地域

2020年9月11日 (金)

宮城県内3病院統合構想 名取市も誘致に名乗り

 突如,富谷市が名乗りを挙げた,県立がんセンター,仙台赤十字病院,東北労災病院の統合新病院の誘致。

統合3病院の移転地に富谷市が名乗り?(9/9)

当初から病院残留への努力を表明していた名取市が,負けじと誘致を表明しました。

宮城3病院連携・統合 名取市も誘致表明

宮城県立がんセンター(宮城県名取市)と東北労災病院(仙台市青葉区)、仙台赤十字病院(太白区)の連携、統合に向けた協議に関し、名取市の山田司郎市長は10日、病院の統合移転を想定し、市内に誘致する意向を表明した。今後、県に要望書を提出する方針。
 山田市長は市議会9月定例会一般質問で「県立がんセンター機能を含む連携統合病院の市内への誘致に向け、速やかに要望活動を行いたい」と答弁。用地確保については「全面的に協力したい」との考えを示した。
 山田市長は「間もなく8万都市になろうとする名取市には総合病院、地域医療支援病院がない」と現状を説明。病院誘致は「市民の安心安全と仙南の地域医療に大きく貢献する」と強調した。
 3病院の連携、統合を巡っては、富谷市が既に誘致に名乗りを上げている。(9/11河北)

ライバル意識が強い両市

 仙台を挟んで南北でそれぞれ市制施行している名取市と富谷市。

 名取市が市制施行して65年が経つのに対し,まだ市制施行から4年弱の若い富谷市。

 人口は8万弱の名取市に対し,富谷市は5万2千人と名取市がリード。ただし,富谷市は泉区に続く大規模団地の造成の流れにより,名取市が市制施行した時期にはわずか人口5000人強だったのが,この65年で10倍という急激な人口増加を果たしました。

 この両市の現市長は,揃って2期目を迎えていますが,前々回の初めての選挙で仙台市地下鉄南北線の延伸を唱え当選した(のちに名取市の山田市長はこの構想を市議会の反対により撤回)という浅からぬ因縁もあります。

地下鉄南北線 延伸へのラブコール(2016/7/30)

富谷町長選に思う(2015/2/11) 

 今回の統合病院誘致についても,現在がんセンターが立地する名取市が誘致することを見越して,富谷市が先手を打って県庁訪問をしてアピールしたところ,名取市も当然ながら「うちが優先でしょ」とジャブを打った構図。

 これに続く動きはあるでしょう。ただ前回記事で言及した多賀城市の東北学院工学部が五橋に移転した跡地活用については,当然ながら学院大学の意向もあるし多賀城市と跡地活用計画がまとまらないと,立候補できないので,両市に遅れをとることにはなります。

 また,普通に考えれば,合併前の旧仙台市内の方が強みがあるので,医師会の意向を考えると,みすみす市外には渡さないという動きもある。

 まぁ,これまで全国的にあった県立病院と市立病院の一本化(釜石・酒田・高知等)とは異なり,独立行政法人や日赤という公的性格を持ちながらも,別個の経営母体である病院との統合の事例は,あまり聞きません。なので,決定までも4~5年位はかかるのではと思います。

名取市内の候補地

 当然,ファーストチョイスは現在のがんセンター敷地と隣接する山林を造成しての拡張でしょうが,今回の統合話はがんセンターの立地条件が必ずしも良くないことも一因でもあり,名取市としてもこの案は積極的に推しづらい。

 そうなると,駅徒歩圏に統合病院の敷地を確保ということになりながら,JRとアクセス線が通り,地下鉄に匹敵する髄一の便利さを持つ名取駅徒歩圏というと,土地がないのがネック。徒歩15分圏に広げれば,現在進められている増田西土地区画整理事業地に確保する選択肢もあり,そうすれば高台のがんセンターと異なり駅から平地なので,スタッフは良いけれど,患者さんが歩いて通うのは厳しい。コミバスのなとりん号を頻繁に設定してカバーするしかない。理想は徒歩10分圏で,例えば駅隣接のサッポロビールに遊休地があれば良いけれど。。。という感じ。

 

 それ以外だと,アクセス線の杜せきのした・美田園駅近くの田園をつぶして移転地を確保することも,次善の策としてありえます。

 ただ,空港利用と同様で,仙台方面からは直通ながらも毎時2~3本で利便性は劣る。岩沼方面からは乗換が必須。それでも県としてはアクセス鉄道の利用促進で悪い顔はしないかも。これも,県医師会がどう考えるか。

 これでも,富谷市よりはアクセスは悪くないので,名取市が出てこれば,富谷市として勝ち目はないかな。

 ふと思ったのが,仙台赤十字病院の南側の電磁研の跡地が100戸規模の戸建て住宅地として分譲されていますが,もうすこしタイミングがよければ,この土地が病院拡張用地になりえたのかなと。もともと赤十字単独で想定していた病院建て替え用地は川内旗立線の向かいなので,道路を挟んで別の病棟を作るのは効率が悪い。

 その建替え用地の周りにはまだ緑が広がっているので,拡張も可能かと思いましたが,八木山はこれ以上の開発は制限がかかっていて厳しい印象があり,どうなるか。

 まぁ,名取市の立候補で面白くなりそうです。

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2020年9月 9日 (水)

統合3病院の移転地に富谷市が名乗り?

 先日,突然明らかになった,県立(地方独立行政法人)のがんセンター(名取市),仙台赤十字病院(太白区八木山南),仙台労災病院(青葉区台原)という,宮城県の医療界で存在感を発揮する3つの病院の統合の動き。

宮城県立がんセンターなど3病院が連携、統合協議へ 高度な医療提供を目指す

宮城県立がんセンター(名取市、383床)と東北労災病院(仙台市青葉区、548床)、仙台赤十字病院(太白区、389床)について、県と各設置者が連携、統合に向けた協議の開始に合意したことが3日、分かった。増加傾向にある合併症への対応など、より高度な医療が提供できる体制の構築を目指す。近く協議を開始し、年内に具体的な方向性を判断する考え(以下略)。(8/4河北より引用)

 何故?と驚きましたが,理由として

 〇仙台労災病院を筆頭に,病院の建替えサイクルと言われる30年を過ぎている,又は過ぎつつあること

 〇がんは複合的な病気であることから病状により総合病院との連携が必須となり,がん専門病院での治療に限界があること

が挙げられるようです。

 とはいえ,3病院の経営母体は全く異なり,もともとの県立病院から経営が切り離され独法化されたがんセンター,東北労災病院は独立行政法人労働者健康安全機構,仙台赤十字病院は日本赤十字社と,いずれも公的な性格を持つ組織でありながらも,うまく統合できるのかと疑問はあります。「完全統合」と「各病院を残した上での連携」との選択肢があるようですが,病院の建替えが必至という状況であれば,統合ありきの構想に思えます。

 仮に,3病院の病床数を合わせると,1220床と東北大学病院に匹敵する数。効率化を考えると全ての病床枠を活用はしないだろうけれど,多少縮小しても1000床規模にはなるのではと。

