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震災

2019年7月13日 (土)

ヤマダ電機 あすと長町進出へ

 今朝の河北朝刊を見て,目が覚めましたが,ヤマダ電機があすと長町進出ですか。

 あすと長町は,家電店の空白地帯で,個人的に10年前から進出を熱望していたところ。昔は長町南の電撃倉庫や佐々木チェーンがあったけど,なくなって久しいし。

 ヤマダ・K’sの2大勢力は,仙台南部エリアに2店舗ずつ東西に配置し(ヤマダは中田と鈎取,K'sも中田に近い名取バイパスと鈎取),このエリアもカバーしていたので,そのほかの勢力だと2強に負けて市内の太白区内の2店(愛宕橋,郡山)を閉店していたビックカメラと組んでいるコジマあたりの進出を期待していましたが,まさかのヤマダ電機の進出。それも太白区内3店舗目となりそう。

 家電店が進出だったら,普段使いの駅利用者が寄ることができる,長町駅前とかイオンタウンの中のテナント(エアリの「コジマ×ビックカメラ」のように)とかが望ましかったけど,やはりこのあたりは郊外エリアになるし,同系列の仙台駅前のLabiとの棲み分けから ,駐車場を確保できる今回の位置というのは悪い話ではない。わざわざ電車で来る人はいないだろうけど,太子堂駅からも徒歩3~4分だし,従業員も確保しやすいか。。

<追記:右側の表示が一部切れて見づらくなっていたのを修正しました>

 なお,積水ハウスが鉄建公団から取得した1.6haを,ヤマダ電機に転売したようですが,取得当時の記事を引用

積水ハウスに売却決定 仙台市あすと長町1.6ha(鉄道運輸機構)

 

[2017/8/2 宮城版]
 鉄道建設・運輸施設整備支援機構は1日、公開競争入札を開札し、仙台市あすと長町約1.6haの売却先を積水ハウス(本社・大阪市北区)に決定した。最低売却価格は13億0219万円で、10日以内に契約を結ぶ。敷地は造成済みで建築工事は今後、同社スケジュールで進められる。

 物件名は、長町駅38街区。場所は太白区あすと長町3-1-2。仙台空港アクセス線の太子堂駅付近で、東日本大震災後は市内最大の応急仮設住宅団地として活用されていた。更地に復旧済みのため、同街区での建築工事は、同社の事業スケジュールで進められる。

 同社は、仙台市の公募型復興公営住宅整備事業者として同駅近くに67戸を整備している。

 街区概要は、近隣商業地域で建ぺい率は80%、容積率は300%。地区計画では商業・業務施設の立地を図る地区に設定されている。仙台市は3月、同街区に大規模建築物以外も建設できるよう、地区計画で敷地面積の最低限度を2000平方mから165平方mに緩和した。

 あすと長町地区は、仙台市が仙台都市圏南部の副都心に位置付け、貨物ヤード跡地などを区画整理事業で開発。保留地は売却済みで、同機構と隣接する都市再生機構(UR)の土地で全街区が売却済みとなる。URは上期にも対象地約0.7haの土地譲渡先を公募する見通し(日本建設新聞)。

位置関係

UR都市機構からダイワハウスが購入した線路側0.7haの保留地は,分譲マンションと賃貸アパートが建築中で完全に住居系で進められており,大通側を積水ハウスのシャーメゾン部門が購入したとなると,同じような賃貸住宅中心の街並みになるのではと危惧していただけに,結果的に商業利用でバランスがとれることになり,悪い方向性ではないかと。

Yamada

規制緩和はなんだったの?

この土地は近隣の住民向けの小規模サービス業・店舗の進出を期待して,土地の分割が可能なように最低敷地面積を地区計画で引き下げ,パチ屋側以外は165平米にわざわざ規制緩和した街区です。

あすと長町南部地区計画

しかし,その意図が本当によくわからず,南側も線路を挟んだ西側も東側ももともとそのような土地利用になっているのに,わざわざ大区画を細分化させようとする愚を犯すのはよくわからんと思っていました。容積率が300%なので,例の復興公営住宅の街区のようにタワーマンション林立ということはないし,あすと長町最後の大区画の土地なので,ダイワ側はしょうがないけど(それにしても,復興公営住宅がマシに感じるほど,アパート間の棟間隔が狭く,下層階は日照確保できないという悪いストックに見える),結果的には良かったと。

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 一見郊外型店舗がまた出店?という見方をされるけど,せっかく整備した大規模な画地を細切れで住宅地に共用しようとする愚を犯そうとしていたので,それよりは,オープンから15~20年後の機能更新のための種地と考えると,ヨーク・コーナン(ともに借地)とともに,あすと長町が成熟するための土地に有効活用されそうという期待感も。

その他あすと長町近況(H28.12) (2016/12/10) 

ヤマダ電機側の事業化着手は早くて来年とのことで,時期的には杜の広場横のKHBのオープンと同じ位かな。

 土地の規模が大きいので全体をヤマダが活用するかどうかは分からない。というか家電店だけで埋められるとは思えないので,近年力を入れている住宅・リフォーム部門の併設とかは考えられるけど,その他テナントの導入(飲食店・大規模書店等)とか,あすと長町に欠けている機能を入れてくれればと。立地条件は違うけど,Labi仙台でジュンク堂,飲食店を入れているように。ドラックストアはいらんけど。

ヤマダ電機の店舗再編の可能性

 ヤマダ電機に限らず,家電店業界全般の状況としては,一時期大規模化した店舗を持て余している印象があります。特に家電はコモディティ化とショールーミング化が進んでいることで,わざわざ実店舗で購入する人は格段に減っているし,特にヤマダは一度拡大した店舗を縮小しずらく,Labi仙台ではかつて大々的に展開していた稼ぎ頭の携帯・スマホ売り場がすっかり住宅部門や食料品・日用品売り場に転換しながら,決して賑わっている訳ではなく,苦しんでいるのが伝わってきます。

 自分は意外に安さに負けて?最近値が張るパソコンやエアコンなどをヤマダで購入しているけど(ヨドバシやK'sは小物は良く買うけど,大物は決して安くない),特価品の安さはチェーン店としての仕入れメリットという規模の利益もあるんでしょうが,その分抱え込んだ在庫・展示品処分もダイナミック。

 正直Labi仙台もですが,その他中田の仙台南店や鈎取の仙台太白店に休日に寄っても,正直広大な店舗を持て余している感がありありで,両店舗とも近隣のK'sに店舗規模と入りやすさを含め負けている感があります。

 特に,1階駐車場,2階店舗という入りやすい大型家電店で取り入れられている店舗構造を早い時期に取り入れた仙台南店は一時期飛ぶ鳥を落とす勢いでしたが, 仙台バイパスの渋滞スポットに位置していること,南行車線からしか入れず,非常に行きづらいことから,住宅地側に整備している第二駐車場はほとんど使われていません。あすと長町に出店するのであれば,この仙台南店の存廃も含めての検討が必要かな。仙台太白店は比較的新しいし,アウトレット店を併設するなど独自路線なので,まだ手を付けづらいけど。太白区で3店舗はさすがに過剰な気が。

 

2019年7月 6日 (土)

常磐線特急 仙台―東京直通復活へ

今年度末というか,来年春に予定されている常磐線全線復旧。それに向けて,仙台駅発着の在来線特急の復活が言われており,

〇仙台駅2階改札横にみどりの窓口復活

〇途中駅(新地駅)での10両編成列車交換用対応工事

など,いろいろと伏線がありましたが,今日JR東日本から,正式に仙台と東京(品川?)を結ぶ特急(おそらく「ひたち」)の復活が発表されました。

 震災前は,仙台発着が4往復で,概ね3時間毎(7時,10時,15時,18時台)の運行(仙台発は4本とも上野行,仙台着はいわき発1本を除き上野発),上野仙台間は約4時間20分と新幹線の倍以上の所要時間でした。基本はスーパーひたちの付属編成の4両で,「少しでも安く」と,若いころは何度も帰省の際に乗ったことはありますが,上野発の時点で結構混みあい自由席だと座るのがギリギリだったり,水戸までは立ち客がいっぱいだったり4両編成の部分は混雑していた記憶があります。もちろんメインの7両編成の方はいわきまでなので,そっちの方が若干すいている感がありました。

何と10両編成!

