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2020年9月26日 (土)

東西線開業からまもなく5年 荒井駅周辺レポリターンズ

 2015年12月6日に開業した仙台市地下鉄東西線。

 車両基地を持つ東の終点として開業した荒井駅ですが,開発が終盤だった荒井土地区画整理事業地からみると東に寄り過ぎ,駅の東側は車両基地と東部道路で駅勢圏が抑えられるなど,条件としてはあまり良くない条件で開設された駅でした。

 いろいろと心配された東西線の開業からあと2か月ちょっとで5周年を迎えますが,荒井駅周辺に先日久々に寄ってみました。

関連過去記事

東西線の終点 荒井駅前レポート(H29/9/17)

荒井にライブホール”仙台ギグス” 5月開業(H29/2/17)

東西線 荒井駅レポート(H26/2/14)

 今回は,運動を兼ねて自転車で向かいました。荒井駅に地下鉄で行ったのは,うみの杜水族館に荒井駅からのシャトルバスで行った時以来ないなぁ。南北線沿線の太白区民からすると,荒井に地下鉄で行くのは,一本で行ける泉中央に行くよりも遠かったりします。距離的には近いのですが。

微妙に変化した荒井駅前

 荒井駅前にダイワハウスが取得していた土地。

 ホテルとかいろいろと構想があったと記憶していますが,荒井自体が郊外型の街であり,また駅勢圏が狭いこともあってこの土地には動きはありません。曇天の日だったので,写真写りが良くなくて済みません。

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 同じダイワハウス系で,ちょっと南側にアクロスプラザ荒井東としてスーパー中心のこじんまりとした開発を行っているので,ごく近接した駅前で商業系の開発は難しい。そもそも,それよりも規模が大きいフレスポ六丁の目南町(ヨーク ヴィーフジサキ他)を行っているのでなおさら。

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 とはいえ,駅前で東側には,医療モールと賃貸住宅で構成されるビルが立地していました。なので,駅前広場自体は勢いのあると言われる南北線富沢駅と比べると,開業5年であることを考慮すると,よっぽど整備が進んでいる面もあります。

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富沢駅に似ている荒井駅

 改めて考えると,【富沢駅 ー 荒井駅】は本当に立地条件は似ていますね。

〇富沢駅の南側,荒井駅の東側は,車両基地と高速道路【南部道路 ー 東部道路】で駅勢圏の広がりを欠いている。

〇離れて並行してJR線【東北本線 ー 仙石線】が通り,地下鉄ターミナルながらも以遠からの需要が見込みづらい。

〇地下鉄開業時点で,先行して仙台駅寄りの地域で既存の区画整理【富沢長町 ー 荒井】が概成し,駅前は街はずれだった。

〇駅から1.5~2km程度離れた区画整理地で,集客力のある郊外型のNSC【アクロスプラザ富沢西 ー クロスモール荒井,フレスポ六丁の目南町】が立地。

〇郊外型飲食店が張り付く幹線道路【仙台館腰線 ー 産業道路】が多少離れた場所に通っている

〇よって,駅前の商業面での集客力がなく,近隣型のスーパー【生協,富沢イオン ー サンマルシェ】のみ

〇カフェなど【スタバ,コメダ,星乃,シベール他多数 ー フラットホワイト,THE BREDBAR,シベール他多数】が多く立地

 東西線の中でも荒井駅は大町西公園に次いでワースト2の利用者ですが,荒井東区画整理地の南側で行われる長喜城東地区の区画整理や未だ田園が広がる北口など,ポテンシャルは高いとは思っています。

イグーネ荒井

 オシャレ過ぎて入る勇気が出なかったし,駐車場が満杯な位繁盛していたので,外観だけでスルーしましたが,今度は是非入ってみたい施設です。

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 泉パークタウンで有名なカフェであるフラットホワイトコーヒーが出店しています。

それ以上に,この緑豊かというかイグネをイメージしたという独創的な建物は魅力的。

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ジャイアントストア・仙台GIGS

 ジャイアントストアは,コロナ対策で自由に入店できなかったので,入り口でUターンしましたが,駐車場には入店待ちの車が数台止まっていました。仙台では泉中央のTrekのストアも最近オープンするなど,自転車ブームの影響が続いているのかな。

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 仙台GIGSは,コロナの影響でイベントが軒並み中止となり,本当に厳しい状況が漏れ聞こえてきています。

 その状況でも,Withコロナで感染対策を講じながら,徐々にイベントを再開させようと動いており,同じく厳しい長町PITとともに,何とか持ちこたえて欲しいと思っています。

 併設テナントも利久が業態変更して「やみつきホルモン」になっているなど,イベント来場者に頼らず地元客向けとして乗り切ろうとしています。

若林警察署など

 仙台南署で管轄していた若林区で念願の警察署がH31年4月に設置され,その周りにも蒼会の病院やフットサル場など,施設立地は順調に進んでおり,空き地は目立たなくなってきています。駅前のダイワハウスの土地を除いては。 

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マンションも分譲中

 荒井駅南口から徒歩1分の目の前に,「クレアホームズ仙台荒井駅前」が分譲中でした。HPでは間もなく完売とのことですが,この場所でマンションを選ぶにしても買い物はクルマ必須の物件なんでしょうが,通勤で確実に座っていける始発駅の需要は根強いですね。

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 以前は寂しかった富沢駅も今では長町駅に近い利用者数を誇り,地下鉄南北線の朝ラッシュ時は次の長町南駅からは座れない程度の利用率となっているようです。この荒井駅周辺もコンスタントに分譲マンションや賃貸住宅の供給が続き,六丁の目駅では座れないくらいに駅利用者が増えて欲しいところ。

 コロナの影響で,学生利用の激減の影響を受けている東西線ですが,この荒井駅をはじめ地道に利用客を戻して行って欲しいところ。

何よりも駅前のダイワハウスの土地,そして北口の田園の開発が鍵を握っています。この街には引き続き期待していきます。

 

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2020年9月19日 (土)

