« 2022年11月 | トップページ | 2023年4月 »

2022年12月

2022年12月25日 (日)

久々の新潟 その(7)新潟の強みとクルマ社会の功罪

さて,このシリーズもどのように締めようかと思いながら,年末になってしまいました。

〈前回記事〉

 久々の新潟 その(6)高架化されたJR新潟駅 

 仙台市と新潟市,同じ東北電力管内の二大政令市で,ともに東京からの新幹線で最短約90分というところは共通ながらも,他の要素はあまり似たところがないのが面白いと思い,その点を中心に記事にしてきました。

両都市の比較表

  仙台市 新潟市
人口 109万人(旧市域約80万) 78万人(旧市域約50万)
地形 丘陵地と平野の境目 ほぼ平野
主要駅 在来線は地上のまま。新幹線ホームはメイン口側。駅ビルを含め,商業機能が集積。 在来線は今年高架化完成。新幹線ホームは裏口側。駅ビルなど商業機能は弱い。
鉄道(JR) JR4方向+東北新幹線 JR3方向+上越新幹線
鉄道(その他) 地下鉄南北線・東西線 ―(新潟交通軌道線廃止)
バス 市営バス中心,宮交等が補完 新潟交通(BRT含む)

道路(一般道)

都心部は戦災復興で片側3~4車線と街路水準が高いが,郊外方面は西道路以外ほぼ平面交差。都市計画道路も細切れ多し。 都心部は片側2車線が多いが,郊外は全長30km以上の新新バイパスを軸に,主要国道は立体交差処理。一方,それ以外の都市計画道路整備率は低い。

道路(高速道)

東京方面は東北道と常磐道。市の外縁部は環状化(東北道,仙台東部・南部・北部道,三陸道)。 東京方面には北陸道,福島方面には磐越道。市内でバイパスと並行する日本海東北道は存在感薄し。
空港 市外に立地。アクセス鉄道あり。 市内に立地。バスのみ。
スタジアム 野球もサッカー場も駅近 野球もサッカー場もIC近く
大規模SC 都心部のSCは駅ビル(エスパル)。(計画:イオンモール雨宮)。郊外は地下鉄駅前の長町のザ・モール,泉中央アリオ&セルバ。一方巨大イオンモールが市外2か所に立地 都心部に疑似巨大SCの万代シテイ。郊外の幹線道路沿いには数か所イオン・アピタなどのSCあるが,大規模なものはない。
百貨店 藤崎・三越(さくら野閉店) 伊勢丹(三越・大和閉店)
アーケード 仙台駅から一番町まで連続 古町に平行して複数
地下街 なし 古町に西堀ローサ
都市構造 仙台駅中心+一番町(アーケード) 万代シテイ中心+古町+新潟駅前
コンベンション施設 都心部に中規模(市:国際センター),郊外に大規模(県:夢メッセ)に分散。 都心部にホテル・会議場併設大規模展示場(朱鷺メッセ)
親水空間 仙台港は街中から10km。広瀬川も都心部外縁で,基本は内陸都市。 日本海が街中から近い。信濃川が都心部を二分し,水辺が身近
高等教育機関 学都。東北大,学院大の存在感強し。 全国屈指の専門学校進学率。
影響圏 東北一円 新潟県内のみ

新潟市の強み

 人口規模やブロックを統括する中枢機能,地下鉄などの都市機能全般については,当然ながら仙台に分がありますが,部分的には新潟市に強みがある分野も存在します。

①都心部の大規模商業施設

 都心部については,巨大疑似SCの万代シテイの存在が強みになっている点は記事にしましたが,旧来型のアーケードが衰退し,新潟駅前の商業機能が弱い一方,都心部にこれだけの商業機能が集積しているのは一点集中型の良さであり,バスターミナルを併設しているため,公共交通の利用促進の相乗効果も見込めます。

参考記事

久々の新潟 その(4)仙台の都心部の商業集積について考えさせられた

②都心部のコンベンション機能

 新幹線駅から徒歩圏に存在する朱鷺メッセは学会や大規模ライブで頻繁に活用され,来年はG7財務相会合の舞台になるなど,政令市移行前に新潟県が整備したコンベンション施設(展示ホール・会議棟・ホテル)が結果的に強みとなっています。

