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2019年7月15日 (月)

混雑激化 東北線の課題 (その4)便利だけど複雑。。。

 いろいろと,驚きのニュースが続いたので,若干空きましたが,この続編を。

これまで,JRの東北本線仙台近郊を中心とする混雑について記事にしてきました。

混雑激化 東北線の課題 (その1)利便性向上と利用者増

混雑激化 東北線の課題 (その2)利用者増なのに,進む短編成化

混雑激化 東北線の課題 (その3)JR東日本 H30年度乗車人員発表

 課題としては,

(1)利用者の増加

(2)車両数の短さ(特にアクセス線の昼間2両)

(3)電車本数が多い割に,3路線合わせてのランダムダイヤで,乗客数に偏り

であることが挙げられました。

 これまで(1),(2)について主に言及してきましたが,そもそもこの路線の特筆すべき条件は(3)のとおり,仙台―岩沼間の東北本線・常磐線に加え仙台―名取間の仙台空港アクセス線を合わせると3路線(細かいことを言うと,仙台―槻木間で1日朝夕2往復の阿武隈急行乗り入れを含めると4路線になりますが) が使えるが故の便利さと,不便さがあります。

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単一路線の良いところ

 仙台市地下鉄の南北線・東西線はそれぞれ全て行き先が同じで単一ホームから発車することと,運転間隔が均等(朝は3~5分,昼間は7分半,夕方は5分半~6分)で,極端に前後の電車の混雑率が変わることはなく,安心感があります。

 東北本線と同じJRでも仙石線は単一路線としては東北一の本数になり(約100往復弱),そのうち主にあおば通―東塩釜の本数が多いので,東塩釜までの利用者は基本的に行き先で戸惑うことは少ないかと。

 朝は5~7分間隔(上りあおば通行)

 昼間は15分間隔(下り多賀城駅まで)

 夕方以降は9~12分間隔(下り東塩釜駅まで)

と,近年仙石東北ラインへ快速が移行し,高城町以南の仙石線内は各駅停車のみとなったことから,運転間隔が分かりやすく整理され,全て205系の首都圏のお下がりの4ドア4両の通勤電車までで統一されているのでなので,余計なことを考えずに利用することはできます。

 仙台駅でも当然ながら,下り多賀城方面は地下ホーム(10番線)から全て発車します(高城町以遠だと地上ホーム発車の仙石東北ラインとの乗り分けが悩ましいですが)

 また,本数は毎時3本程度と少ないですが,仙山線も仙台駅ホーム7・8番線発着なので,その点余計なことを考えずにそのホームに向かえば良いので,楽です。概ねホームに電車が待っている形というのも。

複数路線が乗り入れる不便さ

 一方,東北本線上り利用者は,まずは,仙台駅で悩みます。

 〇どの路線が先発か?

 〇どのホームに行けばよいか?

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 地下南口のLCD案内自体は非常に分かりやすいですが,3路線のうちどれが早いか,さらにホームはどこかを瞬時に判断するのは,急いでいる時だと結構至難の業です。

 通勤・通学で毎日使っていて慣れていれば,当然おおよその時刻は頭に入っているにしても,発車ホームまではうろ覚えだったり。

 アクセス線は,大部分が頭端式の3番線ですが,頻発する時間帯で一部4番線があるため,少なくとも3・4番線に行けばよいと思っていました。しかし,朝の1本(8:18発)だけホームの混雑緩和のため5番線発車になります。

 本線と常磐線は,主に5・6番線からというイメージがありますが,本線は何と2~6番線,常磐線は4~6番線のいずれかなので,特に本線は悩ましい。また,車両数によって乗る場所が変わるので,コンコースからの南北のどっちの階段で降りるかも迷うところ。

Sendaista

 

 さらに,座って帰りたくなる,そこそこ遠方の利用客にとっては,

〇ホームに到着している・先に到着するのはどの電車か

〇車両数は何両か

 これらが電車ごとにまちまちです。遅く発車する電車の方が早く入ってきたり,ホームいっぱいに並んでいる列が先発か次発のか。

それに,当然長い6両の方が座りやすいですが,発車時刻表示板に両数が表示されていないので,電車がホームに入ってくるまで分からない。

(長町駅などは,切符売り場やホームに掲示されている時刻表の両数表示は消されましたが,改札やホーム の電光発車時刻表示では両数は記載されています)。

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 加えて,南仙台以遠は降りる客も多いし車内も多少余裕がでてくるので,それほど気にする必要はないですが,降りるのが長町駅と太子堂駅だと, 発車間際の混雑時の乗車の場合,

〇どっち側から降りるか

 というのが結構悩みどころ。この両駅は進行方向で右側のドアが空きますが,3番線5番線から乗ると,反対側のドアになり,降りるのに難儀したりします。長町・太子堂だと,「1駅だけのために使うな」という視線を感じながら混んでいる中降りることになり,いったんホームに降りてくれたり,通路のスペースを譲ってくれないことが多いので,掻き分けて降りるのがストレスだったり。

 さらに,阿武隈急行直通の夕方18時21分発は,3番線発車に加え2ドアの車両で,出入り口付近の混雑が半端ではなく,最近はこの電車だけは避けるようにしています。なお,JRとほぼ同形式の新型車両が7月から2両導入されました。県や沿線市町の補助金が購入費の原資なので, もう2両増備されれば,仙台直通分が置き換わることになるでしょうが,もう少しかかりそうです。

