰も1000円払って北部・東部道路を通る気にならないよね。

 しかし,新潟ではこのバイパスに平行して日本海東北道というネクスコの有料高速道路が通っていますが,並行部分のうち約半分(豊栄SA以東)は暫定片側1車線という高速道路に誰が1,000円出して通るんだろう?

参考記事

仙台と新潟(道路編)(2006.12.13)

 それに紫竹山ICで接続する国道49号も一定区間は高規格な全区間立体交差化が進んでおり,新潟でバイパスといえば立体交差の無料幹線道路を意味します。

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(wikipedia:Hksn127 作成より引用)

 現在は,都心部方面の栗の木バイパスが工事中で,完成すると新潟バイパスから朱鷺メッセや古町付近まで高架道路で直結するとか,道路整備への投資は止まらないようです。

 大部分の都市では,国道バイパスは平面交差で費用節減で建設したものの,沿道へ業務・商業・サービス施設が張り付き,走行速度が低下し,渋滞が多発するようになってから,仙台の4号バイパス(箱堤交差点,鹿又交差点~名取大橋)のように長期間と費用をかけて一部立体交差化を図ったり,さらなるバイパスを建設するなど後手後手に回っていることが多いです。

 一方,新潟市では開発が進んでいない時期に新潟バイパスを自動車専用の完全立体交差で建設したため,当然ながら沿道にロードサイド商業が張り付くことはあり得ず,接続するIC周辺の幹線道路にロードサイド商業が留まり,バイパス自体の走行速度は比較的保たれています。ロードサイド商業の張り付きがないことから予定されていた6車線への拡幅も比較的スムーズに進み,ある意味先見の明がありました。

 その分浮いた費用を,接続する新新バイパス,国道116号新潟西バイパスと東西への延伸,更に南側に接続する国道49号の立体交差化に予算を付けることができ,今度は都心部方面の栗の木バイパスへと,ますます道路整備が進むという好循環となっているようです。

 一日の交通量が10万台程度と,横浜の首都高と横浜町田ICを結ぶ国道16号保土ヶ谷バイパスと匹敵する交通量は,驚愕するしかない。

新潟バイパス50周年記念【新潟国道事務所】 (mlit.go.jp)

新潟スタイル

 しかし,この圧倒的なバイパスが便利過ぎて,目的地へのアクセスがこのバイパスからの近さが基準になっています。

①集客施設がクルマアクセス最優先

 例えば,ワールドカップに向けてアルビレックス新潟のホームスタジアムとして整備された現在のデンカビッグスワンスタジアムも,バイパスICからほど近く高速道路の新潟中央IC至近の鳥屋野潟地区に整備されました。

デンカビッグスワンスタジアム (denka-bigswan.com)

4万人収容で行き帰りの交通アクセスを考えると駅近に整備するのが常識ながらも,幹線道路からのアクセスを重視し,2本のバイパスと2本の高速道路が集まり,一か所のICに集中しないようにクルマを処理することができる立地で,大規模駐車場を併設したアメリカタイプが,県内一円からのアクセスの容易さとうまくはまって,人気がピークの一時期は毎試合満員の観客をこの道路網でさばけてしまっていましたのはある意味凄い。

なお,わが県でもW杯スタジアムは新潟よりも酷い場所に整備したため,2つの高速道路が集まる場所に整備した割には,山の上かつ住宅地の中なので大規模イベントでは駐車場ありませんとか,よっぽど運用が酷い状況だったためか,結果的に数年に一度の代表戦とコロナ禍の東京オリンピック以外ではほぼ使われないスタンド部分が宝の持ち腐れになっているという黒歴史なので,新潟県のことをとやかく言うことはできません。。。交通至便なサッカー専用のユアスタの存在がなかったらと考えると恐ろしくなります。

 更に,隣接地に野球場のハードオフエコスタ(3万人収容)を,ビッグスワンの隣接地に2009年にオープン。せいぜい週1開催のJリーグだったらともかく,この立地で週6試合開催もあり得るプロ野球の本拠地誘致を打ち出しているのは,ビジター客も行きづらいし,ビールが飲めない野球場はスタジアムの収益面でも厳しいと思うのですが,ある意味割り切り方が凄い。でも12球団から16球団への拡張が行われれば十分可能性がありそうだったりします。

HARD OFF ECOスタジアム新潟 (hardoff-eco-stadium.jp)

 市民病院も,2007年に同じエリアに移転オープンと,クルマの便は良いにしても,公共交通がバスのみのエリアにここまで集客施設を集めてしまっています。

②公共交通への市民の理解不足

 それで,新潟バイパスを基準として,東側の新新バイパス,西側の新潟西バイパス,南側の亀田バイパスに続き,北側都心方面の栗の木バイパスと,バイパスを延ばすことには市民の理解は得られながらも,自動車交通分担率70%という驚異的な高さから,公共交通の改善には理解が得られないという悲しい状況となっています。

 80万政令市としてはJRは比較的利便性が高いですが,JR以外の交通機関としては,2015年9月に運行が開始された,将来のLRT化を見据えた都心部のBRT(バス輸送システム)についても,連接バスの導入が議会でケチが付き,予定の半分しか導入できなかったことや,専用レーン化も進まず,将来のLRT化はもちろん,BRTとしてもこれ以上の改善は絶望的な状況です。

参考記事

 久々に新潟へ その(2)BRT初乗車(2022.08.03)

 新潟のBRT雑感とバス相互の乗り継ぎ (2015.09.14)

 仙台と新潟(公共交通機関) (2006.12.16)

 これは,実際乗車して,感じたところでもありますが,バス停や案内を便利にしたことは評価できるとしても,結局ただのバスでしかなく,輸送力もなく,連接バスの導入が限定的であることからシンボル性も感じることができず,中途半端な存在に陥っていました。

 将来を見据えたバスの効率的な運行のために,都心部と郊外路線の分離と乗り継ぎを進めるという理念は良かったものの,ここまで市民の理解が得られないのでは,進められるはずもない。

 その一方,新潟空港への鉄道アクセスに新幹線という話が再浮上しているようですが,これは茨城県でTX(つくばエクスプレス)を茨城空港や水戸に延伸する構想と共通している点が,捕らぬ狸の皮算用で首都圏方面からの利用者に期待して,夢物語の延伸を打ち出している点。ともに現在の空港利用者数は到底アクセス鉄道が成り立つ水準でない上,大クルマ社会で決して自県民の利用は限定的でしょうに。そもそも,両県とも,県庁を駅から遠い郊外に移転させたり,突然夢物語の話が出てくるというのが共通点を感じたり。

高規格な道路整備の功罪

 とはいえ,新潟市民や県民の大部分は全くこのクルマ社会に疑問を感じておらず,行政も企業もこの高規格な道路網を前提として各種集客施設を配置し,全体的にクルマ社会に満足しているように見えるので,これもありなのかもしれません。人口80万の政令市としての都市機能がそこそこ集積していながら,クルマで自由に動け,JR等の最低限の公共交通機関が整備されているという絶妙なバランスを感じました。