 また,大規模ライブの会場が都心部の朱鷺メッセ(最大キャパ約8千人)一択となっているのは,スタンド席がなくアリーナのみ平面で見にくいという欠点はあれども,立地は本当に羨ましい。

 仙台では最も大きいアリーナ施設である,県営体育館(セキスイハイムスーパーアリーナ)がよりによって隣町の駅から徒歩50分かつ仙台駅からシャトルバス1時間(最大キャパ7千人)というクソ立地であるため,キャパ重視の大物のライブには全く行く気になれず,東京方面からの遠征の方にとっては本当にお疲れ様というか申し訳ない。神会場のあすと長町のゼビオアリーナ(最大キャパ6千人)がもう少しキャパが大きければ良かったのですが。

 コンベンションでも,仙台は郊外に県運営の夢メッセ(展示場は朱鷺メッセに匹敵する7500平米だが,会議棟は小規模),都心部かつ東北大に隣接し地下鉄駅直結の市国際センター(1000人収容の大ホールを含め会議棟は充実しているが,展示棟が3000平米と小さい)と五十歩百歩で,ともにホテル併設ではなくワンストップではないところが,近年の会議誘致が伸び悩んでいる原因にもなっている印象です。

 放射光施設ナノテラス整備に絡めて誘致に成功した来年のG7科学技術相会合は秋保温泉の佐勘が選ばれたとか。警備の都合は分かるにしても,そのナノテラスに近い,せっかく展示棟を整備した国際センターが前回に続いて使われないという勿体なさ。まぁ,地下鉄東西線駅に隣接するため,警備に気を遣うということはあるのでしょうが。地下鉄を止める訳にもいかないし。

参考記事

国連防災会議開幕&国際会議誘致について

 (2015.03.14)

③圧倒的なバイパス網

 それに,新潟市といえば,何といってもバイパス道路整備水準の高さが特筆的。特に新発田市から新潟市西区まで約37kmを無信号の立体交差,片側2~3車線で結ぶ新新・新潟・新潟西バイパスの圧倒的な存在感。

 仙台近郊の4号バイパスで37㎞といったら,北部道路富谷IC入口交差点から,岩沼市の6号線との分岐交差点までの距離に匹敵します。その区間が無料の信号なし立体交差道路というのは頭がクラクラします。この区間が仮に無料バイパスだったら,誰も1000円払って北部・東部道路を通る気にならないよね。

 しかし,新潟ではこのバイパスに平行して日本海東北道というネクスコの有料高速道路が通っていますが,並行部分のうち約半分(豊栄SA以東)は暫定片側1車線という高速道路に誰が1,000円出して通るんだろう?

参考記事

仙台と新潟(道路編)(2006.12.13)

 それに紫竹山ICで接続する国道49号も一定区間は高規格な全区間立体交差化が進んでおり,新潟でバイパスといえば立体交差の無料幹線道路を意味します。

Niigata_bypass_networkmapsvg
(wikipedia:Hksn127 作成より引用)

 現在は,都心部方面の栗の木バイパスが工事中で,完成すると新潟バイパスから朱鷺メッセや古町付近まで高架道路で直結するとか,道路整備への投資は止まらないようです。

 大部分の都市では,国道バイパスは平面交差で費用節減で建設したものの,沿道へ業務・商業・サービス施設が張り付き,走行速度が低下し,渋滞が多発するようになってから,仙台の4号バイパス(箱堤交差点,鹿又交差点~名取大橋)のように長期間と費用をかけて一部立体交差化を図ったり,さらなるバイパスを建設するなど後手後手に回っていることが多いです。

 一方,新潟市では開発が進んでいない時期に新潟バイパスを自動車専用の完全立体交差で建設したため,当然ながら沿道にロードサイド商業が張り付くことはあり得ず,接続するIC周辺の幹線道路にロードサイド商業が留まり,バイパス自体の走行速度は比較的保たれています。ロードサイド商業の張り付きがないことから予定されていた6車線への拡幅も比較的スムーズに進み,ある意味先見の明がありました。

 その分浮いた費用を,接続する新新バイパス,国道116号新潟西バイパスと東西への延伸,更に南側に接続する国道49号の立体交差化に予算を付けることができ,今度は都心部方面の栗の木バイパスへと,ますます道路整備が進むという好循環となっているようです。