 車両は,さすがにスーパーひたち時代の車両は常磐線から引退し,現在はE657という,10両編成の車両がいわきと品川間を往復しており,また,スワローサービス(使ったことがないのでイメージが湧きませんが 仙台~盛岡間の全車指定席のはやぶさで,空席があれば指定をとってなくても座れるのと似たようなもの?) とやらのサービス対応で,10両編成のまま仙台に来るようです。

Express

 そのために,10両編成を2編成増備するとか。東電の原発への出張者などは減っているにせよ,廃炉関係者の需要もあるんでしょうが,いかんせん住民が激減している双葉郡及び南相馬市への需要は,確実に半分以下になっているでしょうから,10両編成だといつでも座れることになるでしょうが,輸送力としては当然過大であり,大盤振る舞いの印象です。

 もちろん,震災と原発事故からの浜通りの復興のためには,東京オリンピックを前に,東京から双葉郡・相馬地方の相双地域に直通特急を走らせることが,一番のアピールにもなるし,震災前に一度特急のいわき分断が決定したのを覆すことになったんでしょう。

 JR東日本は,震災で被害を受けた気仙沼線と大船渡線の一部の鉄道での復旧を拒否しBRT化したり,山田線の一部を三陸鉄道に譲渡するなど,三陸のローカル線の復旧には非常に冷淡でしたが,一応常磐線は幹線扱いとはいえ沿線の輸送密度は完全にローカル線レベルなのに,沿線駅舎の橋上駅舎化への費用負担やJビレッジ駅の新設など,採算度外視で協力している感があります。

 それに,今回の東京直行特急復活と,10両編成での運行というのは,先日記事にしたように,仙台近郊を運行する電車が軒並み減車され,新型電車の追加投入も渋り気味なのに対し,アンバランスさを感じますが, この部分はある意味聖域なんでしょうね。

 もちろん,このニュースは嬉しく思っています。

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ターゲット

 特急の仙台までの復活とはいっても,メインの需要は「原ノ町ー東京都内」及び「水戸・日立―仙台」。いわきー仙台は,常磐道経由で所要時間3時間弱の高速バスが1日7往復で片道約3千円なので,もはや勝負にならないレベル。もちろん特急だと2時間強で結ばれるので時間短縮効果はあるけど,そもそも復活する普通列車も3時間程度で2590円(現在:消費税UPで多少上がる程度),そもそも常磐道が全通したので,車で直接仙台まで向かうことも簡単になっているし複数人であれば高速料金を出しても安くて速かったり。

 メインの需要だけであれば,震災前の4両編成でも持て余す程度になると思われます。

 おそらく,通常料金だと仙台―東京間が9000円位になるのに所要時間は4時間20分,1時間半で着くはやぶさのモバイルスイカ割引の約1万円とほとんど変わらないことから,通常の料金設定だと,最初は物珍しさで乗る客がいてもいずれガラガラ空気輸送になることが予想されるので,様々な割引切符を出して誘客に努めることになるのかな。東京―仙台の需要を喚起することも考えているからこその10両編成なんでしょう。 通常運賃+特急料金1000円程度のえきねっとトクだ値とか,往路新幹線,復路ひたちで1万5千円の切符を出すとか。またグリーン車もあるので,グリーン車で4時間を快適に過ごすというニーズを掘り起こすのもありかな。

時刻予想

 震災後のダイヤ改正でも,以前のスーパーひたちの発着時間に被らないように,その時間帯は空けています。

また,2016年末に浜吉田~相馬間が復旧した常磐線も,基本的にはほぼ震災前と同じ時間帯,同じ本数で普通列車の運行をしています。

そのため,特に7時台,10時台,18時台は,それぞれ15分発の特急が入れ込めるようになっています。いずれも直前はアクセス線なので,仙台駅を5,6分前に発車すれば名取まで逃げ切れる。なので,基本的に震災前とほぼ変わらない時刻で運行可能。

 

【7/6夜 追記・修正】

 なお,いわき以北の特急は全て仙台まで来ていた訳ではなく,原ノ町発着の2往復がありました。

 原ノ町始発が5時台のスーパーひたちは,仙台始発よりも2時間も早く,上野に9時半頃に到着するので,これは復活が必要でしょうし,最終の19時上野発で原ノ町駅着22時20分頃(22時35分発仙台行の普通列車で仙台まではその日のうちに到着可能)も,相双地区からの東京滞在時間を延ばすために,これも同様に復活と思っています(東京滞在9時間程度は確保)。

 ただし,上野10時発で13時過ぎに原ノ町駅に到着,15時過ぎに原ノ町発だった1往復については,復活は難しいと思っています。

 理由として,14時過ぎ仙台駅着,15時台仙台駅発と往復とも1~2時間の差しかなく,昼間のこの時間帯に10両編成の特急2本を原ノ町まで連続して運行することは流石に輸送力過剰なので,仙台発を15時15分頃⇒14時15分頃に移して,実質原ノ町発着を代替させてしまう可能性が高いと思いました。

  また,ランダムダイヤが大好きな仙台支社のことだから,発車時刻の統一はないだろうけど,便宜上仙台駅15分発に統一して,現在のいわき以南の時刻表と合わせて想定してみました。

そうすると,仙台着は震災前と変わらず。仙台発は若干変更で,7時台,10時台,14時台,18時台と,10時以降は4時間間隔と予想します。

品川発 上野発 いわき発 原ノ町発 仙台着   仙台発 原ノ町発 いわき発 上野着 品川着
      (前日)     6:00 7:03 9:31 9:49
        (前日) 7:15  8:15 9:20 11:35 11:51
    7:30 8:35 9:35 10:15 11:15 12:18 14:35 14:51
  8:00 10:25 11:30 12:30 14:15  15:15 16:15 18:37 18:51
12:45 13:00 15:15 16:20 17:20 18:15 19:15 20:15 22:37 22:53
15:45 16:00 18:15 19:15 20:15 (翌朝)        
18:45 19:00 21:20 22:20     (翌朝)      

 ※原ノ町22:20終着の特急は,原ノ町23:35分発仙台着23:55の普通列車に接続

   Timetable_20190706234701

停車駅は?

   基本的に,以前の停車駅を踏襲するんでしょうし,県内だと震災前は岩沼と亘理に2往復が止まっていました。ただし,今回は亘理はそのままにしても,需要喚起のため,岩沼に加えて空港線連絡のため名取駅に停車する可能性は高いのかなと。場合によっては,その分岩沼駅の停車がなくなるかも。

 本数と料金は追って発表とのことで,浜通りの復興のために,この特急の復活は楽しみですね。

2019年7月 3日 (水)

混雑激化 東北線の課題 (その2)利用者増なのに,進む短編成化

 そのような状況の中,新型車両置き換え前は,朝晩の常磐線を中心に9両編成があたりまえのようにあり,東北本線でも6両や8両編成があったのが,常磐線は最大6両編成となり,一部本線に残っていた8両編成も常磐線復旧のH28年末のダイヤ改正で最大6両編成となってしまいました。719系の老朽化によるE721系4両編成への置き換えでも完全にカバーできなかったのも,減車ありきのJR東日本の方針なんでしょう。

 本数は1.5倍に大幅増と利便性が高まったので,短編成頻発化で方向性としては良かったとは思いますが,いかんせん予想に反して減少の底を打った利用者の増加が止まらず,そろそろ新型車両の増備も含めた対策が必要になっていると思っています。

 

仙台駅発上り方面時刻と車両数について

 以前は長町駅と太子堂駅の時刻表は車両数も掲載されていましたが(下の写真は数年前の長町駅発下りです。ご参考までに),今春の改正からは,車両数の表示がなくなったので一部推測もありますが,仙台駅発東北本線上り方面の時刻表と車両数をまとめてみました。

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昼間は2両編成連発!