ベガルタ仙台 債務超過を回避するために

 レディースチームのマイナビへの譲渡決定ニュースの際に,さりげなく8億の赤字見込みとの情報を流していたので,愕然とするとともにある程度の覚悟はしていましたが,このタイミングで,前期4億の赤字に続き,今期7億の赤字見込みとのニュースが流れました。

ベガルタレディース マイナビへチーム譲渡発表(9/2)

 本当に,気持ちがザワザワします。正直,悲しいし,腹立たしい思いです。

ベガルタ、3億5000万円債務超過 20年度見込み コロナで収入大幅減

サッカーJ1仙台などを運営するベガルタ仙台(仙台市)が、2020年度決算で約3億5000万円の債務超過に陥る見込みであることが17日、分かった。新型コロナウイルスの影響で入場料収入とスポンサー収入が大幅に減少し、営業収益が前年度比9億円減の約18億円まで落ち込むため。経営改善策の一環として、サポーターらに近く運営資金の募金を呼び掛ける。

 河北新報社の質問に菊池秀逸社長が書面で明らかにした。入場料収入は予算比5億4000万円減の1億5000万円、スポンサー収入は同3億円減の9億8000万円にとどまると試算。最終赤字は現チーム名となった1999年以降最大の約7億円を見込み、純資産3億5600万円を上回る。
 Jリーグの規定では、債務超過に陥るとリーグ参加資格となるクラブライセンスをはく奪されるが、今期は新型コロナによる特例措置で適用されない。菊池社長は「来期も特例措置を継続するかはリーグが今、検討中」と説明した。
 今後は経営改善を進める。19年度に約13億円を計上したチーム人件費は「リーグで最低の水準にあり、J1で戦い続けるには最低でも現在の金額が必要」と来期も維持する方針。経費削減に向け、1日にはマイナビベガルタ仙台レディースの経営権譲渡を発表したが、他の支出項目も「聖域を設けずに予算を削減する」とした。
 収入面では、感染予防による試合の入場制限が続き入場料収入の回復は見通せない。19年度並みの営業収入を達成するには「少なくとも15億円のスポンサー収入が必要」と強調。新規協賛の獲得や既存分の増額に力を注ぐという。
 募金活動は今月下旬から始める予定。クラウドファンディングや口座振り込み、ホームのユアテックスタジアム仙台(仙台市泉区)などで協力を求める。
 菊池社長は「債務超過の解消が最大の課題。自助努力で赤字額の圧縮に努めていく」とした(9/18河北より引用)。

なぜ社長自らの呼びかけがないの?

 チーム及び社長が自ら発表という形ではなく,「河北新報社の質問に,社長が書面で明らかにした」という形で,こんな深刻な事態が明るみに出るのが,非常に不本意。

 今期はコロナのせいなので,だれが社長をしていても当然大変さは変わらないにしても,昨年の4億の赤字は今年の大量選手補強のための先行投資だったはず。それが,けが人続出というアクシデントが生じているとはいえ,監督交代の判断も現体制でのこと。

 渡邉監督をクビにして木山監督への交代,何が起こったのかという赤字覚悟での怒涛の補強にも関わらず,今シーズンの歯車が噛み合わず悪くなる一方の成績。何からなにまで,裏目に出ているのを何とかするのも,トップの大きな役割では。

 これまで,表にでず何も危機的な情報を自ら発信せず,「マスコミを通じての書面での回答」で,サポーターに対しての寄付の呼びかけというのは,ホンキとは思えない。まずは自分の口で状況を説明して,できることはやったけれど,これだけは協力して欲しいと呼びかけるのが筋ではないか。

入場制限3400人の継続に疑問

 本日9月19日から,イベントの観客数の制限が緩和され,会場のキャパシティに関わらず一律5000人という上限規制が撤廃され,スポーツに関しては収容人員の50%までは収容が可能となりました。プロ野球もJリーグも徐々に観客数を増やしていく方法で,本日の試合では1万人超に入場可能数を増やし,豊田スタジアムでのグランパスの試合では1.2万人弱の入場者がありました。

 比較的前のめりのプロ野球に対し,感染拡大防止ガイドラインに基づき慎重なJリーグという構図ではありますが,経営危機のベガルタ仙台が,早々に観客数の上限を3400人から増やさずに運用するという発表をしたことについては,びっくりしました。慎重すぎるというか,ことなかれ主義というか。まずは少しずつ増やして行くというメッセージを発するべきでは。

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ベガルタ仙台、観客数増やさず3400人上限に運用

 J1仙台は12日、新型コロナウイルス感染拡大防止策として、本拠地のユアスタ仙台(仙台市)の観客数を増やさず、当面は現在の約3400人を上限に運用すると発表した。観客同士の間隔を一定距離空ける措置を継続するため。
 ユアスタ仙台の場合、Jリーグの感染拡大防止ガイドラインに基づいて1メートル以上の間隔を確保するには、現在の上限を維持する必要があるとしている。
 Jリーグは11日、政府のイベント制限緩和の決定を受け、19日から観客数を緩和すると発表。上限を会場収容数の50%とし、収容数が1万7000人以上のスタジアムは30%程度から段階的に引き上げる。従来は上限5000人だった(9/13河北より引用)。

 基本的に,1.7万人以上のスタジアムの観客数上限を30%にでき,徐々に引き上げられることになったのであれば,そんな寄付なんてものではなく,入場料収入として堂々とサポーターからチケットを買ってもらえば良いのではないか。3割であれば約5,500人と最大2000人程度増やすことができ,それだけで単純計算で1試合500~800万円の収入増が見込める。

 それに,このチーム成績面での苦境を打破するためには,手拍子だけかもしれないが,入場可能なサポーターを増やすことで後押しにもなると考えないのだろうか。

 更に,徐々に収容人員の50%(約9000人超)を目標に増やして行けば,その収入増も更に期待できる。

 県から出ているイベントの対応方針でも,スポーツに関して慎重な対応は求められておらず,こんな危機的な状況で,お行儀良く観客数を自己規制しながら,スポンサーやサポーターに協力して下さいというのは,とても本気で考えているとは思えない。

