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震災

2019年12月13日 (金)

県の公共施設の立地 仙台市を無視して良いの?

 県民会館の移転新築地に続いて,県美術館も急遽移転する前提で話が進められている,宮城野原の国立医療センター跡地。

 県議会では,単なるハコものとして美術館移転の必要性を説明するだけで,「具体的にはまだ何も決まっていない。これから」と村井知事がはぐらかす一方,仙台市からの申し入れにはにべもない態度。

 今日の有識者会議最終回でも,御用委員の方々から異論は出ず,着々と既成事実化が進められています。

 非常に違和感を感じるのは,「県の施設を県有地に作る(移す)からって,基礎自治体の仙台市を無視して良いの?」ということ。

 基礎自治体の意見って大事じゃない?そもそも宮城県民の半分近くは仙台市民。その県民である仙台市民の意見を無視して進んで誰のためになるのでしょうか。

宮城県の方針案、仙台市のまちづくり翻弄 県民会館と県美術館集約で都心再生構想に狂い

仙台市青葉区の東京エレクトロンホール宮城(県民会館)と県美術館を宮城野区に移転、集約する県の方針案を巡り、市の都心まちづくりが揺れている。JR仙台駅西側に重点を置き、定禅寺通や青葉通を軸に再整備を誘導するが、県の方針案が現実になれば駅東側に一大文化ゾーンができ、都心再生の青写真にも狂いが生じる。県主導で突如浮上した新たなまちづくりに、市は翻弄(ほんろう)されている。

 「にぎわいを形成する地域と歴史的、文化的に重要な区域から文化施設がなくなる。まちづくりにすごく影響がある」。郡和子市長は11月26日の定例記者会見で、唐突に示された集約案に動揺を隠さなかった。
 県民会館はシンボルロードの定禅寺通にあり、県美術館は青葉山の文教ゾーンに立つ。二つの施設を仙台医療センター跡地に集約する県の方針案は、立地場所の姿を一変させるだけでなく、駅西側の集客力の一部を3、4キロ離れた駅東側に移し替える意味も持つ。
 「西と東でバランスよく人が流れる。市にとってもマイナスではない」。村井嘉浩知事は前日の定例記者会見で、まちづくりへの貢献を強調したが、郡市長は「それも一つの考え方」と理解を示しつつ、歓迎とは言い難い表情を浮かべた。

Map1
 市の都心まちづくりは長年、旧城下町の駅西側を中心に展開する。2017年には定禅寺通活性化室を設置。市役所本庁舎の建て替えを機に一番町、勾当台エリアの集客力を高めるべく、通りに憩いの空間をつくる社会実験に取り組む。
 今年10月に始動した「都心再構築プロジェクト」も主な舞台は駅西側。青葉通を軸とする都市再生緊急整備地域(約79万平方メートル)を対象に、老朽ビルの建て替えや高機能オフィスの整備を誘導する。市の音楽ホール構想も延長線上にある。
 県の集約案は、こうしたまちづくりの「西高東低」に一石を投じる。東西の均衡ある発展に期待する声が上がる半面、保守系市議は「コンパクトシティーの範囲が広がる」と懸念する。
 市は県民会館が移転した場合の跡地利用にも関心を寄せる。郡市長は11月22日、県庁で村井知事と会談。跡地はまちづくりを左右するとして「活用に関わらせてほしい」と申し入れたが、知事に「タイミングが来たら」とはぐらかされた。
 次回のトップ会談は来年1月に公開で行われる。市のまちづくりが転換点に立つかどうかは、もはや知事の決断次第。市幹部は「従来通り、県民会館と県美術館は市にとって重要な場所と伝える以外にない」と手詰まり感を打ち明ける。

 市の街づくりに勝手に手を突っ込んで,上から目線で「移転が仙台市にとってマイナスではない」と言い切って良いのでしょうか。

 これは政令市の仙台市が相手だからなのでしょうか。その他の県有施設の立地について,あのグランディ21(宮スタ,総合体育館,プール)を利府町に,宮城県図書館と宮城大学も仙台市と大和町の境目に建設した時の意思決定や地元との調整過程は30年前の話なので分かりませんが,最近だと,石巻や気仙沼の県合同庁舎がともに内陸に移転しました。

気仙沼では

 気仙沼合同庁舎は海っぷちにあり,震災でまともに津波被害に遭ったので移転させるしかありませんでした。市内にはまとまった土地がないために,気高と統合された内陸の旧鼎が浦高校跡地に気仙沼警察署とともに移転され,これは防災対策上やむを得なかったんでしょう。

 その気仙沼市は,市役所の立地場所について,現在の八日町と田中の旧市立病院跡地の2択という選択肢から,「市立病院跡地」が有識者会議で選定されました。

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 まちづくり上では,当然現在観光施設の復旧を進めている内湾地区が復興途上ということから,気仙沼の中心地に隣接する八日町に新築するのが,分庁舎として使用している再開発ビル”ワンテン”も活用できるなど好ましかったとは個人的に思いますが,気仙沼自体の実質的な商業的な中心部は田中前付近に移っており,小規模の郊外型店や飲食店がこの近辺に集中し,「ここに行けば困らない」エリアになっている関係上, 現状に追随することになりながらも,これは気仙沼市の判断として尊重せざるを得ない。現位置だと駐車場確保も建替え時の仮庁舎の確保も難しい面もあり。

石巻では

 一方,石巻合同庁舎は,もともと石巻駅北側の南中里にありながら震災前から老朽化が進んでおり,中里バイパス北側の消防署隣接地に移転地を確保していながら,震災で旧合庁の1階部分が津波浸水被害に遭った結果,一大郊外商業地となった”蛇田”に隣接かつ震災の集団移転地及び災害公営住宅建設地となった「あゆみ野」地区に急遽移転されました。

 この県石巻合同庁舎が市街地から離れた反面,先日1階へのイオン出店が発表された石巻市役所は石巻駅前で中心市街地のど真ん中。その隣接地に石巻市立病院を移転させたり,中心商店街への災害公営住宅の整備誘導など,中心市街地活性化に苦心している市の方向性と逆のことを県がやってしまったような感想ですが,これも市の意見をどの程度反映させた判断だったのでしょうか。

(2015/2/8JR仙石線「石巻あゆみ野駅」来春開設 より引用)

 県の合同庁舎も、思わぬ大きな津波被害を受け孤立した経験を踏まえてなのでしょうが、予定していた消防署横の移転計画を撤回し、結果的には旧市街地を見捨て蛇田新市街地へ移転との形に。

 石巻市は石巻駅周辺に市役所、市立病院を集約させ、商店街を含めての再興・居住者の増加を模索していながらも、(市と協議をしたとはいえ)県が蛇田に合同庁舎を移転してしまえば、夜の飲み屋への影響も含め、結構痛いのではないかと。

 万が一の津波被害のことを考えるのは必要とはいえ、高床式にするとか、やりようはあるし、市町村の取り組みと整合性が図られていない感があります。

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 そこに,今回の県民会館と美術館移転。県は地元自治体のためにあるべきと思うのですが,市のまちづくりを上から目線で否定し,邪魔するのが県の役目なのでしょうか。

 過去にグランディ,図書館,宮城大学など郊外化を率先し,仙台市の街づくりに悪影響を及ぼした反省がなく,今回も仙台市が「西口を重視した街づくりを進めている」「文教地区は守りたい」と言っているのをはぐらかして,県有地であることを理由にして,公共施設の効率化を”錦の御旗”に,一方的に宮城野原に県有施設を集めることが”是”とされるものなのか。

 自分の問題意識のスタートは,「環境の良い県美術館,及びあの建物を守りたい」だったのですが,まちづくりの観点から,そもそもの移転検討プロセス自体に大きな疑問を感じるようになってきました。

宮城県美術館 宮城野原に移転? (11/16)

宮城県美術館 宮城野原移転の続報 (11/19)

 仙台市としても,東口(榴岡)の開発は,仙台駅の両側に都市機能を集める点から悪いものではないけれど,その東口から2KMも離れた場所に拠点施設を集めても,その間の連続性が保たれるわけがなく,それを求める必要もない。

 仙台市として,西口の都心以外に,都市計画上で「泉中央,長町,青葉山,仙台港背後地」など,拠点整備地区を定めているのに,それに含まれないエリアに勝手に拠点施設を集められるのは無力感以上の何物でもない。でも,下手に文句を言うと,需要面でありえないけど「仙台市外に作るよ」と言われかねない仙台市の立場は絶対的に弱い。国が県にやっていることを,県が市町村に対してやっているように感じるのは気のせい?