 8~16時台にアクセス線を中心に2両編成(②)が数多く運行されています。特に10~13時台は,運行本数の半分程度が2両編成で,12時台は7本のうち,何と約7割の5本が2両編成で平均2.6両。。。

 まぁ,客の比較的少ない12時台にしては本数が多いので,よく言えば短編成頻発で利便性が高いと言えなくもない。しかし5本のうちアクセス線の3本は車両数が足りないし今後JR車両を用いての4両編成化が検討されているので,もう少しの我慢と思いたいけど,常磐線の2本までが2両編成になっているのはどうなんでしょう。

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朝晩も4両が中心

 朝晩(7時台以前と17時台以降)の上りは,4両または6両編成ですが, 1列車あたりの平均車両数は4両台後半。ということは,ラッシュと逆向きの朝はともかく,混みあう夕方でも6両編成よりも4両編成の方が多いということ。これは意外でした(さすがに6両の方が多いと思っていた)。

 さすがに,朝の7~8時台の仙台方面は,時間11本のうち,6本は6両で5本が4両。一応6両の方が多いですが,それでも空港線と阿武隈急行以外でこんなに4両編成が多いのでは,そりゃ積み残しも出ますね。

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 夕方に仙台駅近辺で買い物しての帰りはJRを使うこともあり,先日18時26分発の常磐線新地行を2日連続で使ったのですが,理由はその5分前の阿武隈急行梁川行(2ドア4両:上の写真)に乗ろうとしたら,ドア数の少なさでとてもでないけどギュウギュウで乗れる状態ではなく(車両の中は空いているのが見えたけど),あきらめて次の電車は5分後だしと思ってホームを移動したら,結局接続列車待ちで4~5分程度遅れて発車したので(それも二日連続で),こっちも3ドアながらも4両編成。その間次々と乗客が乗ってきて結局こっちもギュウギュウで発車。使うのは長町までの1駅5分間とはいえ,よっぽど地下鉄を使った方が良かったと思える位でした。

 なお,接続待ちでの遅れはしょうがないけど,常磐線の次の電車(原ノ町行)が実質15分後。その前に途中駅までの乗り継ぎ客はアクセス線と本線白石行があるのに,わざわざ律儀に待たなくても良いかと。次の電車が1時間後だったら待つべきだけど。混雑による遅れが積み重なったり,それが次の電車の混雑を招いたりしており,臨機応変に対応できないものかと思います。

 その18時及び19時台は,毎時8本の運行ながら,6両編成が3本に対し4両編成が5本で平均4.8両。最短で4分おきの運行ながらも,夕方ラッシュで最も混雑する時間帯で,せめて,本線と常磐線は6両編成にしてほしい。車両繰りが厳しいアクセス線は4両でしょうがないけど,アクセス線開業前は,常磐線がほぼ9両(一部6両),本線が6両(一部8両)で,4両編成は阿武隈急行乗り入れの1本のみだったのに,アクセス線の分で本数は増えても,名取以北のトータル車両数はほぼ変わらず,名取以南は2/3程度の車両数になってしまっているのでは,震災後に反転増となった利用客が快適に利用できる環境ではないですね。長町―岩沼間で,アクセス線開業前の1.5倍の駅利用者数になっているので,体感的にもわかるデータです。

 

土日祝日(お盆期間)はアクセス線の一部電車が4両に

 この昼間の2両編成の一部(6往復)を4両編成にというのは,3月から行われており,9月までも引き続き実施されるようです。

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夏休み期間全てというわけではなさそうですが,それでも空港の書き入れ時なので,せっかく仙台空港を利用してくれる旅行客に少しでも快適に利用して欲しいものです。このように編成増ができるというのは,空港線車両を限界まで活用するとのことなのでしょう。現在検討されているJR車両の転用は1年程度の期間が必要とのことだったし,車両運用をみても,2両×7編成をフルに活用している訳ではなく,一部昼間はお休みしている編成もあったので。でも遅れが出た時の予備編成の活用ということを考えると,本当にカツカツの綱渡り状態なんでしょう。

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東京一極集中の弊害

 この路線を運営するJR東日本は,東京を中心とする首都圏輸送と各新幹線輸送,不動産・商業施設運営で大部分の収益を上げている一方,東北地方を中心とする地方部は収益の足を引っ張る存在との認識なんでしょうし,その中でも比較的収支がましな仙台都市圏エリアについても,赤字であることは間違いなく,東京からの視点では,

 〇首都圏ではもっと混んでいる路線があるので,仙台はまだまだ詰め込める

 〇首都圏では1時間圏まで混んでいるけど,仙台ではせいぜい20~30分圏までだから大したことない。

 〇定期の割引率が高過ぎて,乗っているように見えてもそれほど儲からない。特に学生定期。 

  (並行する区間である長町―仙台で,一般6か月定期は地下鉄53,000円に対し,JR26,430円とほぼ半分。)

 ⇒株主対策から,地方圏では最低限の車両置き換えは行うが,なるべく車両数を減らして投資額や維持費用を節減。

という視点なんでしょう。さらに,震災後の復旧や来年のオリンピックに向けての駅ホームのタイルや2階吹き抜けコンコースの改装など,「見てくれ」の部分に予算をつけても,普段の利用客にとっては混雑対策をしっかりしてくれと考えるでしょうし,やっぱり視点がずれているように感じます。

 利用客の増加は嬉しいことですが,増発や車両増など利便性の増加につながらないのでは,利用者の不満がたまる一方です。

 また,輸送量が増やせなくとも,駅の動線をスムーズにするなどの対策が講じられればストレスが低減されるけど,特に今の仙台駅の朝晩のカオスな状況を見ると,数年前の大改造でも手を付けられることがなく改悪されたところもあったので,見える部分はきれいになっても根本的に改善されない状況は悲しくなってきます。

 

 それでも首都圏よりはましと言われそうだけれど,非人道的な生活を強いられている首都圏基準で全ての物事を判断されるというのは,東京一極集中の弊害でしかありません。以前はJRになって東北地域本社が設置され,まだましな時代もありましたが,仙台支社という一支社に格下げされて久しく,改善したいところがあっても予算がつかずにそのまま放置という感じ。生まれ変わった仙台駅東西自由通路みたいに自治体が整備費用の大部分負担するようなことがあればですが,少なくとも駅構内の鉄道施設部分はJRが対応しなければならないところ。

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 次の記事では,その施設面での改善方向性について取り上げようと思います。

2019年7月 1日 (月)

混雑激化 東北線の課題 (その1)利便性向上と利用者増

 仙台駅から岩沼駅までは東北線と常磐線,名取駅まではアクセス線も合わせた3線が利用できる,東北本線仙台以南の区間。

下の写真は,夕方時間帯の仙台駅地下南口改札の時刻表示ですが,6系統のうち,上半分の3系統が利用できます。

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 県内では,仙台市地下鉄には本数も利用客も及びませんが,JR区間では仙石線を超えて随一の本数と利用客を誇る区間です。

 この18時台は4~12分間隔とばらつきがありながらも8本で,仙石線・東北本線下りの各6本(ただし,本線下りは,うち利府行きが2本,仙石東北ラインの快速が1本で陸前山王以北は実質3本),仙山線の3本に比べ本数としての利便性は高い状況にあります。

 なお,市営地下鉄は,富沢行が11本,泉中央・荒井・動物公園行が10本で,この東北本線上り方面は地下鉄とそん色ない運行本数です。

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新型車両の導入と減車,震災後の利用者激増

 その東北本線,12年前のアクセス線開業前は利用客が横ばいまたは漸減しており,それと同時期にあった新型車両の導入で9両→6両,6両→4両,3両→2両 を原則とした減車置き換えがあり,またアクセス線の昼間は基本的に2両編成であることから,混雑に関する批判はあったにしても,国鉄時代からのボロ車両から快適な新型車両に置き換えてくれたし,将来的に利用客が減っているのだから経営的にしょうがないかなという見方もできました。

