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2019年6月22日 (土)

仙台駅前 地下街の可能性

 先週,地元紙の一面にデカデカと出ていた,仙台の地下街についての問題提起としての切り口は面白く,地元紙ならではの記事がありました。

   ただし,これまでの経緯について,カタチだけは公平に伝えようという体をとりながら,地元商業者の意見を代弁している感があります。

 

地下街のない街仙台 構想浮かんでは消え半世紀

「仙台市にはどうして地下街がないの?」。素朴な疑問が「読者とともに 特別報道室」に寄せられた。JR仙台駅に地下自由通路や地下歩道はあるものの店舗はなく、地下街とは様相が違う。東北最大、人口108万都市なら地下街があってもよさそうなのに、なぜ存在しないのか。取材を進めると、地下街構想が浮かんでは消えた仙台特有の事情があった。

◎駅前商店街の反発強く

 JR仙石線の地下化で、2000年に全面開通した仙台駅の東西地下自由通路。東口の宮城野通からJR、市地下鉄の駅構内を経て青葉通、あおば通駅まで約700メートルをつなぐ
 途中、エスパル仙台店の食料品売り場に入る約40メートルはにぎにぎしい。それ以外は壁面広告が続き、殺風景だ。市民が黙々と歩く文字通りの「通路」。東北の玄関口としては少し寂しい。
 地下街を整備する話は、これまで一度もなかったのか。市都市整備局に尋ねると、幹部職員は記憶をたどり「昔はあったが、中心商店街が反対して立ち消えになった」と教えてくれた。
 河北新報に掲載された過去の記事を調べると、地下街の開発は1960年代ごろ、全国で進んだ。仙台も時流に乗ろうと商工会議所が67年、検討委員会を設置したものの実現しなかったと分かった。
 その後も82年の東北新幹線開業、87年の市地下鉄南北線開業、仙石線の地下化、2015年の東西線開業など、仙台駅の姿が変わるたびに地下街を望む声は上がった。ただ、具体的な話には発展しなかった。
 市議会の会議録をたどると、構想が水泡に帰した背景が分かる。02年、当時の市幹部はこう答弁した。
 「新幹線の関係で(仙台駅整備構想の)絵としては出ていたが、地元商店街の地盤沈下になるということで相当タブー視され、具体的には進まなかった」
 名掛丁商店街振興組合(青葉区)の元理事長岩崎一夫さん(81)は、南北線開業前の地元経済界の空気を覚えている。
 「反対というよりは、やめた方がいいという雰囲気だった。地下街は危険で、コストがかかる。大型店が進出し、地上店舗の不利益になるとの理由だった」
 市中心部は駅前から中央通、一番町にかけて六つの商店街がアーケードを連ね、仙台の「顔」として歴史を刻んできた。地下街は新たな顔となる恐れがあり、街を支える商店街には受け入れ難い構想だった。
 「政令市になると、どこも判で押したように地下街を造りたがるが、地元商店街が衰退するだけ。地下街は喫緊の課題じゃない」
 クリスロード商店街振興組合(青葉区)の前理事長鈴木泰爾(ひろみ)さん(78)は90年代後半、当時の藤井黎市長にこう強くくぎを刺したことを思い出す。