 そうすると,多くの患者・家族だけでなく,医療スタッフの通勤を考えると,なるべく便利な場所,少なくとも鉄道駅から徒歩圏の場所が望ましいのではと思います。

 いずれにせよ,これだけの規模の大病院の統合には,10年スパンの検討・整備期間が必要でしょうね。

立地条件の良い3病院

 がんセンターこそ名取駅から多少距離はありますがそれでも名取市のコミュニティバス「なとりん号」で10分150円。最低限の本数はあり,決して不便ではありません。クルマでも仙台市中心部から30分程度。長町モールにつながる県道仙台館腰線からほど近く,特に仙南方面からは非常に行きやすい,名取市を代表する病院です。

 

 残りの2つの病院は,地下鉄駅から徒歩圏。

 仙台労災病院は街中からほど近く,北仙台と台原駅のちょうど間で両駅から徒歩圏だし,県道仙台泉線近くで車でも行きやすい。この幹線道路を経由する多くのバスも利用可能。

 仙台赤十字病院は5年前に開通した東西線の八木山動物公園駅のおかげで,急坂ながらも何とか駅徒歩圏に。また,バスでも動物公園駅から5分かからず到着可能(100円均一区間)だし,長町方面からも直通バスが毎時2本程度あります。

 車でも,郡山折立線と長町八木山線という2本の都市計画道路の整備により国道286号からのアクセスが劇的に良くなりました。

 統合という話になっても,いずれの病院も不便な場所ではないというところ。

 名取のがんセンターこそ駅からバス・タクシー必須ですが,県内一円からのアクセスとしては別に悪くはない。

 なので,基本的に敷地に余裕のあるがんセンター,もともと道路向かいへの建替えが想定されていた仙台赤十字病院を核に進めるのが良いのではと。仙台労災病院は市街地過ぎて拡張余地がないし,土地を売却することで,移転原資を生み出せそう。

 新たな場所に統合病院を作るにしても,既存の大病院とある程度離れたところが,医療機関の立地バランスからも望ましいとなると,結構限られると思っていました。

富谷市が移転先に名乗り!?

 その統合の話から約1か月,このタイミングで富谷市が統合新病院の移転先として名乗りを上げました。

 今朝の河北朝刊1面でデカデカと。Web版にはUPされていなかったので,紙面を引用させてもらいます。

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感想としては,

〇黒川郡には大病院がなく,バランスとしては悪くはない。土地のあてもあるとは,若生市長の嗅覚は鋭い。

〇県内一円を考えても,車でのアクセスは悪くはない。

〇とはいっても,これだけの大病院を”鉄道駅がない”富谷市内に立地させるのは,医療人材の地域バランスを崩し,スタッフの通勤,患者・家族の通院を考えると問題が多い。

医療人材のバランスを崩すことに

 以前,県が栗原市への医学部誘致を図った際にも,人口6万人の栗原市に600床の大病院を作ると,地域の医療人材のバランスを崩すことになると危惧したものでしたが,人口5万人の富谷市に1000床規模の大病院というのは,医療スタッフの確保の面でも厳しい。

 なによりも,現在の3病院から,看護師・薬剤師をはじめとした医療スタッフがスムーズに移ってこれるのか?

 10年後であれば,当然スタッフは大きく入れ替わるだろうけれど,富谷市移転であれば,一定数の方が見切りをつけて,他の病院に移ってしまうのでは。

 結局統合病院ということであれば,これまでの個別の医療機関とは何から何まで変わってしまうし,実質的に全く新たな病院に勤務するようなもので,どの病院のやり方を残すのかを考えるだけでも,気が遠くなる話。混乱必至なので,医療スタッフとしても残るメリットは小さい。

 仮に,泉区・青葉区・宮城野区北部から労災病院に通勤していた医療スタッフは何とか富谷に通うことができるかもしれないが,赤十字やましてがんセンターに通っていたスタッフの通勤は厳しいと思われます。一人暮らしだったら引っ越しすれば良いけれど,家族持ちでは引っ越しは難しい。当然スタッフは女性が多いので,子育てと両立させようとすると,これまでより遠距離通勤になるのは厳しい。

 看護師や薬剤師ももちろん大変ですが,この規模の病院は医師だけでも200人を超えることとなり,スムーズに旧病院から移ってくれないと,医師確保も大変。そうなると,アルバイト的な応援医師でしのぐのも難しい立地となるのでは。

仙台圏北部の大病院は

 現在としては,泉中央駅西側に徳洲会病院があり,現在西友泉店跡地への移転が進められています。

その他に,富谷市と接する泉パークタウンには,台原からJCHO仙台病院が移転のため病院建設中である他,泉中央に仙台循環器病センターがあるなど,富谷市域には病院はなくとも,隣接する泉区にはそれなりに揃っています。

戦略的な病院誘致?

 基本的に生活機能を仙台市に依存している富谷市であり,医療に関しての仙台市依存度を下げるべく,企業誘致感覚で手を挙げたのかもしれません。

 〇これだけの大病院を誘致すれば,1000人以上の就業者が手に入り,来院者を含めても経済効果が大きい。

 〇将来的には病院近くに多くの方が住んでくれるはず。

 〇市民も大病院が来て安心。

 〇泉中央駅からのバス利用者が激増し,念願の地下鉄延伸やBRT運行に向けた需要の底上げにより,実現性を高める手段となる。

という,富谷市としては安くて広い土地を提供するだけで,これだけのメリットが生じるので,移転の過程で生じる上記のような問題は些細なことにはなるでしょう。若生市長は結構したたかだと感じています。先に手を挙げるメリットは大きい。

移転先はどこに?

 まぁ,当然移転先については,3病院の経営主体が結論を出すことで,その過程で職員の意向も反映されるでしょうが,問題は望ましいアクセスの良い,広い土地が確保でき,他の大病院とエリアが被らないところは限られていること。

 そもそも,現在病院が立地している名取市や八木山地区から大病院が消えてしまうのは,地域バランスを考えてもどうなのか?

 富谷に移転するのであれば,よっぽど名取市の現在のがんセンターや八木山の赤十字病院を核として集約した方が便利ではないでしょうか。

 記事中では,座長である東北大八重樫医学部長が,立地場所を「アクセスの良い場所に」と指摘しているようで,当然ながらこのような統合大病院を成功させるには,立地条件が第一であるでしょうね。

 この富谷市の動きを発端として,仙台市及び仙台市周辺自治体で誘致の動きが出てくればと思います。

 個人的には名取市を推したいのですが,穴場の土地としては,多賀城市の東北学院大学工学部が撤退する跡地などは,「駅から徒歩圏」「まとまった土地」,「多賀城市としても,大学撤退のダメージを補って余りある効果」と思います。時期も丁度良い。

 他,仙台市内では,荒井駅北口の農地も面白い。東部道路の仙台東ICも近く,県内全域からのアクセスも良い。

 あと,愛子地区は東北道での県内からのアクセス,仙山線が使えること,土地確保の容易さもありますが,ちょっと西に寄り過ぎの感が。

 まだ先の話とはいえ,東北医科薬科大学病院を病床数ではるかにしのぐ,東北大学病院に次ぐ規模の大病院が誕生するとなれば,失敗は許されない。統合が実現するかどうかも未知数ではありますが,この動きは注視していきます。

 

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2020年5月30日 (土)

