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県政

2020年5月30日 (土)

阿武隈急行 10月全線復旧へ&新型車両仙台駅乗入れ

 昨年10月の台風19号で大きな被害を受け,県境区間が未だ不通のまま,また車両基地がない宮城県側は朝晩の運行のみとなっている阿武隈急行。

 当初は村井知事の必ずしも鉄道での復旧に拘らないという発言にビクビクしていましたが,上下分離を前提とした復旧費のほぼ国費負担の制度ができ,ひとまず今夏までに不通区間の回送運転により,宮城側の昼間の運行が再開との話がありました。

 阿武隈急行 全線復旧なるか? (R1/11/28)

 この話が出たら,車両基地への回送運転だけに留まるわけはないとは思っていましたが,台風被害で不通になって約1年の10月をめどに全線復旧を目指すという話が出て,ホッとしました。

福島市と宮城県柴田町を結ぶ第3セクターの阿武隈急行は、去年の台風19号の影響で不通となっている区間について、ことし10月をめどに運転再開を目指すことになりました。

福島県と宮城県や沿線の自治体などが出資する、第3セクターの阿武隈急行の取締役会は26日、福島県伊達市で開かれました。
阿武隈急行は、台風19号の影響で、現在、伊達市の富野駅と宮城県の丸森駅の間の15.4キロで不通となっています。
26日の取締役会では、復旧作業が続くこの区間について、ことし10月をめどに運転再開を目指すことが報告されました。
また26日は、ことし3月までの1年間の決算が発表されました。
それによりますと、本業の鉄道事業営業収益は5億8800万円で、前の年度に比べて9000万円、率にして13%減りました。
台風の被害や新型コロナウイルスにより、乗客数が、前の年度に比べ12%減って、216万人あまりになったことが影響しています。
そして台風19号などによる被害の損失が9億1500万円にのぼり、最終的な損益は10億4000万円の赤字となりました。

この赤字額は過去最大です。

26日はこのほか、千葉宇京社長の後任に、仙台空港鉄道の菅原久吉社長が就任する人事案も発表されました。(NHK 5/26

コロナによる公共交通機関への影響

 コロナの影響で,主要客の高校生や大学生の利用が皆無になっていました。福島側には福島学院大駅もあるし,福島大学への通学も。

宮城県側でも仙台市内の大学へ通う需要も消えてしまい,ようやく高校が再開する6月から乗客数も回復に向かうでしょうが,この数か月の乗客減のダメージは大きく,運営資金も厳しい中運行を続けなければなりません。

 よって,夏に宮城側の昼間の運行が再開し,秋以降に全線復旧したとしても,運行本数が台風前を維持できるかというと厳しい状況です。

 特に,県境の閑散区間でも毎時1本近くは確保してきたのが,昼間は2時間に1本程度になってもおかしくはない。宮城側である程度丸森折り返しを残すなど。

 県境区間は観光需要と,角田・丸森両駅と福島駅(そして新幹線乗継東京方面)の需要に支えられてきたのに,観光も東京方面への流れも,秋までどの程度回復するかが鍵。

 仮に多少減便になっても,需要から考えると十分だし,県境区間が再開するだけでも十分かなと思っています。

仙台直通に新型車両

 宮城側での明るい話題といえば,5月18日から仙台駅直通列車の置き換え運行が開始され,阿武急の新型列車AB900系が仙台駅に毎日顔を出すことになりました。

 JRのE721系の亜種であり,従来の2ドアと異なり普通列車が3ドアに統一できたことで,特に朝夕の混みあう時間の仙台乗り入れ列車に新型車両の効果はテキメン。従来の2ドア車両だと,うっかり押されて車両真ん中あたりまでは行ってしまうと,途中駅で降りるのが苦悶だったり,4両編成というのもあり,朝の下り,夜の上りは前後の電車と比べても体感的に混んでおり,避けられる存在でもありました。

 何といってもステンレスベースでピカピカ。斬新なデザインです。順次置き換え中で,年1編成ペースでは,ようやく2編成(4両)が投入されたところなのに,その2両とも宮城側で運行というのは,福島側にとっては複雑な気分でしょうね。この車両が能力を発揮するのは仙台側のラッシュであるのは間違いないにせよ。

Img_0706 Img_0705

車内はJRやアクセス線とほぼ同じデザインながら,座席のモケットの色は特徴的。

Img_0708

車内広告は当然独特で,福島側の広告が多く新鮮です。

この写真は発車10分前の先頭車両なので,まだガラガラでしたが,発車間際には次々と乗り込んできて,立ち客もパラパラでる位でした。

緊急事態宣言明けの週でもあり,学生はともかく通勤客は大分戻ってきつつありました。

Img_0709

 これは,長町駅で下車した時の発車直前の状況。長町駅でかなり下車した後でも,席は埋まり,立ち客もいます。線路が分断され車両のやりくりが大変な状況の中,阿武急には宮城側に貴重な新型車両を回してくれて感謝です。

阿武急の今後

 阿武隈急行は,現在では珍しい2県に跨り運行する第三セクター鉄道で,車両基地や変電所を福島側に頼っている状況からは,いまさらそれぞれに分断するのは困難な路線です。国費を使って復旧したからにはあと長期的な運行を担保しなければならず,少なくとも20~30年は運行を確保することになりますが,このような珍しい状況だからこそ,片方の県の意向のみで決められないメリットがあったのかも。

 福島県としては輸送密度が極端に低い只見線を力技で復旧させて,阿武急を復旧断念というのはありえないので,宮城県が仮に阿武急県境部の廃線を希望しても福島県と合意する訳がない。

 コロナ後の観光需要がどの程度戻るかによるけれど,せっかく復旧させるこの区間。観光需要の掘り起こしなど両県協力しての活用を図らなければ。

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2020年3月29日 (日)

苦境の仙台空港 商業機能増設に着手

 新型コロナウイルスが全世界的に蔓延し,日本では北海道や愛知県,関西に続き,大本命の東京圏での感染急拡大により,一気に危機感が高まっている今週の動き。

 この宮城県では,木曜日に2例目の感染者が確認されました。

 基本的に東北各県ではインバウンドの少なさが幸いしたのか,感染者数がほぼ皆無で推移してきたものの,「貰い事故」のように,クルーズ船乗客(宮城・秋田),海外旅行帰り(青森),東京や北海道からの感染疑い者の無理な移動(青森や秋田。宮城の事例は東京の感染確認者との接触感染)で徐々に感染者が確認されており,隠れ感染者も入ってきている危惧を感じます。今,感染者が発見されていない岩手や山形も,他県と同様に貰い事故での感染が確認されるのも時間の問題でしょう。

 感染が急拡大している東京からの地方への感染拡大を止めるための措置が必要なんでしょうが,新幹線などはガラガラのままの通常運行を強いられており,そもそもクルマ移動などは止めようがなく,物流への影響もあるので,対応策が手ぬるいと感じ始めてきました。

仙台空港の影響

 そのような状況で,仙台”国際”空港は,まさしく名前だけの国際空港となり,国際線の運行は完全にストップしています。これは中部のセントレアでさえもで,国際線の運行は東京・大阪のみに絞られている状況なので,需要低下と感染拡大防止のためにはやむを得ない措置。

 国内線も,搭乗率にシビアなLCCは,まずもともと苦しんでいた中部(セントレア)便をはじめ,好調だった関西と新千歳便も軒並み一部運休で,その他のレガシー路線も減便が相次いでいます。

 本来であれば,春休みの書き入れ時のシーズンなのに,様々な意味で民営化された仙台空港の運営会社としては想定以上のリスクが生じ,厳しい状況です。そのような状況の中,予定されていた改装工事に着手するニュースは驚きでした。

