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2022年12月 4日 (日)

東北学院大学 五橋キャンパス完成

来年春に迫った,東北学院大学五橋キャンパスの設置とキャンパス統合。

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秋にキャンパスの建物が概ね完成し,スタイリッシュな都市型キャンパスが仙台都心の南のランドマークとなっています。

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過去記事

  旧市立病院跡地に学院大新キャンパス!(2016/12/25)

  東北学院大の都心回帰 他(2013/2/23)

学生街復活へ

本部機能がある土樋キャンパスと合わせて,仙台市都心部にキャンパス機能が集約化され,学部生・大学院生含め1万1千人もの学生がこのエリアで学ぶことになるのは,都心部の賑わいにとって非常に大きなもので,特におひざ元の荒町商店街は,両キャンパス直近の荒町交差点から東に伸びており,学生の居住や飲食,買い物などの機能を受け止めるべく,注目のエリアとなっています。

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 両キャンパスは,その荒町交差点を経由して5分少々の距離。地下鉄駅長めの一駅分離れている東北大の川内・青葉山両キャンパスの行き来と比べたら隣みたいなもので,その行き来する学生が往来するためキャンパス内に学生を囲い込むことにならず,周辺の飲食店などにも好影響を与えることになります。

 新キャンパス周辺は,8年前に市立病院があすと長町に移転し,周辺の月極駐車場や飲食店,コンビニ需要が激減したり,負の影響が長く続いていましたが,一気に反転攻勢となります。その流れで,荒町交差点角の七十七銀行荒町支店(八木山支店もインストアで入っていたのは知らなかった)の建替えで,賃貸マンションや商業機能が入るという最近のニュースもありました。

 東西線開通でバスの本数が激減し30分毎になって厳しい状況と聞いていましたが,以前は片平キャンパスの存在や,学院大が土樋キャンパスのみだった時代に学生街的な役割を果たしていた荒町商店街が復活することになれば良いですね。

地下鉄利用者への影響は?

 なお,トータルとして仙台市地下鉄の利用者的にはプラスとマイナスどちらに働くかが分かりませんが,これまで(JR沿線の自宅生など)泉中央駅経由で泉キャンパスへ通っていた学生の利用者が完全に失われ,地下鉄仙台駅から五橋駅まで一駅の利用者は限られる反面,泉方面からの五橋駅への利用者が増える,宮城野区や若林区方面から原チャリなどで泉に通っていた学生分が東西線経由で使うようになるとのプラス要素もありますが,短期的にはマイナスでしょう。

 ただ,中期的には学都フリーパスを前提に沿線へ居住する学生の増加も見込め,そういう学生はバイトや趣味も地下鉄沿線で済ませる傾向になるので,やはり1万人以上の学生そして教職員がこのエリアに集まることの効果は長い目で見るとありそうです。

立派な新キャンパス

 西側入り口から左側が講義棟,右側が高層棟で,奥側(東側)にホール棟と研究棟が配置されます。また,2階レベルで各棟を繋ぐTGUリングというデッキも設置されています。

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 この時計がシンプルながら,いい雰囲気を醸し出していますね。大学のキャンパスらしいというか。

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 高層棟は17階建てで,南側から都心に向かう際に,かなり目立つ存在になっています。移転した旧市立病院は10階建程度だっただけに。

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地下鉄五橋駅に直結!

 旧市立病院時代もでしたが,地下鉄五橋駅に直結で利便性は高いです。

 東西線に直結する東北大の川内,青葉山キャンパスに続き,仙台で3番目の地下鉄直結キャンパスが誕生します(他,福祉大のステーションキャンパスはJR東北福祉大駅に直結)。また,東北大キャンパスは敷地内に駅があっても建物が平面的に広がっており,地下鉄駅からのキャンパス内の移動も生じるのに対し,この学院大学五橋キャンパスは敷地面積がコンパクトな1.8haで中高層ビルで構成されるため,各講義室や研究室への移動も楽々でしょうね。地下鉄を使えば仙台駅前から10分後にはキャンパス内に!ということも可能に?

そのような短距離利用者の掘り起こしを考えると,わずかな運行経費の削減を目的とした来年7月からの地下鉄の昼間休日減便(10分間隔化)は愚策だと思うのです。10分間隔と分かっていたら歩く人も増えるのでは。

仙台市地下鉄 来夏に減便へ(9/15)

東西線はしょうがないけれど,特に基幹路線の南北線ではやってはいけない。

仮に全線で10分間隔にしても折り返し可能な五橋と台原駅間だけは5分間隔にし,都心部の短距離利用者の利便性を下げないようにすることは必要なのに,残念です。

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 駅改札自体はやや北側にあるので,地下コンコースを無理やり南側に伸ばす形となっており多少距離はありますが,それでも改札出てから1~2分後にはキャンパスに入ることができます。

市立病院時代はこのシャッター部分から病院建物にすぐ入ることができましたが,長年閉じられていました。久々に日の目を見ることになります。この出口を抜けると,短い屋根付き通路を挟んで,キャンパス内の高層棟に入ることができます。