 一方,新潟市の高規格バイパス網がまちづくりと都市機能の分布にもたらしたことを考えると,道路整備がそれ以上のクルマ依存を生んでしまったり,クルマ依存の商業地や住宅地の広がりを招いてしまうなど,近視眼的には便利になりながらも,持続的な都市運営を考えると,功罪を感じます。観光や会議,サッカー,ライブなどで他都市から多くの新幹線などでの来訪者がありますが,分かりやすい公共交通機関が少なく,クルマを持たない他都市からの学生にとっても住みにくさを感じてしまい,卒業後の人口流出を招いている一因ともなっているようです。

 新潟市では先週からの大雪で,自慢のバイパスを含め,都心部の道路の麻痺状態が続いています。当然ながら公共交通もJRが運休し,バスも数時間の遅れという状態で,平年はめったに大雪にならないという新潟市は大変な状況。

 その点は同じく大雪はめったに降らない仙台市では2014年2月に過去最高の積雪35センチを記録し1か月位雪が残って難儀しましたが,その時も地下鉄は平常どおりに運行し,頼もしかった記憶があります。その点クルマが使えなくとも選択肢があるのは精神的に楽です。

 仙台では,都心部は戦災復興で都市計画道路が整備されていましたが,高度成長期以降の急速な人口流入の受け皿として道路整備のあてがないまま北部丘陵地を中心に進められた民間の大規模ニュータウン整備を受け入れざるを得ませんでした。それらの市北部のニュータウンとの間の道路が未整備で,限られた幹線道路である県道仙台泉線(旧4号)などが毎日大渋滞を引き起こしていたことが,その当時の60万都市としては無謀と思われた地下鉄整備のきっかけとなりました。

 その後予算が限られながらも細々と都市計画道路の整備を進めていますが,国道4号や286号バイパスもだらだらと平面交差が続くなど,決して充実した整備状況ではなく,渋滞も多発しています。よって,クルマ依存にも限界がある状況から,既存のJR線も沿線への新駅設置,空港アクセス線,JR仙石線の地下化などの整備が進み,渋滞対策で建設された地下鉄など,バス利用者は減少していますが,鉄道を中心とする公共交通機関の利便性は格段に高まりました。この仙台駅を中心とする8方向への鉄道路線の存在が,都心部への集積と沿線への集客施設の配置を進めるきっかけとなり,近年は東西線も開業するなど沿線にてメリハリのある市街地整備を進めることができています。 

 仙台の郊外の道路整備が遅れたことで,結果的に地下鉄などが整備され,ある程度公共交通が使える都市として今に至るという面もあるのかなと感じました。

都市の個性

 仙台市と新潟市。それぞれ置かれた条件は異なるところはあり,都市の個性が違うと,興味深く観察してしまいます。

 他都市を観察すると,ついついないものねだりになりがちですが,自都市を見つめなおすきっかけにもなりますね。来年こそは,もう少し旅行で遠い都市に行ってみたいと思っています。特に15年以上行っていない福岡や広島,高松などの西日本の都市に。

【久々の新潟編 了】

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2022年8月15日 (月)

陸羽東線と快速ゆけむり号

 昨日の記事の続編です。

JR東日本 ローカル線の行方(8/13)

 当日は,小さな旅フリー切符を利用し,東北本線福島駅経由で,山形線米沢,山形駅などを経由し,新庄から陸羽東線に乗車しました。

立派過ぎる新庄駅

ガラス張りで,交流スペースや観光案内機能も含めた複合的な巨大な駅。とても人口4万人弱の地方都市の駅とは思えない。

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人口が倍以上多い県南部置賜の拠点米沢駅のレトロさと比べると,いくら始発駅とはいえ雲泥の差。 

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 山形新幹線の新庄延長時には,何をトチ狂ったことしているんだ?と思いましたが,沿線には天童市,東根市,村山市,尾花沢市,新庄市と,概ね5万人以下の規模の小都市がバランスよく並び,これらの都市から1~2時間に1本東京直通の新幹線に乗れるという状況を目の当たりにすると,県としては一応成功なのだろうな。

新庄駅は,山形新幹線(山形線),奥羽本線(秋田方面),陸羽東線,陸羽西線と,鉄道のジャンクション機能を持ちながらも,山形・東京方面以外の3路線は,輸送密度が200人前後の路線で,陸羽西線は並行する高規格道路の工事のため2年間休止バス代行と前代未聞の対応。新庄まで山形新幹線で来ても,在来線に乗り換えてという方はかなり少ないのかと。そもそもコロナ禍で山形新幹線を含めても,新庄駅の一日利用者は千人未満にまで落ち込んでいる(約20年前の山形新幹線新庄延伸時は約2000人/日)とのことで,この利用者数で9往復/日 の7両編成のミニ新幹線を維持できるものかと新幹線の方も心配になりました。

 奥羽本線の秋田方面は切りにくいでしょうが輸送密度は,陸羽東線・西線と変わらない。貨物輸送もない。どの路線も存続が厳しいことには変わらず。

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新幹線用に,自動改札がある他,全路線に電光掲示板と豪華仕様。

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奥羽本線としてのこの駅を跨いだ直通は,軌間が異なることから不可能であり,そのため,奥側のホームとを平面で移動できるようにしています。

ある意味バリアフリーな対応。

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快速ゆけむり号

 通常車両と思っていたら,外観はラッピングされ,観光列車っぽいデザインになっており,気分が一瞬上がりました。

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この新庄からの区間は,以前も2回ほど乗ったことがありますが,前回リゾートみのりで新庄から仙台まで乗りとおした際は,半分程度の乗車率で,それなりに賑わっていた記憶があります。

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車内の質感も良く,これに指定席料金をプラスするだけで乗車できるというのは,非常にお得感がありました。

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観光列車で,アテンダントも乗車しており,記念品がもらえたり,車内販売もあったりで,華やかは雰囲気は,流石東北新幹線と山形新幹線を結ぶ役割を持つ観光路線ならではと思ったり。なので,それほど古びている感はなかったにせよ,引退となり残念な思いが。

 

そのリゾートみのりの後継車両として,キハ110の改造車両というのは,格落ち感があり,これまではそれほど魅力を感じませんでしたが,新庄から仙台までリクライニングシートでビールを飲みながら乗り換えなしで帰れるという魅力から,指定席をえきねっとで確保しようとしたところ,前日で席選び放題。。。2両1編成で15席程度しか埋まっておらず,当日は結局空席のままの席もあり,新庄発車時点で10人程度。鳴子温泉での途中乗車客2名を含めても,15人にも行かない乗り具合でした。

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車内は指定席だけあって,リクライニングシートで,当然乗り心地は良かったです。ただし,質感は以前乗車したリゾートみのりと比べると雲泥の差。でも文句は言えまい。

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 意外だったのは,アテンダントが乗車し,今どき新幹線でも廃止された車販がまだ残っていたとは!