 過去のバブル期とは知事が違っても,やっていることの根っこは変わらないというのが,ものすごく不思議です。

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2019年12月12日 (木)

石巻市役所1階にイオン出店

 震災で浸水したり,その後の撤退で,市中心部がフードデザート(food desert )化し,中心部商店街で食料品が手に入りずらい状態になっていたのが,ようやく解消されそうですが,手を結ぶのは,そのきっかけを作ったイオングループ。でも,これがイオンの戦略の王道。

石巻市、イオンと出店合意 市庁舎1階に来春開業

 イオンリテール(千葉市)と宮城県石巻市は2日、市役所1階の商業スペースの出店合意書を取り交わした。同社は薬局併設型のスーパーを開業する計画で、来春の開業を目指す。
 市によると、店舗面積は共用部を含め約3500平方メートル、契約期間は10年程度を見込む。以前入居していたスーパー「エスタ」と同規模になる見通し。
 同社東北カンパニーの辻雅信支社長は市役所で記者会見し、店内で飲食できる80~100席程度のイートインコーナーを直営で設ける構想を示した。商業スペースをほぼ借り切り、テナントを受け入れる。かつて出店していた一部事業者と交渉を進めている。
 辻支社長は「地域のさらなる発展と暮らしの向上に寄与していきたい」と意欲を見せた。同席した亀山市長は「石巻の玄関口にふさわしい便利で魅力的な店舗にしてほしい。市としても最大限の支援と協力をする」と述べた。
 市役所1階は2017年5月にエスタが撤退して以降、核テナントの不在が続いた(12/3河北)。

 この市役所の建物は,言わずと知れた,旧さくら野百貨店石巻店。かつてはこの場所にデパ地下ならぬデパイチがありましたが,今や単一エリアとしては仙台市内をも超える,県内随一の郊外型店の集積地の先鞭をつけたイオンモール石巻の出店により,閉鎖に追い込まれた過去が。

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  もはや,震災の被害でメインストリートは最寄り品を買えるような場所ではなくなり,スーパーマーケットは西側と線路北側(中里バイパス付近)には地元や大手スーパー(ウジエ,ヨーク,あいのや)が存在しますが,付近の高齢者が歩いていくのはギリギリ。自転車で何とかという場所。

 

 そもそも,石巻駅前という昔としてはデパートもあった好立地で,その上は市役所があり,数百人の市職員が勤務。市立病院も隣接地に移転新築するなど,人の流れはない訳ではないけど,クルマを持つ世帯は蛇田ならずとも周辺のスーパーやドラッグストアを利用する訳で,この立地は逆に駐車場の利用しずらさやテナント料の高さで,出店しずらい場所になってしまっているのは,中小都市に共通するところ。

 その場所に,市の必死の誘致の結果,イオンリテールが出店するとのことで,自社グループで空洞化させた中心市街地に出店して,独占商売できるうえに感謝されるという,イオン商法全開です。

 このような手法は,仙台市内でも郊外に大型店を出店し,既存商店街を衰退させてから,イオンエクスプレスを出店という,外も中も制覇という戦略そのもの。

 石巻も,蛇田(イオンモール石巻)と渡波(イオンスーパーセンター)で東西を抑え,石巻駅前の出店で市街地をカバーする戦略は流石の一言。

 まぁ,この立地は,2年以上も空き状態が続いたとのことで,決して儲かる立地ではないのを承知で,地域貢献の意味合いで出店する面もあるんでしょう。一応,周辺は災害公営住宅の整備などで,人口は若干戻りつつあるところ。

 周辺住民+市役所職員の昼食(弁当需要)+帰りの買い物需要+観光客のお土産購入 

など儲からないにせよ,それなりに最低限の集客はできそうです。まぁ,損して得取れ精神で,少しは地域に貢献してもらわないと。

 いつまで続くかはわかりませんが,10年位は何とかやってほしいもの。

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2019年11月28日 (木)

阿武隈急行 全線復旧なるか?

 先月の台風19号で福島県との県境区間が大規模な被害を受けて,宮城県区間が全て運休中の阿武隈急行ですが,12月の中旬には槻木から丸森までの区間が復旧する見込みとなりました。

 復活なるか!? 運休が続く阿武隈急行 (11/12)

 地方の第三セクター鉄道としては珍しい,2県にまたがる運行形態は,もともと国鉄時代に廃止対象となった旧国鉄丸森線(槻木ー丸森)を含め,ほぼ完成しながら開通を放棄された福島駅までの鉄建公団工事中区間を引き取って第三セクターとして全線開通したという経緯がありますが,もともと営業路線があった宮城県側ではなく,本社も車両基地も変電所も現伊達市内(旧保原町,梁川町)に設置され,運行本数も県都の福島駅に直接乗り入れできる福島県側の方が約30往復と,宮城県側の23往復に比べて優遇されているというのが,福島県主導の第三セクターという性格を表しているのかと思いました。

 福島県側は全くの新線建設と言っても,国鉄時代に建設が進められていたこの路線の開業前に,福島交通の軌道線が廃止されていたという経緯もあり,鉄道に対する待望論は高かったのと推測します。その沿線に路線を持っており,鉄道廃止後にバスを走らせていた福島交通が主要株主として参加しているということも含め。

 ただ,利用客数を見ると,最も多いのが当然福島駅(乗車客約2,000人強)ながらも,2番目は宮城県の角田駅,3番目が東北本線に接続する槻木駅(ともに1000人台前半)というのが,路線の性格を表しており,福島県側は福島駅以外で最も利用者が多いのが保原駅(乗車客5~600人)で,他の駅が2~300人程度の利用客で小駅から細かく乗客を拾っている反面,宮城県側はほとんどが角田駅と槻木駅相互の利用客というところで,角田高校通学輸送及び仙台方面への通勤通学需要は大きいのが分かります。

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 よって,この宮城県側区間の復旧は,ボリュームとしては大きくバスでは運びきれない路線の復旧であり,仙台方面への通勤通学客の救済という面でも大きいもの。代替の無料救済バスが有人駅のみの運行だったというのは,無人駅の乗降客がほぼ無視できる需要数ということもあるんでしょう。

 ただ,上述のように,車両基地や変電所が福島県側にしかおかず,効率化を図ってきたことが,今回のような災害での路線寸断時には致命傷になってしまうことは盲点でした。

 一方,JRの東北本線(福島―槻木)経由で車両を動かして,宮城県側に2両×3編成を配置し運行再開することができるのは,旧国鉄で,JRとの相互乗り入れが行われてきたこの路線の強みでもあります。ただ,3編成での運行では,本数が限られ,特に朝夕の仙台直通列車の運行は絶望的であり,仮復旧的な位置づけになります。