 仙台空港2、3階の改修着工 21年度完成、買い物や飲食充実

 仙台空港を運営する仙台国際空港(宮城県名取市)は26日、旅客ターミナルビルの大規模リニューアル工事に着手した。事業費は約50億円。2044年度の目標旅客数550万人を見据え、搭乗手続きの時間を短縮し、搭乗直前まで買い物や飲食を楽しめるようにする。21年度下期の工事完了を見込む。
 リニューアルは2、3階が中心。国内・国際線の保安検査場を拡張するとともに、国内線の検査場通過後のエリアを広げ、飲食店や土産店などを充実させる。
 改修面積は全体の5分の1に当たる9848平方メートル。商業店舗の床面積は22.5%増の2804平方メートルとなり、うち検査通過後のエリアは現状の10倍以上の2013平方メートルに広がる。増築は1683平方メートルで、国内線のチェックインエリアを拡張する。
 同社は16年7月の民営化当初から今回のリニューアルを計画してきた。今後は旅客以外の見送り客なども保安検査を経て店舗や屋上展望デッキを利用できる仕組みを目指し、航空各社と協議を進める(3/17河北より引用)。

当初提案通りの改修を実施

 前向きに考えると,国際線の運行がしばらく見込めず,国内線の旅客も減少するこの時期だからこそ,改修工事がやりやすいという見方もできるのかもしれません。 

 県で空港民営化を検討していた時に,村井知事が参考にしたオーストラリアの空港での民営化事例に習った改修計画と記憶しています。

 空港運営から上がる収益を極大化するために,”キモ”になる施策だとか。

 これから2021年度下半期まで,断続的に約1年半の間工事が続きます。

この改修のメリット

 この改修内容は,仙台空港の商業機能の選択肢の無さを多少は解消することになる嬉しい改修工事です。

Sdfmarketimage(以下の図は,全て仙台国際空港プレス発表資料より引用)

 昨年北海道に飛んだ時も,以前沖縄に飛んだ時にも実感しましたが,混雑を恐れて早めにチェックインしようとしても,中にまともな飲食施設がなく,スナックスタンドレベルで落胆します。分かっていて空弁をチェックイン前に購入したこともありましたが,選択肢が少なく旅行のワクワク感が減退したり。

Sdjreformimage 

 そもそも,空港の商業施設や飲食施設は,主に搭乗前の旅客が対象なので,チェックイン後の「エアサイド」にあった方が合理的というのは分かります。

この改修による懸念

 とはいえ,お見送りの家族と一緒に食事とか,到着後の本数の少ない高速バス等の交通機関待ちで食事とか,「まずは牛たん」という利用客もいるので,これまでのように気軽に「ランドサイド」で使えないのはちょっと不便。そのあたりのバランスはどうするのでしょうか。なお,1階は改修なしのようなので,プロントやコンビニその辺はそのまま「ランドサイド」で搭乗前,到着後に利用できる機能です。 

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 その懸念に対するアイディアとして,搭乗客以外も,「エアサイド」ゾーンに入ることができるような規制緩和を国に要望しており,そのために保安検査場を拡張するとの対策も講じるようです。

 でも,身代わり搭乗など意図的に悪さを企てる輩はいるだろうし,現在のテロ対策強化の流れに反するような懸念が。それにチェックイン後に安心して飲食店で注文し,注文した料理が出てこなかったり,話に夢中になって乗り遅れそうになるということもあるだろうな。そういう利用者への対応も必要になる。

 そういった,懸念を飲み込んで実現化することができるのかと気になります。

将来に向けて

 日本の空港の中で先鞭をつけたこの仙台空港民営化も,第2弾の新千歳空港を始めとした道内空港民営化(北海道エアポート),福岡空港など,国内主要空港にも導入され,民営化第1号というインパクトを保ち,民営化ならではの施策を着実に導入していかないと,埋没してしまうという危機感はあると思います。

 今年は,東日本大震災の年並みの利用客の減少となるでしょうが,その反動でのコロナ後の利用客増を信じながら,機能改善や路線再開,新規就航の取り組みを続けて行かないと,民営化の意味がなくなってしまう。

 3月末で,民営化開始以来陣頭指揮を執っていた東急出身の岩井卓也社長が退任し,4月からは同じく東急出身の鳥羽明門氏が就任するようです。岩井社長はこれまで前例のない民営空港運営会社のトップとして手探りながら成果を上げてきていたのに,最後にコロナ騒ぎでこれまでの実績がガラガラと崩れてしまう無念を感じているでしょうが,今回の改修工事終了後は,コロナの影響も落ち着き,さらに多くの利用者を集める便利な空港として発展することを祈っています。 

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2020年2月15日 (土)

勾当台エリア活性化に向けて その2(定禅寺通の車道縮小へ)

 仙台市が進めている,勾当台エリアの活性化。

 勾当台公園の再整備と並び,2019年4月から仙台市の事業が始まった定禅寺通活性化の推進。

 春から秋にかけては,歩道の一部にテーブルを置いて沿道のお店の疑似オープンカフェとしての活用を模索。

Dsc_1950 (仙台市HPより引用)

 昨秋の10月には車線を1車線縮小して歩道空間を広げた社会実験を数日間にわたり実施しています。

Streetparkarea(仙台市HPより引用)

 そもそも,定禅寺通の西側は広瀬川によって遮られ,T字路になっているので,この沿道に用がある車が大部分であるため,基本的にそれほど交通量が多い訳ではありません。

 さらに西側に向かおうとするクルマが,混雑する広瀬通や北四番丁通を避けて,迂回路としての用途がある位。

 よって,片側3車線ある定禅寺通は,藤崎付近の青葉通のように,片側2車線まで狭めて,歩行空間拡大のために利用し,イベントを行いやすくして賑わいを高めようという構想。

 既にWeb上では記事が消えていますが,正月の地元紙一面でも,完全一方通行化を含めた3案が検討されているとの構想が紹介されていました。さすがに青葉通の西口で打ち出されているように一部といえども完全広場化は難しいか。

定禅寺通りについての雑感

 仙台を代表する通りで,光のページェントやジャズフェスなどの定禅寺通がメインのイベント会場としても有名です。沿道には仙台を代表する建築であるメディアテークや,現在宮城野原への移転検討が進められている老朽化しながらも仙台の芸術文化の殿堂である県民会館(東京エレクトロンホール宮城)が立地し,周辺には市役所や一番町四丁目商店街,国分町など周辺の主要スポットを繋ぐ重要な役割を果たしています。

 中央分離帯には歩道スペースが確保されているのも特徴的で,仙台の3つの東西に走るメイン通の中では唯一。この分離帯スペースに生育しているケヤキ並木の厚み故に,青葉通を上回り仙台を代表する並木道として名をはせている印象です。

 ただ,この分離帯スペース。光のページェントやジャズフェスなどのイベント時には賑わっていますが,それ以外は正直言って中途半端な存在に感じます。彫刻などが配置され,るるぶ・マップルなどに取り上げられる代表的な場所なので,観光客が歩いているのはよく見ますが,市民からするとちょっと歩くのが恥ずかしいスペース。同じ中央分離帯でも札幌の大通公園とは全く違う。

 幅も中途半端で,その分離帯に何が目的地があるわけではない。ベンチはあるけれど隣をせわしなくクルマが通り,排ガスまみれでゆっくりできるような場所ではない。よって特に意識しなければ,南北両側の歩道を通ってしまいます。

 国分町通交差点に続き,晩翠通交差点部分がスクランブル交差点かされ,西側の分離帯に直接渡ることができるようになりましたが,基本的に置かれている環境は変わらない。

 よって,個人的な思いとすれば,定禅寺通の車道を削減し広場空間化に用いる場合は,中途半端に1車線分ずつ南北両側の歩道部分の拡幅ではなく,2車線分を中央分離帯部分の拡幅に使って欲しいと思います。そうすれば,ちょっとしたイベントも開きやすくなり,オープンカフェとしての活用にも。特にGW頃からの五月晴れの時期は,ケヤキ並木の新緑がより魅力的な場所になりそうです。

県民会館跡地

 すったもんだしている美術館と異なり,すんなり移転場所も決まりつつある県民会館。

 でも,こっちも劇団四季の定期公演のハコでもあるし,集客力のある演歌歌手の公演も頻繁に行われるこの県民会館がこの地から移転してしまえば,客層が重なる仙台三越や公演後の国分町飲食店を中心に影響が大きいのではと思います。

 定禅寺通の奥に位置する市民会館も同時期に移転するし。まぁ,市民会館は西公園あたりにという可能性が高そう(同じ公園をつぶすのであれば錦町公園よりも影響が小さいという面で)で現位置とあまり変わらない可能性もありますが。

 跡地活用については,県はまず仙台市に打診するとのことなので,中央署跡地活用の時のようにプチバブルで111億円の恵み!と市場原理に任せてということはなさそうなので,ちょっと安心。

大変な仙台市

 でも,仙台市としてもこの土地を購入してもこの地に必要な公共施設は特にないし,市民会館と市役所という2大投資が控えている中,そんな余裕はない。市の意向に沿った活用ができるデベロッパーを見つけてくること位というのが歯がゆい。

 「せんだい都心再構築プロジェクト」による仙台駅西口を中心とする再開発支援も重要で,やることは多くともマンパワーも予算も厳しい仙台市。この状況なので,あっちもこっちもと欲張り中途半端にならないように。まず優先順位は①西口②勾当台③東口かなと。東口は条件が恵まれていて,勝手に動いていくと思うので。

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2020年1月19日 (日)

仙台駅西口 青葉通の広場化なるか?