 一日の交通量が10万台程度と,横浜の首都高と横浜町田ICを結ぶ国道16号保土ヶ谷バイパスと匹敵する交通量は,驚愕するしかない。

新潟バイパス50周年記念【新潟国道事務所】 (mlit.go.jp)

新潟スタイル

 しかし,この圧倒的なバイパスが便利過ぎて,目的地へのアクセスがこのバイパスからの近さが基準になっています。

①集客施設がクルマアクセス最優先

 例えば,ワールドカップに向けてアルビレックス新潟のホームスタジアムとして整備された現在のデンカビッグスワンスタジアムも,バイパスICからほど近く高速道路の新潟中央IC至近の鳥屋野潟地区に整備されました。

デンカビッグスワンスタジアム (denka-bigswan.com)

4万人収容で行き帰りの交通アクセスを考えると駅近に整備するのが常識ながらも,幹線道路からのアクセスを重視し,2本のバイパスと2本の高速道路が集まり,一か所のICに集中しないようにクルマを処理することができる立地で,大規模駐車場を併設したアメリカタイプが,県内一円からのアクセスの容易さとうまくはまって,人気がピークの一時期は毎試合満員の観客をこの道路網でさばけてしまっていましたのはある意味凄い。

なお,わが県でもW杯スタジアムは新潟よりも酷い場所に整備したため,2つの高速道路が集まる場所に整備した割には,山の上かつ住宅地の中なので大規模イベントでは駐車場ありませんとか,よっぽど運用が酷い状況だったためか,結果的に数年に一度の代表戦とコロナ禍の東京オリンピック以外ではほぼ使われないスタンド部分が宝の持ち腐れになっているという黒歴史なので,新潟県のことをとやかく言うことはできません。。。交通至便なサッカー専用のユアスタの存在がなかったらと考えると恐ろしくなります。

 更に,隣接地に野球場のハードオフエコスタ(3万人収容)を,ビッグスワンの隣接地に2009年にオープン。せいぜい週1開催のJリーグだったらともかく,この立地で週6試合開催もあり得るプロ野球の本拠地誘致を打ち出しているのは,ビジター客も行きづらいし,ビールが飲めない野球場はスタジアムの収益面でも厳しいと思うのですが,ある意味割り切り方が凄い。でも12球団から16球団への拡張が行われれば十分可能性がありそうだったりします。

HARD OFF ECOスタジアム新潟 (hardoff-eco-stadium.jp)

 市民病院も,2007年に同じエリアに移転オープンと,クルマの便は良いにしても,公共交通がバスのみのエリアにここまで集客施設を集めてしまっています。

②公共交通への市民の理解不足

 それで,新潟バイパスを基準として,東側の新新バイパス,西側の新潟西バイパス,南側の亀田バイパスに続き,北側都心方面の栗の木バイパスと,バイパスを延ばすことには市民の理解は得られながらも,自動車交通分担率70%という驚異的な高さから,公共交通の改善には理解が得られないという悲しい状況となっています。

 80万政令市としてはJRは比較的利便性が高いですが,JR以外の交通機関としては,2015年9月に運行が開始された,将来のLRT化を見据えた都心部のBRT(バス輸送システム)についても,連接バスの導入が議会でケチが付き,予定の半分しか導入できなかったことや,専用レーン化も進まず,将来のLRT化はもちろん,BRTとしてもこれ以上の改善は絶望的な状況です。

参考記事

 久々に新潟へ その(2)BRT初乗車(2022.08.03)

 新潟のBRT雑感とバス相互の乗り継ぎ (2015.09.14)

 仙台と新潟(公共交通機関) (2006.12.16)

 これは,実際乗車して,感じたところでもありますが,バス停や案内を便利にしたことは評価できるとしても,結局ただのバスでしかなく,輸送力もなく,連接バスの導入が限定的であることからシンボル性も感じることができず,中途半端な存在に陥っていました。

 将来を見据えたバスの効率的な運行のために,都心部と郊外路線の分離と乗り継ぎを進めるという理念は良かったものの,ここまで市民の理解が得られないのでは,進められるはずもない。