報道でのトーンと知事記者会見の検証

 知事記者会見の報道を目にして,誤解してしまったのは

県境部分の復旧にこだわらない⇒宮城と福島で路線が分離することも已む無し

 と,村井知事が決めているような論調だったこと。

 ただ,知事記者会見のやり取りを文字で確認したら,決してそんなことはなく,厳しい条件の中熟慮しながらの発言であることが確認できたので,全然決定事項ではなく,今後検討を進めて行くとのことで,真実が分かり一応安心しました。

知事発言要旨(と多少補足) 

 〇台風前から,乗客減が進み,累積赤字も膨らんでおり,債務超過寸前状態で,鉄道の在り方を検討していた。

 〇車両も老朽化が進み,両県の他,地元市町も負担しながら今年度新車導入を始めたところだった。

  ところがこの台風で地元自治体での負担が難しくなりそう。柴田町,角田市,丸森町の首長とも話をした。

 〇路線の日常利用者は,福島側,宮城側で殆ど分かれており,地元住民の県を跨ぐ需要はほとんど皆無

 〇特に被害が大きい区間(丸森―富野)のあぶくま駅と兜駅の利用者はほとんどいない(合わせて10~20人/日 程度)

 〇県境区間の復旧は国費を使えばほぼ地元負担なしとなる反面,原則上下分離が必要であり,この区間を長く運行することを約束しないといけない。仮に復旧後廃止することになったら,国費の返還を求められるので慎重な検討が必要

 〇BRT化は,復旧費的にも補助がなく自己負担となり,全くメリットがない

 とのことで,阿武隈急行が置かれている現状からすると,当たり前すぎることを言っているだけでした。

 県境を超える需要といっても,観光地であるあぶくま駅の利用客が2桁前半/日 であれば,これを理由にするのは難しい。フリー切符で需要喚起をしていますが,収入的には焼け石に水。でも,少しでも需要を掘り起こさざるを得ない。

 梁川と仙台を結ぶ1日2往復のJR乗り入れ仙台駅直通列車も,ほとんどが丸森以北の利用者(梁川駅利用者は200人/日 だし,仙台まで80分以上かかる),その南側の保原駅からは福島駅経由で新幹線の方がよっぽど早い(最短60分程度),しいて言えば,角田駅からの福島駅経由での新幹線乗り継ぎ客の存在。角田からはほぼ各駅停車しかない白石蔵王駅利用も不便だしという程度でしょうか。

 ただ,仮に県境部分をあきらめて両県で分断することになると,,宮城側に車両基地や変電所の新設が自己負担で必要であることから,よっぽど県境区間を復旧した方が費用的に安上がりになりそうなこと,同じ第三セクターの会社で県境で分断する意味がなく,仮に会社を宮城と福島で分割するにしても,資産も負債も分けるのが難しいという,難しい課題が生じます。

 とはいえ,仮に全線復旧しても,沿線人口は減少の一途。現在でも国鉄時代に廃止対象となった路線の「輸送密度2,000人未満」を全線で下回っているので,将来を考えると残すのも地獄となってしまい,両県の覚悟が必要です。

 ただ,この阿武隈急行よりも条件がかなり厳しい三陸鉄道が「震災からの復興のシンボル」と位置付けられ,岩手県の覚悟で震災から復旧し,山田線の一部を取り込んで1本の路線として再復活したこと,さらに今回の台風被害から復旧させることに異論は全くなかったこと,福島県でも災害で長年一部不通になっているJR只見線を県も負担することで復旧させようとしていることからすると,この2路線よりはよっぽど立地条件的に恵まれている阿武隈急行の復旧の可否が宮城県として議論の遡上に上がっている点については不思議です。

 宮城県は,JR気仙沼線や大船渡線の被災区間の復旧に対し,鉄道での復旧を求める地元自治体に対し支援をせず,BRT化をほぼ異論なく受け入れたこと,鉄道というか公共交通については比較的冷淡なスタンスに思えます。仙台という目的地となる大都市を抱えており,鉄道のメリットが活かせる県ではあるとは思うのですが。。。

 この問題も,前記事で取り上げたように30年後の人口減を見越した取捨選択が必要という点を考えると,断腸たる思いです。今後はこのような選択の連続になるんでしょうね。暗い話が続くようですが,目を背けることはできない。

 

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2019年11月16日 (土)

宮城県美術館 宮城野原に移転?

 市のクラシックホール(音楽堂)の移転新築の話が,20年越しに候補地が転々しまだ決まっていないのに,同じく老朽化した県民会館の移転地が事実上宮城野原の国立医療センター跡地に電光石火で決定していましたが,その宮城野原の跡地利用として,宮城県美術館も合わせて総合芸術複合施設として整備する話が突然,今朝の河北新報朝刊1面に出てきました。

 県は決まるのが早いのですが,検討が拙速な面も。一方,市は石橋を叩き続けて渡らないような慎重さがもどかしい。今回も候補地選定の最終盤で「貴重な公園をつぶすな」という意見に右往左往している状況。もちろん,様々な意見を積み上げて,民主的な方が望ましい。

 その突然,宮城野原に県民会館との複合施設として整備する構想が出てきた宮城県美術館ですが,正直,「建替えは早いんじゃない?」と思いました。

狙いは何?

 狙いとしては芸術系の複合施設として,県民会館と併せて整備するというのは考えとしてはありだし,青森犬やシャガールの「アレコ」で有名な青森県美術館(以下写真),金沢の21世紀美術館のような全国的に有名な美術館として売り出すには,既存のハコにとらわれずに新しく整備すべきとの考えなのでしょうか。でも,当然美術館はハコよりは中身次第なのは当然で,現時点ではコンセプトが見えないので何とも。

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 仮に,宮城野原の旧医療センター跡地に整備となった場合,跡地全体が6.7haあるので,ホールで1~2ha使っても,駐車場を含めてまだ余裕はあります。楽天のスタジアムと併せて,観光の目的地となる施設がこの近辺に集まることになります。野球ファンと芸術ファンは余り相いれないにしても,面白い展開ではあるかも。

 現在の美術館ではるーぷる仙台のルート上にはあるにしても,他の観光施設との連携は弱いので。宮城野原の交通の便は鉄道駅の近辺という点では現位置と比較して劣らず(東西線で仙台駅から3駅で10分強⇒仙石線で仙台駅から2駅で10分),自動車交通の面では,都心と4号バイパスを結ぶ元寺小路福室線の沿道で,仙台東道路の候補ルートでもあるから,県としては現在整備に向けて動いている防災拠点との連携を含めて,力を入れているエリアでもあります。

でも違和感が。。。

 まだ建築から40年経っていないのと,東北大学川内キャンパス近くの文教地区に佇むシンボリックな建物であり,また,佐藤忠良記念館やアリスの庭など,空間としても,現在でも陳腐さを感じない施設であり,リニューアルしながら長く生かすべきものだと思っていました。

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 あの,カフェモーツアルトフィガロが面している中庭も非常に落ち着く空間です。

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 それに,震災復興の事業が落ち着きつつあり,通常モードに戻りつつある中,後回しになっている事業があるはずで,これまでリニューアル前提で進んでいた県美術館が突然移転新築の話が出るというのが,非常に不自然な感があります。

 移転新築としたら100億円は下らないでしょうし,県民会館と併せると数百億円のプロジェクトに。隣接する防災拠点の用地買収費にも数百億円を投じる中(国の補助事業とはいえ),このエリアをなぜこんなに重視するのか。

 もちろん,宮城スタジアム,宮城県図書館,宮城大学と,あえて仙台市を避けて車でしか行けない場所に県施設を作りまくった時代の反省として,仮に宮城野原に移転する場合の立地条件は文句ないとはいえ,現美術館の跡地も,環境が良すぎて文教目的にしか使いづらい場所であり,分譲マンション用地として売却して整備費を生み出すことはできない場所です。

