« 仙台市役所建て替え 1棟19階建ての方針 | トップページ | あすと長町復興公営住宅をめぐる日照問題 »

2019年2月10日 (日)

都心再構築プロジェクト始動? その2

続きです。

 

都心部強化に向けての市の動きですが,

 

 

1.都市計画マスタープランと都市交通プランの改定

 

2.経済活性化と連動させた都心機能の更新

 

3.利便性の高い都心交通環境整備

 

が打ち出されているにしても,具体的にどのような内容になるかですが,都市間競争に勝ち抜くための,都心部の再開発の誘導が必要なのは明白な事実。特に都心部では,地下鉄網が東西南北に整備され,仙台駅東口方面の再開発が進みつつあるにしても,課題は山積しています。

 

〇西口正面のさくらの百貨店跡地,EDEN・旧GSビル跡地・E-Beans付近の再開発

 

〇不足しているオフィスビルの整備促進

 

〇仙台駅前に対し,旧来の繁華街一番町・定禅寺通近辺の活性化

 

などが,必須の施策として挙げられます。特に,一つ目の駅前一等地でありながら低利用地がこんなに3ブロックもあるという現実。それに仙台市当局がこれまで積極的に関わってこなかったという姿勢からの転換が問われるところで,このお宝的な場所について,民間任せというのは許されない。

 

 ただし,この3つのブロックの再開発が全て進んでしまうと,ホテルはともかく,商業・オフィス面では供給過剰を招いてしまう可能性もあるので,バランスをとることが必要ですが,特にEDEN,旧GSビルの街区については,地権者のオリックスを中心に,再開発ビルとして整備されながら既に築40年近くが経過しつつあるLOFTビルも結構建物の形状が入り組んでいることから,LOFTビルも加えて(理想としてはさらに,耐震化工事済ではありながらも老朽化は進んでいるヒューモスファイブビルも含めた街区一体の商業・オフィス・ホテルの複合再開発を目指すべきでしょうし,今後50年間を左右する仙台駅西口正面のお宝の土地を中途半端な形で活用すべきではない。

 

 ロフトも直営部分を減らし,テナントを増やす方向性から,この春ニトリの小型店舗が5階にオープンするし,あの建物の活用については,いろいろな策を考えていそうです。

 

 同じ西口お宝の土地であった,エンタツ・EBeansの土地はしびれを切らした日通がパルコに土地賃貸の上,バラバラ開発となってしまったので,その二の舞を踏んでは欲しくないです。

 

 これらの土地を含め,再開発の誘導のためには,福岡,札幌のような高さ制限や容積率の緩和が必須で,一体開発や地下鉄・通路への接続によるインセンティブを与えることが必要。そうなると,現在の無意味に厳しすぎる環境アセスに抵触することを避けるために,土地の共同化をしない方が延べ床面積を抑えられ有利,高さを80~99mに抑え,結果的に景観を害する壁ビルになっている現状を改善するために,環境アセスの条件を
「高さ100m以上or延べ床面積5万平米」
            ↓
高さ100m以上and延べ床面積5万平米」

 

にするだけでも,変わってくるし,当然「杜の都」景観計画による都心部原則80m制限の緩和も必要に。現在はオープンスペースの設置が条件だけど,札幌を参考に,高次オフィス機能や地下鉄・地下通路への接続など,緩和要件に含まれるメニューを増やすことで,大分事業者にとっても魅力的になってきます。
仙台市「杜の都」景観計画

 

スポンサーリンク

せんだい都市交通プラン

 

 現在のプランでは,
(方針1)「公共交通をさらに便利にします」
東西線開業を見据えた、鉄道に乗り継ぎができるようなバス路線網への再編
⇒東西線沿線3駅を中心とした,100円均一区間の導入とバス路線再編。

 

利用しやすい運賃設定とIC乗車券の導入など
⇒地下鉄200円均一区間とイクスカの導入,スイカ等との相互乗り入れ開始。

 

(方針2)「都心の交通環境をもっと快適にします」

 

「仙台駅大改造」(地下鉄東西線(仮称)仙台駅の新設、東西駅前広場の機能強化、東西自由通路の整備など)
⇒概ね概成し,残るは工事中の西口バスターミナルの拡張,東口高速バスターミナルの再編などを残すのみ。

 

バリアフリーの推進、コミュニティサイクルの実施など
⇒仙台駅大改造に伴う,上下移動エレベータの増設,DateBikeの導入とポート増設。

 

(方針3)「市民協働の取組で地域の足を確保します」

 

市民協働による路線バスの維持、路線バス以外の生活交通の確保など
⇒燕沢のコミュニティバスの導入

 

 など,概ね柱となる計画は達成している状況で,それ以上の取り組みというと難しい印象が。
東西線絡みの施策がバス路線再編も含み一段落した現在,次に打ち出すとなると仙山線の機能強化・東照宮~中江付近の高架化・新駅設置などJRが絡む施策が考えられるけど,JR及び地元の協力が見込めない状況だったりして,市として積極的にプランに上げることができるか。
 東西線が絡まないバス路線の再編では,郊外の対策ですが,「基幹バス+フィーダーバス」というバスーバス乗り継ぎの導入が考えられますが,これまで何度も浮上してはトーンダウンしているし,今の市長の政治スタンスでは,某市政与党に遠慮してその施策を打ち出すとは思えない。
 なお,地元紙の記事では,「利便性の高い都心交通環境の整備に取り組む」とありますが,地下鉄の整備が終了し,鉄軌道の新規整備はないので,期待したいのは,バス路線の改変による電力ビル偏重の路線を分散し,トラストタワー・上杉通・北目町通付近など,都心部内で空白地解消による利便性向上ですが,市バスの合理化により増発のみというのはありえないし,上杉通やトラストタワー付近は宮交が路線を縮小しているエリアでもあり,勝手に市の考えだけで物事は進められないことから,何とも予想がつかない状況です。
 実証実験で失敗したカーバス君が悔やまれるところですが,都心部で地下鉄を補完する分かりやすい循環バスなどは求められると思うので,仙台市の打ち出す施策を楽しみにしたいと思います。

 

 

|

« 仙台市役所建て替え 1棟19階建ての方針 | トップページ | あすと長町復興公営住宅をめぐる日照問題 »

市政」カテゴリの記事

交通」カテゴリの記事

他都市比較」カテゴリの記事

まちづくり」カテゴリの記事

商業」カテゴリの記事

仙台いろいろ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 仙台市役所建て替え 1棟19階建ての方針 | トップページ | あすと長町復興公営住宅をめぐる日照問題 »