車販がある訳ない思いこみ,新庄駅のNEWDAYSで食料とビールを買い乗車したのですが,もし車販の存在を知っていたらコンビニで買わなかったのに。。。と思える位,10人少々の乗客に対しての車内販売が売れる訳ない。自分も事前購入していたので,申し訳ないと思いながら利用せず。車両は変わったけれど,観光列車としての最低限のサービスは残していたようでした。

 乗車した際には,乗車記念の切符のようなものや,子供向けの工作?を配っていました。途中駅から乗車した人にも配付してたり。

 当日は,32度を超える暑い日で,ビールをのみながら,2時間40分のちょうど良い時間を楽しみました。

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乗客の気配もほとんど感じず,手持無沙汰なアテンダントの方がやけに気になってしまったり。

途中で,紅葉シーズンには絶景であろう鳴子峡を通過する際に徐行する旨のアナウンスがありました。

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以前乗車した際は,運行の区切りでもあり,沿線の中心観光地である鳴子温泉駅で10人近く乗車してきたものでしたが,今回は2人のみで寂しいもの。朝の仙台からの便に乗れば,5時間以上は鳴子温泉街を楽しめるなど,全線乗り通さずとも日帰り利用にも適した観光列車であるものの,コロナの影響も大きいことを感じました。

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古川駅で新幹線乗り継ぎと思われる降車が多少あり。

最後は,松島付近の海を眺めながら,うとうとしながら,仙台駅へ到着。

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陸羽東線のおかれている状況

 今回JR東日本から発表された,県内を通る利用の少ない路線の中で,観光面及び通学に大きな役割を果たしており,地元大崎市が存続に熱意を持っている陸羽東線。

 しかし,鳴子温泉ー最上という県境の流動が少ない区間は,列車本数も少なく1日7本。朝晩は1~2時間おきながらも,昼間は3時間おき(週末の臨時列車を除く)という状況。

 コロナ前の2017年度でもこの区間の通過は100人/日 程度,2020年度はコロナによりさらに減少し,何と41人/日

 JRに移行した1987年時点でも輸送密度は500人を割っており,その時点からの比較では91%減と凄まじい減少率です。

 2020年度は,JR東日本の営業区域の中でもワースト営業係数である22149円(支出に占める収入は何と0.5%)で,収入は年間200万円なので,一日たった5~6千円ということに。

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 国鉄民営化時に廃止された路線群の中でも北海道の美幸線などは営業係数が3000円程度で全国ワーストとなっていましたが,さすがにこの営業係数には驚きました。そして,国有企業由来とはいえ,株式上場をしている民間企業が負担すべきものなのか,これまでの新幹線や首都圏での莫大な黒字を上げていればこそで,コロナ後であっても会社全体の収益性は戻ることはない中,情緒的に存続すべきとは軽々しくも言えない重みをもつ数値を突きつけられました。

 この区間は定期利用も僅少でしょうが,観光や日常の移動で通常運賃利用者が10人もいれば達成してしまうような金額。

 もちろん,この区間のみの利用ということではなく,観光などでの通過の利用者が多いのでしょうが,そういう利用者はフリー切符や区間外の駅発着の切符を購入して乗車するのでしょうから,この5千円/日 という収入自体,それらの通過利用者分の運賃収入がどの程度カウントされているかは懐疑的ながらも,通過人員は正確でしょうから,仮にこの区間の420円の片道運賃に41人を掛けたとしても,せいぜい1万7千円で焼け石に水の収入金額。せめて,週末運行のゆけむり号のような指定席料金(片道530円)の収入は多少でもカウントされていると思いたいが。

 年間赤字額がこの区間だけで5億円,そして陸羽東線のうち乗客が少ない古川ー新庄の区間で22億超円の赤字。。。

 一応,東北新幹線古川駅と山形新幹線新庄駅の両駅を結ぶ新幹線フィーダー路線で,観光の周遊ルートを構築するための利用価値があるはずの路線とはいえ,これだけの負担をJR東日本が続けるのは厳しい。この区間の唯一の存在意義ともいえる観光列車でさえ惨憺たる乗車率で,後継の専用車両を新造してということは絶望的だろうなぁと。

 途中の瀬見温泉などの温泉最寄駅であっても観光列車での鉄道アクセスの利用はわずかでしょうし,利用最閑散区間の最上駅ー鳴子温泉駅は,県境で学生利用も見込めず,フリー切符などで乗りとおす通過客のみであれば収支改善の見通しは立ちようがないと。

 もちろん,地元が負担を負えるかというと,実質的には,県と大崎市がメインになるでしょうし,第三セクターでの存続も山形と宮城にまたがることから厳しい(三セクで存続する場合でも県境で運営会社を分けるケースがほとんどで,2県で運営する事例は阿武隈急行位)

 仮に,宮城県側の鳴子温泉以東を三セクで存続させる場合でも,通学定期も値上げ,そして新幹線経由での鳴子温泉への観光客は新幹線との通し運賃あってこそであり,古川ー鳴子温泉で現在の680円の1.5倍になれば片道千円を超えることから,陸羽東線部分を別途支払うことを考えると負担感が大きく,鉄道離れがさらに進んでしまう。そうすると,上下分離で鉄道施設部分を自治体に譲渡し,メンテナンスや修繕費用を地元負担とし,運行はJRにということが地元として受け入れられるギリギリになるのかと。さすがに大崎市として古川駅から在来線をなくす選択肢は取れないだろうし。

 それを地元が支えるという意識から,市役所職員の通勤利用の促進などをしっかりとやるにしても,並行する国道47号が整備されている故に,
明るい未来は思い浮かびませんでした。鉄道のみで行ける温泉地として鳴子温泉郷は貴重な存在ですが,それだけでは存続できないという現実に悲しい気持ちになりました。今後,各路線とも地元との協議が順次始まるでしょうが,県の姿勢からはあまり期待できないでしょうから,最悪の事態も想定しながら,見守らざるを得ないという気持ちです。

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2022年8月13日 (土)

JR東日本 ローカル線の行方

JR東日本からの衝撃的な発表

 7月28日に,コロナによる減収に苦しむJR東日本から,「ご利用の少ない線区の経営情報を開示します」とのタイトルで,輸送密度2000人未満の線区発表がありました。今後存続の可否について協議対象とされるのは,このうち輸送密度1000未満で,特急や貨物列車の運行がないような路線を中心になりそうですが,ある程度分かっていながらも,改めて数字として突きつけられると,かなり衝撃的なものでした。

 大会社のJRの運営なのだからと,見て見ぬふりをしていた沿線自治体にとっても,衝撃的で,今後の存廃について協議入りを求められるとなると,真剣に向き合わなければいけない状況です。