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 せっかく仙台市が地下鉄東西線を作ってくれて,アクセスが改善したのに,そこから敢えて移転するというメリットは小さいと。駐車場も確保されているし,非常にバランスが取れた場所にある現美術館を活かしていく方向で再検討を願いたいところです。

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2019年8月20日 (火)

あすと長町の近況(R1.8)~コインパーキングに動きが~

仙台ネタとしては,あすと長町内の情報が続きますが ,KHB予定地を見に行くついでに,地区内を回ってみました。

イオンタウン予定地

 キュリオスも終わり,何度も言及している駅真正面12街区北側の,例のガレージがカチッとほぼ元通りになっていて,いつでも使える状況です。

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ただ,あすと長町大通側が以前より多少余裕があるような。もしかしたら,コインパーキングとして活用するスペースが広がったのかも。

 12街区南側の元リパークの部分も,ピシッと整地され,南側のゲート・精算機があったところも基礎はそのままで,入り口部分には三井のリパークのコーンが立ててあるので,リパークのとして復活するのは間違いなさそう。

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 時期は,個人的な予想ですが,そろそろ着工のため営業終了する,KHB予定地か JR開発予定地リパークのどちらかのゲート・精算機を持ってくるのではと。

 南側の17街区は,長町八木山線沿いのガレージはけっこう月極駐車場として埋まっていますが,南側のシティタワー長町新都心側は,「シティタワーあすとレジデンシャル」の工事が終わったためか,関係者用駐車場が閉鎖されています。

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イオングループ寡占の弊害

 イオンタウンが土地を契約したのが2012年末。もう6年半も経過し,土地を共同入札した住友不動産側のマンションは完成入居済なのに,通常このような共同入札事業であれば,相乗効果が発揮できるように,オープンの時期を調整したりするものですが,やはり仙台でのイオン寡占の弊害が出ていると感じます。

 仙台圏はイオングループでのシェアが高く,無理に新規出店をしなくとも良い状況なので,西友のザモール&ララガーデンに規模的に勝ち目がないあすと長町の出店優先順位は,イオングループのなかで,卸町⇒利府⇒雨宮⇒あすと長町 との順番で,急がない。急ぐ必要がない。

 URの保留地分譲の条件は5年以内の着工だったはずですが,それを小手先の「ガレージ」建設でお茶を濁し,あすと長町という新都心の発展を共に応援しようという姿勢は全くないところが,単に他のデべの進出を拒むために入札したようで,本当にこのグループに一等地を抑えられてしまったあすと長町は不幸としか言いようがない。

パークタワーあすと長町

 建物や立体駐車場が完成し,外構工事もほぼ終了しました。

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 現在は,建物内にモデルルームがオープンし,モデルルームとして活用されていた商業棟は,「あすと長町杜テラス」と名付けられ,エニタイムフィットネスとヤナセのカーシェアの事務所が入るとか。まだ全ては埋まっていませんが,あまり,幅広い対象のお店などが入るわけではなさそうです。

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JR東日本都市開発予定地

 一番気になる建物配置について,確度のある情報は入っていませんが,南側の1・2階が商業施設であることは確定し,3階以上がJR東日本都市開発として,初の東北地方での賃貸住宅事業となり,1Kから3LDKまでの幅広い90戸が整備されます。当然ながら,駅利用者のUPを目的としたいわゆる沿線開発ですが,JRグループとしては過去に分譲マンション事業を南仙台駅と宮城野原駅近辺で実施した実績はありますが,近年は消極的だっただけに,ここで賃貸住宅事業というは非常に意外でした。

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 住宅部分は,線路に面した西向きという話も聞こえてきていますが,そうすると,パークタワーの西向き部屋の眺めを阻害するし,日影規制のない商業地域での開発とはいえ,地区内でやらかしている某企業のようなことは避けて欲しいです。

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 9月着工予定で,上述のとおり,リパークとしての活用もそろそろ終了となりそう。そうすると,あすと長町の駐車場不足解消のため,イオンタウン予定地がリパークとして復活することが非常に重要になってきます。

JR長町駅東口駅前広場

 駅側から真正面奥側の一般車待機場が7月から閉鎖となっています。

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 もともと,ここのスペースはカオス状態で,長時間停車の車で埋まり,本来の送迎用車両が停められず,だからと言って,自転車置き場側のタクシー用や,駅正面の身障者用,バス停車スペースに停めるマナー違反の人も多く,バスの通行にも支障が出る状況だったので,しょうがないにしても,正式な送迎用スペースがないと,結局他にしわ寄せが出てしまう。

 解決策としては,現在ガラガラのタクシー駐車スペースにゲートを設置して,30分無料でそれを超えると有料の一時待機スペースにすれば良いのでは。駅前広場としての供用当初に一般車一時駐車場として使われていたところでもあるし。

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 JR仙台駅の東西駅前広場でもこの方式の送迎者駐車場が設置されているし(西口20分・東口30分無料),タクシーは西口に後で整備された乗車スペースに移っているので,この方法が最も効果的と思うところ。

仮設住宅跡地

 先日報道されたヤマダ電機取得地は,今年度末まで,文化財の発掘調査を行っているので,しばらくは動きはありませんが,改めてみると結構広いですね。300%の容積率をフルに活用すればかなりの床面積を確保できますし,ヤマダ電機としては,ヨドバシほどではないにせよ,高崎本店とか,複合型商業施設としての実績もあるので,一応期待したいです。

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 次に,線路側で建設が進められているダイワハウス取得地ですが,北側の分譲マンション予定地に先行して,南側では3階建ての賃貸アパートの建物が完成し,現在は外構工事中です。

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 それにしても,建物間の距離が半端なく近いよ。これ。昼間働いていて家にいない単身入居者であれば良いかもしれないが,アパートの形態から一応ファミリー層向けに見えます。

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 家族持ち対象で,例の大騒ぎの復興住宅よりもひどい日照となりそうな隣棟間隔で建てるのは,都市のストックとしてどうなんだろう。この立地条件であれば,新築2~3LDKで10万円近くの相場でしょうし,それでも入る人はいるだろうけど。

 仙台市の最低敷地面積規制の緩和の結末がこれかよと,ちょっと憤慨したい気分。せめて,ヤマダ側が一体活用されるのが救い。

仙台PIT横にタイムズパーキング

 ワンパークレジデンシャルのモデルルーム跡地が,コインパーキングとして活用されていました。

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 リパークが強いあすと長町では,ぐりりスポーツパーク内,TSUTAYA付近の2か所に続くタイムズ。

 全日で500円という良心的なお値段。ただ,今年の4~5月のように,イベントがあったりするとどうなるか分かりませんが,駐車場のない 仙台PITやあすと長町中央公園の利用者向けとして活用されそうです。

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2019年7月13日 (土)

ヤマダ電機 あすと長町進出へ

 今朝の河北朝刊を見て,目が覚めましたが,ヤマダ電機があすと長町進出ですか。

 あすと長町は,家電店の空白地帯で,個人的に10年前から進出を熱望していたところ。昔は長町南の電撃倉庫や佐々木チェーンがあったけど,なくなって久しいし。

 ヤマダ・K’sの2大勢力は,仙台南部エリアに2店舗ずつ東西に配置し(ヤマダは中田と鈎取,K'sも中田に近い名取バイパスと鈎取),このエリアもカバーしていたので,そのほかの勢力だと2強に負けて市内の太白区内の2店(愛宕橋,郡山)を閉店していたビックカメラと組んでいるコジマあたりの進出を期待していましたが,まさかのヤマダ電機の進出。それも太白区内3店舗目となりそう。