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 しかし,アクセス線相互乗り入れによる本数増による利便性の高まりとアクセス線各駅との新規需要もあり,当然ながら請願駅として開業した太子堂を含む名取以北の各駅は利用者が微増に転じました。

 一方,岩沼駅と館腰駅は,微減傾向が続きます。岩沼はベッドタウンとしての需要の低下と少子高齢化による通勤・通学利用者の減少が一気にきて,館腰駅利用客はピークがH17年とアクセス線開業直前だったのが, 空港シャトルバスの減便→廃止により5年間で一気に3/4まで利用客が落ち込みました。なお,岩沼以南の本線・常磐線の各駅も同傾向でさらに減少傾向でした。

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 しかし,その後震災が起き,被災地を通る常磐線の亘理駅以南が長期間不通となった反面,その沿線や沿岸部集落から仙台への通勤通学の利便性を求め,岩沼~仙台間を中心として,亘理駅・逢隈駅・船岡駅・槻木駅・角田駅・美田園駅周辺も加えたエリアへの(みなし)仮設住宅や,住宅再建などでの人口移動が起こり,震災以前は取り残されていた館腰以南の駅でも,ピーク時には及ばないまでも利用客が増加に転じ,微増傾向が続いています。

 震災前から続く名取以北の増について,名取駅の急増はアクセス線乗り入れによる利用者増加分の影響が大きいにしても,イベント利用者とタワーマンション林立で激増の長町,一万人突破目前の南仙台など,県内でも利用客が多い方の各駅の伸びが止まらない状況です。

 長町駅周辺では,今年400戸クラスのタワーマンション2棟が入居開始になるので,さらに来年にかけて利用者増加は続き,南仙台に追いつく勢いが続くでしょう。

 アクセス線車両については,過去記事のように混雑が問題となっていますが,本線や常磐線についてもアクセス線に隠れながらも4両編成中心になっていることで,混雑が激化しています。

アクセス鉄道の車両増備実現か? (4/4)

 このような利用者が増えている話であれば,単に景気の良いグッドニュースとしたいところですが,この利用者増で,朝はもとより夜の仙台駅発時点で4両編成の上りの電車はけっこうぎゅうぎゅう状態になることも多くなりました。 利用者増にもかかわらず,それに対する混雑対策が講じられていないのが問題です。特に新型車両の導入時から続く減車の影響は大きくなっています。

 次回は,その点に焦点をあてた記事を。

 

 

2019年6月18日 (火)

みちのく潮風トレイル ビジターセンターへ

久々の緊急地震速報でビックリ!日本海側で津波注意報とのことで,ちょっと心配です。

さて,名取市シリーズも最終回。かわまちテラスの後に,ふと思いついて,ゆりあげ朝市の横に整備されたトレイルセンターに寄ってみました。

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先日,名取市文化会館で全線開通セレモニーがあったようで,その拠点施設になります。

 

 「みちのく潮風トレイル」全線開通 4県28市町村、全長1025キロの道つながる

東日本大震災で被災した青森県八戸市から福島県相馬市までの太平洋沿岸を結ぶ「みちのく潮風トレイル」が9日、全線開通し、4県28市町村にまたがる全長1025キロの道がつながった。宮城県名取市文化会館では記念式典が開かれ、沿線自治体の首長やトレッキング愛好者がコースの魅力や課題について語った。【滝沢一誠】

 自然の中を歩き、風景や土地ごとの文化を楽しむトレイルは近年、欧米を中心に盛んになり、日本でも各地で整備が進められている。みちのく潮風トレイルは「ロングトレイル」と呼ばれる長距離のトレイルの一つ。岩手県宮古市―山田町や宮城県石巻市―仙台市など計4区間、計272キロが新たに加わり、国内のロングトレイルでも最長級の全長1025キロの道が完成した。

 コースは舗装された道路だけでなく、登山道や船で渡る「海の道」など変化に富む。沿線には種差海岸(八戸市)や松川浦(相馬市)などの景勝地のほか、たろう観光ホテル(宮古市)、奇跡の一本松(岩手県陸前高田市)、旧荒浜小(仙台市)、千年希望の丘(宮城県岩沼市)といった震災遺構もあり、観光振興や震災伝承も期待される。

 式典には各市町村長など関係者や市民ら約650人が参加。原田義昭環境相は「多くの人が歩き、その歩みが復興につながることを期待している」とあいさつし、沿線自治体の首長と手を取り合って全線開通を宣言した。コース北端の小林真八戸市長は「28の市町村がコース磨き上げることで、すばらしい道になってほしい」と願った。

 式典後のパネルディスカッションではロングトレイルの愛好者らが登壇し、みちのく潮風トレイルの魅力や課題を語り合った。

 登壇者の一人、タレントのなすびさんは2016年、当時の開通区間約700キロを踏破。道行くところで差し入れをもらったり応援の横断幕を掲げてもらったりしたという経験から、「東北の人情とホスピタリティー(もてなし)に触れられるすばらしい道」と話した。

 一方、1000キロ以上にも及ぶ長距離の道の維持・管理についてはまだ手探りな点もある。コースの運営は名取市閖上の名取トレイルセンターが統括し、5カ所のサテライト施設と一緒に管理する。紀伊半島に広がる世界文化遺産の熊野古道に詳しい和歌山県の田辺市熊野ツーリズムビューローの多田稔子会長は「歩く人がいなくなった道はすぐに自然に返る」と話し、「これから管理が大変になるが、大事なのは地元の人々の協力だ」と強調した。

 また、コースの北端は青森県まで及ぶ一方、南は福島県北部の相馬市まで。東京電力福島第1原発事故の影響で、今も県南端のいわき市までの沿岸を歩くことはできない。式典に出席した相馬市の立谷秀清市長は「被災地を結ぶため、将来はこの道を南側まで結んでほしい」と話し、福島市出身のなすびさんも「トレイルが相馬で終わってしまうのは悔しい。何年かかるか分からないが、いつかいわきまで歩けるようになるのも夢ではない」と期待を示した(6/15毎日)。

 

 例のごとく,国の施設は無駄に立派ですねぇ。みちのく潮風トレイルの拠点センターとして整備するのは分かるにしても,南北1000kmのごく一部をカバーするのみで,シャワー室や着替えができる場所とのことですが,利用価値は??です。

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 中はカフェと紛うばかりの雰囲気の良さで,休憩所としては居心地が良さそうですが,そもそもこの潮風トレイルのルートは,”潮風”トレイルといいながらも一部自治体では山の中を歩かせたり,市町村毎にめいめいにルート設定しているので,つぎはぎルート感がありあり。

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一応情報拠点として,エコツーリズム関連書籍などが閲覧できます。

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 まぁ,ルート選定など,環境省が地元自治体や住民と協力しながら,ルート自体は既存の遊歩道などを中心にあまり予算をかけずに手作り的なルート発掘をしたようですので,トレイルセンターは一点豪華主義で,存在をアピールするためなのかなぁと。

 閖上のこの近辺は,サイクルスポーツセンターの再建に合わせて温泉が整備予定であったり,朝市,かわまちテラスと,都市近郊の健康的なレジャースポットが集積している上に,名取市にとっては国が勝手に作ってくれてラッキーな感じ。

 なお,宮城県が進めている「オルレ」ともまた関係なく整備されている感があるのは,「やっぱりねー」という感じ。

 せっかくルートを決めたからには,活用されてほしいですね。

 

2019年6月14日 (金)

かわまちテラス閖上へ

牛タン弁当でお腹も満足したので,満を持してかわまちテラスに向かいました。

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南三陸さんさん商店街,ハマーレ歌津,シーパルピア女川と並び,県南では亘理鳥の海の荒浜にぎわい回廊商店街に続く復興商店街ですが,

30店舗近く入る規模はそこそこ大きく,閖上といえばゆりあげ港朝市ですが,日祝のみの朝市を補完する閖上の名物スポットになっています。

なお,商店街といっても,飲食が中心というのは,すぐ近くにスーパーのイトーチェーンが出店予定なので,ある意味競合しないような棲み分けを狙ったのか。まぁ,このご時世,小規模な物販店舗での出店は難しいでしょうし。下の写真はイトーチェーン出店予定地。

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リバーサイドで海も見えます

 道路側と堤防に面した部分と基本2列になっており,階段等で結ばれています。

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堤防に面したところは,オープンカフェ見たいにテーブルが並んでいる店もあり,天気も良かったので,みな思い思いにこの気持ち良い空間を味わっていました。

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まだオープンしていない区画も多少あります。

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狙いはかつ丼?