 より経営的に厳しい状態が明らかなサガン鳥栖の本日主催試合では,5000人まで増やしていたし,様々な解決策を見極めていくにあたり,入場料収入の落ち込みをなるべく減らすことが最も容易な手段。

 近日仙台市以外での感染拡大が気になる状況ではありますが,プロ野球と異なり基本的に試合中はビールも売っていない(アルコール持ち込みも禁止)なので,マスクを外すことはプロ野球と比較しても少ないのではと思います。

このチームを守りたい

 ブランメル時代から通っているこのチームがなくなることは勿論嫌。これまで多くの感動をもらったし,ベガルタ仙台を応援することは日常そのもの。よって,当然寄付はするつもり。ただ,それ以外でも債務超過を回避するためにどのような手段が取れうるのか。その情報を待つことにしたいと思います。

 ただ,今回を乗り切ったとしても,このままの経営体制では早かれ遅かれ行き詰るのは確実。市民クラブを標ぼうし,このままの船頭多くして船山に上るような体制は,大企業の少ない宮城・仙台という地でチーム運営していくためにはやむを得なかったとしても,例えば,長年胸スポとしてスポンサーして頂いているアイリスオーヤマは近年更に業績を上げており,このようなときにこそ経営面を含めて関与を強めてもらっても良い。また,全く新しい企業に参画してもらうこともあり。少なくとも,株主企業の持ち回りで天下り的に社長を回しているのはもう無理なのでは。

 中々気持ちの整理はつきませんが,もう少し状況を見たいと思います。

 経営面も当然ですが,チームの成績も大事。明日のFC東京戦。まずは選手の奮起を信じています。

 

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2020年9月11日 (金)

宮城県内3病院統合構想 名取市も誘致に名乗り

 突如,富谷市が名乗りを挙げた,県立がんセンター,仙台赤十字病院,東北労災病院の統合新病院の誘致。

統合3病院の移転地に富谷市が名乗り?(9/9)

当初から病院残留への努力を表明していた名取市が,負けじと誘致を表明しました。

宮城3病院連携・統合 名取市も誘致表明

宮城県立がんセンター(宮城県名取市)と東北労災病院(仙台市青葉区)、仙台赤十字病院(太白区)の連携、統合に向けた協議に関し、名取市の山田司郎市長は10日、病院の統合移転を想定し、市内に誘致する意向を表明した。今後、県に要望書を提出する方針。
 山田市長は市議会9月定例会一般質問で「県立がんセンター機能を含む連携統合病院の市内への誘致に向け、速やかに要望活動を行いたい」と答弁。用地確保については「全面的に協力したい」との考えを示した。
 山田市長は「間もなく8万都市になろうとする名取市には総合病院、地域医療支援病院がない」と現状を説明。病院誘致は「市民の安心安全と仙南の地域医療に大きく貢献する」と強調した。
 3病院の連携、統合を巡っては、富谷市が既に誘致に名乗りを上げている。(9/11河北)

ライバル意識が強い両市

 仙台を挟んで南北でそれぞれ市制施行している名取市と富谷市。

 名取市が市制施行して65年が経つのに対し,まだ市制施行から4年弱の若い富谷市。

 人口は8万弱の名取市に対し,富谷市は5万2千人と名取市がリード。ただし,富谷市は泉区に続く大規模団地の造成の流れにより,名取市が市制施行した時期にはわずか人口5000人強だったのが,この65年で10倍という急激な人口増加を果たしました。

 この両市の現市長は,揃って2期目を迎えていますが,前々回の初めての選挙で仙台市地下鉄南北線の延伸を唱え当選した(のちに名取市の山田市長はこの構想を市議会の反対により撤回)という浅からぬ因縁もあります。

地下鉄南北線 延伸へのラブコール(2016/7/30)

富谷町長選に思う(2015/2/11) 

 今回の統合病院誘致についても,現在がんセンターが立地する名取市が誘致することを見越して,富谷市が先手を打って県庁訪問をしてアピールしたところ,名取市も当然ながら「うちが優先でしょ」とジャブを打った構図。

 これに続く動きはあるでしょう。ただ前回記事で言及した多賀城市の東北学院工学部が五橋に移転した跡地活用については,当然ながら学院大学の意向もあるし多賀城市と跡地活用計画がまとまらないと,立候補できないので,両市に遅れをとることにはなります。

 また,普通に考えれば,合併前の旧仙台市内の方が強みがあるので,医師会の意向を考えると,みすみす市外には渡さないという動きもある。

 まぁ,これまで全国的にあった県立病院と市立病院の一本化(釜石・酒田・高知等)とは異なり,独立行政法人や日赤という公的性格を持ちながらも,別個の経営母体である病院との統合の事例は,あまり聞きません。なので,決定までも4~5年位はかかるのではと思います。

名取市内の候補地

 当然,ファーストチョイスは現在のがんセンター敷地と隣接する山林を造成しての拡張でしょうが,今回の統合話はがんセンターの立地条件が必ずしも良くないことも一因でもあり,名取市としてもこの案は積極的に推しづらい。

 そうなると,駅徒歩圏に統合病院の敷地を確保ということになりながら,JRとアクセス線が通り,地下鉄に匹敵する髄一の便利さを持つ名取駅徒歩圏というと,土地がないのがネック。徒歩15分圏に広げれば,現在進められている増田西土地区画整理事業地に確保する選択肢もあり,そうすれば高台のがんセンターと異なり駅から平地なので,スタッフは良いけれど,患者さんが歩いて通うのは厳しい。コミバスのなとりん号を頻繁に設定してカバーするしかない。理想は徒歩10分圏で,例えば駅隣接のサッポロビールに遊休地があれば良いけれど。。。という感じ。

 

 それ以外だと,アクセス線の杜せきのした・美田園駅近くの田園をつぶして移転地を確保することも,次善の策としてありえます。

 ただ,空港利用と同様で,仙台方面からは直通ながらも毎時2~3本で利便性は劣る。岩沼方面からは乗換が必須。それでも県としてはアクセス鉄道の利用促進で悪い顔はしないかも。これも,県医師会がどう考えるか。

 これでも,富谷市よりはアクセスは悪くないので,名取市が出てこれば,富谷市として勝ち目はないかな。

 ふと思ったのが,仙台赤十字病院の南側の電磁研の跡地が100戸規模の戸建て住宅地として分譲されていますが,もうすこしタイミングがよければ,この土地が病院拡張用地になりえたのかなと。もともと赤十字単独で想定していた病院建て替え用地は川内旗立線の向かいなので,道路を挟んで別の病棟を作るのは効率が悪い。

 その建替え用地の周りにはまだ緑が広がっているので,拡張も可能かと思いましたが,八木山はこれ以上の開発は制限がかかっていて厳しい印象があり,どうなるか。

 まぁ,名取市の立候補で面白くなりそうです。

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2020年9月 9日 (水)

統合3病院の移転地に富谷市が名乗り?