 家電店が進出だったら,普段使いの駅利用者が寄ることができる,長町駅前とかイオンタウンの中のテナント(エアリの「コジマ×ビックカメラ」のように)とかが望ましかったけど,やはりこのあたりは郊外エリアになるし,同系列の仙台駅前のLabiとの棲み分けから ,駐車場を確保できる今回の位置というのは悪い話ではない。わざわざ電車で来る人はいないだろうけど,太子堂駅からも徒歩3~4分だし,従業員も確保しやすいか。。

<追記:右側の表示が一部切れて見づらくなっていたのを修正しました>

 なお,積水ハウスが鉄建公団から取得した1.6haを,ヤマダ電機に転売したようですが,取得当時の記事を引用

積水ハウスに売却決定 仙台市あすと長町1.6ha(鉄道運輸機構)

 

[2017/8/2 宮城版]
 鉄道建設・運輸施設整備支援機構は1日、公開競争入札を開札し、仙台市あすと長町約1.6haの売却先を積水ハウス(本社・大阪市北区)に決定した。最低売却価格は13億0219万円で、10日以内に契約を結ぶ。敷地は造成済みで建築工事は今後、同社スケジュールで進められる。

 物件名は、長町駅38街区。場所は太白区あすと長町3-1-2。仙台空港アクセス線の太子堂駅付近で、東日本大震災後は市内最大の応急仮設住宅団地として活用されていた。更地に復旧済みのため、同街区での建築工事は、同社の事業スケジュールで進められる。

 同社は、仙台市の公募型復興公営住宅整備事業者として同駅近くに67戸を整備している。

 街区概要は、近隣商業地域で建ぺい率は80%、容積率は300%。地区計画では商業・業務施設の立地を図る地区に設定されている。仙台市は3月、同街区に大規模建築物以外も建設できるよう、地区計画で敷地面積の最低限度を2000平方mから165平方mに緩和した。

 あすと長町地区は、仙台市が仙台都市圏南部の副都心に位置付け、貨物ヤード跡地などを区画整理事業で開発。保留地は売却済みで、同機構と隣接する都市再生機構(UR)の土地で全街区が売却済みとなる。URは上期にも対象地約0.7haの土地譲渡先を公募する見通し(日本建設新聞)。

位置関係

UR都市機構からダイワハウスが購入した線路側0.7haの保留地は,分譲マンションと賃貸アパートが建築中で完全に住居系で進められており,大通側を積水ハウスのシャーメゾン部門が購入したとなると,同じような賃貸住宅中心の街並みになるのではと危惧していただけに,結果的に商業利用でバランスがとれることになり,悪い方向性ではないかと。

Yamada

規制緩和はなんだったの?

この土地は近隣の住民向けの小規模サービス業・店舗の進出を期待して,土地の分割が可能なように最低敷地面積を地区計画で引き下げ,パチ屋側以外は165平米にわざわざ規制緩和した街区です。

あすと長町南部地区計画

しかし,その意図が本当によくわからず,南側も線路を挟んだ西側も東側ももともとそのような土地利用になっているのに,わざわざ大区画を細分化させようとする愚を犯すのはよくわからんと思っていました。容積率が300%なので,例の復興公営住宅の街区のようにタワーマンション林立ということはないし,あすと長町最後の大区画の土地なので,ダイワ側はしょうがないけど(それにしても,復興公営住宅がマシに感じるほど,アパート間の棟間隔が狭く,下層階は日照確保できないという悪いストックに見える),結果的には良かったと。

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 一見郊外型店舗がまた出店?という見方をされるけど,せっかく整備した大規模な画地を細切れで住宅地に共用しようとする愚を犯そうとしていたので,それよりは,オープンから15~20年後の機能更新のための種地と考えると,ヨーク・コーナン(ともに借地)とともに,あすと長町が成熟するための土地に有効活用されそうという期待感も。

その他あすと長町近況(H28.12) (2016/12/10) 

ヤマダ電機側の事業化着手は早くて来年とのことで,時期的には杜の広場横のKHBのオープンと同じ位かな。

 土地の規模が大きいので全体をヤマダが活用するかどうかは分からない。というか家電店だけで埋められるとは思えないので,近年力を入れている住宅・リフォーム部門の併設とかは考えられるけど,その他テナントの導入(飲食店・大規模書店等)とか,あすと長町に欠けている機能を入れてくれればと。立地条件は違うけど,Labi仙台でジュンク堂,飲食店を入れているように。ドラックストアはいらんけど。

ヤマダ電機の店舗再編の可能性

 ヤマダ電機に限らず,家電店業界全般の状況としては,一時期大規模化した店舗を持て余している印象があります。特に家電はコモディティ化とショールーミング化が進んでいることで,わざわざ実店舗で購入する人は格段に減っているし,特にヤマダは一度拡大した店舗を縮小しずらく,Labi仙台ではかつて大々的に展開していた稼ぎ頭の携帯・スマホ売り場がすっかり住宅部門や食料品・日用品売り場に転換しながら,決して賑わっている訳ではなく,苦しんでいるのが伝わってきます。

 自分は意外に安さに負けて?最近値が張るパソコンやエアコンなどをヤマダで購入しているけど(ヨドバシやK'sは小物は良く買うけど,大物は決して安くない),特価品の安さはチェーン店としての仕入れメリットという規模の利益もあるんでしょうが,その分抱え込んだ在庫・展示品処分もダイナミック。

 正直Labi仙台もですが,その他中田の仙台南店や鈎取の仙台太白店に休日に寄っても,正直広大な店舗を持て余している感がありありで,両店舗とも近隣のK'sに店舗規模と入りやすさを含め負けている感があります。

 特に,1階駐車場,2階店舗という入りやすい大型家電店で取り入れられている店舗構造を早い時期に取り入れた仙台南店は一時期飛ぶ鳥を落とす勢いでしたが, 仙台バイパスの渋滞スポットに位置していること,南行車線からしか入れず,非常に行きづらいことから,住宅地側に整備している第二駐車場はほとんど使われていません。あすと長町に出店するのであれば,この仙台南店の存廃も含めての検討が必要かな。仙台太白店は比較的新しいし,アウトレット店を併設するなど独自路線なので,まだ手を付けづらいけど。太白区で3店舗はさすがに過剰な気が。

 

2019年7月 6日 (土)

常磐線特急 仙台―東京直通復活へ

今年度末というか,来年春に予定されている常磐線全線復旧。それに向けて,仙台駅発着の在来線特急の復活が言われており,

〇仙台駅2階改札横にみどりの窓口復活

〇途中駅(新地駅)での10両編成列車交換用対応工事

など,いろいろと伏線がありましたが,今日JR東日本から,正式に仙台と東京(品川?)を結ぶ特急(おそらく「ひたち」)の復活が発表されました。

 震災前は,仙台発着が4往復で,概ね3時間毎(7時,10時,15時,18時台)の運行(仙台発は4本とも上野行,仙台着はいわき発1本を除き上野発),上野仙台間は約4時間20分と新幹線の倍以上の所要時間でした。基本はスーパーひたちの付属編成の4両で,「少しでも安く」と,若いころは何度も帰省の際に乗ったことはありますが,上野発の時点で結構混みあい自由席だと座るのがギリギリだったり,水戸までは立ち客がいっぱいだったり4両編成の部分は混雑していた記憶があります。もちろんメインの7両編成の方はいわきまでなので,そっちの方が若干すいている感がありました。

何と10両編成!

