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2023年9月11日 (月)

宇都宮にLRT ライトライン開業 その1

開業について

 令和5年8月26日に、宇都宮市と隣接する芳賀町にかけて、芳賀・宇都宮LRT(通称:ライトライン)が開業しました。

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 東京以北では函館と札幌にしか残っておらず、東日本は路面電車空白地帯となっていましたが、北関東一の都市である宇都宮市に、30年かけてようやくゼロから作り上げた最新式のLRTが開業することに。 路線延長ではなく、国内での全く新規からの路面電車の開業は75年ぶりとか。

廃止された仙台市電

 仙台では約50年近く前の1976年に全線廃止された市電(路面電車)。

 地下鉄南北線が開業した1987年までの約10年以上も都市内軌道系交通機関の空白期間となったことから、もう少し存続しても良かったのではと思いながらも、その当時は全国的に路面電車は時代遅れでモータリゼーションの面で邪魔者扱いだったのだから、軌道敷に自動車を入れてしまったことで定時制が失われ、乗客減で苦しんだとのことで、仕方がなかったのでしょう。

 また、路線網が旧市街に限られ、仙山線北側や泉方面に拡大した住宅団地の輸送にはまったく役に立たない面もあり、今の仙台の都市構造では生き残るのが難しかった面があります。  北仙台~長町間は地下鉄南北線に発展的解消し、原ノ町線は仙石線も並行、一番町や西公園付近も地下鉄東西線駅が設置され、結果的に大学病院などがある八幡町線沿線が取り残された形ですが、バス路線は充実しているし。

 地下鉄東西線着工前には、当時の市民オンブズマンを中心とする反対派が東西交通軸をLRTで整備することを主張しながら、全く具体性がない提案であったため、動きは広がりませんでしたが、東西交通軸は、地下鉄南北線を補完する役割として、「相互に乗り換えが可能」で「運賃通算が可能」かつ「定時性が確保」できる同じモードの交通機関である必要があったので、2路線目の地下鉄路線として整備されたのは必然。

 ただし、仮に南北線がなく相互の乗換を考慮する必要がなければ、仙台駅以東は卸商団地を含む産業エリアでもあり、住宅地も広がっていること、他の方面と比べると比較的幹線道路が整備されているエリアでもあり、宇都宮ライトレールが整備されたエリアに似た雰囲気があるため、ここだけであればLRTも”あり”だったのかもしれません(輸送力不足ですが)。

 ただし八木山方面はどう考えても厳しいところが。高低差がある中で新たな幹線道路を整備しなければならず、整備凍結された川内旗立線を活用する場合でもほぼトンネルで 東北大青葉山キャンパスをスルーするため、キャンパスを経由するにはルート取りも難しい。そもそもバスに比べての時間的な優位性が限られるのに、直通できなくなるバスから乗換するメリットがない。今ある程度八木山動物公園からの利用者がいるのは、仙台駅まで13分という速達性からパークアンドライドにメリットがあるからであり、LRTで20~30分かかるのであれば自家用車からの転移は限定的だったでしょうね。

宇都宮ライトレール概要

路線:宇都宮駅東口~芳賀・高根沢工業団地(芳賀町)

整備費:684億(当初計画の約1.5倍)

路線延長:14.6km

駅数:19駅 (平均駅間 約800m)

運行頻度:ラッシュ時8分間隔、昼間12分間隔(当面、全て各停のみ)

所要時間:全線48分(習熟運転終了後は44分)

最高速度:時速40km/h

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その2に続きます

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