 先日,突然明らかになった,県立(地方独立行政法人)のがんセンター(名取市),仙台赤十字病院(太白区八木山南),仙台労災病院(青葉区台原)という,宮城県の医療界で存在感を発揮する3つの病院の統合の動き。

宮城県立がんセンターなど3病院が連携、統合協議へ 高度な医療提供を目指す

宮城県立がんセンター(名取市、383床)と東北労災病院(仙台市青葉区、548床)、仙台赤十字病院(太白区、389床)について、県と各設置者が連携、統合に向けた協議の開始に合意したことが3日、分かった。増加傾向にある合併症への対応など、より高度な医療が提供できる体制の構築を目指す。近く協議を開始し、年内に具体的な方向性を判断する考え(以下略)。(8/4河北より引用)

 何故?と驚きましたが,理由として

 〇仙台労災病院を筆頭に,病院の建替えサイクルと言われる30年を過ぎている,又は過ぎつつあること

 〇がんは複合的な病気であることから病状により総合病院との連携が必須となり,がん専門病院での治療に限界があること

が挙げられるようです。

 とはいえ,3病院の経営母体は全く異なり,もともとの県立病院から経営が切り離され独法化されたがんセンター,東北労災病院は独立行政法人労働者健康安全機構,仙台赤十字病院は日本赤十字社と,いずれも公的な性格を持つ組織でありながらも,うまく統合できるのかと疑問はあります。「完全統合」と「各病院を残した上での連携」との選択肢があるようですが,病院の建替えが必至という状況であれば,統合ありきの構想に思えます。

 仮に,3病院の病床数を合わせると,1220床と東北大学病院に匹敵する数。効率化を考えると全ての病床枠を活用はしないだろうけれど,多少縮小しても1000床規模にはなるのではと。

 そうすると,多くの患者・家族だけでなく,医療スタッフの通勤を考えると,なるべく便利な場所,少なくとも鉄道駅から徒歩圏の場所が望ましいのではと思います。

 いずれにせよ,これだけの規模の大病院の統合には,10年スパンの検討・整備期間が必要でしょうね。

立地条件の良い3病院

 がんセンターこそ名取駅から多少距離はありますがそれでも名取市のコミュニティバス「なとりん号」で10分150円。最低限の本数はあり,決して不便ではありません。クルマでも仙台市中心部から30分程度。長町モールにつながる県道仙台館腰線からほど近く,特に仙南方面からは非常に行きやすい,名取市を代表する病院です。

 

 残りの2つの病院は,地下鉄駅から徒歩圏。

 仙台労災病院は街中からほど近く,北仙台と台原駅のちょうど間で両駅から徒歩圏だし,県道仙台泉線近くで車でも行きやすい。この幹線道路を経由する多くのバスも利用可能。

 仙台赤十字病院は5年前に開通した東西線の八木山動物公園駅のおかげで,急坂ながらも何とか駅徒歩圏に。また,バスでも動物公園駅から5分かからず到着可能(100円均一区間)だし,長町方面からも直通バスが毎時2本程度あります。

 車でも,郡山折立線と長町八木山線という2本の都市計画道路の整備により国道286号からのアクセスが劇的に良くなりました。

 統合という話になっても,いずれの病院も不便な場所ではないというところ。

 名取のがんセンターこそ駅からバス・タクシー必須ですが,県内一円からのアクセスとしては別に悪くはない。

 なので,基本的に敷地に余裕のあるがんセンター,もともと道路向かいへの建替えが想定されていた仙台赤十字病院を核に進めるのが良いのではと。仙台労災病院は市街地過ぎて拡張余地がないし,土地を売却することで,移転原資を生み出せそう。

 新たな場所に統合病院を作るにしても,既存の大病院とある程度離れたところが,医療機関の立地バランスからも望ましいとなると,結構限られると思っていました。

富谷市が移転先に名乗り!?

 その統合の話から約1か月,このタイミングで富谷市が統合新病院の移転先として名乗りを上げました。

 今朝の河北朝刊1面でデカデカと。Web版にはUPされていなかったので,紙面を引用させてもらいます。

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感想としては,

〇黒川郡には大病院がなく,バランスとしては悪くはない。土地のあてもあるとは,若生市長の嗅覚は鋭い。

〇県内一円を考えても,車でのアクセスは悪くはない。

〇とはいっても,これだけの大病院を”鉄道駅がない”富谷市内に立地させるのは,医療人材の地域バランスを崩し,スタッフの通勤,患者・家族の通院を考えると問題が多い。

医療人材のバランスを崩すことに

 以前,県が栗原市への医学部誘致を図った際にも,人口6万人の栗原市に600床の大病院を作ると,地域の医療人材のバランスを崩すことになると危惧したものでしたが,人口5万人の富谷市に1000床規模の大病院というのは,医療スタッフの確保の面でも厳しい。

 なによりも,現在の3病院から,看護師・薬剤師をはじめとした医療スタッフがスムーズに移ってこれるのか?