 河北がスクープしたわけではないのに何か特ダネみたいに取り上げたこの案件ですが,反応が大きいのは流石地元紙の影響力。

このブログでは,

藤崎 来年に新店舗計画 (2019/10/10)

でちょっと取り上げていましたが,もともとは,昨年7月に発表された「せんだい都心再構築プロジェクト第1弾」の資料に掲載されたイメージパース。

Aobadori

 仙台市としても観測気球を上げた側面がありながら,このような大胆な提案がタブーではないんだという驚きを感じたもので,ワクワクする提案であるのと同時に,やっぱり路線バスのJR仙台駅前降車場への導線が遮断されてしまう他,西口駅前広場への自家用車,タクシーの乗り入れも不便になるので,賛否両論となるのは当然でしょう。

仙台駅西口の青葉通を広場化 市が検討、車両通行止め緑地に

 仙台市がJR仙台駅西口の青葉通(青葉区)の一部区間を通行止めにし、屋外広場を整備する方向で検討していることが分かった。昨年10月に始動した都心再構築プロジェクトの一環。旧さくら野百貨店仙台店やGSビル跡地などの関係者の協力も得て、沿道の再開発事業と連動させた整備構想を描いている。実現すれば「東北の玄関口」は大きく姿を変えることになる。

 構想によると、青葉通のうち駅前通交差点-愛宕上杉通交差点間の約150メートル区間を屋外広場にする。
 市が作成したイメージ図によると、中央分離帯のケヤキ並木や歩道の街路樹は生かし、片側4車線ずつある車道部分を一部緑地化。テーブルやベンチを配置し、歩行者が散策できるようにする。旧さくら野百貨店やGSビル跡地は、商業施設やオフィスが入る複合ビルの立地を想定する。
 広場の整備は、沿道の民間再開発と一体で実施する。その場合、市は広場整備を「都市貢献」と位置付け、都心再構築プロジェクトのメニューを適用。新築するビルの容積率を最大2倍緩和する。
 GSビル跡地では、オリックスグループ(東京)が商業施設「EDEN(エデン)」との一体的な再開発を検討中。旧さくら野百貨店は複数の地権者が関係するが、再開発に向けた協議が始まっている。市は地権者や開発事業者らに広場の構想を既に説明していて、おおむね好意的に受け止められているという。

Aobadorihiroba


 一方、仙台駅に直結する青葉通の一部は車両が通行できなくなる。駅西口に乗り入れる路線バスやタクシー、一般車両は遠回りを余儀なくされ、高速バス乗り場も移転が必要になる。
 市は広場を整備する区間の交通量調査に近く乗り出し、車両通行止めにした場合の影響などを検証する。
 市都市整備局幹部は「青葉通の広場化と沿道の再開発で、駅西口に東北の中枢を担う商業・オフィス機能を集積させるとともに、交流やにぎわいを生むエリアに一新したい」と語る。
 広場構想は2018年9月、青葉通まちづくり協議会が市に提出した「青葉通まちづくりビジョン」でも提案されている。(河北1/14)  

 仙台駅前には不足している緑地や広場が確保されるきっかけになるのであれば,嬉しい話ですが,それも該当道路の両側の「さくら野跡地」と「オリックス開発地+ロフトビル」がツインタワーとして連携して再開発されるのであればの話。

 それぞれが,中途半端な再開発になるのであれば,このように青葉通をつぶしてまで広場化する意味はない

 また,この青葉通両側の再開発地に向けては,JR仙台駅側で終わっているペデストリアンデッキを2階レベルで延長しつなげた上で,1階の地表面,地下階の仙台駅東西地下自由通路の3層がそれぞれの入り口になるのであればインパクト満点。

 以前記事にした,この東西地下自由通路の疑似地下街化と併せての展開であれば,なお期待できるのだけれど。

 仙台駅前 地下街の可能性 (2019/6/22)

 

せっかく整備した仙台駅前バス降車場が。。。

 この挑戦的な提案についての課題は,東西線開業時に整備されたJR仙台駅前バス降車場に向かう,青葉通からの導線がぶったぎられること。

 JR仙台駅前降車場整備前はあおば通駅前とかダイエー前と揶揄されていた旧仙台駅前バス降車場は,降車場整備後は「あおば通駅」バス停と改称されました。新設の降車場には,仙台駅終点の市営バスが移り,JR仙台駅にも東西線にも乗換が容易で,さらにエスパル前の便利な場所になり,大好評です。せっかく整備した降車場を無駄にしたり,降車場を別の不便な場所に移すことは許されないのでは。

 加えて,現在旧さくら野前にある宮交バスの降車場はどこかに移さなければならず,これは確実にJR仙台駅から遠くなります。

 仮に,仮に青葉通を回避するとなると, ②広瀬通(水色線)や③南町通(赤線)を経由する場合は下記のルートになります。

Busroute1

 ②広瀬通ルートの欠点は,電力ビルを経由しなくなること。ただでさえ多数の高速バスが集中しているのに,現在経由している八木山方面以外の路線バスも加わると,どのようになるかは自明。さらに,広瀬通から駅前通りへの右折もネックで,この交差点は確実に交通処理が破綻します。

 ③南町通りルートは,比較的スムーズに仙台駅前に入れるように感じますが,南町通自体が片側2車線で路駐も多く混雑気味,さらに現在進められているバスプールの拡張のため,ロフトとバスプールの間はそれぞれ東西への直進が片側1車線ずつに縮小されることは致命的。

 青葉通の広場化が以前から計画されていれば,バスプールの拡張と南町通の車線減少は決断できなかったでしょうし,県美術館の方向転換とは異なり良い話とはいえ,ちょっと場当たり的な展開にも感じます。twitter情報で知りましたが国の新しい施策を見据えて方向が変わったというのもありそう。

歩行者中心の街中整備 予算、税制で重点支援 国交省

国土交通省は、市町村が歩行者中心の街中を整備するための新区域を設定できるようにする方針を固めた。

 街中の一定のエリアで、街路を広場にしたり、沿道の店舗などの1階部分を改修して開放感のある空間にしたりする場合、予算、税制両面で重点支援する。関連する規定を盛り込んだ都市再生特別措置法改正案を20日召集の通常国会に提出する。

 国交省は市町村による街中のインフラ整備に関し、都市再生整備計画事業の交付金で必要経費の40%を手当てしている。各地で人口減少が進む中、車中心となっている街中を人が集まりやすい魅力的な空間に転換し、都市のにぎわいをさらに創出する必要性があると判断した。

 具体的には、市町村が新たに設定できる「まちなかウォーカブル区域」で、歩道を広げる改修や芝生のある広場などを整備する場合、交付金の補助率を必要経費の2分の1に引き上げる。民間事業者が沿道の店舗などの1階部分をガラス張りにしたり、誰もが使える交流スペースに改修したりする際も2分の1を助成する。

 税制面では、街路に面した民有地を広場として開放する場合、該当する土地と、そこに設置する芝生、ベンチといった償却資産について、固定資産税と都市計画税を軽減するなどの措置を講じる。官民一体で取り組みを進める考えだ。(1/13時事通信) 

 仮に①青葉通から愛宕上杉通に右折(緑線)する場合は,T字路になり交通処理は比較的スムーズですが,結局ロフト横の南町通に入らなければならないのであれば,ここがボトルネックになるのは同じです。

 なお,現バスプールに発着する若林区方面の市バスおよび太白区方面への宮交バスはほぼ①のルートを通りパルコ2前から入るので,それほど変わらないと思われますが,バス集中による混雑による影響はありそう。

仙台駅バスプール始発のバスも同じ

 ほとんどのバスプール始発の北・西部方面バスが,駅前通を北進し青葉通に左折しているので,このルートも完璧に影響を受けます。南町通を西進させる手はあるにせよ,上述のとおり片側1車線化され,かなりの台数なので右折レーンはあっても確実に愛宕上杉通との交差点がパンクするし,かなりの難問です。

タクシーや自家用車も

 タクシーは台数の多さのために目の敵にされがちだけど,結構新幹線利用の有名人や出張族などが仙台駅から利用するケースが多いから,目の前の青葉通が通行止めになるとスムーズに西口から抜けられなくなり,広瀬通への負荷が確実に高まることに。また,自家用車は東口に誘導したいところだけれど,こっちも要人・来賓の送迎も多いからそういう訳に行かない。

解決策として,トランジットモール化は?