阿武隈急行 10月全線復旧へ&新型車両仙台駅乗入れ

 昨年10月の台風19号で大きな被害を受け,県境区間が未だ不通のまま,また車両基地がない宮城県側は朝晩の運行のみとなっている阿武隈急行。

 当初は村井知事の必ずしも鉄道での復旧に拘らないという発言にビクビクしていましたが,上下分離を前提とした復旧費のほぼ国費負担の制度ができ,ひとまず今夏までに不通区間の回送運転により,宮城側の昼間の運行が再開との話がありました。

 阿武隈急行 全線復旧なるか? (R1/11/28)

 この話が出たら,車両基地への回送運転だけに留まるわけはないとは思っていましたが,台風被害で不通になって約1年の10月をめどに全線復旧を目指すという話が出て,ホッとしました。

福島市と宮城県柴田町を結ぶ第3セクターの阿武隈急行は、去年の台風19号の影響で不通となっている区間について、ことし10月をめどに運転再開を目指すことになりました。

福島県と宮城県や沿線の自治体などが出資する、第3セクターの阿武隈急行の取締役会は26日、福島県伊達市で開かれました。
阿武隈急行は、台風19号の影響で、現在、伊達市の富野駅と宮城県の丸森駅の間の15.4キロで不通となっています。
26日の取締役会では、復旧作業が続くこの区間について、ことし10月をめどに運転再開を目指すことが報告されました。
また26日は、ことし3月までの1年間の決算が発表されました。
それによりますと、本業の鉄道事業営業収益は5億8800万円で、前の年度に比べて9000万円、率にして13%減りました。
台風の被害や新型コロナウイルスにより、乗客数が、前の年度に比べ12%減って、216万人あまりになったことが影響しています。
そして台風19号などによる被害の損失が9億1500万円にのぼり、最終的な損益は10億4000万円の赤字となりました。

この赤字額は過去最大です。

26日はこのほか、千葉宇京社長の後任に、仙台空港鉄道の菅原久吉社長が就任する人事案も発表されました。(NHK 5/26

コロナによる公共交通機関への影響

 コロナの影響で,主要客の高校生や大学生の利用が皆無になっていました。福島側には福島学院大駅もあるし,福島大学への通学も。

宮城県側でも仙台市内の大学へ通う需要も消えてしまい,ようやく高校が再開する6月から乗客数も回復に向かうでしょうが,この数か月の乗客減のダメージは大きく,運営資金も厳しい中運行を続けなければなりません。

 よって,夏に宮城側の昼間の運行が再開し,秋以降に全線復旧したとしても,運行本数が台風前を維持できるかというと厳しい状況です。

 特に,県境の閑散区間でも毎時1本近くは確保してきたのが,昼間は2時間に1本程度になってもおかしくはない。宮城側である程度丸森折り返しを残すなど。

 県境区間は観光需要と,角田・丸森両駅と福島駅(そして新幹線乗継東京方面)の需要に支えられてきたのに,観光も東京方面への流れも,秋までどの程度回復するかが鍵。

 仮に多少減便になっても,需要から考えると十分だし,県境区間が再開するだけでも十分かなと思っています。

仙台直通に新型車両

 宮城側での明るい話題といえば,5月18日から仙台駅直通列車の置き換え運行が開始され,阿武急の新型列車AB900系が仙台駅に毎日顔を出すことになりました。

 JRのE721系の亜種であり,従来の2ドアと異なり普通列車が3ドアに統一できたことで,特に朝夕の混みあう時間の仙台乗り入れ列車に新型車両の効果はテキメン。従来の2ドア車両だと,うっかり押されて車両真ん中あたりまでは行ってしまうと,途中駅で降りるのが苦悶だったり,4両編成というのもあり,朝の下り,夜の上りは前後の電車と比べても体感的に混んでおり,避けられる存在でもありました。

 何といってもステンレスベースでピカピカ。斬新なデザインです。順次置き換え中で,年1編成ペースでは,ようやく2編成(4両)が投入されたところなのに,その2両とも宮城側で運行というのは,福島側にとっては複雑な気分でしょうね。この車両が能力を発揮するのは仙台側のラッシュであるのは間違いないにせよ。

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車内はJRやアクセス線とほぼ同じデザインながら,座席のモケットの色は特徴的。

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車内広告は当然独特で,福島側の広告が多く新鮮です。

この写真は発車10分前の先頭車両なので,まだガラガラでしたが,発車間際には次々と乗り込んできて,立ち客もパラパラでる位でした。

緊急事態宣言明けの週でもあり,学生はともかく通勤客は大分戻ってきつつありました。

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 これは,長町駅で下車した時の発車直前の状況。長町駅でかなり下車した後でも,席は埋まり,立ち客もいます。線路が分断され車両のやりくりが大変な状況の中,阿武急には宮城側に貴重な新型車両を回してくれて感謝です。

阿武急の今後

 阿武隈急行は,現在では珍しい2県に跨り運行する第三セクター鉄道で,車両基地や変電所を福島側に頼っている状況からは,いまさらそれぞれに分断するのは困難な路線です。国費を使って復旧したからにはあと長期的な運行を担保しなければならず,少なくとも20~30年は運行を確保することになりますが,このような珍しい状況だからこそ,片方の県の意向のみで決められないメリットがあったのかも。

 福島県としては輸送密度が極端に低い只見線を力技で復旧させて,阿武急を復旧断念というのはありえないので,宮城県が仮に阿武急県境部の廃線を希望しても福島県と合意する訳がない。

 コロナ後の観光需要がどの程度戻るかによるけれど,せっかく復旧させるこの区間。観光需要の掘り起こしなど両県協力しての活用を図らなければ。

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2020年1月13日 (月)

2020年 利府町が注目の年に!(五輪とイオンモール新棟)

 年末年始の9連休があっと言う間なのだから,3連休も終わるのが早いのは当然ですが,平日は更新できなさそうなので,今年の大きなトピックを整理してみます。と思ったら,利府町絡みで2大トピックがありました。

1.東京五輪サッカー競技開催

 2020年,今年のトピックや期待することといえば,まずは東京五輪。県内でも利府町の命名権が事実上返上された宮城スタジアムで開催です。男子が3試合,女子が7試合開催され,特に男子は「復興五輪」のアリバイづくりのようなものとはいえ,7月下旬は利府町と仙台駅周辺は賑わうことでしょう。

 また,聖火リレーも6月の3日間,県内沿岸部15市町+大衡村の16市町村で開催で,ホストタウンや事前合宿で関わる市町村もあり,県内全域で,五輪の機運が徐々に高まることに。

 サッカー競技については, AFC U-23選手権でのグループリーグ惨敗で,森保監督のクビも危なくなってきましたが,せっかく宮城で開催されるので,監督が代わるにせよ続投にせよ,いいムードで大会を迎えてほしいです。

2.イオンモール利府 新棟のオープン

 これも利府町関係ですが,五輪開催後の2020年末に,イオンモール利府の新棟が,現施設の利府街道向かいにオープン予定です。

7月に着工のプレスリリースがあり,着々と建設が進められているようです。

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 現在モールの2倍以上の規模の新棟を建設し,利府街道を超える歩行者専用ブリッジで接続。合計賃貸面積は,現棟の3.3万平米に加え,6.9万平米,合わせて10.2万平米という,イオンモール名取(旧エアリ)を上回る,イオンモールとしては3大都市圏外で最大の超巨大モールになります。