◎72年大阪の大規模火災機に規制強化

 都市空間を有効利用した地下街は、にぎわいの核になる。JR東京駅の八重洲地下街は有名。約180の飲食店などが連なり、首都の活気を支える。札幌市のさっぽろ地下街、福岡市の天神地下街など全国20政令市の約半数に存在する。東北はJR盛岡駅西口に小規模な地下街がある。
 「仙台は商店街の反対もあったが、構想が浮上した時期も良くなかった」
 東大大学院工学系研究科の広井悠准教授(都市防災論)は、仙台に地下街がない要因をこう指摘する。
 地下街開発は1960年代ごろピークを迎え、仙台商工会議所も67年に検討委員会を設置した。ところが、72年に大阪・千日デパートで118人が犠牲になる火災が発生し、地下街開発は規制が強化された。
 広井准教授は「当時、駅前整備は地下街とペデストリアンデッキの二択だった。地下街の規制が厳しくなり、仙台は後者を選択したのだろう」と解説する。
 今後も仙台に地下街が生まれる余地はないのだろうか。
 実は、あの殺風景な仙台駅の東西地下自由通路には驚きの仕掛けがある。JRと市地下鉄の間の約200メートル区間は壁が薄く、くりぬけばいつでも店舗が設営できる構造になっている。
 市都市整備局の幹部は「将来、地下街開発の機運が高まったときに備え、可能性を残している」と明かす。
 肝心の機運はどうか。仙台商工会議所の広報担当者は「議論は全く出ていない」と話す。市幹部も「将来のまちづくりの選択肢という程度」と冷ややかだ。
 青葉通沿いの企業や商店街などでつくる協議会は昨年9月、「青葉通まちづくりビジョン」を公表した。仙台駅の地下自由通路を市地下鉄東西線青葉通一番町駅まで延長し、地上と地下を回遊できる歩行者ネットワークを提唱した。ただし、ビジョンに地下街開発の構想はなかった。
 協議会の渡辺博之副会長(58)は「札幌、名古屋などのにぎわう地下街もあるが、仙台は事情が異なる。いまさら地下街を造るより、地上の商店街を活性化すべきだ」と強調する。
 近年、地下街は大規模災害時の一時避難場所の役割も担う。天候に左右されず安全な空間を提供できる利点が見直されつつある。
 広井准教授は「地下街は人に優しい空間で、にぎわいづくりのツール。街の活性化を目的に全国で再び地下街開発が進んでおり、仙台で議論が再燃してもおかしくない」と指摘する。 (6/13 河北)

 

  仙台駅前は,仙台の名物的な広大なペデストリアンデッキが南側のメトロポリタン及びE-Beansから北側の東京建物ビル及びソララ(旧大塚家具)まで面的に広がっています。接するビルの2階が事実上のメイン入口になっているところが多く,当然このペデストリアンデッキが駅前の動線の軸となるのは論を待たないところ。

Img_1125_2

 一方,地下部分には,「地下鉄南北線」と「東西線」の仙台駅及び「JR仙石線」のあおば通駅と東口の仙台駅を合わせて3路線4駅が存在し,また,JR仙台駅の地下南口改札もあり,それぞれの改札を結ぶ地下レベルの通路やコンコースが迷路のように発達しています。

 JR仙台駅地下には駅ビルの地下部分として,「エスパル地下街」という名のよっぽど一般的な地下街より立派な巨大な地下ショッピングエリアがあるので,仙台市民が地下街的なものに飢えている訳ではないでしょうが,ただ素朴にこれだけ発達している地下通路部分に商業機能がないことの疑問を持つのは不思議ではない。

 

 

 特に,記事にもあるように,JR仙石線が地下化された約20年前に線路上部に整備された,約700mの長さを持つ東西地下自由通路も,同様で通路機能のみですが通路沿いには,店舗設置可能なしかけがあるとのことで,これは以前から知られている話でした。

自分が聞いていたのは片側(北側と思われます)の壁をくりぬけるようになっていると。片側か両側かは記事中には詳細な言及はないですが。

 地下鉄南北線コンコースと交わる部分には,ファミリーマートの小型店はあるだけで,別に地下街なんて大げさなものではなく,改札外ではあってもエキナカ機能として,カフェなど地下鉄等の利用者向けの必要最低限のサービス機能があるだけで違うとは個人的には思います。

仙台市地下鉄 ファミマが主要駅構内にオープン (2015/7/20)

 

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さくら野跡地・オリックス開発との関係

 さて,その東西自由通路沿いの部分位を商業開発しても,広島のシャレオのような新規開発ではないので,投資額も大きくなく名掛丁のアーケードと競合するものではないとは思うのですが,なかなか動きづらいところはあるようです。