 10年後であれば,当然スタッフは大きく入れ替わるだろうけれど,富谷市移転であれば,一定数の方が見切りをつけて,他の病院に移ってしまうのでは。

 結局統合病院ということであれば,これまでの個別の医療機関とは何から何まで変わってしまうし,実質的に全く新たな病院に勤務するようなもので,どの病院のやり方を残すのかを考えるだけでも,気が遠くなる話。混乱必至なので,医療スタッフとしても残るメリットは小さい。

 仮に,泉区・青葉区・宮城野区北部から労災病院に通勤していた医療スタッフは何とか富谷に通うことができるかもしれないが,赤十字やましてがんセンターに通っていたスタッフの通勤は厳しいと思われます。一人暮らしだったら引っ越しすれば良いけれど,家族持ちでは引っ越しは難しい。当然スタッフは女性が多いので,子育てと両立させようとすると,これまでより遠距離通勤になるのは厳しい。

 看護師や薬剤師ももちろん大変ですが,この規模の病院は医師だけでも200人を超えることとなり,スムーズに旧病院から移ってくれないと,医師確保も大変。そうなると,アルバイト的な応援医師でしのぐのも難しい立地となるのでは。

仙台圏北部の大病院は

 現在としては,泉中央駅西側に徳洲会病院があり,現在西友泉店跡地への移転が進められています。

その他に,富谷市と接する泉パークタウンには,台原からJCHO仙台病院が移転のため病院建設中である他,泉中央に仙台循環器病センターがあるなど,富谷市域には病院はなくとも,隣接する泉区にはそれなりに揃っています。

戦略的な病院誘致?

 基本的に生活機能を仙台市に依存している富谷市であり,医療に関しての仙台市依存度を下げるべく,企業誘致感覚で手を挙げたのかもしれません。

 〇これだけの大病院を誘致すれば,1000人以上の就業者が手に入り,来院者を含めても経済効果が大きい。

 〇将来的には病院近くに多くの方が住んでくれるはず。

 〇市民も大病院が来て安心。

 〇泉中央駅からのバス利用者が激増し,念願の地下鉄延伸やBRT運行に向けた需要の底上げにより,実現性を高める手段となる。

という,富谷市としては安くて広い土地を提供するだけで,これだけのメリットが生じるので,移転の過程で生じる上記のような問題は些細なことにはなるでしょう。若生市長は結構したたかだと感じています。先に手を挙げるメリットは大きい。

移転先はどこに?

 まぁ,当然移転先については,3病院の経営主体が結論を出すことで,その過程で職員の意向も反映されるでしょうが,問題は望ましいアクセスの良い,広い土地が確保でき,他の大病院とエリアが被らないところは限られていること。

 そもそも,現在病院が立地している名取市や八木山地区から大病院が消えてしまうのは,地域バランスを考えてもどうなのか?

 富谷に移転するのであれば,よっぽど名取市の現在のがんセンターや八木山の赤十字病院を核として集約した方が便利ではないでしょうか。

 記事中では,座長である東北大八重樫医学部長が,立地場所を「アクセスの良い場所に」と指摘しているようで,当然ながらこのような統合大病院を成功させるには,立地条件が第一であるでしょうね。

 この富谷市の動きを発端として,仙台市及び仙台市周辺自治体で誘致の動きが出てくればと思います。

 個人的には名取市を推したいのですが,穴場の土地としては,多賀城市の東北学院大学工学部が撤退する跡地などは,「駅から徒歩圏」「まとまった土地」,「多賀城市としても,大学撤退のダメージを補って余りある効果」と思います。時期も丁度良い。

 他,仙台市内では,荒井駅北口の農地も面白い。東部道路の仙台東ICも近く,県内全域からのアクセスも良い。

 あと,愛子地区は東北道での県内からのアクセス,仙山線が使えること,土地確保の容易さもありますが,ちょっと西に寄り過ぎの感が。

 まだ先の話とはいえ,東北医科薬科大学病院を病床数ではるかにしのぐ,東北大学病院に次ぐ規模の大病院が誕生するとなれば,失敗は許されない。統合が実現するかどうかも未知数ではありますが,この動きは注視していきます。

 

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2020年9月 6日 (日)

仙台市 バス・地下鉄「運賃値上げ」か?

 震災前は,南北線だけで1日16万人台をピークに利用客が頭打ちとなり微減傾向で14万人台まで落ち込んだ仙台市地下鉄。

 震災後は1か月以上の台原駅以北の運休もあり,さらに落ち込みながら,その後,被災沿岸部からの被災者が沿線のみなし仮設等へ転入するなど,仙台への人口集中が起こったこともあり,利用客数が反転し増加に転じました。

 2015年末の東西線開通後は,さらに東西南北を移動できる2路線目を得たことによる利便性向上により需要が喚起されました。東西線沿線への住民の張り付きが続き,昨年度までは南北線及び東西線とも順調に増え続けてきたのは嬉しい誤算でした。

仙台市地下鉄 踊り場に差し掛かる利用者数(R1.10.26)

 南北線は乗換客含みながらも1日20万人程度の利用客を確保することとなり,東西線も当初はガラガラと叩かれながらもハイペースで増加し,合わせて25万人超(乗換客の重複除く)の利用者確保するところまで伸びてきたところ,一転コロナによる大幅な利用客減に見舞われました。

 その利用客も概ね戻りつつある昨今ですが,こんなショッキングがニュースが流れました。

仙台市 バス・地下鉄「運賃改定」検討 赤字が続く 経営方針一本化

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仙台市交通局は赤字が続く市バスと地下鉄の経営方針を一本化します。それに伴い策定される「経営計画」について、運賃改定などを盛り込むことが確認されました。

これは仙台市交通局に設置された「中期経営計画検討委員会」が作成した計画の素案の中で示されたものです。

それによりますと、バス事業は年間30億円に上る一般会計補助金を繰り入れることで採算が合わない路線を維持し、運賃の値上げを回避してきたことなどから、喫緊の課題として運賃水準の検討を必要としています。

一方、地下鉄南北線については1987年の開業から30年以上が経過し車両更新などの大規模投資が控えていることから、経営の引き締めを図るとともに運賃改定の検討が必要だとしています。

検討委員会は、素案を基本に12月には中間案を作成し、来年2月に最終案を取りまとめる方針です(9/3仙台放送)。

 経営方針の一本化と値上げがいまいち結び付かないですが,いずれにせよ,昨年10月に消費税UPで10円アップが行われ,初乗り210円をはじめとして割高感をより感じるようになった昨今,さらなる値上げが検討されているというのはショックです。

日本一高い地下鉄?