 車両は,さすがにスーパーひたち時代の車両は常磐線から引退し,現在はE657という,10両編成の車両がいわきと品川間を往復しており,また,スワローサービス(使ったことがないのでイメージが湧きませんが 仙台~盛岡間の全車指定席のはやぶさで,空席があれば指定をとってなくても座れるのと似たようなもの?) とやらのサービス対応で,10両編成のまま仙台に来るようです。

Express

 そのために,10両編成を2編成増備するとか。東電の原発への出張者などは減っているにせよ,廃炉関係者の需要もあるんでしょうが,いかんせん住民が激減している双葉郡及び南相馬市への需要は,確実に半分以下になっているでしょうから,10両編成だといつでも座れることになるでしょうが,輸送力としては当然過大であり,大盤振る舞いの印象です。

 もちろん,震災と原発事故からの浜通りの復興のためには,東京オリンピックを前に,東京から双葉郡・相馬地方の相双地域に直通特急を走らせることが,一番のアピールにもなるし,震災前に一度特急のいわき分断が決定したのを覆すことになったんでしょう。

 JR東日本は,震災で被害を受けた気仙沼線と大船渡線の一部の鉄道での復旧を拒否しBRT化したり,山田線の一部を三陸鉄道に譲渡するなど,三陸のローカル線の復旧には非常に冷淡でしたが,一応常磐線は幹線扱いとはいえ沿線の輸送密度は完全にローカル線レベルなのに,沿線駅舎の橋上駅舎化への費用負担やJビレッジ駅の新設など,採算度外視で協力している感があります。

 それに,今回の東京直行特急復活と,10両編成での運行というのは,先日記事にしたように,仙台近郊を運行する電車が軒並み減車され,新型電車の追加投入も渋り気味なのに対し,アンバランスさを感じますが, この部分はある意味聖域なんでしょうね。

 もちろん,このニュースは嬉しく思っています。

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ターゲット

 特急の仙台までの復活とはいっても,メインの需要は「原ノ町ー東京都内」及び「水戸・日立―仙台」。いわきー仙台は,常磐道経由で所要時間3時間弱の高速バスが1日7往復で片道約3千円なので,もはや勝負にならないレベル。もちろん特急だと2時間強で結ばれるので時間短縮効果はあるけど,そもそも復活する普通列車も3時間程度で2590円(現在:消費税UPで多少上がる程度),そもそも常磐道が全通したので,車で直接仙台まで向かうことも簡単になっているし複数人であれば高速料金を出しても安くて速かったり。

 メインの需要だけであれば,震災前の4両編成でも持て余す程度になると思われます。

 おそらく,通常料金だと仙台―東京間が9000円位になるのに所要時間は4時間20分,1時間半で着くはやぶさのモバイルスイカ割引の約1万円とほとんど変わらないことから,通常の料金設定だと,最初は物珍しさで乗る客がいてもいずれガラガラ空気輸送になることが予想されるので,様々な割引切符を出して誘客に努めることになるのかな。東京―仙台の需要を喚起することも考えているからこその10両編成なんでしょう。 通常運賃+特急料金1000円程度のえきねっとトクだ値とか,往路新幹線,復路ひたちで1万5千円の切符を出すとか。またグリーン車もあるので,グリーン車で4時間を快適に過ごすというニーズを掘り起こすのもありかな。

時刻予想

 震災後のダイヤ改正でも,以前のスーパーひたちの発着時間に被らないように,その時間帯は空けています。

また,2016年末に浜吉田~相馬間が復旧した常磐線も,基本的にはほぼ震災前と同じ時間帯,同じ本数で普通列車の運行をしています。

そのため,特に7時台,10時台,18時台は,それぞれ15分発の特急が入れ込めるようになっています。いずれも直前はアクセス線なので,仙台駅を5,6分前に発車すれば名取まで逃げ切れる。なので,基本的に震災前とほぼ変わらない時刻で運行可能。

 

【7/6夜 追記・修正】

 なお,いわき以北の特急は全て仙台まで来ていた訳ではなく,原ノ町発着の2往復がありました。

 原ノ町始発が5時台のスーパーひたちは,仙台始発よりも2時間も早く,上野に9時半頃に到着するので,これは復活が必要でしょうし,最終の19時上野発で原ノ町駅着22時20分頃(22時35分発仙台行の普通列車で仙台まではその日のうちに到着可能)も,相双地区からの東京滞在時間を延ばすために,これも同様に復活と思っています(東京滞在9時間程度は確保)。

 ただし,上野10時発で13時過ぎに原ノ町駅に到着,15時過ぎに原ノ町発だった1往復については,復活は難しいと思っています。

 理由として,14時過ぎ仙台駅着,15時台仙台駅発と往復とも1~2時間の差しかなく,昼間のこの時間帯に10両編成の特急2本を原ノ町まで連続して運行することは流石に輸送力過剰なので,仙台発を15時15分頃⇒14時15分頃に移して,実質原ノ町発着を代替させてしまう可能性が高いと思いました。

  また,ランダムダイヤが大好きな仙台支社のことだから,発車時刻の統一はないだろうけど,便宜上仙台駅15分発に統一して,現在のいわき以南の時刻表と合わせて想定してみました。

そうすると,仙台着は震災前と変わらず。仙台発は若干変更で,7時台,10時台,14時台,18時台と,10時以降は4時間間隔と予想します。

品川発 上野発 いわき発 原ノ町発 仙台着   仙台発 原ノ町発 いわき発 上野着 品川着
      (前日)     6:00 7:03 9:31 9:49
        (前日) 7:15  8:15 9:20 11:35 11:51
    7:30 8:35 9:35 10:15 11:15 12:18 14:35 14:51
  8:00 10:25 11:30 12:30 14:15  15:15 16:15 18:37 18:51
12:45 13:00 15:15 16:20 17:20 18:15 19:15 20:15 22:37 22:53
15:45 16:00 18:15 19:15 20:15 (翌朝)        
18:45 19:00 21:20 22:20     (翌朝)      

 ※原ノ町22:20終着の特急は,原ノ町23:35分発仙台着23:55の普通列車に接続

   Timetable_20190706234701

停車駅は?

   基本的に,以前の停車駅を踏襲するんでしょうし,県内だと震災前は岩沼と亘理に2往復が止まっていました。ただし,今回は亘理はそのままにしても,需要喚起のため,岩沼に加えて空港線連絡のため名取駅に停車する可能性は高いのかなと。場合によっては,その分岩沼駅の停車がなくなるかも。

 本数と料金は追って発表とのことで,浜通りの復興のために,この特急の復活は楽しみですね。

2019年7月 3日 (水)

混雑激化 東北線の課題 (その2)利用者増なのに,進む短編成化

 そのような状況の中,新型車両置き換え前は,朝晩の常磐線を中心に9両編成があたりまえのようにあり,東北本線でも6両や8両編成があったのが,常磐線は最大6両編成となり,一部本線に残っていた8両編成も常磐線復旧のH28年末のダイヤ改正で最大6両編成となってしまいました。719系の老朽化によるE721系4両編成への置き換えでも完全にカバーできなかったのも,減車ありきのJR東日本の方針なんでしょう。

 本数は1.5倍に大幅増と利便性が高まったので,短編成頻発化で方向性としては良かったとは思いますが,いかんせん予想に反して減少の底を打った利用者の増加が止まらず,そろそろ新型車両の増備も含めた対策が必要になっていると思っています。

 

仙台駅発上り方面時刻と車両数について

 以前は長町駅と太子堂駅の時刻表は車両数も掲載されていましたが(下の写真は数年前の長町駅発下りです。ご参考までに),今春の改正からは,車両数の表示がなくなったので一部推測もありますが,仙台駅発東北本線上り方面の時刻表と車両数をまとめてみました。

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昼間は2両編成連発!