 このようなローカル線の経営状態の公表は,コロナ前から恒常的な経営難に苦しむJR北海道が先んじ,コロナ禍による経営状態の悪化により,JR四国・九州・そして西日本からの発表が行われ,最後に赤字額が莫大となったJR東日本からの発表となりました(JR東海は発表を行わず)。

 そもそも国鉄民営化から早35年。自分は国鉄時代の記憶は辛うじてという位で,長い月日が経過しています。

 コロナ前時点であれば,東京一極集中により東京通勤圏では輸送量は大幅に伸び,湘南新宿ライン・上野東京ラインをはじめとした輸送体系の改善や輸送力の増強が行われていましたが,コロナ禍でのテレワーク推進やイベントや観光などの不要不急の移動の自粛により,これまで増強し続けた輸送力が遊んでしまうほどの需要激減に襲われました。(以下の輸送人員の推移は,JR東日本ホームページから引用)

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 地方都市圏でも,仙台や新潟をはじめ,宇都宮や高崎,水戸,盛岡近郊では,輸送改善の効果で概ね増加した時期はありましたが,既にコロナ前の時点で少子化での学生の減少や団塊の世代のリタイヤなどで,概ね微増か横ばいにとどまっていました(激増の仙山線を除く)。

 そして,首都圏ほどではないにせよ,コロナの影響で概ね2~3割減の需要となってしまいました。

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 それ以外の県庁所在地近郊や首都圏郊外輸送レベルでは,学生の減少とそれ以上のクルマ社会化で大人の利用者の激減,一部高速バスとの競合に敗れた等の理由で,JR化後の30年間で輸送密度が半減している区間もあるなど厳しい状況で,コロナの影響は相対的に小さいにせよ,それなりにダメージを受けました。

ローカル線区の将来

 そして,都市圏や都市間輸送以外のいわゆるローカル線については,これまで輸送量の激減で,JR東日本としてもワンマン化,減便,減車などの合理化を図りながらも,新幹線や首都圏輸送,子会社による商業部門の利益(ホテル・駅ビル等)もあり,メンテナンス費用の合理化を目的とした新車投入が行われるなど前向きな動きもあり,被災路線以外はなんとか維持していくような方向性だったのが,コロナ禍によるJR東日本として年間数千億に上る赤字計上で,突如それどころではない状況となってしまいました。

 JR化から30年を過ぎ,輸送密度半減は当たり前。7~9割減という線区もゴロゴロあるような状況で,これでよく運営してきたという感想を持たざるを得ないところがあります。

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 その中で,東北地方では,本線級でも厳しいところはあるにせよ,山越えの県境を越える路線を中心に,壊滅的な輸送密度と営業係数が明らかになりました。

 北から,大湊線,花輪線,山田線,北上線,大船渡線,陸羽東線,陸羽西線,米坂線,磐越東線など予想された線区の他にも,磐越西線の新潟県境の一部区間なども対象になるなど,ほとんどの山越え路線が対象になってしまいました。他にも観光列車の「リゾートしらかみ」が運行されており,遠方からの新幹線経由での誘客効果が大きく,存続の方向性であろう五能線も輸送密度からすると協議対象になってしまいます。

自治体の反応はまちまち

 案の定というか,宮城県の村井知事はJRと自治体の協議入りに前向きな姿勢を示しました。

 震災後に,三陸鉄道としての復旧に拘った岩手県と異なり,これまで気仙沼線や大船渡線のBRT化に対し特に反対もせず,さらに令和元年に阿武急が台風被災した際にも県境部分の鉄道復旧に拘らないという姿勢を示しているなど,都市部以外の鉄道としての効果が発揮できない区間について,頑張って残すという意向は示さないようです(阿武急は車両基地を持つ福島県側の存続意向も大きかったのでしょう)。

 基礎自治体としても,気仙沼市は大船渡線の残存区間の存続については,一関市次第という発言をしており,気仙沼線(柳津ー気仙沼),大船渡線(気仙沼ー盛)がBRT化され,利便性が向上したことから,費用負担してまで鉄道に拘るという姿勢は示していません。三陸道経由で仙台まで2時間強の高速バスが運行されていること,新幹線アクセスとして,大船渡線よりも284号経由のバスの方が本数も運賃面でも優位であることもあるでしょう。

 また,気仙沼線の残る区間(柳津ー前谷地)については,既に一部BRT路線の延長区間として運用されていることから,廃線と完全BRT化は避けられないでしょう。志津川まで鉄道復旧しなかった時点で鉄道として残す意義は薄かった路線なので。

 一方,石巻線は貨物輸送があること,せっかく復旧させた末端の女川駅を含む区間があり,当面は存廃論議の対象外になりそうであり,加えてこの石巻線に小牛田で接続する陸羽東線が市域を貫く陸羽東線について,大崎市長は存続に向けて協議を行いたいとの姿勢を示しました。観光地である鳴子温泉への分かりやすいアクセスを失いたくないとの意向もあるのでしょう。新幹線のフィーダー路線としての位置付けもありますし。

 その衝撃的な発表があった直後の週末に,「小さな旅ホリデー・パス(南東北フリーエリア)」を購入し,その陸羽東線に乗ってきました。
そのレポは続編に続きます。

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2022年8月 2日 (火)

久々に新潟へ その(1)

 先日,久々に新潟市へ行ってきました。

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 コロナのためほぼ県外に気軽に行けず我慢を続けており,県内に閉じこもっているのは精神衛生上良くないので,落ち着いていたタイミングにて。コロナの第7波が急拡大する直前だったので,タイミング的には良かったですが,また行きづらくなるのかと残念な気持ち。

仙台市の置かれている条件

 仙台もちろん利便性の高い都市ではありますが,県内ではもちろん,東北に目を広げても,観光地としてはいろいろありながら,ダイナミックな動きがある魅力的に感じる都市が近くにないのは退屈に感じることも。

 東京は別格としても,一般的に人口規模から40~50万人というのが街中の賑わいを保つことができる境目かと。

 西日本,例えば広島市であれば,県内に福山市(47万人),隣県に政令市の岡山市(72万人)と倉敷市(48万),西側には新幹線で1時間程度で政令市の福岡市(163万人)や北九州市(93万人)があるなど,都市間競争が激しく安閑としてられない境遇ながらも,気軽に他の中都市以上に行ける環境にあります。

 また,瀬戸内海を渡れば松山市(50万人)も。

 九州内も,福岡市は別格としても,北九州市と熊本市という都心部が集客力を持つ政令市,人口60万人規模の鹿児島市,40万人規模の大分市,長崎市,宮崎市と,佐賀市以外は各県庁所在地にそれなりの存在感があり,都心部がそこそこ元気でバランスが良い配置となっています。