 その一方,新潟空港への鉄道アクセスに新幹線という話が再浮上しているようですが,これは茨城県でTX(つくばエクスプレス)を茨城空港や水戸に延伸する構想と共通している点が,捕らぬ狸の皮算用で首都圏方面からの利用者に期待して,夢物語の延伸を打ち出している点。ともに現在の空港利用者数は到底アクセス鉄道が成り立つ水準でない上,大クルマ社会で決して自県民の利用は限定的でしょうに。そもそも,両県とも,県庁を駅から遠い郊外に移転させたり,突然夢物語の話が出てくるというのが共通点を感じたり。

高規格な道路整備の功罪

 とはいえ,新潟市民や県民の大部分は全くこのクルマ社会に疑問を感じておらず,行政も企業もこの高規格な道路網を前提として各種集客施設を配置し,全体的にクルマ社会に満足しているように見えるので,これもありなのかもしれません。人口80万の政令市としての都市機能がそこそこ集積していながら,クルマで自由に動け,JR等の最低限の公共交通機関が整備されているという絶妙なバランスを感じました。

 一方,新潟市の高規格バイパス網がまちづくりと都市機能の分布にもたらしたことを考えると,道路整備がそれ以上のクルマ依存を生んでしまったり,クルマ依存の商業地や住宅地の広がりを招いてしまうなど,近視眼的には便利になりながらも,持続的な都市運営を考えると,功罪を感じます。観光や会議,サッカー,ライブなどで他都市から多くの新幹線などでの来訪者がありますが,分かりやすい公共交通機関が少なく,クルマを持たない他都市からの学生にとっても住みにくさを感じてしまい,卒業後の人口流出を招いている一因ともなっているようです。

 新潟市では先週からの大雪で,自慢のバイパスを含め,都心部の道路の麻痺状態が続いています。当然ながら公共交通もJRが運休し,バスも数時間の遅れという状態で,平年はめったに大雪にならないという新潟市は大変な状況。

 その点は同じく大雪はめったに降らない仙台市では2014年2月に過去最高の積雪35センチを記録し1か月位雪が残って難儀しましたが,その時も地下鉄は平常どおりに運行し,頼もしかった記憶があります。その点クルマが使えなくとも選択肢があるのは精神的に楽です。

 仙台では,都心部は戦災復興で都市計画道路が整備されていましたが,高度成長期以降の急速な人口流入の受け皿として道路整備のあてがないまま北部丘陵地を中心に進められた民間の大規模ニュータウン整備を受け入れざるを得ませんでした。それらの市北部のニュータウンとの間の道路が未整備で,限られた幹線道路である県道仙台泉線(旧4号)などが毎日大渋滞を引き起こしていたことが,その当時の60万都市としては無謀と思われた地下鉄整備のきっかけとなりました。

 その後予算が限られながらも細々と都市計画道路の整備を進めていますが,国道4号や286号バイパスもだらだらと平面交差が続くなど,決して充実した整備状況ではなく,渋滞も多発しています。よって,クルマ依存にも限界がある状況から,既存のJR線も沿線への新駅設置,空港アクセス線,JR仙石線の地下化などの整備が進み,渋滞対策で建設された地下鉄など,バス利用者は減少していますが,鉄道を中心とする公共交通機関の利便性は格段に高まりました。この仙台駅を中心とする8方向への鉄道路線の存在が,都心部への集積と沿線への集客施設の配置を進めるきっかけとなり,近年は東西線も開業するなど沿線にてメリハリのある市街地整備を進めることができています。 

 仙台の郊外の道路整備が遅れたことで,結果的に地下鉄などが整備され,ある程度公共交通が使える都市として今に至るという面もあるのかなと感じました。

都市の個性

 仙台市と新潟市。それぞれ置かれた条件は異なるところはあり,都市の個性が違うと,興味深く観察してしまいます。

 他都市を観察すると,ついついないものねだりになりがちですが,自都市を見つめなおすきっかけにもなりますね。来年こそは,もう少し旅行で遠い都市に行ってみたいと思っています。特に15年以上行っていない福岡や広島,高松などの西日本の都市に。

【久々の新潟編 了】

スポンサーリンク

| | コメント (2)

2022年12月 4日 (日)

東北学院大学 五橋キャンパス完成

来年春に迫った,東北学院大学五橋キャンパスの設置とキャンパス統合。

Pb262335

Pb262333

秋にキャンパスの建物が概ね完成し,スタイリッシュな都市型キャンパスが仙台都心の南のランドマークとなっています。

Pb262350

過去記事

  旧市立病院跡地に学院大新キャンパス!(2016/12/25)