イオンレイクタウン

 歩行者ブリッジでの複数棟接続という点で,埼玉県越谷市のイオンレイクタウンのMoriKazeがイメージされ(レイクタウンは,さらにアウトレット棟が接続されている)ますが,レイクタウンはJR武蔵野線越谷レイクタウン駅直結のKazeと駅から遠いクルマで行きやすい郊外型施設的なMoriの2つのSCの集合体的な感じでした。10年位前に同時に完成しているので,2つの棟(+アウトレット棟)の棲み分けも意図しながら,新駅を中心とした区画整理地区の中心商業施設として,巨大すぎるとはいえ,商圏が広く,都心部駅前商業施設と棲み分けできる首都圏ならではのSCと感じました。なお,訪問したのは7年以上前です。

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 一方,利府のイオンモールは,新旧2棟で,明らかに規模もグレードも新棟>旧棟 であり,片方が駅前という訳でもなく,2つの棟の棲み分けは苦労しそうです。実質新棟のみに集客が集中し,利用者も新棟のみでことが足りるとなり,旧棟は早々に閉鎖されたり,業態転換されることもありそう。片側2車線+歩道という,広幅員の利府街道上空を跨ぐだけで,かなりの移動距離になるということも。

 というのも,イオンレイクタウンを訪問した際の感想として,KazeとMoriそれぞれの棟が巨大で,片方だけで事が足りる,両方回ると疲れすぎる印象だったためです。食品店舗も,片やイオン,片やマルエツとそれぞれの棟に入居しており,実質的に2つのモールが隣接している形で,巨大すぎるショッピングモールの功罪を感じさせられました。

旧棟の行方

 そのイオンレイクタウンにはイオングループ初のアウトレット棟が併設され,第2号店が広島に「ジ アウトレット ヒロシマ 」として2018年GWに開業したところですが,利府の旧棟は,ウルトラCとして,「アウトレット棟」として活用することも考えられるのではと。

 というのも,だいぶ前ですが,仙台市内某所で過去にイオンモールがSCとアウトレットの融合店舗を構想していたことがあると記憶しているからです。

 ただし,仙台市内ではアウトレット2強のプレミアムアウトレット仙台泉と三井アウトレット仙台港が同規模でしのぎをけずっており,新年早々三井側が増床(夢メッセ側の広大な平面駐車場部分?)を検討しているとの情報もありました。その2強に割って入るには,商圏規模が小さすぎることと,テナント誘致に苦しむのは明らかではありますが,旧棟の活用方法として,他の巨大専門店とのミックスで,アウトレットも含めながらの活用は可能性があるかも。

 いずれにせよ,この新棟の課題は交通問題です。JR利府線の活用には及び腰で,利府街道に頼りっきりの誘客になるのでは,目標とする集客が見込めるかというと厳しい気がします。

鉄道アクセスの改善を

 歩けば10分もかからない,新利府駅。ただし現施設が貧弱すぎること,基本的にJR職員向けの構造であることから,根本的な改造は必要ですが,東側の田んぼにホームを1面増設し,ロータリーを新設するだけで,新利府駅がこのモールのアクセス駅として活用できることになるのに,それをやると「塩釜や多賀城市民にしか恩恵がない」という狭い思考で新利府駅の改造を行わず,カネのかからない利府駅からのシャトルバスアクセスでお茶を濁そうとしていると聞きましたが,それが本当なのであればどうなんでしょう。設備については原因者のイオンモールと誘致した利府町とでしっかり解決すべき話。

 

 それに,鉄道が充実している塩釜市や多賀城市民が,わざわざ不便な新利府駅使う訳がないのでは。せめて車で乗り付けるのであれば岩切駅か利府駅を使うでしょう。やらないがための言い訳にしか聞こえないし,周辺自治体に迷惑をかけながらも,良いところ取りで巨大商業施設を誘致するのであれば,それ相応の責任をとって欲しいものです。

 結果的に,大混乱で泥縄的に新利府駅の改造を強いられることになるか,利府街道がキャパオーバーし避けられ,売り上げが想定に届かないとか,利府町民の日常の移動に支障が出ることも考えられます。

 利府町の交通改善のため,このイオンモール新棟の立地を機に,昼間の利府線の岩切止まり毎時1本を,アクセス線には及ばないまでも毎時2本程度とし仙台直通させることができれば,多少は分散でき,渋滞に左右されない来店手段も提供できることから,利府町民にも,岩切・東仙台を利用する仙台市民にもイオンにも恩恵が生じます。イオンモール,利府町とJRには,このような大所高所からの判断をして欲しかったですが,まだ間に合います。何とかして欲しいものです。

イオンモール利府 新棟計画について思うこと (2018/2/7)

 

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2019年12月13日 (金)

県の公共施設の立地 仙台市を無視して良いの?

 県民会館の移転新築地に続いて,県美術館も急遽移転する前提で話が進められている,宮城野原の国立医療センター跡地。

 県議会では,単なるハコものとして美術館移転の必要性を説明するだけで,「具体的にはまだ何も決まっていない。これから」と村井知事がはぐらかす一方,仙台市からの申し入れにはにべもない態度。

 今日の有識者会議最終回でも,御用委員の方々から異論は出ず,着々と既成事実化が進められています。

 非常に違和感を感じるのは,「県の施設を県有地に作る(移す)からって,基礎自治体の仙台市を無視して良いの?」ということ。

 基礎自治体の意見って大事じゃない?そもそも宮城県民の半分近くは仙台市民。その県民である仙台市民の意見を無視して進んで誰のためになるのでしょうか。

宮城県の方針案、仙台市のまちづくり翻弄 県民会館と県美術館集約で都心再生構想に狂い

仙台市青葉区の東京エレクトロンホール宮城(県民会館)と県美術館を宮城野区に移転、集約する県の方針案を巡り、市の都心まちづくりが揺れている。JR仙台駅西側に重点を置き、定禅寺通や青葉通を軸に再整備を誘導するが、県の方針案が現実になれば駅東側に一大文化ゾーンができ、都心再生の青写真にも狂いが生じる。県主導で突如浮上した新たなまちづくりに、市は翻弄(ほんろう)されている。

 「にぎわいを形成する地域と歴史的、文化的に重要な区域から文化施設がなくなる。まちづくりにすごく影響がある」。郡和子市長は11月26日の定例記者会見で、唐突に示された集約案に動揺を隠さなかった。
 県民会館はシンボルロードの定禅寺通にあり、県美術館は青葉山の文教ゾーンに立つ。二つの施設を仙台医療センター跡地に集約する県の方針案は、立地場所の姿を一変させるだけでなく、駅西側の集客力の一部を3、4キロ離れた駅東側に移し替える意味も持つ。
 「西と東でバランスよく人が流れる。市にとってもマイナスではない」。村井嘉浩知事は前日の定例記者会見で、まちづくりへの貢献を強調したが、郡市長は「それも一つの考え方」と理解を示しつつ、歓迎とは言い難い表情を浮かべた。