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以前,構想としては,地下レベルでキャンパスに入れるようにすると聞いた覚えがありましたが,あと半年を切った現時点での状況を見る限りではその準備工事もないので,上写真のシャッター部経由で地上一階レベルでの連絡になるのかな。パルコ2と仙台駅もですが,最近地下鉄駅と地下レベルでの建物接続が少なくなっていることは残念です。

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地下レベルでキャンパス建物と接続するとしたら,この場所になります。

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なお,従来からある,土樋キャンパスや福祉プラザ方面の南1出口方面通路です。途中狭くなり段差も多いですが,地下レベルで両キャンパスを移動する学生が増えそうなので,このルートをより活用するのであれば,五橋キャンパスから五橋駅への地下連絡通路を作ると良いのではと。またこの地下通路を延長して土樋キャンパス方面に伸ばすという構想も聞いたことがあるので。

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【12/25追記】

 大学の計画やアセス資料では,高層棟の地下2階レベルで,五橋駅改札階コンコースへ接続する計画となっています。

 連続する3本のエスカレーターで,地上2階⇔地上1階⇔地下1階⇔地下2階⇔五橋駅改札階コンコース へ誘導することができます。逆に,このエスカレーターと地下連絡通路ができないと,既存の南1出入り口のエスカレーターは上りしかなく,階段幅も決して広いとは言い難いので,結構混雑するのではという危惧が。

 また,五橋新キャンパスと土樋キャンパスとの行き来が地上レベルで増えると,横断歩道の横断者の増加などで渋滞の名所のY字路交差点のクルマの流れにも影響が出ることから,学院側としては上写真の五橋駅内通路南1方面への誘導を考えているようなので,なおさらこの地下接続計画の実現が望まれます。

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学院大の攻勢

 2023年度からの都心部へのキャンパス集約と同時に4つの新学部「地域総合学部」「国際学部」「人間科学部」「情報学部」も設置し,より幅広い受験生を集めることができるようになるほか,付属の学院高校も男女共学化したこともあいまって,東北学院という法人自体への期待度が上がっているように感じます。東北随一の総合私大の学院大であっても,首都圏の中堅大学との競争もあるし,少子化の時代で生き残っていくには立地も中身もアップデートしていくことが必要で,特に今回のキャンパス集約で,石巻などの県内の大部分はもちろん,一関,福島,山形などの隣県からの通学もより容易になります。

 よって,泉キャンパス分に限っては利便性の向上で仙台へ引っ越してくる学生の減少というマイナス面もあるかもしれませんが,工学部への県外からの学生分で相殺されるし,後背地も含めた広い地域として考えれば,学生を抱える世帯での費用が節約されること,学生自体も時間を効率的に使うことができるようになるなどメリットしか浮かばない。これも10年前に厚生病院と手を挙げかけた医学部構想を断念したからこそ,このキャンパス統合に資源を集中させることができたという面もあるのでは。

過去記事 

 医学部新設に東北学院大も名乗り? 2013.12.15

 仙台駅前などの都心部にとっても昼間うろうろする学生が増え,教職員もアフターファイブに飲みや買い物をすることになり,確実にプラスになるでしょう。逆に泉中央駅前はちょっと厳しい状況が続くでしょうが,多賀城は駅近の再開発地が生まれ,居住人口の呼び込みなどにうまく活用できる種地が生まれます。

 他の大学を含めた競争が激しくなってくるので,それぞれ切磋琢磨するきっかけになればと思います。

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コメント

久しぶりにコメントさせていただきます。

学院は東北の私大では押しも押されもせぬ存在なので、学生を選ばなければ30年後でも定員割れの心配はないとは思いますが、それでも少子化で学生の質は下がるでしょう。そうなると、ボーダーラインが下がり、自宅から通えればどこでもいい地元民が多くなることで、他の在仙私大の学生集めが厳しくなることが予想されます。しかし、今回の学院のキャンパス集約と学部再編で魅力が高まり日東駒専等の首都圏の中堅私大へ流れている層などを取り込めれば、仙台圏の学生数の減少を抑制できるので、間接的に他の在仙私大にも恩恵があるのではないかと思います。

ちなみに自分、最近ツイッターで社人研予測について言及した者です。3年前Watcherさんのブログであの衝撃的な社人研予測を初めて知りましたが、新潟市とほとんど変わらない減少率などに違和感を感じ、社人研のHPを調べたところツイッターで言及したような事実がわかりました。次の社人研予測では広島市との差がかなり詰まっているor逆転していると思うのでその点にも注目したいです。

投稿: ともとも | 2022年12月 5日 (月) 02時22分

>ともともさん

コメントありがとうございます。大学はキャンパスが集約されていた方が,サークルでの人間関係が文系理系関係なく密になり,総合大学としての相乗効果が増す上に都心部に集約とのことで,在仙私大として学院大の強さがさらに増すのではと感じていました。
他の大学への恩恵についてはあまり考えていませんでしたが,間接的に恩恵を受けることも考えられるのですね。
 また,Twitterでの社人研予測についての書き込みは拝見していました。社人研が行った仙台市の酷い将来人口推計について,疑問に思っていたので,その背景が分かりすっきりしました。人口減はやむを得ないにしても,100万人は保って欲しいと思っています。

投稿: SENDAI Watcher! | 2022年12月 8日 (木) 19時47分

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