  東北学院大の都心回帰 他(2013/2/23)

学生街復活へ

本部機能がある土樋キャンパスと合わせて,仙台市都心部にキャンパス機能が集約化され,学部生・大学院生含め1万1千人もの学生がこのエリアで学ぶことになるのは,都心部の賑わいにとって非常に大きなもので,特におひざ元の荒町商店街は,両キャンパス直近の荒町交差点から東に伸びており,学生の居住や飲食,買い物などの機能を受け止めるべく,注目のエリアとなっています。

Pb262330

 両キャンパスは,その荒町交差点を経由して5分少々の距離。地下鉄駅長めの一駅分離れている東北大の川内・青葉山両キャンパスの行き来と比べたら隣みたいなもので,その行き来する学生が往来するためキャンパス内に学生を囲い込むことにならず,周辺の飲食店などにも好影響を与えることになります。

 新キャンパス周辺は,8年前に市立病院があすと長町に移転し,周辺の月極駐車場や飲食店,コンビニ需要が激減したり,負の影響が長く続いていましたが,一気に反転攻勢となります。その流れで,荒町交差点角の七十七銀行荒町支店(八木山支店もインストアで入っていたのは知らなかった)の建替えで,賃貸マンションや商業機能が入るという最近のニュースもありました。

 東西線開通でバスの本数が激減し30分毎になって厳しい状況と聞いていましたが,以前は片平キャンパスの存在や,学院大が土樋キャンパスのみだった時代に学生街的な役割を果たしていた荒町商店街が復活することになれば良いですね。

地下鉄利用者への影響は?

 なお,トータルとして仙台市地下鉄の利用者的にはプラスとマイナスどちらに働くかが分かりませんが,これまで(JR沿線の自宅生など)泉中央駅経由で泉キャンパスへ通っていた学生の利用者が完全に失われ,地下鉄仙台駅から五橋駅まで一駅の利用者は限られる反面,泉方面からの五橋駅への利用者が増える,宮城野区や若林区方面から原チャリなどで泉に通っていた学生分が東西線経由で使うようになるとのプラス要素もありますが,短期的にはマイナスでしょう。

 ただ,中期的には学都フリーパスを前提に沿線へ居住する学生の増加も見込め,そういう学生はバイトや趣味も地下鉄沿線で済ませる傾向になるので,やはり1万人以上の学生そして教職員がこのエリアに集まることの効果は長い目で見るとありそうです。

立派な新キャンパス

 西側入り口から左側が講義棟,右側が高層棟で,奥側(東側)にホール棟と研究棟が配置されます。また,2階レベルで各棟を繋ぐTGUリングというデッキも設置されています。

Pb262331

 この時計がシンプルながら,いい雰囲気を醸し出していますね。大学のキャンパスらしいというか。

Pb262337

 高層棟は17階建てで,南側から都心に向かう際に,かなり目立つ存在になっています。移転した旧市立病院は10階建程度だっただけに。

Pb262332

Pb262339 

地下鉄五橋駅に直結!

 旧市立病院時代もでしたが,地下鉄五橋駅に直結で利便性は高いです。

 東西線に直結する東北大の川内,青葉山キャンパスに続き,仙台で3番目の地下鉄直結キャンパスが誕生します(他,福祉大のステーションキャンパスはJR東北福祉大駅に直結)。また,東北大キャンパスは敷地内に駅があっても建物が平面的に広がっており,地下鉄駅からのキャンパス内の移動も生じるのに対し,この学院大学五橋キャンパスは敷地面積がコンパクトな1.8haで中高層ビルで構成されるため,各講義室や研究室への移動も楽々でしょうね。地下鉄を使えば仙台駅前から10分後にはキャンパス内に!ということも可能に?