 その点,仙台は札幌と東京に挟まれているといっても,両都市へはかなりの距離。

 特に札幌は700㎞も離れて新幹線も建設中でほぼ飛行機でのアクセスのみ(名古屋―福岡に匹敵する距離)で気軽に行ける距離ではない。

 東北では別格過ぎて,2番手グループが30~35万人規模。他の東北の中都市の福島市,郡山市,青森市,秋田市,山形市など全てイオン等のと郊外型店に蹂躙され,街中に力は残っていない。

 人口は少なくとも街中に魅力を感じる都市は,個人的には盛岡市と八戸市位でしょうか。

 一方,南側の関東に目を向けても,250km圏でLRT開業に向けた駅前や市街地の再整備が進む宇都宮市(52万人),300㎞圏の政令市さいたま市(134万人)がありますが,さいたま市は実質東京と一体であり,直線距離的に一応最も近い政令市は新潟市(78万人)だったりします。

 その新潟市も,東北(仙台)からも北陸(金沢・富山)からも遠く,県内を縦断する距離は九州に匹敵するとか。

 体感的に近い大都市は新幹線で直結するさいたま市と東京というのは,感覚的に仙台と似ているのかもしれません。

近くて遠い新潟

 仙台から新潟へは,距離は一般道113号経由で220㎞(4~5時間),

 東北道から郡山JCT経由で磐越道だと遠回りの260㎞で,一応休憩なしだと3時間程度でアクセスできますが,三角形の2辺を経由するのが何か遠回りで悔しい。高速バスだと4時間以上。

 新幹線だと大宮経由で最速2時間半といいながらも,仙台から静岡に行くのと変わらない時間と運賃がかかるなど,同じ東北電力エリアとはいえ心理的に遠い都市で,なかなか行くことはないながらも,仙台にない個性を持つ興味深い都市でもあります。

 また,仙台空港と新潟空港を1時間で結ぶトキエアの新路線の報道もありましたが,成功するかどうか。

 さて,先日は新潟市近郊にキャンプで宿泊し,その合間で新潟の街中へ寄りました。

 新潟市には,ピンポイントでサッカーとか,仕事の視察とかで5年に1度位は訪れていたけれど,自由に街中を回るのは15年ぶりだったり。

前回も,他都市訪問ということで,記事にしていました。

仙台と新潟(道路編)(2006/12/13)

仙台と新潟(公共交通機関)(2006/12/16)

たしか,当時(商業編)を書いていたら,PCが固まり長文が消えてしまい続きを書くのをあきらめた覚えがあります。前回は中途半端になったので,その補足を兼ねて今回改めて記事にします。

 

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2021年10月30日 (土)

常磐線ひたちで仙台へ (その3 のんびり3時間の旅)

 このシリーズ3回目です。ようやく念願の特急ひたちに乗車し,全通した被災区間を通過しました。

常磐線ひたちで仙台へ (その1)

常磐線ひたちで仙台へ (その2 水戸駅周辺レポ)

 ようやく約1時間遅れで水戸駅のホームに滑り込んできました。当たり前ながら,仙台駅の6番ホームで見る車両と長さも含め同じということが,不思議な感じがしました。震災前は長大11両編成のうち仙台には4両編成の付属編成しか行かなかったのが,10両そのままいわき以北に乗り入れするということも,乗車率のことを考えると複雑。

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 入ってきたひたち13号ですが,東京との流動があるはずの水戸駅時点であっても,乗車率は芳しいものではありませんでした。

自分が乗車した9号車には,他に2人乗車しましたが,その時点で10名程度。

 今のE657系から全席指定になり,指定済の席は緑ランプが点灯するようになっていました。指定なしで乗車する場合は,赤ランプのところに乗車できるみたい。また,途中駅から指定されている座席は黄色ランプに変わる模様。

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 殆ど赤ランプで,指定席をとる時点で,同一号車内で5~6席しか指定されていないことは分かっており,間隔を空けて予約したということはあれど,ほとんど人の気配を感じず,不思議な”ほぼ”貸し切り気分を味わえました。

 昔の震災前のスーパーひたち時代は付属編成の4両編成のうち指定席が2両,自由席が2両で,ほとんど満席で水戸時点では立ち客もおり,水戸での乗降も多くかった印象。付属編成はほとんどがいわき以北に直通する乗客で,原ノ町・相馬で半分が降りながらも仙台までもそこそこ乗っていましたが,10両とはいえ,この乗車率というのは,ちょと寂しい思いでした。

 ただ,長町駅北側の広瀬川堤防で昨年春に通過したひたち号を眺めた時には,全10両で10人位しか確認できなかったので,その時点と比較すると,多少は乗客が増えている状況ではあります。

海を眺めながらのんびり旅

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 昔乗った時は夕方から夜にかけての,上野16時発(確か仙台20時12分頃着)に乗ることが多かったからか,あまり車窓を気にせず,また4時間の旅なので寝たり本を読みながら乗っていた記憶がありましたが,今回はガラガラで海側の席だったので,ぼーとしながら車窓を楽しみました。天気が良かったし。

 日立のあたりや北茨城,そして四ツ倉の辺りなど,全体に占める時間は短いながらも海沿いを走る区間もそれなりにあります。

 しかし,途中駅での乗り降りは多くなく,勝田から1名乗ってきた位で,あとはほとんどぽつりぽつりと降りる一方。いわきからの乗車もなかったような。まぁ,乗ったのが先頭に近い9号車だったので,途中駅からの乗客はもう少し真ん中の号車にはいたのかもしれません。

 結果的に仙台まで乗ったのは自分を含めて5名。座席が50席程度なので,9号車の乗車率は10~20%というところでした。全体でもそれほど変わらないでしょう。

再開区間にて

 広野駅の周辺は早い段階から常磐線の復旧が進み,原発事故対応の前線基地のような役割を一時果たしていた記憶がありますが,新しいホテルなどの建物が見られ,東側は以前と全く違う光景になっていました。

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 その後,車窓右側には,原発事故直後の奮闘で有名になった高野病院の建物が。

 その後楢葉町に入りますが,特に駅間で荒れ果てた建物が目立ち始めます。とはいえ,一見被災していない地域とあまり変わらない光景というのは意外に感じました。富岡駅や大野駅,双葉駅という特急停車駅周辺でも,新しいこじんまりとした,車が普通に数台止まっているような住宅がそれなりに見受けられ,ある程度人も戻ってきていることを感じました。

 各駅とも住宅などの建物が広く建ち並んでいる様子は車窓から見え,震災前はそれぞれ数千人以上が住んでいた町の規模感を感じることができましたが,そのうち近くで見れば無人となった建物も多いのでしょう。この3駅での乗降は9号車からは確認できませんでしたが,停車してすぐ発車したので,全車両でもほぼ皆無だったのかと。でも,東京や仙台と特急でつながっているという安心感は,帰還促進にあたっても大きなものなのでしょう。

