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2015年6月 7日 (日)

仙石東北ライン開業(1)高速バスとの競争

先週の5月30日に仙石線の全線開通とともに、東北線に乗り入れる石巻からの快速系統である仙石東北ラインが開業しました。

自分は、初乗車どころかこの1週間、JR仙台駅にさえ全く足を踏み入れていないので、様子はtwitterで拾うのみですが、大体様子がつかめてきた感じです。

仙石東北ラインvs 宮交高速バス

これまで震災以降石巻からの直通公共交通機関として、所要時間が約80~90分で両都市間を結んでおり、毎時2~3本程度運行で、貴重な役割を担っていました。

約2時間かかっていた仙石線代行バス乗継は、多賀城など途中駅への利用者向けで、役割分担を図っていた感があります。

いずれも、バスがこの4年2か月間、貴重な役割を果たしていましたが、ダンプトラックとの運転手の取り合いや、各地の代行バス/・BRTも含めてのバス需要の増加で、運転手不足が顕在化して久しい状況。

この仙石線の開通および仙石東北ラインの開業で、仙台と石巻間の公共交通機関は再び鉄道が優位になることが想定されます。

それは、当然の関係で、仙石線や仙石東北ラインは基本4両編成なので、1列車で立ち客含めれば500名程度を優に運ぶことができるという大量輸送性があり、1台で50名しか運べないバスとは比べ物にならない。

それに、上述のとおり、バスの運転手不足、また宮交がJRの代行バス輸送の一翼を担っていたりということもあり、これまではライバル関係というよりは協調関係だったことから、JRが鉄道を復旧させても、仙台-山形 のように鉄道と真っ向から勝負を挑むことはないだろうと思われました。

結果的に、高速バス側は始発と終発時間は変えずに、概ね毎時2本(30分間隔)に減便してきましたが、定着したバス利用者にとっても十分実用性に耐えるダイヤで、

・イオン石巻でのパークアンドバスライドの一定の需要。

・必ず着席できるという、急がなくても良い客層への需要。

・三陸道の4車線化による所要時間の短縮・安定化

・石巻専修大学への通学需要

なども含め、仙石線及び仙石東北ラインがほぼ仙台から毎時1本にしかならないダイヤであることを考えると、市役所前からの乗車も可能ということもあり、十分対抗できる感じです。震災前は概ね1時間に1本だったことを考えると、鉄道側よりもよっぽど便利。

Img_8847

需要が少なければ、仙台空港アクセスのように、鉄道とバスで無駄に競合してお互いに共倒れしそうな状況になりますが、競争関係が生じるのは乗客にとってもプラスになる。

理想なのは鉄道優位でバスが補完するケース。仙台-山形のようにバスが圧倒的で鉄道が補完というケースは、鉄道の大量輸送性が発揮されずもったいない。そこを仙山線の設備を理由にバスに対抗しようとしないJRの姿勢の問題という面もあります。

それに、仙石東北ラインの本数が少なく、朝の石巻→仙台の実質利用可能なのが、石巻6時35分→仙台着7時35分しかなく、座ることも期待できないので、バスがそれをうまく補完できればと。

また、仙石東北ラインは、1時間に1本確保されているわけではなく、石巻発で7時台と12時台に運行がなかったり(全線仙石線経由で90分の各停のみ)、その時間帯もうまく補完してもらえればと思います。

仙石東北ラインは、仙台石巻間最短52分というマスコミも交えた大本営発表とハイブリッド車両の導入という期待感を盛り上げる一方、本数の少なさ、発車時間もバラバラのランダムダイヤ、実際の所要時間は1時間以上が半分以上と、期待させといて。。。という面も大きいです。

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仙石東北ライン運行形態の発表(3/2)

でも、JR東日本のやることなのだから、こういうことはある程度予想されていたので、まぁしゃーない。とにかく、石巻と仙台間の利用者にとっては、おめでたいトピックでした。あとは、2年後の常磐線相馬~浜吉田間ですね。気仙沼線の鉄路再開は、予想していたとおりもはや絶望的で、JRの戦略にはまっています。まぁ営利企業という性格からすると、やむを得ない面がありますが。。。

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コメント

お忙しい中での記事投稿ありがとうございます。

高速バスの方は、仙石東北ラインの開業に伴った大幅な減便が無くて良かったなと思います。
お書きの通り、高速バスの一定の需要があることに加えて、仙台-山形線とは違ってバスの優位性はそこまでではないので、鉄道とバスで棲み分けできるのではないかと。

まだ定期券の切り替え時期の関係により鉄道に乗り換える方もいるので、高速バスを継続して使う方がどの程度居るか不明ですね。
半年後~来年3月辺りで高速バス側がダイヤ改正すると思いますが、どの程度の本数を走らせるか注目です。
あまりにも需要が落ちているなら、ショッピングモールや仙台うみの杜水族館のある仙台港、仙台東ICのある荒井駅辺りに停車しても良いかもしれませんね。
仙石線とは通っているルートが異なるので、高速バス側でも需要喚起策は色々あるのかなと感じています。

投稿: デリン | 2015年6月 8日 (月) 20時31分

>>デリンさん

いつもどーもです。
またまた返信が遅くなりましてすんません。

東西線の荒井駅経由は高速バスの共存の鍵になりますね。
せっかくの東IC経由なので、近くの荒井駅経由をうまく生かすことができれば。
ただし、もったいないのは、荒井駅北の区画整理がとん挫したおかげで、駅前広場が南側のみとなりました。北側にも駅前広場ができていれば、より東IC経由の高速バスの中継拠点としての役割を果たせただけに。。。南側の駅広を経由すると、5分以上のロスになり、街中への直通客を逆に逃がしてしまうことにも。それであれば、六丁の目駅や卸町駅の方が、産業道路沿いで乗降ができるしロスが少ないので良いかもしれませんね。仙台駅まで250円区間ですし(荒井駅は300円区間)、そもそも卸町近辺への通勤客にとってはほぼ直結になりますので、需要開拓には良いかと。

一方、うみの杜水族館は、仙台港IC経由になり一般道区間が長くなること、レジャー施設であり通年でのコンスタントな利用が難しいことから、厳しいかなという感想です。

いずれにせよ、バスは毎時2本程度であれば、輸送力を考えると十分鉄道と棲み分けできると思います。というか、棲み分けしてJR独占にならないように頑張っていただきたいです。

投稿: S-Watcher! | 2015年6月13日 (土) 22時34分

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