そのような短距離利用者の掘り起こしを考えると,わずかな運行経費の削減を目的とした来年7月からの地下鉄の昼間休日減便(10分間隔化)は愚策だと思うのです。10分間隔と分かっていたら歩く人も増えるのでは。

仙台市地下鉄 来夏に減便へ(9/15)

東西線はしょうがないけれど,特に基幹路線の南北線ではやってはいけない。

仮に全線で10分間隔にしても折り返し可能な五橋と台原駅間だけは5分間隔にし,都心部の短距離利用者の利便性を下げないようにすることは必要なのに,残念です。

Pb262349

 駅改札自体はやや北側にあるので,地下コンコースを無理やり南側に伸ばす形となっており多少距離はありますが,それでも改札出てから1~2分後にはキャンパスに入ることができます。

市立病院時代はこのシャッター部分から病院建物にすぐ入ることができましたが,長年閉じられていました。久々に日の目を見ることになります。この出口を抜けると,短い屋根付き通路を挟んで,キャンパス内の高層棟に入ることができます。

Pb262340

以前,構想としては,地下レベルでキャンパスに入れるようにすると聞いた覚えがありましたが,あと半年を切った現時点での状況を見る限りではその準備工事もないので,上写真のシャッター部経由で地上一階レベルでの連絡になるのかな。パルコ2と仙台駅もですが,最近地下鉄駅と地下レベルでの建物接続が少なくなっていることは残念です。

   Pb262347 

地下レベルでキャンパス建物と接続するとしたら,この場所になります。

Pb262348

なお,従来からある,土樋キャンパスや福祉プラザ方面の南1出口方面通路です。途中狭くなり段差も多いですが,地下レベルで両キャンパスを移動する学生が増えそうなので,このルートをより活用するのであれば,五橋キャンパスから五橋駅への地下連絡通路を作ると良いのではと。またこの地下通路を延長して土樋キャンパス方面に伸ばすという構想も聞いたことがあるので。

Pb262342

【12/25追記】

 大学の計画やアセス資料では,高層棟の地下2階レベルで,五橋駅改札階コンコースへ接続する計画となっています。

 連続する3本のエスカレーターで,地上2階⇔地上1階⇔地下1階⇔地下2階⇔五橋駅改札階コンコース へ誘導することができます。逆に,このエスカレーターと地下連絡通路ができないと,既存の南1出入り口のエスカレーターは上りしかなく,階段幅も決して広いとは言い難いので,結構混雑するのではという危惧が。

 また,五橋新キャンパスと土樋キャンパスとの行き来が地上レベルで増えると,横断歩道の横断者の増加などで渋滞の名所のY字路交差点のクルマの流れにも影響が出ることから,学院側としては上写真の五橋駅内通路南1方面への誘導を考えているようなので,なおさらこの地下接続計画の実現が望まれます。

Fkzqnu3aeaa2fcy Fkzqnuxagaafoso

学院大の攻勢

 2023年度からの都心部へのキャンパス集約と同時に4つの新学部「地域総合学部」「国際学部」「人間科学部」「情報学部」も設置し,より幅広い受験生を集めることができるようになるほか,付属の学院高校も男女共学化したこともあいまって,東北学院という法人自体への期待度が上がっているように感じます。東北随一の総合私大の学院大であっても,首都圏の中堅大学との競争もあるし,少子化の時代で生き残っていくには立地も中身もアップデートしていくことが必要で,特に今回のキャンパス集約で,石巻などの県内の大部分はもちろん,一関,福島,山形などの隣県からの通学もより容易になります。

 よって,泉キャンパス分に限っては利便性の向上で仙台へ引っ越してくる学生の減少というマイナス面もあるかもしれませんが,工学部への県外からの学生分で相殺されるし,後背地も含めた広い地域として考えれば,学生を抱える世帯での費用が節約されること,学生自体も時間を効率的に使うことができるようになるなどメリットしか浮かばない。これも10年前に厚生病院と手を挙げかけた医学部構想を断念したからこそ,このキャンパス統合に資源を集中させることができたという面もあるのでは。

過去記事 

 医学部新設に東北学院大も名乗り? 2013.12.15

 仙台駅前などの都心部にとっても昼間うろうろする学生が増え,教職員もアフターファイブに飲みや買い物をすることになり,確実にプラスになるでしょう。逆に泉中央駅前はちょっと厳しい状況が続くでしょうが,多賀城は駅近の再開発地が生まれ,居住人口の呼び込みなどにうまく活用できる種地が生まれます。

 他の大学を含めた競争が激しくなってくるので,それぞれ切磋琢磨するきっかけになればと思います。

スポンサーリンク

| | コメント (2)

« 2022年11月 | トップページ | 2023年4月 »