最も目立っている店は,閖上と言えばの浜やです。

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ここに行けば,外れはないでしょう。まぁ,長町やエスパルに加え,閖上では既に朝市メイプル館にもあるとはいえ,ようやく自前の本設の店を閖上にオープンさせることが。ここで食べる意味のあるお店です。

また,フードコートでは,ももやのカツ丼が人気です。限定提供で,早めに行かないと食べれないようです。当時の経営者は津波で亡くなっていて,当時の味を再現したというエピソードがあり。

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浜一番

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中野栄に暫定出店していましたが,閖上にお店だけ戻ってきたとのこと。行列ができていました。

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カレーラボラトリー 笑夢

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福島の有名店とか。今度食べてみたい。牛タン弁当の後なので,残念ながら食欲はありませんでしたが。どのお店も賑わっていて,こういう水を感じられる飲食店街は仙台近郊ではあまりないので,街中から30分ちょっとで来れるという距離感は受けそうです。

イチゴデザートのお店(ICHIBIKO)

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ミガキイチゴのGRAがやっているっぽい。高めのお値段ですが,こんな行列でした。女性受けするお店は強い。

災害公営住宅

近くには,災害公営住宅が何棟か立ち並んでいます。川沿いで環境の良いところです。いろいろと閖上も現地再建にあたってもめにもめましたが,ようやく,街びらきを迎えることができました。土地の安さと仙台からの近さから被災者以外の転入もあるようで,せっかく再建された閖上の街がいつまでも賑わってほしいものです。

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2019年4月 4日 (木)

アクセス鉄道の車両増備実現か?

 7月で,民営化から間もなく丸3年を迎える仙台国際空港。

 最近,立て続けに新規路線の情報が入ってきていますが,現時点でもインバウンドの増加により,アクセスのメイン手段であるアクセス鉄道の混雑が目立ってきたようで,河北の4/1に,車両の増備を模索しているとの内容の記事が。

一瞬エープリルフールかとも思いましたが,乗客の増加により,対策が必要な状況が近づいているようです。

 

 <仙台空港アクセス線>混雑激化 訪日客増で拍車 JRなど4両編成増検討

仙台空港アクセス線は東日本大震災後に乗客が増え続け、時間帯によって乗車できないほどの混雑になっている。沿線の宅地開発の進展に加え、仙台空港を利用する訪日外国人旅行者(インバウンド)の急増が拍車をかけた。共同運行する仙台空港鉄道(宮城県名取市)とJR東日本は輸送力の強化を模索するが、アクセス線特有の障壁もあり、混雑緩和は容易ではない。

<乗車諦める客も>
 3月25日朝、大きな荷物を抱えた観光客らが続々と仙台空港駅(名取市)の列車に乗り込んだ。2両編成の列車はぎゅうぎゅう詰めになり出発。途中の南仙台駅(仙台市太白区)では高齢女性が混雑に驚き、乗車を諦めた。
 仙台空港鉄道が運営する仙台空港、美田園、杜せきのした3駅の2017年度の1日当たりの乗降客は初めて1万人を超え、6年連続で過去最多を更新した。10年度に比べて約60%も増えた。
 震災後、被災地からの移転や復興需要も相まって沿線の宅地開発が進み、通勤通学客が増えた。仙台空港も16年7月の民営化以降、旅客数を拡大し、17年度は過去最高の約344万人を記録した。運営会社の仙台国際空港は、18年度は358万人程度を見込む。
 仙台空港鉄道によると、インバウンドのうち、バスで周遊する団体客以上に個人客が増えていることもアクセス線の利用率を高めたという。
 アクセス線開通で乗客が減り、廃止されていた空港と仙台駅を結ぶリムジンバスも10年ぶりに復活し、3月16日に運行が始まった。4月には杜せきのした駅に隣接するイオンモール名取(名取市)の増床も予定され、さらに乗客増加が見込まれる。

<特有のハードル>
 一方、3月のダイヤ改正では2両編成と4両編成を一部入れ替えただけで全体の輸送量は変わらなかった。
 JR東仙台支社は単線区間の仙台空港-名取間の制約や、仙台駅ホームの列車の混雑状況といった現状を踏まえ、増便ではなく4両編成を増やす「増結」を優先的に検討する。
 増結には車両の新造か、支社管内の車両運用を見直してアクセス線に使う車両をもっと確保するかの2通りがある。新造は2両だけで億単位の費用がかかり、完成に数年を費やす。投資判断は慎重にならざるを得ない。
 現実的なのは車両運用の見直しだが、アクセス線特有のハードルがある。最大6両をワンマン運行するアクセス線の車両には、ホームに設置したカメラから映像を受信し、運転士がドアの開閉や発車を判断するためのモニターが備わっている。他線の車両を走行させるにはモニターを加える改造工事が必要になる。
 仙台支社の担当者は「改造は1年以上かかるが、費用は新造より1桁低い。まずはアクセス線に使える車両を捻出できるか前向きに考える」と説明する。
 仙台空港鉄道の菅原久吉社長は「輸送力強化は早く実現したいが、財務状況が厳しい。費用の分担なども含めてJRや宮城県などと協議を進める」と話す。

[仙台空港アクセス線]2007年開業。仙台空港-仙台間(17.5キロ)を快速17分、普通25分で結ぶ。車両は仙台空港鉄道が3編成とJR東日本が4編成を保有し、現在は1日上下計86本を運行する(4/1河北)。

 

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 特に,昼間は本数を増やすために,2両編成での運行が多いところですが,その2両編成の電車での混雑については,これまでも度々このブログでも言及してきました。主に混雑 するのは,昼間の仙台空港発仙台行の名取~仙台のJR線区間。

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 仙台空港駅発時点でほぼ席が埋まり,ぱらぱらと立ち客がある状態で発車し,美田園で多少,杜せきのしたでそれなりに乗ってきて多少圧迫感を感じるようになり,名取駅到着。そこで多少の降車客の後,どっと乗ってきて,南仙台,太子堂,長町で各入口数人ずつ乗ってきて,長町ではたまに乗るのをあきらめる人がいる状態というのがこれまでのイメージ。

 ただし,逆方向の仙台駅発空港行は,混雑を嫌う長町~名取駅間の客が,多少待っても座れる次の東北本線や常磐線の電車を選ぶ場合もあるから,それほど醜い混雑にはならない傾向にあります。

いずれにせよ,名取を過ぎて空港線に入るとほぼ立ち客がいなくなる状況からすると,仙台空港鉄道会社からすると2両編成で十分で,ランダムな発車時間をある程度揃え(20分毎,3本/時),JR線区間のみの乗客を分離すればなんとかやっていける現状ではあります。この記事中にある,3月25日(月)朝の状況というのは具体的に何時台かは分かりませんが,ピンポイントで混むところを河北が狙った可能性もあるので何とも言えない。

ただし,空港駅発時点でギュウギュウ詰めがあるというのはまずいですね。

アクセス線の混雑具合は電車によってまちまちなのは,

  • アクセス線の空港駅発の間隔が10~40分程度とランダム
  • 飛行機の到着便の集中具合(特に9時台に集中)
  • JRの名取駅発仙台行も,30分程度空く時間帯があること

から,間隔が空いたところで多くの到着便があったりすると,本当にヤバイです。

 ダイヤ改正前は,仙台空港発9時13分発(2両編成)に,8時40分から9時までの20分間に到着する神戸,新千歳,小松,伊丹からの初便が集中していたところ,これは9時16分発(4両編成)になり,改善されましたが,アクセス線のダイヤ調整は,まずJRの本線や常磐線の電車の合間というのが基本なので,クールごとに変わる飛行機の時間に合わせて改正する訳にもいかないのが厳しいところ。

解決策は?

