« GWのイベント&楽天・ベガルタ・89ersについて | トップページ | あすと長町の近況(H27.5) »

2015年5月 5日 (火)

コンパクトシティへの取り組みについて(3) ~富山市での取り組みその1

2~3か月前に取り上げたコンパクトシティ絡みの記事。ちょっと空きましたが、久々に続きです。

GWのニュースで、北陸新幹線沿線への観光客が殺到、特に金沢は茶屋街や兼六園など大賑わいと報じていました。

3月14日、とうとう北陸新幹線が金沢まで開業し、東京金沢間が2時間28分、富山まで2時間8分と、東京~盛岡間と同じくらいの時間距離に短縮された効果を早速発揮しています。

33年前の東北新幹線・上越新幹線開業時には、開業当初大宮暫定開業だったということはあれども速達系はなく、仙台まででも宇都宮・郡山・福島にこまめに停車するやまびこのみだったことを考えると、今回の北陸新幹線は飛行機から客を奪おうと、当初から速達系(長野~富山無停車)の「かがやき」を1~2時間に1本運行するなど、戦略的です。

仙台からでも、金沢まで大宮での1回乗り換えで最短3時間20分で移動できるようになり、飛行機と匹敵する時間距離に短縮されています。

観光面では独り勝ちと言われる金沢ですが、その手前にある富山市。北陸電力があるなど北陸での拠点性を金沢と分け合っている感じですが、都市規模としては約40万人規模でほぼ同じ。しかし街中がまだ元気な金沢と異なり、正直街中は衰退の一途をたどっていたところ。

ただ、金沢に比べての優位性とすると、地方都市でこれだけの鉄道網が残っていたこと。

富山地方鉄道が、立山連邦の玄関口である立山、さらに奥のアルペンルートにつながる重要な観光ルートの一翼を担っているということがありながらも、富山市内では路面電車も運行していたり、この40万規模の都市及び周辺の都市圏で、これだけの私鉄網が残っていたことが奇跡的かと。

Train_map_03

こっちは路面電車。

Shiden3

他では、四国の松山や高松位しか思いつかない。

とはいえ、街中は路面電車が走っていて交通利便性も住みやすさも恵まれているかというと、富山という土地柄、三世代同居が当たり前、平野も広く、郊外に何ぼでも土地がある。夫婦共稼ぎが当たり前で世帯収入が高く、自家用車を複数台保有することは当たり前。

そうすると、狭苦しい街中に無理に住む動機はない。

という自動車社会の進展もある他、豊かさ故の理由からか、市街地の人口密度は全国の県庁所在地で最低レベル。

その富山市。街づくり面では、「コンパクトシティ」の先進都市として有名です。

先行事例の青森市では

コンパクトシティとして売り出したのは青森市が最初だったかと思いますが、アウガの経営破たんとか、街中への居住者も買い物客も集積がうまく進まず、市長の交代もあり、現在ではその旗は降ろしていないながらも、かなりトーンダウンしている印象です。

その理由として、交通機関がJR及び三セク化された青い森鉄道のみしかなく、それもお世辞にも本数が多いとは言えないので、街中への集客手段としては弱い。また街中に住むメリットも弱く、買い物でも街中にわざわざ車で来るほどの魅力がないということもある。

また、新幹線の駅「新青森駅」が数キロ西に離れた郊外に設置され、新幹線駅の駅前区画整理では商業施設がNGということで、中心市街地へ配慮した結果、空地が目立つ結果となり、両方共倒れの雰囲気も醸し出しています。

そもそも、郊外への準工業地域での1万平米以上の商業施設出店抑制も、かねさの跡地は結局数区画に敷地を分けることでの法逃れが行われ(主導したのは破たんしたサンシティ)、現在はイオンタウン青森浜田となっていますが、結果的に郊外出店への歯止めにはならなかったということ(仙台でも、東仙台のフォレオはこの形態)。

まちづくりにおける行政の権限が小さい日本での取り組みの限界を現しています。

富山市での状況

一方、富山市では、苦戦しながらもまだ分かりやすいアピール要素にて、成功事例と見立てられています。

  • JR旧富山港線を転換した、LRTのポートラムの開業【駅北】Img_6970
  • 旧市街地を走る路面電車の環状線化(セントラム)【駅南】

    Img_7047

  • 北陸新幹線の富山駅の開業と高架化により、上記駅の南北に分かれていた路面電車の南北直通化の取り組み。

     Img_6977            

     Img_7055

  • 街中(総曲輪)での商業・住居系再開発の進展

     Img_7015

 

     Img_7027

と、ハコものやインフラ中心に、目に見える動きがあります。

それも、現在の富山市長(森市長)のリーダーシップのたまものであるようで、かつての青森市の前佐々木市長もですが、自治体のリーダーのトップダウンでないと、なかなか打ち出せない方向性。特に地方都市においては。

表にでている上記のような”売り”を見る限りでは、成功例としてアピールできるものに思えます。個人的にもこのようなまちづくりの考え方はなかなかないために、応援したいもの(トップランナーであるここがコケたら後が続かない)とは思っています。

とはいえ、自分が実際に見ての感想も含めて、本当の成功につなげるためには課題は山積しています。

その続きはまた次回で。

|

« GWのイベント&楽天・ベガルタ・89ersについて | トップページ | あすと長町の近況(H27.5) »

交通」カテゴリの記事

他都市比較」カテゴリの記事

まちづくり」カテゴリの記事

コメント

青森市の商圏であるはずの弘前市には立派な中心街がありますし、五所川原市は郊外に大規模なショッピングセンターがあります。それらの都市との共存を図るとすればむしろ青森市の中心部の活性化は好ましくないとも言えます。青森市は経済機能を八戸市に譲って政治の中心としての役割と東津軽地域の中心としての役割に特化することが本当の意味でのコンパクトシティでしょう。

投稿: Piichan | 2015年5月 6日 (水) 21時52分

>>Piichanさん
そのような見解をお持ちなのですね。
自分も青森の状況についてはそれほど詳しくはありませんが、
他都市との関係というのは、この問題の本質ではないとは思います。
青森市の商業機能はそもそも弘前や八戸に及ぶものではないのかと。
青森市のコンパクトシティの当初のスタートは、
除雪等のインフラ維持管理コストの効率化に起因する話なのでは。

投稿: S-Watcher! | 2015年5月30日 (土) 23時07分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« GWのイベント&楽天・ベガルタ・89ersについて | トップページ | あすと長町の近況(H27.5) »