 青葉通が広場化されるとして,解決策として浮かんだのは,分離帯付近の部分に双方向のバスの徐行による通行のみを各1車線ずつ許可するトランジットモール方式。残りの4~5車線相当が広場化され,バスが通らない際には歩行者の通行横断が可能というもの。ただ現在の仙台駅前を発着するバスの数が確か千便を優に超えるはずなので,信号待ちで滞留するバスがこの広場部分に数珠つなぎになってしまう可能性もあり,歩行者優先の空間とは言えない状況になるのはまずい。

Transitmall

 やるんだったら,ここにあおば通駅,仙台駅前につづき,3つ目の駅前バス降車場を設けて両側の再開発ビルへの集客を図るというのも思いついたけど,さらにバスが滞留してしまうという課題もあるなぁ。

歩いて暮らせるまちづくりの推進

 震災を契機に急激に進んだ三陸道や常磐道整備に続き,仙台東道路や県北高速幹線道路など,遅れてきた道路整備に熱を入れている印象がある県に対し,仙台市はクルマから公共交通や歩いて暮らせるまちづくりに急激に打ち出している印象です。

 他にも,定禅寺通りの車道削減も正月早々の河北一面に取り上げられたし,先日記事にした都市緑化フェア誘致にしても,青葉山にそれほど駐車場は確保できず,地下鉄東西線での来場を前提にするのでしょう。この方向性は仙台市としての生き残り策ですし,これまでのようなクルマに頼った拡大型都市づくりは続けられないという危機感,鉄道インフラが整った中心都市として,周辺都市(特に利府・名取・富谷)との差別化を図り,人口流出を防止する意欲を感じます。

  こんな感じで,課題は山積みですが,仙台市がこの難問に熱意を持ってどのような解を出していくか。またタクシー業界をはじめ,クルマ寄りの方からかなりの反対がでるでしょうが,「仙台都心再構築プロジェクト」の規制緩和期限を考えると,悠長に検討している暇はない。すぐに方向性を出して,再開発事業者と調整を始めなければならないので,矢継ぎ早に動きは見えてくるでしょう。

 

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2019年12月30日 (月)

2019 閲覧数ランキングから今年を振り返る

 今年もあと1日を残すのみ。明日は帰省するのでこの記事が今年の最後になりそうです。

 2018年は,下半期ほとんど更新せずじまいで開店休業状態でしたが,今年(2019年)の1月に復活し,5月に中だるみがありましたが,比較的コンスタントに更新できたかなと思っています。

 初めての試みとして,今年の閲覧数ランキングを。

傾向として,上半期の記事が通年で閲覧数を稼いでいる傾向はありますが,

1位は7年前の記事

 何と7年前に取り上げた「ZEPP仙台の行方」です。コンスタントに閲覧があり,やはり関心を集めているんだなぁと。

ZEPP仙台の行方 

 同規模の大型ライブハウスは,あすと長町のPIT,荒井のGIGSと競うように2つ立地したとはいえ,やはりZEPPのネームバリューは大きい。

 ヨドバシ再開発ビル(第一ビル)に入るという報道もあり,実現に近づいている状況ですが,それだけ愛されたライブハウスというのを実感しました。

 ただ,このトピックに勝てるような記事がなかったというのは,取り上げ方がマンネリ化しているためかもしれないので複雑な気分。情報収集を怠らずに引き続き頑張っていきたいと思います。

 

2位は災害公営住宅ネタ

 今年初めに全国マスコミ(ワイドショーや朝日新聞)でも取り上げられた「あすと長町復興公営住宅をめぐる日照問題」。近所ネタでセンセーショナルに取り上げられた反面, 背景が正確に説明されておらず市が悪者にされるだけの偏った報道であることが歯がゆかったので,思わず記事にしてしまいました。

 被災者の住民の方は気の毒ですが,そもそも原因となった大規模高層マンションの建設を,モラルには反するとしても合法的に遂行した某大手デべと地元デべの責任は大きいものです。比較的多くの方々に読んでもらえたので良かったです。

あすと長町復興公営住宅をめぐる日照問題

 

3位は震災・鉄道ネタ

 最近再度アクセスが増え続けているこの記事。7月の「常磐線特急 仙台―東京直通復活へ 」。3月14日のダイヤ改正に合わせての常磐線全線再開通と東京直通特急の復活が見込まれていましたが,12月中旬のダイヤ改正プレスではまだ発表されませんでした。

 しかし,「3月上旬に 沿線の双葉,大熊,富岡の3町に出されていた避難指示が駅周辺の一部で解除」との報道が先日あったことで,期待感が高まっているのを感じます。7月時点で,仙台までは4往復での復活を予想しましたが,震災前の基本4両編成での運行と異なり,10両編成での運行となるので輸送力過剰になることは避けられません。

 また,震災前と異なり常磐道が片側1車線とはいえ全通しているので,いわき⇔仙台の需要は高速バスである程度代替されているので,どの程度の乗客が戻ってくるかは未知数。仙台発着としては,震災後,上野経由新幹線ルートが最短となっていた水戸や日立など茨城県北との直接アクセス需要を転移させていくことが必要かなと(JR的には減収要因ですが)。また一番流動が太い東京ー仙台間を新幹線のサブルートとして割引切符により需要喚起するなどが考えられますが,いかんせん10両編成を埋められる気はしません。

 過去の震災からの復旧路線のプレス実績からすると,仙石線が1か月前,常磐線北部が2か月前だったので1月中の発表は確実。特急が走る路線であり,指定席予約の関係もあるので,早めに1月上旬に発表されると嬉しい。

常磐線特急 仙台―東京直通復活へ

 

4位~10位は開発ネタで独占

 震災後,都心部の再開発プロジェクトは2016年完成の仙台駅東口自由通路&パルコ2で止まってしまい,待望論が多かった開発プロジェクトで4位から10位までを占めました。うち,あすと長町関係で実質2件,都心再開発関係で実質3件です。

 都心部再開発関係は,2月に方向性が打ち出された「都心再構築プロジェクト始動?その1」の記事がランクインしましたが,7月に発表された具体的な方針の記事についても,比較的読まれています。その具体的な対象案件である待ち望まれた「ヨドバシ」「藤崎」の方向性について,経営者側から方向性が示されたという点で,閲覧数が多かった理由かなと思っています。「さくら野跡地」「EDEN再開発」についてはあまり明るいニュースはありませんでしたので,翌年度は動きが見えてくれば良いなぁ。

4位:とうとうヨドバシ再開発着工&ZEPP仙台再出店か!(8月)

5位:JRの長町駅東口開発計画が明らかに (6月)

6位:藤崎 来年に新店舗計画 (10月)

7位:ヤマダ電機 あすと長町進出へ(7月)

8位:JR長町駅東口開発計画正式発表(9月)

9位:ヨドバシ複合施設「リンクス仙台」3年以内にオープンへ (11月)

10都心再構築プロジェクト始動? その1 (2月

 なお,4位の8月のヨドバシネタについては,記事中に「特に新しい情報はない。選挙日前日で意図的なものを感じる」と一応断ってはいながらも,元議長の市議会議員選挙前のツイートに反応し,結果的に「今秋着工」というのは希望的観測のガセネタだったので,取り上げたことについて反省しています。より正確な情報としては11月に記事にした9位の「リンクス仙台」記事を参照して下さい。

来年に向けて

 通年ではランキング入りはしませんでしたが,今年後半に飛び込んできたニュースの行方が気になります。

それは,「宮城県美術館移転問題」です。縮小均衡の未来に向けて財政的なメリットを求めての動きというのは理解できなくもないですが,結論ありきの進められ方というのはやはり腑に落ちません。

 これだけ反対運動が広がっており,1月末に県知事と仙台市長の会議があるとのことで,年度内には方向性が見えてくるでしょうから,引き続き追っていきます。

宮城県美術館 宮城野原に移転?