  1. 車両の増備
  2. 電車本数の増(増発)
  3. 区間快速の設定

 があげられます。

 

1の車両の増備が検討されていると,この記事にはありました。

 相互乗り入れしている空港線とJR線の距離の割合から,空港鉄道が3編成6両,JRが4編成8両。計7編成14両で回しているところで,昼間のように2両編成中心であれば双方向毎時3本でもやりくりできます。この時間は,JRの本線や常磐線の本数が毎時3本しかないので,空港線と合わせて仙台―名取間の本数を確保しています。


 しかし,混雑する朝夕は4両編成になり,基本は双方向毎時2本になってしまいます。4両編成ながら15~20分間隔になるところは,その後や逆方向の運転間隔が空いてしまったりします。 終日4両にしたいところですが,そうすると毎時3本は維持できず,朝夕と同じように毎時2本になってしまっては,かえって不便になります。

 相互乗り入れの原則から,公平に1編成(2両)ずつ増やしたいところで,そうすると9編成18両となり,4両編成×4本に予備2両でちょうどよくなりますが,2両ごとに運転席を両端に設ける仕様から,1両2両で,ほぼ同型を導入した同じく宮城県の第三セクターの阿武急では4.5億で国の車両更新補助と宮城・福島県及び沿線5市町補助でなんとか最初の更新車両を購入しています。

 空港鉄道も同様に対象にできるかというと,鉄道の性格が異なることや車両更新ではなく増備だと補助対象にはならず,また震災で甚大な被害を受け,復旧費用を含めたこれまでの累積赤字もありました。そのような状況から,鉄道施設については県が購入し,上下分離を導入した経緯もありますので,県としてもこれ以上空港鉄道への支出を増やすことは難しい状況です。

 それで,公平性の原則を破って,空港鉄道がJRに車両使用料を払えば,JR側のみの車両増備も可能でありますが,それで空港鉄道としての運賃収入が上がるのであれば,その選択枝もありです。


 JRとしては,特に昼間は露骨に減便しているので,大梶の車両基地に多くの車両が昼寝しているから,昼間限定で回すことは可能なはず。としては,そもそも,美田園での夏祭り花火大会で6両運転をしてたし,19日からのイオンモール名取の増床時の増結も実施するなど,現在でもJRの通常車両を使用しての多客期対応はしていますが,その場合ワンマン運転ができないとのことなので,恒常的に使用するには改造が必要とのことです。

 それでも,空港線の旅客増で,JR線部分の根本利益が生じていることや,そもそもJR区間の仙台―名取間の混雑が原因であることから,JR側の協力で対応すべきでしょうね。上述の通り,昼間の車両は余っている訳で。それが数千万円かかるにしても,車両増備よりは短期間で対応できるし。

 

 ただ,今後民営化が成功すれば,旅客数400万人を優に超えることになり,小手先の対応では難しくなります。

そのため,2.電車本数の増(増発)を図る必要が出てきます。

 そもそも,空港アクセス鉄道として最低限の利便性を確保するためには,この規模の空港であれば,最低20分おきの運行で,常に駅に車両が在線していて,座って待つことができることが望ましいところ。旅客数は全然違いますが,新千歳は6両編成で15分おき。空港駅では常に車両在線しているとのことで,そこまでいかなくとも,増発は必要です。

 本数を増やすのが難しい理由として,JR区間の本数が多いこと,空港線内が単線であることが言われていますが,朝のラッシュ時は4分おきに走らせていることから,毎時1本程度増やすことは容易。また,空港線内の行き違いも,既に準備がされている杜せきのした駅での列車交換を可能にすれば,難しいことではないので,5年後を見据えて検討に入る時期になってきたと思います。

 

 なお,以前の記事でも提案したのが,3.区間快速の設定。これであれば,現在の2両編成でも対応できます。

○本線部分を快速化
・・・以前の記事で、可能性について書いてましたが、仮に昼間の2両編成を維持するのであれば、空港などアクセス線沿線利用者が窮屈な思いをしないように、アクセス線部分は全駅停車、本線は名取⇔仙台 ノンストップ として、昼間は全線所要時間20分(アクセス線10分、本線10分)での運行とすれば、車両運用の効率が良くなり、積み重なって増発の余地は生まれます(その代わり2往復しかない現在の快速は廃止)。
 
これをやるには、名取駅で本線や常磐線の各駅停車と5分以内で接続することが前提条件ですが、昼間は本線毎時2本、常磐線毎時1本なので、空港線を毎時3本とバランスがとれることも。

 ただ,昼間にこれを完全に実施するとなると,地下鉄南北線からの乗換が楽な長町駅経由ルートが機能しなくなること,南仙台を含めた途中通過駅の利便性が極端に低下するため,前後5分以内に本線や常磐線の電車がある時間帯限定で一部列車の区間快速化はありかと。

沿線開発の進展

 4月19日には杜せきのした駅直結のイオンモール名取の増床オープンで,買い物客だけでなく従業員の利用増が見込める他,沿線の住宅地もほぼ売れており,今後急激な伸びは難しいところ。その中でも,美田園駅周辺では分譲マンションが建設中であり,また仮設住宅も退去し,仮設商店街のさいかい市場も今年退去であることから,駅前の空き地も含め,利用できる土地が結構出てきます。
 よって,美田園駅の周辺開発の進展にも期待したいところです。一応閖上への最寄駅にもなりますし。

 利用客増は嬉しい悲鳴とはいえ,アクセス鉄道はようやく1万人/日 の利用客になっただけ。この数字は開業時の目標を10年ちょっとかけて達成しただけで,採算上はさらなる乗客増が必要。そのためには,車両の増備は必要経費であり,400億以上かけて整備した鉄道が数億ケチって活用されないというのは,もったいない話。外からの仙台空港利用者を歓迎する意味でも,東北のゲートウェイとなるアクセス鉄道の利便性を高めることは必要なので,期待しています。


 

 

 

 

2019年2月11日 (月)

あすと長町復興公営住宅をめぐる日照問題

   最近再燃した,あすと長町復興公営住宅の日照問題。 地上13階建て163戸の復興公営住宅に対し,南側の「ワールドアイシティ・野村不動産」連合の24階建て345戸のワンパークレジデンシャルの建設により,下層階では冬場だと日照1時間程度しか確保されないとの訴えがありましたが,さらに,東側にこちらも「住友不動産・ワールドレジデンシャル」連合のこれも24階建て391戸のシティタワーあすとレジデンシャルがほぼ立ち上がり,東側も完全にさえぎられてしまったために,日照が確保されない部屋だと1日15分程度という,酷い状況のようで,全国紙では朝日,テレビ局ではフジ系のワイドショーで取り上げられたようです。
 もちろん,住民の方々にとってはお気の毒なことであり,何とかしてあげたいところではあります。ただ,ここまで至る背景を考えると,難しいところがあります。