Map1
 市の都心まちづくりは長年、旧城下町の駅西側を中心に展開する。2017年には定禅寺通活性化室を設置。市役所本庁舎の建て替えを機に一番町、勾当台エリアの集客力を高めるべく、通りに憩いの空間をつくる社会実験に取り組む。
 今年10月に始動した「都心再構築プロジェクト」も主な舞台は駅西側。青葉通を軸とする都市再生緊急整備地域(約79万平方メートル)を対象に、老朽ビルの建て替えや高機能オフィスの整備を誘導する。市の音楽ホール構想も延長線上にある。
 県の集約案は、こうしたまちづくりの「西高東低」に一石を投じる。東西の均衡ある発展に期待する声が上がる半面、保守系市議は「コンパクトシティーの範囲が広がる」と懸念する。
 市は県民会館が移転した場合の跡地利用にも関心を寄せる。郡市長は11月22日、県庁で村井知事と会談。跡地はまちづくりを左右するとして「活用に関わらせてほしい」と申し入れたが、知事に「タイミングが来たら」とはぐらかされた。
 次回のトップ会談は来年1月に公開で行われる。市のまちづくりが転換点に立つかどうかは、もはや知事の決断次第。市幹部は「従来通り、県民会館と県美術館は市にとって重要な場所と伝える以外にない」と手詰まり感を打ち明ける。

 市の街づくりに勝手に手を突っ込んで,上から目線で「移転が仙台市にとってマイナスではない」と言い切って良いのでしょうか。

 これは政令市の仙台市が相手だからなのでしょうか。その他の県有施設の立地について,あのグランディ21(宮スタ,総合体育館,プール)を利府町に,宮城県図書館と宮城大学も仙台市と大和町の境目に建設した時の意思決定や地元との調整過程は30年前の話なので分かりませんが,最近だと,石巻や気仙沼の県合同庁舎がともに内陸に移転しました。

気仙沼では

 気仙沼合同庁舎は海っぷちにあり,震災でまともに津波被害に遭ったので移転させるしかありませんでした。市内にはまとまった土地がないために,気高と統合された内陸の旧鼎が浦高校跡地に気仙沼警察署とともに移転され,これは防災対策上やむを得なかったんでしょう。

 その気仙沼市は,市役所の立地場所について,現在の八日町と田中の旧市立病院跡地の2択という選択肢から,「市立病院跡地」が有識者会議で選定されました。

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 まちづくり上では,当然現在観光施設の復旧を進めている内湾地区が復興途上ということから,気仙沼の中心地に隣接する八日町に新築するのが,分庁舎として使用している再開発ビル”ワンテン”も活用できるなど好ましかったとは個人的に思いますが,気仙沼自体の実質的な商業的な中心部は田中前付近に移っており,小規模の郊外型店や飲食店がこの近辺に集中し,「ここに行けば困らない」エリアになっている関係上, 現状に追随することになりながらも,これは気仙沼市の判断として尊重せざるを得ない。現位置だと駐車場確保も建替え時の仮庁舎の確保も難しい面もあり。

石巻では

 一方,石巻合同庁舎は,もともと石巻駅北側の南中里にありながら震災前から老朽化が進んでおり,中里バイパス北側の消防署隣接地に移転地を確保していながら,震災で旧合庁の1階部分が津波浸水被害に遭った結果,一大郊外商業地となった”蛇田”に隣接かつ震災の集団移転地及び災害公営住宅建設地となった「あゆみ野」地区に急遽移転されました。

 この県石巻合同庁舎が市街地から離れた反面,先日1階へのイオン出店が発表された石巻市役所は石巻駅前で中心市街地のど真ん中。その隣接地に石巻市立病院を移転させたり,中心商店街への災害公営住宅の整備誘導など,中心市街地活性化に苦心している市の方向性と逆のことを県がやってしまったような感想ですが,これも市の意見をどの程度反映させた判断だったのでしょうか。

(2015/2/8JR仙石線「石巻あゆみ野駅」来春開設 より引用)

 県の合同庁舎も、思わぬ大きな津波被害を受け孤立した経験を踏まえてなのでしょうが、予定していた消防署横の移転計画を撤回し、結果的には旧市街地を見捨て蛇田新市街地へ移転との形に。

 石巻市は石巻駅周辺に市役所、市立病院を集約させ、商店街を含めての再興・居住者の増加を模索していながらも、(市と協議をしたとはいえ)県が蛇田に合同庁舎を移転してしまえば、夜の飲み屋への影響も含め、結構痛いのではないかと。

 万が一の津波被害のことを考えるのは必要とはいえ、高床式にするとか、やりようはあるし、市町村の取り組みと整合性が図られていない感があります。

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 そこに,今回の県民会館と美術館移転。県は地元自治体のためにあるべきと思うのですが,市のまちづくりを上から目線で否定し,邪魔するのが県の役目なのでしょうか。

 過去にグランディ,図書館,宮城大学など郊外化を率先し,仙台市の街づくりに悪影響を及ぼした反省がなく,今回も仙台市が「西口を重視した街づくりを進めている」「文教地区は守りたい」と言っているのをはぐらかして,県有地であることを理由にして,公共施設の効率化を”錦の御旗”に,一方的に宮城野原に県有施設を集めることが”是”とされるものなのか。

 自分の問題意識のスタートは,「環境の良い県美術館,及びあの建物を守りたい」だったのですが,まちづくりの観点から,そもそもの移転検討プロセス自体に大きな疑問を感じるようになってきました。

宮城県美術館 宮城野原に移転? (11/16)

宮城県美術館 宮城野原移転の続報 (11/19)

 仙台市としても,東口(榴岡)の開発は,仙台駅の両側に都市機能を集める点から悪いものではないけれど,その東口から2KMも離れた場所に拠点施設を集めても,その間の連続性が保たれるわけがなく,それを求める必要もない。

 仙台市として,西口の都心以外に,都市計画上で「泉中央,長町,青葉山,仙台港背後地」など,拠点整備地区を定めているのに,それに含まれないエリアに勝手に拠点施設を集められるのは無力感以上の何物でもない。でも,下手に文句を言うと,需要面でありえないけど「仙台市外に作るよ」と言われかねない仙台市の立場は絶対的に弱い。国が県にやっていることを,県が市町村に対してやっているように感じるのは気のせい?

 過去のバブル期とは知事が違っても,やっていることの根っこは変わらないというのが,ものすごく不思議です。

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2019年12月12日 (木)

石巻市役所1階にイオン出店

 震災で浸水したり,その後の撤退で,市中心部がフードデザート(food desert )化し,中心部商店街で食料品が手に入りづらい状態になっていたのが,ようやく解消されそうですが,手を結ぶのは,そのきっかけを作ったイオングループ。でも,これがイオンの戦略の王道。

石巻市、イオンと出店合意 市庁舎1階に来春開業

 イオンリテール(千葉市)と宮城県石巻市は2日、市役所1階の商業スペースの出店合意書を取り交わした。同社は薬局併設型のスーパーを開業する計画で、来春の開業を目指す。
 市によると、店舗面積は共用部を含め約3500平方メートル、契約期間は10年程度を見込む。以前入居していたスーパー「エスタ」と同規模になる見通し。
 同社東北カンパニーの辻雅信支社長は市役所で記者会見し、店内で飲食できる80~100席程度のイートインコーナーを直営で設ける構想を示した。商業スペースをほぼ借り切り、テナントを受け入れる。かつて出店していた一部事業者と交渉を進めている。
 辻支社長は「地域のさらなる発展と暮らしの向上に寄与していきたい」と意欲を見せた。同席した亀山市長は「石巻の玄関口にふさわしい便利で魅力的な店舗にしてほしい。市としても最大限の支援と協力をする」と述べた。
 市役所1階は2017年5月にエスタが撤退して以降、核テナントの不在が続いた(12/3河北)。