宮城県美術館 宮城野原移転の続報

県の公共施設の立地 仙台市を無視して良いの?

 他にも,阿武隈急行復旧の行方,渡辺監督退任後のベガルタの動向なども含め,動きがあれば記事にしたいと思います。

 それでは,今年も訪問頂きありがとうございました。来年もよろしくお願いします。

 

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2019年12月17日 (火)

エアアジア中部ー仙台便 試行錯誤の末減便へ

 すったもんだしながら,今年のお盆前に就航したばかりのエアアジア仙台―中部便。

 1日2往復ながらも,中部発の最終時間が早すぎて,滞在時間が極端に短くて使いづらいとの印象でした。

エアアジア・ジャパン 中部ー仙台便8/8就航 (7/9)

 搭乗率も苦戦しているようで,エアアジア側もいろいろと試行錯誤しているのが分かります。

 1 年末年始には3往復に増便

 年末年始の11日間に限りますが,1日3往復に増便されます。特に増便分は,通常便2往復より遅い時間の1往復。

Zoubin

 中部発の帰りが14時50分発→16時45分発 と2時間滞在時間を伸ばすことができます。

 仙台発の帰りであれば,16時35分発→18時30分発と,こちらも2時間繰り下げ。

 といっても,この時期は帰省需要などが多いので,単純に便選択の選択枝が多くなるだけかもしれません。

 まぁ仙台らの需要喚起も必要ですが,宮城県及び東北に中部地方から観光客を呼び込むための交通手段としての期待も大きく,夜間駐機しているセントレアからの利用者の利便性が高いのは当然。

 1日3往復のパターンであれば,名古屋から仮に日帰りでも最大9時間滞在(手続き時間や空港への移動時間を考慮すると最大7時間程度になりますが)できるので,1泊であればそれなりに回れるし余裕を持った使い方ができます。ピーチの関空便や新千歳便をみても,3往復が使いやすい最低ラインという印象なので,恒常的に3往復が実現されると良いなと思います。

2.4,380円からの特別運賃

 搭乗率が厳しいからなのでしょうが, 最低価格をピーチ並みの5千円弱のセールを打ってきました。

 同路線を対象に、座席数限定で特別運賃で販売するスペシャルセールを実施します。販売期間は11月21日(木)正午から12月1日(日)23:59まで、対象搭乗期間は11月21日(木)から1月31日(金)までです。期間中は、片道4,380円からと、通常よりもさらにお買い得な価格での販売を行いますので、冬の観光、レジャーにお気軽にご利用ください。

■エアアジア・ジャパン スペシャルセール
 販売期間: 2019年11月21日(木)正午~12月1日(日)23:59
 搭乗期間: 2019年11月21日(木)~1月31日(金)
 セール価格: 名古屋(中部)―仙台 4,380円〜

第一弾は終了しましたが,第二弾は現在22日まで発売中です。

 同路線を対象に、座席数限定で特別運賃で販売するスペシャルセールを実施します。販売期間は12月10日(火)正午から12月22日(日)23:59まで、対象搭乗期間は12月10日(火)から3月28日(土)までです。期間中は、片道4,380円からと、通常よりもさらにお買い得な価格での販売を行いますので、冬の観光、レジャーにお気軽にご利用ください。

■名古屋(中部)―仙台線 片道運賃 7,390円〜(BIGメンバー向け/各種手数料は含みません)

■エアアジア・ジャパン スペシャルセール

 販売期間: 2019年12月10日(火)正午~12月22日(日)23:59

 搭乗期間: 2019年12月10日(火)~2020年3月28日(土)

 セール価格: 名古屋(中部)―仙台 4,380円〜

 

3.2~3月は一転減便へ

 この年末年始の増便とセールによる販促の見通しが思わしくないのでしょうか?

 2月22日から,一転年度末は何と1往復に減便となります。1往復化対象は月・木・土。

火・水・金・日は2往復のままですが,書き入れ時の週末土曜日が1往復というのは痛すぎる。それも仙台発が14時35分発と何とも行くのも帰るのも中途半端な時間。学生の卒業旅行や受験,異動など流動が激しくなるこの時期に減便というのは,他に優先的に機材を回す路線があるのか。

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 エアアジア・ジャパンの拠点であるセントレアにつながる路線が好調でないと,仙台からの第二の路線の誕生には繋がらないので(関空便が好調で,新千歳便に繋がったピーチのように。),需要喚起を図っていくしかないんでしょうが,まずはせめて夏ダイヤでは完全2往復に戻して欲しいところ。新幹線で3時間程度という鉄道が優位な距離帯でもあり,なかなか先行きは厳しそうです。

 

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2019年12月13日 (金)

アクセス鉄道 3月ダイヤ改正で7往復が4両化へ!

 本日,JRグループの翌年3月14日ダイヤ改正のプレスリリースがあり,JR東日本と相互乗り入れするアクセス線も同時に発表されました。

 全体の本数は変わりませんが,何といっても,現在の20往復に加え7往復が4両編成で運行されることになります。

 今夏のJRのプレスリリース及び報道では,

”5往復10本程度を,2020年上半期(オリンピック前)に”

とのことだったので,本数も増え,時期も早まり,JRとしてもダイヤ改正に間に合わせてきました。

 

仙台空港鉄道プレスリリースより

○日中時間帯の混雑緩和のため、14 本の列車を 2 両から 4 両へ編成両数を増やして運転し ます。

(4 両編成:現行 46 本→改正後 60 本 2 両編成:現行 40 本→改正後 26 本)

○運転本数は1日 43 往復 86 本(うち快速列車 3 往復 6 本)に変更はありません。

○今回のダイヤ改正に伴い、一部列車の時刻が変更になります

 

過去記事

アクセス鉄道の車両増備実現か? (4/4)

アクセス線 来夏増結へ (7/27)

アクセス線 土日限定で4両へ増結中 (8/4)

 空港利用客にとって朗報なのは勿論ですが,東北本線乗り入れ部分の名取駅ー仙台駅の混雑緩和にとってもありがたい。

 JRとして,1編成2両分をアクセス線に追加投入できるような準備工事が済んだとのことでしょうが,主に混むのはアクセス線部分よりはJR路線部分なので,JRが対応するのは当然なんですが,いろいろ車両数のバランスをとる必要があるなど制約が多い相互乗り入れなので,余力がない空港鉄道会社に代わって対応してくれたのは感謝です。

 増結対象列車は下記の7往復。思ったより多かったので良かったです。

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 基本的に,現在行われている土日限定増結列車(6往復)が基本で,12時台までは土日増結と対象列車はほぼ同じですが,13時以降は対象列車は多少変わっており,新たに混雑する仙台駅発16時台(22分)の増結も実現します。

 昼間時間帯の運行時間と編成数一覧はこちら。

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Ichiran1

 全日での43往復に対し約7割の30往復が4両編成での運行となりますが,上記表にある時間帯(昼間)限定では4両編成の割合は,23~24往復のうち4往復⇒11往復と約半数弱。

 今回8時台が完全に4両編成化されますが,仙台駅発では9時台から15時台の19本のうち6本が4両と,3本に1本の割合にとどまります。

 なので,昼間の増結は第一歩が始まったばかりですね。

休日限定増結の行方

 現在,2月末まで限定で,土日限定(年末年始は毎日)の6往復増結を,既存車両をフル回転して行っています。

 3月以降のうち,3月14日以降は,平日を含めた4両編成への増結が+7往復分実現するのは上記記事のとおりですが,その分自社車両を無理に回しての更なる土日増結が行われる余地があるのかどうか。