 被災して県内各地及び福島県からあすと長町の仮設住宅を仮の住まいとし,最初は「こんな不便なところ」「地元に戻りたかった」とか,非難囂々で,市内最大規模の仮設住宅がなかなか埋まらずない状況だったのが今では信じられない状況ですが,あすと長町のスーパー,IKEAを含む店舗等,集客施設の立地も進むにつれて,1戸あたり2200万円上限という買取価格の制約から,当初はあすと長町内の建設は想定されていなかったところ,住民団体が強く市に要望した結果,民間建設の買取型復興公営住宅として,3事業者があすと長町内への建設に名乗りを上げ,結果的に地下鉄南北線沿線南部の買取枠を独占する形で,ここと,TSUTAYA北側,太子堂生協南側の3か所が選定された経緯がありました。

 「安住の地」がタワマンの谷間 復興住宅、日照1時間も

 街の発展を誇示するかのようなタワーマンション群の谷間に、仙台市の復興住宅が建つ。昼間もほとんど日が差さない室内で、高齢の被災者は「安住の地のはずだったのに」と不満を募らせる。行政は「商業地で日照が確保できないのは仕方ない」の一点張りだ。震災復興の「光と影」を、太白区あすと長町に見た。

 JR長町駅から徒歩数分。大通りに面し、目の前にスーパーがある至便の地に、13階建ての「あすと長町復興公営住宅」(163戸)はある。  被災者の入居が始まったのは2015年4月。掲示板に貼られていた近隣工事の案内に、気付いた人はほとんどいなかった。南隣、24階建て345戸の分譲マンション計画だ。高さは倍の80メートル。工事はその秋に始まった。  翌16年12月、今度は東隣の(以下略)(朝日1/23)

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 今回の取り上げ方で,住民が仙台市を非難する構図が強調されているのが違和感を感じるところ。 一応職場で見た朝日新聞の記事では,デベロッパー側の信義則違反に言及していたけど,テレビの取り上げ方は,「何でそんなところに仙台市は被災者向けの住宅を建てたの?住民が可哀そう」という切り口で,取材不足なのか,反響を狙って市を悪者にする構図にしたのかは分かりません。
 ちなみに,完成当初の復興公営住宅の写真はこれ(仙台市HPより)。 
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自分でとった,中央公園からの写真はこれ。 
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それが,現在では,この密集具合(北側IKEAからの写真ですが,西側以外は完全に高層マンションに囲まれています。

 

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このような状況になった理由  

 

このブログでも,たびたび言及していますが,当初仙台市に買取を申請した際はワールドアイシティ単独の計画で,復興公営住宅の場所は変わらずとも,南側は低層の郊外型商業施設で,さらに南側の公園に面したところが14階建て70戸と,公営住宅と高さは同程度ながらも,戸数は半分以下と公営住宅に配慮した計画でした。

 

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ところが,災害公営住宅が完成し,仙台市が買い取り入居した後に,計画されていた商業施設敷地を含む形で野村不動産をパートナーに南側の分譲マンションが70戸⇒345戸と約5倍の規模に計画変更となった訳です。

 

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仙台市にとっても,住民にとっても寝耳に水という感じで,流石にこれだけの高層建築物が建つ際には近隣住民対象にポスティングで案内があり,説明会を開催するはずですが,実際に建物が建ってみないと実感できなかたというところなのでしょうか。

 

 しかし,今から考えると,分譲マンションが70戸から5倍の戸数に増やせるというのが,もともと商業施設部分は低層で容積率を食わない開発を想定していて,その分を一気にマンション用に供したためというのはわかるにしても,出来レースの確信犯的な匂いも感じます。手際が良すぎる。  それも地元デベと超大手デベが組んで,冷徹な被災者いじめを合法的に行えたのも,商業地域だったからこそ。仙台市とデベとの交渉の経緯は詳しく分かりませんが,仙台市側が所有者として被害者という側面がまず大きいというのは,住民は嫌だったら出ていけるけど,その不良債権的な公営住宅を今後30年にわたって管理していかなければいけないところ。それなのに,市が強く出れないところが,日照権が確保されない商業地域に計画された点。

 

 もちろん,市側の見通しが甘かったとか,「商業地域に建てさせる判断をしたのがそもそも間違い」とか,ナンボでも言えるけど,「あすと長町に住みたい」という仮設住宅住民の運動から,なるべく地区内で戸数を確保すべく,限られた予算で努力して採択した結果,日照を確保できる当初計画を裏切られたということで,仙台市としてはこれらのデベに対して,損害賠償を請求したくなる案件。

 

 個人的な思いとしては,多少戸数を増やすにしても,大通り向かいの洋服の青山の土地(ヨーク南側,仙台PIT東側)も同デベが所有していたので,そっちにも150戸規模の分譲マンションを建てて,復興住宅の前に予定通り低層型商業施設(青山含み)を立てた方が総戸数も確保でき,関係するマンション,公営住宅の日照もある程度確保できるwin-winだったのに。狙いは住友不動産のシティタワー1の日照を奪う嫌がらせというのもあったのかと邪推せざるを得ない。

 

 しかし,その嫌がらせをされたシティタワー分譲主の住友不動産とワールドアイシティがJVで復興住宅東側の「シティタワーあすとレジデンシャル」を事業化しているというのも本当にわからない。あすとレジデンシャルも,南側低層階の日当たりが極端に悪く,3000万を切る目玉価格で分譲しているなど,お互いに苦労してしまっている誰が得したんだろう?というこの構図(写真はナイスのマンションの陰に隠れるあすとレジデンシャル南側の工事中写真)。

 

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損していないのは公園前の最高の立地の分譲に食い込めた野村不動産だけか。野村の販売力がなければ,ワールドだけでは345戸の事業化はできなかったし。

 

 なお,同じく南側のナイスの西側は,ワンパークが南側に寄せて建てたおかげで,午後の2時位から日陰になってしまっています。ここも当初は南西角で日照が確保される前提で購入したんでしょうが,ワンパークの犠牲になっているのが本当に気の毒。

 

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今後,これらのデベと市との協働での開発案件というのは心情的に難しくなるのではと。自らの利益重視でこんなことをやらかしてしまっては,市は性悪説で動かざるを得ないでしょう。

 

今後期待する面は  

 

ただし,市が被害者という側面で上の記事は書きましたが,ただ,その根本的な原因は環境アセスや「杜の都」景観計画の悪い面がでているという,市として自業自得の面があります。  この地区は大通り沿いは45m制限ですが,奥側は本来であれば高さ制限はなく,ただし,アセスで100mを超えると面倒であることから,80~90mに抑え,その分壁ビル・デブビルの集積になってしまっていることから,高さを抑えても景観上・日照上相互に悪影響を与えるだけになっているという,最も悪しき見本みたいになっています。

 

 もちろん,事業者側としても,事業採算性から規制がなければこのあすと長町で40~50階建ての超高層マンションが建てられるわけではないにしても,デザインや日照の観点からもっと工夫する余地ができたかと。

 

 先日プラタモリで取り上げられていた武蔵小杉なんて,10棟前後の40階以上の超高層マンションが林立し,10年間で1.5万人(あすと長町の高層マンションの3倍の人口規模)の人口増とのことでしたが,結構密集している範囲に立ち並んでいるにも関わらず,それほど景観の圧迫感がないように感じたのは,高さとデザイン性もあります。   仙台駅前の再開発にも大きく影響する話ですが,環境アセスの条件を
「高さ100m以上or延べ床面積5万平米」
            ↓
高さ100m以上and延べ床面積5万平米」

 

 にするだけで,デザインの自由度も上がり,開発の誘導にもなるし,景観も改善されるので,市には考慮して欲しいと長年感じています。

 

 別に高層ビル万歳の人間ではないですが,純粋に街づくりに興味がある人間として,こんなアセスの負の面を集めたような,醜態だらけの集積をみせつけられると,本当に嫌気がさしてきます。負のストックを作るためにアセスや条例が存在するわけではないでしょうと。もったいなさすぎる!

