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2018年1月 7日 (日)

H30年4月の市バス路線減便について

 いろいろと市議会やメディアで昨年末に取り上げられていたこのニュース。1日に運行する全本数の2.4%の便数が減便となり、改変の第1歩になります。
この度の市バスの経営悪化については、東西線の開業という大きなきっかけはあれども、3駅からの100円区間設定方法の失敗(地下鉄乗継のみに限定しなかったこと)、東西線駅に結節させるための無理な路線設定(特に薬師堂)が大きいと思っています。
今回のダイヤ改正の概要が、市交通局HPにアップされたので、それをもとに考察します。
以前からいろいろと情報は出ていましたが、
(1)鶴ケ谷線の深夜バス廃止による終バス繰り上げ
(2)地下鉄結節路線での夜間帯の減便
(3)薬師堂駅への無理な路線設定解消と、荒井駅周辺の便数減
(4)緑ヶ丘地域のバス路線効率化(緑ヶ丘線と恵和町線の一部統合)
(5)高校通学路線の廃止(泉松陵・明成と旭ヶ丘駅を結ぶ路線)
いろいろ反対が出るだろうから、減便路線については輸送密度も提示することで、やむを得ないという面を押し出しています。
まずは、
(1)鶴ケ谷線の深夜バス廃止による終バス繰り上げ
 
23時52分旭ヶ丘駅発で、市バスでは最も遅い便でしたが、廃止になるようです。東西線開業のH27.12月に続いて、H28年10月にとどめを刺すように実施された宮交バスの23時以降に発車するバスの全廃があり、その流れなんでしょうね。ただし、利用率が悪いわけではなく、乗車密度が6名と低いのは、単に東仙台営業所に回送する都合上、全区間での輸送密度を算出しているだけで、ほとんどが南光台・鶴ケ谷で降りてしまうことを考えると、意図的に輸送密度を低く出しているような気がしないでもない。
 

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これは、宮交深夜便廃止の際にも言っているけど、なんでいきなり廃止なの?23時もしくは23時30分以降の便を深夜バスとして2倍運賃を徴収するなどで、深夜の人件費負担をペイするという方法は各都市(新潟市の新潟交通でさえも)でポピュラーな方法なので、地下鉄沿線以外を切り捨てする前にちょっと一工夫できるじゃん。まぁ、やるんだったら、東西線開業と同時に実施したバスへのイクスカ導入時に運賃プログラムをいじっとけばよかったのに、単独で改修すると改修費の方が高くなり全くペイできないけどね。やるんだったら、消費税10%のタイミングか。

(2)地下鉄結節路線での夜間帯の減便

22時以降の地下鉄駅結節バスを中心に、減便が実施されます。

とはいっても、乗車密度が数名、ひどいところではほとんどゼロに近いものも。

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その中でも、地下鉄駅発のバスが数名レベルであれば、確かに厳しいなーと。ここにあげられている路線はほとんどが東西線バス乗継駅からの便。特に薬師堂駅と荒井駅がらみが大半で、実際この路線の需要喚起は難しいよなぁと思う。

その中で、数少ない八木山動物公園駅駅絡みの減便では、西ノ平線の動物公園駅22時6分発長町駅東口行が無くなり、21時50分頃発が最終バスになりそうです。

それにしても、実際芦口エリアは長町南駅から乗り継ぐ流れが自然なのに、長町駅発が20時半位が最終で何もない動物公園駅経由で乗継させようというのが露骨でしたが、やっぱりそういう政策的な路線は上手くいかない。朝は動物公園経由の方が渋滞もなく、地下鉄も座れるというメリットはあり、朝の動物公園行は1便増になるようで。