 仮に6往復分の増結が行われれば,昼間でも半分以上が4両編成となり,利用客の多い土日の混雑がさらに緩和されるので,期待したいところです。

 本来であれば,本数増も期待したいところですが,空港鉄道の累積赤字,アクセス線部分の輸送密度の低さもあり,無理は言えません。ただし,空港利用客が現在よりも1割増しの400万人に届くようになれば,昼間の完全毎時3本化は実現しないと運びきれなくなる可能性が高いので,早めの検討は行って欲しいものです。

はやぶさ3往復増発

 また,東北新幹線のはやぶさが,仙台ー東京間で3往復増発です。いくら東京―大宮間の線路容量ひっ迫が原因とはいえ,はやぶさが毎時2~3往復ある朝夕はともかく, 昼間の有効本数が毎時1本は少なすぎる現状だったので,じわじわと増やしていくというのはJR東日本の手法なので,一気に3往復増やすのは期待以上と思いました。

 今回は,仙台発が10時台,12時台,17時台の3本,東京発が7時,14時,16時台が増発されるので,便利になる!と思ったのですが,よく見ると,特に東京発の14時台,仙台以北区間延長の15時台,16時台の3本は,20分発と28分発が続行運転となるので,実質の有効本数が大きく変わる訳ではなく,指定席がとりやすくなるという効果にとどまりそうです。

 同様に,仙台駅発10時台は増発される7分発の後に21分発,30分発と概ね10分おきに3本続行し,その後は11時30分発まで1時間開くなど残念。まぁ,午後からの会議などに間に合わせられる需要が高い時間帯に頻発させるという狙いは分かりますけどね。

 仙台駅12時57分発の増発は1時間毎が概ね30分毎になるので,ここは純粋に使いやすくなります。

常磐線全線復旧の情報は。。。

最も注目されていた,常磐線全線復旧と,仙台―首都圏間の直通特急運行再開については,今回のJR東日本プレスリリースには間に合いませんでした。

常磐線特急 仙台―東京直通復活へ (7/6)

 予想は↑の過去記事参照で,仙台―首都圏が震災前と同じ4往復で復活と信じていますが,3月末復旧とのことで,仙石線復旧時は1か月前,常磐線北部の復旧時には2か月前のダイヤ発表でしたので,細部の詰めも含めると,年明けで遅くとも1月中には発表になると予想しています。

 その他の詳細は,JR東日本仙台支社のダイヤ改正プレスリリースをご覧ください。

 

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県の公共施設の立地 仙台市を無視して良いの?

 県民会館の移転新築地に続いて,県美術館も急遽移転する前提で話が進められている,宮城野原の国立医療センター跡地。

 県議会では,単なるハコものとして美術館移転の必要性を説明するだけで,「具体的にはまだ何も決まっていない。これから」と村井知事がはぐらかす一方,仙台市からの申し入れにはにべもない態度。

 今日の有識者会議最終回でも,御用委員の方々から異論は出ず,着々と既成事実化が進められています。

 非常に違和感を感じるのは,「県の施設を県有地に作る(移す)からって,基礎自治体の仙台市を無視して良いの?」ということ。

 基礎自治体の意見って大事じゃない?そもそも宮城県民の半分近くは仙台市民。その県民である仙台市民の意見を無視して進んで誰のためになるのでしょうか。

宮城県の方針案、仙台市のまちづくり翻弄 県民会館と県美術館集約で都心再生構想に狂い

仙台市青葉区の東京エレクトロンホール宮城(県民会館)と県美術館を宮城野区に移転、集約する県の方針案を巡り、市の都心まちづくりが揺れている。JR仙台駅西側に重点を置き、定禅寺通や青葉通を軸に再整備を誘導するが、県の方針案が現実になれば駅東側に一大文化ゾーンができ、都心再生の青写真にも狂いが生じる。県主導で突如浮上した新たなまちづくりに、市は翻弄(ほんろう)されている。

 「にぎわいを形成する地域と歴史的、文化的に重要な区域から文化施設がなくなる。まちづくりにすごく影響がある」。郡和子市長は11月26日の定例記者会見で、唐突に示された集約案に動揺を隠さなかった。
 県民会館はシンボルロードの定禅寺通にあり、県美術館は青葉山の文教ゾーンに立つ。二つの施設を仙台医療センター跡地に集約する県の方針案は、立地場所の姿を一変させるだけでなく、駅西側の集客力の一部を3、4キロ離れた駅東側に移し替える意味も持つ。
 「西と東でバランスよく人が流れる。市にとってもマイナスではない」。村井嘉浩知事は前日の定例記者会見で、まちづくりへの貢献を強調したが、郡市長は「それも一つの考え方」と理解を示しつつ、歓迎とは言い難い表情を浮かべた。

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 市の都心まちづくりは長年、旧城下町の駅西側を中心に展開する。2017年には定禅寺通活性化室を設置。市役所本庁舎の建て替えを機に一番町、勾当台エリアの集客力を高めるべく、通りに憩いの空間をつくる社会実験に取り組む。
 今年10月に始動した「都心再構築プロジェクト」も主な舞台は駅西側。青葉通を軸とする都市再生緊急整備地域(約79万平方メートル)を対象に、老朽ビルの建て替えや高機能オフィスの整備を誘導する。市の音楽ホール構想も延長線上にある。
 県の集約案は、こうしたまちづくりの「西高東低」に一石を投じる。東西の均衡ある発展に期待する声が上がる半面、保守系市議は「コンパクトシティーの範囲が広がる」と懸念する。
 市は県民会館が移転した場合の跡地利用にも関心を寄せる。郡市長は11月22日、県庁で村井知事と会談。跡地はまちづくりを左右するとして「活用に関わらせてほしい」と申し入れたが、知事に「タイミングが来たら」とはぐらかされた。
 次回のトップ会談は来年1月に公開で行われる。市のまちづくりが転換点に立つかどうかは、もはや知事の決断次第。市幹部は「従来通り、県民会館と県美術館は市にとって重要な場所と伝える以外にない」と手詰まり感を打ち明ける。

 市の街づくりに勝手に手を突っ込んで,上から目線で「移転が仙台市にとってマイナスではない」と言い切って良いのでしょうか。

 これは政令市の仙台市が相手だからなのでしょうか。その他の県有施設の立地について,あのグランディ21(宮スタ,総合体育館,プール)を利府町に,宮城県図書館と宮城大学も仙台市と大和町の境目に建設した時の意思決定や地元との調整過程は30年前の話なので分かりませんが,最近だと,石巻や気仙沼の県合同庁舎がともに内陸に移転しました。

気仙沼では

 気仙沼合同庁舎は海っぷちにあり,震災でまともに津波被害に遭ったので移転させるしかありませんでした。市内にはまとまった土地がないために,気高と統合された内陸の旧鼎が浦高校跡地に気仙沼警察署とともに移転され,これは防災対策上やむを得なかったんでしょう。

 その気仙沼市は,市役所の立地場所について,現在の八日町と田中の旧市立病院跡地の2択という選択肢から,「市立病院跡地」が有識者会議で選定されました。

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 まちづくり上では,当然現在観光施設の復旧を進めている内湾地区が復興途上ということから,気仙沼の中心地に隣接する八日町に新築するのが,分庁舎として使用している再開発ビル”ワンテン”も活用できるなど好ましかったとは個人的に思いますが,気仙沼自体の実質的な商業的な中心部は田中前付近に移っており,小規模の郊外型店や飲食店がこの近辺に集中し,「ここに行けば困らない」エリアになっている関係上, 現状に追随することになりながらも,これは気仙沼市の判断として尊重せざるを得ない。現位置だと駐車場確保も建替え時の仮庁舎の確保も難しい面もあり。

石巻では

 一方,石巻合同庁舎は,もともと石巻駅北側の南中里にありながら震災前から老朽化が進んでおり,中里バイパス北側の消防署隣接地に移転地を確保していながら,震災で旧合庁の1階部分が津波浸水被害に遭った結果,一大郊外商業地となった”蛇田”に隣接かつ震災の集団移転地及び災害公営住宅建設地となった「あゆみ野」地区に急遽移転されました。