 

住民の立場  

 

住民にとっては,あすと長町の3か所の公営住宅の中で,公園にも近く,ヨークベニマルや計画中のイオンタウンも長町駅も近い最も立派でシンボル的な場所に応募して当選したのにとの思いがあるんでしょう。

 

 仮に残り2つの方を選んでいれば,太子堂の積水の方は生協が北側で南側は戸建てで日照の心配はいらないし,太子堂駅も近い。

 

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 TSUTAYA北側も電車の騒音はあるけど日照の心配はないし,長町駅やヨークタウンから近いので,こちらも問題はない。

 

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 一人負けで運が悪いという感じだろうけど,本来であれば仙台市は10~15万の家賃で貸したい立地(周辺マンションの相場はそれくらい)に数万で安く住めるというメリットもあるから,日照や光熱費などの負担増は我慢するしかないのだろうなぁと。また,この状況が嫌であれば,他の日照条件が良い2か所の公営住宅に引っ越すという手もあるのでは。入居者が亡くなったり,様々な条件で空き家も出てきている状況なので,そういったケアは可能な限り行ってあげた方が良いかも。本当にもやもやする案件です。

 

 

2018年7月 8日 (日)

放射光施設の青葉山整備が決定

 ライバル都市も撤退し,仙台そして青葉山新キャンパスへの整備はほぼ決定していた案件ですが,無事に文科省の正式決定を迎えることができ,喜ばしい限りです。

<次世代型放射光施設>仙台に整備決定 物質解析で高性能な触媒や磁石、新薬など開発貢献に期待




 文部科学省は3日、国内初となる次世代型放射光施設を整備運営するパートナーとして、宮城県の産学官組織を選定したと発表した。施設は東北大青葉山新キャンパス(仙台市青葉区)に整備する。2019年度着工、23年度の運用開始を目指す。
 パートナーは産学連携組織の光科学イノベーションセンター(仙台市)。宮城県、仙台市、東北大、東北経済連合会が加わる。国側の運営主体となる量子科学技術研究開発機構(千葉市)と近く、施設設計や運営に関する協議を始める。
 文科省科学技術・学術審議会の小委員会が6月28日、仙台への整備案を妥当と判断したことを踏まえ正式決定した。同省は19年度政府予算の概算要求に関連経費を盛り込む。 施設は円形の加速器で円周が325~425メートル、直径は100~135メートル程度を想定。電子を高速で回し、方向を曲げた時に発する放射光を使ってナノレベルの物質解析をする。高性能の触媒や磁石、新薬などの開発が期待される。
 整備費用は約360億円で国は最大200億円を拠出する。イノベーションセンターと宮城県、仙台市などは加速器本体を収容する建屋、研究棟の建設などに最大170億円を負担。うち約72億円は企業出資で賄う方針。
 林芳正文科相は「わが国の科学技術の進展と国際競争力の強化に貢献する施設。知の拠点として、東日本大震災からの復興に役立つことを期待する」と述べた。

[放射光施設]リング型加速器で電子を光速で回し、方向を曲げた時に発する放射光を使い、ナノレベルの物質解析をする。巨大な顕微鏡とも言われ、国内に「スプリング8」(兵庫県)など9施設ある。次世代型施設は物質の機能を見る「軟エックス線」領域に強みがあり、スプリング8の100倍明るい光を使う。高性能の触媒や磁石、新薬などの開発が期待される。(河北新報 7/4)

 詳しい背景などは,河北新報で3回連載の特集記事で取り上げられていますが,震災後からの息の長い誘致活動がようやく実ったというところ。初期は県内で3町(丸森,大郷,松島)が候補地に名乗りを上げていましたが,結局復興財源を当てにできなくなったことでこの3町が撤退し,なぜか候補地には入っていなかった(面積から難しいと思われていた)青葉山が仙台市の財政的なバックアップもあり浮上したとの印象です。

 巨額の地元負担にこの3町が耐えられるわけがないにしても,お役御免的でちょっと気の毒な印象。東北地方という枠組みで国立大学法人の連合体にて誘致活動を進めてきて,東北大だけではないという大前提だったのが,誘致活動を考えると,最終的には東北大が前面に出ざるを得ない状況になってしまったと。

 もともとこの青葉山新キャンパス内の候補地は産学連携のサイエンスパークや運動場などが予定されていたエリアで,ユーザーとしても東北大と大手企業との共同研究体が中心になるんでしょうし,そうすると,使い勝手を考えると,この場所で良かったとは思います。利用を促進するにあたって,立地条件は分かりやすいに越したことはない。ただし,あまりに仙台駅,そして首都圏からの新幹線アクセスが良すぎて,日帰りが容易な立地条件なので,大手企業の出張による(宿泊を含めた)地元への経済効果は,候補地だった3町に比べるとそれほど期待できないかもしれませんね。

 もちろん,東西線の利用客の増には多少のプラスの効果が見込まれる他,東北大学としての大手企業との共同研究の増加,地元産業界の高度化など,多額の地元負担に見合う効果は見込まれると思います。放射光施設を利用する企業が拠点を置いてくれるかは不透明で(既存事例の兵庫県Spring8でも,直接的に関連する企業の進出はほぼないとのこと),東京駅からドアツードアでちょうど2時間であればちょっと厳しいかな。これは中長期的な課題になりそう。

 まぁ,稼働目標の2022年(国は2023年と言っていますが)に向けて,企業からの出資金集めや,建設費が予算内に収まるか,工期というような,多くの課題が山積していますが,東北の産業界においての朗報であるので,期待して待っていたいと思います。

 

2018年5月19日 (土)

わたり温泉鳥の海 リニューアルオープン

久々の更新です。4月以降の環境の変化についていけず,なかなか更新する気も起らない状況ですが,ストックネタから再開です。

震災による津波で,1階部分が大きな被害を受け,長期休業していたわたり温泉鳥の海。起債などで町が10億超をつぎ込みながらも,営業開始から数年のタイミングでひどいダメージをうけてしまい,無事だった3階の客室部分などを復興作業員向けの宿舎として使用し,収入を得ながら,4年半前のH26年10月に日帰り温泉部分のみ再開していました。

わたり温泉鳥の海へ(2014/12/14)

とはいえ,以前700円だった入浴料を500円として再開したものの,日帰りのみでは赤字続きだったようです。あの建物の立派さ故,5階以外の宴会・休憩所,客室,レストランが休業状態だったのを何とかしなければと,町は佐勘に指定管理委託を決め,約4か月間のリニューアル休業を経て,7年ぶりに全面再開しました。

わたり温泉鳥の海 ホームページ

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リニューアルオープンを祝う華やかなエントランス部分です。

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一階部分は,休憩所部分は居心地の良い空間に生まれ変わり,また一角は軽食を提供するフードコートに変身していました。

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また,復活した宿泊機能と連携する形で,宿泊者向けラウンジが設置されていたり,当然物産館機能はきずなぽーとわたりへ移転して復活はないものの,一階部分もそれなりに再整備されています。

あとは,5階の温泉について,単にリニューアルしただけかと思ったら,結構大幅に配置も変わっていました。

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入浴料金は4月中は500円でしたが,5月以降は700円(町民及び町民と同伴者は500円)です。やはり震災前の700円に完全に戻すことはできなかったのでしょう。

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ラウンジには,海側を眺めることができる休憩スペースが設置されています。

温泉部分は,基本的には配置は一緒ながら,寝湯のジェットバスが撤去され(これはちょっと残念),ヒノキ風呂になっていたのと,露天風呂部分が水道水から温泉水になっていました。

やはり露天風呂が温泉になっていたのは大きいし,周辺も堤防や公園の再整備が進み,殺風景さもだいぶ緩和し,ふつうに眺めが良い,仙南では唯一の眺めが良い海辺の温泉施設として,再スタートしたことは喜ばしいです。

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4階のレストランや3階の宿泊室部分には入っていないのでわかりませんが,北側に復活した鳥の海の運動公園と連携し,合宿の誘致とかも想定しているとのこと,佐勘の運営とのことで,小規模な宿泊施設で難しいところはありますが,期待しています。

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