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途中でおやっと思ったのが,線路と並行する道路。過去に部分的に複線区間だった部分が単線化され,保線用の道路化されているようでした。

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復旧させるにしても,震災前と比較すると本数も2/3程度になり,当面貨物列車も走らないとなれば,最低限の設備での復旧を判断したのかと。

仙台ひたちの所要時間が震災前よりも伸びているのは,このような単線区間での行き違い設備が簡略化されたのも理由のようです。

 一時間発車が遅れたためか,明るいうちに仙台に着けるはずが,途中で徐々に暗くなり始めました。車窓からはこのような巨大な鉄塔及び送電線が見られましたが,原発を結ぶ送電線で,かつては首都圏方面に電気を送電していたものが,現在では原子炉の冷却のための電気が送られているのかと思うと,この地域がかつて望んで誘致した原発という側面があるとはいえ,東京電力の発電所が福島という営業区域外にあるべきだったのかと,考えされられました。

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 原ノ町あたりからは,すっかり暗くなり,仙台駅に到着したのは18時20分位でした。約55分遅れで,多少は後れを回復したのかな。

 電車での旅行は本当に久しぶりで,特急で約3時間の旅というのは,2年前の北海道で札幌から釧路の区間を乗って以来。

 新幹線に慣れてしまうと,逆に特急の旅というのは贅沢な時間の使い方なのかもと感じます。

 仙台駅では6番線に到着し,ホーム向かい側の阿武急の新型車両(丸森行)がちょうど止まっており,余韻を感じる暇なく間一髪乗り継ぐことができ,18時半前には約10分前にひたちで通過した長町駅に到着しました。

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長町駅の出口床面には,新しいKHBの案内表示が。

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 今,新型コロナウイルスの感染が落ち着いていますが,この凪の状態が少しでも長く続いて,普通に旅行に行けるような生活を取り戻すことができればと。今度は仙台から品川までの全区間を乗ってみたいな。

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2020年5月30日 (土)

阿武隈急行 10月全線復旧へ&新型車両仙台駅乗入れ

 昨年10月の台風19号で大きな被害を受け,県境区間が未だ不通のまま,また車両基地がない宮城県側は朝晩の運行のみとなっている阿武隈急行。

 当初は村井知事の必ずしも鉄道での復旧に拘らないという発言にビクビクしていましたが,上下分離を前提とした復旧費のほぼ国費負担の制度ができ,ひとまず今夏までに不通区間の回送運転により,宮城側の昼間の運行が再開との話がありました。

 阿武隈急行 全線復旧なるか? (R1/11/28)

 この話が出たら,車両基地への回送運転だけに留まるわけはないとは思っていましたが,台風被害で不通になって約1年の10月をめどに全線復旧を目指すという話が出て,ホッとしました。

福島市と宮城県柴田町を結ぶ第3セクターの阿武隈急行は、去年の台風19号の影響で不通となっている区間について、ことし10月をめどに運転再開を目指すことになりました。

福島県と宮城県や沿線の自治体などが出資する、第3セクターの阿武隈急行の取締役会は26日、福島県伊達市で開かれました。
阿武隈急行は、台風19号の影響で、現在、伊達市の富野駅と宮城県の丸森駅の間の15.4キロで不通となっています。
26日の取締役会では、復旧作業が続くこの区間について、ことし10月をめどに運転再開を目指すことが報告されました。
また26日は、ことし3月までの1年間の決算が発表されました。
それによりますと、本業の鉄道事業営業収益は5億8800万円で、前の年度に比べて9000万円、率にして13%減りました。
台風の被害や新型コロナウイルスにより、乗客数が、前の年度に比べ12%減って、216万人あまりになったことが影響しています。
そして台風19号などによる被害の損失が9億1500万円にのぼり、最終的な損益は10億4000万円の赤字となりました。

この赤字額は過去最大です。

26日はこのほか、千葉宇京社長の後任に、仙台空港鉄道の菅原久吉社長が就任する人事案も発表されました。(NHK 5/26

コロナによる公共交通機関への影響

 コロナの影響で,主要客の高校生や大学生の利用が皆無になっていました。福島側には福島学院大駅もあるし,福島大学への通学も。

宮城県側でも仙台市内の大学へ通う需要も消えてしまい,ようやく高校が再開する6月から乗客数も回復に向かうでしょうが,この数か月の乗客減のダメージは大きく,運営資金も厳しい中運行を続けなければなりません。

 よって,夏に宮城側の昼間の運行が再開し,秋以降に全線復旧したとしても,運行本数が台風前を維持できるかというと厳しい状況です。

 特に,県境の閑散区間でも毎時1本近くは確保してきたのが,昼間は2時間に1本程度になってもおかしくはない。宮城側である程度丸森折り返しを残すなど。

 県境区間は観光需要と,角田・丸森両駅と福島駅(そして新幹線乗継東京方面)の需要に支えられてきたのに,観光も東京方面への流れも,秋までどの程度回復するかが鍵。

 仮に多少減便になっても,需要から考えると十分だし,県境区間が再開するだけでも十分かなと思っています。

仙台直通に新型車両

 宮城側での明るい話題といえば,5月18日から仙台駅直通列車の置き換え運行が開始され,阿武急の新型列車AB900系が仙台駅に毎日顔を出すことになりました。

 JRのE721系の亜種であり,従来の2ドアと異なり普通列車が3ドアに統一できたことで,特に朝夕の混みあう時間の仙台乗り入れ列車に新型車両の効果はテキメン。従来の2ドア車両だと,うっかり押されて車両真ん中あたりまでは行ってしまうと,途中駅で降りるのが苦悶だったり,4両編成というのもあり,朝の下り,夜の上りは前後の電車と比べても体感的に混んでおり,避けられる存在でもありました。

 何といってもステンレスベースでピカピカ。斬新なデザインです。順次置き換え中で,年1編成ペースでは,ようやく2編成(4両)が投入されたところなのに,その2両とも宮城側で運行というのは,福島側にとっては複雑な気分でしょうね。この車両が能力を発揮するのは仙台側のラッシュであるのは間違いないにせよ。

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車内はJRやアクセス線とほぼ同じデザインながら,座席のモケットの色は特徴的。

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車内広告は当然独特で,福島側の広告が多く新鮮です。

この写真は発車10分前の先頭車両なので,まだガラガラでしたが,発車間際には次々と乗り込んできて,立ち客もパラパラでる位でした。

緊急事態宣言明けの週でもあり,学生はともかく通勤客は大分戻ってきつつありました。

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 これは,長町駅で下車した時の発車直前の状況。長町駅でかなり下車した後でも,席は埋まり,立ち客もいます。線路が分断され車両のやりくりが大変な状況の中,阿武急には宮城側に貴重な新型車両を回してくれて感謝です。