 この県石巻合同庁舎が市街地から離れた反面,先日1階へのイオン出店が発表された石巻市役所は石巻駅前で中心市街地のど真ん中。その隣接地に石巻市立病院を移転させたり,中心商店街への災害公営住宅の整備誘導など,中心市街地活性化に苦心している市の方向性と逆のことを県がやってしまったような感想ですが,これも市の意見をどの程度反映させた判断だったのでしょうか。

(2015/2/8JR仙石線「石巻あゆみ野駅」来春開設 より引用)

 県の合同庁舎も、思わぬ大きな津波被害を受け孤立した経験を踏まえてなのでしょうが、予定していた消防署横の移転計画を撤回し、結果的には旧市街地を見捨て蛇田新市街地へ移転との形に。

 石巻市は石巻駅周辺に市役所、市立病院を集約させ、商店街を含めての再興・居住者の増加を模索していながらも、(市と協議をしたとはいえ)県が蛇田に合同庁舎を移転してしまえば、夜の飲み屋への影響も含め、結構痛いのではないかと。

 万が一の津波被害のことを考えるのは必要とはいえ、高床式にするとか、やりようはあるし、市町村の取り組みと整合性が図られていない感があります。

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 そこに,今回の県民会館と美術館移転。県は地元自治体のためにあるべきと思うのですが,市のまちづくりを上から目線で否定し,邪魔するのが県の役目なのでしょうか。

 過去にグランディ,図書館,宮城大学など郊外化を率先し,仙台市の街づくりに悪影響を及ぼした反省がなく,今回も仙台市が「西口を重視した街づくりを進めている」「文教地区は守りたい」と言っているのをはぐらかして,県有地であることを理由にして,公共施設の効率化を”錦の御旗”に,一方的に宮城野原に県有施設を集めることが”是”とされるものなのか。

 自分の問題意識のスタートは,「環境の良い県美術館,及びあの建物を守りたい」だったのですが,まちづくりの観点から,そもそもの移転検討プロセス自体に大きな疑問を感じるようになってきました。

宮城県美術館 宮城野原に移転? (11/16)

宮城県美術館 宮城野原移転の続報 (11/19)

 仙台市としても,東口(榴岡)の開発は,仙台駅の両側に都市機能を集める点から悪いものではないけれど,その東口から2KMも離れた場所に拠点施設を集めても,その間の連続性が保たれるわけがなく,それを求める必要もない。

 仙台市として,西口の都心以外に,都市計画上で「泉中央,長町,青葉山,仙台港背後地」など,拠点整備地区を定めているのに,それに含まれないエリアに勝手に拠点施設を集められるのは無力感以上の何物でもない。でも,下手に文句を言うと,需要面でありえないけど「仙台市外に作るよ」と言われかねない仙台市の立場は絶対的に弱い。国が県にやっていることを,県が市町村に対してやっているように感じるのは気のせい?

 過去のバブル期とは知事が違っても,やっていることの根っこは変わらないというのが,ものすごく不思議です。

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2019年11月28日 (木)

阿武隈急行 全線復旧なるか?

 先月の台風19号で福島県との県境区間が大規模な被害を受けて,宮城県区間が全て運休中の阿武隈急行ですが,12月の中旬には槻木から丸森までの区間が復旧する見込みとなりました。

 復活なるか!? 運休が続く阿武隈急行 (11/12)

 地方の第三セクター鉄道としては珍しい,2県にまたがる運行形態は,もともと国鉄時代に廃止対象となった旧国鉄丸森線(槻木ー丸森)を含め,ほぼ完成しながら開通を放棄された福島駅までの鉄建公団工事中区間を引き取って第三セクターとして全線開通したという経緯がありますが,もともと営業路線があった宮城県側ではなく,本社も車両基地も変電所も現伊達市内(旧保原町,梁川町)に設置され,運行本数も県都の福島駅に直接乗り入れできる福島県側の方が約30往復と,宮城県側の23往復に比べて優遇されているというのが,福島県主導の第三セクターという性格を表しているのかと思いました。

 福島県側は全くの新線建設と言っても,国鉄時代に建設が進められていたこの路線の開業前に,福島交通の軌道線が廃止されていたという経緯もあり,鉄道に対する待望論は高かったのと推測します。その沿線に路線を持っており,鉄道廃止後にバスを走らせていた福島交通が主要株主として参加しているということも含め。

 ただ,利用客数を見ると,最も多いのが当然福島駅(乗車客約2,000人強)ながらも,2番目は宮城県の角田駅,3番目が東北本線に接続する槻木駅(ともに1000人台前半)というのが,路線の性格を表しており,福島県側は福島駅以外で最も利用者が多いのが保原駅(乗車客5~600人)で,他の駅が2~300人程度の利用客で小駅から細かく乗客を拾っている反面,宮城県側はほとんどが角田駅と槻木駅相互の利用客というところで,角田高校通学輸送及び仙台方面への通勤通学需要は大きいのが分かります。

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 よって,この宮城県側区間の復旧は,ボリュームとしては大きくバスでは運びきれない路線の復旧であり,仙台方面への通勤通学客の救済という面でも大きいもの。代替の無料救済バスが有人駅のみの運行だったというのは,無人駅の乗降客がほぼ無視できる需要数ということもあるんでしょう。

 ただ,上述のように,車両基地や変電所が福島県側にしかおかず,効率化を図ってきたことが,今回のような災害での路線寸断時には致命傷になってしまうことは盲点でした。

 一方,JRの東北本線(福島―槻木)経由で車両を動かして,宮城県側に2両×3編成を配置し運行再開することができるのは,旧国鉄で,JRとの相互乗り入れが行われてきたこの路線の強みでもあります。ただ,3編成での運行では,本数が限られ,特に朝夕の仙台直通列車の運行は絶望的であり,仮復旧的な位置づけになります。

報道でのトーンと知事記者会見の検証

 知事記者会見の報道を目にして,誤解してしまったのは

県境部分の復旧にこだわらない⇒宮城と福島で路線が分離することも已む無し

 と,村井知事が決めているような論調だったこと。

 ただ,知事記者会見のやり取りを文字で確認したら,決してそんなことはなく,厳しい条件の中熟慮しながらの発言であることが確認できたので,全然決定事項ではなく,今後検討を進めて行くとのことで,真実が分かり一応安心しました。

知事発言要旨(と多少補足) 

 〇台風前から,乗客減が進み,累積赤字も膨らんでおり,債務超過寸前状態で,鉄道の在り方を検討していた。

 〇車両も老朽化が進み,両県の他,地元市町も負担しながら今年度新車導入を始めたところだった。

  ところがこの台風で地元自治体での負担が難しくなりそう。柴田町,角田市,丸森町の首長とも話をした。

 〇路線の日常利用者は,福島側,宮城側で殆ど分かれており,地元住民の県を跨ぐ需要はほとんど皆無

 〇特に被害が大きい区間(丸森―富野)のあぶくま駅と兜駅の利用者はほとんどいない(合わせて10~20人/日 程度)

 〇県境区間の復旧は国費を使えばほぼ地元負担なしとなる反面,原則上下分離が必要であり,この区間を長く運行することを約束しないといけない。仮に復旧後廃止することになったら,国費の返還を求められるので慎重な検討が必要

 〇BRT化は,復旧費的にも補助がなく自己負担となり,全くメリットがない

 とのことで,阿武隈急行が置かれている現状からすると,当たり前すぎることを言っているだけでした。

 県境を超える需要といっても,観光地であるあぶくま駅の利用客が2桁前半/日 であれば,これを理由にするのは難しい。フリー切符で需要喚起をしていますが,収入的には焼け石に水。でも,少しでも需要を掘り起こさざるを得ない。

 梁川と仙台を結ぶ1日2往復のJR乗り入れ仙台駅直通列車も,ほとんどが丸森以北の利用者(梁川駅利用者は200人/日 だし,仙台まで80分以上かかる),その南側の保原駅からは福島駅経由で新幹線の方がよっぽど早い(最短60分程度),しいて言えば,角田駅からの福島駅経由での新幹線乗り継ぎ客の存在。角田からはほぼ各駅停車しかない白石蔵王駅利用も不便だしという程度でしょうか。