 この市役所の建物は,言わずと知れた,旧さくら野百貨店石巻店。かつてはこの場所にデパ地下ならぬデパイチがありましたが,今や単一エリアとしては仙台市内をも超える,県内随一の郊外型店の集積地の先鞭をつけたイオンモール石巻の出店により,閉鎖に追い込まれた過去が。

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  もはや,震災の被害でメインストリートは最寄り品を買えるような場所ではなくなり,スーパーマーケットは西側と線路北側(中里バイパス付近)には地元や大手スーパー(ウジエ,ヨーク,あいのや)が存在しますが,付近の高齢者が歩いていくのはギリギリ。自転車で何とかという場所。

 

 そもそも,石巻駅前という昔としてはデパートもあった好立地で,その上は市役所があり,数百人の市職員が勤務。市立病院も隣接地に移転新築するなど,人の流れはない訳ではないけど,クルマを持つ世帯は蛇田ならずとも周辺のスーパーやドラッグストアを利用する訳で,この立地は逆に駐車場の利用しずらさやテナント料の高さで,出店しずらい場所になってしまっているのは,中小都市に共通するところ。

 その場所に,市の必死の誘致の結果,イオンリテールが出店するとのことで,自社グループで空洞化させた中心市街地に出店して,独占商売できるうえに感謝されるという,イオン商法全開です。

 このような手法は,仙台市内でも郊外に大型店を出店し,既存商店街を衰退させてから,イオンエクスプレスを出店という,外も中も制覇という戦略そのもの。

 石巻も,蛇田(イオンモール石巻)と渡波(イオンスーパーセンター)で東西を抑え,石巻駅前の出店で市街地をカバーする戦略は流石の一言。

 まぁ,この立地は,2年以上も空き状態が続いたとのことで,決して儲かる立地ではないのを承知で,地域貢献の意味合いで出店する面もあるんでしょう。一応,周辺は災害公営住宅の整備などで,人口は若干戻りつつあるところ。

 周辺住民+市役所職員の昼食(弁当需要)+帰りの買い物需要+観光客のお土産購入 

など儲からないにせよ,それなりに最低限の集客はできそうです。まぁ,損して得取れ精神で,少しは地域に貢献してもらわないと。

 いつまで続くかはわかりませんが,10年位は何とかやってほしいもの。

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2019年12月 3日 (火)

阿武隈急行 12/6 部分復旧へ

10月の台風被害から2か月弱,運休となっていた阿武隈急行の宮城県側のうち,丸森以北の運行が12月6日復旧することになりました。

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 光のページェントが始まり,忘年会シーズンとなる12月第1週の週末からの運行再開。

 朝夕の通勤通学時間帯に絞った運行再開なので,週末ではなく平日にこだわったのかなと。

 昼間は完全運休といった割り切ったダイヤで,高校生の帰宅時間帯にはちょっと遅いですが,徐々に運行時間帯を広げていくのでしょうか。

 朝は丸森ー槻木間,夕方は角田止まりも2往復設定されており,限られた車両でやりくりするための工夫かと。

仙台直通復活!

 何といっても,特筆すべきは,1日2往復の仙台直通が復活すること。この直通の他 槻木ー丸森の毎時1往復が運行されます。 

 台風での阿武急運休から,仙台近郊の朝夕の最も混む時間帯にダイヤホールが生じており,特に夕方の仙台駅発上り東北本線は,18時9分発のアクセス線の次は18時26分発の常磐線まで17分も間隔が空いてしまっていたせいで,乗り込むのが無理と思えるほどの,本当に乗り切れない混雑が生じていました。

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 その次の18時34分のアクセス線にもその影響は続き,列車到着までホームは大混雑,超満員で発車していました。

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 下の写真は,26分発の常磐線新地行に乗るのをあきらめ,34分発のアクセス線ホームに移動する際のものですが,ホーム左側は39分発本線白石行を待つ乗客の列,ホームの右側は44分発の次の常磐線原ノ町行を待つ乗客の列で,この時間帯は輸送力に限界がある4両編成が連発だったというのもあり, 比較的幅が広い5・6番線が人で埋まっている状態でした。

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  18時21分発の阿武急が復活するのは,角田・丸森への帰りの足が確保される点でもちろん大きいですが,この時間帯の仙台近郊の混雑が多少でも解消されるのは嬉しいことです。

 なお,平日の朝晩の利用に特化した形のダイヤですが,週末なのに,昼間の運行がないのは厳しいので,徐々に昼間の運行も開始するなど,少しずつでも元通りに近い形に復旧して欲しいものです。

 また,車両整備は,JRの仙台車両センターで行うとのことで,直通列車以外でも回送で東北本線を行き来する機会がありそうです。こういう点ではJR東日本に感謝ですね。

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2019年11月28日 (木)

阿武隈急行 全線復旧なるか?

 先月の台風19号で福島県との県境区間が大規模な被害を受けて,宮城県区間が全て運休中の阿武隈急行ですが,12月の中旬には槻木から丸森までの区間が復旧する見込みとなりました。

 復活なるか!? 運休が続く阿武隈急行 (11/12)

 地方の第三セクター鉄道としては珍しい,2県にまたがる運行形態は,もともと国鉄時代に廃止対象となった旧国鉄丸森線(槻木ー丸森)を含め,ほぼ完成しながら開通を放棄された福島駅までの鉄建公団工事中区間を引き取って第三セクターとして全線開通したという経緯がありますが,もともと営業路線があった宮城県側ではなく,本社も車両基地も変電所も現伊達市内(旧保原町,梁川町)に設置され,運行本数も県都の福島駅に直接乗り入れできる福島県側の方が約30往復と,宮城県側の23往復に比べて優遇されているというのが,福島県主導の第三セクターという性格を表しているのかと思いました。

 福島県側は全くの新線建設と言っても,国鉄時代に建設が進められていたこの路線の開業前に,福島交通の軌道線が廃止されていたという経緯もあり,鉄道に対する待望論は高かったのと推測します。その沿線に路線を持っており,鉄道廃止後にバスを走らせていた福島交通が主要株主として参加しているということも含め。

 ただ,利用客数を見ると,最も多いのが当然福島駅(乗車客約2,000人強)ながらも,2番目は宮城県の角田駅,3番目が東北本線に接続する槻木駅(ともに1000人台前半)というのが,路線の性格を表しており,福島県側は福島駅以外で最も利用者が多いのが保原駅(乗車客5~600人)で,他の駅が2~300人程度の利用客で小駅から細かく乗客を拾っている反面,宮城県側はほとんどが角田駅と槻木駅相互の利用客というところで,角田高校通学輸送及び仙台方面への通勤通学需要は大きいのが分かります。

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 よって,この宮城県側区間の復旧は,ボリュームとしては大きくバスでは運びきれない路線の復旧であり,仙台方面への通勤通学客の救済という面でも大きいもの。代替の無料救済バスが有人駅のみの運行だったというのは,無人駅の乗降客がほぼ無視できる需要数ということもあるんでしょう。

 ただ,上述のように,車両基地や変電所が福島県側にしかおかず,効率化を図ってきたことが,今回のような災害での路線寸断時には致命傷になってしまうことは盲点でした。

 一方,JRの東北本線(福島―槻木)経由で車両を動かして,宮城県側に2両×3編成を配置し運行再開することができるのは,旧国鉄で,JRとの相互乗り入れが行われてきたこの路線の強みでもあります。ただ,3編成での運行では,本数が限られ,特に朝夕の仙台直通列車の運行は絶望的であり,仮復旧的な位置づけになります。

