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2015年8月 2日 (日)

気仙沼線 JRが復旧断念

全く予想通りの展開ですが、震災で気仙沼-柳津間が不通で、BRT代行となっているJR気仙沼線の復旧断念がJR側から正式に伝えられました。

国が黒字企業のJR東日本に対し復旧費用を補助しないという方針、JRも赤字路線を自前で復旧させることは株主への説明責任を考えても無理との方針は、以前から何も変わっていないながらも、地元は無策で行きつくべくこの結論に行きついた感があります。

JRもBRT化で本数を増やして、エサをばらまいたところも。鉄道に戻っても本数が2~3時間に1本に戻るという印象を与えて、してやったりというところ。ただ、BRT化で増えた本数が、鉄道復旧断念が決まって、一方的に減便される可能性は大アリ。

すぐにはやりにくくとも、10年後には30分間隔→1時間間隔にはなることは十分に予想できる。将来的には運行からの撤退もあるな。だからといて鉄道復旧させても先はじり貧。なのでやむを得ない。気仙沼駅や南気仙沼駅でも、震災前1日200人程度しかない乗客数。気仙沼駅は大船渡線も含めて。それを考えると、鉄路復旧自体が無謀。

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気仙沼市の菅原市長も、震災後に復旧は無理的な本音をポロっと漏らしてから、復旧前提みたいな方向性に変化してましたが、今回の正式発表に対し、地元向けの説明ができないって、これまで4年間何をしていたの?というところ。

まぁ、本音は対仙台では、震災前でたった1日2本しかなかった快速南三陸なんて使い物にならないから、東北道・三陸道経由で現在10往復(三陸道経由3時間、東北道経由2時間半)もある高速バスが、三陸道が延伸すると三陸道経由でも東北道経由と同等になる。

鉄道復旧しても、そのころには仙台直通が高速バスが当たり前状態になっているだろうし、そこでJRが快速南三陸を例えば倍増(1日4往復程度)まで増やして、高速バスに対抗するとはととても思えない。

気仙沼市としては、対仙台は高速バス、対東京や北東北については、一関駅経由での大船渡線が生きているから、本数は少ないにしても、気仙沼線の復旧にこだわる必要性はない。

一方、南三陸町は、鉄路が被災せずに残っている陸前戸倉までの復旧案を出していましたが、ちょっとトーンダウン気味。陸前戸倉でBRTへの乗り換えを強いられるのはちょっと。。。とのことですが、南三陸町が置かれている状況は、石巻線の女川と同似ている。

石巻線も、女川の一駅前の浦宿までは比較的被害が小さく、ルート変更された女川まではJR負担で復旧されました。

なので、南三陸町としてもせめて志津川駅までの復旧と、気仙沼方面とのBRT接続という提案もありなのでは。当然移設ルートは町で確保する必要はありますが。

それがなければ、柳津まで鉄路を残す意味が感じられない。

そう思わせるがため、JR側でBRTを前谷地延伸したのでしょう。さすがです。無策の自治体側に対し、戦略的なJR。お隣の岩手県は山田線の三陸鉄道への編入を前提とした交渉など、状況は異なるとはいえ戦略がありましたが、宮城県側は。。。

また、BRTで存続するのであれば、現在のルートにこだわることなく、志津川から三陸道経由で石巻駅や新設される石巻あゆみ野駅に接続して、仙台方面への接続を図るという方法もあったり。まぁそれであれば最初から仙台まで直通の高速バスに乗ってしまえばという面はありますが、蛇田イオン付近の商業施設への足という位置づけもあるのでは。

とにかく、自治体側としては、前向きで、JRが飲めるような提案をしないと、時間切れになってしまうので、”戦略的な撤退戦”に持ち込むべきかと。

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コメント

お久しぶりです。
自分もS-Watcherさんがお書きになっている通りの考え方ですね。
やはり、宮城県と沿線自治体、特に気仙沼市は今まで何をしていたんだろうというのが正直な所です。
他の自治体を見る限り、何も出来なかったというのは言い訳になりません。
防潮堤の問題も未だ解決していませんし、復興させたくないのかなと感じる次第です。

気仙沼線については、志津川まではBRTで確定だと思います。
本数も鉄道の時より増えた為、住民の方もBRTに満足している様ですし。
問題は志津川以南ですが、気仙沼線全線BRT化か志津川まで鉄路で復旧させるとするかの二択でしょうね。
柳津での乗り換えに不満を持っている方がいるようですし、かといって自治体の要望する陸前戸倉までの復旧というのも…。

高速道路が数年来に気仙沼まで全通すると、鉄路の完全復旧だと仙台~気仙沼は勝負にならない訳ですから、志津川までBRT区間走行・志津川から高速道路走行で仙台や、石巻市内へのBRT延伸の様な戦略的な復興施策が必要な気がします。

投稿: デリン | 2015年8月 7日 (金) 00時12分

>>デリンさん
いつもコメントありがとうございます。

結局、気仙沼市は本気で復旧させようとなんて思っていないからなんでしょうね。
市内区間はBRTで本数も増えて、かえって<<現時点では>>便利になっていますし、対仙台も高速バスが10往復もあれば、気仙沼線なんて復旧してもどうせ使わない。大船渡線は生きている。
仮に三セク設立して復旧となったら、仙台までの運賃が跳ね上がり、片道2000円弱の高速バスに対してさらに競争力を持ちえない。

なので、気仙沼市長に対しては、今更何言っているのか?という思いがあります。
対仙台の交通手段を確保せよとの要望を出していますが、高速バスor大船渡線経由 の2つの選択肢が既にあるので、新たにJRにやらせることはない。