 8~16時台にアクセス線を中心に2両編成(②)が数多く運行されています。特に10~13時台は,運行本数の半分程度が2両編成で,12時台は7本のうち,何と約7割の5本が2両編成で平均2.6両。。。

 まぁ,客の比較的少ない12時台にしては本数が多いので,よく言えば短編成頻発で利便性が高いと言えなくもない。しかし5本のうちアクセス線の3本は車両数が足りないし今後JR車両を用いての4両編成化が検討されているので,もう少しの我慢と思いたいけど,常磐線の2本までが2両編成になっているのはどうなんでしょう。

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朝晩も4両が中心

 朝晩(7時台以前と17時台以降)の上りは,4両または6両編成ですが, 1列車あたりの平均車両数は4両台後半。ということは,ラッシュと逆向きの朝はともかく,混みあう夕方でも6両編成よりも4両編成の方が多いということ。これは意外でした(さすがに6両の方が多いと思っていた)。

 さすがに,朝の7~8時台の仙台方面は,時間11本のうち,6本は6両で5本が4両。一応6両の方が多いですが,それでも空港線と阿武隈急行以外でこんなに4両編成が多いのでは,そりゃ積み残しも出ますね。

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 夕方に仙台駅近辺で買い物しての帰りはJRを使うこともあり,先日18時26分発の常磐線新地行を2日連続で使ったのですが,理由はその5分前の阿武隈急行梁川行(2ドア4両:上の写真)に乗ろうとしたら,ドア数の少なさでとてもでないけどギュウギュウで乗れる状態ではなく(車両の中は空いているのが見えたけど),あきらめて次の電車は5分後だしと思ってホームを移動したら,結局接続列車待ちで4~5分程度遅れて発車したので(それも二日連続で),こっちも3ドアながらも4両編成。その間次々と乗客が乗ってきて結局こっちもギュウギュウで発車。使うのは長町までの1駅5分間とはいえ,よっぽど地下鉄を使った方が良かったと思える位でした。

 なお,接続待ちでの遅れはしょうがないけど,常磐線の次の電車(原ノ町行)が実質15分後。その前に途中駅までの乗り継ぎ客はアクセス線と本線白石行があるのに,わざわざ律儀に待たなくても良いかと。次の電車が1時間後だったら待つべきだけど。混雑による遅れが積み重なったり,それが次の電車の混雑を招いたりしており,臨機応変に対応できないものかと思います。

 その18時及び19時台は,毎時8本の運行ながら,6両編成が3本に対し4両編成が5本で平均4.8両。最短で4分おきの運行ながらも,夕方ラッシュで最も混雑する時間帯で,せめて,本線と常磐線は6両編成にしてほしい。車両繰りが厳しいアクセス線は4両でしょうがないけど,アクセス線開業前は,常磐線がほぼ9両(一部6両),本線が6両(一部8両)で,4両編成は阿武隈急行乗り入れの1本のみだったのに,アクセス線の分で本数は増えても,名取以北のトータル車両数はほぼ変わらず,名取以南は2/3程度の車両数になってしまっているのでは,震災後に反転増となった利用客が快適に利用できる環境ではないですね。長町―岩沼間で,アクセス線開業前の1.5倍の駅利用者数になっているので,体感的にもわかるデータです。

 

土日祝日(お盆期間)はアクセス線の一部電車が4両に

 この昼間の2両編成の一部(6往復)を4両編成にというのは,3月から行われており,9月までも引き続き実施されるようです。

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夏休み期間全てというわけではなさそうですが,それでも空港の書き入れ時なので,せっかく仙台空港を利用してくれる旅行客に少しでも快適に利用して欲しいものです。このように編成増ができるというのは,空港線車両を限界まで活用するとのことなのでしょう。現在検討されているJR車両の転用は1年程度の期間が必要とのことだったし,車両運用をみても,2両×7編成をフルに活用している訳ではなく,一部昼間はお休みしている編成もあったので。でも遅れが出た時の予備編成の活用ということを考えると,本当にカツカツの綱渡り状態なんでしょう。

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東京一極集中の弊害

 この路線を運営するJR東日本は,東京を中心とする首都圏輸送と各新幹線輸送,不動産・商業施設運営で大部分の収益を上げている一方,東北地方を中心とする地方部は収益の足を引っ張る存在との認識なんでしょうし,その中でも比較的収支がましな仙台都市圏エリアについても,赤字であることは間違いなく,東京からの視点では,

 〇首都圏ではもっと混んでいる路線があるので,仙台はまだまだ詰め込める

 〇首都圏では1時間圏まで混んでいるけど,仙台ではせいぜい20~30分圏までだから大したことない。

 〇定期の割引率が高過ぎて,乗っているように見えてもそれほど儲からない。特に学生定期。 

  (並行する区間である長町―仙台で,一般6か月定期は地下鉄53,000円に対し,JR26,430円とほぼ半分。)

 ⇒株主対策から,地方圏では最低限の車両置き換えは行うが,なるべく車両数を減らして投資額や維持費用を節減。

という視点なんでしょう。さらに,震災後の復旧や来年のオリンピックに向けての駅ホームのタイルや2階吹き抜けコンコースの改装など,「見てくれ」の部分に予算をつけても,普段の利用客にとっては混雑対策をしっかりしてくれと考えるでしょうし,やっぱり視点がずれているように感じます。

 利用客の増加は嬉しいことですが,増発や車両増など利便性の増加につながらないのでは,利用者の不満がたまる一方です。

 また,輸送量が増やせなくとも,駅の動線をスムーズにするなどの対策が講じられればストレスが低減されるけど,特に今の仙台駅の朝晩のカオスな状況を見ると,数年前の大改造でも手を付けられることがなく改悪されたところもあったので,見える部分はきれいになっても根本的に改善されない状況は悲しくなってきます。

 

 それでも首都圏よりはましと言われそうだけれど,非人道的な生活を強いられている首都圏基準で全ての物事を判断されるというのは,東京一極集中の弊害でしかありません。以前はJRになって東北地域本社が設置され,まだましな時代もありましたが,仙台支社という一支社に格下げされて久しく,改善したいところがあっても予算がつかずにそのまま放置という感じ。生まれ変わった仙台駅東西自由通路みたいに自治体が整備費用の大部分負担するようなことがあればですが,少なくとも駅構内の鉄道施設部分はJRが対応しなければならないところ。

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 次の記事では,その施設面での改善方向性について取り上げようと思います。

2019年7月 1日 (月)

混雑激化 東北線の課題 (その1)利便性向上と利用者増

 仙台駅から岩沼駅までは東北線と常磐線,名取駅まではアクセス線も合わせた3線が利用できる,東北本線仙台以南の区間。

下の写真は,夕方時間帯の仙台駅地下南口改札の時刻表示ですが,6系統のうち,上半分の3系統が利用できます。

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 県内では,仙台市地下鉄には本数も利用客も及びませんが,JR区間では仙石線を超えて随一の本数と利用客を誇る区間です。

 この18時台は4~12分間隔とばらつきがありながらも8本で,仙石線・東北本線下りの各6本(ただし,本線下りは,うち利府行きが2本,仙石東北ラインの快速が1本で陸前山王以北は実質3本),仙山線の3本に比べ本数としての利便性は高い状況にあります。

 なお,市営地下鉄は,富沢行が11本,泉中央・荒井・動物公園行が10本で,この東北本線上り方面は地下鉄とそん色ない運行本数です。

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新型車両の導入と減車,震災後の利用者激増

 その東北本線,12年前のアクセス線開業前は利用客が横ばいまたは漸減しており,それと同時期にあった新型車両の導入で9両→6両,6両→4両,3両→2両 を原則とした減車置き換えがあり,またアクセス線の昼間は基本的に2両編成であることから,混雑に関する批判はあったにしても,国鉄時代からのボロ車両から快適な新型車両に置き換えてくれたし,将来的に利用客が減っているのだから経営的にしょうがないかなという見方もできました。