阿武急の今後

 阿武隈急行は,現在では珍しい2県に跨り運行する第三セクター鉄道で,車両基地や変電所を福島側に頼っている状況からは,いまさらそれぞれに分断するのは困難な路線です。国費を使って復旧したからにはあと長期的な運行を担保しなければならず,少なくとも20~30年は運行を確保することになりますが,このような珍しい状況だからこそ,片方の県の意向のみで決められないメリットがあったのかも。

 福島県としては輸送密度が極端に低い只見線を力技で復旧させて,阿武急を復旧断念というのはありえないので,宮城県が仮に阿武急県境部の廃線を希望しても福島県と合意する訳がない。

 コロナ後の観光需要がどの程度戻るかによるけれど,せっかく復旧させるこの区間。観光需要の掘り起こしなど両県協力しての活用を図らなければ。

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2020年5月11日 (月)

仙台市地下鉄 平日昼間15分間隔に減便へ

先日の地元紙朝刊で取り上げられましたが,18日から,GW&土日に続いて平日も減便ダイヤが始まります。

今日,勾当台公園駅で掲示されていましたが,減便は昼間のみで,土休日ダイヤと同じ15分間隔!

仙石線の多賀城以西と同じ運転間隔となりますね。

流石に平日も15分間隔にはせず10分間隔にするかと思ってましたが。

現在のダイヤをなるべくいじらずに間引きで対応できるようにという考え方かと。

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一方,朝夕ラッシュは従来通りで南北線は3~5分間隔のまま。現在の北行きの8時前後のラッシュの乗車率は,席が埋まりつり革付近に多少立ち客がいる状況なので,乗客同士の間隔が適度に保たれ,これであれば感染することはないかなという程度なので,これを減便してしまうと感染対策上まずいということかと。それに朝ラッシュ時に減便となると,いつもの生活のリズムが崩れるので助かります。 

 なお,ガラガラの夜間帯も減便になるかと思いましたが,こちらも予想がはずれて従来通りに。

 現在のダイヤが10分以上空く時間帯もあるため,昼間のように間引くとさすがに間隔が大きすぎるからか。

 富沢行きはコロナ前でも比較的余裕がある乗車率のところで,酔客がほとんど見込めないことから減らしても問題ないですが,泉中央行のほどほどの混雑を考えると減便には踏み切れなかったということか。

交通局HPより

帰宅後に,HPをのぞいてみたら情報が掲載されていました。


2 平日特別ダイヤ
・実施日
 18日~22日(月~金)、25日~29日(月~金)(10日間)
・運行ダイヤ
 通常の平日ダイヤの半分程度を減便します。
  南北線 東西線
通常の平日ダイヤ 特別ダイヤ 通常の平日ダイヤ 特別ダイヤ
始発~9:30 3分~12.5分 変更なし 5分~18分 変更なし
9:30~16:30 5分~7.5分 約15分 6分~7.5分 約15分
16:30~終発 5.5分~12.5分 変更なし 6分~16分 変更なし
運行本数 1日167往復 1日143往復 1日150往復 1日129往復

 

市交通局HP

 特別ダイヤでは,南北線が143往復,東西線が129往復と,通常ダイヤの86%の本数。

 東西線は東北大を中心とする学生需要が休校延長のため壊滅的なので,正直終日もっと減らしてもいいのかもしれませんが,南北線と扱いを変えづらいところがあるのかな。

今後の見通し

 GW明けから休業要請が解除され,このままいけば緊急事態宣言も間もなく解除される宮城県。

 緊急事態宣言解除後に平日ダイヤの減便が始まる可能性があり,ちょっと整合性がとれない状況に。

 続々と街中に限らず地下鉄沿線の大型商業施設が今週から再開し,これまでの反動で平日の街中の百貨店や大型商業施設へ行く流れは強まる一方なので,車内が過密になる恐れがあればこの減便ダイヤも終日15分間隔の休日ダイヤと合わせて早々に元通りになるかなとは思います。

 自粛の反動での第2波の危険性が言われていながら,東北人のメンタリティからすると同調圧力(又は感染したら今後生活していけないという気持ち)は他地域よりも強く,首都圏などの特定警戒都道府県からの流れさえ止めていれば感染爆発に転じる可能性は低い。

 ただ,北海道の第2波も東京からの帰省や安全な場所を求めての流れの犠牲になっているので,慎重に進める必要はあります。

 なので,せめて県外といわず,東北内(+新潟)での移動についてはある程度許容していかないと経済が持たなくなっているので,様子をみながらも,先日宣言が行われた7県の枠組みで緩和への流れを作って良ければと思いました。旅行なども東北内で徐々に助け合っていければと。希望的観測なのは重々承知ながらも,出口戦略は考えていかないと。

 

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2020年3月29日 (日)

苦境の仙台空港 商業機能増設に着手

 新型コロナウイルスが全世界的に蔓延し,日本では北海道や愛知県,関西に続き,大本命の東京圏での感染急拡大により,一気に危機感が高まっている今週の動き。

 この宮城県では,木曜日に2例目の感染者が確認されました。

 基本的に東北各県ではインバウンドの少なさが幸いしたのか,感染者数がほぼ皆無で推移してきたものの,「貰い事故」のように,クルーズ船乗客(宮城・秋田),海外旅行帰り(青森),東京や北海道からの感染疑い者の無理な移動(青森や秋田。宮城の事例は東京の感染確認者との接触感染)で徐々に感染者が確認されており,隠れ感染者も入ってきている危惧を感じます。今,感染者が発見されていない岩手や山形も,他県と同様に貰い事故での感染が確認されるのも時間の問題でしょう。

 感染が急拡大している東京からの地方への感染拡大を止めるための措置が必要なんでしょうが,新幹線などはガラガラのままの通常運行を強いられており,そもそもクルマ移動などは止めようがなく,物流への影響もあるので,対応策が手ぬるいと感じ始めてきました。

仙台空港の影響

 そのような状況で,仙台”国際”空港は,まさしく名前だけの国際空港となり,国際線の運行は完全にストップしています。これは中部のセントレアでさえもで,国際線の運行は東京・大阪のみに絞られている状況なので,需要低下と感染拡大防止のためにはやむを得ない措置。

 国内線も,搭乗率にシビアなLCCは,まずもともと苦しんでいた中部(セントレア)便をはじめ,好調だった関西と新千歳便も軒並み一部運休で,その他のレガシー路線も減便が相次いでいます。

 本来であれば,春休みの書き入れ時のシーズンなのに,様々な意味で民営化された仙台空港の運営会社としては想定以上のリスクが生じ,厳しい状況です。そのような状況の中,予定されていた改装工事に着手するニュースは驚きでした。