報道でのトーンと知事記者会見の検証

 知事記者会見の報道を目にして,誤解してしまったのは

県境部分の復旧にこだわらない⇒宮城と福島で路線が分離することも已む無し

 と,村井知事が決めているような論調だったこと。

 ただ,知事記者会見のやり取りを文字で確認したら,決してそんなことはなく,厳しい条件の中熟慮しながらの発言であることが確認できたので,全然決定事項ではなく,今後検討を進めて行くとのことで,真実が分かり一応安心しました。

知事発言要旨(と多少補足) 

 〇台風前から,乗客減が進み,累積赤字も膨らんでおり,債務超過寸前状態で,鉄道の在り方を検討していた。

 〇車両も老朽化が進み,両県の他,地元市町も負担しながら今年度新車導入を始めたところだった。

  ところがこの台風で地元自治体での負担が難しくなりそう。柴田町,角田市,丸森町の首長とも話をした。

 〇路線の日常利用者は,福島側,宮城側で殆ど分かれており,地元住民の県を跨ぐ需要はほとんど皆無

 〇特に被害が大きい区間(丸森―富野)のあぶくま駅と兜駅の利用者はほとんどいない(合わせて10~20人/日 程度)

 〇県境区間の復旧は国費を使えばほぼ地元負担なしとなる反面,原則上下分離が必要であり,この区間を長く運行することを約束しないといけない。仮に復旧後廃止することになったら,国費の返還を求められるので慎重な検討が必要

 〇BRT化は,復旧費的にも補助がなく自己負担となり,全くメリットがない

 とのことで,阿武隈急行が置かれている現状からすると,当たり前すぎることを言っているだけでした。

 県境を超える需要といっても,観光地であるあぶくま駅の利用客が2桁前半/日 であれば,これを理由にするのは難しい。フリー切符で需要喚起をしていますが,収入的には焼け石に水。でも,少しでも需要を掘り起こさざるを得ない。

 梁川と仙台を結ぶ1日2往復のJR乗り入れ仙台駅直通列車も,ほとんどが丸森以北の利用者(梁川駅利用者は200人/日 だし,仙台まで80分以上かかる),その南側の保原駅からは福島駅経由で新幹線の方がよっぽど早い(最短60分程度),しいて言えば,角田駅からの福島駅経由での新幹線乗り継ぎ客の存在。角田からはほぼ各駅停車しかない白石蔵王駅利用も不便だしという程度でしょうか。

 ただ,仮に県境部分をあきらめて両県で分断することになると,,宮城側に車両基地や変電所の新設が自己負担で必要であることから,よっぽど県境区間を復旧した方が費用的に安上がりになりそうなこと,同じ第三セクターの会社で県境で分断する意味がなく,仮に会社を宮城と福島で分割するにしても,資産も負債も分けるのが難しいという,難しい課題が生じます。

 とはいえ,仮に全線復旧しても,沿線人口は減少の一途。現在でも国鉄時代に廃止対象となった路線の「輸送密度2,000人未満」を全線で下回っているので,将来を考えると残すのも地獄となってしまい,両県の覚悟が必要です。

 ただ,この阿武隈急行よりも条件がかなり厳しい三陸鉄道が「震災からの復興のシンボル」と位置付けられ,岩手県の覚悟で震災から復旧し,山田線の一部を取り込んで1本の路線として再復活したこと,さらに今回の台風被害から復旧させることに異論は全くなかったこと,福島県でも災害で長年一部不通になっているJR只見線を県も負担することで復旧させようとしていることからすると,この2路線よりはよっぽど立地条件的に恵まれている阿武隈急行の復旧の可否が宮城県として議論の遡上に上がっている点については不思議です。

 宮城県は,JR気仙沼線や大船渡線の被災区間の復旧に対し,鉄道での復旧を求める地元自治体に対し支援をせず,BRT化をほぼ異論なく受け入れたこと,鉄道というか公共交通については比較的冷淡なスタンスに思えます。仙台という目的地となる大都市を抱えており,鉄道のメリットが活かせる県ではあるとは思うのですが。。。

 この問題も,前記事で取り上げたように30年後の人口減を見越した取捨選択が必要という点を考えると,断腸たる思いです。今後はこのような選択の連続になるんでしょうね。暗い話が続くようですが,目を背けることはできない。

 

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2019年11月12日 (火)

復活なるか!? 運休が続く阿武隈急行

以前,阿武隈急行を全線初めて乗ってみた際の記事を書きかけていて,続き(その2)を失念していました。

阿武隈急行 全通30周年 その1(H30/7/11) 

先月の台風19号で大変な被害を受けた丸森町。あれから1か月が経過しましたが,その福島県との県境部分の路線で大きな被害を受け,この部分の復旧が危ぶまれています。

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 福島口は,富野ー福島駅間が復旧済みですが,宮城側は完全に運休中で,浸水等の被害を受けながらも比較的被害が小さい丸森ー槻木間が復旧していないのは,運行にあたっての拠点となる車両基地や送電設備が福島側にあるためです。

 宮城側には車両がわずかに残っているにしても,宮城側には送電設備がないために,運行ができないという状況。

 角田市や丸森町からの通勤通学客のために,朝夕の無料バスが槻木駅との間を数本運行していますが,時間がかかり過ぎて大変なようです。 

 現地に入るボランティアや支援の方も,公共交通機関がストップしているために,先日の週末は仙台からボランティアバスを運行していましたが,行きづらさは否めない。

 仙台直通の1日2往復も当然運休中で,仙台口の通勤輸送にも影響が出ています。

深刻な状況

 阿武隈急行にとっては,東日本大震災時にも全線復旧まで2か月かかりましたが,今回の台風被害はそれどころではない期間がかかりそうです。先日の記者会見で記者がBRT化について尋ねていて,「何てことを聞くんだ」と思いましたが,社長のコメントとしてはあえて否定はしていなかったことにびっくりしました。

 県境をまたぐ鉄道は流動が異なり,県境区間は利用客が極端に少なくなる路線は多いですが,30年前にこの阿武隈急行が全通したことで保原や梁川から仙台への直通交通機関ができたこと,また角田市や丸森町からの福島市及び東北新幹線を利用した東京方面への流動など,新規の流れを呼び起こした効果は大きいものでした。

 よって,被害が甚大な県境部分をあきらめて,槻木口と福島口の2つの路線に分断してしまうというのは本当に避けたいところです。

 また槻木口のディーゼルカーでの運行という案も検討しているとのことですが,そもそも電化路線の阿武隈急行はディーゼルカーを保有しておらず,運転手に必要な免許も電車と異なるので,JRの全面的な協力がないと不可能というのも厳しい

 Rosen

阿武隈急行での小旅行

 宮城側の始発駅槻木駅は非常に存在感のある駅です。

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柴田町は,隣の船岡駅も城を模して町主導で建設され,主要な両駅が好対照の外観となっています。

丸森までは,主要駅の角田駅以外は主に通学で使われる無人駅が続いていますが,JRと比べてこまめに駅が設置されているのが,第3セクターならでは。

 槻木駅から約30分で丸森駅ですが,その丸森駅の写真。

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 新線区間の丸森以南と異なり,旧国鉄丸森線区間なので,昔ながらの駅構造です。

 その新線区間にある観光拠点のあぶくま駅。

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この付近の景色は見事なものでした。年単位の期間が必要でしょうが,復旧を期待しています。

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(おまけ)福島駅の円盤餃子

 その時は,福島駅にある有名な円盤餃子「照井」に行きました。

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確か,帰りは爆睡してあっという間に槻木だった記憶が。。。

 

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2019年9月11日 (水)

泉中央駅発の深夜バスが復活!