その点、南三陸は町内のバランス及び気仙沼市の様子を見ていた感じで、ちょっと気の毒な点はあります。気仙沼市を差し置いて、「志津川までの復旧」とは言いづらいのと、BRTになる歌津とのバランスとか。

そうはいっても、女川や山元のように街づくりの中心に駅を据えるかどうかの判断は必要であって、その考えがなく、県も国もJRもスタンスを変えない中で、このような結論になるのは分かっていたわけで、本気で鉄道復旧させよう必然性がなかったのは気仙沼と同様かな。

というのも、住民の利用率が低く、さらに三陸道が復興道路として莫大な予算をかけて気仙沼、さらに釜石まで急ピッチで延伸されようとしていることからすると、わざわざ復旧させても不便な鉄道にこだわる必要はない。
でも南三陸町は志津川までの復旧であれば、JRにとっても柳津止まりよりも鉄路を活用しやすいし、女川のように観光面での活用というのもあり得る。そういう妥協点をもっと早めに提案できなかったのかなと思いました。志津川の復興まちづくりが進んでいるだけに、今から鉄道復旧を前提とした計画に修正できるかというと、間に合うかが分からない。

なお、柳津⇔前谷地 の廃止で一番影響を受けるのは、涌谷と前谷地だったりします。おそらく小牛田⇔柳津の列車が丸ごと廃止になるでしょうから、その分本数が減ると。

三陸鉄道に挟まれていた山田線とは事情が違うにせよ、従来はJRに対しては交渉の余地があったのでしょうが、ちょっとこれからの協議では遅すぎるのではないかな。実際の流れを考えると石巻方面への乗り入れは自分も思いました。ただ、JRにやらせるのでなく、既存の三陸道高速バスで石巻河南ICにバス停を設けるだけで、石巻方面との行き来は大分改善される(イオン、日赤病院)のかな。


投稿: S-Watcher! | 2015年8月 9日 (日) 00時01分

おっしゃる通り、ですね。したたかな国鉄と、無策の自治体。
南三陸町の手前、大声では言わないが、大船渡線が一ノ関まで生きてるので、気仙沼線はどうでもいいと本音では思っている気仙沼市。

言葉悪いですが、地方の漁師街が、東京のインテリに丸めこまれた、というところでしょうか。

南三陸町に所縁がある私から、町の弁護をするとすれば、役場の職員が絶対的に不足していたのかなと思います。
応援が来ていると言っても、所詮は「外人部隊」なわけで。。。

一方で、JR東に対しては、インフラ企業として、「壊れたけど、もともと利用なかったから、直さなくていいよね」というスタンスは、如何なものかな、とは感じています。
廃止するなら、平時で話すべきであって、震災に乗じて畳みかけるのはなぁ。。。

とは言え、三陸道が今年度中には志津川まで開通しますし、日に4本、高速バスが仙台から走ってますから、今更鉄道といっても、対仙台だと勝ち目ゼロでしょう。

私が一番懸念しているのは、定時性が確保されるのか、という問題です。
気仙沼線が走っていた時代は、志津川や歌津から気仙沼の高校への通学するときに、渋滞の心配をすることはなかったです。
現在はBRTを利用しなければならないのですが、時間どおりに着くことができるのか?という心配があります。
そうなると、志津川や歌津から気仙沼とか町外の高校に通うことに不安が出てきて、中高生を持つ世帯が、町から出ていくことに繋がってしまうと思います。

若者が住んでいない街は、いくら観光客が来たとしても、寂れる一方かなぁ。

もうこうなると、「BRTでもいいが、鉄道と同レベル定時性を確保しろ」とかいうのも、かなり横車押すような要求にみえてしまうし、万策尽きた感があります。

投稿: まこちん | 2015年8月20日 (木) 21時13分

>>まこちん
 リプライが遅くなり済みません。
 南三陸町の状況は本当に気の毒だと思います。同じ小さな町でも役場職員に犠牲がなかった女川と、防災対策庁舎で多くの職員が犠牲になり、さらに町長が訴えられたり、一筋縄ではいかない状況の南三陸を比べると、復興の遅さは何とも言い難いです。

志津川駅までだけでなく、陸前戸倉までの復旧も町はあきらめたようですが、確かに前谷地方面の鉄路が復活しても、石巻までは直通で行けない。仙台までは快速南三陸の復活は見込めず、結局高速バスの方が便利であれば、復旧してもそれほど利用が見込めないということがあるのかも。

気仙沼方面の通学需要における、定時性の面はあまり考えてなかったです。気仙沼(不動の沢)まで1時間で時間が読めるのと、90分になり遅れるかもしれないのを比べると、確かに鉄道のメリットは大きい。南三陸町からは気仙沼方面への流動(気高への通学・気仙沼市立病院への通院)が大きかったので、南側だけ復旧してもということなんですね。高校への通学手段を考えると、鉄道とバスとの心理的な差は確かに大きいと。

気仙沼市のスタンスは、既に書いているとおりですが、市長からの条件闘争の中で、「あり」と思うのは、大船渡線と新幹線経由で仙台に向かう場合の配慮です。

往復7,000円程度で割引切符の設定がされることと、一ノ関駅での乗り継ぎ時間を10分程度で2時間程度で行ければと思います。
最短だと仙台まで2時間を切る場合もありますが、概ね一ノ関駅で2~30分程度の待ち時間が生じる時間帯も多く、その場合だと、2時間半を超えてバスとそれほど変わらない。
バスの最終が仙台18時前なのに対し、新幹線経由だと20時30分発なので、新幹線経由の経路が使いやすくなると、同じ県内であることのハンデが小さくなるかなと思いました。

投稿: S-Watcher! | 2015年9月 6日 (日) 21時24分

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