 仙台空港2、3階の改修着工 21年度完成、買い物や飲食充実

 仙台空港を運営する仙台国際空港(宮城県名取市)は26日、旅客ターミナルビルの大規模リニューアル工事に着手した。事業費は約50億円。2044年度の目標旅客数550万人を見据え、搭乗手続きの時間を短縮し、搭乗直前まで買い物や飲食を楽しめるようにする。21年度下期の工事完了を見込む。
 リニューアルは2、3階が中心。国内・国際線の保安検査場を拡張するとともに、国内線の検査場通過後のエリアを広げ、飲食店や土産店などを充実させる。
 改修面積は全体の5分の1に当たる9848平方メートル。商業店舗の床面積は22.5%増の2804平方メートルとなり、うち検査通過後のエリアは現状の10倍以上の2013平方メートルに広がる。増築は1683平方メートルで、国内線のチェックインエリアを拡張する。
 同社は16年7月の民営化当初から今回のリニューアルを計画してきた。今後は旅客以外の見送り客なども保安検査を経て店舗や屋上展望デッキを利用できる仕組みを目指し、航空各社と協議を進める(3/17河北より引用)。

当初提案通りの改修を実施

 前向きに考えると,国際線の運行がしばらく見込めず,国内線の旅客も減少するこの時期だからこそ,改修工事がやりやすいという見方もできるのかもしれません。 

 県で空港民営化を検討していた時に,村井知事が参考にしたオーストラリアの空港での民営化事例に習った改修計画と記憶しています。

 空港運営から上がる収益を極大化するために,”キモ”になる施策だとか。

 これから2021年度下半期まで,断続的に約1年半の間工事が続きます。

この改修のメリット

 この改修内容は,仙台空港の商業機能の選択肢の無さを多少は解消することになる嬉しい改修工事です。

Sdfmarketimage(以下の図は,全て仙台国際空港プレス発表資料より引用)

 昨年北海道に飛んだ時も,以前沖縄に飛んだ時にも実感しましたが,混雑を恐れて早めにチェックインしようとしても,中にまともな飲食施設がなく,スナックスタンドレベルで落胆します。分かっていて空弁をチェックイン前に購入したこともありましたが,選択肢が少なく旅行のワクワク感が減退したり。

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 そもそも,空港の商業施設や飲食施設は,主に搭乗前の旅客が対象なので,チェックイン後の「エアサイド」にあった方が合理的というのは分かります。

この改修による懸念

 とはいえ,お見送りの家族と一緒に食事とか,到着後の本数の少ない高速バス等の交通機関待ちで食事とか,「まずは牛たん」という利用客もいるので,これまでのように気軽に「ランドサイド」で使えないのはちょっと不便。そのあたりのバランスはどうするのでしょうか。なお,1階は改修なしのようなので,プロントやコンビニその辺はそのまま「ランドサイド」で搭乗前,到着後に利用できる機能です。 

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 その懸念に対するアイディアとして,搭乗客以外も,「エアサイド」ゾーンに入ることができるような規制緩和を国に要望しており,そのために保安検査場を拡張するとの対策も講じるようです。

 でも,身代わり搭乗など意図的に悪さを企てる輩はいるだろうし,現在のテロ対策強化の流れに反するような懸念が。それにチェックイン後に安心して飲食店で注文し,注文した料理が出てこなかったり,話に夢中になって乗り遅れそうになるということもあるだろうな。そういう利用者への対応も必要になる。

 そういった,懸念を飲み込んで実現化することができるのかと気になります。

将来に向けて

 日本の空港の中で先鞭をつけたこの仙台空港民営化も,第2弾の新千歳空港を始めとした道内空港民営化(北海道エアポート),福岡空港など,国内主要空港にも導入され,民営化第1号というインパクトを保ち,民営化ならではの施策を着実に導入していかないと,埋没してしまうという危機感はあると思います。

 今年は,東日本大震災の年並みの利用客の減少となるでしょうが,その反動でのコロナ後の利用客増を信じながら,機能改善や路線再開,新規就航の取り組みを続けて行かないと,民営化の意味がなくなってしまう。

 3月末で,民営化開始以来陣頭指揮を執っていた東急出身の岩井卓也社長が退任し,4月からは同じく東急出身の鳥羽明門氏が就任するようです。岩井社長はこれまで前例のない民営空港運営会社のトップとして手探りながら成果を上げてきていたのに,最後にコロナ騒ぎでこれまでの実績がガラガラと崩れてしまう無念を感じているでしょうが,今回の改修工事終了後は,コロナの影響も落ち着き,さらに多くの利用者を集める便利な空港として発展することを祈っています。 

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2020年3月13日 (金)

明日はJRダイヤ改正 常磐線全線復旧! ほか

 新型コロナ渦で暗いニュースが続き,さらに恒例の震災特番の垂れ流しにうんざりしていたところ,週末の娯楽であるベガルタも4月への再延期が確定するなど,気分を上げるのが難しいこの頃でしたが,明るい話題としては,明日に控えた常磐線の全線再開と仙台ひたちの復活ですね。

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3月JRダイヤ改正 仙台駅時刻表は? (2/25)

常磐線全線復旧 ひたちのダイヤ考察 その1 (1/21)

常磐線全線復旧 ひたちのダイヤ考察 その2 (1/25)

常磐線特急 仙台―東京直通復活へ (19/7/6)

 とはいえ,全国一斉休校の余波で,子供の世話のために全く外出がままならない週末が続いており,明日はせいぜい長町駅近辺を10両編成で疾走するひたちを拝むこと位になりそうです。

 それにしても,9年ぶりの全線再開という祝賀ムードも吹き飛ばすコロナ渦が恨めしいところですが,落ち着いたらぜひ東京遠征に早速使ってみたいです。4時間半は新幹線の3倍とはいえ,高速バスよりは1時間も短いし,旅として考えれば良い所要時間かも!

 乗車率はさらに厳しくなるとは思いますが,コンスタントに利用されて,仙台直通が長く続いて欲しいです。

プロスポーツの対応

 仙台に本拠地を置く3大プロスポーツチームが所属する各リーグ。

 Jリーグ・Bリーグの公式戦延期,プロ野球のオープン戦無観客試合と雪崩を打つように対応がなされましたが,今後の見通しとしては,Bリーグは数試合は無観客試合での公式戦再開,Jリーグは4月3日再開が決まったようです。

 Jリーグも無観客試合の可能性は残るにしても,これ以上の再開延期は難しいとのこと。プロ野球は無観客は想定せず4月10日の再開を目標にとのことで,学校もですが,やはり4月から徐々に正常に戻していかないと,家庭も経済もうまく回っていかない。

 全国からの観客が集まってくることに関してはリスクが高まるのは確実ですが,今後はリスクと生活を共存させながら妥協点を設定して対応していくしかないのかな。 

 さて,このブログも,明るい兆しが出てくるまで,しばらくは更新ペースが落ちるでしょうが,いろいろ考える充電期間としたいと思います。

 ※先週投稿したつもりでいたのが,下書きのままになっていましたので,時期は逸しましたが公開にしておきます。

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