 など,いろいろと疲れる要素が多いです。

 

 仮に3路線の本数が均等であれば,待ち時間も混雑もある程度平均化されるのですが(例えば,毎時本数が本線:常磐線:アクセス線=2:2:2であれば,

00分 30分 東北本線(槻木以遠)

10分 40分 アクセス線(杜せきのした以遠)

20分 50分 常磐線(逢隈以遠)

 と,名取までは概ね10分間隔,岩沼までは10~20分間隔,各線の単独区間は30分間隔と許容範囲になりますが,実際は毎時の各路線の本数は,昼間だと,本線:常磐線:アクセス線=2:1~2:2~3なので,なかなか各路線とも複数路線が合わさった区間も均等な感覚にしづらく,間隔が空いた後にアクセス線2両とかがあると最悪の混雑になります。

 加えて,空港線3往復,東北本線(仙台―福島)3往復の快速があるので,その通過駅は昼間だと20~30分空いたり,最悪なのは,館腰駅の13時台仙台行は1本(それも次列車まで55分待ち)しかなかったりします。

深夜帯の状況

 例えばですが,22時以降は,仙台支社にしては珍しく,仙台駅発がほぼ分かりやすい等間隔ダイヤになっています。数年前までは,楽天帰り泣かせの,22時9分アクセス線の次が22時36分本線だったのが,大分改善されました。

(欲を言えば,51分⇒50分,31分⇒30分にできないものかとは思いますが。)

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 ※(岩):岩沼行,(山)山下行

 3線が利用できる名取駅までは,概ね10~20分毎で使いやすく,アクセス線も終電は早いものの20~30分毎,常磐線はまともな利用客数は亘理だけなので,震災後にさらに利用客が減っているため毎時1本で仕方がない。

 一方,本線の館腰・岩沼駅は,間に入るのがアクセス線2本なので 22時40分の次が23時20分と,40分待ちで利用客数の割には辛い時間帯ですが,それ以降は概ね10~20分毎でアクセス線がない分,名取までと同様でそこそこ便利。

 ところが,常磐線や岩沼行き利用できない本線の槻木駅以遠は,22時の次が22時30分,23時20分,24時02分と,運転間隔が30分⇒50分⇒42分と,まとまった利用客の槻木,船岡,大河原,白石の4駅を有するこの区間の本数としては,ちょっと厳しい。

 よって,仙台から遠ざかり,路線が枝分かれするにつれて,本数が段落ちになり,一見名取までは便利そうだけど,それ以遠はちょっと使いづらくなったりします。

遅れの影響が大

 また3路線が乗り入れているので,いずれかのダイヤが乱れた際に,他の2路線にも大きな影響が。運用が決まっていることから,この3線間での車両の融通もあまり利かせられないので,仙台駅のホームに在線している順に単純に発車させることができないことから,回復までに他路線と比べて時間がかかる印象です。ただ,空港輸送という使命をもつアクセス線は,車両が独自運用で空港と仙台駅の単純往復であること,雨風の影響を受けづらいので,人身事故以外は優先的に運転再開しているのは頼りになるし,せめてもの救い。

 このように,使いこなすには慣れが必要なこの仙台駅以南の東北本線,この区間のこれ以上の増発は難しそうなので,利用者が少しでも快適に使えるように,せめて車両増による混雑の緩和を進めて欲しいところ。

このシリーズは今度こそ残り1回。仙台駅の設備面の改善を願う内容を予定しています。

 

 

 

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コメント

≫匿名さん
 
 記事内容の誤りのご指摘ありがとうございました。
修正させてもらいました。
引き続きよろしくお願いします。

投稿: S-Watcher! | 2019年7月16日 (火) 21時58分

おっしゃる通り!
岩沼駅も当然仙台駅ほど出はないですが、
利用者からすると仙台方面を使う場合、路線関係ないのに、電光掲示板は、常磐線の2番線と東北本線の4番線が分けて表示。
いやいやいや、『次の仙台方面は●番線何時何分出発』と表示するだけでいいのに。
しかも改札抜けてわたり通路の各ホームの箇所にはそのような電光掲示板は設置されてなく戸惑う。
JRにはもっと利用者目線の情報提供をしてほしいです

投稿: いわぬまん | 2019年7月18日 (木) 22時39分

>いわぬまんさん
コメントありがとうございます。
岩沼駅も駅舎はともかく,跨線橋は老朽化してますよね。
無理り西口方面への改札口やホームへのエレベータを接続していたり,
もうちょっと機能的にできないものかと思います。

また,仙台方面は2・4・5番線に分かれていて,
跨線橋上での電光掲示の案内はなく,パネル式の時刻表があるだけなので
確かに分かりにくい面はありますね。

なお,東口改札上の電光掲示案内ですが,仙台行は本線も常磐線も一緒の表示になっていたような気がします。
せっかくだから,跨線橋部分に,次の仙台行は〇番線と表示されれば便利だと思います。

投稿: SENDAI Watcher! | 2019年7月19日 (金) 23時00分

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