 まぁ,開業時は初乗り大人160円だったことはうっすらと覚えていますが,定期的に値上げされ,気づいた時には全国の公営地下鉄(都営地下鉄を除く)標準の初乗り200円になりながら,それ以降は消費税のUPに伴う値上げ以外は行われずに踏みとどまっていたというのが現実でした。

 なので,頑張っていたという面が大きいですが,それでも,運賃の上がり幅は他都市の公営地下鉄と比べても大きく,「日本一高い地下鉄」という不名誉な称号を与えられて久しいこの仙台市地下鉄。

1区 2区 3区 4区 5区
~3㎞ 3~6㎞ 6~9km 9~12km 12km~
210円 250円 310円 340円 370円

 個人的には,

〇初乗り料金は消費税UPに先んじて京都市地下鉄が210円(現在は220円)と日本一高い

〇運賃の上がり幅も埼玉高速鉄道のように全線20分乗ったら480円を超える料金よりは安い(仙台では20分で340円)

と,心の中では反論を続けてきましたが,消費税10 %になった昨年10月の値上げで初乗り210円,最も利用客の多い仙台―泉中央間が310円と区切りの良い料金ではなくなってしまったことで,正直高いなぁと思うようになりました。基本ICカード利用なので,その都度料金を払う訳ではないことで,負担感は小さくなっていますが。

 初乗りについては,全国の地方大都市の地下鉄でほぼ横並び的に210円にはなっているので仕方ないと思うしかないですが,仙台市地下鉄の運賃の上がり幅の特徴として,3km毎にきれいに上がること。

 初乗りが6kmまでの東京メトロは別格としても,他都市は初乗りは3kmまでのところが多いが,次の上がり幅が4km刻みだったりして,比較的遠距離逓減となる運賃体系になっています。

 それでも,震災後及び東西線開業後の主に南北線の利用客激増で経営的に一息つき,そんなに古びていないように見える南北線の車両更新の話がでるなど,当分は大丈夫かと思っていましたが,その車両更新を原因とする「運賃値上げ」が今回謳われているのであれば,車両更新のペースをゆっくりにするなど,無理ないペースでやれば良いのではと。そもそも施設の老朽化を踏まえた減価償却費を計上していなかったのかという疑問も。

市バスの経営悪化

 一方,地下鉄よりも市バスの方が将来性は悲観的で,一般会計からの繰り入れ金の額も東西線開業後に激増し,年間30億とのこと。

 いつの間にかに減便改正を繰り返し,ターミナル駅発22時以降の便が消滅した宮城交通。利用者はあきらめムードにある他,スポンサーであるためか地元マスコミもほとんど取り上げない(5月に河北がちょっと取り上げた位)のに対し,市営バスのダイヤ改正には市民への事前の説明が必須なのを良いことに,市政与党を標ぼうするK党が目を光らせており,また沿線住民も東西線開業時のバス再編や減便に反対一色となり地元マスコミが格好の餌食として取り上げていました。

 それで減便率がわずかに留まり効率化が進まず,(わずか1割負担の高齢乗車証利用者を中心とした)向山など一部沿線住民が望むようにした結果,運賃の値上げを強いられるというのは腑に落ちない。

 とはいえ,下記過去記事で述べたような非効率な運用も多かったりするので,見直しは避けられない状況です。

仙台市地下鉄&市バスの新しい動き(4)苦悩が続く市バスと経営改善に向けた取組(H29.11.19)

 値上げについては,まずは都心部120円パックを通常の初乗り150円にすることで,同じ事業体の地下鉄との無駄な競合を避けること(それでも地下鉄より60円安いので妥当な料金),東西線3駅の100円均一区間の見直し,荒井駅近辺などほとんど乗っていないバス路線の減便など,メスを入れるべきところに手を入れるのが先では。

 八ツ森のようなデマンド交通化なども含めて,やれるところから徐々に進めている印象ですが,終点近くまで乗ると500円を超えるような郊外長大路線の扱いなど,大手術は必要な状況。まあ,コロナの感染拡大防止で3密を避けるなどの要請があり,乗客増が見込めない状況であれば,値上げに走るのが手っ取り早い収支改善方法なのでしょうが,市バスに関してはちょっと安易では。まだやるべきことはある印象。

 従来であれば,宮交への一部路線移管も検討されたのでしょうが,このコロナでその宮交が大ダメージを受けているし,自前路線もボロボロの状況なので,市バスからの移管を受けられる状況ではない。そもそも,過去に宮交に移管したパークタウンなどの泉区内路線が軒並み今回の減便の影響を受けていることから,沿線住民は仮にそういう話があれば移管に大反対するでしょう。

公共交通の位置付け

 そもそも,日本の公共交通機関は,独立採算制を強いられ,コロナ以前から地方の路線を中心に減便や廃止,値上げを繰り返す形で縮小が続いています。

 今回のコロナ禍により,JR東日本や東海などのこれまで年間数千億円レベルの黒字を上げていた恵まれていた大手でさえも莫大な赤字に見舞われました。長距離需要が吹き飛んだことは全く予想つかないことですが,東京圏のJRなどの通期電車の乗客が2~3割減っただけで経営が成り立たないというのは,根本的にスキームがおかしいのではと思います。

 まぁJRは国鉄民営化の命題として,本州3社は消費税UP以外の値上げは極力タブー視されていました。従来本州3社については長距離旅客需要の増,合理化の進展もあり収益を上げ続けられたことから,値上げをせずに済んできたという経緯もあり,極端に安い概ね15㎞以内の近距離運賃や,高すぎる定期割引率(仙台長町間では,JR定期は市営地下鉄の半分未満の料金)が温存されていたことで,大都市圏では私鉄と比較しての競争優位が起こってきました。