(3)薬師堂駅への無理な路線設定解消と、荒井駅周辺の便数減
やっぱりねと、上述の芦口付近の東西線誘導とも共通するところですが、薬師堂駅付近のバス路線は、改めて見ても中心部へ行く数少ないバスが若林区役所を2回通るとか、区役所を無理に経由させようとして、駅への所要時間が伸びてしまうとか、あからさまな露骨な路線の利用率が低くなっており、再編の対象になっています。
詳しくは、下記の改変路線図と本数の変化を見ていただければ。しかし、100円バスで大盤振る舞いしてもこのようにほとんど利用されていない区間もあったり、ヤバいよねー。特に荒井駅絡み。休日はほとんど利用されていないし。

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(4)緑ヶ丘地域のバス路線効率化(緑ヶ丘線と恵和町線の一部統合)
ここも、以前から予想していた路線統合です。統合することで、長町駅と動物公園駅を結ぶ便が約15往復増便になる他、両路線で重複していた緑ヶ丘・青山区間の運行効率化にもなるし、なぜ東西線開業時にやらなかったのかという感想。

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ただ、恵和町線は数少ない中型バスを使っているので、大型バスを使っている緑ヶ丘線と完全に統合はできず、また朝ラッシュ時の動物公園駅への大量輸送は緑ヶ丘線が主に担うという役割分担で、うまく効率化を図ってきました。

一応効率化の名のもとに恵和町線は1往復減されますが、動物公園⇔緑ヶ丘3丁目までは、動物公園駅発が5本増、動物公園行きが3本増と効率化と利便性向上を両立させた例。こういう効率化はwin-winで良いですね。

あと恵和町をあえて経由させる意味があるのかどうか。ちょっと下に降りると西ノ平線の芦口経由の新路線も30分に1本運行されているし。多少の高低差はあるから、さすがにすぐに廃止はできないんでしょうけど。
 なお、便数減らしたいんであれば、乗車率の低い仙台駅⇔交通局の効率化が最も効果があると思ったり。当然仙台駅での乗継割引が前提ですが。
(5)高校通学路線の廃止(泉松陵・明成と旭ヶ丘駅を結ぶ路線)

同じ旭ヶ丘駅からの路線ですが、明成へは地下鉄からの乗継を目的としており、また泉松陵へは地下鉄からの乗継ではなく、わざわざ遠回りして旭ヶ丘・南光台南側・鶴ケ谷からの通学者の便を確保しており、それぞれ多少背景は違います。

明成は北仙台経由などもあるし、泉松陵へは学都パスで単価が低いから収益性は低いだろうから、ラッシュ時の効率化を考えるとやむを得ないのかなと。それぞれ1往復しかないから、特に夕方は部活の学生は使えないし、自転車で通っている学生の方が多いのかなと。最近は電動も安くなっているし。

 縮小一辺倒ではなく、一部路線の増便もあったり、メリハリをつけた再編にはなっていますが、まだまだ聖域があったり、やりようはあるのかとも思います。

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コメント

恵和町線の件ですがやはり中型バスの確保が問題になるでしょうね。実は方法はなくはなくて中型バスを一番使っている高松安養寺線のスジを少し変えることで融通は可能だったりします。

それは高松安養寺線を再び高松線と安養寺線に分けるという方法です。
ずばり
130系統(早朝夜間帯のみ)→現状維持
X130系統→高松経由東仙台営業所行(安養寺非経由)に変更(系統番号は131辺り?)
D130系統→135系統(幸町一丁目安養寺経由台原駅行)に統合。
こうすればD130系統の分が空くようになるので融通はできなくはなかったりします。もっともこれはこれで高松安養寺の住民から反対が出るでしょうが…。

投稿: hts | 2018年1月13日 (土) 22時24分

>>htsさん
 なるほど。緑ヶ丘の坂を上るためには中型車でないとというネックを解消するためには、
中型車を集めるという、そのような方法があるんですね。
 このように、利便性の低下を伴わずに効率化を図れる路線は他にもあるのではと思います。

投稿: S-Watcher! | 2018年1月20日 (土) 23時46分

月曜日から金曜日まで運行が同じバスは土曜日は日曜日に運行を統合すべきである。

投稿: ガーゴイル | 2022年9月 2日 (金) 15時30分

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