 個人的には,既にあるものや最低限の投資で利便性が高まるものはやったほうが良いとのスタンス。

Photo_20190622120601  

 ふと気づいたのは,その東西自由通路の南北には,再開発に向けて動きがある「さくら野百貨店跡」と,暫定利用が延長されているエデンと解体中のGSビルを合わせた「オリックス不動産所有地」が控えています。

下の写真は,EDENの青葉通側から(7/8:以下写真2枚を含めて多少追記)。

Img_7876

 EDENの平面図です。飲食店中心で,最近は通路部分にテーブルが並び,ちょっとしたおしゃれな横丁風で,仙台駅前という立地条件もあり遅くまでにぎわっています。

Img_7875

 特に,さくらの百貨店は現建物でも地下階(旧デパ地下)があり,再開発で新たな建物になる際にも地下階が整備されると思われ,その場合現在閉鎖中の北5出入り口を経由した地下鉄仙台駅との接続はもちろん(仙台市がこの部分を区分所有しているし,地下鉄直結の立地条件を捨てる訳がない),この東西自由通路との接続の可能性もあるのではと。(7/8:旧さくら野とGSビル解体現場の写真を追記)

Img_7872

 もちろん,東西自由通路とさくら野敷地の間には20m程度の距離もあるし,地下部分で接続する場合は地下2階まで掘らなければならないので,フロア同士が合わせづらいけれど,その位の投資に見合う仙台駅前のお宝再開発ですし。路線価も東北一の常連の土地。

 この場合,沿道ビルとの接続扱いとし,地下街扱いしないことが条件でしょうね。疑似地下街的な感じで回遊性を高めることができれば。

札幌は,有名な大通駅のポールタウン・オーロラタウンという巨大地下街のほか,札幌駅南口にも大きな地下街がありますが,この2大地下街エリアを結ぶ「札幌駅前通り地下歩行空間(チ・カ・ホ)」という地下道が2011年に開通しました。

Photo_20190622155101  

これは地下街ではなく,地下道扱いですが,沿道ビルの地下部分と接続して疑似地下街的な部分もあります。雪国の札幌は地下部分の活用に積極的なのは当然とはいえ,参考になる部分です。

 また,地下部分への接続はオリックス側も同様。現在所有しているEDENとGSビル跡だけでなく,ロフトも昭和時代末期の市街地再開発ビルでまだ建て替えには早いかと思っていたら,建物はもう40年程度経つんですね。ワンフロアの階高の低さは,雑貨を扱う店としては上下移動が気分的に楽で,かえってメリットですが,地下鉄とJR仙台駅に囲まれた二度と出てこない最高の立地でしょうから,(耐震化はしましたが)ヒューモスファイブも合わせてワンブロックでシンボリックな仙台を代表する複合開発を期待したいところ。(7/8:ロフト北側からの写真を追記)

Img_7874

地下歩行者動線の拡充

 記事にもありますが,商業団体より「青葉通まちづくりビジョン」が公表され,その中で,東西地下自由通路の東西線青葉通一番町駅までの延長が提言されたとのこと。

 これについてはアーケードの歩行者通行量が分散し,商店街のにぎわいの低下に繋がる内容なので,この内容を入れてきたことは評価できる。一方,地下街さえできなければ新たな地下動線の整備は問題ないということなんでしょうか。

 都心部のとぎれとぎれの地下道をつなげることは大賛成。仙台駅前の地下道・地下鉄コンコースが比較的有機的につながっているのに対し, 東西線青葉通一番町駅,青葉通地下道,JRあおば通駅からの東西地下自由通路,広瀬通駅地下道と,仙台の都心部には地下道や地下駅が整備されていながらも,細切れで 有効活用されていない例が多いので。

 まぁ,巨額の予算をかけて市が整備するのであれば,東西線開通時だったけど,その時点で話がなかったということは,優先順位は低いし,今後も難しそうかな。せめて,青葉通地下道と青葉通一番町駅は,間の地下駐輪場の整備と一緒につなげてしまった方が良かったんだけど。

 

 

 

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