 なので,JRに対してはある程度の収益改善を図るため,その歪んだダンピング的な近距離運賃と定期運賃の見直しを認めるべきかと思っていますが,それ以外の私鉄・公営地下鉄については,もともと運賃も安くはなく,定期も20日以上乗らないと元が取れず,週休2日制があたりまえの昨今では休日に乗らない人にはあまりお得感がないような設定のところが多いので,これ以上の運賃値上げによりカバーすることは非現実的。やむを得ず値上げを進めることになれば,「利用者減→自家用車への転移→経営状態の更なる悪化・道路混雑の悪化」と社会としても便益が悪化することが見えています。

 公共交通機関は,社会的インフラであり,自家用車との適切な役割分担を図る意味でも,公共交通機関を使いやすく維持するのは行政の責任でもあり,独立採算制に縛られ過ぎなのはどうなのかとは思います。人口減少に向かう世の中なのに,特定財源の存在から,新たな道路建設が聖域視されており,次から次へと改良された新しいバイパス道路が作られている一方,既存の道路インフラの維持管理費が厳しい状況になっているアンバランス。また道路部門と公共交通機関部門とのアンバランスも。

 仮に,道路予算の1%でも公共交通機関へ向けられることができれば,このコロナの状況での各経営体の存続危機状態を緩和させ,持続的な経営に向けて立て直すことができるのに。

 なお,仙台市バスの年間30億の一般会計繰り入れというのは額としては大きな金額であり,ある程度の効率化は必要ですが,道路予算とのバランスを考えると高すぎる訳ではない。市民の自由な移動を促進する意味では,必要経費ではあります。

経営計画の一本化?

 経営計画の一本化というのが,同じ企業体ながらも運営は別個である地下鉄部門とバス部門をより連携させるという方向であれば,内容はよくわかりませんが歓迎すべき話。現時点では地下鉄―バスでのicscaでの乗り継ぎポイント付与はありますが,予算も決算も運行計画も別個というのはどうなのかと思うので。

 地下鉄とバスの重複路線の解消とバスの乗り継ぎフィーダー化などは,バス側からすると運賃収入が激減しますが,地下鉄側としてはその分の運賃収入が見込めるという面はあります。会計の一本化は無理でしょうが,経営計画だけでもトータルで見れるようになれば良いと思います。
 

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2020年9月 2日 (水)

ベガルタレディース マイナビへチーム譲渡発表

 コロナの影響を受けているのはベガルタやサッカーだけでなく,野球を含めたプロスポーツ全般ですが,親会社がなく支え手も脆弱なこの仙台の地で,チームの存続を図るためにはなりふり構っていられない状況なんでしょう。

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 3年前から命名権による「マイナビベガルタレディース」に名称変更されてたのが伏線でしたが,チームがベガルタから離れ,マイナビへ譲渡されることとなりました。

マイナビベガルタ仙台レディースの経営権譲渡 株式会社マイナビと合意書締結のお知らせ


 株式会社ベガルタ仙台は、マイナビベガルタ仙台レディース(プレナスなでしこリーグ1部)およびレディースアカデミーの経営権を株式会社マイナビへ譲渡するための基本合意書を9月1日に締結しましたのでお知らせいたします。
 今般、新型コロナウイルス感染症の影響で当クラブは今期、大幅な減収を想定しており、厳しい経営状況に陥(おちい)っております。一方で、2021年に開幕するWEリーグへ入会申請した同チームの未来を第一に考え、2017年からタイトルパートナーとして積極的に支援をいただいている株式会社マイナビへプロ化を前提にチームを託すことといたしました。

 (途中略)

代表取締役社長 菊池秀逸 コメント

 2021年のWEリーグ開幕に向けて、女子サッカーは新しいステージへ第一歩を踏み出そうとしています。監督はじめ選手のことを一番に考え、当クラブの経営状況が原因となり、チームを未来へつなぐことができないのは本意ではございません。
タイトルパートナーとして、日ごろよりサポートをいただいている株式会社マイナビと長期間に渡り協議を重ね、当クラブが注いできた情熱や愛情を継承していただけると確信しております。さらなる発展のため、信頼のおける同社へ次のステージに向けてチームを託すことといたしました。
 2011年に東日本大震災で休部した東京電力女子サッカー部マリーゼの移管からスタートし、バトンを株式会社マイナビにつなぐこととなりましたが、チームの活動は仙台をベースにすることは変わりはございません。ファン、サポーター、関係者のみなさまには今後とも変わらぬ応援、ご支援を何とぞよろしくお願いいたします。

代表取締役社長 中川信行さま コメント

東北の復興支援としてスポンサードを始め、それ以来ベガルタ仙台とは深い関わりを築いてまいりました。今回お話しをいただき、WEリーグ開幕という大きな節目を迎える今、チームのさらなる飛躍を実現したいという想いを抱きました。
また、リーグ参入が認められた暁(あかつき)には、「女子プロサッカー選手」という存在が女性アスリートの新たな「キャリア」として成立する世界観を作りたいと思っています。宮城・東北を盛り上げる存在として、地域の活性化に寄与するというマイナビベガルタ仙台レディ―スの基本的な考えや想いを引き継ぎ、仙台のみなさんやファンに愛されるチームを目指してまいります。

プレスリリース

震災復興のシンボルが。。。

 ベガルタ仙台レディースは,震災及び原発事故によりJビレッジのホームを追われた東京電力マリーゼを同じ東北のベガルタが継承した点で,震災復興のシンボル的な意味合いもありました。「ベガルタが引き受けずにどうするの?」という雰囲気もあり,自然な流れでチームを引き受けましたが,2011年の「なでしこジャパン」女子サッカーワールドカップ優勝による女子サッカーブームの後という期待感もありましたが,そのブームが完全に去ってしまった今では男子部と同じ名称を名乗る相乗効果は乏しいもので,スタジアムに駆けつけて応援するサポーターは周りに限ってはほとんど居ませんでした。もちろんスポーツニュースで流れる結果は気にしながらも。

 個人的には,これ以上ベガルタとしてレディースのサポートを続けるのは厳しいながらも,チームの出自を考えた際,来シーズンからのWEリーグへの移行を前に手を引くわけにもいかず,難しいなぁと感じていたところでした。