 ただ,仮に県境部分をあきらめて両県で分断することになると,,宮城側に車両基地や変電所の新設が自己負担で必要であることから,よっぽど県境区間を復旧した方が費用的に安上がりになりそうなこと,同じ第三セクターの会社で県境で分断する意味がなく,仮に会社を宮城と福島で分割するにしても,資産も負債も分けるのが難しいという,難しい課題が生じます。

 とはいえ,仮に全線復旧しても,沿線人口は減少の一途。現在でも国鉄時代に廃止対象となった路線の「輸送密度2,000人未満」を全線で下回っているので,将来を考えると残すのも地獄となってしまい,両県の覚悟が必要です。

 ただ,この阿武隈急行よりも条件がかなり厳しい三陸鉄道が「震災からの復興のシンボル」と位置付けられ,岩手県の覚悟で震災から復旧し,山田線の一部を取り込んで1本の路線として再復活したこと,さらに今回の台風被害から復旧させることに異論は全くなかったこと,福島県でも災害で長年一部不通になっているJR只見線を県も負担することで復旧させようとしていることからすると,この2路線よりはよっぽど立地条件的に恵まれている阿武隈急行の復旧の可否が宮城県として議論の遡上に上がっている点については不思議です。

 宮城県は,JR気仙沼線や大船渡線の被災区間の復旧に対し,鉄道での復旧を求める地元自治体に対し支援をせず,BRT化をほぼ異論なく受け入れたこと,鉄道というか公共交通については比較的冷淡なスタンスに思えます。仙台という目的地となる大都市を抱えており,鉄道のメリットが活かせる県ではあるとは思うのですが。。。

 この問題も,前記事で取り上げたように30年後の人口減を見越した取捨選択が必要という点を考えると,断腸たる思いです。今後はこのような選択の連続になるんでしょうね。暗い話が続くようですが,目を背けることはできない。

 

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2019年11月19日 (火)

宮城県美術館 宮城野原移転の続報

あっ!とびっくりさせられた週末の河北のスクープでしたが,

宮城県美術館 宮城野原に移転? (11/16)

月曜日に開催された県の懇談会にて,美術館の”移転”及び県民会館との”複合施設化”が既成事実になっていました。

 

新たな県民会館と美術館集約 宮城県が施設配置3案提示

 宮城県は18日、老朽化する仙台市青葉区の東京エレクトロンホール宮城(県民会館)と県美術館を、いずれも宮城野区の仙台医療センター跡地に移転、新築する方針案を正式に発表した。両施設と屋外広場、駐車場、民間が活用するエリアを組み合わせた施設配置の3案を併せて公表した。
 県庁であった県有施設の再編に関する有識者懇話会で示した。配置案は図の通り。(1)県有施設のみで構成(2)西側に民間エリアを設定(3)東側に同エリアを設定-の三つで、一定の天井高を見込む新県民会館の位置は日照の観点から敷地南側か南東側とした。
 県は、県民会館、美術館とも芸術を扱う観点から親和性が高く、2000人規模のホールと美術館の集約は地域の文化振興につながると強調。委員からは相乗効果を期待する声が多く、集約に異論は出なかった。
 候補地周辺の人や交通の流れが変化することが想定されるため、駐車場の適正利用や公共交通機関との連携の在り方を検討すべきだとの指摘があった。今後の街づくりに向け、都市計画を所管する仙台市との協議を求める声も出た。
 座長を務めた東北大大学院工学研究科の堀切川一男教授(摩擦工学)は「夢のあるプランだ。将来の宮城の街づくりに寄与するよう議論を進める」と述べた(11/19河北)。

Artmuseum

 疑問点として,

①この有識者会懇話会の位置付け

②座長の専門は芸術とは程遠い分野

③配置図まで出るとは手回しが良すぎ

を感じました。

①については,この懇話会はあくまでも県の公共施設の統廃合や再整備の方向性を検討する場であって,美術館や県民会館のふさわしい立地や内容について検討する場ではないことから,単に県が使える未利用地に当てはめれば良いものではないという点です。

 そもそも,例の県政史上最大の負の遺産である利府のグランディ21も,県の住宅公社が保有する未利用地ありきで決定されたと言われています。ある面では良くても,観客輸送などを軽視して整備された施設の現時点での評価は周知の事実。

 直前までは,著名な建築家前川國男の代表作であるこの歴史的建築物を活かすため,大規模改修を前提に検討が進められてきたところ,突然の方向転換の理由として「大規模改修期間の美術品収蔵の問題,長期間の閉館を強いられること」が挙げられていますが,それだけの理由でこの建築物及び空間を放棄して良いのか?と感じました。

宮城県美術館リニューアル基本構想 (中間案)

宮城県美術館リニューアル基本方針(中間案)

 この宮城野原への移転及び県民会館との複合化が決定事項なのであれば,少なくとも,これまでの詳細な検討の結果,移転が必要になった経緯を事細かに説明すること,加えて美術館の建物を再利用する方向性でないと,自分は納得はできない。例えば,長年整備が検討されながら実現されていない東北大の総合博物館への転用など,東北大は川内萩ホールもうまくリノベーションして現在でも最前線のホールとして活用しているので,この建物に新たな息を吹き込んでもらうには,東北大の力が必要ではと思います。

②については,座長は有名な東北大の摩擦工学の教授で,地元企業との産学連携分野での輝かしい成果を上げている方です。ただし,今回の懇話会の検討にあたって,氏の専門分野がどうやって活かされているのでしょうか?

 美術館の方向性については,芸術分野の専門家を集めた懇話会や検討会で議論していくべきもので,単なる配置や効率性の視点からの検討会で決定して良いのでしょうか。「夢のあるプランだ」とコメントしていますが,ハコは立派でも中身がどうなるか分からないのに,無責任なコメントに思えます。

③については,配置図まで準備されていたというのは,用意周到ですね。もしかしたら,日曜日の河北のスクープは県が意図的に流した情報かもしれません。配置図云々という段階ではなくそもそものところで議論の余地がありすぎるのに,これで決まってしまうのでは,何か悲しいです。

前向きに考えると。。。

 ショックが大きいところですが,観光面からすると先日の記事に紹介した青森県美術館や金沢21世紀美術館の他にも,水戸芸術館など地方にありながらも,集客力がある美術館として評価されるようになれば,楽天の試合だけでなく,沿岸部の松島や仙台港の水族館,アウトレットなどとの周遊がしやすいような立地条件は評価できる面もあります。

 今後整備が予定されている仙台東道路の沿道でもありますし,おそらく防災拠点隣接地ということからインターも整備されることと思います。そうなると,仙台東部道路(常磐道・三陸道)から,直接高速道路で目の前まで行ける立地になると言えます。

目の前にJR宮城野原駅

 仙台駅から2駅4分,片道150円で目の前まで行けるという立地条件は,交通条件だけをみると優れている面もあります。とはいえ,連続立体交差事業で最低限の駅設備で20年近く前に移転開業したこの地下駅。拡張の余地が全くないという欠点があり,楽天の試合と県民会館の公演が重なってしまうと大変なことになりそう。

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 とはいえ,美術館の利用者は近年20万人前後であり,1日平均だと500人程度。特別展の開催時はその数倍なるでしょうが,鉄道輸送にとっては誤差の範囲内で,十分対応可能でしょう。野球も年間で65試合程度の開催なので,通常日は特に問題なく対応できそうではあります。

 検討されている民間施設として,飲食店などが入るでしょうし,帰りもある程度分散することが予想されますが,楽天の球場よりも多少仙台駅からは遠いことと,客層が中高年が多そうなこと,目の前が駅になるので,鉄道利用率は野球よりは当然高くなるでしょう。

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 なので理想としては,現在昼間15分おきの運行を12分おき程度にして欲しいところ。また夜間帯のナイター終了後と県民会館の公演がバッティングする可能性がある21時台の運行本数を多少増やしてもらえれば(楽天の試合後も増便しないので期待薄ですが)。

楽天生命パークへの仙石線アクセスについて (8/13)

 とにかく,正式決定とは思いたくなので,もう少し丁寧な説明が必要だと思います。この問題については,状況を追っていきます。

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