 かつては,地下鉄南北線の最終電車に接続する24時以降の通常運賃で乗れる深夜バスが走っていた泉中央駅バスターミナル。

しかし,4年近く前の地下鉄東西線開業と同時に行われた宮城交通ダイヤ改正で,軒並み終バス時間が繰り上げられました。

宮城交通 泉中央発深夜バス廃止の影響 (2015/11/21)

 (本文から一部引用)泉中央からの3路線は、泉中央駅24時20分(富谷営業所行きは24時32分発)でしたが、泉PT方面は、23時45分発と35分繰り上げ、イオン富谷行(ガーデンシティ)は23時35分発と45分の繰り上げ、富谷営業所行きは、23時35分発と、ほぼ1時間の繰り上げとなります。

 さらに,ちょうど3年前の10月ダイヤ改正で,終バスが22時台へと更なる繰り上げがなされました。

 この改正は,本当に,泉パークタウン及び富谷市方面のバス利用者には衝撃でした。

富谷市誕生!その陰で。。。(2016/10/8)

(本文から一部引用)その富谷市が誕生する10日の翌日、11日に新市誕生記念の宮交バス減便が行われるというのは、何たる皮肉というか。

 昨年の12月の東西線開業時に、地下鉄南北線の終電に泉中央駅から接続する最終バスを全て廃止し、24時20分頃発→23時半頃発に繰り上げを行ったのもつかの間、何と、23時台のバスが全廃され、終バスが遅くとも22時58分になってしまいます。

突如深夜バス復活!

 それから,ちょうど3年。富谷の方々は飲み会でも2次会参加をあきらめて22時位に帰るか,タクシー覚悟で飲むかの選択枝を迫られてきました。周りの富谷市民の方をみると,もうすっかり慣れて,あきらめがついたような感じでしたが,この10月のダイヤ改正での突然の深夜バス復活は本当に朗報ですね。23時32分発で,地下鉄東西線開業時並みの終バス時間に戻るだけですが,それでも国分町で23時まで飲めるようになるのは大きい。

Timetable1

Timetable2

宮交HPから引用)

②深夜バス実証運行
 下記2路線について、泉中央駅23:32発深夜バスの実証運行を行います。
 ・新富谷ガーデンシティ線(泉中央駅⇒ガーデンシティ外回り⇒大清水)
 ・泉ヶ丘大富線(泉中央駅⇒泉ヶ丘・大富⇒富谷営業所前)
 【期間】2019年10月1日(火)~2020年3月31日(火)
 【運行】平日ダイヤ運行日
 【運賃】通常運賃+深夜割増100円(小児+50円)※割増運賃支払いは現金のみ
  定期券もご利用頂けますが、深夜割増運賃を現金にて別途お支払いください。
 一例(大人)
 ◆現金支払い   通常運賃(車内に表示)+100円をお支払いください。
 ◆ICカード     降車時に運賃精算機にタッチ+現金100円をお支払いください。
 ◆定期券        降車時に運賃精算機にタッチ+現金100円をお支払いください。
    ※対象区間内の定期券であればチャージ金からの引き去りはございません。
    ※対象区間外をご利用のお客様は所定運賃をチャージ金から引き去ります。
    ※実証期間終了後の運行については、ご利用状況を踏まえ、改めてお知らせします。

 このブログでも,しきりに割増運賃でもいいので深夜バスの開設を訴えてきただけに,嬉しく思いますが,ポイントとしては,

 1.富谷方面2路線のみ。パークタウン方面は救済されず。

 2.割増運賃は現金100円のみ

 3.平日のみの期間限定で,来年3月末まで

一番需要がありそうな,パークタウン方面の終バスは22時台のままの一方,富谷方面の2路線の終バスが約30分繰り下げられる形です。

ガーデンシティ線(泉中央駅⇒明石南⇒明石台⇒ガーデンシティ⇒大清水)

泉ヶ丘大富線(泉中央駅⇒泉ヶ丘⇒富が丘⇒パルタウン大富⇒富谷営業所)

と,富谷市内の主要なニュータウンを2路線でカバーしており,その通り道の明石南と泉ヶ丘という仙台市内も恩恵を受けています。

 このルートを見る限りでは,実証実験と言っているので,富谷市が絡んでいるのではと思われます。そうでないと,同じく車庫があるパークタウン方面を差し置いて富谷方面に延長される理由を見出すのは難しい。

 利用はかなり見込めるのではと思います。タクシーで2~3千円払うことを考えると,通常運賃+100円ワンコインで済むというのは意外でした。

 通常運賃210円の明石台も,640円の富谷営業所も,+100円で済むというのは遠距離利用者には助かる形です。 

 自分が考えていた深夜バスのイメージは運賃倍額でしたので。

 ただ,首都圏でよくある深夜バスは,基本運賃が200~220円なので,倍でも500円に収まるのに対し,富谷方面はガーデンシティで330円(増税後340円)なので,倍だと負担感が大きいこともあるけど,何よりも半年限りの実証実験なので+100円を現金で収受することでイクスカやスイカの運賃プログラム改定を最小限にしたかったのでしょうか。

 せっかくの運賃改定のタイミングだったので,ICカードにも対応できた方が良かったのではと思います。

 永続的に行うのであれば,基本運賃の倍額の料金設定にして,24時発とかの方がありがたみがあったかも。

 いくら実証実験とはいえ,今後宮交で深夜バスを拡充する場合での割増運賃の設定の基準になるので,最初+100円で始めた後で「100円だと安いから倍額運賃にします」とはなかなかできない。

自治体の協力

 ただし,富谷市の令和元年度予算を見る限りでは,「新公共交通システム推進事業」 として1500万円を計上していますが,あくまでも公共交通の基本計画の策定が目的で,この実証実験事業の負担金などは見当たらない。

 そうすると,富谷市の予算支出なしで,100円の割増運賃で深夜帯の人件費増分をペイするという実証実験か。

ただ,40人乗っても,1便4000円。。。期間限定で来年3月末までとのことで, 仮に富谷市負担がないとすれば,永続的な運行のためにはもう少し割増運賃をとらないとすぐ終わりそう。どの程度に採算ラインを設定しているのでしょうか?

 この方法は,富谷市だけでなく,仙台市との間でも活用できれば,パークタウン方面への深夜の足の確保につながり,住民から声が上がりそうですが,ただ,広い仙台市内の他路線とのバランスを考えると,「なぜパークタウンだけ?」となりそう。市バスの終バスも基本23時頃なのに。

 せっかく,破格の割増運賃100円での深夜バスが開設されたのだから,あとはどれだけ富谷市民の利用を喚起できるか。

今後の仙台での深夜バスの行く末を占う重要な路線なので,大いに利用して欲しいと思います。

 

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