 男子部の方も,コロナの影響以前から,J1の経営規模から取り残されつつあり,正直女子部を抱えている余裕はなかったのですが,他の男女チームを持つ浦和湘南セレッソ,新潟などの中で,真っ先にレディースチームをギブアップした形になったのは残念ではありながら,ホームタウンを仙台に残したまま,命名権パートナーであったマイナビにチームを引き受けてもらうことについては,大変驚きながらも,良かったのではと思います。

ベガルタ仙台の今後

 この発表と合わせて,今シーズン8億の赤字見込みというニュースも出ました。コロナを理由にして,女子部の譲渡を正当化する材料に使われたようですが,実際他のJ1チームのコロナの影響が出そろっていない現在,また,他のレディースチームを持つところの状況を見ないと,公平には判断できないのではという疑念も。体よく譲渡されたような感もあります。

 その赤字幅をできるだけ小さくするための取り組みの一つとして,レディースの譲渡やボックスシートの設置などに取り組もうとしているんでしょうが,昨年の渡辺監督の首を切ってからの不自然な大補強が経営悪化を招き,クビを占めている状況。現社長になってから,何かやっているんだけれど思いが伝わってこないのがヤバイのではと。白幡社長時代が懐かしいです。

 三セクでの「船頭多くして船山に上る」ような体制では,この先迅速な経営判断はできないのではと,本当に危機感を感じます。

 そのためには少しでもチームにお金を落とすべく心がけようと思います。経済を回そうと,クラウドファンディングや割増商品券で金欠ですが。

ユアスタにボックスシート設置(8/28)

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2020年9月 1日 (火)

「NTT仙台中央ビル」都市再生特別地区に指定

 青葉山サイエンスパークへの放射光施設の整備が進む中,この放射光施設と連携した研究開発拠点として整備が進められるNTT仙台中央ビル。

 市内中心部のNTTの老朽化しているビルは,五橋と青葉通と並んでこの東二番丁通沿いの3か所がありましたが,最も活用されていなかったこのビルが真っ先に建替えとなり,さらに産学連携の拠点としての役割を与えられることとなっていましたが,都市再生特別地区指定により,容積率の大幅緩和による規模拡大が実現します。

「NTT仙台中央ビル」都市再生特別地区の指定了承

仙台市都市計画審議会は31日、市の都心再構築プロジェクト第1号に決定し、NTT東日本グループが再開発を進める「NTT仙台中央ビル(仮称)」(青葉区中央4丁目)一帯を都市再生特別地区に指定することを了承した。

 市は10月に指定を正式決定する見通し。新ビルの容積率が現行の2倍の1180%に緩和され、NTT東グループは当初の16階建て程度を19階建て(延べ床面積4万500平方メートル)に規模変更することができる。
 議案書によると、(1)起業家育成拠点(2)東北大青葉山キャンパス(青葉区)の次世代型放射光施設と連携した研究開発拠点(3)歩行空間やオープンスペース(4)災害時に帰宅困難者300人を受け入れる一時滞在場所-などを新ビルに整備する。
 市はこうした再開発計画を都市貢献と評価し、審議会も特別地区の指定が妥当と判断した。新ビルは2021年7月に着工し、23年9月の完成を予定する。
 特別地区の指定は市内で3例目。「東京建物仙台ビル」(青葉区中央1丁目)の計画を審議会が07年8月に了承し、市が10月に決定して以来、13年ぶり(9/1河北朝刊より引用)。

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NTTグループと東北大の関わり

 NTTグループは,旧電電公社の流れを汲むだけあって,無線や光通信などの分野で基礎的な研究に力を入れているため,全方位的に各地方の旧帝大とは産学連携に力を入れていた中で,歴史のある電気通信研究所を持つ東北大との共同研究でのつながりはもともと強かったところ。

 さらに大学キャンパス内に最先端の放射光施設が整備されることで,東京駅から最短2時間でアクセスできるようになり,NTTグループとしても,この仙台の産学連携拠点となるビルプロジェクトは力が入ったものになりつつあります。

 仙台市も,老朽化したビルの建て替えによる,最先端オフィスの導入促進のため,昨年7月に「せんだい都心再構築プロジェクト」第一弾が打ち出され,発表前から計画されていたこのNTT仙台中央ビルの建替えも着工前で対象になったことから,ビルの容積率が約2倍にまで緩和されるとのこと。

 もともと16階建ての予定から19階にということで,南側のトラストタワーやSS30と比べると存在感は大きくはないものの,それでも前回この特例的な都市再生特別地区の指定を受けた宮交バスターミナル跡地の東京建物仙台ビルの20階建てと同じ位の高さで,延べ床面積は1.5倍弱とかなり存在感のある高層オフィスになりそうです。

仙台都心再構築プロジェクトの行く末

 元々計画が進んでいただけあり「仙台都心再構築プロジェクト」第一弾での第1号プロジェクトとして,順調に進んでいますが,コロナの影響を受けている昨今でも比較的影響が小さいNTTグループが単独で所有するオフィスビルだからこそという面もあります。

 次の候補としては,さくら野跡地や藤崎周辺の再開発の話が出てきていますが,ともに地権者が複雑なエリア。さくら野跡地こそPPIHが一括買収することになっているけれど,藤崎周辺は多くの地権者が権利を保有したままでの市街地再開発事業。それに商業・オフィス・ホテル等の複合開発になると,当然ながら,コロナで影響を受ける商業・ホテル各機能の需要の見極めが難しく,そうは簡単に進みそうもありません。

 とはいえ,先に進められれば,追って実施されるであろう建替えられるビルからの玉突き的な移転需要の受け皿となり,特にオフィス部分は先行者利益を得ることができるので,約5年間のプロジェクトの期限を踏まえて,お互いのライバルの動きを見据えながら進んで行くと信じたいところ。

 

参考記事

せんだい都心再構築プロジェクト(第1期) 施策発表!(その3)容積率が最大2倍に緩和(R1/8/25)

さくら野跡地 ツインタワー超高層再開発か!?(3/20)

藤崎本館建替と大規模再開発始動!(7/8)

 

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