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 しかし,アクセス線相互乗り入れによる本数増による利便性の高まりとアクセス線各駅との新規需要もあり,当然ながら請願駅として開業した太子堂を含む名取以北の各駅は利用者が微増に転じました。

 一方,岩沼駅と館腰駅は,微減傾向が続きます。岩沼はベッドタウンとしての需要の低下と少子高齢化による通勤・通学利用者の減少が一気にきて,館腰駅利用客はピークがH17年とアクセス線開業直前だったのが, 空港シャトルバスの減便→廃止により5年間で一気に3/4まで利用客が落ち込みました。なお,岩沼以南の本線・常磐線の各駅も同傾向でさらに減少傾向でした。

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 しかし,その後震災が起き,被災地を通る常磐線の亘理駅以南が長期間不通となった反面,その沿線や沿岸部集落から仙台への通勤通学の利便性を求め,岩沼~仙台間を中心として,亘理駅・逢隈駅・船岡駅・槻木駅・角田駅・美田園駅周辺も加えたエリアへの(みなし)仮設住宅や,住宅再建などでの人口移動が起こり,震災以前は取り残されていた館腰以南の駅でも,ピーク時には及ばないまでも利用客が増加に転じ,微増傾向が続いています。

 震災前から続く名取以北の増について,名取駅の急増はアクセス線乗り入れによる利用者増加分の影響が大きいにしても,イベント利用者とタワーマンション林立で激増の長町,一万人突破目前の南仙台など,県内でも利用客が多い方の各駅の伸びが止まらない状況です。

 長町駅周辺では,今年400戸クラスのタワーマンション2棟が入居開始になるので,さらに来年にかけて利用者増加は続き,南仙台に追いつく勢いが続くでしょう。

 アクセス線車両については,過去記事のように混雑が問題となっていますが,本線や常磐線についてもアクセス線に隠れながらも4両編成中心になっていることで,混雑が激化しています。

アクセス鉄道の車両増備実現か? (4/4)

 このような利用者が増えている話であれば,単に景気の良いグッドニュースとしたいところですが,この利用者増で,朝はもとより夜の仙台駅発時点で4両編成の上りの電車はけっこうぎゅうぎゅう状態になることも多くなりました。 利用者増にもかかわらず,それに対する混雑対策が講じられていないのが問題です。特に新型車両の導入時から続く減車の影響は大きくなっています。

 次回は,その点に焦点をあてた記事を。

 

 

2019年6月18日 (火)

みちのく潮風トレイル ビジターセンターへ

久々の緊急地震速報でビックリ!日本海側で津波注意報とのことで,ちょっと心配です。

さて,名取市シリーズも最終回。かわまちテラスの後に,ふと思いついて,ゆりあげ朝市の横に整備されたトレイルセンターに寄ってみました。

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先日,名取市文化会館で全線開通セレモニーがあったようで,その拠点施設になります。

 

 「みちのく潮風トレイル」全線開通 4県28市町村、全長1025キロの道つながる

東日本大震災で被災した青森県八戸市から福島県相馬市までの太平洋沿岸を結ぶ「みちのく潮風トレイル」が9日、全線開通し、4県28市町村にまたがる全長1025キロの道がつながった。宮城県名取市文化会館では記念式典が開かれ、沿線自治体の首長やトレッキング愛好者がコースの魅力や課題について語った。【滝沢一誠】

 自然の中を歩き、風景や土地ごとの文化を楽しむトレイルは近年、欧米を中心に盛んになり、日本でも各地で整備が進められている。みちのく潮風トレイルは「ロングトレイル」と呼ばれる長距離のトレイルの一つ。岩手県宮古市―山田町や宮城県石巻市―仙台市など計4区間、計272キロが新たに加わり、国内のロングトレイルでも最長級の全長1025キロの道が完成した。

 コースは舗装された道路だけでなく、登山道や船で渡る「海の道」など変化に富む。沿線には種差海岸(八戸市)や松川浦(相馬市)などの景勝地のほか、たろう観光ホテル(宮古市)、奇跡の一本松(岩手県陸前高田市)、旧荒浜小(仙台市)、千年希望の丘(宮城県岩沼市)といった震災遺構もあり、観光振興や震災伝承も期待される。

 式典には各市町村長など関係者や市民ら約650人が参加。原田義昭環境相は「多くの人が歩き、その歩みが復興につながることを期待している」とあいさつし、沿線自治体の首長と手を取り合って全線開通を宣言した。コース北端の小林真八戸市長は「28の市町村がコース磨き上げることで、すばらしい道になってほしい」と願った。

 式典後のパネルディスカッションではロングトレイルの愛好者らが登壇し、みちのく潮風トレイルの魅力や課題を語り合った。

 登壇者の一人、タレントのなすびさんは2016年、当時の開通区間約700キロを踏破。道行くところで差し入れをもらったり応援の横断幕を掲げてもらったりしたという経験から、「東北の人情とホスピタリティー(もてなし)に触れられるすばらしい道」と話した。

 一方、1000キロ以上にも及ぶ長距離の道の維持・管理についてはまだ手探りな点もある。コースの運営は名取市閖上の名取トレイルセンターが統括し、5カ所のサテライト施設と一緒に管理する。紀伊半島に広がる世界文化遺産の熊野古道に詳しい和歌山県の田辺市熊野ツーリズムビューローの多田稔子会長は「歩く人がいなくなった道はすぐに自然に返る」と話し、「これから管理が大変になるが、大事なのは地元の人々の協力だ」と強調した。

 また、コースの北端は青森県まで及ぶ一方、南は福島県北部の相馬市まで。東京電力福島第1原発事故の影響で、今も県南端のいわき市までの沿岸を歩くことはできない。式典に出席した相馬市の立谷秀清市長は「被災地を結ぶため、将来はこの道を南側まで結んでほしい」と話し、福島市出身のなすびさんも「トレイルが相馬で終わってしまうのは悔しい。何年かかるか分からないが、いつかいわきまで歩けるようになるのも夢ではない」と期待を示した(6/15毎日)。

 

 例のごとく,国の施設は無駄に立派ですねぇ。みちのく潮風トレイルの拠点センターとして整備するのは分かるにしても,南北1000kmのごく一部をカバーするのみで,シャワー室や着替えができる場所とのことですが,利用価値は??です。

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 中はカフェと紛うばかりの雰囲気の良さで,休憩所としては居心地が良さそうですが,そもそもこの潮風トレイルのルートは,”潮風”トレイルといいながらも一部自治体では山の中を歩かせたり,市町村毎にめいめいにルート設定しているので,つぎはぎルート感がありあり。

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 まぁ,ルート選定など,環境省が地元自治体や住民と協力しながら,ルート自体は既存の遊歩道などを中心にあまり予算をかけずに手作り的なルート発掘をしたようですので,トレイルセンターは一点豪華主義で,存在をアピールするためなのかなぁと。

 閖上のこの近辺は,サイクルスポーツセンターの再建に合わせて温泉が整備予定であったり,朝市,かわまちテラスと,都市近郊の健康的なレジャースポットが集積している上に,名取市にとっては国が勝手に作ってくれてラッキーな感じ。

 なお,宮城県が進めている「オルレ」ともまた関係なく整備されている感があるのは,「やっぱりねー」という感じ。

 せっかくルートを決めたからには,活用されてほしいですね。

 

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